JP2010235391A - 水素の製造方法及び水素の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便で効率よく且つ安定的に水素を発生させ得る水素の製造方法及びその水素の製造装置を提供提供する。
【解決手段】本発明の水素の製造方法は、水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料に、水を供給して水素を製造する水素の製造方法であって、(1)前記水素発生材料に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、(2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、(3)前記工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量を検出し、前記水素発生量に相当する水消費量を算出し、前記水の供給を停止した後に、前記水素発生材料に、前記水消費量と同量の水を供給する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の水素の製造方法は、水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料に、水を供給して水素を製造する水素の製造方法であって、(1)前記水素発生材料に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、(2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、(3)前記工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量を検出し、前記水素発生量に相当する水消費量を算出し、前記水の供給を停止した後に、前記水素発生材料に、前記水消費量と同量の水を供給する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、水素発生材料と水とを反応させて水素を発生させる水素の製造方法、及びその水素の製造方法を用いる水素の製造装置に関する。
近年、パーソナルコンピューター、携帯電話等のコードレス機器の普及に伴い、その電源である電池は、ますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図り得る二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源としての需要が増大している。しかし、このリチウムイオン二次電池は出力容量に限界があり、使用されるコードレス機器の種類によっては十分な連続使用時間を保証することができないという問題がある。
このような問題の解決に向けて、例えば固体高分子型燃料電池等の燃料電池の開発が進められている。燃料電池は、燃料及び酸素の供給を行えば連続的に使用することが可能である。例えば、高分子電解質膜型燃料電池(PEMFC:Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)は、電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料(水素、メタノール等)を用いるものであり、リチウムイオン二次電池よりも高エネルギー密度化が期待できる電池として注目されている。このPEMFCで使用する燃料に関してはいくつかの候補が挙げられているが、現在のところ候補となっている燃料はそれぞれ問題点を有している。
PEMFCの燃料として水素を用いる場合には、水素を高圧タンクあるいは水素吸蔵合金タンクに蓄えて供給する方法が一部で実用化されているが、このような水素タンクを設けることは、燃料電池としての体積及び重量が大きくなりエネルギー密度が低下するため、ポータブル電源用途には適さない。また、炭化水素系燃料を改質して水素を取り出す方法も提案されているが、改質装置が必要となり改質装置への熱の供給及び断熱などの問題があるため、やはりポータブル電源用途には不適である。
一方、PEMFCの燃料としてメタノールを用い、直接電極でメタノールを燃料として反応させる直接メタノール型燃料電池の場合には、小型化が容易であることから将来のポータブル電源として期待されているが、負極のメタノールが固体電解質を透過して正極に達するクロスオーバーが生じ、電圧の低下やエネルギー密度の減少が生じるという問題がある。
このような状況において、固体高分子型燃料電池の燃料源である水素を製造する方法として、水と、例えばアルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛等の金属材料とを、100℃以下の低温で化学反応させて水素を発生させる方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。
しかし、特許文献1に記載された方法によれば、酸化カルシウムをアルミニウムとの総量において15重量%以上添加しなければ、水素を発生させることができないばかりか、反応時間とともに水素発生速度が大きく変動し、水素発生反応の効率や安定性の点で十分ではない。また、特許文献2に記載された方法では、水素発生反応を効率的に進行させるためには多量の添加剤を必要とし、効率的且つ安定的に水素を製造する方法を提供できるものではない。
また、特許文献3に記載された方法は、水素発生剤を用いて、従来のアルミニウム粉末に比べて水素発生開始までの時間を短くするというものであるが、水素発生剤は空気中に曝されると即座にその表面に酸化皮膜を形成するため、水素発生開始までの実際の時間は従来のアルミニウム粉末と比べてそれほど早くならないと考えられ、迅速且つ安定的に水素を製造する方法としては不十分である。
そこで、本発明者らは、上記した特許文献1〜3に記載の方法が抱える問題点を回避すべく検討を重ね、水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含んだ水素発生材料を収容した容器の内部に水を供給して、水と水素発生材料とを容器内で反応させることによって水素を発生させる水素製造方法として、水の供給量を制御することにより、容器の内部温度を発熱反応が維持できる温度に保持して、水素発生速度の変動を抑制する技術を開発した(特許文献4参照)。
この方法によれば、一旦水素の発生が開始すれば、その後は一定の供給速度で容器に水を供給し続けることで、水素発生反応を安定的に維持することができ、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造することができる。
しかし、特許文献4に開示の技術において、より効率的に且つ安定的に水素を発生させる上で、上記発熱反応の開始段階における水の供給量の制御方法について、未だ改良の余地があることが分った。
また、コードレス機器等の実際の使用場面を想定すると、ユーザーが当該機器を連続的に使用する場合に限らず、当該機器の動作及び停止を繰り返す間欠的な使用を行う場合も考えられる。従って、PEMFCの燃料として水素を用いる場合の水素を製造する方法としても、一旦水素の製造を開始すれば、その後は安定に水素が発生する状態を維持するように水素を連続的に発生させる方法に加えて、任意のタイミングで水素の発生を停止させ、且つ任意のタイミングで再び水素の発生を開始させ、その後再び安定に水素が発生する状態を維持するというように水素を間欠的に発生させる方法が求められる。そのため、水を水素発生材料と反応させて水素を製造する方法においては、水素発生材料と水との反応状態に関わらず、素早く、効率よく且つ安定的に水素を製造する観点からは、特許文献4に開示の技術においても、未だ改良の余地がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、簡便で効率よく且つ安定的に水素の製造を開始できる水素の製造方法、特に、水と水素発生材料との反応によって水素を発生させるにあたって、水素発生材料の状態に関わらずに円滑な水素の製造を開始できる水素の製造方法及びその水素の製造装置を提供するものである。
本発明の水素の製造方法は、水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料に、水を供給して水素を製造する水素の製造方法であって、(1)前記水素発生材料に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、(2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、(3)前記工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量を検出し、前記水素発生量に相当する水消費量を算出し、前記水の供給を停止した後に、前記水素発生材料に、前記水消費量と同量の水を供給する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の水素の製造装置は、水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料を収容可能な容器を備え、上記本発明の水素の製造方法を用いることを特徴とする。
本発明によれば、簡便で効率よく且つ安定的に水素を発生させ得る水素の製造方法及びその水素の製造装置を提供できる。特に、水と水素発生材料との反応によって水素を発生させるにあたって、水素発生材料の状態に関わらずに円滑な水素の製造を開始できることができ、コードレス機器等の間欠的な使用に適した水素の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
先ず、本発明の水素の製造方法の実施形態を説明する。本発明の水素の製造方法は、水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料に、水を供給して水素を製造する水素の製造方法であって、
(1)前記水素発生材料に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、
(2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、
(3)前記工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量を検出し、前記水素発生量に相当する水消費量を算出し、前記水の供給を停止した後に、前記水素発生材料に、前記水消費量と同量の水を供給する工程と、
を含むことを特徴とする。
先ず、本発明の水素の製造方法の実施形態を説明する。本発明の水素の製造方法は、水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料に、水を供給して水素を製造する水素の製造方法であって、
(1)前記水素発生材料に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、
(2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、
(3)前記工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量を検出し、前記水素発生量に相当する水消費量を算出し、前記水の供給を停止した後に、前記水素発生材料に、前記水消費量と同量の水を供給する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明者らが、鋭意検討を重ねた結果、上記発熱反応の開始段階において、水を供給する方法の相違で、水素が発生するまでの時間に差が生じることが判明した。具体的には、発熱反応の開始段階において、上記工程(1)及び(2)に対して、上記工程(2)を経由せずに水を連続的に供給する場合に比べて、上記工程(2)を経由して間欠的に供給する場合の方が、水素が発生するまでの時間をより短くし得ることを見出し、本発明を完成するに至った。これは、水素が発生するまでの時間が、水素発生材料に供給する水の供給量に大きく影響を及ぼしているためであると考えられる。
また、上記発熱反応が開始した後の段階においても、水を供給する方法の相違で、水素発生材料と水との反応が安定して生じる定常状態に至るまでの時間に対しても差が生じることが判明した。具体的には、上記工程(3)を経由しない場合に比べて、上記工程(3)を経由する場合の方が、定常状態での水素発生に至るまでの時間を短縮し、より円滑に定常状態に移行させ得ることを見出した。即ち、水素発生材料に供給した水量、及び水素発生量から算出された消費された水量から、水素発生材料内部に貯留している水量を管理することにより、水素を迅速に発生させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。これは、水素発生の開始以後における定常状態への移行のし易さが、定常状態への移行までに水素発生材料に供給した水供給量Aのうち、定常状態への移行までに水素発生反応に消費した水量Bを差分した水量(A−B)に大きく影響されるためであると考えられる。
即ち、上記金属材料を含む水素発生材料から水素を発生させる際、水素発生材料に供給した水の供給量によっては、水素が発生するまでの時間をより短くし得たとしても、定常状態への移行が円滑に進行しないといった不都合が生じることがあった。そこで、水素の発生が検出された以降に、再び水の供給量を制御して水の供給を行ったところ(上記工程(3)に該当する。)、より円滑に定常状態に移行させ得ることができた。ここで、上記工程(3)における水の供給量であるが、水の供給量が過多となれば、反応温度が低下して反応速度が低下する場合がある。また、水の供給量が過少となれば、上記の効果を得にくい場合がある。そこで、上記工程(3)における水の供給量は、上記工程(1)で供給した水の供給量のうち、水素発生反応に消費された水の消費量分の水を制御して水素発生材料に供給することにより、定常状態での水素発生に至るまでの時間を短縮し、より円滑に定常状態に移行させ得ることを可能としている。
ここで、本明細書でいう「定常状態」とは、水素発生速度が最大値に達した後に、水素発生速度がほぼ一定となった状態をいう。この定常状態になれば、水素発生材料に定常供給速度で水を供給し続けることで、水素発生材料と水との反応が制御されて安定した水素製造を行うことができる。
また、上記「定常供給速度」とは、水素発生材料との反応によって安定して所定の発生速度での水素発生を行うことができる、単位時間当たりの水の供給量を意味する。従って、定常供給速度で水を供給するとは、連続的に常に一定の供給速度(供給流量)で水を供給する場合に限られるものではなく、水の供給速度が所定の値を中央値として一定範囲で変化する場合や、水の供給速度がパルス状に変化する場合、即ち、水の供給を断続的に行う場合をも含む概念である。ここで、水と水素発生材料との発熱反応によって水素を発生させる場合には、その反応速度から考えて、水の供給速度を把握する単位時間を分単位とすることが相当である。特に、水素の発生状態が、定常状態もしくはそれに近い状態となっている場合には、既に一定量の水が供給されて水素発生材料との発熱反応が生じている場合であるから、微視的に見た水の供給速度(供給流量)には一定の裕度がある。従って、例えば、所定の供給速度Vで水を6秒間供給した後、水の供給を停止し、54秒間待機するといった1分間のサイクルによって水を断続的に供給する場合と、供給速度V/10で連続して水を供給する場合とは、いずれも同じ定常供給速度として把握することができる。この時、いずれの場合においても、同等の水素発生速度で安定した水素製造を行うことができる。
水素発生材料に水を供給して水素を発生させた後に、水素発生材料への水の供給を停止して、一旦水素の発生を停止させ、その後、再び水素の発生を開始させるような間欠的な水素発生に対しても、水を供給する度に、上記工程(1)から(3)を実施して水の制御を行うことにより、簡便で効率よく且つ安定的に水素を発生させることができることも分った。即ち、上記工程(1)を開始する段階における上記水素発生材料は、一部が水と反応し、且つ水素発生が停止している状態であってもよい。
ここで、本明細書でいう「水素発生が停止している状態」とは、1時間当たりの水素発生量が、5ml以下である状態が少なくとも1時間以上持続することを意味している。
上記工程(3)における水素発生量の検出は、例えば、マスフローメータ等の流量計を使用して行うことができる。即ち、上記工程(1)が開始された段階から流量計で算出される積算水素発生量を、上記工程(3)の水素発生量として検出することができる。
上記工程(3)における水消費量の算出は、例えば、マイコン等のプログラミング可能な制御装置を使用して行うことができる。
上記工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量が、水素発生量閾値以上になった場合に、上記水消費量と同量の水を供給することが好ましい。このようにすることで、より円滑に定常状態に移行することができる。上記水素発生量閾値は、水素発生材料の重量、水素発生材料の温度、環境温度、あるいは水素発生材料の反応状態等の反応条件に基づき決定することができる。
以下、本発明の水素の製造方法を説明するにあたり、先ず、本発明における水素発生材料に含まれる金属材料と水との発熱反応による水素発生について説明する。
本発明の水素の製造方法に使用される金属材料は、水と反応して水素を発生させる材料であれば特に限定されないが、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの元素を主体とする合金からなる群から選択される少なくとも1種の金属材料が好適に使用できる。上記合金を用いる場合には、主体となる元素以外の金属成分は特に限定されない。また、主体とは、当該元素が合金全体に対して80重量%以上、より好ましくは、90重量%以上含有されていることをいう。上記金属材料は、常温では水と反応しにくいが、加熱することにより水との発熱反応が容易となる材料である。ここで「常温」とは、20〜30℃の範囲の温度である。
このような金属材料は、少なくとも常温以上に加温された状態において、水と反応して水素を発生させることができる。しかし、表面に安定な酸化皮膜が形成されるため、低温下、あるいは、板状、ブロック状等のバルクの形状では、水素を発生しないか、又は水素を発生し難い材料である。一方、酸化皮膜の存在により、空気中での取り扱いは容易である。
例えば、上記金属材料の1つであるアルミニウムと水との反応は、下記式(1)〜(3)のいずれかによって進行していると考えられる。下記式(1)による発熱量は、419kJ/molである。
2Al+6H2O→Al2O3・3H2O+3H2 (1)
2Al+4H2O→Al2O3・H2O+3H2 (2)
2Al+3H2O→Al2O3+3H2 (3)
2Al+4H2O→Al2O3・H2O+3H2 (2)
2Al+3H2O→Al2O3+3H2 (3)
また、上記金属材料は、その平均粒径によって特に限定されないが、その平均粒径が0.1μm以上100μm以下とすることが好ましく、0.1μm以上50μm以下がより好ましい。上述のように上記金属材料は、一般に、表面に安定な酸化皮膜が形成されている。そのため、板状、ブロック状及び粒径1mm以上のバルク状等の金属材料は、加熱しても水との反応が進行せず、実質的に水素を発生させない場合もある。しかし、金属材料の平均粒径を100μm以下とすると、酸化皮膜による水との反応抑制作用が減少し、常温では水と反応しにくいものの、加熱すれば水との反応性が高まり、水素発生反応が持続するようになる。また、金属材料の平均粒径を50μm以下とすると、40℃程度の穏和な条件でも水と反応して水素を発生させることができる。
上記金属材料の平均粒径が50μmを超える場合であっても、金属材料が鱗片状であり、且つその厚みが5μm以下である場合には、水との反応性を高めて、より効率よく水素を生じさせることができ、特に金属材料の厚みが3μm以下の場合には、反応効率をより一層向上させることができる。
一方、上記金属材料の平均粒径を0.1μm未満としたり、鱗片状の金属材料の厚みを0.1μm未満とすると、発火性が高くなって取り扱いが困難となったり、金属材料の充填密度が低下してエネルギー密度が低下しやすくなったりする。このような理由から、金属材料の平均粒径は、0.1μm以上とすることが好ましく、また、金属材料が鱗片状の場合には、その厚みは0.1μm以上であることが好ましい。
上記平均粒径は、体積基準の積算分率50%における粒子直径の値であるD50を意味する。平均粒径の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱法等を用いることができる。より具体的には、水等の液相に分散させた測定対象物質にレーザー光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用して粒子径分布を測定することができる。レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装株式会社製の“マイクロトラックHRA”(製品名)等を用いることができる。
また、上記鱗片状の金属材料の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することができる。
さらに、上記金属材料の形状も特に限定されないが、例えば、略球状(真球状を含む。)やラグビーボール状の他、前述の通り、鱗片状のものなどが挙げられる。略球状やラグビーボール状等の場合には上記した平均粒径を満足するものが好ましく、鱗片状の場合には上記した厚みを満足するものが好ましい。また、鱗片状の金属材料の場合には、上記した平均粒径も満足していることがより好ましい。
また、上記金属材料に、親水性酸化物、炭素及び吸水性高分子からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質(以下、添加剤という。)を添加すれば、金属材料と水との反応を促進させることができるので好ましい。上記親水性酸化物としては、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ゼオライト、酸化亜鉛等が使用できる。
さらに、本発明の水素の製造方法において、水と金属材料との発熱反応を容易に開始させるために、使用される水素発生材料として、上記金属材料以外の材料であって水と反応して発熱する発熱材料を含むことが好ましい。
上記発熱材料としては、水と発熱反応して水酸化物や水和物となる材料、水と発熱反応して水素を生成する材料等を用いることができる。このような発熱材料のうち、水と反応して水酸化物や水和物となる材料としては、例えば、アルカリ金属の酸化物(例えば、酸化リチウム等。)、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等。)、アルカリ土類金属の塩化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等。)、アルカリ土類金属の硫酸化合物(例えば、硫酸カルシウム等。)等を用いることができる。上記水と反応して水素を生成する材料としては、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム等。)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化リチウム等。)等を用いることができる。これらの材料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記発熱材料が塩基性材料であれば、水素発生反応に用いられる水に溶解して、高濃度のアルカリ水溶液を形成するので、金属材料の表面に形成された酸化皮膜を溶解させ、水との反応性を大きくすることができるので好ましい。この酸化皮膜を溶解する反応は、金属材料と水との反応の起点となることもある。特に、発熱材料がアルカリ土類金属の酸化物であれば、塩基性材料であり且つ取り扱いが容易であるのでより好ましい。
上記発熱材料としては、水以外の物質と常温で発熱反応を生じる材料、例えば、鉄粉のように酸素と反応して発熱する材料も知られている。しかし、水素発生材料が、上記酸素と反応する材料と上記水素発生源となる金属材料とを含む場合、反応のために必要とされる酸素は、同時に、金属材料から発生する水素の純度を低下させたり、金属材料を酸化させて水素発生量を低下させたりする等の問題を生じることがある。このため、本発明における発熱材料としては、前述のとおり、水と反応して発熱するアルカリ土類金属の酸化物等を用いるのが好ましい。また、同様の理由から、水素発生材料に含まれる発熱材料は、反応時に水素以外の気体を生成しないものが好ましい。
上記水素発生材料全体中における上記金属材料の含有率は、より多くの水素を発生させる観点から、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上であり、また、発熱材料の併用による効果をより確実にする観点から、好ましくは99重量%以下、より好ましくは97重量%以下である。また、水素発生材料全体中における発熱材料の含有率は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上であって、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
上記発熱材料を含有する水素発生材料は、上記金属材料と上記発熱材料とを混合することにより得ることができる。金属材料と発熱材料との混合の際には、金属材料のみが1mm以上の凝集体にならないようにすることが好ましい。例えば、金属材料と発熱材料とを撹拌混合することにより、金属材料が凝集するのを抑制しつつ、水素発生材料を作製することができる。また、金属材料の表面に発熱材料をコーティングして複合化し、水素発生材料としてもよい。
次に、本発明の水素の製造方法をより詳細に説明する。
上記工程(1)における水の供給量は、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率又は上記水素発生材料の温度を検出して決定されることが好ましい。これは、水素発生材料から水素発生を開始させるための水の供給量が、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率及び上記水素発生材料の温度に依存するためである。即ち、金属材料の反応状態あるいは水素発生材料の温度状態の違いによって、水素発生を開始させるための水の必要量が異なるためである。例えば、上記工程(1)を開始する段階において、上記金属材料の反応率の増加に伴い、あるいは、上記水素発生材料の温度の低下に伴い、水素発生を開始させるための水の必要量がより多くなることが分かった。そのため、上記金属材料の反応率又は上記水素発生材料の温度の検出をもとに決定される水の量を供給することが好ましい。また、その水の供給は、瞬時に一括供給するか、あるいは、より速い供給速度で供給することが好ましい。これは、水を一括供給しない場合、又は水の供給速度が遅い場合には、水素発生を開始させることが困難となる傾向があるからである。
上記工程(1)における水の供給量は、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率又は上記水素発生材料の温度を検出して決定されることが好ましい。これは、水素発生材料から水素発生を開始させるための水の供給量が、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率及び上記水素発生材料の温度に依存するためである。即ち、金属材料の反応状態あるいは水素発生材料の温度状態の違いによって、水素発生を開始させるための水の必要量が異なるためである。例えば、上記工程(1)を開始する段階において、上記金属材料の反応率の増加に伴い、あるいは、上記水素発生材料の温度の低下に伴い、水素発生を開始させるための水の必要量がより多くなることが分かった。そのため、上記金属材料の反応率又は上記水素発生材料の温度の検出をもとに決定される水の量を供給することが好ましい。また、その水の供給は、瞬時に一括供給するか、あるいは、より速い供給速度で供給することが好ましい。これは、水を一括供給しない場合、又は水の供給速度が遅い場合には、水素発生を開始させることが困難となる傾向があるからである。
ここで、本明細書でいう「反応率」は、金属材料が全て反応したと仮定したときの理論水素発生量(例えば、アルミニウムの場合は、1gあたりの理論水素発生量は、25℃換算で約1360mlとなる。)に対する、実際に得られる水素発生量の比率を意味している。従って、反応率が0%とは、まだ水と全く反応していない状態を意味する。
上述した一部が水と反応し、且つ水素発生が停止している状態である水素発生材料と水との反応は、水素を発生させる反応であれば、反応機構等によって特に限定されるものではないが、この反応の一例を用いて、上記工程(1)における水の供給量が、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率又は上記水素発生材料の温度を検出して決定されることが好ましい理由をより詳しく説明する。
後述する容器に収容された金属材料を含む水素発生材料は、その容器内に水を供給するための供給口付近に存在する水素発生材料から、先ず優先的に反応が進行すると考えられる。その際、上記供給口付近に存在する水素発生材料に含有される金属材料と水との反応により、水素が発生すると共に水和物を生成する。この水和物は難水溶性であるので、そのまま金属材料の粒子表面に留まり、酸化皮膜が厚くなる。それに伴い、上記供給口付近に存在する水素発生材料に含有される金属材料の粒子内部まで水が浸透しにくくなる。そのため、水素発生材料の一部が水と反応し、且つ水素発生が停止している状態において、再度、水素発生反応が進行する水素発生材料に含有される金属材料は、上記供給口付近に存在する酸化皮膜の厚い金属材料、あるいは上記供給口付近以外に存在する未反応の金属材料のいずれかであると推察される。そして、上記供給口から供給される水は、先ず酸化皮膜の厚い金属材料と接触する。そして、水の供給量の増加により、未反応の金属材料と水とが接触できる。高温下では、水と金属材料との反応が生じやすくなるため、酸化皮膜の厚い金属材料と水とが反応を開始し、水素が発生すると考えられる。一方、低温下では、酸化皮膜の薄い未反応の金属材料と水とが反応を開始し、水素が発生すると考えられる。そのため、前述の水を供給する工程を実施する段階において、上記水素発生材料の温度の増加に伴い、再度、水素発生反応を進行させるために要する水の必要量が減少し、一方、上記水を供給する工程を実施する段階において、上記金属材料の反応率の増加に伴い、再度、水素発生反応を進行させるために要する水の必要量が増加すると考えられる。従って、上記工程(1)における水の供給量が、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率又は上記水素発生材料の温度を検出して決定されることが好ましいことが分かる。
上記金属材料の反応率は、未反応の水素発生材料を最初に水と反応させて水素を発生させた時からのトータルの水素発生量(積算水素発生量)から算出できる。例えば、前述の流量計で検出される積算水素発生量から金属材料の反応率を算出できる。
上記水素発生材料の温度の検出は、水素発生材料が内部に納められ、水素発生材料と水との反応を行わせる容器の温度を、熱電対やサーミスタ等の既知の温度検出装置を用いて行うことができる。この場合、容器が金属等の熱伝導性の高い物質でできている場合には、容器の温度と水素発生材料の温度とが同じであると見なすことができる。しかし、例えば樹脂製の容器の場合など、容器の温度と収納されている水素発生材料の温度とが異なる場合には、あらかじめ容器の熱伝導度を求めておいて、容器の温度と水素発生材料の温度との相関関係を把握することが必要となる。もちろん、直接水素発生材料の温度が検出できる場合には、このような問題は生じない。また、温度検出装置も上記熱電対やサーミスタに限定されない。
また、上記工程(1)〜(3)において、上記水素発生材料の活性状態を確認し、上記水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断された場合に、上記水素発生材料に定常供給速度で水を供給して、定常状態での水素製造を開始することが好ましい。これにより、水と水素発生材料との発熱反応を安定して継続でき、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造できる。
具体的には、上記工程(1)〜(3)において、上記水素発生材料の温度を検出し、その温度が温度閾値以上になった場合に、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断し、水素発生材料に定常供給速度で水を供給して、定常状態での水素の製造を開始することができる。本発明の水素の製造方法において、水素は、水素発生材料と水との発熱反応によって生成されるため、水素発生材料の活性状態を把握する指標として、水素発生材料の温度に基づくことは合理的である。
上記温度閾値は、40℃であることが好ましい。水素発生材料に定常供給速度で水を供給し続けたときに、水素発生材料と水との発熱反応が維持できる温度は、通常は40℃以上だからである。また、上記温度閾値は、45℃であることがより好ましい。より厳密に水素発生反応の温度管理を行い、安定した水素製造を維持する温度は、45℃以上だからである。
一方で、一旦発熱反応が開始して水素が発生すると、水素発生材料と水との反応を行わせる容器の内圧が上昇して水の沸点が上昇することもあり、容器内の温度は最大で120℃に達することもある。しかし、水素の発生速度を制御して、安定した定常状態での水素製造を行うという観点からは、水素発生材料の温度が100℃を超えてしまうのは好ましくない。これらの観点を踏まえて、上記水素発生材料の温度が、40℃以上90℃以下である場合に、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断することが好ましい。また、より厳密に水素発生反応の温度管理を行い、安定した水素製造を維持するという観点からは、45℃以上70℃以下である場合に、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断することが好ましい。
また、上記工程(1)において、水素発生材料に水を供給する前の水素発生材料の温度Aを検出し、上記工程(1)〜(3)において、水素発生材料に水を供給した後の水素発生材料の温度Bを検出し、温度Aと温度Bとの温度差が、温度差閾値以上になった場合に、水素発生材料に定常供給速度で水を供給して、定常状態での水素の製造を開始することができる。本発明の水素の製造方法において、水素は、水素発生材料と水との発熱反応によって生成されるため、水素発生材料の活性状態を把握する指標として、水素発生材料の温度差に基づくことは合理的である。
上記温度差閾値は、20℃であることが好ましい。通常、上記温度Aは、常温(20〜30℃)と考えられるため、温度差閾値が20℃であれば、上記温度Bは40℃以上となり、水素発生材料と水との発熱反応が維持できる温度となるからである。
また、上記工程(1)〜(3)において、水素発生材料及び水の少なくとも一方を加熱することが好ましい。これにより、水素発生材料と水との発熱反応を容易に開始させることができるようになり、定常状態での水素発生をより早期に開始できるようになる。
水素発生材料及び水の少なくとも一方を加熱する温度としては、例えば、40℃以上90℃未満であって、且つ、それぞれの工程において水素発生材料の活性化状態の検出を水素発生材料の温度で行っている場合には、前述の温度閾値よりも低い温度とすることが好ましい。水素発生材料と水との発熱反応が維持できる温度は、前述のとおり通常は40℃以上であり、一旦発熱反応が開始して水素が発生すると、水素発生材料と水との反応を行わせる容器の内圧が上昇して水の沸点が上昇することもあり、容器内の温度は最大で120℃に達することもあるが、水素発生速度の制御の点から上記温度範囲において加熱することが好ましい。
この水素発生材料や水を加熱する方法としては、例えば抵抗体に通電することによる発熱を利用する方法を採用することができる。より具体的には、水素発生材料と水とを反応させる容器の外部に抵抗体を取り付けて通電して発熱させ、容器を外部から加熱することにより、容器内部の水素発生材料や水を加熱することができる。抵抗体の種類については特に限定されず、例えば、ニクロム線、白金線等の金属発熱体、炭化ケイ素、PTCサーミスタ等が使用できる。
また、上記加熱は、発熱材料の化学反応による発熱により行うこともできる。具体的には、発熱材料を容器の外部に配置して発熱させ、その熱で容器全体を加熱することができる。この発熱材料としては、前述の金属材料以外の材料であって水と反応して発熱する発熱材料を用いることができる。
さらに、上記加熱は、水以外の物質と発熱反応する材料、例えば、鉄粉のように酸素と発熱反応する材料による発熱をにより行うこともできる。この場合には、発熱反応のために酸素を導入しなければならいため、上記のように容器の外部に配置して使用されることとなる。
次に、本発明の水素の製造方法の一例を図1〜4に示す一連のフローチャートを参照して説明する。
図1において、先ず、本発明の水素の製造方法が開始されるよう要求される(ステップS101)。次に、水素発生材料に含まれる金属材料の反応率Y及び上記水素発生材料が収容されている容器の温度Tを検出する(ステップS102、ステップS103)。これらの検出結果から、水供給量Aを決定する(ステップS104)。具体的には、例えば、予想される上記容器の温度にわたって、金属材料の反応率と水供給量Aとの関係を表す関数Fを求めておき、上記関数Fを参照することによって、水供給量Aを決定する。その一例として図5に容器の温度が25℃の場合における金属材料の反応率と水供給量Aとの関係を表す関数Fのグラフを示す。図5では、各反応率の金属材料に水供給量を変化させて水を供給し、最適な水素発生速度(具体的には、最大水素発生速度が1500ml/分を超えない水素発生速度)が得られる水供給量を水供給量Aとしてプロットした。
次に、ステップS104で決定された水供給量Aから、水供給速度V1ml/分で水供給量Aを全て供給するのに必要な水供給時間t1を決定してタイマーt1として設定する(ステップS105)。ステップS105が終了すると、次に水素発生段階に移行する。
水素発生段階では、図2に示すように、上記容器の温度T及び水素発生材料から発生した水素発生量Xの検出を開始する(ステップS201、ステップS202)。
その後、上記容器の内部に、水供給速度V1ml/分で水の供給を開始する(ステップS203)と同時に、タイマーt1の作動を開始する(ステップS204)。そして、タイマーt1が作動している間に検出した上記容器の温度Tが温度閾値T1以上であるか否かを判定する(ステップS205)。ステップS205において、上記容器の温度Tが温度閾値T1以上である場合に、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断する。このように、ステップS205で、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断された場合には、定常状態での水素製造が開始される。
ここで、定常状態での水素製造を早期に開始するという観点から、タイマーt1が作動している水供給時間t1が終了する以前であっても、上記容器の温度T(以下、水素発生材料の温度Tともいう。)が温度閾値T1以上となった段階で、定常状態での水素製造に進むことが好ましい。即ち、ステップS203で開始した水供給速度V1に代えて、定常状態での水の供給速度である定常供給速度での水の供給を開始することが好ましい。これにより、早期に簡便で効率よく且つ安定的に水素を発生させることができる。
一方、ステップS205において、タイマーt1が水供給時間t1をカウントする間に、水素発生材料の温度Tが温度閾値T1以上とならない場合には、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上ではないと判断し、水供給時間t1が経過後、直ちに次のステップとして、水の供給が停止される(ステップS206)。
上記ステップS206と同時にステップS207として、タイマーt2が作動を開始する。このタイマーt2は、水素発生材料への水の供給を停止してから再び水素発生材料と水との発熱反応が開始するまでの待機時間t2をカウントするためのものである。
そして、ステップS208において、タイマーt2が作動している待機時間t2の間における水素発生材料の活性状態が、一定レベル以上であるか否かを確認する。具体的には、水素発生材料の温度Tを検出して、タイマーt2が作動している待機時間t2の間に、その温度Tが温度閾値T1以上となった場合に、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断する。このように、ステップS208で、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断された場合には、定常状態での水素製造が開始される。
上記ステップS205と同様に、定常状態での水素製造を早期に開始するという観点から、タイマーt2が作動している待機時間t2が終了する以前であっても、水素発生材料の温度Tが温度閾値T1以上となった段階で、定常状態での水素製造に進むことが好ましい。即ち、水の供給を停止している待機時間t2を終了して、定常状態での水の供給速度である定常供給速度での水の供給を開始することが好ましい。
一方、ステップS208において、タイマーt2が待機時間t2をカウントする間に、水素発生材料の温度Tが温度閾値T1以上とならない場合には、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上ではないと判断し、水素発生材料が安定した水素の製造に使用できるレベルの活性状態には至らないもの、即ち、水素発生材料がさらなる水素発生のための反応を開始する余地がなくなってしまっていると判断される。
この場合、水素発生材料が使用できないことをユーザーに知らせるために、ステップS209で、警告表示の点灯が行われる。例えば、LEDランプを設置しこれを点灯することにより、ユーザーへの警告表示とすることができる。水素発生材料中の金属材料が水と反応して水素を発生する能力は有限である。水の供給速度や環境温度等にも左右されるが、例えば反応率が60%を超えた場合には、水素発生材料に水を供給しても、もはや安定した定常状態での水素発生が困難となることがある。このような場合に、警告表示を点灯することによって、その旨をユーザーに確実に報知することができ、水素発生材料を追加又は交換するなどのユーザーが適切な対応を行うように促すことができる。但し、このステップS209での警告表示は、本発明の水素の製造方法において、必須のものではない。
以上、ステップS201〜S205が本発明の工程(1)、ステップS206〜S208が本発明の工程(2)に該当する。
さらに、本発明の工程(2)において水の供給を停止した後に、図3におけるステップS301〜S308を併行して実施する。ステップS301〜308が本発明の工程(3)に該当する。
具体的には、先ず、本発明の工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量Xが、水素発生量閾値X1以上であるか否かを判別する(ステップS301)。このとき、水素発生量Xが水素発生量閾値X1以上となった場合、水素発生量X1に相当する水消費量Z、即ち、水素発生量X1を得るのに消費された水消費量Zを算出する(ステップS303)。その際、一旦水素発生量Xをリセットする(ステップ302)。
ここで、定常状態での水素製造を早期に開始するという観点から、ステップS301により水素発生量Xが水素発生量閾値X1未満であっても、水素発生材料の温度Tが温度閾値T1以上となった段階で、定常状態での水素製造に進むことが好ましい(図2:ステップS208)。即ち、水の供給の停止状態に代えて、定常状態での水の供給速度である定常供給速度での水の供給を開始することが好ましい。
そして、ステップS303で算出した水消費量Zから、水供給速度V2ml/分で水消費量Zと同量の水を全て供給するのに必要な水供給時間t3を決定してタイマーt3を設定する(ステップS304)。
その後、上記容器の内部に、水供給速度V2ml/分で水の供給を開始する(ステップS305)と同時に、タイマーt3の作動を開始する(ステップS306)。そして、タイマーt3が作動している間に検出した上記容器の温度Tが温度閾値T1以上であるか否かを判定する(ステップS307)。
ステップS307において、上記容器の温度Tが温度閾値T1以上である場合に、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断する。このように、ステップS307で、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上であると判断された場合には、定常状態での水素製造が開始される。
一方、ステップS307において、タイマーt3が水供給時間t3をカウントする間に、水素発生材料の温度Tが温度閾値T1以上とならない場合には、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上ではないと判断され、水供給時間t3が経過後、直ちに次のステップとして、水供給が停止される(ステップS308)。続いて、ステップS302によって水素発生量がリセットされた段階から発生した水素発生量Xが、再度水素発生量閾値X1以上であるか否かを判別する(ステップS301)。その後、上記ステップS301〜S308をタイマーt2が作動している間、繰り返す。
ここで、定常状態での水素製造を早期に開始するという観点から、タイマーt3が作動している水供給時間t3が終了する以前であっても、水素発生材料の温度Tが温度閾値T1以上となった段階で、定常状態での水素製造に進むことが好ましい。即ち、ステップS305で開始した水供給速度V2に代えて、定常状態での水の供給速度である定常供給速度での水の供給を開始することが好ましい。これにより、早期に簡便で効率よく且つ安定的に水素を発生させることができる。
図4は、定常状態での水素製造を示すフローチャートである。図4に示すように、図2及び図3において、水素発生材料の活性状態が一定レベル以上と判断されて、それぞれ定常状態段階に進んだ場合には、直ちに次のステップS401で、水素発生材料に所定の定常供給速度で水が供給される。この場合には、水素発生材料が一定レベル以上の活性状態となっているため、水素発生材料の温度Tは温度閾値T1以上となっており、また、水素発生材料から所定量の水素が発生している状態である。
このため、定常供給速度で水を供給することで、水素発生材料と水との発熱反応を過不足なく生じさせることができ、水素発生材料を水との反応で水素を発生するのに好適な温度に保ちながら、一定の速度で安定して水素を発生し続ける定常状態(ステップS402)を開始することができる。この定常状態の水素製造は、水素製造を停止する指示が入力され、水素発生材料への水の供給が停止されるまで継続される。
また、定常供給速度については前述したように、本発明における水素発生材料への水の供給速度を把握する上では、単位時間として分単位程度とすることが相当である。従って、上記水供給速度V1及び水供給速度V2も、常に一定の供給速度(供給流量)でなければならないというものではなく、ともに一定の分速として把握できる範囲での変動は許される。しかし、これらの水供給速度V1及び水供給速度V2は、水素発生材料と水との反応が未だ不安定な状態での水の供給速度であるため、定常供給速度と比較して、微視的に見た場合の極端な供給速度の変化に対する裕度は小さくなる。このため、定常供給速度の例として示したような、水を断続的に供給することは避けた方が好ましく、所定範囲での供給速度(供給流量)の変化の中で連続して水を供給することが好ましい。
上記水供給速度V1及び第2の供給速度V2は、同じ供給速度に設定しても構わない。
上述したように、水素発生材料に供給した水量、及び水素発生量から算出された消費された水量から、水素発生材料内部に貯留している水量を管理することにより、水素を迅速に発生させることができるが、上記水量管理は定常状態においても活用できる。定常状態における定常供給速度と水素発生速度との相関性を調べたところ、比例関係が成立することが判明した。従って、上記水量管理により、所望の水素発生量以上の反応を制御することができ、安全に水素発生を制御することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の水素の製造装置の実施形態を図面に基づき説明する。但し、本発明の水素の製造装置は、実施形態1として説明した本発明の水素の製造方法に用いられるものであるため、以下の説明において、水素の製造方法に関する説明の部分で、実施形態1で既に説明した内容と重複する内容については、適宜説明を省略する場合がある。
次に、本発明の水素の製造装置の実施形態を図面に基づき説明する。但し、本発明の水素の製造装置は、実施形態1として説明した本発明の水素の製造方法に用いられるものであるため、以下の説明において、水素の製造方法に関する説明の部分で、実施形態1で既に説明した内容と重複する内容については、適宜説明を省略する場合がある。
図6は、本発明の水素の製造装置の一例を示す概略構成図である。図6において、本発明の水素製造装置100は、水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料2を収納可能な容器1と、容器1内に収容された水素発生材料2との発熱反応によって水素を発生させる水4を収容する水収容容器3と、水収容容器3から容器1へ水4を供給するポンプ10と、水素発生材料2から発生する水素発生量を検出する水素発生量検出手段及び水素発生材料2に含有される金属材料の反応率を検出する反応率検出手段としての流量計11と、容器1に収容された水素発生材料2の温度を検出する温度センサ12と、流量計11及び温度センサ12の出力からポンプ10を制御し、水4の供給量を調整する制御部13とを備えている。そして、水収容容器3、ポンプ10及び制御部13が、容器1内の水素発生材料2に、所定の供給時間、所定の供給速度で水を供給する水供給手段を構成している。図6において、容器1と水収容容器3とは、その内部構造を示すために断面図としている。
容器1は、蓋1aと容器本体1bとを有している。蓋1aには、容器本体1b内に水収容容器3に収容されている水4を供給するための水供給管5と、生成された水素を導出するための水素導出管8が設けられている。水収容容器3からポンプ10により送られてきた水4は、水供給管5の水供給口6から容器1内の水素発生材料2に供給され、水素発生材料2と水4との反応により生成された水素は、水素導出口7から水素導出管8を経て水素供給流路16に導かれる。
水供給管5と水素導出管8には、着脱機構15が設けられていて、この着脱機構15によって、容器1を水素供給流路16やその先に接続される燃料電池(図示せず)から、また、水収容容器3から分離することができるようになっている。容器1内において、水素発生材料2と水4とを反応させて水素を発生させると、容器1に収容されている水素発生材料2は反応生成物に変化し、水素を生成する能力を失う。このため、水と反応して反応生成物となった水素発生材料の割合、即ち上記実施形態1で説明した反応率が高くなっていくと、さらなる水素発生が困難となる。実施形態1で警告が表示される場合として説明したこのような場合に、着脱機構15によって容器1を内部の反応率の高くなった水素発生材料2ごと切り離し、新しい水素発生材料が収容された容器と交換することで、引き続き連続して水素の製造を行うことができるようになる。
図6では、着脱機構15を水供給管5にも取り付けて、容器1を水供給管5からも切り離せるようにした例を示したが、これに限られるものではない。水素発生材料2と反応させることで、水収容容器3に収容されている水4も消費され減少していく。このため、容器1を着脱機構15によって取り外して、新しい水素発生材料が収容された容器1と取り替えると同時に、水供給容器3も取り外して新しく必要量の水が入った水収容容器と取り替えるようにしてもよい。
また、上記実施形態1で説明した警告を表示するLEDランプについては、図6では図示を省略している。
容器1は、水4と発熱反応して水素を発生させる水素発生材料2を収納可能なものであれば、その材質や形状は特に限定されない。しかし、水供給口6や水素導出口7以外から水4や水素が漏れない材質や形状が好ましい。具体的な容器1の材質としては、水及び水素を透過しにくく、且つ100℃程度に加熱しても容器が破損しない材質が好ましく、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂を用いることができる。また、容器1の形状としては、角柱状、円柱状等が採用できる。
水素発生材料2が水4と反応することで生じる反応生成物は、通常、水素発生材料2よりも体積が大きい。そのため、容器1は、こうした反応性生物の生成に伴う収納物の体積膨張が生じた場合に破損してしまわないように、水素発生材料2と水4との反応に応じて変形可能であることが好ましい。このような観点からは、容器1の材質として、上記例示の材質の中でもPEやPP等の樹脂がより好ましい。
また、容器1の蓋1aに設けられた水素導出管8、水素導出口7には、容器1内の水4や水素発生材料2が外部に流出しないように、フィルターを設置することが好ましい。このフィルターとしては、気体を通すが液体及び固体を通しにくい特性を有するものが好ましく、例えば、多孔性のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の気液分離膜、ポリプロピレン(PP)製の不織布等を用いることができる。
図6に示す本発明の水素の製造装置では、水供給管5に備えられたポンプ10が、制御部13からの制御信号によって、所定の供給時間の間、所定の供給速度で、水収容容器3内の水4を、容器1内に供給する。このポンプ10としては、例えば、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプあるいはシリンジポンプ等のマイクロポンプを使用することができるが、これらに限られるものではなく、制御部13からの制御信号にしたがって、容器1への水の供給速度と時間をコントロールできる、いわば水供給量が調整可能な手段であれば、その具体的構成の制限はない。
ポンプ10には、実際に水収容容器3から容器1に供給された水の量を検出する機能を備えておき、この検出情報を制御部13にフィードバックさせることもできる。
容器1内で水素発生材料2と水4との反応により生成された水素は、容器1に設けられた水素導出口7から水素導出管8により導出される。導出された水素は、本実施形態の水素の製造装置で生成された水素を使用する機器、例えば燃料電池へと送られる。本実施形態では、水素導出管8の着脱機構15から先が、水素供給流路16となっている。
図6に示す本実施形態の水素製造装置では、水素供給流路16の先に、水素発生量検出手段である流量計11が設けられている。上記実施形態1で説明したように、流量計11により水素発生材料2からの水素発生量Xを検出する。そして、流量計11の信号を制御部13が受信し、水消費量Zを算出する。
容器1には、水素発生材料2の温度を検出する手段である温度センサ12が設けられている。上記実施形態1で説明したように、水素発生材料2の活性状態を温度によって検出する場合の温度センサ12としては、熱電対やサーミスタ等の既知の温度検出手段を用いることができる。さらに、白金測温抵抗体、IC化温度センサ等の接触式センサや、熱を検知する放射温度計等の非接触式センサ等を用いることができる。
また、上記実施形態1で説明したように、本発明の水素の製造装置を用いて水素の製造を開始する段階において、流量計11及び温度センサ12により、それぞれ金属材料の反応率と水素発生材料の温度を検出する。そして、流量計11及び温度センサ12の信号を制御部13が受信し、水供給量Aを決定する。
温度センサ12の取り付け位置としては、水素発生材料2の温度を計測することができれば特に制限はない。しかし、容器1の温度を計測することで、収納された水素発生材料2の温度を計測する必要があるため、温度センサ12の取り付け位置としては、外部温度に影響されずに容器1の温度をより正確に計測できる場所として、容器1の外底部、あるいは底部近傍の外表面等が比較的好ましい。
また、図6では、温度センサ12を容器1の外部に設けた例を示したが、上記実施形態1でも説明したとおり、温度センサを容器1の内部に設けて、水素発生材料2の温度を直接検出できるようにしてもよい。
制御部13は、本実施形態の水素の製造装置において、流量計11及び温度センサ12等の検出手段からの検出信号に基づいて、ポンプ10を制御し、水素発生材料2への水4の供給速度と供給時間を調整することで、上記実施形態1で説明した、本発明の工程(1)〜(3)を適宜実施できる。そして、これらの工程での判断結果に基づいて、より速やかに定常状態の水素製造を開始し、定常状態での水素製造を維持する。また、水素発生材料の反応率が高く、もはや定常状態での水素製造が困難と判断される場合には、警告を表示してユーザーにこれを伝える。
このような機能を有するため、制御部13はマイコン等のプログラミング可能な制御装置を用いることが好ましい。また、図6に示すように、制御部13と、流量計11、温度センサ12、さらに、水の供給を調整するポンプ10とは、接続されていて、検出された情報についての検出信号や制御信号のやりとりが行われる。
また、図6に示すように、容器本体1bの外面を保温材9で覆うことによって、容器1の内部で水素発生材料2と水4との発熱反応により発生した熱が、容器本体1bの外壁から放熱されてしまうことを防止することができる。また、水素発生材料2に水4が供給されることにより開始される水素生成の発熱反応を維持できる温度を保持しやすくなり、外気温の影響も受けにくくなる。その結果、より速やかに定常状態での水素製造を開始することができる。保温材9の材質は、断熱性が高い材質であれば特に限定されず、例えば、発泡スチロール、ポリウレタンフォーム等の多孔性断熱材、あるいは真空断熱構造を有する断熱材等を用いることができる。
さらに、容器本体1bと保温材9との間に、加熱手段としての抵抗体14を設けることもできる。この抵抗体14に通電することで発熱させた状態で、水素発生材料2へ水4を供給することによりに、水素発生材料2と水4との発熱反応を容易に開始させることができるようになり、より早期に定常状態での水素製造を開始することができる。容器1を加熱する加熱手段としての抵抗体14としては、ニクロム線、白金線等の金属発熱体、炭化ケイ素、PTCサーミスタ等が使用できる。また、容器1の加熱手段は、発熱体に限られるものではなく、水と反応して水酸化物や水和物となる材料、水と発熱して水素を生成する材料、さらには水以外の物質と発熱反応する材料、例えば、鉄粉のように酸素と発熱反応を生じる材料を用いることができることも、上記実施形態1で説明したとおりである。
また、上記実施形態1で説明したように、水素発生材料2に発熱材料を含有させることができる。このような発熱材料を含有する水素発生材料2を容器本体1bに収容し、これに水4を供給して加熱する場合には、発熱材料は金属材料と均一又は不均一に分散・混合させた混合物として用いることができる。しかし、容器本体1b内において、水素発生材料2全体中における発熱材料の平均含有率よりも発熱材料の含有率が高い偏在部を設けることがより好ましく、容器本体1b内部の水供給管5の水供給口6の近傍に上記偏在部を配置することが特に好ましい。容器本体1bの内部において、発熱材料をこのように偏在させることにより、水4を供給し始めてから金属材料が加温されるまでの時間をより短くして、より迅速な水素発生を可能とすることができる。
このように、容器本体1bの内部の水供給口6の近傍に上記偏在部を配置するには、水供給口6の近傍に発熱材料だけを配置する方法の他、予め発熱材料の含有率の異なる2種以上の、金属材料と発熱材料との単位組成物を調製しておき、水供給口6の近傍には発熱材料の含有率の最も高い単位組成物を配置し、その他の部分には発熱材料の含有率の低い単位組成物を配置することもできる。
次に、本実施形態にかかる水素製造装置を、より小型化する場合に好適な例として、容器1をカートリッジ化したものについて説明する。
図7は、本実施形態にかかる水素製造装置100において、製造された水素を小型燃料電池や携帯電子機器で使用するような場合に好適なように、容器1を小型の燃料カートリッジとした構成を示す模式断面図である。図7では、各構成要素の理解を容易にするために、断面部分のハッチングを省略している。また、図6に示した水素製造装置100と同じ機能を有して共通の作用を行う部分については、図6と同じ符号を付している。
図7に示すように、燃料カートリッジとした容器1は、内部に水素発生材料2を封入したものであり、水素発生材料2に水を供給するための水供給管5と、容器1内で発生した水素を外部に取り出すための水素導出管8とを備えている。燃料カートリッジとした容器1は、燃料電池や携帯電子機器に装着された後に、図示しないマイクロポンプ等によって水供給管5の水供給口6を通じて容器1内に水が供給される。容器1内への水の供給方法としては、水を充填した図示しない水収容容器を燃料カートリッジ化された容器1の一部に予め付帯させておき、燃料電池や携帯電子機器に燃料カートリッジが装着された後に、水収容容器内の水が容器1内に供給されるようにすることもできる。
図7では、水素発生材料2は、発熱材料の含有率が高い水素発生材料2aと、発熱材料の含有率が低い水素発生材料2bとをそれぞれ分離して容器1内に配置している。
図7に示すように、燃料カートリッジ化された容器1内では、水素発生材料2の上下に吸水材17が配置されていて、水供給管5の先端の水供給口6は、水素発生材料2aの下方に配置された吸水材17内にその開口部を有するように配置されている。このようにすることで、水供給管5の水供給口6から容器1内に供給された水の一部は、吸水材17により保持され、残部は水素発生材料2aと反応して水素発生の発熱反応が開始される。発生した水素は、水素導出口7から水素導出管8を通じて水素製造装置外に導出され、例えば燃料電池の負極に供給される。この吸水材17は必ずしも必要なものではないが、水素発生の発熱反応による水の消費に応じて、吸水材17により保持された水も水素発生材料2に供給されるため、水素発生速度の時間変動を抑制する上で効果的である。
吸水材17は、水を吸って保持することのできる材質のものであれば特に限定されるものではなく、一般には脱脂綿や不織布等を用いることができる。
以上、本発明の実施形態2として、本発明の水素の製造装置について説明したが、本発明の水素の製造装置は、燃料電池の燃料としての水素を製造するものに限定されるものではなく、水素貯蔵容器に水素を供給するための水素の製造装置等として、一般的に利用できるものである。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図6に示した水素製造装置100を用いて以下のとおり水素を製造した。但し、図6に示した容器1としては、図7に示す燃料カートリッジを用いた。図7に示す燃料カートリッジは、以下の手順により作製した。
図6に示した水素製造装置100を用いて以下のとおり水素を製造した。但し、図6に示した容器1としては、図7に示す燃料カートリッジを用いた。図7に示す燃料カートリッジは、以下の手順により作製した。
金属材料として平均粒径6μmのアルミニウム粉末1.0gと、発熱材料として平均粒径3μmの酸化カルシウム粉末1.0gとを乳鉢で混合して、水素発生材料Aを作製した。また、金属材料として上記アルミニウム粉末19.7gと、発熱材料として上記酸化カルシウム粉末2.5gとを乳鉢で混合して、水素発生材料Bを作製した。
次に、ポリエチレン製の容器1(縦34mm、横34mm、高さ82mm、内容積60cm3)の低部に、吸水材17として脱脂綿を0.1g入れてから、上記水素発生材料A(図7中、2a)2gと、上記水素発生材料B(図7中、2b)22.2gとを、図7に示したように傾斜させて充填した。さらに、上記水素発生材料Bの上に、吸水材17として脱脂綿を0.1g入れた。
次に、水を供給するためのアルミニウム製の水供給管5(内径2mm、外径3mm)を図7に示したように、水供給口6が水素発生材料A(2a)の近傍になるように配置し、水素を導出させるアルミニウム製の水素導出管8(内径2mm、外径3mm)を備えたシリコン栓で蓋をし、水素発生材料A、Bを内部に充填した容器1を準備した。また、図6に示したように、容器1の側面に、容器1の温度を検出するための温度センサ12を取り付けた。また、図6に示したように、容器1の外周を包むように厚み5mmの発泡スチロール製の保温材9を設置した。
次に、図6に示したように、水素供給流路16に、上記水素発生材料A及びBに水を供給するためのポンプ10を設置した。即ち、ポンプ10を用いて水収容容器3から水4を供給することによって、先ず、水と水素発生材料Aに含まれる発熱材料(酸化カルシウム粉末)とが発熱反応し、続いて、水と水素発生材料A及びBに含まれる金属材料(アルミニウム粉末)とが水素発生反応を開始することとなる。
次に、図6に示したように、水素供給経路16に、水素発生材料2からの水素発生量を検出するためのマスフローメータ11(コフロック社製)を設置した。また、水素導出口7とマスフローメータ11との間に、塩化カルシウム管(図示せず。)を配置し、発生した水素に含まれる水分を除去した。また、図6に示したように、マスフローメータ11からの検出信号に基づいて、水の消費量を算出すると共に、マスフローメータ11及び温度センサ12からの検出信号に基づいて、ポンプ10を制御する制御部13を設置した。
次に、図1〜4に示す一連のフローチャートに従って、水素を製造した。その際、表1に示すように、容器の温度閾値T1を60℃に設定した。
先ず、温度センサ12によって容器1の表面温度を、マスフローメータ11によって金属材料の反応率を、それぞれ検出した。その結果を表1に示す。この段階では金属材料は未だ水と反応していないので、その反応率は0%である。
以上の容器1の表面温度及び金属材料の反応率から、容器の表面温度が25℃の場合における金属材料の反応率と水供給量Aとの関係を表す関数Fを示す前述の図5に基づき、水供給量Aを1mlと決定した。
次に、ポンプ10を用いて水収納容器3から、表1に示す水供給量Aと同量の水を10秒以内に容器1の内部に供給して(本発明の工程(1)に該当。)、放置させた(本発明の工程(2)に該当。)。その後、水素が発生し、水素発生量が水素発生量閾値X1以上となった際、制御部13によって算出されたX1に基づき、X1の水素を発生するために消費した水消費量Zを算出し、水消費量Zと同量の水をポンプ10によって容器1の内部に供給した(本発明の工程(3)に該当。)。本実施例において供給した水消費量Zを表1に示す。また、図3のステップS304における速度V2を0.9g/分に設定した。
その後、容器1の表面温度が温度閾値T1以上となった際、ポンプ10から純水を0.9ml/分の速度で送り出した。
そして、マスフローメータ11によって、水素発生が開始するまでの時間、水素発生速度が最大になるまでの時間及び定常状態に達するまでの時間を求めた。上記工程(1)において初めて供給された水が、水供給管5の先端に到達した時間を基準として試験開始とした。また、水素発生が開始するまでの時間及び水素発生速度が最大になるまでの時間は、それぞれ、試験開始以降、マスフローメータ11により計測される瞬間水素発生速度が、2ml/分を超えるまでに要する時間、及びそれが最大となるまでに要する時間として求めた。また、定常状態に達するまでの時間は、試験開始以降、容器1の温度が、温度閾値T1以上となるまでに要する時間とした。
(比較例1)
ポンプ10により最初から0.9ml/分の速度で連続的に送り出すことにより水を供給した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
ポンプ10により最初から0.9ml/分の速度で連続的に送り出すことにより水を供給した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
実施例1及び比較例1における試験条件及び試験結果を表1に示す。
実施例1の場合、水素発生が開始するまでの時間及び水素発生速度が最大になるまでの時間が1分以内であると共に、定常状態に達するまでの時間が65秒と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。一方、連続的に水を供給した比較例1の場合は、水素発生が開始するまでの時間、水素発生速度が最大になるまでの時間及び定常状態に達するまでの時間が、実施例1に比べて、いずれも長くなった。これは、実施例1では好適な水の供給量を迅速に供給したため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達したと考えられる。
(実施例2、4〜7)
最初に、実施例1と同様にして水素発生を行った。その後、任意の時間で水の供給を停止し、水素の発生を停止させた。その後、以下の手順によって、再度、水素発生を開始させる試験を行った。
最初に、実施例1と同様にして水素発生を行った。その後、任意の時間で水の供給を停止し、水素の発生を停止させた。その後、以下の手順によって、再度、水素発生を開始させる試験を行った。
先ず、上記水素発生中に温度センサ12及びマスフローメータ11によって、容器1の表面温度及び金属材料の反応率をそれぞれ検出した。その結果を表2に示す。次に、容器1の表面温度及び金属材料の反応率から、実施例1と同様にして、次の工程での水供給量Aをそれぞれ決定した。その結果も表2に示す。また、表2に示すように、容器1の温度閾値T1を60℃に設定した。
次に、ポンプ10を用いて水収納容器3から、表2に示す水供給量Aと同量の水を10秒以内に容器1の内部に供給して(本発明の工程(1)に該当。)、放置させた(本発明の工程(2)に該当。)。その後、水素が発生し、水素発生量が水素発生量閾値X1以上となった際、制御部13によって算出されたX1に基づき、X1の水素を発生するために消費した水消費量Zを算出し、水素消費量Zと同量の水をポンプ10によって容器1の内部に供給した(本発明の工程(3)に該当。)。本実施例において供給した水消費量Zを表2に示す。また、図3のステップS304における速度V2を0.9g/分に設定した。
その後、容器1の表面温度が温度閾値T1以上となった際、ポンプ10から純水を0.9ml/分の定常供給速度で送り出した。
そして、マスフローメータ11によって、水素発生が開始するまでの時間、水素発生速度が最大になるまでの時間及び定常状態に達するまでの時間を求めた。水素発生が停止している状態の後に初めて供給された水が、水供給管5の先端に到達した時間を基準として試験開始とした。また、水素発生が開始するまでの時間及び水素発生速度が最大になるまでの時間は、それぞれ、試験開始以降、マスフローメータ11により計測される瞬間水素発生速度が、2ml/分を超えるまでに要する時間、及びそれが最大となるまでに要する時間として求めた。また、定常状態に達するまでの時間は、試験開始以降、容器1の温度が、温度閾値T1以上となるまでに要する時間とした。
但し、実施例4及び5においては、上記工程(1)〜(3)を実行している時のみ、容器1を、実施例4では40℃、実施例5では50℃にそれぞれ加熱した。
(実施例3)
表2に示す水供給量Aと同量の水を、ポンプ10から1.9ml/分の速度で3.8分間で供給した以外は、実施例2と同様にして試験を行った。
表2に示す水供給量Aと同量の水を、ポンプ10から1.9ml/分の速度で3.8分間で供給した以外は、実施例2と同様にして試験を行った。
(比較例2)
ポンプ10から再び0.9ml/分の速度で連続的に送り出すことにより水を供給した以外は、実施例2と同様にして試験を行った。
ポンプ10から再び0.9ml/分の速度で連続的に送り出すことにより水を供給した以外は、実施例2と同様にして試験を行った。
実施例2〜7及び比較例2における試験条件及び試験結果を表2に示す。
実施例2〜7の場合、水素発生が開始するまでの時間がいずれも2分以内、水素発生速度が最大となるまでの時間がいずれも6分以内、定常状態に達するまでの時間がいずれも8分以内と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。一方、連続的に水を供給した比較例2の場合は、水素発生が開始するまでの時間、水素発生速度が最大になるまでの時間及び定常状態に達するまでの時間が、実施例2〜7に比べて、いずれも長くなった。即ち、反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができるまでに長時間を要した。これは、金属材料の反応状態あるいは容器の温度状態の違いによって、水素発生を開始させるための水の供給量が異なるためであると考えられる。そして、実施例2〜7の場合、好適な水の供給量を迅速に供給したため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達したと考えられる。
また、本発明の工程(1)〜(3)を実施している時のみ、容器1を加熱した実施例4及び5の場合、上記加熱を実施しなかった実施例2に比べて、水素発生が開始するまでの時間及び水素発生速度が最大になるまでの時間がいずれもより短時間であった。これは、加熱により水と水素発生材料との発熱反応が促進されたためと考えられる。
以上のように本発明の水素の製造方法および水素の製造装置は、特に、100℃以下の低温において、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造できるものとして、産業上幅広く利用可能である。また、この水素の製造装置と、水素を燃料とする燃料電池を備えた燃料電池システムは、特に小型携帯機器用の電源として幅広く利用可能である。
1 容器
1a 蓋
1b 容器本体
2 水素発生材料
2a 水素発生材料A
2b 水素発生材料B
3 水収容容器
4 水
5 水供給管
6 水供給口
7 水素導出口
8 水素導出管
9 保温材
10 ポンプ
11 流量計
12 温度センサ
13 制御部
14 抵抗体
15 着脱機構
16 水素供給流路
17 吸水材
100 水素製造装置
1a 蓋
1b 容器本体
2 水素発生材料
2a 水素発生材料A
2b 水素発生材料B
3 水収容容器
4 水
5 水供給管
6 水供給口
7 水素導出口
8 水素導出管
9 保温材
10 ポンプ
11 流量計
12 温度センサ
13 制御部
14 抵抗体
15 着脱機構
16 水素供給流路
17 吸水材
100 水素製造装置
Claims (13)
- 水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料に、水を供給して水素を製造する水素の製造方法であって、
(1)前記水素発生材料に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、
(2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、
(3)前記工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量を検出し、前記水素発生量に相当する水消費量を算出し、前記水の供給を停止した後に、前記水素発生材料に、前記水消費量と同量の水を供給する工程と、
を含むことを特徴とする水素の製造方法。 - 前記工程(1)が開始された段階から発生した水素発生量が、水素発生量閾値以上になった場合に、前記水消費量と同量の水を供給する請求項1に記載の水素の製造方法。
- 前記工程(1)における前記水の供給量は、前記工程(1)を開始する段階における前記金属材料の反応率又は前記水素発生材料の温度により決定される請求項1又は2に記載の水素の製造方法。
- 前記工程(1)〜(3)において、前記水素発生材料の温度を検出し、前記温度が温度閾値以上になった場合に、前記水素発生材料に定常供給速度で水を供給して、定常状態での水素の製造を開始する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
- 前記温度閾値が、40℃である請求項4に記載の水素の製造方法。
- 前記工程(1)において、前記水素発生材料に水を供給する前の前記水素発生材料の温度Aを検出し、前記工程(1)〜(3)において、前記水素発生材料に水を供給した後の前記水素発生材料の温度Bを検出し、前記温度Aと前記温度Bとの温度差が、温度差閾値以上になった場合に、前記水素発生材料に定常供給速度で水を供給して、定常状態での水素の製造を開始する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
- 前記温度差閾値が、20℃である請求項6に記載の水素の製造方法。
- 前記金属材料が、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの元素を主体とする合金からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
- 前記水素発生材料は、前記金属材料以外に水と反応して発熱する発熱材料をさらに含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
- 前記発熱材料が、アルカリ土類金属の酸化物である請求項9に記載の水素の製造方法。
- 前記水素発生材料における前記金属材料の含有率が、85重量%以上99重量%以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
- 前記工程(1)〜(3)において、前記水素発生材料及び前記水の少なくとも一方を加熱する請求項1〜11のいずれか1項に記載の水素の製造方法。
- 水との発熱反応により水素を発生する金属材料を含む水素発生材料を収容可能な容器を備え、請求項1〜12のいずれか1項に記載の水素の製造方法を用いることを特徴とする水素の製造装置。
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JP2009085269A JP2010235391A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 水素の製造方法及び水素の製造装置 |
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JP2014034478A (ja) * | 2012-08-07 | 2014-02-24 | Ti:Kk | 水素発生装置及び水素発生方法 |
-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009085269A patent/JP2010235391A/ja not_active Withdrawn
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