JP2008166164A - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池スタックの起動時における電極触媒層の劣化を防止または抑制する。
【解決手段】燃料極23と酸化極25とを有する単位セル42を積層させた燃料電池スタック20と、指令部52と、制御部30と、所定の電圧を有する外部電源54と、を備える燃料電池システム100であって、制御部30は、燃料ガス制御部32と、酸化ガス制御部33と、印加電圧切替制御部34と、を含む。指令部52の起動指令に応じて、燃料極23に対する燃料ガスの供給を開始し、酸化極25に対する酸化ガスの供給を開始し、外部電源54を少なくとも1つの単位セル42に対して電気的に接続し、単位セル42に対する印加電圧の調整および/または酸化ガスの供給量の調整により、単位セル電圧を段階的に上昇させる。
【選択図】図1
【解決手段】燃料極23と酸化極25とを有する単位セル42を積層させた燃料電池スタック20と、指令部52と、制御部30と、所定の電圧を有する外部電源54と、を備える燃料電池システム100であって、制御部30は、燃料ガス制御部32と、酸化ガス制御部33と、印加電圧切替制御部34と、を含む。指令部52の起動指令に応じて、燃料極23に対する燃料ガスの供給を開始し、酸化極25に対する酸化ガスの供給を開始し、外部電源54を少なくとも1つの単位セル42に対して電気的に接続し、単位セル42に対する印加電圧の調整および/または酸化ガスの供給量の調整により、単位セル電圧を段階的に上昇させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関する。
燃料電池は一般に、電解質膜の一方の面に燃料極(アノード触媒層)と、もう一方の面に酸化極(カソード触媒層)とを電解質膜を挟んで対向するように設け、電解質膜を挟持した各触媒層の外側に拡散層をさらに設けた、膜−電極接合体(MEA)を、原料供給用の流路を設けたセパレータで挟んだ構造を1単位とするいわゆる単位セルを有している。通常の燃料電池システムにおいては、この単位セルを積層させて所望の電力が得られるようにした燃料電池スタックを使用し、各触媒層に水素、酸素等の原料(以下、原料ガスまたは反応ガスとも称する)を供給して発電する。
燃料電池の発電時には、燃料極に供給する原料を水素ガス、酸化極に供給する原料を空気とした場合、燃料極において、水素ガスから水素イオンと電子とが発生する。電子は外部端子から外部回路を通じて空気極に到達する。酸化極において、供給される空気中の酸素と、電解質膜を通過した水素イオンと、外部回路を通じて酸化極に到達した電子により、水が生成する。このように燃料極及び酸化極において電気化学反応が起こり、電池として機能する。この燃料電池は、発電に使用される原料のガスや液体燃料が豊富に存在すること、また、その発電原理より排出される物質が水であること等から、クリーンなエネルギー源として様々な検討がされている。
ところで、燃料電池の起動時や停止時には、その手順によっては酸化ガスの過剰や燃料ガスの不足、さらにセル電圧の異常などに起因する酸化極触媒層、燃料極触媒層の劣化が生じる場合があり、特に起動−停止を頻繁に繰り返すような場合には、各触媒層の劣化により、燃料電池の耐久性にまで影響を及ぼすことも少なくなかった。
特許文献1には、酸化極への酸化ガス供給を遮断しかつ燃料電池本体と負荷との接続を遮断した状態で、燃料極へ燃料ガスの供給を開始する第1ステップと、燃料電池本体の電圧が第1の所定値以上になった場合に、燃料電池本体と負荷とを接続する第2ステップと、燃料電池本体の電圧が第1の所定値より小さい第2の所定値以下になった場合に、酸化極に酸化ガスの供給を開始する第3ステップと、を備えた燃料電池システムの起動方法が開示されている。特許文献1に記載された燃料電池システムの起動方法は、セル電圧を、所定の範囲内を維持するように制御することにより、触媒の劣化や腐食が促進されるような所定のセル電圧値を回避しようとするものである。
しかしながら、後述するように、セル電圧を所定の範囲内に維持したとしても、触媒層が劣化してしまう場合があり、特許文献1に記載された方法により触媒層の劣化を効果的に抑制するにはなお不十分であることが明らかとなった。また、場合によってはセル電圧を、所定の範囲内を維持するように制御する必要はないことも明らかとなった。
本発明は、起動時における電極触媒層の劣化を防止または抑制することの可能な燃料電池システム、および燃料電池システムの制御方法を提供することを目的とする。
本発明の構成は以下のとおりである。
(1)燃料極と酸化極とを有する単位セルを積層させた燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの起動動作を指令する指令部と、前記指令部からの動作指令に応じて動作を制御する制御部と、所定の電圧を有し、少なくとも1つの単位セルに対し電気的に接続可能な外部電源と、を備え、前記燃料電池スタックで得られた電力を電気負荷装置に供給する燃料電池システムであって、前記制御部は、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を制御可能な燃料ガス制御部と、前記酸化極に対する酸化ガスの供給を制御可能な酸化ガス制御部と、前記外部電源と前記少なくとも1つの単位セルとの電気的接続を切り替え可能な印加電圧切替制御部と、を含み、前記指令部の起動指令に応じて、前記燃料ガス制御部により、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始し、前記酸化ガス制御部により、前記酸化極に対する酸化ガスの供給を開始し、前記印加電圧切替制御部により、前記外部電源を前記単位セルに対して電気的に接続し、前記単位セルに対する印加電圧の調整により、単位セル電圧を段階的に上昇させる、燃料電池システム。
(2)燃料極と酸化極とを有する単位セルを積層させた燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの起動動作を指令する指令部と、前記指令部からの動作指令に応じて動作を制御する制御部と、所定の電圧を有し、少なくとも1つの単位セルに対し電気的に接続可能な外部電源と、を備え、前記燃料電池スタックで得られた電力を電気負荷装置に供給する燃料電池システムであって、前記制御部は、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を制御可能な燃料ガス制御部と、前記酸化極に対する酸化ガスの供給を制御可能な酸化ガス制御部と、前記外部電源と前記少なくとも1つの単位セルとの電気的接続を切り替え可能な印加電圧切替制御部と、を含み、前記指令部の起動指令に応じて、前記燃料ガス制御部により、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始し、前記酸化ガス制御部により、前記酸化極に対する酸化ガスの供給を開始し、前記印加電圧切替制御部により、前記外部電源を前記単位セルに対して電気的に接続し、前記酸化ガスの供給量の調整により、単位セル電圧を段階的に上昇させる、燃料電池システム。
(3)上記(1)または(2)に記載の燃料電池システムにおいて、前記酸化ガスの供給開始および前記外部電源の電気的接続は、少なくとも前記燃料ガスの供給開始後である、燃料電池システム。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、前記酸化ガスの供給は、間欠的である、燃料電池システム。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料ガス中の水素量が、前記酸化ガス中の酸素量に対して当量以上となるように前記酸化ガスの供給量を制御する、燃料電池システム。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、所定の電気抵抗を有し、前記燃料電池スタックに対し電気的に接続可能な放電抵抗をさらに備え、前記外部電源の電気的接続と、前記放電抵抗の電気的接続とをそれぞれ切り替えて単位セル電圧の上昇を調整する、燃料電池システム。
(7)燃料極と酸化極とを有する単位セルを積層させた燃料電池スタックと、所定の電圧を有し、少なくとも1つの単位セルに対し電気的に接続可能な外部電源と、を備え、前記燃料電池スタックで得られた電力を電気負荷装置に供給する燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始する工程と、前記酸化極に対する酸化ガスの供給を開始する工程と、前記外部電源を前記少なくとも1つの単位セルに対して電気的に接続する工程と、前記単位セルに対する印加電圧を調整し、前記単位セルの電圧を段階的に上昇させる工程と、を含み、前記燃料電池スタックを起動させる、燃料電池システムの制御方法。
(8)燃料極と酸化極とを有する単位セルを積層させた燃料電池スタックと、所定の電圧を有し、少なくとも1つの単位セルに対し電気的に接続可能な外部電源と、を備え、前記燃料電池スタックで得られた電力を電気負荷装置に供給する燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始する工程と、前記酸化極に対する酸化ガスの供給を開始する工程と、前記外部電源を前記少なくとも1つの単位セルに対して電気的に接続する工程と、前記酸化ガスの供給量を調整し、単位セル電圧を段階的に上昇させる工程と、を含み、前記燃料電池スタックを起動させる、燃料電池システムの制御方法。
(9)上記(7)または(8)に記載の制御方法において、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始する工程が、少なくとも他の工程に先立って行なわれる、燃料電池システムの制御方法。
(10)上記(7)から(9)のいずれか1つに記載の制御方法において、前記酸化ガスを間欠的に供給させる工程をさらに含む、燃料電池システムの制御方法。
(11)上記(7)から(10)のいずれか1つに記載の制御方法において、前記燃料ガス中の水素量が、前記酸化ガス中の酸素量に対して当量以上となるように前記酸化ガスの供給量を制御する工程をさらに含む、燃料電池システムの制御方法。
(12)上記(7)から(11)のいずれか1つに記載の制御方法において、前記燃料電池システムは、所定の電気抵抗を有し、前記燃料電池スタックに対し電気的に接続可能な放電抵抗をさらに備え、前記外部電源の電気的接続と、前記放電抵抗の電気的接続とをそれぞれ切り替えて前記単位セル電圧の上昇を調整する工程をさらに含む、燃料電池システムの制御方法。
本発明によれば、燃料電池スタックの起動時における電極触媒層の劣化を防止または抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における燃料電池システムの、構成の概略を示す模式図である。図1において、燃料電池システム100は、単位セル42を積層させた燃料電池スタック(単に燃料電池とも称する)20と、燃料ガス流路と、酸化ガス流路とを備えておいる。電気負荷装置10は、燃料電池スタック20に対して電気的に接続可能な構成を有している。
単位セル42は、電解質膜12の両側を、燃料極(アノード)触媒層14および酸化極(カソード)触媒層16で挟み、さらにその外側を燃料極(アノード)拡散層22および酸化極(カソード)拡散層24で挟んだ構造を有するMEA18を含み、さらに図示しないセパレータで両端部を押圧挟持した構造を有している。また、燃料電池スタック20は、各単位セル42で得られた電力を、電気的接続により電気負荷装置10に供給可能に構成されている。燃料極触媒層14と燃料極拡散層22とを合わせて燃料極23、また酸化極触媒層16と酸化極拡散層24とを合わせて酸化極25と称する場合もある。なお、説明を容易にするために、図1に示す本実施の形態においては、燃料電池スタック20として単位セル42(MEA18)の構成のみを示し、積層構造については省略した。
燃料ガス流路は、燃料ガス供給流路26と燃料ガス排出流路28とを含み、それぞれの流路は、燃料電池スタック20の外周部分を貫通する、図示しないマニホールドを介して各単位セル42の燃料極拡散層22に連通している。燃料ガス供給流路26は、例えば改質器や水素ボンベなどの燃料ガス供給装置50に接続されており、燃料ガス制御部32により、水素を含む燃料ガスの供給量および/または供給速度を制御しつつ燃料電池スタック20内に供給可能な構成を有している。また、燃料ガス排出流路28は、単位セル42(MEA18)内を流通し、含有する水素が消費された燃料ガスを、燃料電池スタック20の外部に排出するよう構成されている。燃料極拡散層22、燃料ガス流路内におけるフラッディング防止および/または流量調整のために、必要に応じて、燃料ガス制御部32により燃料ガスの排出量および/または排出速度を制御可能な構成とすることも可能である。
一方、酸化ガス流路は、酸化ガス供給流路36と酸化ガス排出流路38とを含み、それぞれの流路は、燃料電池スタック20の外周部分を貫通する、図示しないマニホールドを介して各単位セル42の酸化極拡散層24に連通している。酸化ガス供給流路36は、例えばブロアや酸素ボンベなどの酸化ガス供給装置44に接続されており、酸化ガス制御部33により、酸素を含む酸化ガスの供給量および/または供給速度を制御しつつ燃料電池スタック20内に供給可能な構成を有している。また、酸化ガス排出流路38は、単位セル42(MEA18)内を流通し、含有する酸素が消費された酸化ガスを、燃料電池スタック20の外部に排出するよう構成されている。酸化ガスおよび/または燃料ガスは、燃料電池スタック20に対する供給前および/または排出後に、必要に応じて図示しない加湿器を経由させて、所望の湿度となるように制御することも好適である。
単位セル42のそれぞれには、外部電源54が、各単位セル42に対して独立して接続し、所定の電圧を印加可能に配設されている。また、単位セル42のそれぞれには、セルモニタ40が接続されており、各単位セル42のセル電圧Vcellを監視するセル電圧センサとともに、制御部30による燃料電池スタック20の運転制御に必要な情報(例えば、単位セル42内の温度、燃料ガスおよび/または酸化ガスの圧力など)を入手可能な構成を有している。セルモニタ40により入手された情報は、制御部30による燃料電池スタック20の運転制御を的確に行なうために、常にまたは所定のタイミングで制御部30に伝達されるか、または制御部30が常にまたは所定のタイミングで取得可能な構成を有している。
上述のように、セルモニタ40は、各単位セル42の状態を独立して監視することが好ましいが、より簡便なシステム構築の観点から、たとえばセル電圧センサは複数の単位セル42を積層させた状態におけるセルモジュールの電圧を監視する構成としても良く、さらに燃料電池スタック20全体の電圧を同時に監視する構成としても良い。同様に、セルモニタ40に関しても、必ずしも各単位セル42を独立して監視する構成でなくても良い。
指令部52は、燃料電池スタック20の起動や停止などの運転制御に関する指示を受けると、制御部30に所定の制御指令を行なう。制御部30は、燃料ガス制御部32と、酸化ガス制御部33と、印加電圧切替制御部34と、を含み、反応ガスの流通や電気回路の切り替えなど、燃料電池スタック20に関するあらゆる制御を可能に構成されている。
燃料ガス制御部32は、例えば、燃料ガス供給装置50の運転の調整や、燃料ガスの流通の調整などにより、燃料極23に対する燃料ガスの供給を制御可能な構成を有している。酸化ガス制御部33は、例えば、酸化ガス供給装置44の運転の調整や、酸化ガスの流通の調整などにより、酸化極25に対する酸化ガスの供給を制御可能な構成を有している。また、印加電圧切替制御部34は、単位セル42に対する所定の電圧の印加/解除を好適に実行するよう、外部電源54と単位セル42との電気的接続を切り替え可能な構成を有している。
停止中の燃料電池スタック20を起動させるときは、まず燃料極23に対する燃料ガスの供給を開始する。次に、外部電源54を単位セル42に対して電気的に接続させ、所定の電圧を印加するとともに、酸化極25に対する酸化ガスの供給を開始する。外部電源54の接続と酸化ガスの供給は必ずしも同時でなくてもよい。上記起動操作により、単位セル電圧は次第に上昇し、所定の単位セル電圧まで上昇する。一般に、単位セル電圧は酸化ガスの供給とともに急激に上昇するが、このとき、単位セル電圧の上昇速度を調整し、単位セル電圧を段階的に上昇させることが好適である。
単位セル電圧を段階的に上昇させる第1の方法として、まず、外部電源54の接続による、単位セルに対する印加電圧を調整する方法が挙げられる。より具体的には、例えば、予め1つの単位セル42に対応する外部電源54を複数設けておき(ここで、複数の外部電源54は、電圧を同じとすることも可能であるが、好適には異なる電圧を有するものが用いられる)、例えば印加電圧の低い外部電源54から順に、所定の間隔を空けて接続する方法、印加電圧が可変の外部電源54を使用し、所定の間隔で段階的に印加電圧を上昇させ、単位セル電圧を段階的に上昇させる方法、所定の電気抵抗を有する、単位セル42との電気的接続を切り替え可能な放電抵抗56を外部電源54と併用し、外部電源の電気的接続と、放電抵抗の電気的接続とをそれぞれ切り替えて、単位セル電圧の上昇を予め設定したおいた所定の速度となるように調整する方法、電気負荷装置10で電圧を下げて調整する方法などを挙げることが可能である。
単位セル電圧を段階的に上昇させる第2の方法として、酸化ガスの供給量を調整する方法が挙げられる。燃料ガス中の水素量と酸化ガス中の酸素量が既知である場合には、燃料ガスの供給量に対応する酸化ガスの最低必要量(これを当量と称する)は燃料電池スタック20によって概ね決まっている。燃料ガスに対して、当量となる程度以上の酸化ガスを供給し続けると、単位セル電圧が瞬時に(例えば、数秒程度)上昇してしまうため、この単位セル電圧の上昇速度を抑えるために、例えば、水素と酸素から水を生成する反応において、燃料ガス中の水素量が、酸化ガス中の酸素量に対して当量以上となるよう、すなわち水素量に対して酸素量を不足気味に酸化ガスの供給量を制御することにより、特に酸化極触媒層16の酸化に伴う劣化を抑制することが可能となる。また、他の実施の形態として、燃料ガスに対して当量またはそれ以下の酸化ガスを、所定の間隔で間欠的に供給させることも好適である。本実施の形態によれば、単位セル電圧は酸化ガスの間欠的な供給の後に段階的に上昇するため、単位セル電圧の急激な上昇が抑えられ、触媒および触媒担持体として用いられる炭素材料などの劣化を抑制または防止することが可能となる。
なお、単位セル電圧を段階的に上昇させるために、上述した第1の方法と第2の方法は組み合わせることも可能である。複数の方法による制御を組み合わせることにより、単位セル電圧の急激な上昇を効果的に抑制することが可能となる。
ところで、単位セル電圧を段階的に上昇させた場合と、単位セル電圧を急激に上昇させた場合との間に、触媒層に対する影響に差異が生じる理由について、現状では必ずしも明らかとはなっていないが、例えば、以下のような理由によると想定される。すなわち、例えば電極触媒として白金(Pt)、触媒担持体としてカーボンをそれぞれ使用した燃料電池の場合、カーボンに担持されたPtは0〜0.3ボルト付近では還元状態であり、活性が非常に高い状態にある。一方、カーボンは0.2ボルト付近より高い電圧下において酸化がすすむ。これらを勘案すると、高い電圧に短時間で上昇させると、非常に活性が高いPtによりカーボンの酸化が促進され、劣化すると考えられる。そこで、電圧の上昇速度を遅くすると、Ptの活性が低下した状態で高電位となるため、カーボンの酸化劣化が抑制されると考えられる。
このような方法により、単位セル電圧を段階的に上昇させていき、例えば所定の単位セル電圧値を超えたことが確認された時点で、起動動作を終了し、通常運転に移行する。より具体的には、例えば、燃料電池スタック20と電気負荷装置10とを電気的に接続し、電気負荷装置10への電力供給が確認された時点で外部電源54および必要に応じて用いられている放電抵抗56の、単位セル42との接続を解除または遮断する。そして、酸化ガスの供給がこの時点で所要量に満たない場合や、間欠的な供給を行なっている場合には、酸化ガス制御部33が、所定の酸化ガス供給量となるように制御する。このようにして、触媒層の劣化を防止または抑制しつつ、燃料電池スタック20の起動を行なうことが可能となる。
図1に示すような構成の燃料電池システム100において、燃料電池スタック20が運転し、電気負荷装置10に電力が供給されている状態では、燃料ガスおよび酸化ガスは燃料電池スタック20の所望の出力性能に応じた所定の流速および流量にて供給されている。一方、外部電源54および必要に応じて用いられている放電抵抗56については、燃料電池スタック20の通常運転時には一般に、単位セル42に対する電気的接続を遮断/解除した状態にある。ただし、外部電源54を充電し、次回起動時に再利用することを目的として、場合によっては単位セル42に対して電気的に接続させることも好適である。
このような燃料電池スタック20の通常運転状態において、運転停止の指示、つまり、燃料電池スタック20での発電を停止し、燃料電池スタック20から電気負荷装置10への電力供給を停止させる指示が与えられると、指令部52は、制御部30に対し、燃料電池スタック20の停止動作を開始するように指令する。
制御部30および燃料ガス制御部32、酸化ガス制御部33は、指令部52からの停止指令により、燃料電池スタック20の停止制御を行なう。まず、燃料電池スタック20から電気負荷装置10への電力供給を停止する。そして、燃料ガス制御部32および酸化ガス制御部33により、燃料電池スタック20に対する、燃料ガスおよび酸化ガスの供給量を調整し、水素量に対して酸素量を不足気味に酸化ガスの供給量を制御しつつ、単位セル電圧を段階的に降下させる。本実施の形態において、単位セル電圧を段階的に降下させることが可能な構成であれば、いかなる方法によるものでも構わないが、好適には、外部電源により電圧の降下速度を遅くする制御を例示することが可能である。ここで、「単位セル電圧を段階的に降下」とは、例えば10秒以下程度の急激な単位セル電圧の降下ではなく、徐々に単位セル電圧を降下させることを指し、具体的な単位セル電圧の降下速度は特に限定されることはないが、例えば、0.1ボルト/分から1ボルト/分程度、好ましくは0.2ボルト/分から0.34ボルト/分程度で単位セル電圧を降下させることにより、燃料電池スタック20の停止時における触媒層の劣化を防止または抑制することが可能となる。
そして、単位セル電圧が所定値以下となった時点で燃料ガスおよび酸化ガスの供給を停止させる。さらに単位セル電圧が所定の単位セル電圧以下(例えば0ボルト)になった時点で電圧制御を停止し、燃料電池スタック20を停止させる。燃料電池が運転を停止している状態で燃料電池スタック20内に未反応の反応ガスが残存したまま長期間放置されると、これらの残存ガスによる酸化還元反応に伴い、燃料極触媒層14および酸化極触媒層16の電極触媒および炭素材料を含む触媒担持体を劣化させる場合がある。このため、例えば燃料電池スタック20に対する反応ガスの供給停止後であって、燃料電池スタック20の停止前、または燃料電池スタック20の停止後において常時、または所定時間経過ごとに単位セル42内に残存する反応ガス中の酸素量および/または水素量を監視し、必要に応じて酸素および/または水素を少なくとも所定値以下まで、例えば放電抵抗などにより電圧を降下させて、除去することが好ましい。また、他の実施の形態として、待機時における単位セル電圧を監視し、停止時の単位セル電圧以下に維持させることが好ましい。燃料電池スタック20の運転中における単位セル電圧は一般に、金属触媒や触媒担持体などの触媒層材料の酸化還元電位を超えた値で推移しているのに対し、燃料電池スタック20の停止時、および待機時に維持される単位セル電圧は一般に、少なくとも酸化還元電位を下回る値に設定される。このように、酸化還元電位を跨いだ状態で燃料電池スタック20を停止/待機させることにより、燃料電池スタック20停止中の電極触媒層の劣化を抑制することが可能となる。なお、酸素および/または水素の除去や単位セル電圧の維持には、外部電源54や放電抵抗56を使用してもよく、他の構成を適用してもよい。
本発明の実施の形態において、外部電源54として、単位セル42に対して所定の電圧(例えば、0.1から1.0ボルト、好ましくは0.1から0.3ボルト程度)を印加可能なものであればいかなるものであっても構わないが、長期にわたり使用可能なものとして、例えば充放電可能なバッテリや、所定の電気容量を有するキャパシタを使用することが可能である。好適な外部電源54として、具体的には、リチウムイオン二次電池などを挙げることが可能であるが、これに限らず、いかなる外部電源54を使用しても良く、単位セル42または燃料電池スタック20による出力に応じて適宜選定することが可能である。なお、本発明の他の実施の形態において、外部電源54は、少なくとも1つの単位セル42に対し電気的に接続可能な構成を有していれば良く、各単位セル42に対してそれぞれ別の外部電源54を接続可能な構成とする必要はない。例えば、外部電源54を、所定枚数の単位セル42を積層させたセルモジュールや燃料電池スタック20全体に接続可能な構成とすることも可能である。このような場合には、1つの外部電源54に対応する単位セル42の積層枚数に応じて外部電源54の電気容量を適宜増減させてもよい。
また、本発明の実施の形態において、放電抵抗56として好適に使用できるものとしては、単位セル42または燃料電池スタック20による出力に応じて適宜選定することが可能である。実施の形態においては、対応する単位セル42に対し、例えば0.1〜0.2Ω程度の抵抗値を有する放電抵抗56が好適に用いられる。なお、各単位セル42に対してそれぞれ別の放電抵抗56を接続可能な構成とする必要はなく、本発明の他の実施の形態として、複数の単位セル42からなるセルモジュールや、燃料電池スタック20全体に対応する放電抵抗56を使用することも可能である。このような場合には、1つの放電抵抗56に対応する単位セル42の積層枚数に応じて放電抵抗56の抵抗値を適宜増減させてもよい。また、電気負荷装置10の少なくとも一部を、放電抵抗56として使用することも可能である。
また、本発明の他の実施の形態として、単位セル42のそれぞれに外部電源54を接続して単位セル42に残存する反応ガスを消費させ、さらに一旦外部電源54に蓄えられた電荷を放電抵抗56により放電させる構成とすることも可能である。
このような燃料電池システム100を構成することにより、燃料電池スタック20起動時における電極触媒や触媒担持体の劣化を抑制することが可能となる。さらに停止時および運転待機時においても、燃料極23および酸化極25に水素および酸素が実質的に存在せず、また単位セル電圧を所定値以下に維持させることにより、電極触媒や触媒担持体の劣化を抑制することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態における燃料電池システムの制御方法について、図面に基づいて説明する。
図2、図3は、本発明の実施の形態における燃料電池システムの制御方法のうち、特に燃料電池スタックの起動方法の一例を示すグラフである。なお、以下の説明において、本実施の形態における燃料電池システムの構成については、図1を参照のこと。
図2は、本発明の実施の形態にかかる燃料電池システム100における、燃料電池スタック20起動時の単位セル電圧(Vcell)の変化の概略を示したグラフである。図2において、燃料電池スタック20停止中における好適なVcellはV0(例えば、0ボルト)、燃料電池スタック20運転中における好適なVcellはV3(例えば、0.9〜1.0ボルト)である。
時刻0において、燃料電池スタック20の起動指示を受けた指令部52は、制御部30に起動指令を行なう。本実施の形態において、制御部30は、単位セル電圧Vcellを段階的に上昇させるために、時刻t1におけるVcellをV1(例えば、0.3〜0.5ボルト)、時刻t3におけるVcellをV2(例えば、0.7〜0.8ボルト)となるように制御することにより、Vcellを段階的に上昇させる。時刻t0から時刻t5までの時間は、例えば、1分から10分程度、好ましくは3分から5分程度であるのに対し、破線で示した従来の燃料電池システムにおいては、ほぼ瞬時(例えば10秒以内)である。
図3は、図2に示した燃料電池システム100における、燃料電池スタック20起動時の反応ガス(燃料ガスおよび酸化ガス)流量の変化の概略を示したグラフである。なお、酸化ガス中の酸素含有量および燃料ガス中の水素含有量は任意に設定することが可能であることから、図3においても燃料ガス流量と酸化ガス流量との比率も任意とすることが可能である。また、ここでは簡単のために、各反応ガスの温度や圧力の変化による影響等については考慮しない。さらに、図3の説明において、特にVcellに関する記述については、図2をあわせて参照のこと。
指令部52により、制御部30が起動指令を受けると、この起動指令に応じて燃料ガス制御部32により燃料極に対する燃料ガスの供給を開始する。
次に、酸化ガス制御部33により、酸化極に対する酸化ガスの供給を開始すると(時刻t0)、VcellがV0から次第に上昇する。流量f1にて所定時間(例えば、1〜2秒間程度)酸化ガスを供給させた後、酸化ガスの供給を停止させて、時刻t1におけるVcellを所定値V1とする。
次に、時刻t3にて所定の単位セル電圧V2とするために、流量f2にて所定時間(例えば、1〜2秒間程度)酸化ガスを供給させた後、酸化ガスの供給を停止させる。さらに、時刻t5にて所定の単位セル電圧V3とするために、流量f3にて所定時間(例えば、1〜2秒間程度)酸化ガスを供給させた後、酸化ガスの供給を停止させる。
このように、酸化ガスの供給を間欠的に行なうことにより、Vcellを段階的に上昇させることが可能となる。なお、図3において、f1、f2、f3およびf4はすべて異なる値としたが、これに限らず、例えばすべて同じ値に設定することも可能である。また、t0とt2との間隔、t2とt4との間隔、およびt4とt6との間隔は、図3に示したようにすべて異ならせる必要はなく、例えばすべて等間隔としても良い。
なお、酸化ガス制御部33による酸化ガスの供給制御では、複数枚の単位セル42からなる燃料電池スタック20全体としての電圧の制御はある程度可能であるが、各単位セル42に対し、所定の単位セル電圧Vcellとする高精度な制御は、困難な場合も少なくない。このため、例えば印加電圧切替制御部34による、所定の電圧を印加可能な外部電源54の単位セル42に対する電気的な接続を併用し、単位セル42ごとのVcellを所定値に制御させることも好適である。このとき、酸化ガス制御部33による酸化ガスの供給開始と、印加電圧切替制御部34による外部電源54の電気的接続とは、同時に行われてもよいし、またどちらか一方を先に開始してもよい。また、本実施の形態において、一定の電圧を印加した状態で保持し、酸化ガスの供給量の調整を行うことにより段階的に単位セル電圧を上昇させる構成としても良く、また酸化ガスの供給量の調整は行なわず、印加電圧の調整を行うことにより段階的に単位セル電圧を上昇させる構成としても良く、さらに印加電圧の調整と酸化ガスの供給量の調整とを並行して行う構成としてもよい。
VcellがV3となったところで起動動作を終了し、通常運転を開始する。すなわち、酸化ガス流量を所定値f4とし(時刻t6)、また単位セル42と外部電源54との電気的接続を解除し、電気負荷装置10を燃料電池スタック20に接続させる。なお、図2,3に示すように、t6はt5より後であっても良く、またt5と同時であっても良い。さらに、単位セル42と外部電源54との電気的接続の解除や、電気負荷装置10と燃料電池スタック20との接続は、場合によってはt4とt5の間であっても良い。
また、図2では、予め時刻t1、t2、t3におけるVcellの所定値をそれぞれ設定しておき、これに基づいて制御部30による起動制御を行なったが、本実施の形態では、段階的に印加電圧を上昇させることが可能であれば良い。つまり、時刻tにおける単位セル電圧Vcellの設定ポイントは、図2に示した数(t1−V1,t3−V2,t5−V3の計3ポイント)に限定されず、これよりも増加させても良く、また減少させても良い。また、例えば図4に示したように、予め時刻t5における所定の単位セル電圧V3のみを設定し、時刻t0からt5の間、ほぼ一定の割合、例えば1ボルト/分よりも遅い速度で単位セル電圧Vcellを上昇させる構成とすることも好適である。
さらに、上記実施の形態においては、説明を簡単にするために燃料ガス流量は一定であるとして説明したが、これに限らず、例えば燃料ガス制御部32による燃料ガスの供給開始から徐々に燃料ガス流量を増加させる構成であってもよく、この燃料ガス流量に応じて酸化ガス流量を調整させることも好適である。
燃料電池システム100として、以上説明したいずれかの構成を採用することにより、すなわち、起動時において単位セル42の電圧を段階的に上昇させることにより、図2および図3に破線にて示した、従来の燃料電池スタック20の起動制御と比較して、電極触媒層の劣化を防止または抑制することが可能となる。
本発明は、あらゆる燃料電池システムにおいて好適に利用することが可能である。
10 電気負荷装置、12 電解質膜、14 燃料極触媒層、16 酸化極触媒層、18 MEA、20 燃料電池スタック、22 燃料極拡散層、23 燃料極、24 酸化極拡散層、25 酸化極、26 燃料ガス供給流路、28 燃料ガス排出流路、30 制御部、32 燃料ガス制御部、33 酸化ガス制御部、34 印加電圧切替制御部、36 酸化ガス供給流路、38 酸化ガス排出流路、40 セルモニタ、42 単位セル、44 酸化ガス供給機構(酸化ガス供給源)、50 燃料ガス供給源、52 指令部、54 外部電源、56 放電抵抗、100 燃料電池システム。
Claims (12)
- 燃料極と酸化極とを有する単位セルを積層させた燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックの起動動作を指令する指令部と、
前記指令部からの動作指令に応じて動作を制御する制御部と、
所定の電圧を有し、少なくとも1つの単位セルに対し電気的に接続可能な外部電源と、
を備え、
前記燃料電池スタックで得られた電力を電気負荷装置に供給する燃料電池システムであって、
前記制御部は、
前記燃料極に対する燃料ガスの供給を制御可能な燃料ガス制御部と、
前記酸化極に対する酸化ガスの供給を制御可能な酸化ガス制御部と、
前記外部電源と前記少なくとも1つの単位セルとの電気的接続を切り替え可能な印加電圧切替制御部と、
を含み、
前記指令部の起動指令に応じて、
前記燃料ガス制御部により、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始し、
前記酸化ガス制御部により、前記酸化極に対する酸化ガスの供給を開始し、
前記印加電圧切替制御部により、前記外部電源を前記単位セルに対して電気的に接続し、
前記単位セルに対する印加電圧の調整により、単位セル電圧を段階的に上昇させることを特徴とする燃料電池システム。 - 燃料極と酸化極とを有する単位セルを積層させた燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックの起動動作を指令する指令部と、
前記指令部からの動作指令に応じて動作を制御する制御部と、
所定の電圧を有し、少なくとも1つの単位セルに対し電気的に接続可能な外部電源と、
を備え、
前記燃料電池スタックで得られた電力を電気負荷装置に供給する燃料電池システムであって、
前記制御部は、
前記燃料極に対する燃料ガスの供給を制御可能な燃料ガス制御部と、
前記酸化極に対する酸化ガスの供給を制御可能な酸化ガス制御部と、
前記外部電源と前記少なくとも1つの単位セルとの電気的接続を切り替え可能な印加電圧切替制御部と、
を含み、
前記指令部の起動指令に応じて、
前記燃料ガス制御部により、前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始し、
前記酸化ガス制御部により、前記酸化極に対する酸化ガスの供給を開始し、
前記印加電圧切替制御部により、前記外部電源を前記単位セルに対して電気的に接続し、
前記酸化ガスの供給量の調整により、単位セル電圧を段階的に上昇させることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1または2に記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸化ガスの供給開始および前記外部電源の電気的接続は、少なくとも前記燃料ガスの供給開始後であることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸化ガスの供給は、間欠的であることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料ガス中の水素量が、前記酸化ガス中の酸素量に対して当量以上となるように前記酸化ガスの供給量を制御することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
所定の電気抵抗を有し、前記燃料電池スタックに対し電気的に接続可能な放電抵抗をさらに備え、
前記外部電源の電気的接続と、前記放電抵抗の電気的接続とをそれぞれ切り替えて単位セル電圧の上昇を調整することを特徴とする燃料電池システム。 - 燃料極と酸化極とを有する単位セルを積層させた燃料電池スタックと、
所定の電圧を有し、少なくとも1つの単位セルに対し電気的に接続可能な外部電源と、
を備え、
前記燃料電池スタックで得られた電力を電気負荷装置に供給する燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始する工程と、
前記酸化極に対する酸化ガスの供給を開始する工程と、
前記外部電源を前記少なくとも1つの単位セルに対して電気的に接続する工程と、
前記単位セルに対する印加電圧を調整し、前記単位セルの電圧を段階的に上昇させる工程と、
を含み、前記燃料電池スタックを起動させることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 燃料極と酸化極とを有する単位セルを積層させた燃料電池スタックと、
所定の電圧を有し、少なくとも1つの単位セルに対し電気的に接続可能な外部電源と、
を備え、
前記燃料電池スタックで得られた電力を電気負荷装置に供給する燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始する工程と、
前記酸化極に対する酸化ガスの供給を開始する工程と、
前記外部電源を前記少なくとも1つの単位セルに対して電気的に接続する工程と、
前記酸化ガスの供給量を調整し、単位セル電圧を段階的に上昇させる工程と、
を含み、前記燃料電池スタックを起動させることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 請求項7または8に記載の制御方法において、
前記燃料極に対する燃料ガスの供給を開始する工程が、少なくとも他の工程に先立って行なわれることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 請求項7から9のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記酸化ガスを間欠的に供給させる工程をさらに含むことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 請求項7から10のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記燃料ガス中の水素量が、前記酸化ガス中の酸素量に対して当量以上となるように前記酸化ガスの供給量を制御する工程をさらに含むことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 請求項7から11のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記燃料電池システムは、所定の電気抵抗を有し、前記燃料電池スタックに対し電気的に接続可能な放電抵抗をさらに備え、
前記外部電源の電気的接続と、前記放電抵抗の電気的接続とをそれぞれ切り替えて単位セル電圧の上昇を調整する工程をさらに含むことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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