JP2009190935A - 水素の製造方法及び水素の製造装置 - Google Patents

水素の製造方法及び水素の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造する。
【解決手段】本発明の水素の製造方法は、水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料と、水とを反応させて水素を発生させる水素の製造方法であって、(1)前記水素発生材料を収容した容器の内部に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、(2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、(3)前記工程(2)に続いて、前記容器の内部に、水の供給量を制御して水を供給する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水と反応して水素を発生させる金属材料を用いた水素の製造方法、及びその水素の製造装置に関する。
近年、パーソナルコンピューター、携帯電話等のコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池は、ますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図り得る二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源としての需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウムイオン二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、固体高分子型燃料電池が挙げられる。電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料(水素、メタノール等)を用いる固体高分子型燃料電池は、リチウムイオン電池よりも高エネルギー密度化が期待できる電池として注目されている。
燃料電池は、燃料及び酸素の供給さえ行えば連続的に使用することができるが、使用する燃料に関してはいくつかの候補が挙げられている。現在のところ候補となっている燃料には、それぞれ種々の問題点を有しており、最終的な決定が未だなされていない。
燃料として水素を用いる燃料電池としては、例えば、高圧タンクあるいは水素吸蔵合金タンクに蓄えた水素を供給する方法が一部で実用化されているが、体積及び重量が大きくなりエネルギー密度が低下するため、ポータブル電源用途には適さないという欠点を有している。
また、燃料電池の燃料として、炭化水素系燃料を用い、それを改質して水素を取り出す方法もあるが、改質装置が必要となり改質装置への熱の供給及び断熱等の問題があるため、やはりポータブル電源用途には不適である。この他、燃料としてメタノールを用い、直接電極でメタノールを燃料として反応させる直接メタノール型燃料電池もあり、これは小型化が容易で、将来のポータブル電源として期待されているが、負極のメタノールが固体電解質を透過して正極に達するクロスオーバーによる電圧の低下及びエネルギー密度の減少という問題がある。
このような状況において、燃料電池の燃料源である水素を製造する方法として、水と、例えばアルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛等の水素発生材料とを、100℃以下の低温で化学反応させて水素を発生させる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載された方法によれば、酸化カルシウムをアルミニウムとの総量において15重量%以上添加しなければ、水素を発生させることができないばかりか、反応時間とともに水素発生速度が大きく変動し、水素発生反応の効率や安定性の点で大きな問題を生じることになる。
また、特許文献2に記載された方法においても、水素発生反応を効率的に進行させるためには多量の添加剤を必要とし、効率的且つ安定的に水素を製造する方法を提供できるものではない。
また、特許文献3に記載された方法によれば、アルミニウム粒子と水との水素発生反応が乾燥により中断された状態である水素発生剤を用いることにより、従来のアルミニウム粉末に比べて、水素発生が開始するまでの時間を短くすることができるが、上記水素発生剤を空気中に暴露させると、即座に水素発生剤の表面に酸化皮膜を形成し、その結果、水素発生が開始するまでの時間が、従来のアルミニウム粉末と同等程度になると考えられ、迅速且つ安定的に水素を製造する方法を提供できるものではない。
本発明者らは、特許文献1〜3に記載の方法が抱える上記問題を回避すべく検討を重ね、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を収容した容器の内部に水を供給する工程と、上記水と上記水素発生材料とを上記容器内で反応させて水素を発生させる工程とを含む水素の製造方法であって、上記水を供給する工程において、上記水の供給量を制御することにより、上記容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持し、水素発生速度の変動を抑制する技術を開発し、これを特許文献4で提案している。特許文献4に記載の技術であれば、水素発生反応を安定的に維持することができ、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造することができる。
特開2004−231466号公報 特表2004−505879号公報 特開2007−76967号公報 特開2007−45646号公報
しかしながら、特許文献4に開示の技術において、より効率的に且つ安定的に水素を発生させる上で、上記発熱反応の開始段階における上記水の供給量の制御方法について、未だ改良の余地があることが分った。
また、ユーザーがコードレス機器等を使用する場合を想定すると、当該機器の動作のみの連続的な使用はもちろん、当該機器の動作及び停止を繰り返す間欠的な使用の場合も考えられる。このため、燃料電池の燃料源である水素を製造する方法としても、一旦水素の発生が開始すれば、その後は安定に水素が発生する状態を維持するように水素を連続的に発生させる方法に加えて、任意のタイミングで水素の発生を停止させ、且つ任意のタイミングで再び水素の発生を開始させ、その後に再び安定に水素が発生する状態を維持するなどといったように水素を間欠的に発生させる方法が求められる。そのため、上記水素発生材料のうち一部が既に反応し、その後に水素発生が停止している状態においても素早く、効率よく且つ安定的に水素を製造する観点からは、特許文献4に開示の技術においても、未だ改良の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便で効率よく且つ安定的に水素を発生させ得る水素の製造方法及びその水素の製造装置を提供するものであり、特に、短時間で水素を間欠的に発生させ得る水素の製造方法及びその水素の製造装置を提供するもである。
本発明の水素の製造方法は、水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料と、水とを反応させて水素を発生させる水素の製造方法であって、(1)前記水素発生材料を収容した容器の内部に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、(2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、(3)前記工程(2)に続いて、前記容器の内部に、水の供給量を制御して水を供給する工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の水素の製造装置は、水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料を収納可能な容器を備え、上記本発明の水素の製造方法を用いることを特徴とする。
本発明によれば、簡便で効率よく且つ安定的に水素を発生させ得る水素の製造方法及びその水素の製造装置を提供できる。特に、間欠的な水素発生においても、短時間で水素を発生させ得ることができ、コードレス機器等の間欠的な使用に適した水素の製造方法を提供することができる。
また、本発明の水素の製造装置は、上記本発明の水素の製造方法を用いることにより、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
先ず、本発明の水素の製造方法の実施の形態を説明する。本発明の水素の製造方法は、水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料と、水とを反応させて水素を発生させる水素の製造方法であって、
(1)上記水素発生材料を収容した容器の内部に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、
(2)上記工程(1)に続いて、上記水の供給を停止する工程と、
(3)上記工程(2)に続いて、上記容器の内部に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明者らが、鋭意検討を重ねた結果、上記発熱反応の開始段階において、水を供給する方法の相違で、水素が発生するまでの時間に差が生じることが判明した。具体的には、発熱反応の開始段階において、上記工程(1)から(3)の内で上記工程(2)を経由せずに水を連続的に供給する場合に比べて、上記工程(2)を経由して間欠的に供給する場合の方が、水素が発生するまでの時間をより短くし得ることを見出し、本発明を完成するに至った。これは、水素が発生するまでの時間が、水素発生材料に供給する水の供給量に大きく影響を及ぼしているためであると考えられる。
また、容器内に水を供給して水素を発生させた後に、容器内への水の供給を停止して、一旦水素の発生を停止させ、その後、再び水素の発生を開始させるような間欠的な水素発生に対しても、水を供給する度に、上記工程(1)から(3)を実施して水の制御を行うことにより、簡便で効率よく且つ安定的に水素を発生させることができることも分った。即ち、水素発生に対しては、連続的に水を供給する場合に比べて、間欠的に水を供給する場合の方が、より短時間で水素を発生させることができる。即ち、上記工程(1)を開始する段階における上記水素発生材料は、一部が水と反応し、且つ水素発生が停止している状態であってもよい。
ここで、本明細書でいう「水素発生が停止している状態」とは、1時間当たりの水素発生量が、5ml以下である状態が少なくとも1時間以上持続することを意味している。
また、上記工程(1)における水の供給量は、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率及び上記容器の表面温度を検出して決定されることが好ましい。これは、水素発生材料から水素発生を開始させるための水の供給量が、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率及び上記容器の表面温度に依存するためである。即ち、金属材料の反応状態あるいは容器の温度状態の違いによって、水素発生を開始させるための水の必要量が異なるためである。例えば、上記工程(1)を開始する段階において、上記金属材料の反応率の増加に伴い、あるいは、上記容器の表面温度の低下に伴い、水素発生を開始させるための水の必要量がより多くなることが分った。そのため、上記検出をもとに決定される水の量を瞬時に一括供給するか、あるいは、より速い供給速度で水を供給し(上記工程(1)に該当。)、水素発生材料と水との発熱反応が起こるまで放置する(上記工程(2)に該当。)ことが好ましい。
ここで、本明細書でいう「反応率」は、金属材料が全て反応したと仮定したときの理論水素発生量(例えば、アルミニウムの場合は、1gあたりの理論水素発生量は、25℃換算で約1360mlとなる。)に対する、実際に得られる水素発生量の比率を意味している。従って、反応率が0%とは、まだ水と全く反応していない状態を意味する。
上述した一部が水と反応し、且つ水素発生が停止している状態である水素発生材料と水との反応は、水素を発生させる反応であれば、反応機構等によって特に限定されるものではないが、この反応の一例を用いて、上記工程(1)における水の供給量が、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率及び上記容器の表面温度を検出して決定されることが好ましい理由をより詳しく説明する。
容器に収容された金属材料を含む水素発生材料は、後述する容器内に水を供給するための供給口付近に存在する水素発生材料から、先ず優先的に反応が進行すると考えられる。その際、上記供給口付近に存在する水素発生材料に含有される金属材料と水との反応により、水素が発生すると共に水和物を生成する。この水和物は難水溶性であるので、そのまま金属材料の粒子表面に留まり、酸化皮膜が厚くなる。それに伴い、上記供給口付近に存在する水素発生材料に含有される金属材料の粒子内部まで水が浸透しにくくなる。そのため、水素発生材料の一部が水と反応し、且つ水素発生が停止している状態において、再度、水素発生反応が進行する水素発生材料に含有される金属材料は、上記供給口付近に存在する酸化皮膜の厚い金属材料、あるいは上記供給口付近以外に存在する未反応の金属材料のいずれかであると推察される。そして、上記供給口から供給される水は、先ず前者の金属材料と接触する。そして、水の供給量の増加により、後者の金属材料と水とが接触できる。高温下では、水が酸化皮膜を浸透する速度が速まると考えられるため、前者の金属材料と水とが反応を開始し、水素が発生すると考えられる。一方、低温下では、酸化皮膜の薄い後者の金属材料と水とが反応を開始し、水素が発生すると考えられる。そのため、前述の水を供給する工程を実行する段階において、上記容器の表面温度の増加に伴い、再度、水素発生反応を進行させるために要する水の必要量が減少し、一方、上記水を供給する工程を実行する段階において、上記金属材料の反応率の増加に伴い、再度、水素発生反応を進行させるために要する水の必要量が増加すると考えられる。従って、上記工程(1)における水の供給量が、上記工程(1)を開始する段階における上記金属材料の反応率及び上記容器の表面温度を検出して決定されることが好ましい。
上記金属材料の反応率を検出する方法は、例えば、マスフローメータ等で算出される積算水素発生量から検出することができる。
上記容器の表面温度を検出する方法は、例えば、上記容器の表面に熱電対等の温度センサを取り付けることにより、上記容器の表面温度を検出することができる。
また、上記工程(3)において、上記水の供給量を制御することにより、上記容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持し、且つ水素発生速度の変動を抑制することが好ましい。水と水素発生材料との発熱反応が開始しても、水の供給量が過多となれば反応温度が低下して反応速度が低下する場合がある。また、水の供給量が過少となれば反応効率が低下する場合がある。そこで、上記工程(3)において、水の供給量を制御することにより、容器の内部を発熱反応が維持できる温度に保持している。これにより、水と水素発生材料との発熱反応を安定して継続でき、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造できる。また、上記工程(3)における水の供給量の制御は、水の供給速度を制御することにより行うことが好ましい。
上記発熱反応が維持できる温度は、通常は40℃以上であり、一旦発熱反応が開始して水素が発生すると、容器の内圧が上昇して水の沸点が上昇することもあり、容器内温度が120℃程度に達することもあるが、水素発生速度の制御の点から100℃以下とすることが好ましい。
従って、上記工程(3)における上記水の供給は、上記容器の表面温度が表面温度しきい値以上となった時に開始されることが好ましい。
上記工程(3)において、上記表面温度しきい値は、40℃超90℃以下であることが好ましく、45℃以上80℃以下であることがより好ましい。上記発熱反応が維持できる温度は、上述のように、通常は40℃以上であり、前述の水素発生速度の制御の点から90℃以下とすることが好ましい。これにより、水と水素発生材料との発熱反応を安定して継続でき、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造できる。
また、上記工程(1)における水の供給量の制御を、水の供給速度を制御することにより行う場合、上記工程(1)における水の供給速度は、上記工程(3)における水の供給速度よりも速くすることが好ましい。上記工程(1)における水の供給速度が遅すぎる場合には、上述したように、再度、水素発生反応が進行する水素発生材料に含有される金属材料まで水が浸透するのに時間がかかる。そのため、上記工程(1)における水の供給速度を、上記工程(3)における水の供給速度よりも速くなるよう制御することにより、水と金属材料との発熱反応をより素早く行うことができる。上記工程(1)における水の供給速度は、金属材料あるいは発熱材料の種類にもよるが、金属材料1gあたり、10μl/分以上とするのが好ましく、30μl/分以上とするのがより好ましい。また、上記工程(3)における水の供給速度は、金属材料1gあたり、5μl/分以上とするのが好ましく、20μl/分以上とするのがより好ましく、200μl/分以下とするのが好ましく、50μl/分以下とするのがより好ましい。
本発明の水素の製造方法として使用される金属材料としては、水と反応して水素を発生させる材料であれば特に限定されないが、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの元素を主体とする合金からなる群から選択される少なくとも1種が好適に使用できる。上記合金の主体となる元素以外の元素は特に限定されない。ここで、主体とは、合金全体に対して80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有されていることをいう。これらの金属材料は、常温では水と反応しにくいが、加熱することにより水との発熱反応が容易となる物質である。ここで、本明細書において常温とは、20〜30℃の範囲の温度である。
上記金属材料は、少なくとも常温以上に加温された状態において、水と反応して水素を発生させることができる。しかし、表面に安定な酸化皮膜が形成されるため、低温下、あるいは、板状、ブロック状等のバルクの形状では、水素を発生しない又は水素を発生し難い材料である。一方、上記酸化皮膜の存在により、空気中での取り扱いは容易である。
例えば、上記金属材料の1つであるアルミニウムと水との反応は、下記式(1)〜(3)のいずれかによって進行していると考えられる。下記式(1)による発熱量は、419kJ/molである。
(式1)
2Al+6H2O→Al23・3H2O+3H2 (1)
2Al+4H2O→Al23・H2O+3H2 (2)
2Al+3H2O→Al23+3H2 (3)
上記金属材料は、その平均粒径によって特に限定されないが、その平均粒径が0.1μm以上100μm以下とすることが好ましく、0.1μm以上50μm以下がより好ましい。上記金属材料は、一般に、表面に安定な酸化皮膜が形成されている。そのため、板状、ブロック状及び粒径1mm以上のバルク状等の金属材料は、加熱しても水との反応が進行せず、実質的に水素を発生させない場合もある。しかし、上記金属材料の平均粒径を100μm以下とすると、酸化皮膜による水との反応抑制作用が減少し、常温では水と反応しにくいものの、加熱すれば水との反応性が高まり、水素発生反応が持続できるようになる。また、上記金属材料の平均粒径を50μm以下とすると、40℃程度の穏和な条件でも水と反応して水素を発生させることができる。
また、上記金属材料の平均粒径が50μmを超える場合であっても、上記金属材料が鱗片状であり、且つその厚みが5μm以下である場合には、水との反応性を高めて、より効率よく水素を発生させることができ、特に上記金属材料の厚みが3μm以下の場合には、反応効率をより一層向上させることができる。
一方、金属材料の平均粒径を0.1μm未満としたり、鱗片状の金属材料の厚みを0.1μm未満とすると、発火性が高くなって取り扱いが困難となったり、上記金属材料の充填密度が低下してエネルギー密度が低下しやすくなったりする。そのため、上記金属材料の平均粒径は、0.1μm以上とすることが好ましく、また、上記金属材料が鱗片状の場合には、その厚みは0.1μm以上であることが好ましい。
ここで、本明細書でいう平均粒径は、体積基準の積算分率50%における粒子直径の値であるD50を意味する。平均粒径の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱法等を用いることができる。具体的には、水等の液相に分散させた測定対象物質にレーザー光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法である。レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装(株)社製の“マイクロトラックHRA”等を用いることができる。
また、本明細書でいう鱗片状の金属材料の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することとする。
また、上記金属材料の形状も特に限定されないが、例えば、略球状(真球状を含む。)やラグビーボール状の他、前述の鱗片状のものなどが挙げられる。略球状やラグビーボール状等の場合には前述の平均粒径を満足するものが好ましく、鱗片状の場合には前述の厚みを満足するものが好ましい。また、鱗片状の金属材料の場合には、前述の平均粒径も満足していることがより好ましい。
さらに、上記金属材料に、親水性酸化物、炭素及び吸水性高分子からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質(以下、添加剤という。)を添加すれば、金属材料と水との反応を促進させることができるので好ましい。上記親水性酸化物としては、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、ゼオライト、酸化亜鉛等が使用できる。
本発明の水素の製造方法において水と金属材料との発熱反応を容易に開始させるために、使用される水素発生材料は、上記金属材料以外の材料であって水と反応して発熱する発熱材料を含むことが好ましい。
上記発熱材料は、水と発熱反応して水酸化物や水和物となる材料、水と発熱反応して水素を生成する材料等を用いることができる。上記発熱材料のうち、水と反応して水酸化物や水和物となる材料としては、例えばアルカリ金属の酸化物(例えば、酸化リチウム等。)、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等。)、アルカリ土類金属の塩化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等。)、アルカリ土類金属の硫酸化合物(例えば、硫酸カルシウム等。)等を用いることができる。上記水と反応して水素を生成する材料としては、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム等。)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化リチウム等。)等を用いることができる。これらの材料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、発熱材料が塩基性材料であれば、水素発生反応に用いられる水に溶解して、高濃度のアルカリ水溶液を生成するので、上記金属材料の表面に形成された酸化皮膜を溶解させ、水との反応性を大きくすることができるので好ましい。この酸化皮膜を溶解する反応は、金属材料と水との反応の起点となることもある。特に、発熱材料がアルカリ土類金属の酸化物であれば、塩基性材料であり且つ取り扱いが容易であるのでより好ましい。
上記発熱材料としては、水以外の物質と常温で発熱反応を生じる材料、例えば、鉄粉のように酸素と反応して発熱する材料も知られている。しかし、水素発生材料が、上記酸素と反応する材料と、上記水素発生源となる金属材料とを含む場合、反応のために必要とされる酸素は、同時に、金属材料から発生する水素の純度を低下させたり、金属材料を酸化させて水素発生量を低下させたりするなどの問題を生じることがある。このため、本発明においては、発熱材料としては、前述のとおり、水と反応して発熱するアルカリ土類金属の酸化物等を用いるのが好ましい。また、同様の理由から、水素発生材料に含まれる発熱材料は、反応時に水素以外の気体を生成しないものが好ましい。
上記水素発生材料全体中における上記金属材料の含有率は、より多くの水素を発生させる観点から、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、また、発熱材料の併用による効果をより確実にする観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下である。また、水素発生材料全体中における発熱材料の含有率は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であって、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
上記発熱材料を含有する水素発生材料は、上記金属材料と上記発熱材料を混合することにより得ることができる。金属材料と発熱材料との混合の際には、金属材料のみが1mm以上の凝集体にならないようにすることが好ましい。例えば、金属材料と発熱材料を撹拌混合することにより、金属材料が凝集するのを抑制しつつ、水素発生材料を作製することができる。また、金属材料の表面に発熱材料をコーティングして複合化し、水素発生材料としてもよい。
上記水を供給する工程において、水素発生材料と水との反応を容易に開始させるために、水素発生材料及び水の少なくとも一方を加熱することが望ましく、上記容器の内部への水の供給と加熱とを同時に行ってもよい。
上記水素発生材料及び上記水の少なくとも一方を加熱する温度は、40℃以上90℃未満且つ上記表面温度しきい値未満が好ましく、40℃以上70℃以下且つ上記表面温度しきい値未満がより好ましい。この発熱反応を維持できる温度は、前述のとおり通常は40℃以上であり、一旦発熱反応が開始して水素が発生すると、容器の内圧が上昇して水の沸点が上昇することもあり、容器内温度が120℃程度に達することもあるが、水素発生速度の制御の点から上述の範囲の温度域において加熱することが好ましい。
上記加熱は、上記工程(1)及び(2)を実施している時にのみ行えばよい。一旦、水と水素発生材料との発熱反応が開始されると、その発熱反応の熱によりその後の反応を継続できるからである。
上記加熱の方法は特に限定されないが、抵抗体に通電することによる発熱を利用して加熱することができる。例えば、この抵抗体を容器の外部に取り付けて発熱させ、容器を外部から加熱することにより、水素発生材料及び水の少なくとも一方を加熱することができる。上記抵抗体の種類については特に限定されず、例えば、ニクロム線、白金線等の金属発熱体、炭化ケイ素、PTCサーミスタ等が使用できる。
また、上記加熱は、発熱材料の化学反応による発熱により行うこともできる。発熱材料を容器の外部に配置して発熱させ、容器を外部から加熱することにより、水素発生材料及び水の少なくとも一方を加熱することができる。この発熱材料としても、前述の水と発熱反応する材料を用いることができる。
また、上記加熱は、水以外の物質と発熱反応する材料、例えば、鉄粉のように酸素と発熱反応する材料による発熱により行うこともできる。この材料は、発熱反応のために酸素を導入しなければならいため、容器の外部に配置して使用される。
次に、本発明の水素の製造方法の一例を図1に示すフローチャートを用いて説明する。先ず、一部が水と反応し、且つ水素発生が停止している状態である水素発生材料が収容されている容器を準備して、加熱する(ステップS101)。次に、水素発生材料に含まれる金属材料の反応率及び上記容器の表面温度を検出する(ステップS102、ステップS103)。これらの検出結果から、水の供給量Aを決定する(ステップS104)。具体的には、例えば、予想される容器の表面温度にわたって、金属材料の反応率と水供給量Aとの関係を表す関数Fを求めておき、上記関数Fを参照することによって、水の供給量Aを決定する。その一例として図7に容器の表面温度が25℃の場合における金属材料の反応率と水供給量Aとの関係を表す関数Fのグラフを示す。
その後、上記容器の内部に、V1ml/分の供給速度で水の供給を開始する(ステップS105)。水供給総量がステップS104で決定した水供給量Aに達したか判定する(ステップS106)。ステップS104で決定した水供給量Aを全て供給後、水の供給を停止し、放置する(ステップS107)。その後、水と水素発生材料との発熱反応が開始することにより、上記容器の表面温度が表面温度しきい値以上かどうか判定する(ステップS108)。上記容器の表面温度が表面温度しきい値以上になれば、上記加熱を停止し(ステップS109)、V3ml/分の供給速度で、上記容器の内部に水の供給を開始する(ステップS110)。ステップS101〜S106が本発明の工程(1)、ステップS107が本発明の工程(2)、ステップS108〜S110が本発明の工程(3)に該当する。また、前述のとおり水の供給速度はV1>V3が好ましい。また、ステップS101及びステップS109は、必ずしも必須ではないが、水と水素発生材料との反応を容易に開始させる観点から、実施する方がより好ましい。以上のステップにより、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造することができる。
本発明の水素の製造方法によれば、条件により変化するものの、金属材料の反応率はおよそ60%以上、より好ましくは80%以上となり、効率的に水素を発生させることが可能となる。
例えば、水素の製造方法としては、炭化水素系燃料の改質による方法も知られているが、このような方法により得られる水素ではCO及びCO2といったガスが含まれており、かかる水素を100℃以下で作動する固体高分子型燃料電池に供給すると、これらのガスによる被毒の問題が生じる。一方、本発明方法により製造される水素は、上記ガスを含まないため、そのような問題が発生せず、また、反応に水が関与するため、ガス中に適度な水分を含んでおり、水素を燃料とする燃料電池において好ましく用いることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の水素の製造装置の実施の形態について説明する。但し、実施形態1で説明した事項と共通する事項については説明を省略する場合がある。
本発明の水素の製造装置は、水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料を収容可能な容器を備え、上記容器の内部に水を供給する水供給手段と、上記金属材料の反応率を検出する反応率検出手段と、上記容器の表面温度を検出する温度検出手段と、上記反応率検出手段及び上記温度検出手段からの信号に応じて水の供給量(供給速度)を決定する水供給量決定手段と、上記水供給量決定手段からの信号に応じて上記水の供給量(供給速度)を制御する水供給量制御手段とを備えている。
本発明の水素の製造装置は、上記構成とすることにより、実施形態1の水素の製造方法をそのまま実施することができ、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造できる。
上記容器は、水と発熱反応して水素を発生させる水素発生材質を収納可能であれば、その材質や形状は特に限定されないが、水の供給口や水素の導出口以外から水や水素が漏れない材質や形状が好ましい。具体的な容器の材質としては、水及び水素を透過しにくく、且つ100℃程度に加熱しても容器が破損しない材質が好ましく、例えば、アルミニウム、鉄等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を用いることができる。また、容器の形状としては、角柱状、円柱状等が採用できる。
上記水供給手段としては特に限定されず、水供給パイプ、水供給口等を容器に設ければよい。上記水供給手段には、ポンプ等を接続することもできる。上記反応率検出手段としては特に限定されず、デジタルマスフローメータ等を水素の導出管に接続することにより、金属材料の反応率を検出できる。
上記温度検出手段としては、容器の温度を正確に計測できるものであれば特に限定されず、例えば、白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対、IC化温度センサ等の接触式センサや熱を検知する放射温度計等の非接触式センサ等が用いられるが、小型で感度の良いものとして、サーミスタや熱電対が好適に用いられる。
上記温度検出手段の取り付け位置としては、容器温度を正確に計測できる場所であれば特に限定されないが、外部温度に左右されず計測できる位置が好ましく、例えば、容器の外底部、あるいは底部近傍の外表面等が好ましい。
上記水供給量決定手段としては特に限定されず、マイクロコンピュータ等の回路上で処理されるものが好ましい。
上記水供給量制御手段としては、上記水供給量決定手段により決定した水の供給量(供給速度)を正確に制御できるのであれば特に限定されず、例えば、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプあるいはシリンジポンプ等が用いられるが、供給速度(特に上限供給速度)が広範囲であることが好ましい。これは、前述のフローチャート(図1)で説明したように、水の供給速度はV1>V3が好ましく、さらには、V1は速ければ速いほど、本発明の工程(1)〜(3)を実施することにより、水素を素早く発生させることができるためである。また、水の供給速度が異なる少なくとも2系統の水の供給経路を備えることにより、水の供給量を調整することもでき、例えば、それぞれの経路の内径を適宜調整することにより、少なくとも2種類の供給速度を実現することができる。
また、上記容器には、水素を導出するための水素導出手段が設けられる。水素導出手段としては特に限定されず、水素導出パイプ、水素導出口等を上記容器に設ければよい。さらに、水素導出パイプ、水素導出口等には、容器内の水や水素発生材料が外部に出ないように、フィルターを設置することが好ましい。このフィルターとしては、気体を通すが液体及び固体を通しにくい特性を有するものであれば特に限定されず、例えば、多孔性のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の気液分離膜、ポリプロピレン(PP)製の不織布等を用いることができる。
また、本発明の水素の製造装置は、上記水素発生材料及び上記水の少なくとも一方を加熱可能な加熱手段をさらに備えていることが好ましい。これにより、水と水素発生材料との反応の開始が容易となる。上記加熱手段としては、実施形態1で説明した通電可能な抵抗体、発熱材料あるいは水以外の物質と発熱反応する材料等を備えた加熱装置を使用できる。上記加熱手段は、容器の外部に配置すればよい。
上記容器の外部には、さらに保温材を配置することが好ましい。これにより、水と水素発生材料との発熱反応を維持できる温度を保持しやすくなり、また、外気温の影響も受けにくくなる。保温材の材質は、断熱性が高い材質であれば特に限定されず、例えば、発泡スチロール、ポリウレタンフォーム等の多孔性断熱材、あるいは真空断熱構造を有する断熱材等を用いることができる。
以下、本発明の水素の製造装置の一例を図面に基づき説明する。図2は、本発明の水素の製造装置の一例を示す模式断面図である。図2において、水素の製造装置100は、容器1を備えている。また、容器1は、実施形態1で説明した水素発生材料を収納可能な容器本体1bと、蓋1aとを備え、蓋1aには容器本体1bに水収容容器3に収容されている水4を供給する水供給管5(水供給手段)と、水素を導出する水素導出管8が設けられている。そして、図2の装置では、水供給管5にマイクロポンプ等のポンプ10(水供給量制御手段)が備えられており、ポンプ10により、水供給口6から容器1内へ水4を制御して供給できるようになっている。容器1内に供給された水4は、水素発生材料2と反応して水素を発生させる。この反応により生成した水素は、容器1に設けられた水素導出口7を通じて、水素導出管8により、水素の製造装置100の外部に取り出される。容器本体1bの外面には、容器本体1bの表面温度を検出する温度センサ12(温度検出手段)と、通電により発熱する抵抗体13(加熱手段)が取り付けられ、抵抗体13と容器本体1bの外面は、保温材9で覆われている。また、水素導出管8にはマスフローメータ11(反応率検出手段)が備えられており、マスフローメータ11により、容器1に収容されている金属材料の反応率を検出することができる。そして、温度センサ12とマスフローメータ11からの信号を受信し、水供給量を決定するマイクロコンピュータ14(水供給量決定手段)が備えられ、決定した供給量の水をポンプ10で供給する。
なお、図2において、ポンプ10、マスフローメータ11及びマイクロコンピュータ14には、断面であることを示す斜線は付していない。
続いて、上記水素の製造装置100を用いて水素を製造する方法の一例を説明する。先ず、容器本体1bの内部に実施形態1で説明した金属材料と発熱材料とを含む水素発生材料2を収納する。次に、水供給管5からポンプ10により水供給速度を制御して水を供給し、水素を発生させる。その後、ポンプ10による水の供給を停止し、水素発生を停止させる。次に、再度水を供給する際、必要に応じて、抵抗体13に通電して発熱させ、容器本体1bを40〜90℃の範囲で加熱する。その後、温度センサ12とマスフローメータ11によりそれぞれ容器本体1bの表面温度と金属材料の反応率とを検出する。そして、温度センサ12とマスフローメータ11からの信号をマイクロコンピュータ14が受信し、水供給量を決定する。そして、決定した水の供給量を水供給管5からポンプ10により水供給量を制御して水を供給する。上記決定した水の供給量を供給後、水素発生材料と水との発熱反応が開始するまで、即ち、容器本体1bの表面温度が上昇するまで、水の供給を停止する。その後、容器本体1bの表面温度しきい値を超える温度を温度センサ12により検出した際、通電を停止して、抵抗体13による加熱を中止すると同時に、容器1の温度が40〜100℃の範囲になるように、再度、ポンプ10により水の供給速度を制御して水を供給し、水素を発生させる。これにより、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造することができる。
本発明の水素の製造方法により製造される水素を、小型燃料電池や携帯電子機器に適用するような場合には、例えば、図3に示すような水素の製造装置、即ち携帯型の燃料カートリッジを用いることができる。図3は、燃料カートリッジの模式断面図であるが、各構成要素の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線は付していない。また、図3において、図2の各要素と共通の作用を有する要素には同じ符号を付している。
図3の燃料カートリッジは、容器1の内部に水素発生材料2を封入したものであり、図2に示す水素の製造装置と同様に、水素発生材料2に水を供給するための水供給管5と、容器1内で生成した水素をカートリッジの外部に取り出すための水素導出管8とを備えている。燃料カートリッジは、燃料電池や携帯電子機器に装着された後に、マイクロポンプ等(図示せず。)を用いて、水供給管5の水供給口6を通じて容器1内に水が供給されるか、又は、水を充填した水収容容器(図示せず。)を燃料カートリッジの一部に予め付帯させておき、燃料電池や携帯電子機器に燃料カートリッジが装着された後、水収容容器内の水が容器1内に供給されるようにすればよい。
図3の燃料カートリッジでは、内部に供給された水の一部は、吸水材15により保持され、残部は水素発生材料2を濡らして、水素発生反応が開始される。発生した水素は、水素導出口7から水素導出管8を通じて燃料電池の負極に供給される。吸水材15は必ずしも必要ではないが、水素発生反応による水の消費に応じて、吸水材15により保持された水も水素発生材料2に供給されるため、水素発生速度の時間変動をある程度抑制することが可能となる。吸水材15は、水を吸って保持することのできる材質のものであれば特に限定されるものではなく、一般には脱脂綿や不織布等を用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示した水素の製造装置100を用いて以下のとおり水素を製造した。但し、図2に示した容器1としては、図4に示す燃料カートリッジを用いた。図4は、燃料カートリッジの模式断面図であるが、各構成要素の理解を容易にするため、断面であることを示す斜線は付していない。また、図4において、図2の各要素と共通の作用を有する要素には同じ符号を付している。図4に示す燃料カートリッジは、以下の手順により作製した。
金属材料として平均粒径6μmのアルミニウム粉末1.0gと、発熱材料として平均粒径3μmの酸化カルシウム粉末1.0gとを乳鉢で混合して、水素発生材料Aを作製した。また、金属材料として上記アルミニウム粉末19.7gと、発熱材料として上記酸化カルシウム粉末2.5gとを乳鉢で混合して、水素発生材料Bを作製した。
次に、ポリエチレン製の容器1(縦34mm、横34mm、高さ82mm、内容積60cm3)の低部に、吸水材15として脱脂綿を0.1g入れてから、上記水素発生材料A(図4中、2a)2gと、上記水素発生材料B(図4中、2b)22.2gとを、図4に示したように傾斜させて充填した。さらに、上記水素発生材料Bの上に、吸水材15として脱脂綿を0.1g入れた。
次に、水を供給するためのアルミニウム製の水供給管5(内径2mm、外径3mm)を図4に示したように、水供給口6が水素発生材料A(2a)の近傍になるように配置し、水素を導出させるアルミニウム製の水素導出管8(内径2mm、外径3mm)を備えたシリコン栓で蓋をし、水素発生材料A、Bを内部に充填した容器1を準備した。また、図2に示したように、容器1の側面に、容器1の表面温度を検出するための温度センサ12を取り付けた。また、図2に示したように、容器1の外周を包むように厚み5mmの発泡スチロール製の保温材9を設置した。
次に、図2に示したように、水供給管5の外側の先端(容器1側とは反対側の先端)に、上記水素発生材料A及びBに水を供給するためのポンプ10を設置した。即ち、ポンプ10を用いて水収容容器3から水4を供給することによって、先ず、水と水素発生材料Aに含まれる発熱材料(酸化カルシウム粉末)とが発熱反応し、続いて、水と水素発生材料A及びBに含まれる金属材料(アルミニウム粉末)とが水素発生反応を開始することとなる。
次に、図2に示したように、水素導出管8の外側の先端(容器1側とは反対側の先端)に、金属材料の反応率を検出するためのマスフローメータ11(コフロック社製)を設置した。また、水素導出口7とマスフローメータ11との間に、塩化カルシウム管(図示せず。)を配置し、発生した水素に含まれる水分を除去した。
次に、温度センサ12によって、容器1の表面温度を検出した。その結果を表1に示す。一方、この段階では金属材料は未だ水と反応していないので、その反応率は0%である。また、容器1の表面温度しきい値を60℃に設定した。
以上の容器1の表面温度及び金属材料の反応率から、容器の表面温度が25℃の場合における金属材料の反応率と水供給量との関係を表す関数Fを示す前述の図7に基づき、次の工程での水の供給量を1mlと決定した。
次に、ポンプ10を用いて水収納容器3から、表1に示す量の水を10秒以内に容器1の内部に供給して(本発明の工程(1)に該当。)、放置させた(本発明の工程(2)に該当。)。その後、容器1の表面温度が、上記表面温度しきい値以上となった際、ポンプ10から純水を0.9ml/分の速度で送り出した(本発明の工程(3)に該当。)。そして、マスフローメータ11によって、水素発生が開始するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでの時間を求めた。上記工程(1)において初めて供給される水が、水供給管5の先端に到達した時間を基準として試験開始とした。また、水素発生が開始するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間は、それぞれ、試験開始以降、マスフローメータ11により計測される瞬間水素発生速度が、2ml/分を超えるまでに要する時間、及びそれが最大となるまでに要する時間として求めた。
(比較例1)
ポンプ10により最初から0.9ml/分の速度で連続的に送り出すことにより水を供給した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
実施例1及び比較例1における試験条件及び試験結果を表1に示す。
Figure 2009190935
間欠的に水を供給した実施例1の場合、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間が1分以内と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。一方、連続的に水を供給した比較例1の場合は、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間が1分以上であった。これは、実施例1では好適な水の供給量を迅速に供給したため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達したと考えられる。
(実施例2、4〜7)
最初に、実施例1と同様にして水素発生を行った。その後、任意の時間で水の供給を停止し、水素の発生を停止させた。そして、以下の手順によって、再度、水素発生を開始させる試験を行った。
先ず、上記水素発生中に温度センサ12及びマスフローメータ11によって、容器1の表面温度及び金属材料の反応率をそれぞれ検出した。その結果を表2に示す。また、容器1の表面温度しきい値を60℃に設定した。
以上の容器1の表面温度及び金属材料の反応率から、実施例1と同様にして、次の工程での水の供給量をそれぞれ決定した。その結果も表2に示す。
次に、ポンプ10を用いて水収容容器3から、表2に示す量の水を10秒以内に容器1の内部に供給して(本発明の工程(1)に該当。)、放置させた(本発明の工程(2)に該当。)。その後、容器1の表面温度が、表面温度しきい値以上となった際、ポンプ10から純水を0.9ml/分の速度で送り出した(本発明の工程(3)に該当。)。そして、マスフローメータ11によって、再度水素発生が開始するまでの時間及び再度水素発生速度が最大となるまでの時間を求めた。水素発生が停止している状態の後に初めて供給される水が、水供給管5の先端に到達した時間を基準として試験開始とした。また、再度水素発生が開始するまでの時間及び再度水素発生速度が最大となるまでに要する時間は、それぞれ、試験開始以降、マスフローメータ11により計測される瞬間水素発生速度が、2ml/分を超えるまでに要する時間、及びそれが最大となるまでに要する時間として求めた。
但し、実施例4及び5においては、上記工程(1)及び(2)を実行している時のみ、容器1を、実施例4では40℃、実施例5では50℃にそれぞれ加熱した。
(実施例3)
表2に示す量の水を、ポンプ10から1.9ml/分の速度で3.8分間で供給した以外は、実施例2と同様にして試験を行った。
(比較例2)
ポンプ10から再び0.9ml/分の速度で連続的に送り出すことにより水を供給した以外は、実施例2と同様にして試験を行った。
実施例2〜7及び比較例2における試験条件及び試験結果を表2に示す。また、図5及び図6に、実施例2及び比較例2における容器の表面温度、水供給速度及び水素発生速度と、経過時間との関係を示す。
Figure 2009190935
間欠的に水を供給した実施例2〜7の場合、水素が発生するまでの時間がいずれも2分以内、及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間がいずれも8分以内と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。一方、連続的に水を供給した比較例2の場合は、水素が発生するまでの時間が約5分以上、及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間が11分と長く、反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができるまでに長時間を要した。これは、金属材料の反応状態あるいは容器の温度状態の違いによって、水素発生を開始させるための水の供給量が異なるためであると考えられる。そして、実施例2〜7の場合、好適な水の供給量を迅速に供給したため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達したと考えられる。
また、本発明の工程(1)及び(2)を実行している時のみ、容器1を加熱した実施例4及び5の場合、上記加熱を実行しなかった実施例2に比べて、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間がいずれもより短時間であった。これは、加熱により水と水素発生材料との発熱反応が促進されたためと考えられる。
以上のように本発明の水素の製造方法及び水素の製造装置は、100℃以下の低温において、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造できる。本発明の水素の製造方法及び水素の製造装置により製造した水素は、燃料電池に供給でき、特に小型携帯機器用の燃料電池の燃料源として幅広く利用可能である。
本発明の水素の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の水素の製造装置の一例を示す模式断面図である。 本発明の水素の製造装置の一例を示す燃料カートリッジの模式断面図である。 実施例1〜7及び比較例1、2で用いた燃料カートリッジの模式断面図である。 実施例2における容器の表面温度、水供給速度及び水素発生速度と、経過時間との関係を示す図である。 比較例2における容器の表面温度、水供給速度及び水素発生速度と、経過時間との関係を示す図である。 容器の表面温度が25℃の場合における金属材料の反応率と水供給量Aとの関係を表す関数Fのグラフを示す図である。
符号の説明
1 容器
2 水素発生材料
2a 水素発生材料A
2b 水素発生材料B
3 水収容容器
4 水
5 水供給管
6 水供給口
7 水素導出口
8 水素導出管
9 保温材
10 ポンプ
11 マスフローメータ
12 温度センサ
13 抵抗体
14 マイクロコンピュータ
15 吸水材
100 水素の製造装置

Claims (18)

  1. 水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料と、水とを反応させて水素を発生させる水素の製造方法であって、
    (1)前記水素発生材料を収容した容器の内部に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、
    (2)前記工程(1)に続いて、前記水の供給を停止する工程と、
    (3)前記工程(2)に続いて、前記容器の内部に、水の供給量を制御して水を供給する工程と、
    を含むことを特徴とする水素の製造方法。
  2. 前記工程(1)を開始する段階における前記水素発生材料は、一部が水と反応し、且つ水素発生が停止している状態である請求項1に記載の水素の製造方法。
  3. 前記工程(1)における前記水の供給量は、前記工程(1)を開始する段階における前記金属材料の反応率及び前記容器の表面温度により決定される請求項1又は2に記載の水素の製造方法。
  4. 前記工程(3)において、前記水の供給量を制御することにより、前記容器の内部を前記発熱反応が維持できる温度に保持し、且つ水素発生速度の変動を抑制する請求項1〜3のいずれかに記載の水素の製造方法。
  5. 前記工程(3)における前記水の供給は、前記容器の表面温度が表面温度しきい値以上となった時に開始される請求項1〜4のいずれかに記載の水素の製造方法。
  6. 前記表面温度しきい値は、40℃超で90℃以下である請求項5に記載の水素の製造方法。
  7. 前記工程(1)における水の供給速度を、前記工程(3)における水の供給速度よりも速くする請求項1〜6のいずれかに記載の水素の製造方法。
  8. 前記金属材料は、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの元素を主体とする合金からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の水素の製造方法。
  9. 前記水素発生材料は、前記金属材料以外の材料であって水と反応して発熱する発熱材料をさらに含む請求項1〜8のいずれかに記載の水素の製造方法。
  10. 前記発熱材料は、アルカリ土類金属の酸化物である請求項9に記載の水素の製造方法。
  11. 前記水素発生材料全体中における前記金属材料の含有率が、85質量%以上99質量%以下である請求項1〜10のいずれかに記載の水素の製造方法。
  12. 前記工程(1)及び(2)を実施している時にのみ、前記水素発生材料及び前記水の少なくとも一方を加熱する請求項1〜11のいずれかに記載の水素の製造方法。
  13. 前記加熱の温度が、40℃以上90℃未満、且つ前記表面温度しきい値未満である請求項12に記載の水素の製造方法。
  14. 前記加熱は、抵抗体に通電することによる発熱により行われる請求項12又は13に記載の水素の製造方法。
  15. 前記加熱は、発熱材料の化学反応による発熱により行われる請求項12又は13に記載の水素の製造方法。
  16. 水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料を収納可能な容器を備え、請求項1〜15のいずれかに記載の水素の製造方法を用いることを特徴とする水素の製造装置。
  17. 前記容器には、前記容器の内部に水を供給するための供給口と、前記容器内で発生した水素を前記容器の外部に導出するための導出口とを備えている請求項16に記載の水素の製造装置。
  18. 前記容器の外部に保温材をさらに配置した請求項16又は17に記載の水素の製造装置。
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