JP2008218217A - 燃料電池システム - Google Patents
燃料電池システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008218217A JP2008218217A JP2007054380A JP2007054380A JP2008218217A JP 2008218217 A JP2008218217 A JP 2008218217A JP 2007054380 A JP2007054380 A JP 2007054380A JP 2007054380 A JP2007054380 A JP 2007054380A JP 2008218217 A JP2008218217 A JP 2008218217A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel cell
- fuel
- lid
- cell system
- anode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【解決手段】アノード又はアノード集電体に接して配された燃料容器とを少なくとも備える燃料電池セル11を一又は複数備え、更に開閉自在な蓋80と、前記蓋に設けられた短絡部材72と、前記燃料電池セルを収容・固定する筐体10とを備える。この燃料電池システム1では、前記蓋を閉めるに際して、前記蓋に設けられた短絡部材が前記カソード集電体に配される端子及び前記アノード集電体に配される端子に当接し、前記燃料電池セルにおいて、短絡を生じせしめる。また、前記燃料電池システムを使用して、電解質膜−電極接合体の劣化がないか又は最小限に抑えられ、安全に保管することができる携帯型電子機器及び携帯型電子機器用の補助電源装置も提供する。
【選択図】図1
Description
CH3OH + H2O →CO2 + 6H+ + 6e− ・・・1
6H+ + 6e− + 3/2O2 → 3H2O ・・・2
H2 →2H+ + 2e− ・・・1A
更に開閉自在な蓋と、
前記蓋に設けられた短絡部材と、
前記燃料電池セルを収容・固定する筐体とを備え、
前記蓋を閉めるに際して、前記蓋に設けられた短絡部材が前記カソード集電体に配される端子及び前記アノード集電体に配される端子に当接し、前記燃料電池セルにおいて、短絡を生じせしめることに特徴を有する燃料電池システム、好ましくは液体燃料供給型燃料電池システム(以下、「本発明の燃料電池システム」とも称する。)を提供することができる。
本発明の燃料電池システムを説明する前に、先ず、従来の燃料電池システムについて図面を参照しつつ説明する。図4は、従来の燃料電池システムの概略構成を模式的に示した斜視図である。なお、図4(a)は、蓋が閉じた状態を図示し、図4(b)は、蓋が開いた状態を図示したものである。また、図5は、従来の燃料電池システムの概略構成を模式的に示した上面透視図又は上面図であるが、図5(a)は、蓋80が閉じた状態を図示した上面透視図であり、図5(b)は、蓋80の内面を図示した上面図である。図6は、図5(a)のB−B’断面図であるが、図6(a)は、蓋が閉じた状態を図示し、図6(b)は、蓋が開いた状態を図示したものである。
次に、本発明の燃料電池システムについて図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一つの実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示した斜視図である。なお、図1(a)は、蓋が閉じた状態を図示し、図1(b)は、蓋が開いた状態を図示したものである。また、図2は、本発明の一つの実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示した上面図又は上面透視図であり、図2(a)は、蓋80が開いた状態を図示した上面図であり、図2(b)は、蓋が閉じた状態を図示した上面透視図であり、図2(c)は、蓋80の内面を図示した上面図である。図3は、図2(b)のA−A’断面図であるが、図3(a)は、蓋が閉じた状態を図示し、図3(b)は、蓋が開いた状態を図示したものである。なお、図2(a)において、理解の容易のため、蓋の記載は省略した。
前記筐体の材質については特に制限はなく、樹脂及び金属等を使用することができる。また、前記筐体の形状及び大きさについては、燃料電池セル又は燃料電池スタックを収容・固定できるよう選択すればよく、特に制限はない。
前記蓋の材質については特に制限はなく、前記筐体と同様、樹脂及び金属等を使用することができる。また、前記蓋の形状及び大きさは、前記蓋を閉めた際、即ち前記蓋が完全閉合位置になった際に、前記蓋と前記筐体とが燃料電池セル又は燃料電池スタックを完全に覆い密閉状態下におくことができる形状又は大きさであることが必要である。したがって、前記蓋の形状及び大きさは、通常、前記筐体の形状及び大きさに応じて選択される。
本発明において使用される短絡部材は、カソード端子及びアノード端子と当接して何らかの形で、特に電気的にカソード端子及びアノード端子と接続して、燃料電池セル又は燃料電池スタックを短絡せしめるものである。
次に、本発明の燃料電池システムにおいて用いられる燃料電池セルについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する燃料電池セルは、その一例であって、本発明において使用される燃料電池セルは、下記燃料電池セルに限定されるものではない。
前記MEA13は、高分子電解質膜33をカソード31とアノード32とで挟持した構造からなるものである。前記高分子電解質膜としては、プロトンの伝導性が高く、かつ、電子伝導性を有しない高分子膜が好適に使用される。前記固体高分子電解質膜33の構成材料としては、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン基、ホスフィン基等の強酸基や、カルボキシル基等の弱酸基等の極性基を有するイオン交換樹脂が好ましく、その具体例としては、パーフルオロスルホン酸系樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸系樹脂、スルホン化ポリイミド系樹脂等が挙げられる。より具体的には、例えば、スルホン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリイミド、アルキルスルホン化ポリベンゾイミダゾール等の芳香族系高分子からなる高分子電解質膜を挙げることができる。前記高分子電解質膜の膜厚は、その材質や燃料電池の用途等に応じて、10〜300μm程度の範囲内で適宜選定可能である。
カソードでは、上記式2に示した反応が生ずる。即ち、カソードは、酸素を還元して水にする電極である。本発明においてカソードを得る方法については特に制限はなく、例えば、触媒をカーボン等の担体に担持させた粒子(粉末を含む)又は担体を有しない触媒単体と、プロトン伝導体との触媒層を、カーボンペーパー等の基材上に塗布等により形成する方法によって得ることができる。前記触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、モリブデン、ランタン、ストロンチウム、イットリウム等が挙げられる。なお、前記触媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。前記触媒を担持する担体粒子としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素系材料が例示される。前記触媒の粒子の大きさは、例えば炭素系材料が粒状物であるときには、0.01〜0.1μm程度の範囲内、好ましくは0.02〜0.06μm程度の範囲内で適宜選定される。前記担体粒子に触媒を担持させる方法については特に制限はなく、例えば、含浸法を選択することができる。
アノードでは、燃料として液体燃料、具体的にはメタノール水溶液を選択した場合には、上記式1に示した反応が生ずる。即ち、アノードは、燃料としてメタノール水溶液を選択した場合に、メタノールと水から水素イオンとCO2と電子を生成する電極である。本発明においてアノードを得る方法、使用される触媒、前記触媒を担持する担体粒子、前記触媒の粒子の大きさ、及び前記担体粒子に触媒を担持させる方法については、上記のカソードの場合と同様である。なお、アノードを構成する触媒層や基材は、カソードを構成する触媒層や基材と同じであってもよいし異なっていてもよい。触媒層が形成される基材も、上記カソードの場合と同様であり、またアノードの単位面積当たりの触媒量も、上記カソードの場合と同様、触媒の種類や大きさ等に応じて、0.1mg/cm2 〜20mg/cm2 程度の範囲内で適宜選定可能である。
前記カソード集電体41及び前記アノード集電体42は、前記カソード31及び前記アノード32にそれぞれ接して配される。これらは電子の取出効率及び電子の供給効率を高めるように作用する。また、これらの集電体は、燃料電池セル同士を接続して燃料電池スタックを形成する際にも使用される。例えば、燃料電池セル同士を直列に接続する場合には、第一の燃料電池セルのアノード集電体と、これと隣接する第二の燃料電池セルのカソード集電体とを電気的に接続させ、次いで他の燃料電池セルについても同様に順次接続していくことで、燃料電池スタックを形成させることができる。これらの集電体は、図12に図示したような、MEAの周縁部に接する枠形状のものであってもよいし、MEAの全面に接する平板状又はメッシュ状等のものであってもよい。その形状に関しては、設計上の都合等に合わせて決めることができる。これらの集電体の材料としては、例えば、ステンレス鋼、焼結金属、発泡金属等、又はこれらの金属に高導電性金属材料をメッキ処理したものやカーボン材料等の導電体等を用いることができる。なお、燃料電池スタックと一体化された集電機構をもつものに関しては、必ずしも前述のような集電体を必要としない。また、後述するウィッキング材等の燃料供給制御部材により燃料供給を促進するためには、少なくともアノード側の集電体に関しては、アノード面とウィッキング材等の燃料供給部材の面との接触面積ができる限り大きくなる方が、効率的な発電に有利となる。
前記カソード集電体及び前記アノード集電体には、それぞれ端子が設けられる。これらの端子は、前記短絡部材により短絡を生じせしめる際に使用される。なお、これらの端子を設けることには、特に困難はなく、単一の燃料電池セルを用いる場合には、この燃料電池セルが備えるアノードの電極に、電気的に接続可能な端子(アノード端子)を設け、カソードの電極に、電気的に接続可能な端子(カソード端子)を設ければよい。また、複数の燃料電池セルにより燃料電池スタックを形成させた場合には、他の燃料電池セルと接続されていない末端のアノードの電極に、電気的に接続可能な端子(アノード端子)を設け、他の燃料電池セルと接続されていない末端のカソードの電極に、電気的に接続可能な端子(カソード端子)を設けるか、或いは、燃料電池セル毎に、各燃料電池セルが備えるアノードの電極に、電気的に接続可能な端子(個別アノード端子)を設け、カソードの電極に、電気的に接続可能な端子(個別カソード端子)を設ければよい。
本発明の燃料電池セルには、シール機能、例えば、液体の漏れの防止機能等や絶縁性等を有するシール部材が複数設けられていてもよい。例えば、図12を参照すると、高分子電解質膜33の一方の面の周縁にはアノード32の厚さとほぼ同じ厚さからなるシール部材44が枠状に配され、このシール部材44は、高分子電解質膜33とアノード集電体42とで挟持されている。同様に、高分子電解質膜33の他方の面の周縁にもカソード31の厚さとほぼ同じ厚さからなるシール部材43が枠状に配され、このシール部材43は、高分子電解質膜33とカソード集電体41とで挟持されている。一方、アノード集電体42において、アノード32と接していない面の周縁にも任意の厚みをもつシール部材45が枠状に配され、このシール部材43は、アノード集電体42と筐体10とで挟持されている。前記シール部材を形成する材料は、必要に応じて、シール性や、絶縁性、弾性を有するものを選択することが好ましい。通常は少なくともシール機能を有するゴムやプラスチックで形成されており、詳しくは、PTFE、PET、PEEK、塩化ビニル等のプラスチック素材や、テフロン(登録商標)ゴム、シリコンゴム、ブチルゴム等のゴム素材で形成することができる。なお、必ずしも、図12に図示した位置全てにシール部材が備えられる必要はなく、特に集電体を必要としないで電気的な接続が可能となるような構造を選択した場合や、燃料の漏れがないように構成されているような場合等には、前記シール部材を設ける必要がないことがある。
前記燃料容器は、前記アノード又はアノード集電体に接して配される。前記燃料容器には、一般に燃料流入口が設けられるが、前記燃料流入口については、一又は複数設けることができる。また、燃料容器内に溜まった空気と燃料の置換を起こりやすくさせるため、燃料容器の内部で薄まった燃料を抜き取ったり、押し出したりするために、空気排出口や、燃料導出口、放圧弁等を設けてもよい。なお、前記燃料流入口、空気排出口等の配設位置については特に制限はなく、燃料容器の側面等、適宜選択される。また、前記燃料流入口の構造に関して具体的に制約することはないが、逆止弁等、流入又は注入した燃料の逆流を防止又は抑制する手段を取り付けることが、燃料の飛び出し等を防ぐことができることから、より好ましい。
前記したように、特にパッシブ型燃料電池として用いる場合では、燃料容器の内部には、燃料を保持する部材(燃料保持材)若しくは燃料供給を制御する部材(燃料供給制御部材)を設けることが好ましい。このとき、前記燃料を保持する部材若しくは燃料供給を制御する部材を設ける位置については、燃料容器の内部において、燃料が保持されるため及び/又は燃料供給が制御されるため適当な位置に設ければよい。また、前記燃料を保持する部材若しくは燃料供給を制御する部材として、ウィッキング材と呼ばれる部材等を選択することができる。ここで、ウィッキング材は、主に毛細管現象により燃料である液体燃料、例えばメタノール水溶液を吸い上げ、かつ保持すること、更にはアノードへの燃料供給を目的として選択されるものである。即ち、ウィッキング材は、燃料保持及び燃料供給制御を可能とする部材である。ウィッキング材の性状について詳しく述べると、ウィッキング材は、その内部に連続した空孔を有し、この連続した空孔を介して、液体の燃料成分が伝播し、空孔内部を占める液体中での拡散、及び別の隣接した空孔への更なる燃料伝播が繰り返され、アノードに燃料が供給される原理となっている。この際、アノードに近い側では、燃料成分中のメタノール等の主成分が消費されるため、アノード方向に向かった燃料の濃度勾配ができ、濃度勾配を駆動力として、燃料として選択されるメタノール水溶液等の拡散が起こることになる。
本発明の携帯型電子機器は、前記記載の燃料電池システム(本発明の燃料電池システム)を備える携帯型電子機器である。したがって、当該燃料電池システムは、前記記載の通りであり、本発明については、前記記載を参考にして容易に実施することができる。
本発明の補助電源装置は、前記記載の燃料電池システム(本発明の燃料電池システム)を備える携帯型電子機器用の補助電源装置である。したがって、当該燃料電池システムは、前記記載の通りであり、本発明については、前記記載を参考にして容易に実施することができる。
実施例1において作製した燃料電池システム(本発明品)について以下に説明する。実施例1では、図1に図示した燃料電池システムと同様のものを用いた。当該燃料電池システムは、燃料電池セル11を備え、当該燃料電池セル11は、直列、即ち平面上かつ一軸方向に三つ接続されて燃料電池スタック15の構成をとっている。当該燃料電池システムは、更に開閉自在な蓋80と、筐体10とを備える。この蓋80及び筐体10は、蓋80が完全閉合位置になった際に、当該蓋80と筐体10とにより、燃料電池スタック15が覆われて密閉状態が形成されるよう適当な形状及び大きさをとっている。前記筐体10には前記燃料電池スタック15が収容され、後述するように、ねじ止めにより固定されている。また、前記蓋80は、折りたたみ機構により、詳しくはその下端で前記筐体10と継手81を介して連結され、当該継手81が前記蓋の回動方向に摺動することによって回動自在であることにより開閉自在となっている。前記蓋80の内面には、ステンレス鋼(SUS316)からなる短絡部材72が設けられている。前記短絡部材72は、その一方の端部、具体的には長手方向の端部が前記燃料電池スタック15の一方の端部、具体的には長手方向の端部と係合して前記燃料電池スタック15に備えられたカソード端子411に当接し、同時に、他方の端部が前記燃料電池スタック15の他方の端部と係合して前記燃料電池スタック15に備えられたアノード端子421に当接するよう形成されている。前記蓋80の内面であって前記筐体10に当接する面には、前記蓋80が完全閉合位置になった際、前記蓋80及び筐体10による前記燃料電池スタック15の密閉度を高めるため、高分子材料の弾性体からなるパッキンが配されている。
各燃料電池セル11において、図9に図示したように、その同一の面(側面)にカソード端子とアノード端子が備えられるよう、燃料電池セル毎のアノード31に、電気的に接続可能な端子(個別アノード端子)422を設け、燃料電池セル毎のカソードに、電気的に接続可能な端子(個別カソード端子)412を設けること、並びに、蓋80に、一方の端部、具体的には長手方向の端部が各燃料電池セル11の一方の端部と係合して各燃料電池セル11に備えられた個別カソード端子412に当接し、同時に、他方の端部が各燃料電池セル11の他方の端部と係合して各燃料電池セル11に備えられたアノード端子422に当接するよう形成された短絡部材72を使用すること以外は、実施例1と同様の燃料電池システムを作製した。
各燃料電池セル11において、図14に図示したように、カソード端子が備えられている面(側面)の向かい側の面にアノード端子が備えられるよう、燃料電池セル毎のアノード31に、電気的に接続可能な端子(個別アノード端子)422を設け、燃料電池セル毎のカソードに、電気的に接続可能な端子(個別カソード端子)412を設けること、並びに、蓋80に、一方の端部、具体的には長手方向の端部が各燃料電池セル11の一方の端部と係合して各燃料電池セル11に備えられた個別カソード端子412に当接し、同時に、他方の端部が各燃料電池セル11の他方の端部と係合して各燃料電池セル11に備えられたアノード端子422に当接するよう形成された短絡部材72を使用すること以外は、実施例1と同様の燃料電池システムを作製した。
実施例2において使用した折りたたみ機構に替えて、図8に図示した、前記筐体の外側面に摺動可能な前記蓋の摺動方向に沿った溝を設け、前記蓋の側面であって筐体側(内側面)において、前記溝と当接する位置に前記溝を滑るガイドを設けることによって、前記蓋が摺動するスライド機構を使用すること、並びに実施例2において使用した蓋に替えて、図10及び11に図示した、カソード端子412が挿入されるよう前記カソード端子412と当接する適当な位置に設けられた第一の挿入口74と、前記アノードの端子422が挿入されるよう前記アノードの端子422と当接する適当な位置に設けられた第二の挿入口75とを、有する短絡部材72を備える蓋を使用すること以外は、実施例2と同様の燃料電池システムを作製した。
実施例2において使用した短絡部材72に替えて、短絡部材として5Ωの抵抗体を使用すること以外は、実施例2と同様の燃料電池システムを作製した。
実施例2において使用した短絡部材72に、電圧を制御することができる電子回路を配設して、保管時(蓋を閉じた時)に、常に0V+0.1Vに制御させるようにすること以外は、実施例2と同様の燃料電池システムを作製した。
比較例において作製した燃料電池システム(従来品)について以下に説明する。比較例では、図4に図示した燃料電池システムと同様のものを用いた。したがって、当該燃料電池システムは、実施例1において使用した短絡部材72を使用しないことこと以外は、実施例1と同様の燃料電池システムである。なお、実施例1の燃料電池システムと同様、燃料容器の内部については、各燃料電池セルに応じて燃料供給が行われるべく燃料電池セル毎に4cm×4cmの開口が形成されるよう所定数の縦0.4cm×横4cm、厚さ2cmの隔壁で仕切り、この隔壁を介して隣接する燃料容器同士が連通するよう、各隔壁の適当な位置に、燃料通過路として直径1mm程度の孔を3個設けた。
実施例1〜6における燃料電池システム(本発明の燃料電池システム)及び比較例における燃料電池システム(従来の燃料電池システム)について、下記試験方法に基づいて発電及び保管試験による評価を行った。それらの結果を下記表1及び2に示す。
実施例1〜6及び比較例において作製した各燃料電池システムを、その端子を介して測定機器(電圧測定機)と接続した。
各燃料電池システムについて、燃料である30vol%のメタノール水溶液を燃料容器に最大限満たしてから1Aで発電を行い、これを継続すると、ほぼ1.2Vの電圧で推移し、3時間で電圧が0.7以下となることが確認された。そこで、試験では、0.7Vを発電停止の閾値と設定し、発電時間は、燃料を燃料容器に最大限満たした状態で開始した場合、最大3時間であると判断した。
各燃料電池システムについて、燃料を燃料容器に最大限満たした状態から発電を行い、0.7Vを切った段階で発電を停止した。その後蓋を閉じ、各燃料電池システムを、所定の保管時間、保管した。保管後、燃料容器に残存する燃料濃度が薄いため、50vol%メタノール水溶液を追加して燃料容器が燃料で満たされるようにし、ウィッキング材60内部に燃料が十分浸透するのをまってから1Aで再度発電させた。0.7Vを切った段階で発電を停止して、そのときの発電した時間(発電時間)を測定すると共に、この発電時間における平均電圧を求めた。なお、保管時間は、1日、1週間、1ヶ月とし、その間に、電圧の低下が認められる場合も、0.7V以上で発電できる限り、評価を継続した。
実施例1〜6及び比較例における各燃料電池システムの何れにおいても、保管1日後の場合には、ほぼ電圧や発電時間に影響は認められなかった。一方、保管1週間後の場合には、発電時間、即ち0.7V以上で発電を維持できた時間は、実施例1〜6の燃料電池システムでは2.5〜3.0時間であったのに対し、比較例の燃料電池システムでは、0.2時間程度であった。また、この保管一週間後の発電後、この比較例の燃料電池システムを分解して、カソード電極の観察をしたところ、そのカソード電極表面において、MEAにおける局所電池の発生によると思われる腐食が認められた。
2 燃料電池システム(従来の燃料電池システム)
10 筐体
11 燃料電池セル
12 燃料容器
13 MEA
15 燃料電池スタック
16 隔壁
17 燃料通過路
21 燃料流入口
31 カソード
32 アノード
33 固体高分子電解質膜
41 カソード集電体
411 カソード端子
412 個別カソード端子
42 アノード集電体
421 アノード端子
422 個別アノード端子
43、44、45 シール部材
60 ウィッキング材
72 短絡部材
73 接触部(短絡接触部)
74 第一の挿入口
75 第二の挿入口
80 蓋
81 継手
82 蓋の内側面
86 回転軸
91 溝
92 ガイド
Claims (11)
- 固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方の面に接して配されたカソードと、他方の面に接して配されたアノードと、前記カソード及び前記アノードにそれぞれ接して配されたカソード集電体及びアノード集電体と、前記アノード又はアノード集電体に接して配された燃料容器とを少なくとも備える燃料電池セルを一又は複数備え、
更に開閉自在な蓋と、
前記蓋に設けられた短絡部材と、
前記燃料電池セルを収容・固定する筐体とを備え、
前記蓋を閉めるに際して、前記蓋に設けられた短絡部材が前記カソード集電体に配される端子及び前記アノード集電体に配される端子に当接し、前記燃料電池セルにおいて、短絡を生じせしめることを特徴とする燃料電池システム。 - 液体燃料供給型燃料電池システムであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池セルは、直列若しくは並列に複数接続されて形成された燃料電池スタックの構成をとり、前記カソード集電体に配される端子及び前記アノード集電体に配される端子は、各燃料電池セルに対して配され、前記短絡部材は、各燃料電池セルに応じて所定数前記蓋に設けられ、前記蓋を閉めるに際して、前記蓋に設けられた短絡部材が前記カソード集電体に配される端子及び前記アノード集電体に配される端子に当接し、前記燃料電池セル単位で、短絡を生じせしめることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 前記短絡部材は、抵抗体としての機能を有するもの又は抵抗体であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の燃料電池システム。
- 前記抵抗体としての機能を有するもの又は抵抗体は、大きくとも100mA/cm2の電流密度を示すことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 更に、電子制御系による電圧制御手段、及び/又は電圧値をモニターすることができる手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
- 更に、燃料電池セルにおける電圧を、モニターした電圧値に応じて、所定の電圧値となるよう制御する手段を備え、0±0.1Vの範囲で制御することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
- 前記蓋は、その下端で前記筐体と継手により連結され、前記継手が前記蓋の回動方向に摺動することによって回動自在であることにより開閉自在とされ、前記短絡部材は、前記蓋の内面に設けられ、前記蓋を閉めるに際して、前記カソード集電体に配される端子及び前記アノード集電体に配される端子に当接し、前記燃料電池セルにおいて、短絡を生じせしめることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の燃料電池システム。
- 前記蓋は、前記筐体の外側面に配設され、摺動可能な前記蓋の摺動方向に沿った溝と、前記蓋の側面であって筐体側(内側面)において、前記溝と当接する位置に摺動を案内するガイドと、からなるスライド機構によって、摺動により開閉自在とされ、前記短絡部材は、前記蓋の内面に設けられ、前記蓋を閉めるに際して、前記カソード集電体に配される端子及び前記アノード集電体に配される端子に当接し、前記燃料電池セルにおいて、短絡を生じせしめることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の燃料電池システム。
- 請求項1〜9の何れか一項に記載の燃料電池システムを備えることを特徴とする携帯型電子機器。
- 請求項1〜9の何れか一項に記載の燃料電池システムを備えることを特徴とする携帯型電子機器用の補助電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007054380A JP5245262B2 (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007054380A JP5245262B2 (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 燃料電池システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008218217A true JP2008218217A (ja) | 2008-09-18 |
JP5245262B2 JP5245262B2 (ja) | 2013-07-24 |
Family
ID=39838010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007054380A Expired - Fee Related JP5245262B2 (ja) | 2007-03-05 | 2007-03-05 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5245262B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016185359A1 (en) * | 2015-05-15 | 2016-11-24 | Gp Batteries International Limited | Portable power supply apparatus |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005107717A (ja) * | 2003-09-29 | 2005-04-21 | Casio Comput Co Ltd | 携帯型電子機器 |
JP2005235167A (ja) * | 2003-09-17 | 2005-09-02 | Hitachi Maxell Ltd | 情報処理装置 |
JP2005243603A (ja) * | 2004-01-26 | 2005-09-08 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 燃料電池システム |
JP2005285546A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Casio Comput Co Ltd | 電子機器 |
JP2006156040A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池システム |
JP2006252812A (ja) * | 2005-03-08 | 2006-09-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 燃料電池および電気機器 |
-
2007
- 2007-03-05 JP JP2007054380A patent/JP5245262B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005235167A (ja) * | 2003-09-17 | 2005-09-02 | Hitachi Maxell Ltd | 情報処理装置 |
JP2005107717A (ja) * | 2003-09-29 | 2005-04-21 | Casio Comput Co Ltd | 携帯型電子機器 |
JP2005243603A (ja) * | 2004-01-26 | 2005-09-08 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 燃料電池システム |
JP2005285546A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Casio Comput Co Ltd | 電子機器 |
JP2006156040A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池システム |
JP2006252812A (ja) * | 2005-03-08 | 2006-09-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 燃料電池および電気機器 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016185359A1 (en) * | 2015-05-15 | 2016-11-24 | Gp Batteries International Limited | Portable power supply apparatus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5245262B2 (ja) | 2013-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5019122B2 (ja) | 燃料電池及び燃料電池システム | |
US20080070076A1 (en) | Fuel cell and fuel cell system, and electronic device | |
WO2006057283A1 (ja) | 燃料電池 | |
US20100167099A1 (en) | Membrance electrode assembly (mea) structure and manufacturing method thereof | |
JP5062392B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池 | |
JP4984428B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP5093640B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池及びその製造方法 | |
JP2008192506A (ja) | 燃料電池 | |
JP2003323902A (ja) | 燃料電池発電装置及びこれを用いた携帯機器 | |
JP4823583B2 (ja) | 燃料電池用高分子膜/電極接合体及びこれを含む燃料電池 | |
JP5022707B2 (ja) | 固体高分子電解質型燃料電池 | |
WO2007119130A1 (en) | Fuel cell | |
US20110117465A1 (en) | Fuel cell | |
JP2006134808A (ja) | 燃料電池 | |
JPWO2007105458A1 (ja) | 燃料電池システム | |
JPWO2007046231A1 (ja) | 燃料電池システム及び燃料電池セル | |
US20110200914A1 (en) | High power direct oxidation fuel cell | |
JP5245262B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2006049115A (ja) | 燃料電池 | |
JP2009123441A (ja) | 燃料電池 | |
JP5127267B2 (ja) | 燃料電池および燃料電池システム | |
US7655343B2 (en) | Liquid fuel supply type fuel cell | |
WO2009119434A1 (ja) | 燃料電池ユニット、燃料電池スタックおよび電子機器 | |
JP2010277782A (ja) | 膜電極接合体及び燃料電池並びにそれらの製造方法 | |
KR100696688B1 (ko) | 직접 산화형 연료 전지 장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120724 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120910 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130312 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130325 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |