JP2011190119A - 水素製造方法、水素製造装置、及び燃料電池システム - Google Patents

水素製造方法、水素製造装置、及び燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】簡便で効率よくかつ安定的に水素を発生させることができ、特に、水素発生材料と水との反応状態に関わらず、迅速に水素を間欠的に発生させることができる水素製造方法及び水素製造装置、ならびにこの水素製造装置を備えた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の水素製造方法は、水との発熱反応により水素を発生する水素発生物質を含む水素発生材料を収容する水素発生材料収容容器に、水を供給して水素を製造する水素製造方法であって、水素の製造を停止するときに、水素発生材料の中で既に水素発生に使用された量の割合である反応率を検出し、水素発生材料の反応率が予め設定した閾値よりも大きい場合、水素発生材料収容容器への水の供給量を制御して連続的あるいは断続的に水を水素発生材料収容容器に供給することにより余剰水素を発生させ、水素発生材料収容容器の内部を発熱反応が維持できる温度に保持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水との反応により水素を発生する水素発生材料を用いた水素製造方法及び水素製造装置、さらに、この水素製造装置を含む燃料電池システムに関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である電池は、ますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図り得る二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源としての需要が増大している。しかし、このリチウムイオン二次電池は出力容量に限界があり、使用されるコードレス機器の種類によっては十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、固体高分子電解質膜型燃料電池(PEMFC:Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)が検討されている。電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料を用いる固体高分子電解質膜型燃料電池は、リチウムイオン二次電池よりも高エネルギー密度化が期待できる電池として注目されている。
燃料電池は、酸素及び燃料の供給さえ行えば連続的に使用することが可能で、このような燃料電池に用いる燃料としては水素、メタノールなどが提案され、種々開発が行われているが、高出力が期待できる点で、水素を燃料とする燃料電池が注目されている。
燃料電池の燃料源となる水素を製造する方法としては、水と、例えばアルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛などの水素発生材料とを、100℃以下の低温で化学反応させて水素を発生させる方法が提案されている。
ところで、コードレス機器などの実際の使用場面を想定すると、ユーザーが機器を連続的に使用される場合に限らず、動作及び停止を頻繁に繰り返す間欠的な使用を行う場合も考えられる。したがって、燃料電池の燃料源となる水素を製造する方法としても、一旦水素の製造を開始すればその後は安定に水素が発生する状態を維持するように水素を連続的に発生させる方法に加え、任意のタイミングで水素の発生を停止させ、かつ任意のタイミングで再び水素の発生を開始させ、その後再び安定に水素が発生する状態を維持するというように水素を間欠的に発生させる方法が求められる。
例えば、特許文献1には、固体の水素発生材料を複数の収容空間に区分して収容し、水素発生材料が水と反応したときにその体積が膨張することを利用して、切替手段などを有さずに、各区分に収容されている水素発生材料を順次水と反応させることで、連続して安定的に水素を発生させるだけでなく、間欠的に水素を発生させることができる方法が提案されている。
特開2007−63029号公報
しかし、特許文献1に開示の水素製造方法では、より正確に水素発生量の制御を行うためには、水素発生材料をなるべく多くの区分に分割して収容することが必要になる。このようにすると、水素発生材料を収容する容器の内容積に対する隔壁の容積割合が増加し、水素発生装置の体積に対する発生可能なエネルギー効率が低下する。したがって、ポータブル機器の電源として、より小型のものが求められている燃料電池の燃料源として好ましくはない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡便で効率よくかつ安定的に水素を発生させることができ、特に、水素発生材料と水との反応状態に関わらず、迅速に水素を間欠的に発生させることができる水素製造方法及び水素製造装置、ならびにこの水素製造装置を備えた燃料電池システムを提供する。
上記課題を解決するために、本発明の水素製造方法は、水との発熱反応により水素を発生する水素発生物質を含む水素発生材料を収容する水素発生材料収容容器に、水を供給して水素を製造する水素製造方法であって、水素の製造を停止するときに、上記水素発生材料の中で既に水素発生に使用された量の割合である反応率を検出し、上記水素発生材料の反応率が予め設定した閾値よりも大きい場合、上記水素発生材料収容容器への水の供給量を制御して連続的あるいは断続的に水を上記水素発生材料収容容器に供給することにより余剰水素を発生させ、上記水素発生材料収容容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持し、上記水素発生材料の反応率が上記閾値以下の場合、上記水素発生材料収容容器への水の供給を停止することを特徴とする。
また、本発明の水素製造装置は、水との発熱反応により水素を発生する水素発生物質を含む水素発生材料を収容可能な水素発生材料収容容器と、上記水素発生材料収容容器内の上記水素発生材料に、所定の供給時間、所定の供給速度で水を供給する水供給部と、上記水素発生材料の中で既に水素発生に使用された量の割合である反応率を検出する反応率検出部とを備え、上記本発明の水素製造方法を用いることを特徴とする。
さらに、本発明の燃料電池システムは、上記本発明の水素製造装置と、上記水素製造装置で製造された水素を用いて発電を行う燃料電池とを備えたことを特徴とする。
本発明の水素製造方法によれば、簡便で効率よくかつ安定的に水素を発生でき、特に、水素発生材料と水との反応状態に関わらず、迅速に水素を間欠的に発生させることができ、コードレス機器などの間欠的な使用に適した水素製造方法を提供できる。
また、本発明の水素発生装置は、上記本発明の水素製造方法を用いることにより、簡便で効率よくかつ安定的に水素を製造できる。
さらに、本発明の燃料電池システムは、上記本発明の水素製造装置を有することにより、コードレス機器などの電源としての使用に適した燃料電池システムを提供できる。
本発明の水素製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の水素製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の水素製造装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の水素製造装置における、水素発生材料収容容器とその周辺部分の一例を示す模式断面図である。
以下、本発明にかかる水素製造方法、及び水素製造装置、燃料電池システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の水素製造方法を、実施形態1として説明する。
本発明の水素製造方法は、水との発熱反応により水素を発生する水素発生物質を含む水素発生材料を収容する水素発生材料収容容器に、水を供給して水素を製造する水素製造方法であって、水素の製造を停止するときに、上記水素発生材料の中で既に水素発生に使用された量の割合である反応率を検出し、上記水素発生材料の反応率が予め設定した閾値よりも大きい場合、上記水素発生材料収容容器への水の供給量を制御して連続的あるいは断続的に水を上記水素発生材料収容容器に供給することにより余剰水素を発生させ、上記水素発生材料収容容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持し、上記水素発生材料の反応率が上記閾値以下の場合、上記水素発生材料収容容器への水の供給を停止することを特徴とする。
本発明の水素製造方法は、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果得られた、水素の製造を行っている状態で水素の製造を停止するときに水素発生材料の反応率が高いと、一旦水素の製造を完全に停止した後に水素発生を再開することが極めて困難になる場合があるとの知見に基づくものである。この本発明の水素製造方法は、特に、コードレス機器などの電源として用いられる燃料電池の燃料である水素の製造を行う場合に有効である。
コードレス機器の電源として用いられる燃料電池の燃料である水素の製造を行う場合、ユーザーの使用状態によって動作及び停止を頻繁に繰り返す間欠的な水素製造が求められることが考えられる。水素発生材料の反応率が低い場合には特に問題とならなくても、水素発生材料の反応率が高くなり、未反応の水素発生材料が減少している状態で、ユーザーの使用状態に応じて水素の製造を完全に停止してしまうと、再び水素の製造を開始するのが、水素発生材料の反応率あるいは反応条件によっては非常に困難となってしまう。このような状態は、連続して水素製造を行っていた場合に発生させることができた水素量が得られなくなり、水素発生材料の有効活用という点で問題である。しかし、本発明の水素製造方法によれば、水素の製造を停止するときに、水素発生材料の反応率が高くなって未反応の水素発生材料が減少している場合には、水の供給量を制御して連続的にあるいは断続的に水を水素発生材料収容容器に供給し続けて余剰水素を発生させ、水素発生材料収容容器内の内部の温度を発熱反応が維持できる温度に保持することで、上記問題を有効に解決できる。
ここで、本明細書でいう「反応率」とは、水素発生材料が全て水と反応したと仮定したときの理論的な水素発生量に対する、実際に得られる水素発生量の比率のことである。したがって、反応率が0%の水素発生材料とは、まだ水と全く反応していない状態の水素発生材料を意味する。例えば、水素発生材料がアルミニウムの場合、1gあたりの理論的な水素発生量は、25℃換算で約1360mlである。
また、本明細書でいう「定常状態」とは、水素発生速度が最大値に達した後に、水素発生速度がほぼ一定となった状態をいう。
上記発熱反応が維持できる温度は、通常は40℃以上であり、一旦水素発生材料と水との発熱反応が開始して水素の発生が始まると、水素発生材料収容容器の内圧が上昇して水の沸点が上昇することもあり、水素発生材料収容容器内の温度が120℃程度に達することもあるが、水素発生速度の制御の点から100℃以下とすることが好ましい。
本実施形態の水素製造方法に使用される水素発生物質としては、水との反応により水素を発生するものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの元素を主体とする合金からなる群から選択される少なくとも1種の金属材料や、それら材料の水酸化物を用いることができる。なお、合金の場合には、主体となる元素以外の金属成分は特に限定されない。また、主体とは、合金全体に対して80重量%以上、より好ましくは、90重量%以上含有されている物質をいう。上記金属材料は、常温では水と反応しにくいが、加熱することにより水との発熱反応が容易となる物質である。なお、ここで「常温」とは、20〜30℃の範囲の温度である。
このような金属材料は、少なくとも常温以上に加温された状態において、水と反応して水素を発生させることができる。しかし、表面に安定な酸化皮膜が形成されるため、低温下、あるいは、板状、ブロック状などのバルクの形状では、水素を発生しないか、または水素を発生し難い材料である。ただし、酸化皮膜の存在により、空気中での取り扱いは容易である。
例えば、上記金属材料の1つであるアルミニウムと水との反応は、下記式(1)〜(3)のいずれかによって進行していると考えられる。下記式(1)による発熱量は、419kJ/molである。
2Al+6H2O→Al23・3H2O+3H2 (1)
2Al+4H2O→Al23・H2O+3H2 (2)
2Al+3H2O→Al23+3H2 (3)
また、上記金属材料は、その平均粒径によって特に限定されないが、その平均粒径が0.1μm以上100μm以下とすることが好ましく、0.1μm以上50μm以下がより好ましい。上述したように、上記金属材料は、一般に、表面に安定な酸化皮膜が形成されている。そのため、板状、ブロック状及び粒径1mm以上のバルク状などの金属材料は、加熱しても水との反応が進行せず、実質的に水素を発生させない場合もある。しかし、金属材料の平均粒径を100μm以下とすると、酸化皮膜による水との反応抑制作用が減少し、常温では水と反応しにくいものの、加熱すれば水との反応性が高まり、水素発生反応が持続するようになる。また、金属材料の平均粒径を50μm以下とすると、40℃程度の穏和な条件でも水と反応して水素を発生させることができる。
上記金属材料の平均粒径が50μmを超える場合であっても、金属材料が鱗片状であり、かつその厚みが5μm以下である場合には、水との反応性を高めて、より効率よく水素を生じさせることができ、特に金属材料の厚みが3μm以下の場合には、反応効率をより一層向上させることができる。
一方、上記金属材料の平均粒径を0.1μm未満としたり、鱗片状の金属材料の厚みを0.1μm未満とすると、発火性が高くなって取り扱いが困難となったり、金属材料の充填密度が低下してエネルギー密度が低下しやすくなったりする。このような理由から、金属材料の平均粒径は0.1μm以上が好ましく、また、金属材料が鱗片状の場合には、その厚みは0.1μm以上が好ましい。
上記金属材料の平均粒径は、体積基準の積算分率50%における粒子直径の値であるD50を意味する。平均粒径の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱法などを用いることができる。より具体的には、水などの液相に分散させた測定対象物質にレーザー光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用して粒子径分布を測定する。レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装株式会社製の「マイクロトラックHRA(製品名)」などを用いることができる。
また、上記鱗片状の金属材料の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することができる。
さらに、上記金属材料の形状も特に限定されないが、例えば、略球状(真球状を含む)やラグビーボール状の他、上記の通り、鱗片状のものなどが挙げられる。略球状やラグビーボール状などの場合には上記した平均粒径を満足するものが好ましく、鱗片状の場合には上記した厚みを満足するものが好ましい。また、鱗片状の金属材料の場合には、上記した平均粒径も満足していることがより好ましい。
また、上述した水素発生物質である金属材料に、親水性酸化物、炭素及び吸水性高分子からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質(以下、添加剤という。)を添加すれば、金属材料と水との反応を促進させることができるので好ましい。このような親水性酸化物としては、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ゼオライト、酸化亜鉛などが使用できる。
さらに、本実施形態の水素製造方法において、水と水素発生物質との発熱反応を容易に開始させるために、使用される水素発生材料として、上記金属材料などの水素発生物質以外の材料であって水と反応して発熱する発熱材料を含むことが好ましい。
上記発熱材料としては、水と発熱反応して水酸化物や水和物となる材料、水と発熱反応して水素を生成する材料などを用いることができる。このような発熱材料のうち、水と反応して水酸化物や水和物となる材料としては、例えば、アルカリ金属の酸化物(例えば、酸化リチウムなど)、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなど)、アルカリ土類金属の塩化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなど)、アルカリ土類金属の硫酸化合物(例えば、硫酸カルシウムなど)などを用いることができる。上記水と反応して水素を生成する材料としては、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウムなど)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化リチウムなど)などを用いることができる。これらの材料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記発熱材料が塩基性材料であれば、水素発生反応に用いられる水に溶解して、高濃度のアルカリ水溶液を形成するので、水素発生物質である金属材料の表面に形成された酸化皮膜を溶解させ、水との反応性を大きくすることができるので好ましい。この酸化皮膜を溶解する反応は、金属材料と水との反応の起点となることもある。特に、発熱材料がアルカリ土類金属の酸化物であれば、塩基性材料でありかつ取り扱いが容易であるのでより好ましい。
上記発熱材料としては、水以外の物質と常温で発熱反応を生じる材料、例えば、鉄粉のように酸素と反応して発熱する材料も知られている。しかし、水素発生材料が、上記酸素と反応する材料と上記水素発生物質である金属材料とを含む場合、反応のために必要とされる酸素は、同時に、金属材料から発生する水素の純度を低下させたり、金属材料を酸化させて水素発生量を低下させたりするなどの問題を生じることがある。このため、本発明における発熱材料としては、上述のとおり、水と反応して発熱するアルカリ土類金属の酸化物などを用いるのが好ましい。また、同様の理由から、水素発生材料に含まれる発熱材料は、反応時に水素以外の気体を生成しないものが好ましい。
上記水素発生材料全体中における上記金属材料などの水素発生物質の含有率は、より多くの水素を発生させる観点から、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上であり、また、発熱材料の併用による効果をより確実にする観点から、好ましくは99重量%以下、より好ましくは97重量%以下である。また、水素発生材料全体中における発熱材料の含有率は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上であって、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
上記発熱材料を含有する水素発生材料は、水素発生物質である金属材料などと発熱材料を混合することにより得られる。金属材料と発熱材料との混合の際には、金属材料のみが1mm以上の凝集体にならないようにすることが好ましい。例えば、金属材料と発熱材料を撹拌混合することにより、金属材料が凝集するのを抑制しつつ、水素発生材料を作製できる。また、金属材料の表面に発熱材料をコーティングして複合化し、水素発生材料としてもよい。
次に、本実施形態の水素製造方法における、水素の製造を停止するときの手法を、図1を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の水素製造方法における、水素の製造を停止するときのステップを示すフローチャート図である。
水素発生材料と水とを反応させて水素を製造しているときに、機器などから水素製造の停止要求を受け取ると(ステップS101)、この水素製造停止要求を受け取った時点における水素発生材料の反応率Xaの検出を行う(ステップS102)。この水素発生材料の反応率Xaは、例えば、使用される水素発生材料の量から求めた、理論的に発生させることができる水素量に対する、実際に発生した水素の総量との比率として求めることができる。実際に発生した水素量は、例えば、水素発生材料収容容器内で発生した水素が排出される経路に設置した流量計を用いて検出できる。また、上記水素発生材料収容容器に供給された水の量から、実際に発生した水素量を算出することもできる。
続いて、ステップS102で検出した水素発生材料の反応率Xaが、予め設定した第1の閾値x1以上であるか否かを判定する(ステップS103)。
ここで、第1の閾値x1とは、水素発生材料の反応率がこの値を上回った場合には、水素発生材料と水との反応がある程度以上に進んでしまっていて、水の供給を停止して水素の製造を完全に停止した場合に、安定した水素の発生反応を再開させることが困難であるという基準値である。
水素発生材料と水との反応が進むと、水素発生材料の中でまだ水と反応していない部分の割合が低下し、供給された水と直ちに反応しにくくなる。また、水素発生材料と水との反応は発熱反応であるが、既に水と反応して反応生成物となった水素発生材料は、水が供給されても温度が上昇しないため、水素発生材料が収容された水素発生材料収容容器中における反応済みの水素発生材料の割合が増加すると、水素製造の完全な停止により水素発生材料収容容器内の水素発生材料の温度が一旦下がってしまうと、再び十分に上昇させることが困難になる。これらを考慮して第1の閾値x1を設定する。この第1の閾値x1は、水素発生材料中における水素発生物質の種類や、水素発生物質が水素発生材料中に占める割合、水素発生材料の総量、環境温度などの条件により異なるが、例えば30%と設定できる。
ステップS103での判定の結果、水素発生材料の反応率Xaが、第1の閾値x1以上ではない場合、水素発生材料と水との反応がまだそれほど進んでおらず、水素製造の完全な停止により水素発生材料収容容器の内部の温度が下がり、水素発生材料収容容器内に収容されている水素発生材料の温度が下がったとしても、再び所定量の水を供給することで、水素製造を再開できると判断し、ステップS104に進む。
ステップS104では、水素発生材料への水の供給を直ちに停止し、水素発生反応を終了させる。そして、一連の水素製造の停止動作が終了する。
一方、ステップS103での判定の結果、水素発生材料の反応率Xaが、第1の閾値x1以上である場合、水素発生材料と水との反応が進んでいて、水素の製造を完全に停止して水素発生材料収容容器内の水素発生材料の温度が下がると、再び十分に上昇させることが困難になり、水素製造を再開することが困難であると判断する。つまり、この場合、水素発生材料への水の供給を直ちに停止し、水素発生反応を終了させてしまうと、未反応の水素発生材料を有効に活用できなくなる恐れが高いと判断し、ステップS105に進む。
ステップS105では、水供給速度v1で、水素発生材料に水を供給し、余剰水素を発生させることで、水素発生材料収容容器の内部を、発熱反応が維持できる温度に保持する。
ここで、水供給速度v1とは、水と水素発生材料との発熱反応によって上記水素発生材料収容容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持することができる、単位時間当たりの水の供給量を意味する。余剰水素を発生させるときの水素発生材料収容容器への水の供給量や供給制御方法は特に限定されない。したがって、連続的に常に一定の供給速度(供給流量)で水を供給する場合に限られるものではなく、水の供給速度が所定の値を中央値として一定範囲で変化する場合や、水の供給速度がパルス状に変化する場合、すなわち水の供給を断続的に行う場合をも含む概念である。例えば、水と水素発生材料との発熱反応によって水素を発生させる場合には、その反応速度から考えて、水の供給速度を把握する単位時間を分単位とすることが相当である。特に、水素の発生状態が、定常状態もしくはそれに近い状態となっている場合には、既に一定量の水が供給されて水素発生材料との発熱反応が生じている場合であるから、微視的に見た水の供給速度(供給流量)には一定の裕度がある。したがって、例えば、所定の供給速度Vで水を6秒間供給した後、水の供給を停止し、54秒間待機するといった1分間のサイクルによって水を断続的に供給する場合と、供給速度V/10で連続して水を供給する場合とは、いずれも同じ水供給速度v1として把握することができる。あるいは、水素の製造を停止する際に、まず水の供給を停止し、上記水素発生材料収容容器の温度が、上記発熱反応が維持できる温度の下限値である40℃付近にまで低下した際に、水の供給量を制御して水の供給を開始する。そして、上記水素発生材料収容容器の温度が、上記発熱反応が維持できる温度の上限値である100℃付近にまで上昇した際に、水の供給を停止する。上述した方法により、上記水素発生材料収容容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持することができる。
上記水供給速度v1の具体的な数値としては、水素発生材料中における水素発生物質の種類や、水素発生物質が水素発生材料中に占める割合、水素発生材料の総量、により異なるが、例えば、上記水素発生材料収容容器に収容される上記水素発生物質1gあたり、1μl/分以上であることが好ましい。この水供給速度により、上記水素発生材料収容容器の内部を40℃以上に保持できる。
また、ステップS105で発生された余剰水素は、本来の水素供給経路とは別の経路を経て水素貯蔵容器などに蓄えられる。本実施形態として説明している水素製造の停止のステップでは、正規の水素供給経路に対しての水素供給を必要としない場合であるからである。なお、水素発生装置が燃料電池の燃料としての水素を製造するものである場合は、そのまま燃料電池に余剰水素を供給して発電を行い、燃料電池に接続された二次電池などに発電された電力を蓄えることもできる。いずれにしても、本来の用途としての要求がない段階で製造した余剰水素を、後に別途活用できるような形態で確保することで、水素製造の停止要求にそのまま水素の製造を完全に停止してしまった場合には、水素製造の再開時には得られない可能性の高い水素を確保し、有効に活用することができる。
以上のように、本実施形態の水素製造方法では、水素製造の停止要求を受けたときに、水素発生材料の反応率を検出して、反応率が所定の第1の閾値よりも大きい場合には、水の供給量を制御して連続的あるいは断続的に水を供給し続け、上記水素発生材料収容容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持することにより、水素発生材料と水との反応状態に関わらず、迅速に水素を間欠的に発生させることができる。また、水素発生材料の反応率が高い場合に水素の製造を一旦完全に停止してしまったとき、水素製造の再開が困難になって水素発生材料の水素製造能力をロスしてしまうことを効果的に防止できる。
また、余剰水素をそのままの形態や、燃料電池が発電した電力という形で確保することで、後に再び水素製造の指示が出されたときに、この余剰水素や得られた電力を利用することで、水素製造の再開要求により速やかに応えることができるようになる。
次に、本実施形態の水素製造方法における、水素の製造を再開する場合の手法を、図2を用いて詳細に説明する。特に、図1で水供給速度v1で水供給を行い余剰水素を発生さ
せている状態で、水素製造を再開する場合の手法について説明する。図2は、本実施形態の水素製造方法における、余剰水素を発生させている状態で水素製造を再開する場合のステップを示すフローチャートである。したがって、図1のAと図2のBは連続している。
余剰水素を発生させている状態で、機器などから水素製造の開始要求を受け取ると(ステップS201)、この水素製造開始要求を受け取った時点における水素発生材料の反応率Xbの検出を行う(ステップS202)。この水素発生材料の反応率Xbは、上記反応率Xaと同様、使用される水素発生材料の量から求めた、理論的に発生させることができる水素量に対する、流量計などを用いて検出した実際に発生した水素の総量との比率として求めることができる。
続いて、ステップS202で検出した水素発生材料の反応率Xbが、予め設定した第2の閾値x2以上であるか否かを判定する(ステップS203)。ここで、第2の閾値x2とは、水素発生材料の反応率Xbがこの値を上回った場合には、水素発生材料の大半が既に水と反応して反応生成物となっていて、新たに水の供給を行ったとしても、実用的に十分な量の水素を発生させ続けることができないという基準値である。この第2の閾値x2の値は、上記第1の閾値x1より高い値とする。なお、この第2の閾値x2も、第1の閾値x1と同様、水素発生材料中における水素発生物質の種類や、水素発生物質が水素発生材料中に占める割合、水素発生材料の総量などの条件により適宜定められる数値であり、例えば65%とすることができる。
ステップS203での判定の結果、水素発生材料の反応率Xbが、第2の閾値x2以上ではない場合、水素発生材料から引き続き水素を製造することが可能であると判断し、ステップS204に進んで、水供給速度v2で、水素発生材料への水供給を開始し、水素の製造を再開する。
ここで、水素製造再開時の水供給速度v2は、基本的には水素の製造を安定して継続できる供給速度とすればよい。ステップS204での水素製造が再開される場合とは、水素発生材料の反応率Xbが第2の閾値x2よりも小さい値であり、かつ上記水素発生材料収容容器の内部が発熱反応を維持できる温度に保持されている場合であるため、定常速度での水の供給により、安定して水素製造を開始できると考えられるからである。
なお、図2のフローチャートに図示していないが、図1のステップS104で水素発生材料収容容器への水供給を完全に停止しているときに、水素製造の開始要求を受け取った場合、最初から定常速度での水の供給を行うのではなく、水素発生材料の温度や反応率などに応じて、最初は定常の水供給速度よりも速い速度で水を供給し、水と水素発生材料の水素発生反応を促進させるなどの適宜の工夫を行い得ることは言うまでもない。
水供給速度v2としては、機器の要求する定常出力が得られる水素の定常発生速度に対応した水供給速度とすることが好ましい。なお、図1におけるステップS105での、上記水素発生材料収容容器の内部を上記発熱反応が維持できる温度に保持する場合の水供給速度v1としては、上記したとおり定常的な水供給速度より低めに設定するため、上記水供給速度v2よりも低めに設定することができる。
一方、ステップS203での判定の結果、水素発生材料の反応率Xbが、第2の閾値x2以上である場合、水素発生材料から引き続き水素を製造することが困難であると判断し、ステップS205に進む。
ステップS205では、水素発生材料から水素が製造できないことをユーザーに知らせるための警告表示を行う。ここでは、Alertを点灯表示する。これにより、ユーザーに対し、反応率が高い水素発生材料が収容されている水素発生材料収容容器を取り外し、反応率が0%の水素発生材料、または少なくとも第2の閾値x2よりも反応率が低い水素発生材料が収容されている水素発生材料収容容器に交換することを促すことができる。
上記Alertの表示方法としては、特に限定されないが、液晶ディスプレイ、文字盤、LEDランプなど公知の表示部により表示することが好ましい。また、表示内容としては、水素発生材料の反応率の具体的な表示をしてもよいし、水素発生材料収容容器を交換すべき旨を表示するようにしてもよい。但し、このステップS205でのAlert表示は、本実施形態の水素製造方法において、必須のものではない。
なお、本実施形態の水素製造方法では、水素発生材料の反応率を検出しているため、表示部に検出された水素発生材料の反応率を定常的に表示することも考えられる。水素発生材料の反応率は、例えば製造された水素を燃料電池の燃料に用いる場合には燃料電池の発電残存容量として把握することができる。したがって、ユーザーに対して、水素製造が不可能となる以前に、あとどのくらいの水素製造余力があるかを知らせることができ、ユーザーが、安心して水素発生装置を使用できるとともに、水素発生材料収容容器を交換する準備を早めにユーザーに促すことができ、ユーザビリティが向上する。
なお、本実施形態では、水素製造の開始要求を受けてから水素発生材料の反応率を検出し、その反応率が第2の閾値x2以上であればAlertの点灯表示を行う場合について説明したが、図1のステップS105を実施している段階で、つまり、余剰水素を発生させている間に、水素発生材料の反応率が第2の閾値x2以上になったとき、余剰水素を発生させるための水の供給を停止し、Alertの点灯表示を行うようにしてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の水素製造装置の一例を、実施形態2として説明する。なお、本発明の水素製造装置は、上記実施形態1として説明した本発明の水素製造方法を用いるものであるため、以下の説明において、水素製造方法に関する説明部分で、上記実施形態1で既に説明した内容と重複する内容については、適宜説明を省略する場合がある。
図3は、本実施形態の水素製造装置を示す概略構成図である。
図3に示す本実施形態の水素製造装置100は、水との発熱反応により水素を発生する水素発生物質を含む水素発生材料2を収納可能な水素発生材料収容容器1と、水4を収容する水収容容器3と、水収容容器3から水素発生材料収容容器1へ水4を供給する水供給部としてのポンプ10と、水素発生材料収容容器1の内部の温度を検出する温度センサ11と、水素発生材料収容容器1に収容された水素発生材料2の反応率を検出する反応率検出部としての流量計16と、水素発生材料収容容器1の外部を覆う保温材9と、温度センサ11及び流量計16の出力からポンプ10を制御し、水4の供給量を調整する制御部12とを備えている。なお、図3において、水素発生材料収容容器1と水収容容器3は、その内部構造を示すために断面図としている。
水素発生材料収容容器1は、蓋1aと容器本体1bとを有している。蓋1aを貫通して、容器本体1b内に水収容容器3に収容されている水4を供給するための水供給管5と、容器本体1b内で発生した水素を導出するための水素導出管8が設けられている。水収容容器3からポンプ10により送られてきた水4は、水供給管5の水供給口6から水素発生材料収容容器1内の水素発生材料2に供給され、水素発生材料2と水4との反応により発生した水素は、水素導出口7から水素導出管8を経て水素供給流路14に導かれる。
また、水素発生材料2に発熱材料を含有させることができる。このような発熱材料を含有する水素発生材料2を容器本体1bに収容し、これに水4を供給して反応させる場合には、発熱材料は水素発生物質と均一または不均一に分散・混合させた混合物として用いることができる。しかし、容器本体1b内において、水素発生材料2の全体における発熱材料の平均含有率よりも発熱材料の含有率が高い偏在部を設けることがより好ましく、容器本体1b内部の水供給管5の水供給口6の近傍に上記の偏在部を配置することが特に好ましい。容器本体1bの内部において、発熱材料をこのように偏在させることにより、水4を供給し始めてから水素発生物質が加温されるまでの時間をより短くして、より迅速な水素発生を可能とすることができる。
このように、容器本体1b内部の水供給口6の近傍に上記の偏在部を配置するには、水供給口6の近傍に発熱材料だけを配置する方法の他、予め発熱材料の含有率の異なる2種以上の、水素発生物質と発熱材料との単位組成物を調製しておき、水供給口6の近傍には発熱材料の含有率の最も高い単位組成物を配置し、その他の部分には発熱材料の含有率の低い単位組成物を配置することもできる。
水供給管5と水素導出管8には、着脱機構13が設けられていてる。この着脱機構13によって、水素発生材料収容容器1を水素供給流路14やその先に接続される燃料電池20、また、水収容容器3から分離することができるようになっている。水素発生材料収容容器1内において、水素発生材料2と水4とを反応させて水素を発生させると、水素発生材料収容容器1に収容されている水素発生材料2は反応生成物に変化し、水素を生成する能力を失う。このため、水と反応して反応生成物となった水素発生材料の割合である反応率が高くなっていくと、さらなる水素発生が困難となる。この場合、着脱機構13によって、反応率が高い水素発生材料2が収容された水素発生材料収容容器1を切り離し、反応率が0%あるいは反応率が低い水素発生材料2が収容された別の水素発生材料収容容器1に交換することで、引き続き水素の製造を行うことができるようになる。
なお、図3では、着脱機構13を水供給管5にも取り付けて、水素発生材料収容容器1を水供給管5からも切り離せるようにした例を示したがこれに限られるものではない。水素発生材料2と反応させることで、水収容容器3に収容されている水4も消費され減少していく。そのため、水素発生材料収容容器1を着脱機構13によって取り外して、新しい水素発生材料が収容された水素発生材料収容容器1と取り替えると同時に、水供給容器3も取り外して新しく必要量の水4が入った水収容容器3と取り替えるようにしてもよい。
水素発生材料収容容器1は、内部に水素発生材料2を収納可能なものであれば、その材質や形状は特に限定されない。具体的な容器の材質としては、液体及び水素を透過しにくく、かつ100℃程度に加熱しても容器が破損しない材質が好ましく、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの樹脂を用いることができる。また、水素発生材料収容容器の形状としては、角柱状、円柱状などが採用できる。
なお、水素発生材料2が水4と反応することで生じる反応生成物は、通常、水素発生材料2よりも体積が大きい。そのため、水素発生材料収容容器1は、こうした反応生成物の生成に伴う内蔵物の体積膨張が生じた場合に破損してしまわないように、水素発生材料2と水4との反応に応じて変形可能であることが好ましい。このような観点からは、水素発生材料収容容器1の材料として、上記例示の材質の中でもPEやPPなどの樹脂がより好ましい。
図3に示す本実施形態の水素製造装置では、水供給管5に備えられたポンプ10が、制御部12からの制御信号によって、所定の供給時間の間、所定の供給速度で、水収容容器3内の水4を、水素発生材料収容容器1内に供給する。このポンプ10としては、例えば、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプあるいはシリンジポンプなどのマイクロポンプを使用することができるが、これに限られるものではない。制御部12からの制御信号にしたがって、水素発生材料収容容器1への水の供給速度と時間をコントロールできる、いわば水供給量が調整可能な手段であれば、その具体的構成の制限はない。
水素発生材料収容容器1内で水素発生材料2と水4との反応により生成された水素は、水素発生材料収容容器1に設けられた水素導出口7から水素導出管8内へ導出される。水素導出管8内に導出された水素は、本実施形態の水素製造装置で生成された水素を使用する機器、例えば図3の場合は燃料電池20へと送られる。本実施形態では、水素導出管8の着脱機構13から先が、燃料電池20への水素供給流路14となっている。
また、図3に示すように、容器本体1bの外面を保温材9で覆うことによって、水素発生材料収容容器1内部での水素発生材料2と水4との発熱反応により発生した熱が、容器本体1bの外壁から放熱されてしまうのを防止でき、水素発生材料2に水4が供給されることにより開始される水素発生反応、つまり、発熱反応を維持できる温度を保持しやすくなり、また、外気温の影響も受けにくくなる。保温材9の材質は、断熱性が高い材質であれば特に限定されないが、例えば、発泡スチロール、発泡ネオプレンゴム、ポリウレタンフォームなどの多孔性断熱材、あるいは真空断熱構造を有する断熱材などを用いることができる。
制御部12は、本実施形態では、流量計16などの反応率検出部からの検出信号に基づいて、水素発生材料収容容器1内の水素発生材料2の反応率を検出し、その結果に基づいてポンプ10を制御し、水素発生材料2への水4の供給量を制御する。具体的には、上記実施形態1で説明した、水素製造を停止する際の供給水量の制御や、水素製造を再開する際の供給水量の制御を行う。さらに、制御部12は、水素発生材料収容容器1の交換が必要であることを促すためのAlert表示などを行う。このような機能を有するため、制御部12はマイコンなどのプログラミング可能な制御装置を用いることが好ましい。また、図3に示すように、制御部12は、流量計16、温度センサ11、及びポンプ10と接続されており、検出された情報についての検出信号や制御信号のやりとりが行われる。
着脱機構13は、例えば、装置の本体部側に筒状に成形した管などを設け、そこへ水素発生材料収容容器1や水収容容器3などに接続された、水素導出管8や水供給管5を挿入するようにし、接続部分である管の挿入部分を、Oリングなどのパッキングによって密閉して、水素や水の漏れを防止するような構成を採用することができる。
また、水素発生材料収容容器1が誤って脱落したりすることを防止するために、水素発生材料収容容器1の装置本体部分とは反対の側に、ストッパー15を設けることがより好ましい。例えば、反応率検出部である流量計16からの検出信号に基づいて水素発生材料収容容器1の交換が必要でない状態であると制御部12が判断した場合はストッパー15が外れないようにすることで、水素発生材料収容容器1が不所望に脱落したり、ユーザーが誤ってまだ使用できる水素発生材料収容容器1を取り外してしまったりすることを未然に防止することができる。
図3では、図示を省略するが、上記実施形態1で説明したAlertを表示する表示部やその他の警告手段を設けることが好ましい。上記実施の形態1で説明したように、水素発生材料2の反応率が高く、水素発生材料収容容器1を交換することが好ましい場合に、その旨をユーザーに確実に報知することができ、その結果、ユーザビリティが向上するばかりでなく、再び水素を効率よく製造することができるからである。
Alert表示手段、もしくは、警告手段としては、特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ、文字盤、LEDランプなど公知の表示手段により表示することが好ましい。なお、単なる警告ランプではなく、表示手段とした場合には、反応率の具体的な表示をしてもよく、制御部12での計算結果に基づいて水素発生材料の使用可能残量を表示するようにしてもよい。表示手段もしくは警告手段は、制御部12に接続されて、制御部12での判断結果に基づいてその内容を表示する。
なお、図3では図示していないが、本実施形態の水素製造装置として、水素導出管8に、水素発生材料収容容器1から導出される水素と未反応の水を分離するための気液分離部と、さらに、気液分離部で分離された水を水収容容器3に戻す手段とを備えていることが好ましい。水素発生材料収容容器1内で、水素発生材料2と水4とが反応したときに、未反応の水4が水素との混合物として、水素導出管8から水素発生材料収容容器1の外部へ吹き出してしまう場合がある。このような場合に、上記気液分離部を備えることで、水素発生材料収容容器1から排出された水と水素の混合物を、水(液体)と水素(気体)とに分離し、さらには分離した水を水収容容器3に戻すことができる。このようにすることで、実質的な水の供給量を低減でき、水収容容器3内に収容しておく水4の量を減らすことが可能となる。その結果、水素製造装置100全体の体積及び重量を低減してコンパクトにすることができる。
また、本実施形態の水素製造装置100では、水素導出管8に上記気液分離部を設けることに加えて、気液分離部と水素発生材料収容容器1との間に、図示しない冷却部を設けていることが好ましい。水素発生材料収容容器1内は、水素発生材料2と水4との発熱反応により水の沸点近くの温度まで上昇する。このため、水素発生材料収容容器1内の未反応の水4が、水蒸気となって水素とともに水素導出管8内に混じり込むことが考えられる。そこで、冷却部を設けることにより、水素導出管8内に流れ込んだ水蒸気を冷却して液体の水に戻すことで、気液分離部での水の回収率を高めることができるからである。冷却部としては、例えば、金属製冷却フィンが水素導出管8に接するように配置された構造の冷却手段を用いることができる。また、空冷ファンを用いたり、水冷パイプを水素導出管8に近接させたりすることもできる。
次に、本実施形態にかかる水素製造装置を、より小型化する場合に好適な例として、水素発生材料収容容器1をカートリッジ化したものについて説明する。
図4は、本実施形態にかかる水素製造装置100において、製造された水素を小型燃料電池や携帯電子機器に適用するような場合に好適なように、水素発生材料収容容器1を小型の燃料カートリッジとした構成を示す模式的断面図である。なお、図4では、各構成要素の理解を容易にするために、断面部分のハッチングを省略している。また、図3に示した水素製造装置100と同じ機能を有して共通の作用を行う部分については、図3と同じ符号を付している。
図4に示すように、燃料カートリッジとした水素発生材料収容容器1は、内部に水素発生材料2を封入したものであり、水素発生材料2に水を供給するための水供給管5と、水素発生材料収容容器1内で発生した水素を外部に取り出すための水素導出管8とを備えている。燃料カートリッジとした水素発生材料収容容器1は、燃料電池や携帯電子機器に装着された後に、図示しないマイクロポンプなどによって水供給管5の水供給口6を通じて水素発生材料収容容器1内に水が供給される。なお、水素発生材料収容容器1内への水の供給方法としては、水を充填した図示しない水収容容器を燃料カートリッジ化された水素発生材料収容容器1の一部に予め付帯させておき、燃料電池や携帯電子機器に燃料カートリッジが装着された後に、水収容容器内の水が水素発生材料収容容器1内に供給されるようにすることもできる。
図4では、水素発生材料2は、発熱材料の含有率が高い水素発生材料2aと、発熱材料の含有率が低い水素発生材料2bとをそれぞれ分離して水素発生材料収容容器1内に収容されている。
図4に示すように、燃料カートリッジ化された水素発生材料収容容器1内では、水素発生材料2の上下に吸水材17が配置されていて、水供給管5の先端の水供給口6は、水素発生材料2aの下方に配置された吸水材17内にその開口部を有するように配置されている。このようにすることで、水供給管5の水供給口6から水素発生材料収容容器1内部に供給された水の一部は、吸水材17により保持され、残部は水素発生材料2aと反応して水素発生の発熱反応が開始される。発生した水素は、水素導出口7から水素導出管8を通じて水素製造装置外に導出され、例えば燃料電池の負極に供給される。この吸水材17は必ずしも必要なものではないが、水素発生の発熱反応による水の消費に応じて、吸水材17により保持された水も水素発生材料2に供給されるため、水素発生速度の時間変動を抑制する上で効果的である。
吸水材17は、水を吸って保持することのできる材質のものであれば特に限定されるものではなく、一般には脱脂綿や不織布などを用いることができる。
本実施形態の水素製造装置によれば、上記実施形態1の水素製造方法を用いて水素を製造することにより、簡便で効率よくかつ安定的に水素を製造できる。特に、水素発生材料と水との反応状態に関わらず、迅速に水素を発生させることができ、コードレス機器などの間欠的な使用に適した水素製造装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、製造した水素を燃料電池に供給する場合について説明したが、本発明の水素製造装置は、燃料電池の燃料としての水素を製造するものに限定されるものではなく、水素貯蔵容器に水素を供給するための水素製造装置などとして、一般的に利用できるものである。
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る燃料電池システムは、上記実施形態2の水素発生装置と、この水素発生装置で生成された水素を用いて発電する燃料電池とを備える。これにより、コードレス機器などの電源としての使用に適した燃料電池システムを提供できる。
燃料電池としては、周知の固体高分子型燃料電池、例えば、PEMFCを用いることができる。この燃料電池の構成は、一般的なものであるため、図示及び詳細な説明は省略する。
また、本実施形態の燃料電池システムは、発電された電力を蓄える二次電池(図示せず)をさらに備えていてもよい。この場合、上記実施形態1で説明した余剰水素を、燃料電池での発電に用い、この余剰水素で発電された電力により上記二次電池を充電することができる。二次電池としては、リチウムイオン電池などの周知の二次電池が使用でき、電力の充電機構としても、公知のものをそのまま使用できる。
以上のように本発明の水素製造方法、及び、水素製造装置は、簡便で効率よくかつ安定的に水素を製造できるものとして産業上幅広く利用可能である。また、この水素製造装置と、水素を燃料とする燃料電池を備えた燃料電池システムは、小型携帯機器用の電源をはじめとして幅広く利用可能である。
1 水素発生材料収容容器
1a 蓋
1b 容器本体
2 水素発生材料
2a 水素発生材料
2b 水素発生材料
3 水収容容器
4 水
5 水供給管
6 水供給口
7 水素導出口
8 水素導出管
9 保温材
10 ポンプ
11 温度センサ
12 制御部
13 着脱機構
14 水素供給流路
15 ストッパー
16 流量計
17 吸水材
20 燃料電池
100 水素製造装置
200 燃料電池システム

Claims (12)

  1. 水との発熱反応により水素を発生する水素発生物質を含む水素発生材料を収容する水素発生材料収容容器に、水を供給して水素を製造する水素製造方法であって、
    水素の製造を停止するときに、前記水素発生材料の中で既に水素発生に使用された量の割合である反応率を検出し、
    前記水素発生材料の反応率が予め設定した閾値よりも大きい場合、前記水素発生材料収容容器への水の供給量を制御して連続的あるいは断続的に水を前記水素発生材料収容容器に供給することにより余剰水素を発生させ、前記水素発生材料収容容器の内部を前記発熱反応が維持できる温度に保持し、
    前記水素発生材料の反応率が前記閾値以下の場合、前記水素発生材料収容容器への水の供給を停止することを特徴とする水素製造方法。
  2. 前記余剰水素を発生させているとき、前記水素発生材料収容容器の内部の温度は、40℃以上100℃以下の範囲内で保持されている請求項1に記載の水素製造方法。
  3. 前記余剰水素を発生させる際の前記水素発生材料収容容器への水の供給量は、前記水素発生材料収容容器に収容される前記水素発生物質1gあたり、1μl/分以上である請求項1または2に記載の水素製造方法。
  4. 前記余剰水素を別途活用する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素製造方法。
  5. 前記余剰水素を貯蔵して使用する請求項4に記載の水素製造方法。
  6. 前記水素発生材料に含まれる前記水素発生物質が、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの元素を主体とする合金からなる群より選択される少なくとも1種の金属材料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素製造方法。
  7. 前記水素発生材料は、前記水素発生物質以外に水と反応して発熱する発熱材料をさらに含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の水素製造方法。
  8. 水との発熱反応により水素を発生する水素発生物質を含む水素発生材料を収容可能な水素発生材料収容容器と、
    前記水素発生材料収容容器内の前記水素発生材料に、所定の供給時間、所定の供給速度で水を供給する水供給部と、
    前記水素発生材料の中で既に水素発生に使用された量の割合である反応率を検出する反応率検出部とを含み、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の水素製造方法を用いることを特徴とする水素製造装置。
  9. 前記水素発生材料収容容器の外部に保温材をさらに備えた請求項8に記載の水素製造装置。
  10. 前記余剰水素を貯蔵する水素貯蔵容器をさらに備えた請求項8または9に記載の水素製造装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の水素製造装置と、
    前記水素製造装置で製造された水素を用いて発電を行う燃料電池とを備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  12. 前記余剰水素を用いて前記燃料電池で発電した電力が充電される二次電池をさらに備えた請求項11に記載の燃料電池システム。
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