JP2006156040A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池システムの起動時、または停止時に劣化を抑制した小型の燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1を分割部材15、16によって燃料電池スタック1aと燃料電池スタック1bに電気的に分割し、燃料電池システムの起動時または停止時に水素流路8の上流側の燃料電池スタック1aのアノード4aとカソード5aを回路42によって短絡し、アノード4aの水素をカソード5aに移動させ、カソード5bに水素を拡散させる。
【選択図】図1(b)
【解決手段】燃料電池スタック1を分割部材15、16によって燃料電池スタック1aと燃料電池スタック1bに電気的に分割し、燃料電池システムの起動時または停止時に水素流路8の上流側の燃料電池スタック1aのアノード4aとカソード5aを回路42によって短絡し、アノード4aの水素をカソード5aに移動させ、カソード5bに水素を拡散させる。
【選択図】図1(b)
Description
本発明は燃料電池システムに関するものであり、特に燃料電池システムの起動時、停止時の制御に関するものである。
燃料電池において、停止時に燃料極側に空気が混入し、水素(燃料ガス)と空気の置換が起こる。そして次回の起動時に燃料極側流路に水素を供給すると、同一の燃料極面上で水素と空気が混在することとなる。これにより、燃料極で局部電池が発生して酸化剤極側の触媒付近で炭素腐食が発生し、炭素腐食により触媒が流出し、燃料電池の性能低下を引き起こす。また、炭素腐食の起こる条件である燃料極側での水素と空気の混在は、停止時に燃料極側で空気を水素と置換する過程においても発生する。
そこで、燃料電池の停止指令があった時に燃料電池本体に接続されている外部負荷を遮断すると共に、燃料電池本体への空気及び水素の供給を停止し、そして燃料電池本体に負荷抵抗器を投入して燃料電池の電極電圧が予め定めた上限値及び下限値の範囲内に維持されるように負荷抵抗器をオンオフ制御しているものが、特許文献1に開示されている。
特開平8−222259号公報
しかし、上記の発明では、燃料電池セルの面積が大きい場合には、燃料極−酸化剤極の電圧を下げるために大電流が流れるために、短絡抵抗自体所定のスペースが必要であり、また抵抗での発熱によりエネルギーが消費されるために放熱を考慮した設計が必要となり、設計の自由度が狭くなるといった問題点がある。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、小型で燃料電池の起動、または停止時に燃料電池の劣化を抑制することを目的とする。
本発明では、電解質膜を挟持するアノードとカソードと、アノードに水素を供給する水素流路を有するアノードセパレータと、カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有するカソードセパレータを有する燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、燃料電池を水素流路上流側の第1燃料電池と水素流路下流側の第2燃料電池に電気的に分割する分割手段と、燃料電池を水素流路上流側の第1燃料電池と水素流路下流側の第2燃料電池に電気的に遮断する分割手段と、第1燃料電池のアノードと第1燃料電池のカソードとを短絡する短絡回路と、短絡回路の接続状態を選択的に切り換える切換手段と、を備える。そして燃料電池の起動時または停止時に短絡回路を接続することにより第1燃料電池のアノードに供給された水素を第1燃料電池の電解質膜を介して第1燃料電池のカソードに生成させる。
本発明によると、燃料電池の起動時、または停止時に第1燃料電池のアノードに供給された水素を第1または第2燃料電池のカソードに拡散することができ、アノードに空気が混入している場合に生じるカソードの劣化を抑制し、また燃料電池の一部を使用することによってカソードの劣化を抑制することができるので、燃料電池システムを小型にすることができる。
本発明の第1実施形態で用いる燃料電池スタック1の単位セル2の概略構成を図1(a)、(b)を用いて説明する。図1(a)は後述する水素流路8、空気流路12に対しての横断断面図の一部であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図の一部である。
単位セル2は、固体高分子電解質膜3(以下、電解質膜3とする)と、電解質膜3を挟持するアノード4と、カソード5から構成される。
電解質膜3としては、固体高分子膜、例えばプロトン交換膜であるパーフルオロスルホン酸膜が用いられる。電解質膜3は固体高分子中にプロトン交換基を多数持ち、含水することにより高い伝導度(低抵抗)を示し、プロトン導電性電解質として機能する。
アノード4は、電解質膜3と接し、白金などの触媒を担持するカーボン担持等からなる触媒層6と、触媒層6の外側に触媒層6に水素を拡散させ、多孔質体よりなるガス拡散層7と、ガス拡散層7の外側に後述する水素ボンベ21より供給される水素が流れる水素流路8を有するセパレータ9を備える。なお、触媒層6の触媒は白金に限られず、水素からプロトンを生成することが可能な触媒であればよい。
カソード5は、電解質膜3と接し、白金などの触媒を担持するカーボン担持等からなる触媒層10と、触媒層10の外側に触媒層10に空気を拡散させ、多孔質体よりなるガス拡散層11と、ガス拡散層11の外側に後述するコンプレッサ23より供給される空気が流れる空気流路12を有するセパレータ13を備える。なお、触媒層10の触媒は白金に限られず酸素とプロトンから水分子を生成することが可能な触媒であればよい。
アノード4とカソード5の触媒層6、10は電解質膜3に触媒含有カーボン担体を塗布することにより構成するが、これに限られず、ガス拡散層7、11に触媒担持カーボン担体を塗布して構成しても良い。
また単位セル2はアノード4の上流部、つまり水素流路8の上流部においてアノード4を分割する分割部材(分割手段)15を設ける。これによってアノード4は上流側のアノード4a(以下、アノード4a)と下流側のアノード4b(以下、アノード4b)に分割される。分割部材15は絶縁部材であり、分割部材15によって分割されたアノード4aとアノード4bは電気的に遮断されており、アノード4aとアノード4b間では電子の移動が遮断される。また、カソード5についても同様に空気流路12の上流部に分割部材(分割手段)16を設け、分割部材16によってカソード5を上流側のカソード5a(以下、カソード5a)と下流側のカソード5b(以下、カソード5b)に分割する。なお、以下において、分割された単位セル2(燃料電池スタック1)の構成要素で水素流路8の上流側に位置するものを添え字aで示し、下流側に位置するものを添え字bで示す。
分割部材15、16はアノード4aとアノード4b、またはカソード5aとカソード5bを電気的に遮断するが、アノード4とカソード5を流れる水素または空気の流れを妨げるものではない。つまり、水素流路8aと水素流路8bまたは空気流路12aと空気流路12bは分割部材15、16によって流れが妨げられることがなく、分割部材15、16によってアノード4aとアノード4b、またはカソード5aとカソード5bは連結し、連通している。なお、この実施形態ではアノード4aとカソード5aの領域は電解質膜3に対して対称となるように配置され、水素流路8または空気流路12を流れる水素または空気は同一方向から供給されるが、これに限られず、水素流路8と空気流路12を流れる水素または空気が異なる方向から供給されてもよく、水素流路8の上流側で単位セル2が分割され、アノード4aからカソード5aへ移動した水素が空気流路12の全体へ拡散できればよい。
次に燃料電池スタック1を有する燃料電池システムについて図2の概略構成図を用いて説明する。
この実施形態は、燃料電池スタック1と、アノード4に水素供給路20を介して水素を供給する水素ボンベ21と、カソード5に空気供給路22を介して空気を供給するコンプレッサ23と、後述する燃料電池スタック1bで発電した電力を消費する負荷24と、後述する燃料電池スタック1aのアノード集電板40aとカソード集電板41aを短絡する回路(短絡回路)42を備える。
燃料電池スタック1は単位セル2を例えば200枚程度積層して構成され、積層した単位セル2から電力を取り出すためのアノード集電板40とカソード集電板41を備える。なお、アノード集電板40とカソード集電板41は水素または空気の流れに対して分割部材15、16によってそれぞれ、上流側のアノード集電板40a(以下、アノード集電板40a)と下流側のアノード集電板40b(以下、アノード集電板40b)、または上流側のカソード集電板41a(以下、カソード集電板41a)と下流側のカソード集電板41b(以下、カソード集電板41b)に分割される。なお、積層された単位セル2の隣接するアノード4aとカソード5b、またはカソード5aとアノード4bは分割部材15、16によって電気的に接続しないように積層される。つまり、分割部材15、16によって燃料電池スタック1aと燃料電池スタック1bは電気的に接続しないように単位セル2が積層される。また、燃料電池スタック1bの発電電圧を検出する電圧計44を備える。
以上の構成により燃料電池スタック1は単位セル2が積層されると分割部材15、16によって、水素流路8の上流側の燃料電池スタック1a(以下、燃料電池スタック1a)と水素流路8の下流側の燃料電池スタック1b(以下、燃料電池スタック1b)に分割され、燃料電池スタック1aと燃料電池スタック1bは電気的に遮断される。なお、燃料電池システムの通常の運転時には、詳しくは図示しないが、燃料電池スタック1aと燃料電池スタック1bは電気的に接続され、負荷24に電力を供給する。または燃料電池スタック1aから補機類に電力を供給しても良い。これによって燃料電池システムの通常運転時に燃料電池スタック1aで発電された電力を有効に利用することができる。
水素ボンベ21から水素供給路20に供給される水素は、水素供給路20に設けた減圧弁25によって減圧され、流量コントローラ26によって流量を制御される。また、燃料電池スタック1で使用されなかった水素は水素循環流路27に設けたリサイクルコンプレッサ28によって三方弁29、水素供給路20を介して再び燃料電池スタック1に供給される。なお、燃料電池スタック1から排出される水素中にカソード5から電解質膜3を通り空気中の窒素が多く混入した場合には、燃料電池スタック1から排出された水素は三方弁30によって水素循環流路27から分岐する水素排出流路31を通り、水素を消費する水素消費装置33に供給される。
コンプレッサ23の上流には空気中の不純物を取り除く空気フィルタ34を設ける。燃料電池スタック1で使用されなかった酸素を含む排出ガス(排出空気)は、空気排出路35を介して後述する水素消費装置33に供給され、その後大気に排出される。
水素消費装置33は水素を消費する触媒などを有しており、燃料電池スタック1のカソード5から排出された排出ガスが供給され、この排出ガスによって水素を消費し、その後水素を含まないガスを燃料電池システムの外部へ排出する。
負荷24は、例えばモータなどであり、アノード集電板40aとカソード集電板41aと電気的に接続し、燃料電池スタック1bで発電された電力を消費する。
回路42はアノード集電板40aとカソード集電板41aを電気的に短絡させるか否かを切り換えるスイッチ(切換手段)43を備える。
なお、燃料電池スタック1の発電反応に伴う発熱による燃料電池スタック1の温度上昇を防ぐための冷却装置を備えても良い。
また、コンプレッサ23、減圧弁25、流量コントローラ26、リサイクルコンプレッサ28、三方弁29、30、スイッチ43を制御するコントローラ100を備える。
ここで燃料電池スタック1の動作について説明する。通常運転時には、燃料電池スタック1の水素流路8には水素が供給され、空気流路12に空気が供給される。そしてアノード4において、水素が触媒作用で酸化して、
H2→2H++2e- 式(1)
により、プロトンが生成され、生成したプロトンは電解質膜3中を移動してカソード5に到達する。また、アノード4では、水素が酸化するに際して電子e−が生じるが、この電子e−は、負荷24を経由してカソード5に到達する。カソード5では、到達したプロトンと電子e−、および、触媒存在下で空気中の酸素との間で
4H++4e-+O2→2H2O 式(2)
の反応が生じて水を生成する。
H2→2H++2e- 式(1)
により、プロトンが生成され、生成したプロトンは電解質膜3中を移動してカソード5に到達する。また、アノード4では、水素が酸化するに際して電子e−が生じるが、この電子e−は、負荷24を経由してカソード5に到達する。カソード5では、到達したプロトンと電子e−、および、触媒存在下で空気中の酸素との間で
4H++4e-+O2→2H2O 式(2)
の反応が生じて水を生成する。
しかし、例えば燃料電池スタック1が長い時間使用されていない場合などには、アノード4の水素流路8に空気が混入している場合があり、水素流路8内に空気が混入した状態から燃料電池システムを起動すると、起動初期に燃料電池スタック1内は、図3に示すような状態となる。
図3の状態では、空気流路12には空気が全領域において充満しているが、水素流路8には水素が存在している領域(領域A)と、空気が存在している領域(領域C)が形成される。また、領域Aと領域Cの間には水素と空気の界面Bが形成される(以下、この界面を水素/空気フロントBという)。
領域Aにおいては、式(1)、(2)の通常の発電時の反応が起こり、カソード5では1V以上の高電位となる。一方、水素/空気フロントBを境に領域Cにおいては、アノード4では
O2+4H++4e-→2H2O 式(3)
の反応が起こり、カソード5では、
C+2H2O→CO2+4H++4e- 式(4)
の反応が起こる。つまり、カソード5で白金などを担持している触媒層10のカーボンに劣化が生じる。なお、式(4)の反応は白金の表面上でかつカーボンに接した部分で生じる。このためカソード5が劣化し、燃料電池スタック1の劣化が生じることになる。この実施形態では式(4)の反応を抑制し、カソード5、つまり燃料電池スタック1の劣化を抑制する。
O2+4H++4e-→2H2O 式(3)
の反応が起こり、カソード5では、
C+2H2O→CO2+4H++4e- 式(4)
の反応が起こる。つまり、カソード5で白金などを担持している触媒層10のカーボンに劣化が生じる。なお、式(4)の反応は白金の表面上でかつカーボンに接した部分で生じる。このためカソード5が劣化し、燃料電池スタック1の劣化が生じることになる。この実施形態では式(4)の反応を抑制し、カソード5、つまり燃料電池スタック1の劣化を抑制する。
次にコントローラ100における燃料電池システムの起動制御について図4のフローチャートを用いて説明する。燃料電池システムの停止時には回路42はスイッチ43によって切断されており、流量コントローラ26、コンプレッサ23、リサイクルコンプレッサ28は停止状態にある。
ステップS100において、燃料電池システムの起動指令を検知すると、スイッチ43をONとして回路42を接続し、アノード集電板40aとカソード集電板41aを短絡させる、つまり燃料電池スタック1aのアノード4aとカソード5aを短絡させる。
ステップS101において、流量コントローラ26によって水素ボンベ21からアノード4に水素の供給を開始し、リサイクルコンプレッサ28を始動する。
ここで燃料電池スタック1へ水素を供給した場合の燃料電池スタック1の状態を図5を用いて説明する。水素ボンベ21からアノード4へ水素が供給されると燃料電池スタック1aのアノード4aにおいては式(1)の反応が起こり、プロトンが生成される。一方、カソード5aでは、電解質膜3aを移動したプロトンと図示しないカソード5aの空気中の酸素によって、
2H++1/2O2+2e-→H2O 式(5)
の反応が起きる。そしてカソード5a付近に酸素がなくなると、
2H++2e-→H2 式(6)
の反応が起きる。つまり、アノード4aからプロトンが電解質膜3を通ってカソード5aに移動し、カソード5aにおいて水素が生成され、生成された水素がカソード5bに拡散する。
2H++1/2O2+2e-→H2O 式(5)
の反応が起きる。そしてカソード5a付近に酸素がなくなると、
2H++2e-→H2 式(6)
の反応が起きる。つまり、アノード4aからプロトンが電解質膜3を通ってカソード5aに移動し、カソード5aにおいて水素が生成され、生成された水素がカソード5bに拡散する。
燃料電池スタック1aによって水素がカソード5aに生成され、カソード5bに水素が拡散している場合には、カソード5bでは式(4)のカーボンの腐食反応の他に、式(1)の反応が起きる。式(4)のカーボン腐食反応はカソード5bの電位が0.207V以上となると起きるが、式(1)の反応は0V以上の電位で起きる。そのためカソード5bに水素が拡散している場合には、式(1)の反応が優先的に起き、式(4)のカーボン腐食反応を抑制することができる。
ステップS102において、電圧計44によって燃料電池スタック1bの発電電圧Vを検出し、発電電圧Vが所定電圧V1よりも高いか否か判断する。そして発電電圧Vが所定電圧V1よりも高くなるとステップS103へ進む。なお所定電圧V1はアノード4bから水素/空気フロントBが排出され、アノード4bが水素で充満された否かを判断する電圧である。燃料電池スタック1bでアノード4bに水素が充満し、カソード5bに空気が充満している場合の開放端電圧は0.95V程度であるが、この実施形態ではカソード5bに水素が存在しているので、ここでは所定電圧V1を0.9Vとする。また、所定電圧V1は単位セル2あたりの電圧である。
ステップS103において、燃料電池スタック1bの発電電圧Vが所定電圧V1となったので、スイッチ43をOFFとして、回路42を切断して燃料電池スタック1aにおける水素の移動を停止する。
ステップS104において、コンプレッサ23を起動してカソード5bに空気を供給する。そして、負荷24での電力消費に応じて燃料電池スタック1bの発電を開始する。
以上の制御によって、燃料電池システムの起動時にアノード4aからカソード5aへ水素を移動させ、カソード5aに水素を拡散することで、燃料電池スタック1bのカソード5bの劣化を抑制することができる。
次にコントローラ100における燃料電池システムの停止制御について図6のフローチャートを用いて説明する。燃料電池システムの通常の運転時には流量コントローラ26、コンプレッサ23、リサイクルコンプレッサ28は稼働状態にある。
燃料電池システムの起動停止信号を検知すると、ステップS200では、流量コントローラ26によって水素ボンベ21からの水素供給を停止し、またリサイクルコンプレッサ28を停止する。
ステップS201では、コンプレッサ23を停止する。コンプレッサ23を水素供給よりも遅く停止することによって、水素消費装置33によって水素を希釈して消費することができる。
ステップS202では、スイッチ43をONとして回路42を接続し、アノード集電板40aとカソード集電板41aを短絡させる。
ここで燃料電池システムの停止時の燃料電池スタック1の状態を図7を用いて説明する。 燃料電池システムの運転を停止すると、外部から空気が混入し、起動時と同様に水素/空気フロントBが形成される。そのために式(4)のカーボンの腐食劣化が生じる可能性がある。そこで、スイッチ43によって回路42を接続し、アノード4aとカソード5aを短絡する。カソード5aに酸素が存在している場合には、式(5)の反応が起こり、カソード5a付近に酸素がなくなると式(6)に示すように水素が生成され、その水素がカソード5bへ拡散する。水素が拡散したカソード5bでは式(4)のカーボン腐食反応の代わりに式(1)の反応が起こり、カーボン腐食反応を抑制することができる。
ステップS203では、電圧センサ44によって燃料電池スタック1bの電圧Vを検出する。カソード5bに水素が拡散すると燃料電池スタック1bの電圧が次第に低下する。そして、電圧Vが所定電圧V2よりも低いか否か判断する。所定電圧V2はアノード4bに空気が混入した場合にカソード5bの劣化を抑制する水素が拡散した状態を示す電圧、つまりカソード5bの水素濃度を示す電圧である。
ステップS204では、燃料電池スタック1bの電圧が所定電圧V2よりも小さくなったので、スイッチ43をOFFとし燃料電池システムを停止する。
以上の制御によって、燃料電池システムの停止時にアノード4aからカソード5aへ水素を移動させ、カソード5bに水素を拡散することで、燃料電池スタック1bの劣化を抑制することができる。
なお、アノード4aにおいて水素/空気フロントBが形成されると、カソード5aにおいてカーボン腐食反応が生じる可能性があるが、これを防止するためにカソード5aの触媒層6にはカーボン担体を使用しない白金黒などの金属触媒を用いても良い。
また、図8に示すように回路42に電源(電圧印加手段)45を備えても良い。これによって燃料電池スタック1aに電圧をかけて、アノード4aからカソード5aへの水素の移動を素早く行うことができる。なお、電源45はカソード5aを正として電圧を印加する。
本発明の実施形態の効果について説明する。
この実施形態では燃料電池スタック1を水素流路8の上流側において上流側の燃料電池スタック1aと下流側の燃料電池スタック1bに分割する。そして、燃料電池システムの起動時または停止時に燃料電池スタック1aのアノード4aとカソード5aを回路42によって接続する。これによってアノード4aの水素をプロトンとし、電解質膜3aを介してカソード5aで水素を生成する。そして、水素がカソード5bに拡散することで、アノード4bに空気が混入している場合に生じる式(4)のカーボンの腐食劣化を抑制することができる。
燃料電池システムの停止時にもアノード4aからカソード5aに水素を移動させ、カソード5bに水素を拡散することで、アノード4に空気が混入する場合でもカソード5に水素を存在させることで、カーボンの腐食劣化を抑制することができる。
また、燃料電池スタック1を絶縁部材の分割部材15、16によって燃料電池スタック1aと燃料電池スタック1bに電気的に分離し、水素流路8、空気流路12の流路を水素、空気流れが妨げられないようにし、燃料電池スタック1aを回路42によって短絡し、カソード5bへ水素を拡散させるので、小型の燃料電池システムで燃料電池スタック1のカーボン腐食劣化を抑制することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
燃料電池スタックの起動、停止の多い燃料電池システムに利用することができる。
1 燃料電池スタック
1a 燃料電池スタック(第1燃料電池)
1b 燃料電池スタック(第2燃料電池)
2 単位セル
3 電解質膜
4 アノード
5 カソード
8 水素流路
12 空気流路
15、16 分割部材(分割手段)
42 回路(短絡回路)
43 スイッチ(切換手段)
100 コントローラ
1a 燃料電池スタック(第1燃料電池)
1b 燃料電池スタック(第2燃料電池)
2 単位セル
3 電解質膜
4 アノード
5 カソード
8 水素流路
12 空気流路
15、16 分割部材(分割手段)
42 回路(短絡回路)
43 スイッチ(切換手段)
100 コントローラ
Claims (6)
- 電解質膜を挟持するアノードとカソードと、
前記アノードに水素を供給する水素流路を有するアノードセパレータと、
前記カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路を有するカソードセパレータを有する燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池を前記水素流路上流側の第1燃料電池と前記水素流路下流側の第2燃料電池に電気的に遮断する分割手段と、
前記第1燃料電池のアノードと前記第1燃料電池のカソードとを短絡する短絡回路と、
前記短絡回路の接続状態を選択的に切り換える切換手段と、を備え、
前記燃料電池の起動時または停止時に前記短絡回路を接続することにより前記第1燃料電池のアノードに供給された水素を前記第1燃料電池の電解質膜を介して前記第1燃料電池のカソードに生成させることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記分割手段は、絶縁部材であり、
前記第1燃料電池の前記水素流路と前記第2燃料電池の前記水素流路を流れる前記水素、かつ前記第1燃料電池の前記酸化剤ガス流路と前記第2燃料電池の前記酸化剤ガス流路を流れる前記酸化剤ガスの流れを妨げることなく、前記第1燃料電池と前記第2燃料電池を電気的に分離することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記短絡回路に前記第1燃料電池のアノードを正として前記第1燃料電池に電圧を印加可能な電圧印加手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
- 前記切換手段は、前記燃料電池の起動時に水素を前記第1燃料電池のアノードに供給する前に前記短絡回路を電気的に接続することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
- 前記第1燃料電池のカソードの触媒層がカーボン担体ではないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
- 前記第1燃料電池のカソードの触媒層が白金黒であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
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