JP5201398B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、水素発生剤と水分の反応により発生する水素を、発電セルに供給して発電を行う燃料電池に関し、特にモバイル機器(携帯機器)等に使用する燃料電池として有用である。
近年のITの発展に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器のほとんどの電源は、リチウムイオン二次電池が用いられている。しかし、これらのモバイル機器の高機能化に伴い、消費電力がますます増加する傾向にあり、その電源用あるいは充電用としてクリーンで高効率な燃料電池に注目が集まっている。
特に、ノートパソコンや携帯電話のような携帯機器に使用する場合に、携帯性あるいは小型化を維持できるような構造が望まれる。このため、燃料電池を構成するためには、発電セルや燃料ガス発生部などの各部を効率よく配置する必要がある。
携帯性あるいは小型化した燃料電池は、本出願人による下記特許文献1により公知である。この燃料電池は、本体部の外観を形成し、少なくとも異方向に臨ませてなる壁面部から構成される本体部ケースと、壁面部に沿って配置される支持基板と、この支持基板に搭載される発電用の単位セル(発電セル)と、この発電セルに供給する水素ガス等の燃料ガスを発生する燃料ガス発生部とを備えている。
この燃料電池では、単位セルが燃料ガスの流路を備え、複数の単位セルの燃料ガス流路どうしが、パイプで接続されている。また、本体部ケースの内部空間に、燃料ガス発生ユニットを配置する点が開示されている。
しかし、上記の燃料電池のように、複数の単位セルをパイプで接続する構造では、配管のためのスペースが無駄となり、燃料電池を小型化するには限界があった。また、燃料ガス発生ユニットが独立した構造であるため、筐体や供給のための配管が必要となり、燃料ガス発生剤を収容するスペースが狭くなるという問題もあった。
一方、下記の特許文献2には、単位セルをスタックした構造体を形成する際に、単位セルの集電体(電極)面に多孔板を介して燃料ガスを供給できるように構成した燃料電池が開示されている。この燃料電池では、その外部に燃料ガスの供給源が配置されており、パイプ等を介して、裏表に多孔板を有する偏平函状の燃料供給部と接続するようにしている。
また、下記の特許文献3には、容器内の第1室に収容された水と、第2室に収容された水素化物とを含み、第1室と第2室とを仕切る隔壁の開口を覆うように配置された撥水性多孔体を設けた水素発生装置が開示されている。更に、隔壁の開口に対してその開閉を行う開閉部材を設ける点が開示されている。
実用新案登録第3114148号公報 特開2003−282131号公報 特開2004−269323号公報
しかしながら、特許文献2の燃料電池では、単位セルをスタックした構造体であるため、その内部に燃料ガス供給源を設けることができず、また、偏平函状の燃料供給部が複数必要になるため、それらに接続するための配管も複数必要になり、配管スペースの点からも、全体を小型化するには限界があった。
一方、特許文献3の水素発生装置は、発電セルを一体に構成するものではなく、上記と同様に発電セルに水素ガスを供給するための配管スペース等の問題があり、また、隔壁に撥水性多孔体を設ける構造のため、隔壁の面積を大きくする必要があり、小型化するのに限界があった。更に、開閉部材で隔壁の開口を閉塞させても撥水性多孔体の表面付近に水が残存する構造であるため、水素発生を停止させるのに時間がかかるという問題もあった。
そこで、本発明の目的は、配管スペース等を極力少なくし、スペース効率を高めることで、更なる小型化を可能にした燃料電池を提供することである。
上記目的は、次の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の燃料電池は、一方の表面から水素が供給され、他方の表面から酸素が供給されることで発電を行なう発電セルと、その発電セルの前記一方の表面に対向する内部空間を形成する内部空間形成部材と、その内部空間の一部に配置され、水蒸気と反応して水素を発生する水素発生剤と、前記内部空間の残部に設けられ、水を溜める貯水部と、前記水素発生剤を包囲し、少なくとも一部が疎水性多孔質膜で形成されている包装材と、を備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池によると、貯水部から生じる水蒸気が疎水性多孔質膜を介して水素発生剤に供給され、反応により発生した水素ガスが疎水性多孔質膜を介して内部空間に放出される。この水素が、発電セルの一方の表面から供給され、他方の表面から空気中の酸素が供給されるため、発電セルへの配管等を使用せずに発電を行うことができる。また、内部空間に貯水部と水素発生部を配置でき、水素発生部が包装材によりパッケージ化されているため、別途隔壁等を設ける必要がなく、省スペース化を図ることができる。なお、水素発生剤をパッケージ化することで、消耗品である水素発生剤の交換が容易になり、また、疎水性多孔質膜が隔壁として機能するため、水(液体)が直接に水素発生剤に接触せず、安定した水素発生を行うことができる。その結果、配管スペース等を極力少なくし、スペース効率を高めることで、更なる小型化を可能にした燃料電池を提供することができた。
上記において、前記貯水部と前記包装材との間には間隙を有しており、前記貯水部とは間隙を開けて、外部から仕切部材を開閉できる開閉機構を設けてあることが好ましい。水を液体で供給する場合、供給を停止しても、水素発生が停止するまでの時間が長かったが、本発明のように、水蒸気を供給する場合、開閉機構を設けて供給を停止すると、より短時間で水素発生を停止させることができる。その際、包装材と貯水部とが間隙を開けているため、仕切部材を閉じた際に疎水性多孔質膜の表面付近に水が残存せず、水素発生の停止までの時間をより短縮することができる。
また、前記水素発生剤は、水素化金属化合物を樹脂で包埋したものであることが好ましい。樹脂で包埋することにより、水素化金属化合物をそのまま使用する場合に比べて、初期の水素発生速度を緩やかにすることができ、全体としてより安定な水素発生を行うことができる。また、万が一、疎水性多孔質膜の破損等により、水が水素発生剤に接触した場合でも、樹脂で包埋したものでは発熱や発火等の危険を回避することができる。
また、前記貯水部は、保水材により水を保持するものであることが好ましい。これにより使用する姿勢が変化しても一定の場所に水が留まるため、より安定した水素発生を行うことができる。
本発明に係る燃料電池の好適な実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の燃料電池の一例を示す図であり、(a)平面図、(b)は正面視断面図である。図2は、本発明における発電セルの一例を示す図であり、(a)は上面図、(b)はそのI−I矢視断面図、(c)はそのII−II矢視断面図である。
<燃料電池の全体構成>
本発明の燃料電池は、図1に示すように、一方の表面から水素が供給され、他方の表面から酸素が供給されることで発電を行なう発電セルFCと、その発電セルFCの前記一方の表面に対向する内部空間ISを形成する内部空間形成部材31と、その内部空間ISの一部に配置され、水蒸気と反応して水素を発生する水素発生剤32と、前記内部空間の残部に設けられ、水を溜める貯水部33とを備える。
本発明では、水素発生剤32は、少なくとも一部が疎水性多孔質膜34aで形成されている包装材34で包囲されている。本実施形態では、包装材34の全体が疎水性多孔質膜34aで形成されている例を示す。
内部空間形成部材31は、発電セルFCと略同じ形状の底板31bとその周囲の側壁31aとを有しており、発電セルFCと共に内部空間ISを形成する。内部空間ISは密閉されていてもよいが、過剰に発生した水素をリークさせるための開孔や隙間等を有していてもよい。
貯水部33は、水を溜めることができればよく、単に凹部(容器状部)に水を溜める構造や、凹部無しに内部空間形成部材31の何れかの位置に水を溜める構造でもよいが、本発明では、使用する姿勢が変化しても一定の場所に水が留まるように、保水材により水を保持するものであることが好ましい。なお、保水材を使用する場合、上面以外からも水の蒸発が生じるため、水蒸気の発生速度が向上するという利点もある。つまり、貯水部33は、内部空間ISに対して露出面積が大きいほど、水素発生速度を高める上で好ましい。
保水材としては、水が含浸可能なものであれば何れでもよいが、スポンジ、吸水性樹脂、脱脂綿、吸水性不織布、吸水紙などが好ましい。保水材は、固定しなくてもよいが、接着等によって内部空間形成部材31に固定するか、内部空間形成部材31と発電セルFCとに挟持するのが好ましい。
貯水部33は、水素発生剤32の周囲、一辺、二辺、三辺などに沿って設けることができるが、開閉機構35を設ける上で、水素発生剤32と間隔を開けて設けるのが好ましい。本実施形態では、保水材が内部空間ISの一辺に沿って、水素発生剤32と間隔を開けて設けられている例を示す。
本発明では、図1に示すように、貯水部33と包装材34(又は水素発生剤32)との間には間隙を有しており、貯水部33とは間隙を開けて、外部から仕切部材35aを開閉できる開閉機構35を設けてあることが好ましい。本実施形態では、板状の仕切部材35aを回転自在に内部空間形成部材31の側壁31aに支持させ、外部に設けたツマミ35bで開閉できる例を示す。
仕切部材35aが内部空間形成部材31等と当接する端辺には、シール性を高める観点から、ゴム等の弾性材料を設けることが好ましい。
貯水部33への給水や、水素発生剤32の交換は、内部空間ISを開放した状態で行うことができる。例えば、発電セルFCを内部空間形成部材31に対して着脱自在としたり、内部空間形成部材31の側壁31aの何れかを開閉可能にすることで、内部空間ISを開放することができる。着脱自在にするための構造については、嵌合、係合、ネジ締結など、公知の構造を用いることができる。なお、貯水部33への給水孔を設けて、順次吸水を行うことも可能である。
<燃料電池の全体構成の別実施形態>
(1)図4(a)に示すように、貯水部33は、容器状に形成することができ、また保水材を省略することも可能である。この例では、内部空間形成部材31の一部となる容器部31cが、底板31bの開口に対して着脱自在に構成されている。発電を行わないときは、底板31bに対して着脱自在なキャップによって、開口が塞がれる。
(2)図4(b)に示すように、貯水部33は、凹部無しに内部空間形成部材31の何れかの位置に水を溜める構造でもよい。この場合、水が発電セルFCに流入しないように、発電セルFCの表面に、疎水性多孔質膜34aを設けるのが好ましい。疎水性多孔質膜34aとしては、後述する包装材として使用できるものが挙げられる。
(3)図4(c)に示すように、貯水部33を、内部空間形成部材31の底板31bに沿って設けたシート状の保水材により構成してもよい。その場合の保水材としては、吸水性不織布、吸水性織布、吸水紙(濾紙)などが好ましい。
(4)開閉機構35は、仕切部材35aを回転させる回転式に限らず、仕切部材35aをスライドさせるスライド式、着脱式など、何れでもよい。
<水素発生剤>
本発明における水素発生剤32は、水蒸気と反応して水素を発生するものであれば何れでもよく、金属、水素化金属化合物、両者の混合物などが挙げられる。これらの水素発生剤32は、その単独粒子で使用してもよく、必要に応じて、触媒成分、アルカリ性無機化合物、凝集抑制粒子を更に含有したものを使用することができる。本発明では、前述の理由より、水素化金属化合物を樹脂で包埋したシート状物や粉砕物が好ましい。樹脂で包埋する場合、水蒸気との反応性の観点から、多孔質体であることが好ましい。
なお、金属としては、アルミニウム粒子、鉄粒子、マグネシウム粒子などが挙げられる。また、金属触媒としては、ニッケル、バナジウム、マンガン、チタン、銅、銀、亜鉛、ジルコニウム、コバルト、クロム、カルシウム、これらの合金等が挙げられる。
水素化金属化合物としては、水素化カルシウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化アルミニウムナトリウム、又は水素化マグネシウムなどが挙げられる。これらの化合物等は、いずれも水と急激に又は爆発的に反応して水素ガスを発生することが知られており、いずれも水素化マグネシウム以上の水との反応性を示す。
また、上記化合物以外の水素発生剤として、アルミニウム、鉄、マグネシウム、カルシウム等の金属、上記以外の金属水素錯化合物などを含有してもよい。水素化金属化合物、金属、金属水素錯化合物は、何れかを複数組み合わせて使用することもでき、また、それぞれを組み合わせて使用することも可能である。化合物を併用する場合、気泡による多孔質化を促進し易い化合物を含むことが好ましい。このような化合物としては、水素化カルシウムが特に好ましい。
粒状の水素発生剤の平均粒径は、多孔体中への分散性や反応性を制御する観点から、1〜200μmが好ましく、6〜30μmがより好ましく、8〜10μmが更に好ましい。
樹脂で包埋する場合の水素発生剤の含有量は、適度な反応性とある程度の水素発生量を確保する観点から、多孔体中、10〜80重量%が好ましく、30〜70重量%が好ましい。
用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、耐熱性樹脂などが挙げられるが、熱硬化性樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、芳香族系のポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、または熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、水素発生反応中に多孔質構造を適度に維持できる観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
樹脂が非多孔質又は開孔率の小さい多孔質である場合、水溶性樹脂や吸水性樹脂を主に使用するのが好ましい。水溶性樹脂としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。吸水性樹脂としては、アクリル酸塩重合体の架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、アクリル酸塩−メタアクリル酸塩共重合体の架橋物、アクリル酸メチル−酢酸ビニル重合体のケン化物の架橋物、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体の架橋物、デンプン−アクリロニトリル共重合体の加水分解物の架橋物、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物の架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物等を挙げることができる。
樹脂の含有量は、適度な保形性とある程度の水素発生量を確保する観点から、多孔体中、20〜90重量%が好ましく、30〜70重量%が好ましい。
樹脂中には、上記の成分以外の任意成分として、触媒、充填材、発泡剤などのその他の成分を含有してもよい。触媒としては、水素発生剤用の金属触媒の他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ化合物も有効である。
発泡剤としては、未硬化の熱硬化性樹脂に相分離・分散して、熱硬化性樹脂の反応温度で気化する液体が挙げられる。また、水素発生剤と反応して水素ガスを発生させる反応液を、未硬化の熱硬化性樹脂に微量添加しておくことも可能である。このような反応液としては、水、酸水溶液、アルカリ水溶液などが挙げられる。
本発明では気泡により多孔質化された構造を有する場合が好ましい。多孔質化のための気泡は、発泡剤により生成するものでもよいが、水素発生剤から発生した水素ガスであることが好ましい。
つまり、多孔質体は、粒状の水素発生剤と未硬化の熱硬化性樹脂とを混合した後、これを吸水性シートに塗布し、前記水素発生剤から水素ガスを発生させつつ熱硬化性樹脂を硬化させる工程を含む製法により製造されることが好ましい。
多孔質体は、密度が0.1〜1.2g/cmであることが好ましく、0.2〜0.9g/cmであることがより好ましく、0.3〜0.5g/cmであることが更に好ましい。この範囲の密度を有することで、反応液の浸透性が適度になり、取扱い性もより良好になる。このような密度は、例えば、水素ガスの発生量でコントロールすることが可能である。
また、水素発生用多孔体の気泡径は、反応液の浸透性を適度に制御する観点から、直径0.1〜2mmが好ましく、直径0.5〜1mmがより好ましい。このような気泡径は、例えば、水素ガスの発生量でコントロールすることが可能である。また、気泡径や密度をコントロールするために、加圧条件下で熱硬化性樹脂の硬化を行ってもよい。
水素発生剤から水素ガスを発生させるには、予め未硬化の熱硬化性樹脂に反応液を微量添加しておく方法や、未硬化の熱硬化性樹脂に含まれる反応液を利用する方法も可能であるが、硬化反応のための加熱により、水素発生剤(水素化金属化合物の場合)から水素ガスを脱離させる方法が好ましい。
水素発生剤から水素ガスを脱離させる際の温度は、水素化金属化合物の種類によっても異なるが、50〜250℃が好ましく、80〜200℃がより好ましい。つまり、未硬化の熱硬化性樹脂の硬化温度として、この範囲の温度を選択することが好ましい。なお、水素ガスの発生温度と硬化温度とを変えることも可能である。
硬化して得られるシート状多孔質体の厚みは、水等を十分かつ均一に浸透させて均一な反応を行う観点から、0.1〜10mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。
本発明における水素発生剤32は、少なくとも一部が疎水性多孔質膜34aで形成されている包装材34で包囲されている。この疎水性多孔質膜34aを介して水蒸気が流入することで、水素ガスが発生するが、その際の水素発生速度は、疎水性多孔質膜34aの面積や開孔率で調整することが可能である。
包装材34(又は水素発生剤32)は、内部空間形成部材31に固定しなくてもよいが、接着等によって内部空間形成部材31に固定するか、内部空間形成部材31と発電セルFCとに挟持するのが好ましい。
疎水性多孔質膜34aは、水を透過させずに、水蒸気及び水素ガスを透過させることができる。従って、疎水性多孔質膜34aの孔径としては、0.1〜10μmが好ましい。0.5〜5μmがより好ましい。疎水性多孔質膜34aの厚みは、十分な通気性とある程度の強度を付与する観点から、10〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
疎水性多孔質膜34aの材質としては、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルサルホン、ポリスルホンなどが挙げられる。なかでも、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂や、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
包装材34のうち、疎水性多孔質膜34a以外の部分については、上記と同様の材料からなるフィルム、シート、ケース等が使用できる。但し、本発明では、包装材34の全体が疎水性多孔質膜34aで形成されているのが好ましい。
包装材34(又は疎水性多孔質膜34a)は袋状に形成するのが好ましく、内部に水素発生剤32を導入した後、開口が封止される。封止の方法としては、熱融着、接着剤による接着などが挙げられる。図示した例では、2枚の疎水性多孔質膜34aの4辺が熱融着により封止されている。
<発電セル>
本実施形態の発電セルFCは、図2に示すように、複数の単位セルCを備え、何れかの単位セルC1と他の単位セルC2の導電層同士を、接続部により電気的に接続している。これ例では、単位セルC1の第1導電層(第1金属層4)と、単位セルC2の第2導電層(第2金属層5)とを電気的に接続(直列接続)する例を示すが、何れかの単位セルC1と他の単位セルC2の導電層同士を、並列接続することも可能である。
なお、接続する単位セルCの数としては、要求される電圧又は電流に応じて、設定することが可能である、本実施形態では2つの単位セルCを接続する例を示す。
各々の単位セルCは、固体高分子電解質層1と、この固体高分子電解質層1の両側に設けられた第1電極層2及び第2電極層3と、これら電極層2,3の更に外側に各々配置された第1導電層及び第2導電層とを有する。本実施形態では、第1導電層及び第2導電層が、第1電極層2及び第2電極層3を部分的に露出させる露出部を有する第1金属層4及び第2金属層5とからなる例を示す。
なお、導電層の材質としては、金属、導電性高分子、導電性ゴム、導電性繊維、導電性ペースト、導電性塗料などが挙げられる。
固体高分子電解質層1としては、従来の固体高分子膜型の燃料電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質層1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極層2,3は、固体高分子電解質層1の表面付近でアノード側およびカソード側の電極反応を生じさせるものであれば何れでもよい。なかでも、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガス、燃料液、酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが好適に使用できる。電極層2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質層1と接する内面側に少なくとも担持させるのが好ましい。
電極層2,3の電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。また、固体高分子電解質層1に触媒を直接付着させたり、カーボンブラックなどの導電性粒子に担持させて固体高分子電解質層1に付着させた電極層2,3を用いることも可能である。
一般に、電極層2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極層2,3や固体高分子電解質層1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気が用いられると共に、還元ガスとして水素ガスを用いるのが好ましい。なお、還元ガスの代わりにメタノール等の燃料液を使用することも可能である。
例えば、水素ガスと空気を使用する場合、空気が自然供給される側のカソード側の第2電極層3(本明細書では、アノード側を第1電極層、カソード側を第2電極層と仮定する)では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。特に、低作動温度、高電流密度及び高ガス利用率の運転条件では、特に水が生成する空気極において水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディング)現象が起こりやすい。したがって、長期にわたって燃料電池の安定な特性を得るためには、フラッディング現象が起こらないように電極の撥水性を確保することが有効である。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極層2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、1〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。電極層2,3と固体高分子電解質層1とは、予め接着、融着、又は塗布形成等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
アノード側電極層2の表面にはアノード側の第1金属層4が配置され、カソード側電極層3の表面にはカソード側の第2金属層5が配置される(本明細書では、アノード側を第1金属層、カソード側を第2金属層と仮定する)。第1金属層4は、第1電極層2を部分的に露出させる露出部を有するが、本実施形態では、アノード側金属層4には燃料ガス等を供給するための開孔4aが設けられている例を示す。
第1金属層4の露出部は、アノード側電極層2が露出可能であれば、その個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。アノード側金属層4の開孔4aは、例えば、規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けたり、または金属メッシュによって開孔4aを設けたり、第1金属層4を櫛形電極のような形状にしてアノード側電極層2を露出させてもよい。開孔4a部分の面積が締める割合(開孔率)は、電極との接触面積とガスの供給面積のバランスなどの観点から、10〜50%が好ましく、15〜30%がより好ましい。
また、カソード側の第2金属層5は、第2電極層3を部分的に露出させる露出部を有するが、本実施形態では、カソード側金属層5には、空気中の酸素を供給(自然吸気)するための多数の開孔5aが設けられている例を示す。開孔5aは、カソード側電極層3が露出可能であれば、その個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。カソード側金属層5の開孔5aは、例えば、規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けたり、または金属メッシュによって開孔5aを設けたり、第2金属層5を櫛形電極のような形状にしてカソード側電極層3を露出させてもよい。開孔5a部分の面積が締める割合(開孔率)は、電極との接触面積とガスの供給面積のバランスなどの観点から、10〜50%が好ましく、15〜30%がより好ましい。
金属層4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、導電性、コスト、形状付与性、加圧のための強度などの観点から、銅、銅合金、ステンレス板などが好ましい。また、上記の金属に金メッキなどの金属メッキを施したものでもよい。
なお、金属層4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、導電性、コスト、重量、形状付与性、加圧のための強度などを考慮すると、10〜1000μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
金属層4及び金属層5は、少なくとも一部が樹脂から露出することにより、その部分を電極として電気を外部に取り出すことができる。このため、樹脂成形体6に対して、金属層4及び金属層5を一部露出させた端子部を設けてもよいが、本発明では、直列接続の場合には、その両端の単位セルCの金属層4又は金属層5が、単位セルCの電極となる突出部4b,5bを備え、これが樹脂成形体6から外部に出ていることが好ましい。この突出部4b,5bは、インサート成形を行う際に、金属層4,5等(積層物L)を成形型内に保持するためにも利用できる。
金属層4及び金属層5の形成や開孔5a、4aの形成は、プレス加工(プレス打ち抜き加工)を利用して行うことができる。また、金属層4及び金属層5の突出部4b,5bには、樹脂の流動や密着性を良好にする目的で、インサート成形される部分に貫通孔を設けてもよい。更に、接続や固定を良好に行うために、突出部4b,5bの露出した部分に貫通孔を設けてもよい。
この実施形態では、接続部Jが中央に段差部を有する長方形となっているが、接続部Jの形状は何れでもよく、また、部分的に樹脂成形体6の外部に突出する形状でもよい。後述のように、インサート形成する際には、積層物を成形型内に位置固定する必要があり、位置固定の際には接続部Jが部分的に樹脂成形体6の外部に突出する形状であることが好ましい。
接続部Jは、隣り合う単位セルC同士を直列に接続するものであり、第1金属層4及び第2金属層5と一体化した金属板になっている。第1金属層4及び第2金属層5を独立して配置する代わりに、この金属板を用いることにより、これを成形型内に配置するだけで、単位セルCが直列に接続された燃料電池を製造することができる。
金属板は、図2(c)に示すように、相互に平行な面内に隣接して配置された第1金属層4及び第2金属層5が、同じ面内で外側に各々延設され、段差部によって連結一体化してある。このような段差部は、金属板を板金加工することで作製することができる。
本発明の燃料電池は、図2に示すように、以上のような単位セルC及び接続部Jをインサート成形により一体化した樹脂成形体6を備えている。樹脂成形体6は、第1電極層2及び第2電極層3に気体又は液体を供給するための供給部を有することが好ましく、この供給部は、第1金属層4又は第2金属層5の露出部に対応する位置に設けられた開孔6aであることが好ましい。
本実施形態では、前記第1電極層2及び第2電極層3が開孔6aから露出するように、前記第1金属層4及び第2金属層5を両側から加圧した状態で、樹脂成形体6によりインサート成形して一体化してある例を示す。
本発明では、金属層4,5の露出部に相当する開孔4a,5aの大きさが、樹脂成形体6の開孔6aの大きさより、大きくてもよく、同じ大きさでもよく、小さくてもよい。但し、第1金属層4及び/又は第2金属層5の露出部の大きさと、開孔6aの大きさとがほぼ等しくなるように、樹脂成形体6を成形してあることが好ましい。具体的には、各々の開孔6aの面積は、各々の露出部の面積の60〜150%が好ましく、80〜130%がより好ましい。
本実施形態では、金属層4,5の露出部に相当する開孔4a,5aの大きさが、樹脂成形体6の開孔6aの大きさより小さい場合の例を示す。これにより金属層4,5の開孔4a,5aの周囲に対して、樹脂成形体6の開孔6aに相当する部分を利用して、成型時に加圧することができる(図3(c)参照)。
樹脂成形体6の材質としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、耐熱性樹脂などが挙げられるが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、液晶ポリマー、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、または熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、成形型内での樹脂の流動性、強度、溶融温度などの観点から、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル樹脂が好ましく、これらはアプリケーションによって選択することが可能である。
樹脂成形体6としては、熱可塑性エラストマーやゴム等の樹脂エラストマーを用いることも可能である。その場合、他の材料にも可とう性の有るものを使用することで、燃料電池全体を可とう性にすることが可能である。
樹脂成形体6の全体の厚みとしては、樹脂による一体化の強度や、金属層を加圧する圧力、薄型化などの観点から、0.3〜4mmが好ましく0.5〜2mmがより好ましい。特に、金属層を覆う部分の樹脂成形体6の厚みとしては、金属層を加圧する圧力の観点から、0.2〜1.5mmが好ましく、0.3〜1.0mmがより好ましい。
樹脂成形体6の外形の面積としては、樹脂による一体化の強度や、金属層を加圧する圧力の観点から、固体高分子電解質層1の外形の面積の101〜200%が好ましく、150〜180%がより好ましい。
本発明の燃料電池は、次のようにして燃料等を供給して発電させることができる。例えばカソード側は、そのまま大気開放にしておき、アノード側に設けた空間に水素ガス等の燃料を供給したり、アノード側に設けた空間内で水素ガス等の燃料を発生させることで発電を行うことができる。また、アノード側及び/又はカソード側に対して、流路を形成するための流路形成部材を取り付けて、その流路に酸素含有ガスや燃料を供給することも可能である。流路形成部材としては、例えば流路溝と供給口と排出口を設けた板状体や、スタック型燃料電池のセパレータと類似の構造のものが使用できる。後者を使用するとスタック型燃料電池を構成することができる。
以上のような燃料電池は、例えば次の製造方法により製造することができる。即ち、図3(a)〜(d)に示すように、固体高分子電解質層1、その両側に配される第1電極層2及び第2電極層3、並びにそれらの外側に配される第1導電層及び第2導電層を含む積層物Lの複数を、何れかの積層物Lと他の積層物Lの導電層同士を接続部Jにより電気的に接続した状態で成形型10内に配置する工程を含む。直列接続の場合、隣り合う積層物Lの一方の第1導電層と他方の第2導電層とが接続され、並列接続の場合、隣り合う積層物Lの一方の第1導電層と他方の第1導電層とが接続されると共に、一方の第2導電層と他方の第2導電層とが接続される。
本実施形態では、第1導電層及び第2導電層が第1電極層2及び第2電極層3を部分的に露出させる露出部(例えば開孔4a,5a)を有する第1金属層4及び第2金属層5であり、その露出部が成形型10の凸部11a,12aにより閉塞した状態で成形型10内に配置する例を示す。
単位セルCを構成する積層物Lは、その複数を同じ面内に並設してもよく、またL字型の2辺、正方形又は長方形の2辺〜4辺、三角形の2辺〜3辺などの各辺に配置してもよい。本実施形態では、2つの積層物Lを同じ面内に並設する例を示す。
また、本発明の燃料電池の製造方法は、上記の成形型10内に樹脂を注入することで、積層物L及び前記接続部Jを一体化する樹脂成形体6を成形する工程を含む。本実施形態では、第1金属層4及び第2金属層5を両側から加圧した状態で、その成形型10内に樹脂を注入することで、第1電極層2及び第2電極層3に気体又は液体を供給するための供給部を有し、積層物Lを一体化する樹脂成形体6を成形する工程を含む例を示す。つまり、前記供給部に相当する開孔6aを除いて、積層物Lのほぼ全体を樹脂成形体6で覆う例を示す。
まず、例えば、図3(a)に示すように、各々の単位セルCの形成領域の底面に、凸部11aを有する下金型11を準備する。本実施形態では、成形型10を分割構造にして分割した型部材の内面に凸部11a,12aを設け、その凸部11a,12aを第1金属層4及び第2金属層5圧接させる場合の例を示す。凸部11aは、積層物Lの下側の第1金属層4の開孔4aを閉塞させる大きさの上面を有し、各々の開孔4aに対向する位置に設けている。下金型11は、底面の周囲に側壁を有しており、側壁の内面に沿って上金型12が挿入できる。
下金型11(又は上金型12)には、樹脂の注入口11bが設けられているが、注入口11bは複数設けてもよい。また、成型時の樹脂の流れを良好にするために、樹脂の小排出口を1箇所以上に設けてもよい。
更に、第1金属層4及び第2金属層5の突出部4b,5bを、成形後に樹脂成形体6から露出させるために、下金型11の側壁は分割構造になっている(図示省略)。積層物Lを成形型10内に配置する際に、下金型11の側壁に設けた矩形の切欠き部に、第1金属層4及び第2金属層5の突出部4b,5bが位置決めされ、その突出部4b,5bを型部材が押さえる構造になっている。これにより、突出部4b,5bを樹脂成形体6から露出させることができる。
次に、例えば、図3(b)に示すように、積層物Lの複数を下金型11の底面に配置する。その際、各々の単位セルCの形成領域の底面に形成された凸部11aの上面が、各々の積層物Lの第1金属層4の開孔4aを閉塞可能な位置に配置する。
本発明では、隣り合う積層物Lの一方の第1導電層と他方の第2導電層とを接続部Jにより電気的に接続した状態で成形型10内に配置する。本実施形態では、隣り合う積層物Lの一方の第1導電層(金属層4)と、他方の第2導電層(金属層5)と、接続部Jとが、連続する金属板からなる金属層で形成されている例を示す。
積層物Lを配置する際には、各層の一部又は全部が一体化されていてもよく、一体化されていなくてもよい。また、一部が一体化されていない場合、各層を別々に配置しても、同時に配置してもよい。配置する積層物Lの構成は、前述の通りであるが、配置を行う際に、最終的な樹脂成形体6の形状の一部を予め成形した予備成形体を用いて、この予備成形体を積層物Lと共に成形型10内に配置することも可能である(例えば図4参照)。
次に、例えば、図3(c)に示すように、下金型11の側壁の内面に沿って上金型12を挿入するが、上金型12の各々の単位セルCを形成する領域の下面には、凸部12aが設けてある。この凸部12aは、積層物Lの上側の第2金属層5の開孔5aを閉塞させる大きさの上面を有し、各々の開孔5aに対向する位置に設けている。そして、下金型11の凸部11aと上金型12凸部12aとで、金属層4,5を加圧した状態で、積層物Lを成形型10内に配置する。その際、第1金属層4及び第2金属層5の突出部4b,5bが成形型10の内部空間から外側に配置されるようにしてもよい。
その状態で、成形型10内に樹脂(「樹脂」には樹脂の原料液や未硬化物を含む)を注入するが、露出部(例えば開孔4a,5a)が凸部11aと凸部12aによって閉塞されているため、図3(d)に示すように、得られた成形体では第1電極層2及び第2電極層3が開孔6aから露出する。また、樹脂の注入により、固体高分子電解質層1、電極層2,3、第1金属層4及び第2金属層5を含む積層物Lの複数を、インサート形成により一体化することができる。
<発電セルの別実施形態>
(1)前述の実施形態では、直列接続した複数の単位セルにより発電セルを構成する例を示したが、本発明では、単数の単位セルにより発電セルを構成してもよい。また、複数の単位セルを並列に接続してもよい。
(2)前述の実施形態では、固体高分子電解質層1、電極層2,3、第1金属層4及び第2金属層5をインサート形成により一体化して単位セルCを形成する例を示したが、第1金属層4と第2金属層5とをより面積の広いものにして、絶縁材を介在させつつ両者の周囲部分をカシメにより封止した構造の単位セルCを用いてもよい。このようなカシメ構造の単位セルCについては、例えば、国際公開公報WO2005/050766号公報に開示されており、カシメ封止を行うための製造方法及び製造設備については、例えば、特開2006−86041号公報に開示される技術を用いることができる。
このようなカシメ構造の単位セルCは、必要によりその複数を電気的に接続した後に、インサート形成等により、セル保持体と一体化されて、板状の発電セルを形成することができる。板状の発電セルは、図2に示すものと同様にして本発明に使用することができる。
<アンモニア除去剤について>
本発明では、水素発生剤32より発生した水素ガスから、不純物であるアンモニアを除去するために、内部空間ISにアンモニア除去剤を設けてもよい。具体的には、シート状のアンモニア除去剤を包装された水素発生剤32と重ねて配置することができる。このようなアンモニア除去剤は、シート状に形成されたものが市販されているが、粒状の吸着剤等を通気性の袋に収容したものを使用することも可能である。
アンモニア除去剤としては、例えば、水素中のアンモニアを吸着除去する吸着剤(吸着・分解や反応吸着などの化学吸着を含む)、アンモニアを溶解除去する吸収剤、アンモニアを反応により除去する反応剤、アンモニアを分解(加熱分解・触媒反応分解等)により除去する分解手段、などが挙げられるが、アンモニアを物理吸着又は化学吸着により除去する吸着剤を備えることが好ましい。
<回路構成など>
本発明の燃料電池は、更に昇圧や電流制御のための電子回路を設けてもよい。例えば、各発電セルCによる出力電圧は、DC−DCコンバータ(昇圧回路に相当)により所定の電圧にまで昇圧するのが好ましい。回路部には、安定化回路などが備えられており、適切な出力電圧や出力電流を供給できるように制御がなされる。更に、コンバータの下流側に付加される回路部を介して、電源供給端子から外部機器、携帯電話などに電源供給がされる。
<作用>
本発明の燃料電池の作用について、前述の実施形態に基づいて説明する。まず、仕切部材35aにより開閉機構35が閉じた状態で、貯水部33に水を供給した後、ツマミ35bを回して仕切部材35aを回転させて開閉機構35を開けた状態とする。これにより、貯水部33から生じた水蒸気が、内部空間ISの全体に拡散して行き、疎水性多孔質膜34aを介して水素発生剤32に水蒸気が供給される。水蒸気と水素発生剤32の反応により水素ガスが発生し、その水素ガスが疎水性多孔質膜34aを介して内部空間ISに放出される。この水素ガスが、発電セルFCの一方の表面から供給され、他方の表面から空気中の酸素が供給されるため、各々の電極で電極反応が生じて発電を行うことができる。発電は、水蒸気の発生が終了するか、水素発生剤が消費されるまで継続して終了する。
本発明の燃料電池の一例を示す図であり、(a)平面図、(b)は正面視断面図 本発明における発電セルの一例を示す図であり、(a)は上面図、(b)はそのI−I矢視断面図、(c)はそのII−II矢視断面図 本発明の燃料電池の製造方法の一例を示す正面視断面図 本発明の燃料電池の他の例を示す正面視断面図
符号の説明
1 固体高分子電解質層
2 第1電極層
3 第2電極層
4 第1金属層(第1導電層)
4a 開孔(露出部)
5 第2金属層(第2導電層)
5a 開孔(露出部)
6 樹脂成形体
6a 開孔
7 予備成形体
7a 開孔
10 成形型
11a 凸部
12a 凸部
31 内部空間形成部材
32 水素発生剤
33 貯水部
34 包装材
34a 疎水性多孔質膜
35 開閉機構
FC 発電セル
IS 内部空間
C 単位セル
L 積層物
J 接続部

Claims (4)

  1. 一方の表面から水素が供給され、他方の表面から酸素が供給されることで発電を行なう発電セルと、
    その発電セルの前記一方の表面に対向する内部空間を形成する内部空間形成部材と、
    その内部空間の一部に配置され、水蒸気と反応して水素を発生する水素発生剤と、
    前記内部空間の残部に設けられ、水を溜める貯水部と、
    前記水素発生剤を包囲し、少なくとも一部が疎水性多孔質膜で形成されている包装材と、
    を備える燃料電池。
  2. 前記貯水部と前記包装材との間には間隙を有しており、前記貯水部とは間隙を開けて、外部から仕切部材を開閉できる開閉機構を設けてある請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記水素発生剤は、水素化金属化合物を樹脂で包埋したものである請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 前記貯水部は、保水材により水を保持するものである請求項1〜3いずれかに記載の燃料電池。
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