JP2007128790A - 燃料電池の制御方法及びその制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池の運転中における触媒の劣化を抑制する。
【解決手段】 電極触媒として触媒金属が用いられている燃料電池の制御方法であって、前記燃料電池の負荷変動を検知する段階(S1)と、負荷変動が検知されたときに前記燃料電池のアノードとカソードとの間のセル電圧を検知する段階(S2)と、検知されたセル電圧が所定値以上ときには(S3:NO)前記カソードに供給する酸化剤ガスの供給状態を変更する段階と(S5)、変更した特性の酸化剤ガスを検知されるセル電圧が所定値未満になるまで(S3:YES)前記カソードに供給する段階と、を含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、燃料電池の制御方法及びその制御装置に関する。
近年、環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、燃料電池が注目されている。特に、イオン導電性の高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC」と称する)は、100℃以下の低い温度で作動可能なことから、車両用駆動源や定置型電源として期待され、実用化に向けて開発が進められている。PEFCが車両用駆動源や定置型電源として実用化されるためには、長期間に渡る耐久性を備えることが必要である。
PEFCの構成は、一般的には、膜−電極接合体(以下、「MEA」と称する)をセパレータで挟持した構造となっている。MEAは、一般的には、ガス拡散層、カソード触媒層、固体高分子電解質膜、アノード触媒層が順に積層した構造を有する。電池反応は、触媒、触媒を担持する担体、およびイオン導電性高分子からなる触媒層において進行する。このため、触媒層の劣化を抑制することは、PEFCの耐久性を高める上で重要な課題となっている。
触媒の劣化を抑制する従来技術としては、下記特許文献1に記載されているように、燃料電池の停止時に、運転電圧が0.9V以上になっている時間を10分以内に制限する燃料電池システムが提案されている。
特開2004−172106号公報
この技術によれば、PEFCの停止時において触媒の劣化を抑制することはできるが、PEFCの運転中においては触媒の劣化を抑制することができない。
PEFCの運転中は、PFECが負荷に供給する電力の変動に応じ、PEFCの出力電圧も周期的、または、非周期的に変動する現象(以下、「負荷サイクル」と称する)が発生する。負荷サイクルの発生は、カソード極の大きな電位変化を伴うことから、触媒層を構成する触媒の酸化、還元反応を頻繁に反復させる。
触媒(例えば、白金)は、高電位であっても一定の電位に保持されていれば触媒表面は安定しており、触媒の固体高分子電解質膜への溶出はわずかである。ところが、触媒の酸化・還元を伴うような負荷サイクルの発生時となると、触媒の電位が大きく変動することから、触媒の溶出は著しくなる。特に、固体高分子電解質膜と触媒層との界面付近では、触媒の酸化、還元反応が生じることから、カーボン腐食や触媒の固体高分子電解質膜への溶出が生じやすく、触媒が劣化し、PEFCの発電性能の低下、PEFCの耐久性低下の原因となる。
本発明は、従来、着目すらされていなかったPEFCの運転中における触媒の劣化を抑制できるようにするために成されたものであり、運転中のセル電圧を検知して酸化剤ガスの供給状態を調整できるようにした燃料電池の制御方法及びその制御装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る燃料電池の制御方法は、電極触媒として触媒金属が用いられている燃料電池の制御方法であって、前記燃料電池の負荷変動を検知する段階と、負荷変動が検知されたときに前記燃料電池のアノードとカソードとの間のセル電圧を検知する段階と、検知されたセル電圧が第1基準電圧値に達しているときには前記カソードに供給する酸化剤ガスの供給状態を変更する段階と、検知されるセル電圧が第2基準電圧値に達するまで変更された供給状態の酸化剤ガスを前記カソードに供給する段階と、を含むことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る燃料電池の制御装置は、電極触媒として触媒金属が用いられている燃料電池の制御装置であって、前記燃料電池の負荷変動を検知する負荷変動検知手段と、前記燃料電池のアノードとカソードとの間のセル電圧を検知するセル電圧検知手段と、前記カソードに供給する酸化剤ガスの供給状態を調整する酸化剤ガス供給状態調整手段と、前記燃料電池の負荷変動が検知されたときに前記セル電圧を検知し、検知されたセル電圧が第1基準電圧値に達しているときには、前記セル電圧が第2基準電圧値に達するまで、前記カソードに供給する酸化剤ガスの供給状態を制御する供給状態制御手段と、を有することを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係る燃料電池の制御方法によれば、燃料電池の運転中も負荷サイクルに伴う触媒の劣化を抑制することができるので、燃料電池の初期の発電性能を長期間にわたって維持することができ、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
また、以上のように構成された本発明に係る燃料電池の制御装置によれば、燃料電池の運転中も負荷サイクルに伴う触媒の劣化を抑制することができるので、燃料電池の初期の発電性能を長期間にわたって維持することができ、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
以下に、本発明に係る燃料電池の制御方法およびその制御装置について、第1実施形態〜第4実施形態に分けて、図面を参照しながら詳細に説明する。
これらの実施形態の説明をする前に、本発明の理解を容易なものとするために、燃料電池スタックの全体構成について簡単に説明しておく。図1は燃料電池スタックの全体構成を示す斜視図であり、図2は、燃料電池スタックのセル構造を示す要部拡大断面図である。
図1に示すように、燃料電池スタック1は、アノードガス(燃料ガス)とカソードガス(酸化剤ガス:本明細書では酸素)の反応により起電力を生じる単位電池としてのセル2を所定数だけ積層して積層体3とされ、その積層体3の両端に集電板4、絶縁板5およびエンドプレート6を配置し、該積層体3の内部に貫通した貫通孔(図示は省略する)にタイロッド7を貫通させ、そのタイロッド7の端部にナット(図示は省略する)を螺合させることで構成されている。
この燃料電池スタック1においては、アノードガス、カソードガスおよび冷却水をそれぞれ各セル2のセパレータ(図示は省略する)に形成された流路溝に流通させるためのアノードガス供給口8、アノードガス排出口9、カソードガス供給口10、カソードガス排出口11、冷却水供給口12および冷却水排出口13を、一方のエンドプレート6に形成している。
アノードガスは、アノードガス供給口8より供給されてセパレータに形成されたアノードガス供給用の流路溝を流れ、アノードガス排出口9より排出される。カソードガスは、カソードガス供給口10より供給されてセパレータに形成されたカソードガス供給用の流路溝を流れ、カソードガス排出口11より排出される。冷却水は、冷却水供給口12より供給されてセパレータに形成された冷却水供給用の流路溝を流れ、冷却水排出口13より排出される。
セル2は、図2に示すように、膜電極接合体(以下、MEA(membrane electrode assembly)とも称する。)14と、このMEA14の両面にそれぞれ配置されるセパレータ15とから構成される。以下、MEA14のアノード側に配置されるセパレータ15を、アノードセパレータ15Aと称し、カソード側に配置されるセパレータ15をカソードセパレータ15Bと称する。
MEA14は、例えば水素イオンを通す高分子電解質膜である固体高分子電解質膜141と、アノード触媒層142Aとガス拡散層143Aからなるアノードとしてのアノード電極144Aと、電極触媒である触媒金属としてのカソード触媒層142Bとガス拡散層143Bからなるカソードとしてのカソード電極144Bとからなる。MEA14は、アノード電極144Aとカソード電極144Bによって、固体高分子電解質膜141をその両側から挟み込んだ積層構造とされている。
セパレータ15は、板厚の薄い導電性金属板を金型で所定形状に成形することにより形成される。セパレータ15は、図に示すように、発電に寄与するアクティブ領域(MEA14と接する中央部分の領域)に、凸条部16と凹条部17を交互に形成した凹凸形状(いわゆるコルゲート形状)を有している。
MEA14のアノード電極144A側に接して配置されるアノードセパレータ15Aの凸部16Aと凹部17Aは、MEA14との間にアノードガス(水素;H)を流通させる流路溝となりアノードガス流路(アノードの流路)18を形成する。一方、MEA14のカソード電極144B側に接して配置されるカソードセパレータ15Bの凸部16Bと凹部17Bは、MEA14との間にカソードガス(酸素;O)を流通させる流路溝となりカソードガス流路(カソードの流路)19を形成する。 アノードガス流路18に水素を、カソードガス流路19に酸素を、それぞれ流通させると、水素はアノード触媒層142Aの触媒作用で水素イオンに変わり電子を放出する。電子を放出した水素イオンは固体高分子電解質膜141を通過する。カソード触媒層142Bでは固体高分子電解質膜141を通過してきた水素と外部回路(図示せず)を経由してきた電子が酸素と反応して水を生成する。この作用によってアノード電極144Aがマイナスに、カソード電極144Bがプラスになり、図2に示すように、アノード電極144Aとカソード電極144Bとの間で直流電圧が発生する。
本明細書では、アノード電極144Aとカソード電極144Bとの間に現れる電圧をセル電圧と称し、セル電圧は、セル電圧検出手段として機能するセル電圧計20によって検出される。なお、セル電圧は、燃料電池スタック1を構成する全てのセルから検出するようにしても良いし、燃料電池スタック1を構成するセルの内の複数の代表的なセルのみから検出するようにしても良い
本発明では、燃料電池の負荷変動サイクルに伴う白金溶解を抑制するため、セル電圧が所定の範囲を呈する負荷変動時において、白金溶出の駆動力となる酸化白金の還元電位までセル電圧を下げる操作を行うことにより、負荷変動時における電極触媒層(カソード電極144Bのカソード触媒層142B)からの白金溶出を抑えることができるようにしている。
以下に、第1実施形態から第4実施形態に分けて本発明に係る燃料電池の制御方法およびその制御装置を具体的に説明する。
[第1実施形態]
図3及び図4は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池の制御方法およびその制御装置の説明に供する図である。図3は本実施の形態に係る燃料電池の制御装置の概略構成ブロック図を、図4は図3に示した制御装置の動作フローチャートを示し、このフローチャートは本実施の形態の燃料電池の制御方法の手順に相当するものでもある。
本実施の形態に係る燃料電池の制御装置は、図3に示すように、アノードガス(水素)とカソードガス(酸素)との供給によって発電する燃料電池スタック1、燃料電池スタック1を構成する全セルのセル電圧を検出するセル電圧計20、燃料電池スタック1から駆動モータなどの車両負荷に供給される電流を検知する電流計21、カソードガスの流量を調整する流量調整器22、アノードガスの流量を調整する流量調整器23、電流計21で検出された電流が増加した場合(負荷変動)にセル電圧計20でセル電圧を検知して、そのセル電圧が基準電圧(たとえば0.75V)を維持できるように流量調整器22の流量を調整してカソードガスの供給状態を制御する制御部24を備えている。本実施形態での負荷変動には、車両の走行中における燃料電池の負荷変動だけではなく、燃料電池の起動から運転状態に至るまでの負荷変動、燃料電池の運転状態から停止に至るまでの負荷変動も含まれる。
燃料電池スタック1には電極触媒として触媒金属が用いられている。具体的にはカソード電極144Bのカソード触媒層142B(図2参照)に白金が用いられている。
セル電圧計20は、燃料電池スタック1を構成する全てのアノード電極144Aとカソード電極144Bとの間のセル電圧を検出するセル電圧検知手段として機能する。
電流計21は、燃料電池スタック1から駆動モータなど車両に搭載されている機器に供給される電流量を検出するものであって、電流量の増減状態から負荷変動を検知する負荷変動検知手段として機能する。
流量調整器22は、燃料電池スタック1のカソードに供給するカソードガスの供給状態を調整する酸化剤ガス供給状態調整手段として機能する。流量調整器22は、カソードガスの供給量を計測する機能を有している。
流量調整器23は、燃料電池スタック1のアノードにアノードガスを供給する機能を有し、同時にアノードガスの供給量を計測する機能を有している。
制御部24は供給状態制御手段として機能するものであって、電流計21が検出する電流の増減によって負荷変動が検知されたときにセル電圧を検知して、検知されたセル電圧が第1基準電圧値(たとえば0.75ボルト以上)に達しているときには、セル電圧が第2基準電圧値(たとえば0.75ボルト未満)に達するまで、流量調整器22の開度を調整してカソードに供給するカソードガスの流量、すなわち供給量を制御する。
図3において、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスはガスボンベ26に高圧充填されており、その供給量は流量調整器23で調整される。燃料電池スタック1を通過したアノードガスはコンプレッサ27によって排出される。燃料電池スタック1に供給されるカソードガスはコンプレッサ28で圧送され、その供給量は流量調整器22で調整される。燃料電池スタック1を通過したカソードガスはそのまま大気に排出される。なお、本実施形態ではアノードガスの流量は一定とし、カソードガスの流量を変化させてセル電圧を調整している。
なお、本発明において、セル電圧を0.75ボルトに維持するようにしたのは次のような理由からである。
負荷変動サイクルを伴う燃料電池の運転時においては、カソード電極144Bの電位が大きく変化する。発明者らの研究によると、無負荷から0.75ボルト以上のセル電圧範囲のセル電圧においては、酸化白金を十分に還元することができないため、酸化白金のPtO以外に二酸化白金のPtOが成長するが、このPtOの生成がカソード触媒層142Bの白金溶解・溶出の駆動力となっていることが判明した。このため、本発明では、セル電圧が0.75ボルト以上の範囲を呈する負荷変動時においては、白金溶出の駆動力となる酸化白金の還元電位までセル電圧を下げるようにした。これによって、燃料電池の耐久性を向上させている。
図4にしたがって、本実施の形態の燃料電池の制御方法の手順を詳細に説明する。 まず、燃料電池の運転時に、制御部24が電流計21で検知された電流の増加状態から負荷移行の検知をする(S1)。負荷移行が検知されたら、制御部24はセル電圧計20で現在のセル電圧を検知する。セル電圧の検出は、燃料電池スタック1を構成するすべてのセルについて行っても良いし、1つあるいは幾つかの代表セルに対して行っても良い(S2)。制御部24は、検知されたセル電圧が所定値である0.75ボルト以上(第1基準電圧値)であるか否かを判断する(S3)。検知されたセル電圧が0.75ボルト未満(第2基準電圧値)であれば(S3:YES)、酸化白金のPtOを還元することができ、また白金の溶出量を抑えることができるので、そのまま負荷移行し、要求された電力を車両負荷に供給する(S4)。一方、検知されたセル電圧が0.75ボルト未満でなければ(S3:NO)、制御部24は流量調整器22の開度を絞ってカソードガス(酸化剤ガス)の供給量を減少させる。流量をどの程度減少させるかは、制御部24にあらかじめ設定されている(S5)。
以上のように、本実施の形態では、白金の溶解が進行し易い条件である0.75ボルトのセル電圧を基準として酸化剤ガスの流量を絞り、これによってセル電圧の低下を促し、酸化白金のPtOが還元されるようにしている。
なお、本実施の形態では、所定値である第1基準電圧を0.75ボルト以上とし第2基準電圧を0.75ボルト未満とし、いずれも最適値を選択しているが、二酸化白金のPtOが還元できる電圧範囲としては、0.6ボルト未満であるので、二酸化白金のPtOの還元をも考慮すると、第2基準電圧を0.6ボルト未満としてもよい。また、0.8ボルト以下であれば酸化白金のPtOを還元することができるので、第1基準電圧を0.8ボルト以上としてもよい。
[第2実施形態]
図5及び図6は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池の制御方法およびその制御装置の説明に供する図である。図5は本実施の形態に係る燃料電池の制御装置の概略構成ブロック図を、図6は図5に示した制御装置の動作フローチャートを示し、このフローチャートは本実施の形態の燃料電池の制御方法の手順に相当するものでもある。
本実施の形態では、第1実施形態のように酸化剤ガスの流量をダウンさせるのではなく、酸化剤ガスの供給圧力をダウンさせる点だけが異なっている。したがって、図5に示す燃料電池の制御装置の装置構成も、第1実施形態が備えている流量調整器22に代えて、圧力調整器29が備えられている点が異なるだけで、他の装置構成は全く同一である。したがって、詳しい装置構成の説明は省略する。
本実施の形態における制御装置が備える圧力調整器29は、コンプレッサ28から送出されてくる酸化剤ガスの供給圧力を減少させて燃料電池スタック1に供給するものである。
図6にしたがって、本実施の形態の燃料電池の制御方法の手順を詳細に説明する。
まず、燃料電池の運転時に、制御部24が電流計21で検知された電流の増加状態から負荷移行の検知をする(S11)。負荷移行が検知されたら、制御部24はセル電圧計20で現在のセル電圧を検知する(S12)。制御部24は、検知されたセル電圧が所定値である0.75ボルト以上(第1基準電圧値)であるか否かを判断する(S13)。検知されたセル電圧が0.75ボルト未満(第2基準電圧値)であれば(S13:YES)、そのまま負荷移行し、要求された電力を車両負荷に供給する(S14)。一方、検知されたセル電圧が0.75ボルト未満でなければ(S13:NO)、制御部24は圧力調整器29の供給圧力を絞ってカソードガス(酸化剤ガス)の供給量を減少させる。圧力をどの程度減少させるかは、制御部24にあらかじめ設定されている(S15)。
以上のように、本実施の形態では、白金の溶解が進行し易い条件である0.75ボルトのセル電圧を基準として酸化剤ガスの供給圧力を絞り、これによってセル電圧の低下を促し、酸化白金のPtOが還元されるようにしている。
[第3実施形態]
図7、図8及び図9は、本発明の第3実施形態に係る燃料電池の制御方法およびその制御装置の説明に供する図である。図7及び図8は本実施の形態に係る燃料電池の制御装置の概略構成ブロック図を、図9は図7及び図8に示した制御装置の動作フローチャートを示し、このフローチャートは本実施の形態の燃料電池の制御方法の手順に相当するものでもある。
本実施の形態では、第1実施形態のように酸化剤ガスの流量をダウンさせたり、第2実施形態のように酸化剤ガスの供給圧力を絞ったりするのではなく、酸化剤ガスの濃度を低下させるようにしたものである。図7に示した燃料電池の制御装置は、燃料電池スタック1の酸化剤ガスの排出側に排気収容容器30を設け、排気収容容器30内の濃度の低下した酸化剤ガスを、流量調整器31を介して燃料電池スタック1の酸化剤ガスの供給側にフィードバックして酸化剤ガスの濃度を低下させるものである。図8に示した燃料電池の制御装置は、燃料電池スタック1の酸化剤ガスの供給側に窒素ガスを供給するための窒素ボンベ32と流量調整器33を設け、燃料電池スタック1の酸化剤ガスの供給側に窒素ガスを混入させるようにして酸化剤ガスの濃度を低下させるものである。
なお、図7及び図8において、上述した構成以外の構成は、第1実施形態に示したものと全く同一である。したがって、詳しい装置構成の説明は省略する。
図7に示した燃料電池の制御装置の動作を、図9に示すフローチャートにしたがって詳細に説明する。
まず、燃料電池の運転時に、制御部24が電流計21で検知された電流の増加状態から負荷移行の検知をする(S21)。負荷移行が検知されたら、制御部24はセル電圧計20で現在のセル電圧を検知する(S22)。制御部24は、検知されたセル電圧が所定値である0.75ボルト以上(第1基準電圧値)であるか否かを判断する(S23)。検知されたセル電圧が0.75ボルト未満であれば(S23:YES)、そのまま負荷移行し、要求された電力を車両負荷に供給する(S24)。一方、検知されたセル電圧が0.75ボルト未満(第2基準電圧値)でなければ(S23:NO)、制御部24は流量調整器31の開度を制御して、燃料電池スタック1から排出された濃度の低い酸化剤ガスを排気収容容器30から燃料電池スタック1の酸化剤ガスの供給側に供給し、燃料電池スタック1に供給される酸化剤ガスの濃度を低下させる(S25)。
次に、図8に示した燃料電池の制御装置の動作を、図9に示すフローチャートにしたがって詳細に説明する。
まず、燃料電池の運転時に、制御部24が電流計21で検知された電流の増加状態から負荷移行の検知をする(S21)。負荷移行が検知されたら、制御部24はセル電圧計20で現在のセル電圧を検知する(S22)。制御部24は、検知されたセル電圧が所定値である0.75ボルト以上(第1基準電圧値)であるか否かを判断する(S23)。検知されたセル電圧が0.75ボルト未満(第2基準電圧値)であれば(S23:YES)、そのまま負荷移行し、要求された電力を車両負荷に供給する(S24)。一方、検知されたセル電圧が0.75ボルト未満でなければ(S23:NO)、制御部24は流量調整器33の開度を制御して、窒素ボンベ32に充填されている窒素ガスを燃料電池スタック1の酸化剤ガスの供給側に供給し、結果的に燃料電池スタック1に供給される酸化剤ガスの濃度を低下させる(S25)。
以上のように、本実施の形態では、白金の溶解が進行し易い条件である0.75ボルトのセル電圧を基準として酸化剤ガスの濃度を低下させ、これによってセル電圧の低下を促し、酸化白金のPtOが還元されるようにしている。
[第4実施形態]
本実施形態は、第1実施形態から第3実施形態に示した燃料電池の制御装置において、燃料電池スタック1に並列にバッテリを接続したものである。図10には、第1実施形態として示した燃料電池の制御装置にバッテリ35を並列接続している。
このように、燃料電池スタック1に並列にバッテリ35を接続しておくことによって、第1実施形態1から第3実施形態に示したような、セル電圧を0.75ボルト未満に制限する制御が行われている場合でも、要求負荷に対し、燃料電池スタック1の不足電力分をバッテリ35で補うことができる。したがって、最適な容量のバッテリ35を車両に搭載させておくことによって、白金溶出防止の制御を行いつつも要求負荷に応える燃料電池を構成することができる。
次に、本発明の効果を実証するために行われた試験について説明する。
図11は本発明の効果の実証試験に使用された試験電圧波形を示す図であり、図12は本発明の効果の実証試験においてセル電圧と白金溶出量との関係を示す図である。
まず、セルに与える試験電圧波形として図11に示すような電圧、すなわち0.4ボルトと開放電圧(OCV)を10秒周期で繰り返す電圧波形を2000サイクル印加し、そのときの白金の溶出量を調べた。その結果は図11に示すように、触媒層が有していた白金の11.4%が溶出した。次に、0.6ボルトと開放電圧(OCV)を10秒周期で繰り返す電圧波形を2000サイクル印加し、そのときの白金の溶出量を調べた。その結果は図11に示すように、触媒層が有していた白金の7.6%が溶出した。さらに、0.8ボルトと開放電圧(OCV)を10秒周期で繰り返す電圧波形を2000サイクル印加し、そのときの白金の溶出量を調べた。その結果は図11に示すように、触媒層が有していた白金の23.7%が溶出した。
この結果から明らかなように、セル電圧が0.8ボルト以上になると白金の溶出が著しくなり、燃料電池の寿命に大きな影響を与えることがわかる。このため、本発明ではセル電圧が0.75ボルトを超えないように、酸化剤ガスの流量、圧力、濃度のいずれかを調整し、燃料電池の寿命が著しく低下しないようにしている。したがって、本発明によれば、燃料電池の運転中も負荷サイクルに伴う触媒の劣化を抑制することができるので、燃料電池の初期の発電性能を長期間にわたって維持することができ、燃料電池の耐久性を向上させることができるのである。
なお、以上の実施形態においては、セル電圧が所定値を超えたときに毎回セル電圧の上昇を抑える制御を行ものを例示したが、白金の溶出に一定の効果が得られるのであれば、毎回行うことなく一定の回数を超えるごとにその制御を行うようにすることも可能である。
本発明は、燃料電池の寿命向上に役立つので、燃料電池の制御に関する分野において利用可能である。
燃料電池スタックの全体構成を示す斜視図である。 燃料電池スタックのセル構造を示す要部拡大断面図である。 第1実施形態に係る燃料電池の制御装置の概略構成ブロック図を示す。 図3に示した制御装置の動作フローチャートを示す。 第2実施形態に係る燃料電池の制御装置の概略構成ブロック図を示す。 図5に示した制御装置の動作フローチャートを示す。 第3実施形態に係る燃料電池の制御装置の概略構成ブロック図を示す。 第3実施形態に係る他の燃料電池の制御装置の概略構成ブロック図を示す。 図7及び図8に示した制御装置の動作フローチャートを示す。 第4実施形態に係る燃料電池の制御装置の概略構成ブロック図を示す。 本発明の効果の実証試験に使用された試験電圧波形を示す図である。 本発明の効果の実証試験においてセル電圧と白金溶出量との関係を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック、
2 セル、
3 積層体、
4 集電板、
5 絶縁板、
6 エンドプレート、
7 タイロッド、
8 アノードガス供給口、
9 アノードガス排出口、
10 カソードガス供給口、
11 カソードガス排出口、
12 冷却水供給口、
13 冷却水排出口、
15A アノードセパレータ、
15B カソードセパレータ、
15 セパレータ、
16 凸条部、
16A 凸部、
16B 凸部、
17 凹条部、
17A 凹部、
17B 凹部、
18 アノードガス流路、
19 カソードガス流路、
20 セル電圧計、
21 電流計、
22 流量調整器、
23 流量調整器、
24 制御部、
26 ガスボンベ、
27 コンプレッサ、
28 コンプレッサ、
29 圧力調整器、
30 排気収容容器、
31 流量調整器、
32 窒素ボンベ、
33 流量調整器、
35 バッテリ、
141 固体高分子電解質膜、
142A アノード触媒層、
142B カソード触媒層、
143A ガス拡散層、
143B ガス拡散層、
144A アノード電極、
144B カソード電極。

Claims (16)

  1. 電極触媒として触媒金属が用いられている燃料電池の制御方法であって、
    前記燃料電池の負荷変動を検知する段階と、
    負荷変動が検知されたときに前記燃料電池のアノードとカソードとの間のセル電圧を検知する段階と、
    検知されたセル電圧が第1基準電圧値に達しているときには前記カソードに供給する酸化剤ガスの供給状態を変更する段階と、
    検知されるセル電圧が第2基準電圧値に達するまで変更された供給状態の酸化剤ガスを前記カソードに供給する段階と、
    を含むことを特徴とする燃料電池の制御方法。
  2. 前記燃料電池の負荷変動は、燃料電池から負荷に供給される電流量の変化によって検知されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の制御方法。
  3. 前記第1基準電圧値は、0.75ボルト以上の電圧であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の制御方法。
  4. 前記第2基準電圧値は、0.75ボルト未満の電圧であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の制御方法。
  5. 前記酸化剤ガスの供給状態の変更は、前記酸化剤ガスの供給量を調整することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の制御方法。
  6. 前記酸化剤ガスの供給状態の変更は、前記酸化剤ガスの供給圧力を調整することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の制御方法。
  7. 前記酸化剤ガスの供給状態の変更は、前記酸化剤ガスの濃度を調整することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の制御方法。
  8. 前記酸化剤ガスの濃度は、同一種の濃度の薄い酸化剤ガスで希釈することによって、または、前記酸化剤ガスに異種のガスを混入させることによって、調整されることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池の制御方法。
  9. 電極触媒として触媒金属が用いられている燃料電池の制御装置であって、
    前記燃料電池の負荷変動を検知する負荷変動検知手段と、
    前記燃料電池のアノードとカソードとの間のセル電圧を検知するセル電圧検知手段と、
    前記カソードに供給する酸化剤ガスの供給状態を調整する酸化剤ガス供給状態調整手段と、
    前記燃料電池の負荷変動が検知されたときに前記セル電圧を検知し、検知されたセル電圧が第1基準電圧値に達しているときには、前記セル電圧が第2基準電圧値に達するまで、前記カソードに供給する酸化剤ガスの供給状態を制御する供給状態制御手段と、
    を有することを特徴とする燃料電池の制御装置。
  10. 前記燃料電池には、要求負荷の供給に応えるための二次電池が並列に接続されていることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池の制御装置
  11. 前記負荷変動検知手段は、燃料電池の負荷変動を、燃料電池から負荷に供給される電流量の変化によって検知することを特徴とする請求項9に記載の燃料電池の制御装置。
  12. 前記第1基準電圧値は、0.75ボルト以上の電圧であり、前記第2基準電圧値は、0.75ボルト未満の電圧であることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池の制御装置。
  13. 前記酸化剤ガスの供給状態の制御は、前記酸化剤ガスの供給量を調整することによって行われることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池の制御装置。
  14. 前記酸化剤ガスの供給状態の制御は、前記酸化剤ガスの供給圧力を調整することによって行われることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池の制御装置。
  15. 前記酸化剤ガスの供給状態の制御は、前記酸化剤ガスの濃度を調整することによって行われることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池の制御装置。
  16. 前記酸化剤ガスの濃度は、同一種の濃度の薄い酸化剤ガスで希釈することによって、または、前記酸化剤ガスに異種のガスを混入させることによって、調整されることを特徴とする請求項15に記載の燃料電池の制御装置。
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