JP2009203103A - 水素発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便で効率よく水素を製造する。
【解決手段】本発明の水素発生装置は、水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料を収納する容器を備え、前記容器は、前記容器の内部に水を供給するための水供給口と、前記容器内で発生した水素を前記容器の外部に導出するための水素導出口とを備え、前記水素導出口に対向する前記容器の壁面を基準面とし、前記水供給口は、前記基準面の近傍に配置され、前記容器は、前記基準面に対して垂直方向に伸びる垂直壁面を備え、前記垂直壁面には、吸水材が配置され、前記垂直壁面の有効長さのうち、前記水素導出口側の15%以上の長さ部分には、前記吸水材が配置されていないことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水と反応して水素を発生させる金属材料を用いる水素発生装置に関する。
近年、パーソナルコンピューター、携帯電話等のコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池は、ますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図り得る二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源としての需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウムイオン二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、固体高分子型燃料電池が挙げられる。電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料(水素、メタノール等)を用いる固体高分子型燃料電池は、リチウムイオン電池よりも高エネルギー密度化が期待できる電池として注目されている。
燃料電池は、燃料及び酸素の供給さえ行えば連続的に使用することができるが、使用する燃料に関してはいくつかの候補が挙げられている。現在のところ候補となっている燃料には、それぞれ種々の問題点を有しており、最終的な決定が未だなされていない。
燃料として水素を用いる燃料電池としては、例えば、高圧タンクあるいは水素吸蔵合金タンクに蓄えた水素を供給する方法が一部で実用化されているが、体積及び重量が大きくなりエネルギー密度が低下するため、ポータブル電源用途には適さないという欠点を有している。
また、燃料電池の燃料として、炭化水素系燃料を用い、それを改質して水素を取り出す方法もあるが、改質装置が必要となり改質装置への熱の供給及び断熱等の問題があるため、やはりポータブル電源用途には不適である。この他、燃料としてメタノールを用い、直接電極でメタノールを燃料として反応させる直接メタノール型燃料電池もあり、これは小型化が容易で、将来のポータブル電源として期待されているが、負極のメタノールが固体電解質を透過して正極に達するクロスオーバーによる電圧の低下及びエネルギー密度の減少という問題がある。
このような状況において、燃料電池の燃料源である水素を製造する方法として、水と、例えばアルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛等の水素発生材料とを、100℃以下の低温で化学反応させて水素を発生させる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載された方法によれば、酸化カルシウムをアルミニウムとの総量において15重量%以上添加しなければ、水素を発生させることができないばかりか、反応時間とともに水素発生速度が大きく変動し、水素発生反応の効率や安定性の点で大きな問題を生じることになる。
また、特許文献2に記載された方法においても、水素発生反応を効率的に進行させるためには多量の添加剤を必要とし、効率的且つ安定的に水素を製造する方法を提供できるものではない。
本発明者らは、特許文献1、2に記載の方法が抱える上記問題を回避すべく検討を重ね、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を収容した容器の内部に水を供給する工程と、上記水と上記水素発生材料とを上記容器内で反応させて水素を発生させる工程とを含む水素の製造方法であって、上記水を供給する工程において、上記水の供給量を制御することにより、上記容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持し、水素発生速度の変動を抑制する技術を開発し、これを特許文献3で提案している。特許文献3に記載の技術であれば、水素発生反応を安定的に維持することができ、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造することができる。
また、本発明者らは、さらに効率よく水素を発生させるため、水と反応して水素を発生させる金属材料と、水と反応して発熱する発熱材料であり上記金属材料以外の材料とを含む水素発生材料であって、上記発熱材料が、上記金属材料に偏在している水素発生材料と、その水素発生材料を用いた水素発生装置を開発し、これを特許文献4で提案している。
特開2004−231466号公報 特表2004−505879号公報 特開2007−45646号公報 国際公開第2007/018244号パンフレット
しかしながら、特許文献3、4に開示の技術においても、水素発生効率の向上の上で、水素発生材料を収容した容器の構成について、未だ改良の余地があることが分った。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便で効率よく水素を発生させ得る水素発生装置を提供するものである。
本発明の水素発生装置は、水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料を収納する容器を備えた水素発生装置であって、前記容器は、前記容器の内部に水を供給するための水供給口と、前記容器内で発生した水素を前記容器の外部に導出するための水素導出口とを備え、前記水素導出口に対向する前記容器の壁面を基準面とし、前記水供給口は、前記基準面の近傍に配置され、前記容器は、前記基準面に対して垂直方向に伸びる垂直壁面を備え、前記垂直壁面には、吸水材が配置され、前記垂直壁面の有効長さのうち、前記水素導出口側の15%以上の長さ部分には、前記吸水材が配置されていないことを特徴とする。
本発明によれば、簡便で効率よく水素を発生させ得る水素発生装置を提供することができる。
本発明の水素発生装置で使用する金属材料は、主に、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムといった金属やこれらの金属元素を主体とする合金で構成されており、各種の形状を有する粒子として用いるが、このような粒子は、一般に、上記金属や合金を金属状態で含有する粒子内部と、該粒子内部の少なくとも一部を被覆する表面皮膜(酸化皮膜)とで構成されている。そして、このような金属材料と水との反応の際には、上記表面皮膜に水が浸透して、粒子内部の金属や合金にまで水が到達すると、水と金属材料とが反応して水素が発生する。
例えば、上記金属材料の1つであるアルミニウムと水との反応は、下記式(1)〜(3)のいずれかによって進行していると考えられる。下記式(1)による発熱量は、419kJ/molである。
(式1)
2Al+6H2O→Al23・3H2O+3H2 (1)
2Al+4H2O→Al23・H2O+3H2 (2)
2Al+3H2O→Al23+3H2 (3)
このうち、100℃以下の低温で優先的に起こると考えられる上記式(1)及び(2)の反応では、反応生成物として水和物を生成する。この水和物も難水溶性であるので、そのまま金属材料の粒子表面に留まり、酸化皮膜が厚くなる。そして、粒子表面に留まった上記水和物と、未反応の金属材料とが凝結する現象が起こると考えられる。この現象によって、未反応の金属材料の粒子内部まで水が浸透しにくくなる。そのため、上記金属材料を含む水素発生材料を収容した容器内で前述の特許文献3及び特許文献4の技術を用いて水素を発生させる際、反応条件によっては、上記現象が起こりやすくなり、その結果、上記容器内で水素発生材料の不均一な反応が進行し、水素発生効率が悪くなるといった不都合が生じることがあった。
ところが、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、上記のような現象が起こり得る水素発生材料と水とを用いて水素を発生させる水素発生装置の構造を改善することにより、水素発生量を増大させて、効率的な水素発生を可能とし得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の水素発生装置は、水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料を収納する容器を備えた水素発生装置であって、前記容器は、前記容器の内部に水を供給するための水供給口と、前記容器内で発生した水素を前記容器の外部に導出するための水素導出口とを備え、前記水素導出口に対向する前記容器の壁面を基準面とし、前記水供給口は、前記基準面の近傍に配置され、前記容器は、前記基準面に対して垂直方向に伸びる垂直壁面を備え、前記垂直壁面には、吸水材が配置され、前記垂直壁面の有効長さのうち、前記水素導出口側の15%以上の長さ部分には、前記吸水材が配置されていないことを特徴とする。
上記本発明の水素発生装置を用いることにより、簡便で効率よく水素を発生させることができる。また、本明細書でいう「垂直壁面の有効長さ」とは、上記垂直壁面に吸水材を配置しない場合における、上記垂直壁面が上記水素発生材料と接する部分の、上記基準面に対する垂直方向の総長さをいう。
以下、本発明の水素発生装置の一例を図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の水素発生装置の一例である燃料カートリッジを示す模式断面図である。図2は、図1のI−I線の矢視断面図である。図1及び図2は、本発明の水素発生装置の一例を示すものであり、本発明の水素発生装置は、図1及び図2に示される構成のものに限定されるものではない。
図1において、燃料カートリッジ100は、水素発生材料を収容可能な容器本体1aと、蓋1bとを備え、蓋1bには容器本体1aに水を供給する水供給管3と、水素を導出する水素導出管5とが設けられている。図1では水供給管3は、水平方向(図1の左右方向)に配置されているが、鉛直方向(図1の上下方向)に配置してもよい。また、図1では、水供給管3を容器1の片側に配置したが、容器1の中央付近に配置してもよい。
燃料カートリッジ100は、マイクロポンプ等のポンプ(図示せず。)を用いて、水供給管3の水供給口4を通じて容器1に水を供給し、容器1内において水素発生材料2と水とを反応させて水素を発生させる。よって、容器1は、水素発生材料2と水との反応容器としての役割も担っている。容器1で発生した水素は、水素導出口6から水素導出管5を経て、水素を必要とする燃料電池等の機器に供給される。
容器1は、水素発生材料2を収納可能であれば、その材質や形状は特に限定されないが、水素発生材料2と水との水素発生反応を行う反応容器として用いられるので、水供給口4や水素導出口6以外から水や水素が漏れない材質や形状が好ましい。具体的な容器1の材質としては、水及び水素を透過しにくく、且つ100℃程度に加熱しても容器が破損しない材質が好ましく、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、鉄等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。また、容器1の形状としては、角柱状、円柱状等が採用できる。
水素導出口6は、水素を外部に導出できる構造であれば特に限定されず、例えば、蓋1bに形成された開口であってもよく、また、蓋1bに直接接続されたパイプ(図1の水素導出管5に該当する。)を水素導出口とするものであってもよい。水素導出口6には、フィルターを配置すれば、容器1の内容物が外に漏れ出さないのでより好ましい。このフィルターは、気体を通し液体及び固体を通しにくい構造であれば特に限定されず、例えば、多孔性のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の気液分離膜、ポリプロピレン製の多孔質フィルム等を用いることができる。
水供給口4は、水素導出口6に対向する容器1の壁面1a1を基準面とした場合、水を外部から供給でき、且つ上記基準面の近傍に配置されれば特に限定されず、例えば、蓋1bに直接接続されたパイプ(図1の水供給管3に該当する。)を水供給口とするものであってもよい。ここで、本明細書でいう「基準面の近傍」とは、上記基準面からの垂直方向の距離が、水供給口4の最大外径の2倍以下の長さとなる範囲をいう。
また、水供給管3は、後に詳述するが、水の供給量を制御できるポンプと接続されていれば、水の供給量を調節することによって、発生する水素の量を制御することができるのでより好ましい。
また、容器1は、上記基準面に対して垂直方向に伸びる垂直壁面1a2を備え、垂直壁面1a2には、吸水材7aが配置され、上記垂直壁面1a2の有効長さ(以下、単に有効長さという場合がある。)のうち、水素導出口6側の15%以上の長さ部分には、吸水材7aが配置されていない。また、上記有効長さのうち、水素導出口6側の19%以上69%以下の長さ部分には、吸水材7aが配置されていないことがより好ましい。
吸収材7aを上記のように配置することによって、効率よく水素を発生させることができる。この理由の詳細は不明であるが、垂直壁面1a2に吸水材7aを配置していない水素発生装置と比較して、考えられる理由を簡単に説明する。図3は、垂直壁面1a2に吸水材を配置していない以外は、図1の燃料カートリッジ100と略同様の構成を有する燃料カートリッジを示す模式断面図である。図3において、図1と同一部分には同一の符号を付けてその詳しい説明は省略する。
図3は、垂直壁面1a2に吸水材を配置せずに水素発生反応を行った燃料カートリッジ100の水素発生反応の途中(定常状態終了時)における模式断面図を示す。図3の右側は容器1の基準面側、左側は水素導出口6側である。また、図3に示す模式断面図は、燃料カートリッジ100をX線CTで観察した結果に基づいて図示している。
ここで、本明細書でいう「定常状態」とは、水素発生速度が最大値に達した後に、水素発生速度がほぼ一定となった状態をいう。
図3から明らかなように、容器1の基準面の近傍に配置された水供給口4から水素発生反応が進行しているが、水供給口4が配置される水素発生材料2の右側から左側に向かって均一に反応が進行するのではなく、容器1の中央上部に未反応の水素発生材料2aが選択的に堆積し、この未反応の水素発生材料2aを取り囲む形で反応が進行していることが分った。これは、前述したように、水素発生材料2に含まれる金属材料と水との反応の際に、金属材料の粒子表面に留まった反応生成物である水和物と、未反応の金属材料とが凝結する現象が、容器1の中央上部(図3の太線部分)で起こり、その結果、上記中央上部内に位置する未反応の金属材料粉末の粒子内部への水の浸透が困難になったためではないかと推察される。
一方、図1に示す本発明の水素発生装置では、上記凝結現象が、容器1の中央上部(図3の太線部分)で起こったとしても、容器1の垂直壁面1a2に吸水材7aが配置されることによって、水が保持された吸水材7aが、上記中央上部内に位置し、且つその水が上記凝結現象が起こっていない未反応の金属材料粉末へ浸透するため、図3に示す未反応の水素発生材料2aにおいても効率よく反応が進行したものと推察される。
吸水材7aの材質は、水を吸って保持することのできる材質であれば特に限定されるものではなく、一般には、脱脂綿、不織布、綿布、ガーゼ又はスポンジ等を用いることができる。
吸水材7aは、垂直壁面1a2の有効長さの30%以上70%以下の長さ部分に、上記基準面側から配置されることが好ましく、より好ましくは40%以上60%以下の長さ部分に上記基準面側から配置される。また、上記の場合、垂直壁面1a2の有効面積に対する、吸水材7aが垂直壁面1a2に接する部分の総面積の割合は、30%以上70%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以上60%以下である。吸水材7aが、上記基準面側から配置されることにより、容器本体1aの上記基準面の近傍に配置された水供給口4から供給される水が、垂直壁面1a2に配置された吸水材7aへスムーズに浸透することができる。
ここで、本明細書でいう「垂直壁面の有効面積」とは、上記垂直壁面に吸水材を配置しない場合における、上記垂直壁面が上記水素発生材料と接する部分の総面積をいう。
また、吸水材7aが、上記有効長さの30%未満の長さ部分及び上記有効面積の30%未満の面積部分に配置される場合、吸水材7aに保持された水が上記中央上部内に位置する上記凝結現象が起こっていない未反応の金属材料粉末へ浸透する効果が薄くなる。一方、吸水材7aが、上記有効長さの70%を超える長さ部分及び上記有効面積の70%を超える面積部分に配置される場合、吸水材7aによって、水素導出口6側への水の浸透が過度に進行することにより、上記基準面の近傍及び容器1の中央部分付近(図1のI−I線の断面付近)への水の浸透が困難となり、上記基準面の近傍及び容器1の中央部分付近に位置する水素発生材料2の反応が起こりにくくなる。
吸収材7aは、図1及び図2に示すように、垂直壁面1a2の内周に連続して配置するのが好ましいが、吸収材7aの少なくとも一部が容器1の中央上部内に配置されれば必ずしも垂直壁面1a2の内周に連続して配置しなくてもよい。
図1に示した燃料カートリッジ100では、さらに、容器1の内部における水供給口4及び水素導出口6のそれぞれの先端部に、吸水材7b、7cが配置されている。吸水材7bあるいは7cは、必ずしも必要ではないが、水素発生反応による水の消費に応じて、吸水材7bあるいは7cに保持された水が水素発生材料2に供給され、水素発生速度の時間変動をある程度抑制することが可能となるので、配置するのが好ましい。さらには、吸水材7cは、水素発生反応の際に、水素発生材料2が水素導出口6から水素導出管5を経て、水素を必要とする燃料電池等の機器に流出することを防止するフィルターの役割も担うため、配置することが好ましい。吸水材7bあるいは7cの材質は、水を吸って保持することのできる材質であれば特に限定されるものではなく、吸水材7aと同一の材料を用いることができる。
本発明の水素発生装置に使用される金属材料としては、水と反応して水素を発生させる材料であれば特に限定されないが、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの元素を主体とする合金からなる群より選択される少なくとも1種が好適に使用できる。上記合金の主体となる元素以外の元素は特に限定されない。ここで、主体とは、合金全体に対して80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有されていることをいう。これらの金属材料は、常温では水と反応しにくいが、加熱することにより水との発熱反応が容易となる物質である。ここで、本明細書において「常温」とは、20〜30℃の範囲の温度である。
上記金属材料は、少なくとも常温以上に加温された状態において、水と反応して水素を発生させることができる。しかし、表面に安定な酸化皮膜が形成されるため、低温下、あるいは、板状、ブロック状等のバルクの形状では、水素を発生しない又は水素を発生し難い材料である。一方、上記酸化皮膜の存在により、空気中での取り扱いは容易である。
上記金属材料は、その平均粒径によって特に限定されないが、その平均粒径が0.1μm以上100μm以下とすることが好ましく、0.1μm以上50μm以下がより好ましい。上記金属材料は、一般に、表面に安定な酸化皮膜が形成されている。そのため、板状、ブロック状及び粒径1mm以上のバルク状等の金属材料は、加熱しても水との反応が進行せず、実質的に水素を発生させない場合もある。しかし、上記金属材料の平均粒径を100μm以下とすると、酸化皮膜による水との反応抑制作用が減少し、常温では水と反応しにくいものの、加熱すれば水との反応性が高まり、水素発生反応が持続できるようになる。また、上記金属材料の平均粒径を50μm以下とすると、40℃程度の穏和な条件でも水と反応して水素を発生させることができる。
また、上記金属材料の平均粒径が50μmを超える場合であっても、上記金属材料が鱗片状であり、且つその厚みが5μm以下である場合には、水との反応性を高めて、より効率よく水素を発生させることができ、特に上記金属材料の厚みが3μm以下の場合には、反応効率をより一層向上させることができる。
一方、金属材料の平均粒径を0.1μm未満としたり、鱗片状の金属材料の厚みを0.1μm未満とすると、発火性が高くなって取り扱いが困難となったり、上記金属材料の充填密度が低下してエネルギー密度が低下しやすくなったりする。そのため、上記金属材料の平均粒径は、0.1μm以上とすることが好ましく、また、上記金属材料が鱗片状の場合には、その厚みは0.1μm以上であることが好ましい。
ここで、本明細書でいう「平均粒径」は、体積基準の積算分率50%における粒子直径の値であるD50を意味する。平均粒径の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱法等を用いることができる。具体的には、水等の液相に分散させた測定対象物質にレーザー光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法である。レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装(株)社製の“マイクロトラックHRA”等を用いることができる。
また、本明細書において鱗片状の金属材料の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することとする。
また、上記金属材料の形状も特に限定されないが、例えば、略球状(真球状を含む。)やラグビーボール状の他、前述の鱗片状のものなどが挙げられる。略球状やラグビーボール状等の場合には前述の平均粒径を満足するものが好ましく、鱗片状の場合には前述の厚みを満足するものが好ましい。また、鱗片状の金属材料の場合には、前述の平均粒径も満足していることがより好ましい。
さらに、上記金属材料に、親水性酸化物、炭素及び吸水性高分子からなる群より選ばれる少なくとも1つの物質(以下、添加剤という。)を添加すれば、金属材料と水との反応を促進させることができるので好ましい。上記親水性酸化物としては、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、ゼオライト、酸化亜鉛等が使用できる。
水と金属材料との発熱反応を容易に開始させるために、使用される水素発生材料は、上記金属材料以外の材料であって水と反応して発熱する発熱材料を含むことが好ましい。
上記発熱材料は、水と発熱反応して水酸化物や水和物となる材料、水と発熱反応して水素を生成する材料等を用いることができる。上記発熱材料のうち、水と反応して水酸化物や水和物となる材料としては、例えばアルカリ金属の酸化物(例えば、酸化リチウム等。)、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等。)、アルカリ土類金属の塩化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等。)、アルカリ土類金属の硫酸化合物(例えば、硫酸カルシウム等。)等を用いることができる。上記水と反応して水素を生成する材料としては、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム等。)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化リチウム等。)等を用いることができる。これらの材料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、発熱材料が塩基性材料であれば、水素発生反応に用いられる水に溶解して、高濃度のアルカリ水溶液を生成するので、上記金属材料の表面に形成された酸化皮膜を溶解させ、水との反応性を大きくすることができるので好ましい。この酸化皮膜を溶解する反応は、金属材料と水との反応の起点となることもある。特に、発熱材料がアルカリ土類金属の酸化物であれば、塩基性材料であり且つ取り扱いが容易であるのでより好ましい。
上記発熱材料としては、水以外の物質と常温で発熱反応を生じる材料、例えば、鉄粉のように酸素と反応して発熱する材料も知られている。しかし、水素発生材料が、上記酸素と反応する材料と、上記水素発生源となる金属材料とを含む場合、反応のために必要とされる酸素は、同時に、金属材料から発生する水素の純度を低下させたり、金属材料を酸化させて水素発生量を低下させたりするなどの問題を生じることがある。このため、本発明においては、発熱材料としては、前述のとおり、水と反応して発熱するアルカリ土類金属の酸化物等を用いるのが好ましい。また、同様の理由から、水素発生材料に含まれる発熱材料は、反応時に水素以外の気体を生成しないものが好ましい。
上記水素発生材料全体中における上記金属材料の含有率は、より多くの水素を発生させる観点から、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、また、発熱材料の併用による効果をより確実にする観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下である。また、水素発生材料全体中における発熱材料の含有率は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であって、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
上記発熱材料を含有する水素発生材料は、上記金属材料と上記発熱材料を混合することにより得ることができる。金属材料と発熱材料との混合の際には、金属材料のみが1mm以上の凝集体にならないようにすることが好ましい。例えば、金属材料と発熱材料を撹拌混合することにより、金属材料が凝集するのを抑制しつつ、水素発生材料を作製することができる。また、金属材料の表面に発熱材料をコーティングして複合化し、水素発生材料としてもよい。
また、水素発生材料と水との反応を容易に開始させるために、水素発生材料及び水の少なくとも一方を加熱することが望ましく、容器1の内部への水の供給と加熱とを同時に行ってもよい。
上記水素発生材料及び上記水の少なくとも一方を加熱する温度は、40℃以上90℃未満が好ましく、40℃以上70℃以下がより好ましい。この発熱反応を維持できる温度は、前述のとおり通常は40℃以上であり、一旦発熱反応が開始して水素が発生すると、容器の内圧が上昇して水の沸点が上昇することもあり、容器内温度が120℃程度に達することもあるが、水素発生速度の制御の点から上述の範囲の温度域において加熱することが好ましい。
水素発生材料が上記発熱材料を含む場合、上記加熱は反応の開始時にのみ行えばよい。一旦、水と水素発生材料との発熱反応が開始されると、その発熱反応の熱によりその後の反応を継続できるからである。
上記加熱の方法は特に限定されないが、抵抗体に通電することによる発熱を利用して加熱することができる。例えば図1に示すように、抵抗体9を容器1の外部に取り付けて発熱させ、容器1を外部から加熱することにより、水素発生材料2及び水の少なくとも一方を加熱することができる。上記抵抗体の種類については特に限定されず、例えば、ニクロム線、白金線等の金属発熱体、炭化ケイ素、PTCサーミスタ等が使用できる。
また、上記加熱は、発熱材料の化学反応による発熱により行うこともできる。発熱材料を容器の外部に配置して発熱させ、容器を外部から加熱することにより、水素発生材料及び水の少なくとも一方を加熱することができる。この発熱材料としても、前述の水と発熱反応する材料を用いることができる。
また、上記加熱は、水以外の物質と発熱反応する材料、例えば、鉄粉のように酸素と発熱反応する材料による発熱により行うこともできる。この材料は、発熱反応のために酸素を導入しなければならいため、容器の外部に配置して使用される。
上記発熱材料を含有する水素発生材料を容器本体1aに収容し、これに水を供給して加熱する場合には、発熱材料は金属材料と均一又は不均一に分散・混合させた混合物として用いてもよいが、容器本体1a内において、上記水素発生材料全体中における上記発熱材料の平均含有率よりも上記発熱材料の含有率が高い偏在部を設けることがより好ましく、容器本体1a内部の水供給管3の水供給口4の近傍に上記偏在部を配置することが特に好ましい。容器本体1aの内部において、発熱材料をこのように偏在させることにより、水を供給し始めてから金属材料が加温されるまでの時間をより短くして、より迅速な水素発生を可能とすることができる。
容器1の内部の水供給口4の近傍に上記偏在部を配置するには、水供給口4の近傍に発熱材料だけを配置する他、予め発熱材料の含有率の異なる2種以上の、金属材料と発熱材料との単位組成物を調製しておき、水供給口4の近傍には発熱材料の含有率の最も高い単位組成物を配置し、その他の部分には発熱材料の含有率の低い単位組成物を配置することもできる。
また、本発明の水素発生装置では、水素発生材料2を収容する容器1の内部に水を供給する水供給部と、上記水の供給量を制御する水供給量制御部とを備えていることが好ましい。水の供給量を制御することにより、容器1の内部を発熱反応が維持できる温度に保持できる。これにより、水と水素発生材料との発熱反応を安定して継続でき、簡便で効率よく、且つ安定的に水素を製造できる。水の供給量の制御は、水の供給速度を制御することにより行うことが好ましい。
上記発熱反応が維持できる温度は、通常は40℃以上であり、一旦発熱反応が開始して水素が発生すると、容器1の内圧が上昇して水の沸点が上昇することもあり、容器1内温度が120℃程度に達することもあるが、水素発生速度の制御の点から100℃以下とすることが好ましい。
上記水供給部としては特に限定されず、水供給管、水供給口等を容器1に設ければよい。また、上記水供給部には、ポンプ等を接続することもできる。
上記水供給量制御部としては、水の供給量(供給速度)を正確に制御できるのであれば特に限定されず、例えば、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプあるいはシリンジポンプ等が用いられる。また、水の供給速度が異なる少なくとも2系統の水の供給経路を備えることにより、水の供給量を調整することもでき、例えば、それぞれの経路の内径を適宜調整することにより、少なくとも2種類の供給速度を実現することができる。
容器1の外部には、さらに保温材8を配置することが好ましい。これにより、水と金属材料との発熱反応を維持できる温度を保持しやすくなり、また、外気温の影響も受けにくくなる。保温材8の材質は、断熱性が高い材質であれば特に限定されず、例えば、発泡スチロール、ポリウレタンフォーム、発泡ネオプレンゴム等の多孔性断熱材、あるいは真空断熱構造を有する断熱材等を用いることができる。
さらに、本発明の水素発生装置には、圧力逃がし弁を設けることが好ましい。例えば、水素発生速度が増大して、装置の内圧が上昇した場合でも、圧力逃がし弁から水素を装置外に排出することにより、装置の破損を防止することができる。圧力逃がし弁の設置箇所は、水素発生材料2を収容した容器1内で発生した水素が排出できる箇所であれば特に限定されない。例えば図1に示す装置であれば、水素導出管5から、水素を必要とする機器(図示せず。)までの間のいずれの箇所に圧力逃がし弁を設ければよい。
以上に説明した本発明の水素発生装置によれば、条件により変化するものの、例えば、金属材料が全て反応したと仮定したときの理論水素発生量(アルミニウムの場合は、1gあたりの理論水素発生量は、25℃換算で約1360mlとなる。)に対し、実際に得られる水素発生量は、およそ60%以上、より好ましくは80%以上となり、効率的に水素を発生させることが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図4に示した本発明の水素発生装置の一例を示す燃料カートリッジ100を用いて以下の通り水素を製造した。図5は、図4のII−II線の矢視断面図である。図4及び図5では、図1及び図2と同一部分には同一の符号を付けてその詳細な説明は省略する。後述する図6〜8も同様である。
金属材料として平均粒径6μmのアルミニウム粉末1.0gと、発熱材料として平均粒径3μmの酸化カルシウム粉末1.0gとを乳鉢で混合して、水素発生材料Aを作製した。また、金属材料として上記アルミニウム粉末98.5gと、発熱材料として上記酸化カルシウム粉末12.5gとを乳鉢で混合して、水素発生材料Bを作製した。
次に、ポリエチレン製の容器1(縦51mm、横51mm、高さ105mm、内容積165cm3)の内部に、水素発生材料A(図4中、2c)2gと、水素発生材料B(図4中、2d)111.0gとを、図4に示したように傾斜させて充填した。さらに、水素発生材料Bの上に、吸水材7cとして脱脂綿を0.4g入れた。
次に、図4に示したように、垂直壁面1a2に前述の基準面側から、前述の有効長さ及び有効面積のそれぞれ50%に渡って、厚さ4mmの脱脂綿を配置した。また、水を供給するためのアルミニウム製の水供給管3(内径2mm、外径3mm)の水供給口4の先端には吸水材7bとして脱脂綿を0.1g配置し、水供給口4を水素発生材料Aの近傍になるように配置して、水素を導出させるアルミニウム製の水素導出管5(内径3mm、外径4mm)を備えたシリコン栓で蓋をし、水素発生材料A、Bを内部に充填した容器1を得た。そして、容器1の側面に、容器1の表面温度を検出するための温度センサ(図示せず。)を取り付けた。また、図4に示したように、容器1の外周を包むように厚み5mmの発泡スチロール製の保温材8を設置した。
次に、水供給管3の容器1側とは反対側の先端に、水素発生材料A及びBに水を供給するためのポンプ(図示せず。)を設置した。即ち、上記ポンプを用いて水収容容器(図示せず。)から水を供給することによって、先ず、水と水素発生材料Aに含まれる発熱材料(酸化カルシウム粉末)とが発熱反応し、続いて、水と水素発生材料A及びBに含まれる金属材料(アルミニウム粉末)とが水素発生反応を開始することとなる。
続いて、上記ポンプから純水を0.8ml/minの速度で送り出し、その後、容器1の温度が60℃を超えた以降は2.5ml/minの速度で純水を送り出し、燃料カートリッジ100の内部に水を供給することによって、水素発生材料2と水とを反応させて水素を発生させた。25℃において、水素が発生しなくなるまで水を供給し、水素導出管5から水素を導出させた。生成した水素は塩化カルシウム管を経由させて含有水分を除去した。そして、マスフローメータ(コフロック製)によって、定常状態終了時及び試験終了時におけるアルミニウムの反応率を求めた。ポンプにより供給される水が、水供給管3の先端(水供給口4)に到達した時間を試験開始とし、マスフローメータにより計測される瞬間水素発生速度が、5ml/min未満を60分以上持続した時間を試験終了とした。
上記反応率は、金属材料が全て反応したと仮定したときの理論水素発生量(例えば、アルミニウムの場合は、1gあたりの理論水素発生量は、25℃換算で約1360mlとなる。)に対する、実際に得られる水素発生量の比率として求めた。また、上記反応率は、マスフローメータで算出される積算水素発生量から求めた。
(実施例2〜3)
表1に示す配置条件により、垂直壁面1a2に、吸水材7aとして脱脂綿を配置させた以外は、実施例1と同様にして水素発生装置を作製した。続いて、実施例1と同様にして水素を発生させ、反応率を測定した。
(比較例1)
図6及び図7に示すように、垂直壁面1a2に吸水材を配置させない以外は、実施例1と同様にして水素発生装置を作製した。続いて、実施例1と同様にして水素を発生させ、反応率を測定した。なお、図6は、本比較例で用いた燃料カートリッジの模式断面図であり、図7は、図6のIII−III線の矢視断面図である。
(比較例2)
表1に示す配置条件により、垂直壁面1a2に、吸水材7aとして脱脂綿を配置させた以外は、実施例1と同様にして水素発生装置を作製した。続いて、実施例1と同様にして水素を発生させ、反応率を測定した。
(比較例3)
図8に示すように、垂直壁面1a2の有効面積の全面に、吸水材7aとして脱脂綿を配置させた以外は、実施例1と同様にして水素発生装置を作製した。続いて、実施例1と同様にして水素を発生させ、反応率を測定した。
実施例1〜3及び比較例1〜3における吸水材7aの配置条件、定常状態終了時及び試験終了時におけるアルミニウムの反応率を表1に示す。また、図9に、実施例1及び比較例1における水素発生速度と、経過時間との関係を示す図を示す。
Figure 2009203103
実施例1〜3の場合、最終的に約80%の反応率で、且つ、定常状態終了時においては約50%以上の反応率で水素を発生させることができた。特に、実施例1の場合には、最終的に82%の反応率で、且つ、定常状態終了時において63%の高い反応率が得られ、安定して効率よく水素を発生させることができた。一方、吸水材7aを配置しなかった比較例1の場合は、実施例1〜3の場合に比べて、定常状態終了時及び試験終了時におけるアルミニウムの反応率がともに低下した。特に、図9から、定常状態終了後における反応率が顕著に低下したことが分かる。これは、垂直壁面1a2に吸水材が配置されていないことによって、アルミニウム粉末と水との反応の際に粒子表面に留まった反応生成物であるアルミナ水和物と、未反応のアルミニウム粉末とが凝結する現象が、図3のように容器1の中央上部で起こり、上記未反応のアルミニウム粉末の粒子内部への水の浸透が困難になったからと推測される。その結果、水素発生効率が悪くなったと考えられる。
また、垂直壁面1a2の有効長さのうち、水素導出口6側の15%未満の長さ部分においても吸水材7aを配置した比較例2〜3の場合、実施例1〜3の場合に比べて、定常状態終了時及び試験終了時におけるアルミニウムの反応率がともに低下した。特に、表1から、定常状態終了時における反応率が顕著に低下したことが分かる。これは、垂直壁面1a2に配置される吸水材7aが、垂直壁面1a2の有効長さのうち、水素導出口6側の15%未満の長さ部分においても配置される場合、水素導出口6側への水の浸透が過度に進行することにより、基準面の近傍及び容器1の中央近傍への水の浸透が困難となり、上記基準面の近傍及び容器1の中央近傍に位置する水素発生材料2の反応が起こりにくくなったためと考えられる。
以上のように本発明の水素発生装置は、100℃以下の低温において、簡便で効率よく水素を製造できる。本発明の水素発生装置により製造した水素は、燃料電池に供給でき、特に小型携帯機器用の燃料電池の燃料源として幅広く利用可能である。
本発明の水素発生装置の一例である燃料カートリッジを示す模式断面図である。 図1のI−I線の矢視断面図である。 垂直壁面に吸水材を配置せずに水素発生反応を行った燃料カートリッジの水素発生反応途中における模式断面図である。 実施例1で用いた燃料カートリッジの模式断面図である。 図4のII−II線の矢視断面図である。 比較例1で用いた燃料カートリッジの模式断面図である。 図6のIII−III線の矢視断面図である。 比較例3で用いた燃料カートリッジの模式断面図である。 実施例1及び比較例1における水素発生速度と、経過時間との関係を示す図である。
符号の説明
1 容器
1a 容器本体
1b 蓋
1a1 壁面(基準面)
1a2 垂直壁面
2 水素発生材料
2a 未反応の水素発生材料
2b 反応後の水素発生材料
2c 水素発生材料A
2d 水素発生材料B
3 水供給管
4 水供給口
5 水素導出管
6 水素導出口
7 吸水材
7a 垂直壁面に配置される吸水材
7b 水供給口の先端部に配置される吸水材
7c 水素導出口の先端部に配置される吸水材
8 保温材
9 抵抗体
100 燃料カートリッジ

Claims (14)

  1. 水との発熱反応により水素を発生させる金属材料を含む水素発生材料を収納する容器を備えた水素発生装置であって、
    前記容器は、前記容器の内部に水を供給するための水供給口と、前記容器内で発生した水素を前記容器の外部に導出するための水素導出口とを備え、
    前記水素導出口に対向する前記容器の壁面を基準面とし、
    前記水供給口は、前記基準面の近傍に配置され、
    前記容器は、前記基準面に対して垂直方向に伸びる垂直壁面を備え、
    前記垂直壁面には、吸水材が配置され、
    前記垂直壁面の有効長さのうち、前記水素導出口側の15%以上の長さ部分には、前記吸水材が配置されていないことを特徴とする水素発生装置。
  2. 前記吸水材は、前記垂直壁面の有効長さの30%以上70%以下の長さ部分に、前記基準面側から配置されている請求項1に記載の水素発生装置。
  3. 前記垂直壁面の有効面積に対する、前記吸水材が前記垂直壁面に接する部分の総面積の割合が、30%以上70%以下である請求項2に記載の水素発生装置。
  4. 前記水供給口及び前記水素導出口のそれぞれの先端部に、前記吸水材がさらに配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の水素発生装置。
  5. 前記吸水材は、脱脂綿、不織布、綿布、ガーゼ及びスポンジからなる群より選択されたいずれか1種である請求項1〜4のいずれかに記載の水素発生装置。
  6. 前記金属材料は、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの元素を主体とする合金からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の水素発生装置。
  7. 前記水素発生材料は、前記金属材料以外の材料であって水と反応して発熱する発熱材料をさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の水素発生装置。
  8. 前記発熱材料は、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び硫酸カルシウムからなる群より選択された少なくとも1種である請求項7に記載の水素発生装置。
  9. 前記水素発生材料は、前記水素発生材料全体中における前記発熱材料の平均含有率よりも前記発熱材料の含有率が高い偏在部を有する請求項7又は8に記載の水素発生装置。
  10. 前記容器内に水が供給される際に、前記偏在部に最初に水が供給されるように、前記水素発生材料を配置している請求項9に記載の水素発生装置。
  11. 前記水素発生材料は、前記発熱材料の含有率の異なる2種以上の単位組成物を含む請求項7又は8に記載の水素発生装置。
  12. 前記容器内に水が供給される際に、前記単位組成物のうち前記発熱材料の含有率が最も高い単位組成物に最初に水が供給されるように、前記水素発生材料を配置している請求項11に記載の水素発生装置。
  13. 前記容器の内部に水を供給する水供給部と、前記水の供給量を制御する水供給量制御部とをさらに備える請求項1〜12のいずれかに記載の水素発生装置。
  14. 前記容器の外部に保温材をさらに配置した請求項1〜13のいずれかに記載の水素発生装置。
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