JP2007335373A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の効率を維持しつつ安全にリチウムイオン電池の充電を行う。
【解決手段】燃料電池1の出力電流を増減させて出力電圧を制御する燃料電池制御部は、燃料電池1の出力電圧を監視し、燃料電池1において供給されている全ての燃料を消費して発電可能な第1の動作点電圧と、燃料電池1において最大電力を発生可能な第2の動作点電圧とを検出可能な動作点検出部202と、燃料電池1の出力電圧を、動作点検出部202で検出された第1の動作点電圧または第2の動作点電圧に一致させるよう、前記燃料電池の出力電流を制御可能な電圧設定部201とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、水と水素発生物質との反応により水素を発生させて発電を行う燃料電池システムに関する。特に、燃料電池で発生した電力を蓄電装置(リチウムイオン電池)に蓄電させる燃料電池システムに好適である。
近年、パソコン、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れるリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウム二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証するまでには至っていない。
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、固体高分子型燃料電池がある。固体高分子型燃料電池は、電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料(水素、メタノール等)がそれぞれ用いられ、リチウムイオン電池よりも高エネルギー密度化が期待できる系として注目されている。このような燃料電池において、その水素供給源として、アルミニウム粉と水とを反応させて水素を発生させることが、特許文献1などで提案されている。この場合、アルミニウム粉に水を添加し加熱することにより、100℃以下の低温で動作させることができるので、携帯用燃料電池に好適である。実際には、燃料の供給、すなわち水素の生成量の迅速な加減制御が困難であるため、燃料電池出力を二次電池(リチウムイオン電池等)に蓄電させるように構成することで、小型の携帯用燃料電池システムとして利用が容易となる。一般的な燃料電池は、電解質とそれを挟む一対の電極とで構成される単位であるセル(基本電池)を、複数個直列接続してスタックを形成している。複数のセルを直列接続することで、出力電圧を高めている。
また、一般的に固体高分子型燃料電池の出力電圧は、1セル当たり1V以下となることが多く、それに対しリチウムイオン電池は3.6V程度の電圧である。リチウムイオン電池は、自己放電が少なく、重量当たりの蓄電量が大きい等の理由から、燃料電池で発電された電力を蓄積するバッファとして好適である。リチウムイオン電池を燃料電池システムのバッファとして利用する場合、複数のセルをシリーズ化して発生電圧を高電圧化するか、燃料電池で発生した電圧を昇圧回路により高電圧に変換した後に、リチウムイオン電池に充電する必要がある。
ところで、このような燃料電池と二次電池とを組み合わせた燃料電池システムの一例は、特許文献2に開示されている。特許文献2には、燃料電池の発電効率が最大となるように燃料電池出力電圧を制御し、使用時間の長時間化が期待できる構成が開示されている。
特開2004−231466号公報 特開2002−184443号公報
しかしながら上記特許文献2に開示された構成では、水素供給量のバラツキや燃料電池のセルのバラツキがあった場合の発電と、それを受けてのリチウムイオン電池に対する充電を効率よく行うことができないという問題があった。
すなわち、特許文献2には、必要に応じて供給量を制御された水素を用いて燃料電池を如何に効率よく発電させるかについての記載はあるが、水素供給量の迅速な加減制御が困難で水素発生量にバラツキ等がある水素発生源を有する場合に、また、温度や使用状況、製作の個別バラツキによって変化する燃料電池の発電特性を有する場合に、如何に最適に燃料電池を発電させるかについては開示されていない。特許文献2では、予め保存していた燃料電池の動作特性に基づいて燃料電池のセル出力電圧を制御しているが、水素供給量のバラツキや燃料電池自体の発電特性の変動やバラツキに対処して効率化を図ることは困難である。
本発明は、上記課題に鑑み、水素供給源からの水素流量の迅速な制御が困難な場合や燃料電池の発電特性に初期バラツキや劣化が生じていても、燃料電池の好適な発電条件を検出し、その発電条件で燃料電池を駆動することにより、効率化を図ることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の燃料電池システムは、燃料を化学反応させて発電可能な燃料電池と、前記燃料電池の出力電流を増減させて出力電圧を制御する燃料電池制御部とを備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池制御部は、前記燃料電池の出力電圧を監視し、前記燃料電池において供給されている全ての燃料を消費し
て発電可能な第1の動作点電圧と、前記燃料電池において最大電力を発生可能な第2の動作点電圧とを検出可能な動作点検出部と、前記燃料電池の出力電圧を、前記動作点検出部で検出された前記第1の動作点電圧または前記第2の動作点電圧に一致させるよう、前記燃料電池の出力電流を制御可能な電圧設定部とを備えている。
また、燃料を化学反応させて発電可能な燃料電池と、充放電可能な二次電池と、前記燃料電池で発生された電力を、昇圧して前記二次電池に充電させる昇圧充電回路とを備えた燃料電池システムであって、前記昇圧充電回路は、前記燃料電池の出力電流の増減により前記燃料電池の出力電圧を第1の設定値に保つように制御する出力電圧制御部と、前記燃料電池の出力電流を検出しつつ前記出力電圧制御部の前記第1の設定値を増減させ、前記燃料電池の出力電流が減少を開始する時の電圧を第1の動作点電圧として検出する動作点検出部と、前記動作点検出部で前記第1の動作点電圧が検出された後に、前記第1の設定値に前記第1の動作点電圧を設定するよう前記出力電圧制御部を制御する制御部とを備えている。
本発明によれば、供給される燃料に応じて効率的な充電が行える燃料電池システムを実現できる。
本発明の燃料電池システムは、前記二次電池はリチウムイオン電池で構成することが望ましい。
また、前記燃料電池の燃料は、アルミニウム粉と水とから発生させた水素で構成することが望ましい。
また、前記充電回路は燃料電池の出力電流の増減により出力電圧を一定値に保つことができる燃料電池出力電圧制御部を有することが望ましい。
また、前記燃料電池システムでは前記燃料電池出力電圧制御部と燃料電池出力電流検出手段を有し、前記燃料電池出力電圧制御部により燃料電池出力電圧を低下させるに伴って生じる燃料電池出力電流の増加が停止する燃料電池出力電圧を第1の動作点電圧として検出する動作点検出部を有することが望ましい。
また、前記燃料電池システムでは前記燃料電池出力電圧制御部を用いて、前記動作点検出部により検出した第1の動作電圧に燃料電池出力電圧を設定する制御を行う制御部を有することが望ましい。
また、前記充電手段は、二次電池の電圧が充電されて第1の充電電圧に到達するまでは、前記燃料電池出力電圧制御部により燃料電池の出力電圧を一定の電圧に制御しつつ充電を行い、充電が進行して二次電池の電圧が第1の充電電圧に到達した場合は二次電池への充電電圧を第1の充電電圧に保ちつつ充電を継続する充電制御を行う機能を有することが望ましい。
また、前記第1の動作点として、供給された水素を全て消費し、且つ、燃料電池出力電圧が最も高い電圧に保たれるような動作点とすることが望ましい。
また、燃料電池の出力電流の制御により出力電圧を低下させるにつれて増加する出力電力が最大となる出力電圧を有する第2の動作点が検出された場合、水素供給量が過剰であるので、水の供給を減少させることが望ましい。
また、燃料電池の出力電圧を低下させつつ行う動作点検出の制御中に、水素を全て消費する第1の動作点の電圧が先に検出された場合は、出力電力が最大となる第2の動作点までの水素供給の余裕があるので水の供給を増加させることが望ましい。
また、前記第1の動作点を検出する場合、燃料電池の出力電圧を微小に変動させ、それに対しする出力電流の変動量と位相により検出し、更に、前記第2の動作点を検出する場合、燃料電池の出力電圧を微小に変動させ、それに対しする出力電力の変動量と位相により検出してもよく、いわゆるウォブリング制御を行わせるのが望ましい。
(実施の形態1)
〔燃料電池システムの概要〕
図1は、実施の形態1における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。なお、図1は、実施の形態1の燃料電池システムを要素的に示した図である。
図1において、燃料電池システムは、燃料電池1と昇圧充電回路2とリチウムイオン電池3と出力端子4とを備えている。燃料電池1は、水素発生部101と固体高分子型燃料電池104(以下、PEFCと称する。PEFC;Polymer Electrolyte Fuel Cell)とを備えている。昇圧充電回路2は、PEFC104の出力を昇圧してリチウムイオン電池3に充電する充電手段の他に、入力電圧設定部201、動作点検出部202、制御部203とを備えている。
水素発生部101は、アルミニウム粉102に水を添加し加熱することにより、水素103を発生させている。発生された水素103は、PEFC104に供給されている。
PEFC104は、電解質とそれを挟む一対の電極(正極、負極)とで構成されたセルを、複数個備えてスタックを形成している。電解質には、固体高分子電解質が使われている。また、正確には正極活物質である空気中の酸素が供給され、負極には負極活物質である燃料(水素、メタノール)が供給されている。負極には、水素発生部101で発生した水素103が供給される。この構成において、負極活物質の水素イオンが電解質を通って正極側へ移動し、酸素分子と結合する時に、外部回路中を電子が移動し発電される。なお、PEFC104において使用される電解質、正極活物質、負極活物質の構成は、上記に限定されるものではない。
入力電圧設定部201は、燃料電池1からの出力電流の増減制御により、出力電圧を任意の設定された電圧(例えば第1の設定電圧)に保つように制御する設定手段である。
動作点検出部202は、入力電圧設定部201により燃料電池1の出力電圧を可変しつつ燃料電池1の出力電流の挙動を検知することにより、第1の動作点電圧を検出する手段である。第1の動作点電圧とは、水素供給を全て消費して発電を行っている状態における、燃料電池1の出力電圧のことである。さらに、動作点検出部202は、第1の動作点電圧を検出するとともに、出力電力を検知して第2の動作点電圧を検出することができる。第2の動作点電圧とは、出力電力が最大となる状態における、燃料電池1の出力電圧のことである。なお、第1の動作点電圧、第2の動作点電圧の検出方法については、後述する〔ウォブリング制御による動作点検出方法〕の項にて、詳しく説明する。
制御部203は、動作点検出部202を制御して第2の動作点電圧を検出するために燃料電池1の出力電圧を低下させていった場合に、先に第1の動作点電圧を検出した場合には、入力電圧設定部201を制御して、第1の動作点電圧に基づき燃料電池1の出力電圧を制御するものである。また、最大電力を得る第2の動作点電圧を検出した後、水素を全て消費する第1の動作点電圧が検出されなかった場合、水素供給量が過剰であると判断して、水素発生部101に対する水の供給を減少させる制御を行う。
これらの動作を実現するための具体的な構成は後述するが、図1に示した構成により、効率的な水素消費や水素生成を行うことができる燃料電池システムを構築することができる。
〔具体的な回路構成〕
図2は、昇圧充電回路2の具体的な回路図である。
図2は、入力電圧をより高い出力電圧に変換し充電する昇圧充電回路であり、説明を簡略化するためPWM制御ICとして市販されているICを使用することを前提に構成している。なお、動作説明を簡略化する為に、後述する第1の動作点電圧や第2の動作点電圧の検出方法や、効率的な燃料電池1の発電制御方法等を実現する方法として例示したものであり、昇圧充電による二次電池への充電やそれを市販のPWM制御ICを用いた充電回路で必ずしも構成する必要が無い事は言うまでもない。
図2は、市販されているPWM制御IC(例えばリニアテクノロジー社のLS1919等)を利用した昇圧型のDC−DCコンバータを元に、昇圧充電回路を構築した例であり、簡単の為に、そのようなICの動作と同様な動作をするとして説明する。
図2において、昇圧充電回路2は、充電制御回路21、PWM制御回路25、変換回路33とを備えている。
充電制御回路21は、燃料電池1の出力端子1aに接続されている端子21aと、接地されている端子21bと,リチウムイオン電池3の端子に接続されている端子21cと,PWM制御回路25に接続されている端子21dと、基準電源である基準電源22と、+端子が基準電源22に接続され−端子が端子21aに接続されている誤差増幅器23と、アノードが誤差増幅器23の出力端子に接続されカソードが端子21dに接続されているダイオード24と、端子21cにおける電圧を分圧する分圧抵抗29及び30とを備えている。
PWM制御回路25は、詳しい回路は図示しないが、内部基準電源、比較増幅器などから構成され、充電制御回路21から出力される電圧と内部基準電源電圧とを比較し、その誤差分を増幅して、所定のデューティを有するPWMパルスを出力するものである。
なお、PWM制御回路25は、一般に市販されているPWM制御用ICを使用すると簡便に構成できるが、もちろん充電制御回路21等も含めてIC化してもよいことは言うまでも無い。また、更には燃料電池1やリチウムイオン電池3等の電圧、電流をAD変換によりマイコンに取り込んで、信号処理自体はディジタル処理を用いて行い、その結果をPWM出力として取り出して制御回路を構築してもよいが、システムの処理方法や仕様等が明確になれば、回路の実現手段は当業者にとっては設計事項に含まれるので説明は省略する。
変換回路33は、燃料電池1の出力端子1aとフライホイールダイオード27との間に接続されているインダクタ26と、アノードがインダクタ26に接続されカソードがリチウムイオン電池3に接続されているフライホイールダイオード27と、PWM制御回路25から出力されるPWM信号によってオン/オフに切換制御されるスイッチ28とを備えている。
充電制御回路21は、インダクタ26に蓄積される磁気エネルギーを利用した電流電圧変換により、第1に、燃料電池1の電流出力の可変により燃料電池1の出力電圧を一定に保ちつつリチウムイオン電池3を充電する、燃料電池1の定電圧駆動制御を行わせ、第2に、リチウムイオン電池3が充電され終止電圧に到達した後は、リチウムイオン電池3への出力電圧を一定に保ちつつ充電する定電圧充電制御を行わせる制御回路である。
以下、動作について説明する。
図2において、スイッチ28がPWMパルスによってオンにされると、インダクタ26を通じて燃料電池1から電流が供給され、インダクタ26に磁気エネルギーが蓄えられる。その後、スイッチ28がPWMパルスによってオフにされると、インダクタ26に蓄えられた磁気エネルギーにより電流の流れを継続するように、インダクタ26の両端に高電圧が反転生成する。インダクタ26の一端が燃料電池1に繋がれているのでインダクタ26のスイッチ28側に高電圧が発生し、それがフライホイールダイオード27を通じてリチウムイオン電池3側に供給され、充電される。このように、スイッチ28のオン/オフ切り換えによる変換動作を繰り返すことにより、燃料電池1で発生される電力を、リチウムイオン電池3へ充電させることができる。
燃料電池1からの電流を増加させる場合は、PWM制御回路25から出力されるPWMパルスのデューティ比を高くし、スイッチ28のオン期間を増加させ、インダクタ26に流れる電流を増加させる。
今、燃料電池1の出力電圧が上昇した等の理由により、ダイオード24の誤差増幅器23側が端子21dより低電圧となった場合、ダイオード24は逆極性となるためオフとなり、ダイオード24が接続されていない状態となる。この場合、リチウムイオン電池3の出力が、分圧抵抗29と分圧抵抗30とで分圧されてPWM制御回路25に伝達される。このような信号経路での構成は一般的なPWM制御ICを使って一定電圧出力を出力するDC−DCコンバータと同じ構成となり、PWM制御回路25は、PWM制御回路25内に設けられた内部基準電源(不図示)と比較し、分圧された端子21dの電圧が内部基準電源の電圧と等しくなるように、PWM制御回路25からスイッチ28へ出力される駆動パルスのデューティ等を変化させる。
PWM制御回路25は、入力された電圧が内部基準電源に比較して上昇した場合には、スイッチ28のオン期間を短縮するように駆動パルスのデューティ比を変更して、インダクタ26に流入する電流を低下させることにより、インダクタ26を通じて供給される電流を減少させる。このようにインダクタ26を通じての電流が減少すると、燃料電池1の出力電流の減少による燃料電池1の出力電圧の上昇、リチウムイオン電池1側に流出する電流の減少によるリチウムイオン電池3側への出力電圧の低下、といった変化が生じる。また、逆にPWM制御回路25に入力された電圧が低下した場合は、スイッチ28のオン期間を延長することによりインダクタ26を通じて供給される電流が増加するので、燃料電池1では出力電圧の低下、リチウムイオン電池3側では出力電圧の上昇、といった電圧の変化が生じる。
以上のような動作を利用することにより、PWM制御回路25の入力としてリチウムイオン電池3からの信号が入力された場合はリチウムイオン電池3への電圧を一定にするような定電圧充電制御を、燃料電池1からの信号が入力された場合は燃料電池1の電圧を一定にするような定電圧駆動制御を行うような制御回路を構成できる。
先に、燃料電池1の出力電圧が上昇した等の理由により、ダイオード24の両端の電圧が逆極性となるためオフとなり、ダイオード24が接続されていない状態となると説明したが、このような場合は、リチウムイオン電池3から分圧抵抗29を経由する信号経路のみが有効になるので、リチウムイオン電池3側を定電圧に保つ定電圧充電制御が実行される。ダイオード24がオフではなく誤差増幅器23の経路が有効な場合は、燃料電池1の出力電圧を一定に保つ定電圧駆動制御が実行される。
リチウムイオン電池3の充電は、リチウムイオン電池3をその過充電から保護するために、最終的には、予め決められている終止電圧で定電圧充電を行う。今、ダイオード24がオフとなりリチウムイオン電池3の定電圧充電制御状態となっていて、更に、リチウムイオン電池3の充電電圧が終止電圧であった場合に、PWM制御回路25に入力される電圧と内部基準電源の電圧値とが等しくなるように分圧抵抗29と分圧抵抗30の分圧比を設定すれば、この昇圧充電回路2は終止電圧を発生するDC−DCコンバータ動作を行うことになる。
なお、このように分圧抵抗29等を調整設定することにより終止電圧の値を任意に設定できるので、リチウムイオン電池3が1直の構成の場合は例えば4.2Vに設定し、リチウムイオン電池が2直の構成の場合は例えば8.4Vに設定することにより、過充電に対しての保護を行うことができる。
以下、先ずは、リチウムイオン電池3の電圧が終止電圧より低下している場合の、燃料電池1の定電圧駆動制御についての動作を説明する。昇圧充電回路2のDC−DCコンバータ動作に伴って燃料電池1からインダクタ26を介して、リチウムイオン電池3に電流が流出するが、燃料電池1からの電流流出が増大していくと、図5(a)(詳細は後述)に示すように燃料電池1の出力電圧が低下していく。
燃料電池1の出力電圧は、端子21aを通じて誤差増幅器23の−端子に入力されているため、燃料電池1の出力電圧が基準電源22の電圧より低下すると、誤差増幅器23の出力電圧が上昇する。したがって、ダイオード24が順方向の導通状態となり、誤差増幅器23の出力により分圧抵抗29と分圧抵抗30とによる分圧回路の電圧が引き上げられるので、それにつれて、端子21dの電圧が上昇する。そのため、PWM制御回路25は、入力電圧が上昇したとしてインダクタ26を介しての電流を減少させ、変換動作を停滞させるので、燃料電池1の出力電流が低下し、燃料電池1の出力電圧が上昇を始める。
逆に、燃料電池1の出力電圧が上昇し、誤差増幅器23の+端子に接続された基準電源22より上昇すると、誤差増幅器23の出力が低下してダイオード24がオフとなり、先に説明したように充電制御回路21は終止電圧を発生するDC−DCコンバータ動作を行うことになる。今、リチウムイオン電池3の出力電圧が終止電圧以下の場合であるので、PWM制御回路25に入力される分圧された電圧は不図示の内部基準電源の電圧より低下している。そのため、出力電圧が低下しているDC−CDコンバータの動作と同じく、インダクタ26を介しての電流を増加させ、変換動作を増進させるので、燃料電池1の出力電流が増加し、燃料電池1の出力電圧が低下する。
このような動作により、充電制御回路21は、誤差増幅器23の+端子に接続された基準電源22の電圧に等しくなるように燃料電池1の出力電圧を一定に保つ定電圧駆動制御を行う。従って、基準電源22の電圧を任意の値に設定することにより、燃料電池1の出力電圧を任意の値に制御できるので、これを利用して、燃料電池1の発電効率が最も向上する電圧に燃料電池1の出力電圧を設定することにより、燃料電池システムの発電効率の向上を図ることができる。
以上のような燃料電池1の定電圧駆動制御によりリチウムイオン電池3は充電されていくが、その電圧が終止電圧に到達するようになるとDC−DCコンバータ動作としては平衡状態に近づくことになるので、変換動作が抑圧される。そのため、それまでの燃料電池1の定電圧駆動制御により燃料電池1から出力されていたの出力電流よりも電流が減少するので、燃料電池1の出力電圧が上昇し、ダイオード24はオフの状態を維持することとなり、DC−DCコンバータ動作のみが継続することになる。その為、充電制御回路21は、終止電圧でリチウムイオン電池3を充電する定電圧充電制御に切り替わり、リチウムイオン電池3の充電が継続する。
なお、端子4aから負荷に対して電流が流れ、リチウムイオン電池3の電圧が低下した場合は、再び燃料電池1の定電圧駆動制御に切り替わりリチウムイオン電池3の充電を行ない、充電が継続していく。
以上のように、リチウムイオン電池3の電圧が終止電圧に到達するまでは、燃料電池1の出力電圧を基準電源22で設定される電圧に固定しつつ充電する定電圧駆動制御を行い、リチウムイオン電池3の電圧が終止電圧に到達すると、出力電圧を終止電圧に制御する定電圧充電制御を行うので、燃料電池3の発電効率の向上を図りつつ、リチウムイオン電池3の充電保護に適した充電動作を行うことができる。
なお、ダイオード24を通じてDC−DCコンバータの分圧抵抗の電圧を変化させているので、ダイオード24の電流電圧特性や温度特性により制御特性が変化する。そこで、ダイオード24とコンパレータとを組み合わせて、ダイオード24のオン/オフの切り換え特性をシャープにする回路を組み込むことにより、充電特性の向上を図ってもよく、図3A、図3Bにその回路例を示す。
図3Aは、図2におけるダイオード24を抜粋した図である。図3Bは、図3Aに示すダイオード24の代りに、ダイオード24dとコンパレータ24cとで構成した切替え回路の例である。以下、図3Bに示す回路を、図2に示す回路に組み込んだ場合の動作について説明する。
図3Bに示す構成では、図2における燃料電池1の出力電圧が低下すると、誤差増
幅器23によって、端子24aが端子24bよりも高電位となる。したがって、コンパレータ24cの出力が高電位となり、ダイオード24dが順方向のバイアスとなるため、端子24bを高電位に保とうとする。しかし、端子24bは、コンパレータ24cの−端子に接続されているので、コンパレータ24cの出力を低電位に引き下げようとする。このような帰還ループによって、端子24aと端子24bとはほぼ同電位となり、端子24aの電位が上昇するとそれに伴って端子24bも上昇する。したがって、端子24bに接続されているPWM制御回路25の入力電圧が上昇し、DC−DCコンバータの変換動作が低下する。
一方、燃料電池1の出力電圧が上昇し、端子24aの電位が端子24bの電位よりも低下した場合、すなわち、リチウムイオン電池3の出力が分圧抵抗29と分圧抵抗30で分圧された電圧より低下した場合は、コンパレータ24cの+端子の電位が−端子より低下するので、コンパレータ24cの出力電圧は低下する。しかし、この場合はダイオード24dが逆方向のバイアスとなるので、ダイオード24dはオフとなり、端子24bとコンパレータ24cの出力との導通は無くなる。そのため、端子24bは、端子24aの電位の影響を受けなくなり、PWM制御回路25にはリチウムイオン電池3の出力電圧を分圧した電圧が加わり、DC−DCコンバータ動作が開始される。
このような回路構成より、ダイオード24dのオン/オフ制御するための切り替わり電圧の差は、コンパレータ24cの入力端子間に生じるオフセット電圧程度の誤差に収まり、また温度特性も同様の範囲に入るので、安定した昇圧充電回路を構成できる。
〔ウォブリング制御による動作点検出方法〕
前述した第1の動作点電圧、第2の動作点電圧の検出方法には、ウォブリング制御により検出する方法がある。この制御方法に関して、燃料電池出力特性を元に説明し、実施の形態の望ましい制御方法として示す。
燃料電池1の動作点を検出し、それを燃料電池の運転に使用することを述べたが、この動作点が燃料電池1の出力特性のどのような部分に相当し、どのように検出するかについて、図5から図7を参照して説明する。
図5(a)は、燃料電池1に水素供給を行って発電をした場合の、燃料電池1の出力電流IOUTに対する出力電圧VOUTの特性や挙動を示す。図5(a)に示すように、燃料電池1の発電中は、電解質中を水素イオンが移動しており、拡散抵抗等により出力電流IOUTの増加に伴って出力電圧VOUTが低下する。しかし、燃料電池1は、負極に供給されている水素以上には水素イオンが増加しないので、水素供給量で決まる所定の電流値以上の電流を流した場合、急速に出力電圧VOUTが低下する。このように、急速に出力電圧VOUTが低下するので、出力電流により水素供給量を推定することができるので、水素供給量に応じた燃料電池出力電圧を設定することが可能となる。
通常の水素供給量の場合は、第1の特性403aに示すように出力電流IOUTの増加に伴って出力電圧VOUTが低下する。また、水素供給量を増やした場合は、第2の特性403bに示すように出力電圧VOUTが低下する。すなわち、水素供給量を増やせば、急速に出力電圧VOUTが低下する時の出力電流IOUTは高くなる。
また、図5(b)及び図5(c)は、燃料電池1の出力電圧を微小変動させた場合の、出力電流における微小変動の振幅の挙動や、微小変動の位相の挙動を示している。図5(b)は、燃料電池1の平均出力電圧VAVEに対する出力電流IOUTの振幅特性を示している。また、図5(c)は、電池1の平均出力電圧VAVEに対する出力電流IOUTの位相特性を示している。
図6は、PEFC104に水素供給を行って発電をした場合の、出力電流IOUTに対する出力電力WOUTの特性を示す。図6に示すように、水素供給が十分な場合は、出力電流IOUTの増加に伴って出力電力WOUTが増加するが、前述したように出力電流IOUTが増加すると出力電圧VOUTが低下していくので、出力電力WOUTは最大電力W1となった後に減少していく。しかし、水素供給が不十分であると、特性403cに示すように、出力電流IOUTの増加に対して急速な出力電圧の低下が起こるため、電力W1よりも低い電力W2を最大値として、急速に出力電力WOUTが低下する。
図7(a)は、燃料電池1の出力電圧VOUTと出力電力WOUTとの関係を示している。図7(a)において、十分な水素供給の下で燃料電池1の出力電流を増加させると、第3の特性403dに示すように出力電圧VOUTが下がってくるが、出力電力WOUTは最大電力W3で最大値を取る。一方、水素供給が不十分な場合は、第4の特性403eに示すように、出力電圧VOUTの減少に伴って電流が増加しなくなるため、出力電力WOUTは最大電力W1よりも低い電力W4を最大値にして、以降急速に低下する。
また、図7(b)や図7(c)には、燃料電池1の出力電圧VOUTを微小変動させた場合の、出力電力WOUTにおける微小変動の振幅の挙動や、微小変動の位相の挙動を示している。図7(b)は、平均出力電圧VAVEと出力電力WOUTの振幅Aとの関係を示している。図7(c)は、平均出力電圧VAVEと出力電力WOUTの位相Pとの関係を示している。
なお、図6に示した出力電力WOUTの特性曲線は、燃料電池1からの出力電流IOUTが零の場合を基点としており、出力電流IOUTの増加に伴い出力電力WOUTが増加する。また、図7は、出力電流IOUTが零の場合、即ちOCV(Open Circuit Voltage)の電圧が基点となり、出力電圧VOUTの低下に伴って出力電力WOUTが増加する。
図5(a)と図7(a)とを参照して、本発明の構成での望ましい動作点検出方法を説明する。
アルミニウム粉の反応によって水素の供給がされる場合、迅速な供給量の増減制御が困難であるので、供給量に応じた、最適な燃料電池1の発電を行う必要がある。そこで、燃料電池1の出力電圧を低下させた場合に、その出力電流が増加しなくなる点(すなわち、急速に電圧が低下する点)を検出し、その点を供給された水素を全て消費する「第1の動作点」と定義する。図5(a)において、第1の動作点404aにおける出力電圧を、第1の動作点電圧V1とする。
入力電圧設定部201により、燃料電池1の出力電圧を、第1の動作点電圧V1に一致させるように設定して発電させれば、水素発生部101において発生した水素を全て燃料電池1の発電に利用できる。よって、水素の余剰分を排出させる必要がなくなり、効率的な燃料電池システムを構築できる。
なお、このような動作点の検出方法として、燃料電池1の出力電圧を微小に変動させ、その出力電圧に対する出力電流や出力電力の振幅や位相の挙動に基づき動作点を検出する方法(いわゆるウォブリング制御)がある。ウォブリング制御自体は、磁気記録のヘッド制御や、カメラのオートフォーカス制御等に利用されているが、制御対象や制御方法がそれぞれの対象によって異なってくる。本発明では制御対象を燃料電池1の出力電圧にしている。
図5(a)に示すように、時間tの経過に従って、燃料電池1の出力電圧VOUTを波形410aに示すように変動させると、それに対する燃料電池1の出力電流IOUTが波形411aに示すように表れる。このように出力電圧VOUTを変動させながらその平均電圧を下げていくと、波形410bに示す出力電圧VOUTにおいては、出力電流IOUTが波形411bに示すように表れる。波形411bは、波形411aに対して位相は同じであるが、振幅が大幅に低下している。このように、大幅な振幅低下が開始される時の出力電圧が、第1の動作点電圧V1である。
もちろん、第1の動作点電圧V1を検出する際、出力電流IOUTを増加させていき、出力電圧VOUTが急速に低下する時の電圧を検出することで、第1の動作点電圧V1を検出することもできる。
検出された第1の動作点電圧V1で燃料電池1を運転させることにより、供給された水素を全て消費するような効率が良い発電ができる。
なお、出力電流IOUTの波形411aまたは411bの振幅は、図5(b)に示すように平均出力電圧VAVEが第1の動作点電圧V1以上では一定であるが、第1の動作点電圧V1未満になると急速に低下する。一方、出力電流IOUTの波形411aまたは411bの位相は、図5(c)に示すように平均出力電圧VAVEに関係なく、一定であるので、通常のウォブリング制御のように位相まで観測して動作点を検出する必要は無いことはいうまでも無い。
次に、図7(a)を参照して、出力電圧が最大となる第2の動作点電圧の、ウォブリング制御による検出方法について説明する。
図7(a)における特性(実線)は、水素供給が十分である場合の出力電圧VOUTと出力電力WOUTとの関係を示している。出力電力WOUTは、出力電圧VOUTの低下に伴って増加するが、最大電力W3(最大点404fにおける電力)以降は低下していく。この最大電力W3の時の出力電圧を電圧V2とする。
図7(a)において、波形312aで示すように出力電圧VOUTを変動させると、出力電力WOUTは波形413aに示すように変動する。波形312aと波形413aとは逆位相である。変動させている出力電圧VOUTの平均電圧を低下させ、出力電圧VOUTを波形312bに示すように変動させると、出力電力WOUTは波形413bのように変動する。波形413bは、波形312bに対して同位相であるが、振幅は低下している。このような出力電力WOUTにおける位相の逆転は、最大電力である電力W3の時(動作点404f)に現れる。したがって、電力W3を出力させることが可能な第2の動作点電圧V2で燃料電池1を運転させることにより、最大出力電力を得ることができる。
この第2の動作点電圧V2を検出するには、出力電圧を変動させつつその平均値をOCVから低下させていき、出力電力の最小振幅(図7(b)参照)と、位相の逆転(図7(c)参照)とを検出することで、第2の動作点電圧V2を検出することができる。すなわち、図7(c)に示すように、出力電力WOUTの最大点である第2の動作点404f(出力電圧V2)を境に、波形413aと波形413bとは位相が逆転する。したがって、出力電圧VOUTを低下させていき、位相の変化を検出すれば、第2の動作点404fの方向が分かり、最大電力である第2の動作点404fに到達させることができるのである。また、図7(b)に示すように、出力電力の波形の振幅は、第2の動作点404fにおいて最小となる。したがって、出力電力の波形の振幅が最小となるポイントを検出することで、最大電力である第2の動作点404fに到達させることができるのである。
しかし、水素の供給量が足りず、水素供給量が特性403eに示すような場合は、最大電力である第2の動作点404fに到達する前に供給された水素を全て消費する第1の動作点404dが検出される。そこで、燃料電池1の動作点としては、第1の動作点404dの出力電圧(第1の動作点電圧V1)に設定すれば、効率的な発電ができる。この場合、最大電力W3を得るまでには水素供給量に余裕があるので、アルミニウム粉への水の供給を増加することが望ましい。
一方、水素供給が過剰な場合の特性403dに示すような場合は、燃料電池1の出力電圧が、第2の動作点電圧V2より低い電圧に到達して初めて、供給された水素を全て消費する動作点404eを検出することができる。このような場合は、水素供給が過剰であるため、アルミニウム粉への水の供給を減少させることが望ましい。
このように、水の供給制御は、全ての水素を消費する第1の動作点404dと、最大電力が得られる第2の動作点404fの検出を継続しておき、出力電圧VOUTを低下させて、最大電力W3が得られる第2の動作点404fを検出する前に第1の動作点404dを検出した場合は水の供給を増加させ、最大電力W3が得られる第2の動作点404dを検出した場合は水の供給を減少させる制御とすることが望ましい。
しかし、昇圧充電回路2が取り扱える燃料電池1の出力電流の変換許容値や、水素発生の単位時間あたりの目標発生量等から、まずは水の供給量を設定し、その後、第1の動作点の検出等を行う制御とすることが望ましい。
また、第2の動作点404fで最大電力を得る動作点を、燃料電池1の出力の挙動のみから求めたが、燃料電池システムでは水を供給するためのポンプ等のいわゆる補機による電力消費がその電源である二次電池の電圧によって変化したり、或いは、入出力電圧によって昇圧充電回路2の効率が変化し昇圧充電回路2によって消費される電力が変化したりする。従って、燃料電池1の出力電力から、補機の電力や昇圧充電回路2の電力等を減算した総合電力を算出し、その電力が最大となるように第2の動作点404fの検出を行うことが望ましい。
なお、第1の動作点404d、第2の動作点404fの検出方法は、燃料電池1の出力電圧の制御部があれば検出可能であり、昇圧充電に限らないことは言うまでも無い。
しかし、燃料電池のセルを多数個使用する場合、形態的に大きなものとなり、可搬性に支障をきたすため、燃料電池とリチウムイオン電池と昇圧充電回路を有する燃料電池システムが、アルミニウム粉を用いた燃料電池システムとして好適であるとして提案する。
〔制御部を含む構成〕
図4は、図2の燃料電池システムの構成に、制御部を含んだ構成を示している。したがって、図2と同様の構成要素には、同一番号を付与している。
図4において、電流検知部31は、燃料電池1の出力電流を検知する。
動作点検出部202aは、端子203bを介して燃料電池1の出力電圧が入力され、電流検知部31から端子203cを介して燃料電池1の出力電流が入力される。さらに、動作点検出部202aは、基準電源23の電圧を制御することにより、燃料電池1の出力電圧を制御するように構成されている。また、動作点検出部202aは、基準電源23の電圧設定を変更することで生じる燃料電池1の出力電圧と出力電流の変動を検知し、図5で説明した検出方法に基づき、第1の動作点および第2の動作点を検出する。その後、制御部203により検出された動作点に合わせるように、燃料電池1の出力電圧を制御することにより、効率的な発電が可能となる。
なお、動作点検出を行う際に、燃料電池1の出力電圧の制御方法として、例えば基準電源23の代わりにマイコンのD/A出力を与えることにより、マイコンで制御可能となり、また、出力電流と出力電圧はマイコンのA/D入力により検知できる。
このように、電流と電圧を取り込んだ後は、図5で示した動作点検出方法に従い演算することにより、容易に第1の動作点と第2の動作点とを検出できるが、燃料電池の出力電圧の制御や電圧/電流の取り込み方法、および検出のアルゴリズムが判明すれば、その後の動作点検出の具体的な回路構成は当業者にとっては単なる設計事項であるので省略する。
以上のように本実施の形態によれば、低い出力電圧で急速な出力制御の困難な燃料電池1を有する燃料電池システムにおいて、燃料電池1の出力電圧の可変による燃料電池出力電流の挙動から水素供給量に応じて、最適な燃料電池出力電圧を検出できるので、燃料電池1の特性や水素供給量のバラツキや変動が生じていても、効率化が図られた燃料電池システムを実現することができる。
なお、第2の動作点を検出するための位相を求めるには、出力電力を演算により求めてその位相を検出してもよいが、出力電流との位相から求めてよいことはいうまでもない。
以上、動作点の検出と、動作点の設定について述べたが、動作点の検出に際してのウォブリング制御は常に行う必要は無く、状態検出部32からの動作点検出開始信号を待ってから検出を開始してもよい。この場合、状態検出部32は、一定の時間が経過した場合、温度が変化した場合、燃料電池1の出力電力が変化した場合、リチウムイオン電池3の電圧が変化した場合等の変化が生じた場合に、再度動作点を検出し、燃料電池1の発電条件を変更するよう、制御部203を制御する。
また、燃料電池1の定電圧出力制御において、出力電圧を微小変動させるウォブリング制御を行うことにより最適な制御が実現できるが、その微小変動の電圧や周期については燃料電池1の電気2重層容量等からなるインピーダンス特性やセルのスタック方法による出力電圧等から求める必要がある。その為、セル設計等に依存し、それぞれの場合の設計事項によるところであるので、詳細説明は省く。
本発明により、燃料電池の発電効率や水素発生量のバラツキ等が生じても、それに応じた燃料電池の動作点を検出して運転させることにより、効率が良い発電を行うことができるので、小型携帯機器用の燃料電池システムに幅広く利用可能である。
本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成を示すブロック図 燃料電池システムを実現するための回路例を示す回路図 燃料電池システムにおけるダイオードの構成を示す回路図 燃料電池システムにおけるダイオードの構成を示す回路図 燃料電池システムを実現するための構成を示すブロック図 燃料電池システムを実現するための制御方法を説明するための波形図 燃料電池システムを実現するための制御方法を説明するための波形図 燃料電池システムを実現するための制御方法を説明するための波形図
符号の説明
1 燃料電池
101 水素発生部
102 アルミニウム粉
103 水素
104 PEFC
2 昇圧充電回路
201 入力電圧設定部
202 動作点検出部
203 制御部
3 リチウムイオン電池
4 出力端子

Claims (10)

  1. 燃料を化学反応させて発電可能な燃料電池と、
    前記燃料電池の出力電流を増減させて出力電圧を制御する燃料電池制御部とを備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料電池制御部は、
    前記燃料電池の出力電圧を監視し、前記燃料電池において供給されている全ての燃料を消費して発電可能な第1の動作点と、前記燃料電池において最大電力を発生可能な第2の動作点とを検出可能な動作点検出部と、
    前記燃料電池の出力電圧を、前記動作点検出部で検出された前記第1の動作点の電圧または前記第2の動作点の電圧に一致させるよう、前記燃料電池の出力電流を制御可能な電圧設定部とを備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池制御部は、
    前記燃料電池の出力電圧を微小に変動させつつ低下させ、
    前記燃料電池の出力電流の微小な変化が減少する時の、前記燃料電池の平均出力電圧を、前記第1の動作点の電圧として検出する請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池制御部は、
    前記燃料電池の出力電圧を微小に変動させつつ低下させ、
    前記燃料電池の出力電力の微小な変化に対して位相が逆転する時の、前記燃料電池の平均出力電圧を、前記第2の動作点の電圧として検出する請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池は、
    燃料供給部と、
    前記燃料供給部から供給される燃料を消費して発電を行う発電部とを備え、
    前記燃料電池制御部は、
    前記第2の動作点を検出した後に前記第1の動作点を検出した場合、前記燃料供給部による燃料の供給量を減少させるよう制御する制御部を備える請求項2または3記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池は、
    燃料供給部と、
    前記燃料供給部から供給される燃料を消費して発電を行う発電部とを備え、
    前記燃料電池制御部は、
    前記第2の動作点を検出する以前に前記第1の動作点を検出した場合、前記燃料供給部による燃料の供給量を増加させるよう制御する制御部を備える請求項2または3記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池制御部は、
    前記燃料電池の温度変化、時間経過のいずれかの変化を検出する状態検出部を、さらに備え、
    前記状態検出部により前記いずれかの変化が検出された場合は、再度、前記動作点検出部を動作させて新たに第1の動作点または第2の動作点を検出した後、前記新たな第1の動作点または第2の動作点の電圧を前記燃料電池の出力電圧に設定するよう前記電圧設定部を制御する請求項1記載の燃料電池システム。
  7. 燃料を化学反応させて発電可能な燃料電池と、
    充放電可能な二次電池と、
    前記燃料電池で発生された電力を、昇圧して前記二次電池に充電させる昇圧充電回路とを備えた燃料電池システムであって、
    前記昇圧充電回路は、
    前記燃料電池の出力電流の増減により前記燃料電池の出力電圧を第1の設定値に保つように制御する出力電圧制御部と、
    前記燃料電池の出力電流を検出しつつ前記出力電圧制御部の前記第1の設定値を増減させ、前記燃料電池の出力電流が減少を開始する時の電圧を第1の動作点電圧として検出する動作点検出部と、
    前記動作点検出部で前記第1の動作点電圧が検出された後に、前記第1の設定値に前記第1の動作点電圧を設定するよう前記出力電圧制御部を制御する制御部とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  8. 前記二次電池は、リチウムイオン電池で構成されている請求項7記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池の燃料は、アルミニウム粉と水とから発生させた水素で構成されている請求項1または7記載の燃料電池システム。
  10. 前記制御部は、
    前記燃料電池の温度変化、時間経過、前記二次電池の電圧変化のいずれかの変化を検出する状態検出部を備え、
    前記第1の動作点電圧を前記第1の設定値に保持されるように制御するとともに、
    前記状態検出部により前記いずれかの変化が検出された場合は、再度、前記動作点検出部を動作させて新たに第1の動作点電圧を検出した後、前記新たな第1の動作点電圧を前記第1の設定値に設定するよう前記出力電圧制御部を制御する請求項7記載の燃料電池システム。
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