JP2006273609A - 水素発生装置およびそれを用いた燃料電池 - Google Patents

水素発生装置およびそれを用いた燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2006273609A
JP2006273609A JP2005091465A JP2005091465A JP2006273609A JP 2006273609 A JP2006273609 A JP 2006273609A JP 2005091465 A JP2005091465 A JP 2005091465A JP 2005091465 A JP2005091465 A JP 2005091465A JP 2006273609 A JP2006273609 A JP 2006273609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
container
water
hydrogen generating
generator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005091465A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Nakai
敏浩 中井
Takeshi Miki
健 三木
Shoji Nishihara
昭二 西原
Tatsu Nagai
龍 長井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP2005091465A priority Critical patent/JP2006273609A/ja
Publication of JP2006273609A publication Critical patent/JP2006273609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 水素を簡便に発生することができる水素発生装置を提供し、また、その水素発生装置を用いて小型化を実現できる燃料電池を提供する。
【解決手段】 加熱された状態で水と反応して水素を発生するが、常温では実質的に水素を発生しない水素発生物質を容器内に収納した水素発生装置に、容器外部から容器を加熱する手段を備えさせ、容器に水を供給した状態で、容器を加熱して前記水素発生物質と水とを反応させることを可能とした水素発生装置を構成し、また、その水素発生装置を用いて燃料電池を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水との反応により水素を発生する水素発生物質を用いた水素発生装置および該水素発生装置を用いた燃料電池に関する。
近年、パソコン、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウムイオン二次電池では未だ充分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
そのような状況の中で、上記要望に応え得る電池としては、例えば、固体高分子型燃料電池が挙げられる。この固体高分子型燃料電池は、電解質に固体高分子電解質を用い、正極活物質に空気中の酸素を用い、負極活物質に燃料(水素、メタノールなど)を用いるもので、この固体高分子型燃料電池はリチウムイオン電池よりも高エネルギー密度化が期待できる系として注目されている。燃料電池は、燃料および酸素の供給さえ行えば、連続的に使用できるという特性を有しているが、その燃料に関していくつかの候補が挙げられているものの、それぞれ種々の問題点を有しており、最終的な決定がいまだなされていない。例えば、燃料として純水素を用いる場合、水素を高圧タンクあるいは水素吸蔵合金タンクに蓄える方法がある。しかし、体積および重量が大きくなりエネルギー密度が低くなるという問題がある。燃料として炭化水素系燃料を用い、それを改質して水素を取り出す方法がある。しかし、改質装置が必要となり、改質装置への熱の供給や断熱を要するなどの問題がある。また、燃料としてメタノールを用い、直接電極でメタノールを燃料として反応させる直接メタノール型燃料電池は、小型化が容易であって、将来のポータブル電源として期待されているが、メタノールのクロスオーバーによる電圧の低下およびエネルギー密度の減少という問題がある。
燃料に純水素を用いる方法として、100℃以下の低温で化学反応により水素を発生させて燃料として用いる方法も知られている。例えば、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛などのように、水と反応して水素を発生する金属を水素源とするものである。しかし、反応生成物である酸化物または水酸化物が表面皮膜を形成して、内部の金属と水とが接触できなくなり、酸化反応が表面のみで停止してしまう。従って、内部の金属まで反応させるためには、上記表面皮膜を連続的に取り除く必要がある。この考えに基づいて、表面皮膜を機械的に取り除き、すべての金属を酸化させて水素を発生させる方法が提案されている(特許文献1)。また、アルミニウムをアルカリまたは酸で溶解させて水素を発生させる方法も提案されている(特許文献2〜4)。
特開2001−31401号公報 米国特許第6506360号公報 特許第2566248号公報 特開2004−231466号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、表面皮膜を取り除くための機械的設備が必要であるため装置が大きくなったり、あるいは機械的に表面皮膜を取り除くためのエネルギーが必要になるなどの問題があった。
また、上記特許文献2〜4に記載の方法では、化学的に簡便に水素を発生させることができるが、アルミニウムに見合う当量のアルカリまたは酸を添加する必要があり、水素源以外の材料の比率が高くなることによってエネルギー密度が減少するという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、簡便に水素を発生する水素発生装置を提供し、また、その水素発生装置を用いて小型化を実現できる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、加熱された状態で水と反応して水素を発生するが、常温では実質的に水素を発生しない水素発生物質を容器内に収納した水素発生装置に、容器外部から容器を加熱する手段を備えさせ、容器に水を供給したときに、容器を加熱して前記水素発生物質と水とを反応させることを可能とした水素発生装置を提供し、また、該水素発生装置を用いて燃料電池を提供して、前記課題を解決したものである。
本発明によれば、水素を簡便に発生させることができる水素発生装置を提供することができ、また、該水素発生装置を用いて小型化を実現できる燃料電池を提供することができる。
すなわち、本発明によれば、前記のような表面皮膜が存在していたとしても、加熱により上記皮膜を除去することができるので、上記表面皮膜を取り除くための機械装置を要することなく、加熱を行うことで水素を発生させることができるので、水素を簡便に発生させることができる。また、本発明によれば、表面皮膜を取り除くための機械装置を要しないので、水素発生装置自身を小型化でき、その結果、燃料電池も小型化できる。
本発明において用いる水素発生物質は、加熱された状態で水と反応して水素を発生するが、常温では実質的に水素を発生しないものであることを特徴としている。すなわち、本発明において用いる水素発生物質は、常温、常圧の条件では水との反応がほとんど進行せず、水素ガスの発生がほとんどないものである。
上記水素発生物質としては、特に限定されることはないが、例えば、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛などが好適に用いられる。また、上記水素発生物質としては、純粋な金属または該金属を主原料とする合金も用いることができる。合金を用いる場合、該合金が水素発生物質としての機能を有する金属を主材として構成されていれば良く、合金の組成に関して特に限定されることはない。
これらの水素発生物質は、加熱された状態では水と反応して水素を発生するが、表面に安定な酸化皮膜を形成するため、常温や、板状あるいはブロック状などのバルクの状態では、実質的に水素を発生しない。また、上記酸化皮膜の存在により、空気中での取り扱いも容易である。
ここで、実質的に水素を発生しないとは、水素発生物質を水と接触させたときに、25℃(常温)での1時間当たりの水素発生量が、水素発生物質1g当たり5ml以下である状態が少なくとも5時間以上持続することを意味する。
例えば、アルミニウムの場合、水素を発生させ、酸化生成物を生成して表面に酸化皮膜を形成する反応は次式のようになる。
2Al+6HO=Al・3HO+3H (1)
2Al+4HO=Al・HO+3H (2)
2Al+3HO=Al+3H (3)
アルミニウム以外の水素発生物質も、上記アルミニウムと同様の機構により、表面に酸化皮膜を形成して安定化する。そのため、本発明では、水素発生物質の粒径をできるだけ小さくし、反応面積を大きくしておくことが好ましい。従って、水素発生物質は、平均粒径が0.1〜100μmの粒状またはフレーク状であることが好ましく、平均粒径が0.1〜50μmであることがより好ましい。これは、水素発生物質の平均粒径が100μm以下であることにより、水素発生物質と水との反応が起こりやすくなるためであり、粒径を小さくすると、より低い温度でも水素発生が起こるからである。水素発生物質の平均粒径を50μm以下とすることにより、40℃程度の穏和な条件でも水素を発生させることができる。
また、水素発生物質の粒径を小さくすると水素発生速度が増加するが、平均粒径が0.1μmより小さくなると、引火性が高まり取り扱いが困難になる。さらに、粒径が小さくなると、嵩密度が小さくなるため、水素発生物質の充填密度が低下し、エネルギー密度が低下しやすくなる。そのため、水素発生物質の平均粒径は0.1μm以上とすることが好ましい。
なお、本発明において、上記水素発生物質の平均粒径は、体積基準の積算分率における50%径の値を意味する。この平均粒径の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱法が挙げられる。このレーザー回折・散乱法は、具体的には、水などの液相に分散させた測定対象物質にレーザー光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法である。このレーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装(株)製「マイクロトラックHRA」などを用いることができる。
本発明では上記水素発生物質を容器内に収納するが、その容器の形態や形状は、特に限定されない。ただし、水の供給口や水素の排出口以外から水や水素が漏れないようにしておくことが好ましい。容器に用いる材質は、水および水素を透過しにくく、かつ100℃程度に加熱しても容器が破壊しない材質であれば特に限定されず、例えば、アルミニウム、鉄などの金属やポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂を用いることができる。
本発明の水素発生装置の水素排出口には水素発生物質および水が容器の外に出ないようにフィルターを設置することが好ましい。このフィルターは気体を通すが液体および固体を通しにくい特性を有するものであれば特に限定されず、例えば、多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の気液分離膜、ポリプロピレン(PP)製の不織布などを用いることができる。
本発明の水素発生装置で水素を発生させるための加熱手段としては、水素発生物質を収納した容器を40〜100℃に加熱することができれば、特に限定されることがないが、例えば、抵抗体に通電することによる発熱や化学反応による発熱などを採用することが好ましい。本発明では上記加熱手段を容器外部に設置して容器を外部から加熱する。
加熱手段として化学反応による発熱を採用する場合の発熱源としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウムなどのように、水との反応により水酸化物となったり、水和することにより発熱するアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、塩化物、硫酸化合物などを用いることができる。また、発熱源として鉄粉のように酸素と反応して発熱する金属粉も用いることができる。
本発明の水素発生装置では、アルミニウムなどの水素発生物質の反応性を高め、水と充分に反応させることができるので、効率よく水素を発生させることができるが、水の沸点が常圧で100℃であることから、水素発生物質の反応温度、すなわち、前記加熱手段により加熱される水素発生物質の反応温度は100℃以下であることが好ましく、一方、水素発生反応の効率の点からは、水素発生物質の反応温度が40℃以上であることが好ましい。例えば、アルミニウムを水素発生物質として用いる場合、前記(1)〜(3)式のいずれかの反応式によって水素が発生するが、このような条件下では、(1)式のAl、3HO、すなわち、水酸化アルミニウム〔Al(OH)〕が生成する反応が主に起こっていると推測される。
水素発生物質を容器に収納する前に水素発生物質表面の酸化皮膜を除去しておくと、水素発生速度が向上する。表面酸化皮膜の除去方法は、特に限定されないが、例えば、不活性ガス雰囲気中、有機溶媒中、水溶媒中などで機械的に撹拌するか、あるいはアルカリ水溶液で溶解するなどにより除去することが好ましい。また、表面酸化皮膜の除去処理を行った水素発生物質は再び表面が酸化されないように不活性雰囲気中で保存しておくことが好ましい。
本発明の水素発生装置における容器には、例えば、アルミナ、シリカ、マグネシア、酸化亜鉛、炭素、吸水性高分子などを添加しておくと、水素発生物質から効率よく水素を発生させることができる。これら添加剤の作用については、現在のところ必ずしも明確ではないが、添加剤により前記水素発生物質と水との接触状態が良好になるか、あるいは後述するペレットにした場合にはペレットの内部まで水が浸透するなどの効果があるものと推測される。
本発明の水素発生物質の形状は、特に限定されないが、ペレット状にするか、あるいは顆粒状にすることが好ましい。ペレット状に圧縮成形すると、充填密度が向上して体積が小さくなるので、エネルギー密度が向上する。また、顆粒状にすると、反応面積が大きくなるので、水素発生速度が大きくなる。
本発明の水素発生装置において、水素発生物質に水を反応させるときの温度は40〜100℃であることが好ましい。この温度域が最も効率よく水素を発生させることができる。また、温度を制御することにより水素の発生量を制御することができる。水素発生物質に反応させる水の供給を制御することによっても、水素の発生量を制御することができる。
本発明の水素発生装置で発生させた水素は、炭化水素系燃料の改質で発生させる水素で問題にされているCOおよびCOを含まない。そのため、100℃以下で作動する固体高分子型燃料電池でCOの被毒がない。本発明の水素発生装置は、小型、可搬型燃料電池の水素供給源として、非常に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
図1に構造を模式的に示す水素発生装置を以下の手順により作製した。
水素発生物質を収納する容器1は容器本体部1aと蓋1bとで構成するものとし、まず、平均粒径3μmのアルミニウム粉末1gと水10gを内容積50mlのガラス製の容器本体部1aに入れた。この容器本体部1aを水供給口2および水素排出口3を有する蓋1bで密閉した。そして、上記のようにアルミニウム粉末と水とを収納した容器1の外側に加熱手段4として抵抗体を配置して水素発生装置を作製した。水素発生は上記抵抗体に2.2Wの電力(10V、0.22A)を通電することにより容器1を50℃に加熱することによって行い、発生した水素は水上置換法により捕集して発生量を測定した。
実施例2
加熱手段4として酸化カルシウムと水との反応による発熱を用いた以外は、実施例1と同様に水素発生装置を作製して水素発生量を測定した。
実施例3
平均粒径20μmのアルミニウム粉末を用いた以外は、実施例1と同様に水素発生装置を作製して水素発生量を測定した。
実施例4
平均粒径30μmのアルミニウム粉末を用いた以外は、実施例1と同様に水素発生装置を作製して水素発生量を測定した。
実施例5
平均粒径150μmのアルミニウム粉末を用いた以外は、実施例1と同様に水素発生装置を作製して水素発生量を測定した。
実施例6
平均粒径3μmのアルミニウム粉末0.9gと平均粒径1μmのアルミナ0.1gを混合して得た粉末を用いた以外は、実施例1と同様に水素発生装置を作製して水素発生量を測定した。
実施例7〜9
容器1に入れる水の量を2gにした以外は、実施例1と同様に水素発生装置を作製した。そして、水素発生を行うときの加熱温度をそれぞれ50℃、45℃および40℃にして水素発生量を測定した。
比較例1
加熱手段を設けなかった以外は、実施例1と同様に水素発生装置を作製し、常温で放置して水素発生量を求めようとしたが、水素発生は確認されなかった。
実施例1〜9および比較例1の水素発生量を測定した結果を表1に示す。表1中の水素発生量は水上置換法により20時間捕集した合計の発生量で示している。また、表1には、水素発生装置の容器への加熱温度、アルミニウム粉末の平均粒径および水素の最大生成速度も併せて示す。なお、水素の最大生成速度は、2分ごとに捕集した水素の量を測定し、その間の水素の生成速度を求め、測定中で最も大きな値となった生成速度を水素の最大生成速度としたものである。
Figure 2006273609
表1に示すように、40℃以上に加熱した実施例1〜9では、いずれも水素の発生が認められたが、加熱をしなかった比較例1では、測定時間内に水素の発生が認められなかった。この結果から、本発明の水素発生装置では40℃以上に加熱することが好ましいことが明らかになった。
さらに、上記実施例1〜9の結果から、以下のことも判明した。実施例1では抵抗体に通電して発熱させて容器を50℃に加熱することにより大量の水素が発生した。実施例2では加熱手段を酸化カルシウムと水との反応による発熱に変えたが、実施例1と同様に水素が発生した。しかし、実施例1に比べて水素発生量および最大生成速度が小さかった。これは、実施例2では水素発生量の測定途中に、酸化カルシウムの発熱反応が終了して加熱時間が実施例1より短くなったためであると考えられる。
水素発生物質の粒径については、平均粒径が3μmのアルミニウム粉末を用いた実施例1の方が、平均粒径20μmのアルミニウム粉末を用いた実施例3や平均粒子径30μmのアルミニウム粉末を用いた実施例4よりも、水素発生量および最大生成速度が大きかった。平均粒径が150μmのアルミニウム粉末を用いた実施例5では、粒径が100μm以下の水素発生物質の割合が最も少ないと思われるが、この実施例5では、水素発生量および最大生成速度が低下したことから、100μm以下の水素発生物質の割合を大きくして反応面積を増加させることにより、水素発生量が増加することが確認された。従って、水素発生物質の粒径を制御することにより、水素発生速度を制御することができると考えられる。
また、実施例6では、添加剤としてアルミナを添加することによりアルミニウムの反応率を増加させることができた。これは、アルミナを添加することにより、アルミニウムおよび反応生成物の凝結を防ぐことができたためであると考えられる。
加熱温度については、50℃に加熱した実施例7の方が、45℃に加熱した実施例8や40℃に加熱した実施例9よりも、水素発生量および最大生成速度が大きくなった。しかし、50℃で最大生成速度を示したのは加熱開始から30分後であり、その後は急激に生成速度が低下した。これに対し、45℃に加熱した実施例8や40℃に加熱した実施例9では、実施例7よりも生成速度は小さいが長時間安定に水素が発生した。従って、加熱温度を制御することによっても、水素発生速度を制御することができると考えられる。
実施例10
実施例1と同様に、水素発生物質を収納する容器1は容器本体部1aと蓋1bとで構成するものとし、まず、平均粒径3μmのアルミニウム粉末1gを内容積50mlのガラス製の容器本体部1aに入れた。この容器本体部1aを水供給口2および水素排出口3を有する蓋1bで密閉した。そして、上記のようにアルミニウム粉末を収納した容器1の外側に加熱手段4として抵抗体を配置した。この抵抗体に2.2Wの電力(10V、0.22A)を通電して容器を50℃に加熱した状態で、水供給口2から水を0.02ml/minの速度で供給したところ、実施例1と同様に水素発生が確認され、水の供給を停止すると数分後に水素発生が止まることが確認された。
実施例11
実施例1と同様にして水素発生装置を作製した。容器を50℃に加熱したところ、実施例1と同様に水素発生が確認され、加熱を止めて放冷すると数分後に水素発生が止まることが確認された。
実施例12
実施例1で作製した水素発生装置の水素排出口を固体高分子型燃料電池の負極に接続して、水素発生装置を備えた燃料電池を構成した。次いで、実施例1と同様にして水素を発生させ、発生した水素を上記固体高分子型燃料電池に供給して放電試験を行った。その結果、室温で200mW/cmという高い出力が得られ、小型、可搬型燃料電池の燃料源として有用であることが判った。
以上説明したように、本発明の水素発生装置は、100℃以下の低温で、簡便かつ高効率で水素を得ることができるので、燃料電池用の燃料源として、特に小型携帯機器用の燃料電池などに幅広く利用可能である。
本発明の水素発生装置の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 容器
1a 容器本体部
1b 蓋
2 水供給口
3 水素排出口
4 加熱装置

Claims (13)

  1. 加熱された状態で水と反応して水素を発生するが、常温では実質的に水素を発生しない水素発生物質を容器内に収納した水素発生装置であって、容器外部から容器を加熱する加熱手段を備え、前記容器内に水が供給された状態で、容器を加熱して前記水素発生物質と水とを反応させることを可能としたことを特徴とする水素発生装置。
  2. 前記水素発生物質が、アルミニウム、ケイ素、亜鉛およびマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
  3. 前記加熱手段が、抵抗体に通電することによる発熱を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の水素発生装置。
  4. 前記加熱手段が、化学反応による発熱を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の水素発生装置。
  5. 化学反応によって発熱する材料が、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウムおよび金属粉からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項4に記載の水素発生装置。
  6. 前記水素発生物質の平均粒径が、0.1〜100μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水素発生装置。
  7. アルミナ、シリカ、マグネシア、酸化亜鉛、炭素および吸水性高分子からなる群より選択される少なくとも1種をさらに前記容器内に含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水素発生装置。
  8. 前記水素発生物質が、ペレット状または顆粒状に成形されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水素発生装置。
  9. 前記水素発生物質の反応温度が、40℃以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水素発生装置。
  10. 前記反応温度が、100℃以下であることを特徴とする請求項9に記載の水素発生装置。
  11. 前記水素発生物質と反応させる水の供給を制御することにより、水素発生量を制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の水素発生装置。
  12. 前記加熱手段により水素発生装置の温度を制御することにより、水素発生量を制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の水素発生装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の水素発生装置を備えてなることを特徴とする燃料電池。
JP2005091465A 2005-03-28 2005-03-28 水素発生装置およびそれを用いた燃料電池 Pending JP2006273609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005091465A JP2006273609A (ja) 2005-03-28 2005-03-28 水素発生装置およびそれを用いた燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005091465A JP2006273609A (ja) 2005-03-28 2005-03-28 水素発生装置およびそれを用いた燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006273609A true JP2006273609A (ja) 2006-10-12

Family

ID=37208711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005091465A Pending JP2006273609A (ja) 2005-03-28 2005-03-28 水素発生装置およびそれを用いた燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006273609A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010047442A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Rubycon Corp 水素発生ユニット
JP2011026182A (ja) * 2009-05-28 2011-02-10 Toshiharu Fukai 水素の製造方法
WO2011142247A1 (ja) * 2010-05-11 2011-11-17 コニカミノルタホールディングス株式会社 燃料電池装置
WO2011158614A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 コニカミノルタホールディングス株式会社 燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システム
JP2013107822A (ja) * 2013-01-30 2013-06-06 Ulvac Japan Ltd 水素ガス発生方法及び水素ガス生成材
WO2016104007A1 (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 国立大学法人京都大学 水素製造装置及び水素発生容器

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5542222A (en) * 1978-09-18 1980-03-25 Yahagi Seitetsu Kk Continuous production of hydrogen using metal scrap
JPH0364318A (ja) * 1989-07-03 1991-03-19 General Electric Co <Ge> 改善された酸素遮断特性をもつ熱可塑性ポリアリーレート組成物
JPH0459601A (ja) * 1990-06-26 1992-02-26 Asahi Chem Ind Co Ltd 水素の製造方法
JP2002104801A (ja) * 2000-09-27 2002-04-10 Daihen Corp 水素ガス発生方法及び装置並びにこれを用いた燃料電池、アルミニウム溶射装置及び亜鉛アルミニウム溶射装置
JP2004505879A (ja) * 2000-08-14 2004-02-26 ザ ユニバーシティ オブ ブリティッシュ コロンビア 水分解反応による水素の発生
JP2004067422A (ja) * 2002-08-05 2004-03-04 Uchiya Thermostat Kk 水素発生装置
JP2004168583A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Uchiya Thermostat Kk 水素発生装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5542222A (en) * 1978-09-18 1980-03-25 Yahagi Seitetsu Kk Continuous production of hydrogen using metal scrap
JPH0364318A (ja) * 1989-07-03 1991-03-19 General Electric Co <Ge> 改善された酸素遮断特性をもつ熱可塑性ポリアリーレート組成物
JPH0459601A (ja) * 1990-06-26 1992-02-26 Asahi Chem Ind Co Ltd 水素の製造方法
JP2004505879A (ja) * 2000-08-14 2004-02-26 ザ ユニバーシティ オブ ブリティッシュ コロンビア 水分解反応による水素の発生
JP2002104801A (ja) * 2000-09-27 2002-04-10 Daihen Corp 水素ガス発生方法及び装置並びにこれを用いた燃料電池、アルミニウム溶射装置及び亜鉛アルミニウム溶射装置
JP2004067422A (ja) * 2002-08-05 2004-03-04 Uchiya Thermostat Kk 水素発生装置
JP2004168583A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Uchiya Thermostat Kk 水素発生装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010047442A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Rubycon Corp 水素発生ユニット
JP2011026182A (ja) * 2009-05-28 2011-02-10 Toshiharu Fukai 水素の製造方法
WO2011142247A1 (ja) * 2010-05-11 2011-11-17 コニカミノルタホールディングス株式会社 燃料電池装置
JP5516726B2 (ja) * 2010-05-11 2014-06-11 コニカミノルタ株式会社 燃料電池装置
WO2011158614A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 コニカミノルタホールディングス株式会社 燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システム
JP5668755B2 (ja) * 2010-06-18 2015-02-12 コニカミノルタ株式会社 燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システム
JP2013107822A (ja) * 2013-01-30 2013-06-06 Ulvac Japan Ltd 水素ガス発生方法及び水素ガス生成材
WO2016104007A1 (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 国立大学法人京都大学 水素製造装置及び水素発生容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100837291B1 (ko) 수소발생재료, 수소의 제조장치 및 연료전지
JP5154233B2 (ja) 水素発生燃料電池カートリッジ
JP4104016B2 (ja) 水素発生材料、水素製造用カートリッジ、水素製造装置、水素の製造方法および燃料電池システム
JP4947718B2 (ja) 水素発生材料及び水素発生装置
KR101375584B1 (ko) 연료전지 카트리지의 수소발생효율의 최적화
JP4761248B2 (ja) 水素発生材料および水素発生材料の製造方法
KR20090060996A (ko) 발전장치
JPWO2009031578A1 (ja) 水素発生材料組成物、水素発生材料成形体及び水素の製造方法
JPWO2007052607A1 (ja) 水素製造装置およびそれを用いた燃料電池システム
JP2008166248A (ja) 水素貯蔵タンクを有する燃料電池
JP2006273609A (ja) 水素発生装置およびそれを用いた燃料電池
JP2007326731A (ja) 水素製造方法
JP4574487B2 (ja) 水素の製造方法及び水素の製造装置並びに電源
JP2011121826A (ja) 水素の製造方法及び水素の製造装置、並びに燃料電池システム
JP2007326742A (ja) 水素製造方法
JP2007290888A (ja) 水素の製造方法
WO2009107779A1 (ja) 水素発生装置
JP2008273758A (ja) 水素発生材料組成物および水素発生装置
JP4537337B2 (ja) 水素発生材料、水素発生材料の製造方法、水素の製造方法、水素の製造装置および燃料電池
JP2010001188A (ja) 水素製造装置及び燃料電池
JP2007119323A (ja) 水素製造装置
JP2010265137A (ja) 水素製造方法および水素製造装置
JP2009203103A (ja) 水素発生装置
JP2010235391A (ja) 水素の製造方法及び水素の製造装置
JP2009190935A (ja) 水素の製造方法及び水素の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110104

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110518

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110524

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110614