JP5668755B2 - 燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システムに関し、特に水素発生部材を有する燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システムに関する。
近年、携帯電話、携帯型情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型オーディオ、携帯型ビジュアル機器等の携帯用電子機器の多機能化、高性能化が進展するに伴い、その駆動用電池の大容量化に対する要求が高まってきている。従来、このような携帯用電子機器の駆動用電池としては、リチウム電池やニッカド電池が用いられているが、その容量は、限界に近づいており飛躍的な増大は望めない。そこで、リチウム電池やニッカド電池に代わりエネルギー密度が高く大容量化が可能な燃料電池の開発が盛んに行われている。
燃料電池は、水素と酸素から水を生成した際に電力を取り出すものであり、原理的に取り出せる電力エネルギーの効率が高いため、省エネルギーになるだけでなく、発電時の排出物が水のみであるため、環境に優れた発電方式であり、地球規模でのエネルギーや環境問題解決の切り札として期待されている。
このような燃料電池は、典型的には、固体ポリマーイオン交換膜を用いた固体高分子電解質膜、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた固体酸化物電解質膜等を燃料極(アノード)と酸化剤極(カソード)とで両側から挟み込んだものを1つのセル構成としている。そして、このような構成のセルには、燃料極に燃料ガス(例えば水素ガス)を供給する燃料ガス流路と、酸化剤極に酸化剤ガス(例えば酸素や空気)を供給する酸化剤ガス流路とが設けられ、これらの流路を介して燃料ガス、酸化剤ガスがそれぞれ燃料極、酸化剤極に供給されることにより発電が行なわれる。
ところが、外部から燃料が供給される燃料電池装置では、燃料(例えば水素)を供給するためのインフラ整備が必要である。また、燃料として比較的入手が容易なメタノールを用いる場合においてもその流通には年月を要するといった問題がある。
一方、例えば、特許文献1では、金属材と水とを反応させて上記金属材を酸化し、水素を発生させる酸化工程と、金属材と水素とを反応させて上記金属材を還元する還元工程とを交互に繰り返す水素製造方法が提案されている。この水素製造方法は、上記酸化工程および還元工程において、発生した水の総重量、発生した水素ガスの総流量、上記金属材の重量の増減などを検出することにより、上記金属材の酸化状態を測定し、測定された上記金属材の酸化状態に基づいて、上記還元工程と酸化工程との切り替えを施すことを特徴としている。
特開2008−150256号公報
しかしながら、特許文献1で提案されている水素製造方法を、燃料電池装置に設ける水素発生部材に適応した場合、発生した水の総重量、発生した水素ガスの総流量、金属材の重量の増減などを検出することにより、間接的に金属材の酸化状態を測定することになるため、測定誤差が生じるおそれがある。このような測定誤差が生じると、金属材の酸化状態に応じた効率的な発電動作を実施しようとしても正しく実施できないことになり、発電寿命が短くなってしまう。
本発明は、上記の状況に鑑み、外部からの燃料ガスの供給が不要であり、且つ、発電寿命が長い燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池装置は、燃料電池本体と、水素発生部材と、電流制御部とを備えた燃料電池装置であって、前記燃料電池本体は、燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極と前記酸化剤極との間に狭持される電解質を有し、前記水素発生部材は、水との酸化反応により水素を発生し、発生した水素を前記燃料極に供給し、前記電流制御部は、発電動作時の電流限界値を求めるべく所定のタイミングで、電流量を変化させつつ電圧の変化を検出する動作を行い、前記電流量の変化に対する前記電圧の変化の割合が所定の値を超えたときの電流値に基づいて前記電流限界値を求め、求められた前記電流限界値に応じて前記燃料電池本体から出力される電流を制御する構成とする。
本発明に係る燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システムによると、前記燃料電池装置が前記水素発生部材を備えているので、外部からの燃料ガスの供給が不要となる。また、本発明に係る燃料電池装置及びこれを備えた燃料電池システムによると、発電動作時に前記水素発生部材の酸化状態に応じて効率よく発電でき、さらに、前記水素発生部材の酸化状態を直接的に測定しているので測定誤差が生じるおそれがない。これにより、発電寿命を長くすることができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池装置で行われる発電動作及び再生動作の流れを示す模式図である。 燃料電池本体の等価回路である。 水素発生部材が或る酸化状態であるときの燃料電池本体の電気的特性を示す特性図である。 燃料電池本体の電流限界値と水素発生部材の酸化状態との関係を示す図である。 電流制御部の動作を示すフローチャートである。 電流制御部の動作のうち、電流限界値を判定するステップを示すフローチャートである。 発電動作時に電流制御部の制御部が選択する回路の例を示す図である。 再生動作時に電流制御部の制御部が選択する回路の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池装置と蓄電装置とのハイブリッドシステムの概略構成を示す模式図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。尚、本発明は、後述する実施形態に限られない。
<<本発明の一実施形態に係る燃料電池装置の概略構成>>
最初に、本発明の一実施形態に係る燃料電池装置の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池装置の概略構成を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る燃料電池装置1は、図1に示すように、燃料電池本体10と、電流制御部20とを備えている。尚、図1において、燃料電池本体10は断面模式図で示し、電流制御部20はブロック図で示す。
燃料電池本体10は、電解質膜101と、燃料極102と、酸化剤極である空気極103と、水素発生部材104と、ヒータ105と、温度センサ106と、カバー部材107とを有している。また、燃料電池本体10は、電解質膜101の両面に燃料極102と空気極103を接合したMEA(Membrane Electrode Assembly;膜・電極接合体)構造である。
そして、燃料極102側には燃料極102に燃料ガスである水素を供給する水素発生部材104が設けられ、空気極103側には空気極103に酸化剤ガスである空気を供給する空気流路108が形成されている。本実施形態では、酸化剤ガスとして空気を用いているが、空気以外の酸素を含有するガスを酸化剤ガスとして用いることも可能である。
電解質膜101の材料としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた固体酸化物電解質を用いることができ、また例えば、ナフィオン(デュポン社の商標)、カチオン導電性ポリマー、アニオン導電性ポリマー等の固体高分子電解質を用いることができるが、これらに限定されることなく、水素イオンを通すものや酸素イオンを通すもの、また、水酸化物イオンを通すもの等、燃料電池の電解質としての特性を満たすものであればよい。なお、本実施形態においては、電解質膜101として、酸素イオン又は水酸化物イオンを通す電解質、例えばYSZを用いた固体酸化物電解質を用い、発電時に燃料極102側に発生した水を用いた化学反応によって水素発生部材104から水素を発生させることができる。
電解質膜101は、固体酸化物電解質の場合であれば、電気化学蒸着法(CVD−EVD法;Chemical Vapor Deposition − Electrochemical Vapor Deposition)等を用いて形成することができ、固体高分子電解質の場合であれば、塗布法等を用いて形成することができる。
燃料極102、空気極103はそれぞれ、例えば、電解質膜101に接する触媒層と、その触媒層に積層された拡散電極とからなる構成にすることができる。触媒層としては、例えば白金黒或いは白金合金をカーボンブラックに担持させたもの等を用いることができる。また、燃料極102の拡散電極の材料としては、例えばカーボンペーパ、Ni−Fe系サーメットやNi−YSZ系サーメット等を用いることができる。また、空気極103の拡散電極の材料としては、例えばカーボンペーパ、La−Mn−O系化合物やLa−Co−Ce系化合物等を用いることができる。
燃料極102、空気極103はそれぞれ、例えば蒸着法等を用いて形成することができる。
水素発生部材104としては、酸化反応によって水素を発生するもの(例えばFeやMg合金等)を用いることができるが、本実施形態においては、酸化により水素を発生するFeを用いる。また、水素発生部材104は、水素を発生させるだけでなく、水素を吸蔵(吸着)できるものでもよい。この場合、水素発生部材104から水素を発生させた後、吸蔵(吸着)作業を行うことで、繰り返し水素発生部材104を用いることができる。燃料である水素を吸蔵できる材料としては、Ni、Fe、Pd、V、Mg等を基材料とする水素吸蔵合金を用いることができる。
ここで、水素発生部材104の水素を放出する放出面104aと燃料極102の水素が供給される供給面102aとは互いに対向し、図示しないビーズ等のスペーサにより一定の間隔で平行に配置される。水素発生部材104の放出面104aは水素を面状に放出し、この水素は燃料極102の供給面102aに均一に供給される。
具体的には、水素発生部材104の全面(放出面104aを除く)に接して配置されたヒータ105により、水素発生部材104全体の温度を一様に上昇させることで、放出面104aから水素を面状に放出させることができる。これにより、水素発生部材104は、その放出面104aの略全面から水素を燃料極102の供給面102aの略全面に向けて放出することができる。
また、水素発生部材104の水素発生速度は、放出面104a上の位置に依らず、略一定になるようにすることが望ましい。具体的には熱化学平衡を用いる。水素発生部材104の温度を昇降させると、平衡状態からのずれに応じた水素を発生させることができるので、水素発生部材104全体の温度をヒータ105を用いて均一にすることで、場所に依らず一定の速度で水素を発生させることができる。
また、化学平衡を用いる場合、燃料極102と水素発生部材104との間の空間部111の電池起動時の水素濃度を場所に依らず一定にしておくことで、水素発生部材104の水素発生速度を一定にすることができる。これは、以下のような現象が起こることによるものである。
電池起動時の水素濃度が場所に依らず一定であれば、電極から発生する電力が一定となる。つまり、水素の消費量も場所に依らず一定となる。この場合、消費された水素によって化学平衡がずれ、そのずれ量に応じた水素が新たに水素発生部材104から発生する。水素の消費量が場所に依らず一定なので、水素発生部材104からの水素発生速度も場所に依らず一定になる。
尚、電池起動時の水素濃度を場所に依らず一定にする方法は、予め燃料極102と水素発生部材104との間の空間部111に水素を封入しておけばよい。封入された水素は、自然に拡散し、封入した空間部111内での濃度が一定になるため、水素濃度を場所に依らず一定にすることができる。
上記のように、水素発生部材104の水素発生速度を、放出面104a上の位置に依らず、略一定になるようにすることにより、起電力のばらつきによる出力の低下を抑えることができ、燃料効率を高めることができる。
尚、本実施形態においては、水素発生部材104の水素を放出する放出面104aと燃料極102の水素が供給される供給面102aとを一定の間隔で平行に配置したが、水素発生部材104の水素を放出する放出面104aと燃料極102の水素が供給される供給面102aとを重ねて密着させる構成としてもよい。この構成の場合、燃料電池装置の構造の簡素化及び小型化を図ることができる。また、本実施形態においては、水素発生部材104を燃料電池本体10(カバー部材107)に内蔵する構成としたが、水素発生部材104を燃料電池本体10の外側に設け、流路で連結する構成を採用してもよい。
カバー部材107は燃料電池本体10のカバー部材107以外の構成部品を覆うための容器であり、その空気極103側には、空気流路108に空気を供給する空気供給口109、余剰空気を排出する空気排出口110が設けられている。また、ヒータ105の空気極103側にも、同様に空気供給口109及び空気排出口110が設けられている。空気供給口109から空気を空気流路108に通すことで空気極103全体に空気が分散供給される。空気供給口109及び空気排出口110にはそれぞれ、図示しない開閉弁が設置されており、空気供給口109及び空気排出口110それぞれを遮断状態にすることが可能である。
燃料電池本体10は、水素発生部材104から燃料極102に水素を供給し、空気流路108から空気極103に空気を供給することで生じる電気化学反応によって発電するものである。また、この発電動作時に、水素発生部材104である鉄(Fe)は酸化され酸化鉄(Fe34)へと変化し、水素発生部材104に占める鉄(Fe)の割合が次第に低下していく。尚、発電動作の詳細は後述する。
電流制御部20は、電圧検出部201と、電流検出部202と、判定部203と、制御部204とを有している。電圧検出部201は燃料電池電圧(燃料極102−空気極103間電圧)を検出し、電流検出部202は燃料電池電流(空気極103から外部負荷30に流出する電流又は外部電源31から空気極103に流入する電流)を検出する。判定部203は、電圧検出部201及び電流検出部202の検出結果を用いて、水素発生部材104の酸化状態すなわち水素発生部材104に占める鉄(Fe)の割合を判定する。制御部204は、判定部203の判定結果に応じて、燃料電池電流を制御する。尚、電流制御部20の電流制御の詳細は後述する。
<<発電動作および再生動作>>
次に、本発明の一実施形態に係る燃料電池装置1で行われる発電動作及び再生(還元)動作の詳細について図2を用いて説明する。尚、図2において図1と同一の部分には同一の符号を付す。図2(a)〜図2(d)は、本発明の一実施形態に係る燃料電池装置1で行われる発電動作及び再生動作の流れを示す模式図である。
<発電動作>
発電動作の前状態では、図2(a)に示すように、空気供給口109及び空気排出口110がともに閉じられており、燃料電池本体10の空間部111には、水素(H2)が封入されている。
その後、図2(b)に示すように、空気供給口109および空気排出口110を開け、空気流路108を介して空気極103に空気を供給すると、燃料極102では、空間部111に封入されている水素(H2)と空気極103でイオン化し電解質膜101を通過した酸素イオン(O2-)とで下記の化学反応式(1)に示す反応が生じ、電子(e-)が発生し蓄積される。すなわち、燃料電池本体10において起電力が発生し、発電動作が開始される。そして、発電動作時において燃料極102と空気極103の間に外部負荷30を接続すると、燃料極102に蓄積された電子(e-)は、外部負荷30を経由して空気極103に流れる。これにより、外部負荷30を駆動することができる。
2+O2-→H2O+2e- …(1)
また、発電動作時において、上記の化学反応式(1)で示したように、燃料極102では水(H2O)が生成される。生成された水(H2O)は空間部111を経由して水素発生部材104(Fe)に供給され、水素発生部材104(Fe)では、供給された水(H2O)により下記の化学反応式(2)に示す酸化反応が生じ、その酸化反応により水素(H2)を発生する。そして、発生した水素(H2)は空間部111を経由して燃料極102に供給され、燃料極102では、供給された水素(H2)を酸化し発電することによって再び水(H2O)が生成されるといった循環の利用形態となり発電動作が持続される。
4H2O+3Fe→4H2+Fe34 …(2)
尚、上述した発電動作時には、水素発生部材104は、鉄(Fe)が酸化され酸化鉄(Fe34)へと変化し、水素発生部材104に占める鉄(Fe)の割合が次第に低下していく。
また、図2(b)に示した発電動作状態から、図2(c)に示すように、空気供給口109および空気排出口110を閉じ、空気極103への空気の供給を停止すると、発電動作を停止させることができる。このとき、空間部111には、上記の化学反応式(1)及び化学反応式(2)の反応によりそれぞれ生成された水(H2O)、水素(H2)が残留する。
<再生動作>
図2(c)に示した発電動作停止状態から、図2(d)に示すように、外部電源31により燃料電池本体10の燃料極102と空気極103の間に電圧を印加し通電すると、燃料極102では、空間部111に残留している水(H2O)と通電により供給された電子(e-)とで下記の化学反応式(3)に示す電気分解が生じ、その電気分解により水素(H2)が発生する。
2O+2e-→H2+O2- …(3)
そして、燃料極102において発生した水素(H2)は空間部111を経由して水素発生部材104に供給され、水素発生部材104では、供給された水素(H2)により下記の化学反応式(4)に示す還元反応が生じ、その還元反応により水素発生部材104中の酸化鉄(Fe34)は還元され鉄(Fe)へと変化し、水素発生部材104に占める鉄(Fe)の割合が次第に増加し、水素発生部材104は再生される。
4H2+Fe34→4H2O+3Fe …(4)
また、再生動作時において、上記の化学反応式(4)で示したように、水素発生部材104では水(H2O)が生成される。生成された水(H2O)は空間部111を経由して燃料極102に供給され、燃料極102では、供給された水(H2O)を電気分解することによって再び水素(H2)が生成されるといった循環の利用形態となり再生動作が持続される。
<<電流制御部の電流制御>>
ところで、上記の発電動作における上記の化学反応式(2)に示す酸化反応や上記の再生動作における上記の化学反応式(4)に示す還元反応では、燃料電池電流(上記の発電動作では空気極103から外部負荷30に流出する電流、上記の再生動作では外部電源31から空気極103に流入する電流)の大きさが重要である。
上記の発電動作においては、燃料電池電流が閾値(限界値)を越えると、燃料電池本体10でのロス(活性化ロス、抵抗ロス、拡散ロス)が急激に増大し、発電電力が減少してしまい、効率よく発電できなくなる。また、上記の再生動作においては、燃料電池電流が閾値(限界値)を越えると、燃料電池本体10でのロス(活性化ロス、抵抗ロス、拡散ロス)が急激に増大し、外部電源31から供給される電力を効率よく回収できなくなる。燃料電池本体10でのロスが発電電力に具体的にどのような影響を与えるかについては、図4を用いて後述する。そして、上記の発電動作中や上記の再生動作中、上記の閾値(限界値)は、水素発生部材104の酸化状態(水素発生部材104に占める鉄(Fe)の割合)によって、時々刻々変化する。このため、電流制御部20は、以下で説明する電流制御により、上記の発電動作中においては効率よく発電できるようにし、上記の再生動作においては外部電源31から供給される電力を効率よく回収できるようにしている。
電流制御部20の電流制御について図3〜図9を参照して説明する。図3は燃料電池本体10の等価回路であり、図4は水素発生部材104が或る酸化状態であるときの燃料電池本体10の電気的特性を示す特性図であり、図5は燃料電池本体10の電流限界値(電流制御値)と水素発生部材104の酸化状態との関係を示す図であり、図6は電流制御部20の動作を示すフローチャートであり、図7は電流制御部の動作のうち、電流限界値を判定するステップを示すフローチャートであり、図8は発電動作時に電流制御部20の制御部204が選択する回路の例を示す図であり、図9は再生動作時に電流制御部20の制御部204が選択する回路の例を示す図である。
図3に示す燃料電池本体10の等価回路は、空気極側端子T1と、抵抗R1と、容量C1と、抵抗R2と、燃料電池電圧VFCと、燃料極側端子T2とによって構成される。空気極側端子T1は、抵抗R1を介して、容量C1と抵抗R2の並列回路の一端に接続されている。また、容量C1と抵抗R2の並列回路の他端は燃料電池電圧VFCの正極側に接続され、燃料電池電圧VFCの負極側は燃料極側端子T2に接続されている。発電動作時には空気極側端子T1から燃料電池電流IFCが流出し、再生動作時には空気極側端子T1に燃料電池電流IFCが流入する。
抵抗R1は、燃料極102自体の抵抗成分及び空気極103自体の抵抗成分を示している。容量C1は、電解質膜101と燃料極102の界面で発生する電気二重層による容量成分及び電解質膜101と空気極103の界面で発生する電気二重層による容量成分を示している。抵抗R2は、電解質膜101自体の抵抗成分を示している。抵抗R1、容量C1、及び抵抗R2からなる回路部分で発電動作時や再生動作時に消費される電力が、発電動作時や再生動作時における燃料電池本体10でのロスとなる。
燃料電池電流IFCが増加すれば燃料電池本体10でのロスが増大するので、燃料電池電流IFC−燃料電池電圧VFC特性は、図4中の特性曲線41に示すように、燃料電池電流IFCが増加すれば燃料電池電圧VFCが減少する。また、燃料電池電流IFCが電流限界値(電流制御値)ILIMを越えると、燃料電池本体10でのロス(活性化ロス、抵抗ロス、拡散ロス)が急激に増大するので、燃料電池電流IFC−燃料電池電圧VFC特性曲線41には、図4に示すように、変曲点P1が存在する。なお、図4中の特性曲線42は燃料電池電流IFC−発電電力または回収電力(IFC・VFC)特性曲線を示している。そして、発電動作時の電流限界値ILIMは、図5に示す発電動作時の特性線51のとおり、水素発生部材104に占める鉄(Fe)の割合が低下するにつれて小さくなり、再生動作時の電流限界値ILIMは、図5に示す再生動作時の特性線52のとおり、水素発生部材104に占める鉄(Fe)の割合が増加するにつれて小さくなる。要するに、酸化(発電動作時)または還元(再生動作時)の対象となる材料(各々、鉄または酸化鉄)が多いほど、電流限界値ILIMは高くなり、材料が少ないほど電流限界値ILIMは低くなる。従って、発電動作を継続または繰り返すと水素発生部材104の酸化反応が進み、水素発生部材104に占める鉄の割合が減少するため、電流限界値ILIMも低下する。同様に、再生動作を継続または繰り返すと還元反応が進み、水素発生部材104に占める鉄の割合が増加するため、電流限界値ILIMは低下する。
図4及び図5に示した電気的特性を考慮し、電流制御部20は図6及び図7に示すフローチャートに沿った動作を行う。
まず、図6のステップS10において、発電動作時又は再生動作時の電流限界値ILIMを、判定部203が判定する。判定時には、通常の発電動作又は再生動作を停止している。ステップS10における電流限界値ILIMの判定の手順の詳細については、図7を用いて後述する。
ステップS20において、制御部204は、ステップS10での判定結果に応じて、電流限界値ILIMを、燃料電池本体1を流れる電流の上限値(リミット)として設定する。これにより、図5に示した関係を満たす電流限界値ILIMを設定することができる。
ステップS30において、制御部204は、ステップS20で設定された電流限界値ILIMに従って、燃料電池電流IFCにリミットをかけ通常の発電動作又は再生動作を再開する。具体的には、外部負荷30が要求する電力を供給するためには電流限界値ILIMを超える電流が必要であっても、制御部204は、外部負荷30に流れる燃料電池電流IFCが電流限界値ILIMを超えないように制御する。電流限界値ILIMを判定し、またはリミットを制御するための回路については、図8及び図9を用いて後述する。
ステップS40において、電流制御部20は、水素発生部材104中の鉄(Fe)の酸化状態に応じて、電流限界値ILIMを再設定する必要があるかどうかを判定する。
図5を用いて説明したとおり、発電動作または再生動作を継続または繰り返すうちに、水素発生部材104は酸化反応または還元反応が進み、電流限界値ILIMは低下していく。その結果、発電動作または還元動作を継続または繰り返すうちに、燃料電池電流が電流限界値ILIMを超えてしまい、燃料電池本体10でのロスが発生し、効率よく発電または還元できなくなる。よって、前回設定した電流限界値ILIMに基づき流出入が制御されている燃料電池電流IFCが、水素発生部材104中の鉄(Fe)の酸化・還元反応の進行に伴い低下していく電流限界値ILIMを超えてしまう前に、電流限界値ILIMを再設定することが望ましい。
どのタイミングで、再設定をするかについては、適宜決めればよい。例えば、発電動作時においては、燃料電池本体1の容量(これは水素発生部材104に含まれる鉄の量に比例する)に対して、どれ位の電力が消費されたかによって、鉄の酸化度合いが変わる。よって、燃料電池本体の容量(Ah)に対する燃料電池本体1から外部負荷30へ供給された電力(消費電流量Ah)が、所定の値以上、例えば50%以上になったときに再設定することにしてもよい。
具体的な計算例としては、最初の電池容量(Ah)に対して、消費電流量(Ah)が50%に達した時に発電動作を中止し、電流限界値ILIMを再度判定する。再判定後、新たな電流限界値ILIMを設定し、発電動作を再開する。次に、再開時の電池容量の残量に対して、再開後の消費電流量が50%に達すると、電流限界値ILIMを再度判定する。以降、同じ動作を繰り返す。尚、本実施形態では所定の値を50%以上としたが、30%以上としてもよい。数値が小さくなる程、再判定の間隔が短くなり、より精度よく、電流値が電流限界値ILIMを超えないようにコントロールすることができると考えられる。また、単純に、所定の時間毎に再判定することでもよい。
上述した電流制御部20の動作により、発電動作中においては効率よく発電できるようにし、上記の再生動作においては外部電源31から供給される電力を効率よく利用できる。
次に、ステップS10の、電流限界値ILIMの判定の手順について図7のフローチャートを用いて詳細に説明する。まず、ステップS100において、制御部204は、燃料電池電流IFCのリミットを解除する。リミットを解除するというのは、既に電流限界値ILIMが設定されている場合、それ以上の電流が流れないように制御部204によって制御されているので、その制御を解除する、という意味である。尚、発電動作を継続している場合、又は還元動作を継続している場合は、上述のとおり、電流限界値ILIMは徐々に低下していく。そのため、再判定する際に、燃料電池電流IFCを徐々に増加させていったとき、前回設定した電流限界値ILIMに至る前に、その電流限界値ILIMよりも低い値の新たな電流限界値ILIMが判定されることになる。よって、発電動作を継続している場合、又は還元動作を継続している間に再判定するときは、ステップS100における燃料電池電流IFCのリミットの解除は必ずしも必要ではない。しかし、少なくとも、発電動作と再生動作を切り替えるときには、解除が必要である。
次に、制御部204はステップS110において空気極103から外部負荷30に燃料電池電流IFCを流出させ(発電動作時)、又は外部電源31から空気極103に燃料電池電流IFCを流入させ(再生動作時)、電流を徐々に増大していく。ステップS120において、電流検出部202は燃料電池電流IFCを検出し、電圧検出部201は燃料電池電圧VFCを検出する。このとき、理論上は、電圧は変化せず一定となるが、実際には、図4の特性曲線41に示すように、燃料電池電流IFCの増加に伴い、わずかながら燃料電池電圧VFCが減少していく。これは、燃料電池本体10でのロス(活性化ロス、抵抗ロス、拡散ロス)が徐々に発生し、発電電力が減少してしまうことが理由であると考えられる。次に、ステップS130において、1回目の検出かどうかを判断し、1回目の検出であった場合、ステップS140−(1)に進む。ステップS140−(1)では、判定部203は、電圧検出部201及び電流検出部202の検出結果に基づき、所定時間における燃料電池電流IFCの増加に対する燃料電池電圧VFCの変化率(A)を算出する。そして、ステップS150−(1)で、次の所定の時間における燃料電池電流IFCの増加に対する燃料電池電圧VFCの変化率(B)を算出する。ステップS160で前回の変化率と今回の変化率との比を求め、その値が所定の割合(閾値)を超えたとき、電流限界値ILIMを超えたものとして、ステップS170で、ステップS140−(1)の所定時間における燃料電池電流IFCの最高値を電流限界値ILIMと判定し、図6のフローチャートに戻る。ステップS130で、1回目の検出でない場合は、ステップ140−(2)で所定時間における燃料電池電流IFCの増加に対する燃料電池電圧VFCの変化率(B)を算出する。そして、ステップ150−(2)で、前回の所定時間における燃料電池電流IFCの増加に対する燃料電池電圧VFCの変化率を、変化率(A)とする。ステップ160で、同様に、前回の変化率と今回の変化率との比を求め、その値が所定の割合(閾値)を超えたとき、電流限界値ILIMを超えたものとして、ステップS170で、ステップS150−(2)の所定時間における燃料電池電流IFCの最高値を電流限界値ILIMと判定し、図6のフローチャートに戻る。具体的な計算例としては、ステップS140−(1)で、所定時間における燃料電池電流IFCの増加が100Aであり、燃料電池電圧VFCの減少が―50Vであった場合、変化率(A)は―0.5となる。次に、ステップS150−(1)で、燃料電池電流IFCの増加が100Aであり、燃料電池電圧VFCの減少が―100Vであった場合、変化率(B)は―1.0となる。ステップ160で、変化率(B)/変化率(A)は、2.0となり、所定の値(k)が2.0である場合、ステップS170の電流限界値ILIMへの判定に進む。
本実施形態では、連続する所定の時間毎の燃料電池電流IFCの変化に対する燃料電池電圧VFCの変化率を比較することで電流限界値ILIMを判定したが、予め変化率の閾値を設定して、所定期間内の変化率が閾値を超えた場合を電流限界値ILIMとする方法でもよい。また、電流限界値ILIMと燃料電池電圧VFCとの関係ではなく、電流限界値ILIMと発電電力または回収電力との関係に基づき電流限界値ILIMを判定してもよい。この場合、図4中の特性曲線42で表わされるような変化が見られ、上記と同様の方法で、電流限界値ILIMを判定することができる。
次に、ステップS20の電流限界値ILIMを設定するための動作を実現するための回路の一例を示す。例えば、制御部204が図8に示す回路及び図9に示す回路を有し、発電動作時には図8に示す回路を選択し、再生動作時には図9に示す回路を選択する構成にすればよい。
発電動作時に制御部20が選択することのできる図8に示す回路は、電流限界値ILIMに対応する電圧V*と燃料電池電流IFCに対応する電圧とを比較する比較器COM1と、比較器COM1によって制御されるNPNトランジスタQ1と、比較器COM1の出力端子とNPNトランジスタQ1のベースとの間に設けられる抵抗R3と、燃料電池電流IFCに対応する電圧を生成するための抵抗R4とを備えている。比較器COM1はオペアンプであり、電流限界値ILIMに対応する電圧V*と燃料電池電流IFCに対応する電圧とが同じになるように制御する。即ち、NPNトランジスタQ1のゲートの開閉によって電流を制御し、燃料電池本体10に、電流限界値ILIMを越える燃料電池電流IFCが流れないように制御する。ここで、外部負荷30が要求する電力が、電流限界値ILIMを越えない範囲の燃料電池電流IFCで充足できる範囲内のときは、その要求されるだけの燃料電池電流IFCが燃料電池本体10から流出し、外部負荷30に供給される。一方、外部負荷30が要求する電力が電流限界値ILIMを超える燃料電池電流IFCを必要とする場合であっても、外部負荷に供給される燃料電池電流IFCは比較器COM1の制御によって電流限界値ILIMに以下に抑制される。このように、燃料電池電流IFCが電流限界値ILIMを超えないように制御されるため、燃料電池本体10でのロスが急激に増えて、不効率な発電が行なわれるのを防ぐことができる。
図8に示す回路では、電流限界値ILIMに対応する電圧V*を変えることで発電動作時の電流限界値ILIMを変更することができる。なお、前述の図7ステップS100では、電圧V*を過大に(通常、要求される電力を供給するために必要な電流に対応した電圧よりはるかに大きい値に)設定することで、実際にはNPNトランジスタQ1による燃料電池電流IFCの制御が働くことがないようにして、燃料電池電流IFCのリミットを解除するとよい。
再生動作時に制御部20が選択することができる図9に示す回路は、電流限界値ILIMに対応する電圧V*と燃料電池電流IFCに対応する電圧とを比較する比較器COM2と、比較器COM2によって制御されるPチャネルMOSトランジスタQ2と、燃料電池電流IFCに対応する電圧を生成するために比較器COM2の非反転入力端子とPチャネルMOSトランジスタQ2のソースとの間に設けられる抵抗R5とを備えている。比較器COM2はオペアンプであり、電流限界値ILIMに対応する電圧V*と燃料電池電流IFCに対応する電圧とが同じになるように、PチャンネルMOSトランジスタによって外部電源31からの電流を制御する。よって、燃料電池本体10には、電流限界値ILIMを越える電流が流れないように制御される。再生動作時は、発電動作時とは異なり、短時間で再生できるのが望ましいので、外部電源31からは電流限界値ILIMと同じかそれに近い燃料電池電流IFCが常に流れるように制御するのが望ましい。図9に示す回路では、電流限界値ILIMに対応する電圧V*を変えることで再生動作時の電流限界値ILIMを変更することができる。なお、発電動作時と同様、ステップS100では、電圧V*を過大に設定することで、実際にはPチャンネルMOSトランジスタによる燃料電池電流IFCの制御が働くことがないようにして、燃料電池電流IFCのリミットを解除するとよい。
以上の説明では、電流限界値ILIMを超えないように制御したが、例えば、電流限界値ILIMをある程度超えた範囲までの電流が流れるように制御したり、あるいは電流限界値ILIMを超えてから一定時間内は電流が流れるようにするなど、ある程度のロスは許容されるように制御してもよく、必ずしも電流限界値ILIMが絶対的な制御ラインでなくてもよい。
尚、図8及び図9の回路は、発電動作時又は再生動作時の電流限界値ILIMを判定するまでのステップ(図7のステップS110で開始される燃料電池電流IFCの増大制御)においても選択することができる。このステップにおいては、外部負荷30は必要ないので、図8において、燃料電池本体10から流出する燃料電池電流IFCはNPNトランジスタQ1を通り、外部負荷30を迂回して、抵抗R4へと流れる(点線部)。そして、電圧V*を徐々に上げることによって、燃料電池本体1から流出する燃料電池電流IFCを増大していき(図7のステップ110)、変化する燃料電池電流IFCと燃料電池電圧VFCを、各々、電流検出部202と電圧検出部201が検出する(図7のステップS120)。これらの検出結果に基づき、判定部203が電流限界値ILIMを判定し(図7のステップS130からS160まで)、判定された電流限界値ILIMに対応する電圧V*が設定される。同様に、図9においても、電圧V*を徐々に上げることによって、外部電源31から比較器COM2に流入する燃料電池電流IFCを上げていき、燃料電池電流IFCと燃料電池電圧VFCを検出することで、電流限界値ILIMを判定する。
ここで、燃料電池装置と蓄電装置とのハイブリッドシステム(燃料電池システム)を構築し、不足分の電力を蓄電装置から供給されるようにすることで、酸化状態に応じた効率的な発電を行ないつつ、外部負荷30が要求する電力を充分に供給することができる。例えば、図10に示すように、本発明の一実施形態に係る燃料電池装置1と蓄電装置60とのハイブリッドシステム(燃料電池システム)を構築し、発電動作時において燃料電池電流IFCにリミットがかかったときに、スイッチ部601をON状態にして蓄電池602の出力電力も外部負荷30に供給するにすればよい。この場合、例えば、図8に示す回路において抵抗R4に並列に可変抵抗を設け、スイッチ部601のON/OFF状態に応じて当該可変抵抗の抵抗値を変更するようにすればよい。
以上、本実施形態においては、電解質膜101として固体酸化物電解質を用いて、発電の際に燃料極102側で水を発生させるようにした。この構成によれば、水素発生部材104が設けられた側で水が発生するため、装置の簡素化や小型化に有利である。一方、電解質膜101として水素イオンを通す固体高分子電解質を用いることも可能である。この場合には、発電の際に空気極103側で水が発生されることになるため、この水を水素発生部材104に伝搬する流路を設ければよい。
1 本発明の一実施形態に係る燃料電池装置
10 燃料電池本体
101 電解質膜
102 燃料極
102a 供給面
103 空気極
104 水素発生部材
104a 放出面
105 ヒータ
106 温度センサ
107 カバー部材
108 空気流路
109 空気供給口
110 空気排出口
111 空間部
20 電流制御部
201 電圧検出部
202 電流検出部
203 判定部
204 制御部
30 外部負荷
31 外部電源
41 燃料電池電流−燃料電池電圧特性曲線
42 燃料電池電流−発電電力または回収電力特性曲線
51 発電動作時の特性線
52 再生動作時の特性線
60 蓄電装置
601 スイッチ部
602 蓄電池
C1 容量
COM1 比較器
FC 燃料電池電流
P1 変曲点
Q1 NPNトランジスタ
Q2 PチャネルMOSトランジスタ
R1〜R5 抵抗
T1 空気極側端子
T2 燃料極側端子
VR1 可変抵抗
A 印加電圧
FC 燃料電池電圧

Claims (13)

  1. 燃料電池本体と、水素発生部材と、電流制御部とを備えた燃料電池装置であって、
    前記燃料電池本体は、燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極と前記酸化剤極との間に狭持される電解質を有し、
    前記水素発生部材は、水との酸化反応により水素を発生し、発生した水素を前記燃料極に供給し、
    前記電流制御部は、発電動作時の電流限界値を求めるべく所定のタイミングで、電流量を変化させつつ電圧の変化を検出する動作を行い、前記電流量の変化に対する前記電圧の変化の割合が所定の値を超えたときの電流値に基づいて前記電流限界値を求め、求められた前記電流限界値に応じて前記燃料電池本体から出力される電流を制御し、
    前記電流制御部は、酸化された前記水素発生部材から供給される水を前記燃料電池本体が電気分解することによって水素を発生し、酸化された前記水素発生部材が前記電気分解によって発生した水素との還元反応により水を発生する再生動作時の電流限界値を求めるべく所定のタイミングで、電流量を変化させつつ電圧の変化を検出する動作を行い、前記電流量の変化に対する前記電圧の変化の割合が所定の値を超えたときの電流値に基づいて前記電流限界値を求め、求められた前記電流限界値に応じて前記燃料電池本体に流れ込む電流を制御することを特徴とする燃料電池装置。
  2. 電流量を変化させつつ電圧の変化を検出する前記動作は、所定時間毎に複数回連続して実行され、連続する前記所定時間の夫々における電流量対電圧の変化の割合同士の比を求め、前記比が閾値を超えた場合に前記所定の値を超えたと判定し、超える前の前記所定時間における前記電流の最大値を前記電流限界値とすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. 前記変化の割合は、所定時間内における電流の変化量に対する電圧の変化率であり、前記変化率が閾値を超えた場合、超える前の前記電流の最大値を前記電流限界値とすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
  4. 発電動作時において、N+1番目(Nは自然数)の前記所定のタイミングは、N番目の前記所定のタイミングにおける前記燃料電池本体の電池容量に対するN番目の前記所定のタイミング以降の前記燃料電池本体から外部負荷へ供給された電流量が所定の割合以上になった時点であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池装置。
  5. 前記所定のタイミングは、所定の時間毎であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の燃料電池装置。
  6. 前記電流制御部は、前記電流限界値以上の電流が前記燃料電池本体に流れないように制御することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の燃料電池装置。
  7. 前記所定のタイミングにおいて前記電流限界値を求める前に、前回求めた前記電流限界値による制御を解除することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池装置。
  8. 発電動作と再生動作の切り替え時に前記制御を解除することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池装置。
  9. 請求項6に記載の前記燃料電池装置と、前記燃料電池装置に電力を供給する蓄電装置とを備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料電池装置は、外部負荷に対して電力を供給することを特徴とし、前記蓄電装置は、前記燃料電池装置において前記制御がかかることによって、前記燃料電池装置が前記外部負荷から要求される電力を十分に供給できない場合に、不足分の電力を前記外部負荷に対して供給することを特徴とする燃料電池システム。
  10. 前記水素発生部材は前記燃料電池本体に内蔵され前記水素発生部材の水素を発生する放出面と前記燃料極の水素が供給される供給面とが互いに対向して平行に配置されている又は、前記水素発生部材は前記燃料電池本体の外部に設けられ前記水素発生部材と前記燃料電池本体とが流路で連結されていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の燃料電池装置又は燃料電池システム。
  11. 前記電解質が固体酸化物電解質であって、発電の際に前記燃料極側で水が生成されることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池装置又は燃料電池システム。
  12. 前記水素発生部材に鉄が含まれていることを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の燃料電池装置又は燃料電池システム。
  13. 前記水素発生部材を加熱するためのヒータをさらに備えたことを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載の燃料電池装置又は燃料電池システム。
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