JP2008273758A - 水素発生材料組成物および水素発生装置 - Google Patents

水素発生材料組成物および水素発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便かつ効率よく水素を発生させ得る水素発生材料組成物および水素発生装置を提供する。
【解決手段】 特定種の金属元素を含有する金属材料と、金属材料以外の材料であり、かつ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、組成物中の発熱材料の平均含有率よりも、発熱材料の含有率が高い偏在部を有しており、偏在部における金属材料であるアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子が、粒径が15〜120μmの粒子を80体積%以上含むか、平均粒径が15〜75μmであるか、鱗片状であり、かつ厚みが0.1〜5μmであるか、金属相と不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子を5質量%以上含有していることを特徴とする水素発生材料組成物と、該組成物を水素発生源に用いた水素発生装置である。水素発生装置においては、偏在部に最初に水が供給されるように、水素発生材料組成物を配置することが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水と反応して水素を発生させる水素発生材料組成物、およびその水素発生材料組成物を用いた水素発生装置に関するものである。
近年、パーソナルコンピューター、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池は、ますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図り得る二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源としての需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウム二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
このような状況の中で、前記の要望に応え得る電池の一例として、固体高分子型燃料電池が挙げられる。電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料(水素、メタノールなど)を用いる固体高分子型燃料電池は、リチウムイオン電池よりも高エネルギー密度化が期待できる電池として注目されている。燃料電池は、燃料および酸素の供給さえ行えば連続的に使用することができる。
燃料電池については、使用する燃料に関していくつかの候補が挙げられているが、それぞれ種々の問題点を有しており、最終的な決定が未だなされていない。
燃料として水素を用いる燃料電池としては、例えば、高圧タンクまたは水素吸蔵合金タンクに蓄えた水素を供給する方法が一部で実用化されているが、体積および重量が大きくなりエネルギー密度が低下するため、ポータブル電源用途には適さないという欠点を有している。
また、燃料電池の燃料として、炭化水素系燃料を用い、それを改質して水素を取り出す方法もあるが、改質装置が必要となり改質装置への熱の供給および断熱などの問題があるため、やはりポータブル電源用途には不適である。この他、燃料としてメタノールを用い、直接電極でメタノールを燃料として反応させる直接メタノール型燃料電池もあり、これは小型化が容易で、将来のポータブル電源として期待されているが、メタノールのクロスオーバーによる電圧の低下およびエネルギー密度の減少という問題がある。
このような状況下において、水と、例えばアルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛などの水素発生物質とを、100℃以下の低温で化学反応させて水素を発生させ、発生した水素を燃料として用いる燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかし、特許文献1〜3に記載されている方法では、前記水素発生物質の量に見合う当量の酸化カルシウム、水酸化ナトリウムなどの塩基性物質を添加しなければならない。水素発生物質以外の物質の比率が高くなるとエネルギー密度が減少するため、結果的に水素発生量が少なくなる。特に、特許文献3に開示されている方法は、酸化カルシウムと水との反応熱を水素発生物質の反応に利用した方法であるが、酸化カルシウムの含有率が15wt%以上の場合は水素発生反応が良好に進行するものの、酸化カルシウムの含有率を15wt%未満にすると、水素が発生しなくなることが明らかにされている。
本発明者らは、特許文献1〜3に記載の方法の抱える前記の問題を回避すべく検討を重ね、水と反応して水素を発生させる金属材料と、水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料について、一部の領域において、発熱材料を偏在させてその含有率を高くすることにより、前記偏在部分における発熱材料が水と反応して生じる反応熱を、金属材料と水との反応に有効に利用する技術を開発し、これを特許文献4で提案している。特許文献4に記載の技術であれば、水素発生材料中の、発熱材料が偏在している部分における発熱材料と水との反応で生じる反応熱を、金属材料と水との反応に有効に利用でき、水素発生反応を短時間で容易に開始させることができる。そのため、特許文献4に記載の水素発生材料であれば、水素発生材料全体での発熱材料の含有量を低減することができ、水素をより効率よく発生させることができる。
米国特許第6506360号公報 特許第2566248号公報 特開2004−231466号公報 国際公開第2007/18244号公報
しかし、特許文献4に開示の技術においても、水素発生効率の向上の上で、金属材料や発熱材料の構成について、未だ改良の余地がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便かつ効率よく水素を発生させ得る水素発生材料組成物および水素発生装置を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の水素発生材料組成物は、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、かつ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、下記(I)〜(III)のいずれかの態様を有することを特徴とするものである。
(I)前記水素発生材料組成物は、該水素発生材料組成物中の前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を有しており、前記偏在部は、前記金属材料として、下記(1)〜(3)のいずれかを満たすアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を含有している。
(1)粒径が15〜120μmの粒子を80体積%以上含む。
(2)平均粒径が15〜75μmである。
(3)鱗片状であり、かつ厚みが0.1〜5μmである。
(II)前記水素発生材料組成物は、該水素発生材料組成物中の前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を有しており、前記偏在部には、前記金属材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を含有しており、かつ前記偏在部の含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子が、金属状態のアルミニウムを含有する金属相と、アルミニウムの酸化物または水酸化物を含有する不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子を5質量%以上含有している。
(III)前記水素発生材料組成物は、発熱材料の含有率の異なる2種以上の単位組成物が組み合わされて構成されており、前記単位組成物のうち、発熱材料の含有率が最も高い単位組成物は、金属材料として、下記(1)〜(4)のいずれかを満たすアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を含有している。
(1)粒径が15〜120μmの粒子を80体積%以上含む。
(2)平均粒径が15〜75μmである。
(3)鱗片状であり、かつ厚みが0.1〜5μmである。
(4)金属状態のアルミニウムを含有する金属相と、アルミニウムの酸化物または水酸化物を含有する不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子を5質量%以上含む。
また、本発明の水素発生装置は、前記本発明の水素発生材料組成物を収容した水素発生材料組成物収容容器を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、簡便かつ効率よく水素を発生させ得る水素発生材料組成物および水素発生装置を提供することができる。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、水と反応して水素を発生させる金属材料と、水と反応して発熱する発熱材料とを含み、かつ発熱材料が偏在し、その含有率が、全体の平均含有率よりも高い偏在部を有する水素発生材料組成物において、偏在部における金属材料の構成の違いによって、水素が発生するまでの時間、水素発生速度が最大となるまでに要する時間および水素発生の反応効率に大きな差が生じることを見出した。そして、偏在部が、金属材料として、前記の粒度や形状、構成を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を含有する場合には、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間をより短くし、また、水素発生の反応効率をより高め得ることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明を詳細に説明する。
<水素発生材料組成物>
本発明の水素発生材料組成物は、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、かつ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、水素発生材料組成物全体における前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を有している[以下、便宜上、前記偏在部における組成物(金属材料および発熱材料などで構成される組成物)を「水素発生材料組成物A」といい、前記偏在部以外の部分における組成物(金属材料および発熱材料などで構成される組成物)を「水素発生材料組成物B」という場合がある]。
水素発生材料組成物と水との反応は、水素を発生させる反応であれば、反応機構などによって特に限定されるものではない。この反応の一例は、まず、発熱材料の含有率が多い偏在部における組成物、すなわち水素発生材料組成物Aで発熱材料と水との発熱反応が起こり、次に、この発熱反応によって発生する熱により、水素発生材料組成物Aに含まれる金属材料と水との反応が開始される。次に、水素発生材料組成物Aで生じた反応熱が、水素発生材料組成物Aに隣接する位置に存在する水素発生材料組成物Bに伝わり、これを起点として水素発生材料組成物Bでの水素発生反応が開始される。水素発生材料組成物に含有される金属材料と水との反応も発熱反応であるため、一度反応が始まると、水素発生材料組成物Aから水素発生材料組成物Bへ供給される熱量が少なくなっても、水素発生材料組成物Bにおいて水素発生反応を持続させることができ、発熱材料を多く含有する水素発生材料組成物Aから水素発生材料組成物Bに徐々に水素発生反応を進行させることができる。そして、最終的に、水素発生材料組成物全体で反応を生じさせることができる。
そのため、水素発生材料組成物Bでは、発熱材料を含まないか、または発熱材料の含有量を水素発生材料組成物Aよりも大幅に低減することができることから、結果として、水素発生材料組成物全体に含まれる発熱材料の量を低減することができる。これにより、水素発生材料組成物全体における金属材料の割合を増加させて、水素発生量を大きくすることができる。また、発熱材料の含有率の高い水素発生材料組成物Aの存在する偏在部を含むことにより、偏在部に水が供給されてからすぐに、局所的に大きな発熱が生じて、金属材料と水との反応を誘起することになるため、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間を短縮させることができる。本発明の水素発生材料組成物では、以上の反応により、簡便かつ効率よく水素を発生させることができる。
水素発生材料組成物と水との反応の他の一例は、まず、発熱材料が多い水素発生材料組成物Aが存在する領域、すなわち偏在部で発熱材料と水との発熱反応が起こる。その際、発熱材料が塩基性物質の場合には、水に溶解して高濃度のアルカリ水溶液が形成され、これが水素発生材料組成物Aに含有される金属材料の表面に形成された酸化皮膜を溶解させる。この酸化皮膜を溶解する反応も、金属材料と水との反応の起点となり得る。すなわち、水素発生材料組成物Aで生じた反応熱およびアルカリが、これらにより前記発熱反応または前記酸化皮膜溶解反応が生じている水素発生材料組成物Aに隣接する位置に存在する水素発生材料組成物Bに伝わり、これを起点として水素発生材料組成物Bでの水素発生反応が開始される。そして、上述したように、発熱材料を多く含有する水素発生材料組成物Aから水素発生材料組成物Bに徐々に水素発生反応を進行し、最終的に、水素発生材料全体で反応を生じさせることができる。
そのため、水素発生材料組成物Bでは、発熱材料を含まないか、または発熱材料の含有率を水素発生材料組成物Aよりも大幅に低減することができることから、結果として、水素発生材料組成物全体に含まれる発熱材料の量を低減することができる。これにより、水素発生材料組成物全体における金属材料の割合を増加させて水素発生量を大きくすることができる。また、発熱材料が塩基性物質の場合、水素発生材料Aに水が供給されてからすぐに、局所的に大きな発熱が生じると共に、金属材料の酸化皮膜を溶解させ、金属材料と水との反応を誘起することになるため、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間を短縮させることができる。本発明の水素発生材料組成物では、以上の反応により、簡便かつ効率よく水素を発生させることができる。
<金属材料>
本発明の水素発生材料組成物は、水素を発生するための金属材料として、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムといった金属や、アルミニウム、ケイ素、亜鉛およびマグネシウムから選ばれる1種以上の金属元素を主体とする合金のうちの少なくとも1種の金属材料を含有している。前記合金の場合、その組成について特に制限はないが、前記の金属元素の含有率が、60質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましい。前記合金の場合に前記の金属元素の含有率が低いと、水との反応において水素発生量が低下するからである。
前記金属材料は、少なくとも常温以上に加温された状態において、水と反応して水素を発生させることができる。しかし、表面に安定な酸化皮膜が形成されるため、低温下、もしくは、板状、ブロック状などのバルクの形状では、水素を発生しないか、または水素を発生し難い材料である。一方、前記酸化皮膜の存在により、空気中での取り扱いは容易である。
例えば、アルミニウムと水との反応は、下記式(1)〜(3)のいずれかによって進行していると考えられる。
2Al+6HO→Al・3HO+3H (1)
2Al+4HO→Al・HO+3H (2)
2Al+3HO→Al+3H (3)
本発明の水素発生材料組成物は、偏在部(すなわち、水素発生材料組成物A)において、金属材料としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を含有しており、かつ前記アルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子が、下記(1)〜(3)のいずれかの形態を有するか、または、下記(4)の構成を有している。
(1)粒度が15〜120μmの粒子を80体積%以上(好ましくは90体積%以上、更に好ましくは100体積%)含む。
(2)平均粒径が、15μm以上(好ましくは25μm以上)で、75μm以下(好ましくは55μm以下)である。
(3)鱗片状であり、かつ厚みが、0.1μm以上で、5μm以下(好ましくは3μm以下)である。
(4)金属状態のアルミニウムを含有する金属相と、アルミニウムの酸化物または水酸化物を含有する不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子を5質量%以上(好ましくは10質量%以上)含有している。
なお、本明細書でいう「平均粒径」は、体積基準の積算分率50%における直径の値を意味している。また、本明細書でいう「粒度分布(特定の粒径の粒子をどれだけ含有しているか)」や「平均粒径」は、レーザ回折・散乱法を用いて測定した値である。具体的には、水などの液相または気相に分散させた測定対象物質にレーザ光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法である。レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装社製の「マイクロトラックHRA」などを用いることができる。
更に、本明細書でいう鱗片状の金属材料の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより求めることができる。
偏在部が、金属材料として前記(1)〜(4)のいずれかを満たすアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を含有していれば、水素発生反応の初期段階での、偏在部における水素発生反応をスムーズに進行させ、効率よく水素を発生させることができる。
一般に、アルミニウムは、アルミニウム金属である粒子内部の表面に、アルミニウム酸化物またはアルミニウム水酸化物で構成される緻密な難水溶性の酸化皮膜が形成されている。アルミニウムと水との反応の際には、前記表面皮膜に水が浸透して、粒子内部のアルミニウム金属まで水が到達すると、水素が発生する。その際、生成するアルミナ水和物は皮膜として成長する。アルミナ水和物は難水溶性であるので、皮膜の成長に伴い内部まで水が浸透しにくくなる。その結果、アルミニウムの粒径や厚みによっては、アルミニウム金属が完全に酸化される前に水との反応は終了する。そのため、アルミニウムの粒径の増加に伴い、反応性は低下すると考えられる。また一般に、アルミニウムの粒径の増加に伴い、比表面積は減少するので、反応速度は低下すると考えられる。
更に、一般に、アルミニウムの表面は、緻密な酸化皮膜に覆われているため、アルミニウムの粒径の低下に伴い、通常は比表面積が増加し、その結果酸化皮膜量も増加すると考えられる。酸化皮膜量が増加すると、上述した金属材料と水との反応を誘起させるのに必要な発熱反応または酸化皮膜溶解反応も多く進行する必要があり、その分、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が掛かることになると考えられる。
これに対し、偏在部の含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子が、前記の(1)〜(3)の形態を有する場合には、粒子表面に酸化皮膜が形成されていても、発熱材料と水との反応熱が加わることで、水との反応を良好に開始できるようになる。すなわち、偏在部の含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子が、粒径が15μmを下回る粒子の含有量が多すぎるか、平均粒径が小さすぎるか、鱗片状でありかつ厚みが小さすぎると、酸化皮膜量が過度に増加するため、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が掛かるようになる。
また、偏在部の含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子が、粒径が120μmを超える粒子を多く含んでいるか、平均粒径が大きすぎるか、鱗片状でありかつ厚みが大きすぎると、酸化皮膜量が少ないために短時間で水素が発生するが、粒径の増加に伴う反応速度の低下、すなわち水素発生材料組成物Aに含有される金属材料と水との反応速度の低下により、水素発生材料組成物Bでの水素発生反応への起点となる発熱反応または酸化皮膜溶解反応に時間が多く掛かるため、水素発生速度が最大となるまでに要する時間が掛かるようになる。
他方、偏在部の含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子が、前記(4)の構成、すなわち、金属状態のアルミニウムを含有する金属相と、アルミニウムの酸化物または水酸化物を含有する不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子を5質量%以上含有している場合には、粒子の表面にアルミニウム酸化物またはアルミニウム水酸化物で構成される緻密な皮膜のみが存在している場合に比べて、上述した発熱反応または酸化皮膜溶解反応による金属材料と水との反応が素早く起こると考えられる。
よって、上述したように、偏在部、すなわち水素発生材料組成物Aが、粒径の小さな金属材料のみを含有すると、その酸化皮膜量が過度に増加するため、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が掛かるが、アルミニウムまたはアルミニウム合金粒子の有する表面皮膜の少なくとも一部に、金属状態のアルミニウムを含有する金属相が存在する金属材料を水素発生材料組成物Aに含有させた場合には、前記の効果により、水素を発生させるまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間を短縮することができる。
なお、偏在部におけるアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子は、その全てが前記の金属相と不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子であってもよい(すなわち、偏在部におけるアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子中の、前記の金属相と不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子の割合の好適上限は、100質量%である)。
偏在部の含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子は、前記(1)〜(4)のいずれかを満足していればよいが、それらの2以上を満足していることが好ましく、例えば、(1)と(2)の両者を満足していたり、(1)と(4)の両者を満足していたり、(1)と(3)の両者を満足していたり、(2)と(3)の両者を満足していたり、(2)と(4)の両者を満足していたり、(1)と(2)と(3)の三者を満足していたり、(1)と(2)と(4)の三者を満足していたりすることが望ましい。また、偏在部は、前記(1)〜(4)のいずれかを満足するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
よって、偏在部が含有する前記(4)の構成を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒度としては、粒径が15〜120μmの粒子を80体積%以上含んでいたり、平均粒径が15〜75μmであることが好ましい。
本発明の水素発生材料組成物において、偏在部以外の部分、すなわち水素発生材料組成物Bが含有する金属材料は、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料の粒子であって、かつ下記(a)〜(c)のいずれかを満足する粒子であることが好ましい。
(a)粒度が0.1〜60μmの粒子を80体積%以上(より好ましくは90体積%以上、更に好ましくは100体積%)含む。
(b)平均粒径が、0.1μm以上で、30μm以下(より好ましくは20μm以下)である。
(c)鱗片状であり、かつ厚みが、0.1μm以上で、5μm以下(好ましくは3μm以下)である。
偏在部以外の部分が含有する金属材料粒子が、粒径が0.1μmを下回る粒子の含有量が多すぎるか、平均粒径が小さすぎるか、鱗片状であり、かつ厚みが小さすぎると、空気中で発火性が高くなるため取り扱いが困難になり、また、水素発生材料組成物の嵩密度が小さくなるため、充填密度が低下してエネルギー密度が低下しやすくなる。
また、偏在部以外の部分が含有する金属材料粒子が、粒径が120μmを超える粒子を多く含んでいるか、平均粒径が大きすぎるか、鱗片状でありかつ厚みが大きすぎると、反応性が低下するため、エネルギー密度が低下しやすくなる。
偏在部以外の部分が含有する金属材料粒子は、前記(a)〜(c)のいずれかを満足していることが好ましいが、それらの2以上を満足していることがより好ましく、例えば、(a)と(b)の両者を満足していたり、(a)と(c)の両者を満足していたり、(b)と(c)の両者を満足していたり、(a)と(b)と(c)の三者を満足していたりすることがより望ましい。また、偏在部以外の部分は、前記(a)〜(c)のいずれかを満足する金属材料粒子を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
また、偏在部および偏在部以外の部分が含有する金属材料粒子は、その形状が鱗片状の場合には、燃焼赤外吸収法により測定される粒子表面での炭素含有量が、0.5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。鱗片状の粒子表面における炭素含有量が多い場合には、水との親和性が悪化するため、水と反応させようとしても水との接触が良好でないことから、水素発生反応が進行しにくくなる傾向にある。なお、前記炭素含有量は0質量%であることが最も好ましいが、0質量%とすることは難しく、現実的な下限値は、0.01質量%程度である。
偏在部(すなわち水素発生材料組成物A)は、金属材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を少なくとも含有しており、その割合は、偏在部に存在する金属材料全体の90質量%以上とすることが望ましい。また、アルミニウムおよびアルミニウム合金以外に用いることのできる金属材料としては、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびそれら元素の1種以上を主体とする合金などを例示することができる。アルミニウムおよびアルミニウム合金以外の金属材料を含有させる場合にも、その形状としては、前記の(1)〜(3)のいずれかを満たす形状であることが望ましい。
また、偏在部以外の部分(すなわち水素発生材料組成物B)は、金属材料として、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の材料の粒子を含有しているが、中でも、金属材料としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を含有することが望ましく、その割合は、偏在部以外の部分に存在する金属材料全体の90質量%以上とすることが望ましい。前記金属材料以外の金属材料を含有させる場合にも、その形状としては、前記の(a)〜(c)のいずれかを満たす形状であることが望ましい。
偏在部における金属材料は、全てが上記形状〔(1)〜(3)〕のアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子で構成されていることがより望ましく、偏在部以外の部分における金属材料は、全てが上記形状〔(a)〜(c)〕のアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子で構成されていることがより望ましい。
本発明の水素発生材料組成物に使用する金属材料の製造方法は特に限定されず、機械的粉化法やガスアトマイズ法などが挙げられ、これらのいずれの方法により作製された金属材料も用いることができるが、例えば、ガスアトマイズ法のような急冷凝固法により形成された金属材料粒子[アルミニウム粉末(アルミニウム粒子)またはアルミニウム合金粉末(アルミニウム合金粒子)など]が好ましく用いられる。すなわち、急冷凝固法で金属材料を形成することにより、結晶粒が微細化して活性点となる粒界が増加し、水との反応が進行しやすくなることが期待される。また、急冷凝固法による金属材料では、水との濡れ性が比較的高いため、反応を生じやすくなることも期待される。
アトマイズ法では、金属の溶湯を細い溶湯流として、ガスや回転ディスクなどのアトマイズによりせん断力を与えて分散して粉状(粒状)とする。ガスの場合の分散媒は、空気、または窒素やアルゴンなどの不活性ガスを使用することができ、分散媒体によって分散された溶体粒子が凝固時に吹き付けられる液体または気体によって急冷処理され、金属粉体が得られる。前記冷却媒体としての液体または気体には、水、液体窒素、空気、窒素、アルゴンなどが用いられる。
そして、前記のアトマイズ法によって得られた金属材料粒子を篩によって分級するなどして、前記の(1)または(2)の粒度を有する金属材料粒子や、前記の(a)または(b)の粒度を有する金属材料粒子を得ることができる。
一方、機械的粉化法では、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子の場合、アルミニウムに対する腐食性を有する有機溶媒を含む処理溶媒中で、アルミニウムまたはアルミニウム合金を機械的に粉砕して形成された金属材料が好ましく用いられる。前記方法を用いて作製した粉末は、金属光沢を有しており、粉砕時間にもよるが、電子顕微鏡で観察すると、厚みが5μm以下で、長径が数十μmの鱗片状の形態を有していることが確認される。前記厚みを小さくすることにより、アルミニウムと水との反応による酸化皮膜の形成による影響が小さくなり、粒子の中心まで水と反応しやすくなるためと考えられる。
前記の「アルミニウムに対する腐食性を有する」とは、アルミニウムと化学的な反応を生じることを意味しており、このような性質を有する有機溶媒としては、メタノール、エタノールなどアルミニウムと反応してアルコキシドを生成するアルコール類;酢酸などアルミニウムを溶解することのできる有機酸;N−メチルピロリドン;などが挙げられる。なお、アルコール類としては、前記のメタノールおよびエタノールの他、例えば、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、2−メチルー1−プロパノール、ベンジルアルコール、エトキシエタノールなども例示することができる。また、有機酸としては、炭素数が10以下のものが好ましく、シュウ酸やクエン酸のように室温で固体の状態で存在するものであっても、それを溶解可能な有機溶媒に溶解させて用いることもできる。アルミニウムとの反応性や、得られる粉末の表面物性などの点からは、アルコール類が特に好適に用いられる。
アルミニウムに対する腐食性を有する有機溶媒は、これを単独で処理溶媒として用いることもできるが、トルエンなどの、アルミニウムに対して不活性な有機溶媒と混合して処理溶媒としてもよい。また、前記有機溶媒中には、僅か(例えば、1質量%以下)であれば水が含まれていてもよい。
前記粉砕方法は、特に制限されるものではなく、例えば、ボールミル、サンドミル、振動ミルまたはジェットミルなどを用いた機械的粉砕方法が採用できる。粉砕時の雰囲気は特に限定されず、不活性雰囲気でも大気中でもかまわない。
前記の機械的粉化法によって、前記の(3)および(c)の形態を有し、また、燃焼赤外吸収法により測定される粒子表面での炭素含有量が前記の好適値を満たす金属材料を得ることができる。
他方、前記の機械的粉化法を行うにあたり、有機溶媒と水とを含む処理溶媒中で、アルミニウムまたはアルミニウム合金を粉砕することで、黒色の粒状微粉末である前記(4)の構成を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を得ることができる。
前記(4)の構成を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子を得るための機械化粉化法に用いる処理溶媒を構成するための有機溶媒としては、アルミニウムやアルミニウム合金と反応しにくい溶媒であれば特に限定されないし、水と混ざり合わないものでも構わない。具体的には、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;アセトンなどのケトン類;エーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド;などが挙げられる。なお、前記有機溶媒のうち、水と共沸混合物になるもの(例えば、トルエン、シクロヘキサンなど)は、処理溶媒を粉砕物から除去し易くなることから、より好適に用いられる。前記有機溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いても構わない。
アルミニウムまたはアルミニウム合金の粉砕に用いる前記処理溶媒においては、水と有機溶媒の使用比率は必ずしも限定されるものではないが、例えば、水1質量部に対して、有機溶媒の量を5〜300質量部とするのが好適である。
前記(4)の構成を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子を得るための粉砕方法は、特に制限されるものではなく、例えば、アルミニウムに対して腐食性を有する有機溶媒を用いた機械的粉化法の場合と同じ粉砕方法を採用することができる。なお、前記(4)の構成を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子を得るための粉砕の際には水素が発生するため、前記のような粉砕装置では、かかる水素を逃がす機構を設けることが望ましい。
<発熱材料>
水素発生材料組成物に用いる発熱材料は、常温において水と発熱反応を生じる物質であればよい。例えば、水と反応して水酸化物や水和物となる物質、水と反応して水素を生成する物質などを用いることができる。なお、本明細書において、常温とは20〜30℃の範囲の温度である。
発熱材料のうち、水と反応して水酸化物や水和物となる物質としては、例えばアルカリ金属の酸化物(例えば、酸化リチウムなど)、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなど)、アルカリ土類金属の塩化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなど)、アルカリ土類金属の硫酸化合物(例えば、硫酸カルシウムなど)などを用いることができる。また、発熱材料のうち、水と反応して水素を生成する物質としては、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウムなど)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化リチウムなど)などを用いることができる。これらの物質は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、発熱材料が塩基性物質であれば、水素発生反応に用いられる水に溶解して、高濃度のアルカリ水溶液を形成するので、水素発生物質の表面に形成された酸化皮膜を溶解させ、水との反応性を大きくすることができるので好ましい。この酸化皮膜を溶解する反応は、金属材料と水との反応の起点となることもある。特に、発熱材料がアルカリ土類金属の酸化物であれば、塩基性物質でありかつ取り扱いが容易であるのでより好ましい。
なお、水以外の物質と常温で発熱反応を生じる物質、例えば、鉄粉のように酸素と反応して発熱する物質も知られている。しかし、水素発生材料組成物が、前記酸素と反応する物質と、前記水素発生源となる金属材料とを含む場合、反応のために必要とされる酸素は、同時に、金属材料から発生する水素の純度を低下させたり、金属材料を酸化させて水素発生量を低下させたりするなどの問題を生じることがある。このため、本発明においては、発熱材料としては、前述の、水と反応して発熱するアルカリ土類金属の酸化物などを用いるのが好ましい。また、同様の理由から、発熱材料は、反応時に水素以外の気体を生成しないものが好ましい。
偏在部(すなわち水素発生材料組成物A)の含有する発熱材料としては、粒径が0.1〜70μmの粒子を、好ましくは80体積%以上(より好ましくは90体積%以上)含む粒子であるか、または平均粒径が、好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下の粒子であることが望ましく、粒径が0.1〜70μmの粒子を80体積%以上含み、かつ平均粒径が前記好適値を満足するものであることがより望ましい。このような粒度の発熱材料は、篩により分級するなどして得ることができる。
偏在部の含有する発熱材料が、粒径が70μmを超える粒子を多く含んでいるか、平均粒径が大きすぎると、発熱材料の反応速度が低下するため、金属材料と水との反応を誘起させるのに必要な発熱反応または酸化皮膜溶解反応に時間が多く掛かり、その分、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が掛かるようになる虞があると考えられる。また、偏在部の含有する発熱材料が、粒径が0.1μmを下回る粒子を多く含んでいるか、平均粒径が小さすぎると、取り扱いが困難になる。
偏在部以外の部分(すなわち水素発生材料組成物B)は、金属材料のみで構成されていてもよいが、金属材料と水との反応を促進させるため、発熱材料も含有させることが好ましい。偏在部以外の部分の含有する発熱材料としては、粒径が0.1〜20μmの粒子を、好ましくは80体積%以上(より好ましくは90体積%以上)含む粒子であるか、または平均粒径が、好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の粒子であることが望ましく、粒径が0.1〜20μmの粒子を80体積%以上含み、かつ平均粒径が前記好適値を満足するものであることがより望ましい。このような粒度の発熱材料は、篩により分級するなどして得ることができる。
偏在部以外の部分の含有する発熱材料が、粒径が20μmを超える粒子を多く含んでいるか、平均粒径が大きすぎると、詳しい理由は不明であるが、発熱材料の反応性が低下するため、水素発生材料組成物Bに含有される金属材料と水との反応が促進されないためか、金属材料の反応性が低下し、エネルギー密度が低下しやすくなる。また、偏在部以外の部分の含有する発熱材料が、粒径が0.1μmを下回る粒子を多く含んでいるか、平均粒径が小さすぎると、詳しい理由は不明であるが、偏在部以外の部分の含有する金属材料同士の固着・凝着が起こりやすいためか、金属材料の反応効率が低下することがある。
<その他の成分>
水素発生材料組成物には、金属材料および発熱材料以外に、親水性酸化物、炭素および吸水性高分子からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、「添加剤」という)を含有させることもできる。前記添加剤が金属材料と共存することにより、金属材料と水との反応が促進され、より効率よく水素を発生させることができる。これは、金属材料と水との接触を良好にしたり、金属材料と水との反応により生成した反応生成物が、未反応の金属材料の表面に堆積するのを防止するためであると考えられる。また、水素発生材料組成物がペレット状に形成された場合は、添加剤によって水素発生材料組成物の内部まで水が浸透しやすくなることも期待される。前記親水性酸化物としては、アルミナ、ベーマイト、シリカ、マグネシア、ジルコニア、ゼオライトおよび酸化亜鉛などを例示することができ、これらの酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させるのがよい。また、前記炭素としては、カーボンブラック類(アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど)、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、活性炭などを用いることができる。前記吸水性高分子としては、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などを用いることができる。これらの添加剤は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の水素発生材料組成物では、少なくとも偏在部において、金属材料としてアルミニウムまたはアルミニウム合金粒子を含有するものであり、前記親水性酸化物としてアルミナまたはベーマイトを更に含めばより一層好ましい。
<水素発生材料組成物の組成>
水素発生材料組成物のうち、偏在部(すなわち、水素発生材料組成物A)においては、発熱材料の含有率が、30質量%以上であることが好ましく、また、90質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが好ましい。偏在部における発熱材料の含有率を前記のようにすることで、発熱材料の反応によって水素が発生するまでの時間をより短縮させることができるからである。
また、水素発生材料組成物のうち、偏在部以外の部分(すなわち、水素発生材料組成物B)は、前記の通り、金属材料のみで構成することもできるが、金属材料と水との反応を促進させるために、発熱材料も含有させることが好ましい。ただし、偏在部以外の部分における発熱材料の含有率が高すぎると、水素発生材料組成物全体における発熱材料の量を低減することによる効果を確保し難くなる場合がある。そのため、偏在部以外の部分の発熱材料の含有率は、偏在部の発熱材料の含有率よりも低くし、具体的には、1質量%以上15質量%以下とすることがより好ましい。
また、水素発生材料組成物全体中の金属材料の含有率(金属材料と発熱材料との合計量を100質量%とした場合の金属材料の含有率)は、より多くの水素を発生させる観点から、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%であり、また、発熱材料の併用による効果をより確実に確保する観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下である。言い換えれば、水素発生材料組成物全体中の発熱材料の含有率(金属材料と発熱材料との合計量を100質量%とした場合の発熱材料の含有率)は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であって、好ましくは10質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
更に、水素発生材料組成物に、前記の添加剤を含有させる場合には、添加剤の使用による作用をより有効に発揮させる観点から、水素発生材料組成物全体中の添加剤の含有率は、1質量%以上であることが好ましい。また、添加剤の使用による金属材料および発熱材料の量の低減による不都合を回避する観点から、水素発生材料組成物全体中の添加剤の含有率は、14質量%以下であることが好ましい。
また、水素発生材料組成物全体における偏在部の割合は、水素発生量をより多くする観点から、40質量%以下であることが好ましく、より効率よく水素を発生させる観点から、3質量%以上であることが好ましい。
<水素発生材料組成物の調製>
本発明の水素発生材料組成物は、例えば、発熱材料が偏在している偏在部を構成するための水素発生材料組成物Aと、偏在部以外の部分を構成するための水素発生材料組成物Bとを別々に調製し、これら水素発生材料組成物Aと水素発生材料組成物Bとを完全に混合することなく水素発生材料組成物Aによる偏在部が残るように合わせて調製することができる。また、調製後の水素発生材料組成物を、偏在部を残しつつ加圧成形してペレット状などにしてもよい。
水素発生材料組成物を調製するにあたり、偏在部以外の部分を構成するための水素発生材料組成物Bとしては、1種のみを用いてもよく、金属材料および発熱材料の組成や形状の異なる2種以上を用いてもよい。
水素発生材料組成物AおよびBは、顆粒状であることが好ましい。顆粒状の水素発生材料組成物AおよびBは、金属材料と発熱材料などとを混合して得られた粉末状の組成物を造粒することで得られる。水素発生材料組成物AおよびBを顆粒状にすることで、粒径の調節が容易となり、例えば、水素発生材料組成物AおよびBを、粒径が5〜300μmの顆粒状にすることで、水素が発生するまでの時間を短縮できる。
なお、例えば水素発生材料組成物AおよびBを顆粒状にする場合、金属材料を水と反応しやすくするためには、金属材料のみからなる1mm以上の大きさの凝集体が形成されないようにすることが好ましい。前記凝集体の形成を防ぐためには、例えば、水素発生材料組成物AおよびBを調製する際に、金属材料と発熱材料とを撹拌混合したり、金属材料を発熱材料でコーティングしたりすればよい。
水素発生材料組成物Aと水素発生材料組成物Bとを合わせて本発明の水素発生材料組成物を調製する場合、水素発生材料組成物Aを、水素発生材料組成物全体の中で、その表面部または隅部に配置することが好ましい。そのような配置であれば、最初に水素発生材料組成物Aに水を供給して、その中に含まれる発熱材料と水とを素早く接触させることが可能となり、より短時間で水素発生反応を開始させることができるようになる。
他方、本発明の水素発生材料組成物には、偏在部を構成するための単位組成物である水素発生材料組成物Aと、偏在部以外の部分を構成するための単位組成物である水素発生材料組成物Bとを一体化せずに、それぞれ別個独立にパッケージなどした態様のものも含まれる。このような態様の水素発生材料組成物の場合には、水素製造に際して、水素発生材料組成物Aと水素発生材料組成物Bとを完全に混合することなく合わせて用いることができる。
<水素発生材料組成物による水素製造方法>
本発明の水素発生材料組成物を用いた水素製造方法の一例を以下に示す。水素発生材料を準備する工程は、特に限定されないが、例えば、予め調製した水素発生材料組成物を、偏在部を残したまま反応容器内に投入してもよいし、発熱材料の含有率の異なる複数種の単位組成物(水素発生材料組成物AおよびB)を、それぞれ反応容器内に投入し、水素発生材料組成物Aにより偏在部が形成されるようにしてもよいし、金属材料粒子と発熱材料粒子とを別々に反応容器内に投入し、該反応容器内で偏在部と偏在部以外の部分とを形成するようにしてもよい。
続いて、このようにして準備された水素発生材料組成物に水を供給する。水を供給する工程は、水素発生材料組成物を水と反応可能にするものであれば、特に限定されない。すなわち、水を供給する反応容器内の箇所や供給速度などは適宜選択することができる。この工程によって、供給された水が水素発生材料組成物中の発熱材料と反応し、その反応により放出される熱によって、また、発熱材料が塩基性物質の場合は反応により生成するアルカリによる金属材料の酸化皮膜の溶解によって、金属材料と水との反応が開始される。そして、発熱材料の反応による反応熱、アルカリによる金属材料の酸化皮膜の溶解、または金属材料と水との反応による反応熱を起点として、新たな金属材料と水との反応が開始され、水素発生反応が継続することになる。
ただし、供給する水を発熱材料および金属材料と効率よく反応させるためには、水素発生材料組成物における発熱材料の含有率が高くなっている偏在部(すなわち水素発生材料組成物Aの箇所)に、先に水を供給することが好ましい。これにより、最初に水素発生反応を開始させるのに必要な熱量またはアルカリ量を生じさせることができれば、それ以降の反応を効率的に進行させることができるからである。
<水素発生装置>
次に、本発明の水素発生装置の一例を、図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の水素発生材料組成物を収容した容器(水素発生材料組成物収容容器)を備えた水素発生装置の断面模式図であり、発熱材料が偏在している偏在部が存在するように、水素発生材料組成物を配置したものである。図1で示される水素発生装置は、カートリッジの形態を有している。図1において、カートリッジ1は、水を供給するための供給口5と水素を排出させるための排出口6とを含む水素発生材料組成物収容容器4を備え、容器4の内部に、水素発生材料組成物2aと水素発生材料組成物2bとからなる本発明の水素発生材料組成物2が配置されている。水素発生材料組成物2aは、偏在部、すなわち水素発生材料組成物Aに相当し、水素発生材料組成物2bは、偏在部以外の部分、すなわち水素発生材料Bに相当する。
カートリッジ1は、上述のような構成にすることによって、水素発生材料組成物2に含まれる発熱材料の量が少なくても、水素を効率よく発生させることができる装置である。カートリッジ1は、特に、前述の水素製造方法の実施に適したものである。
また、偏在部を構成する水素発生材料組成物2aと偏在部以外の部分を構成する水素発生材料2bとの間には、図1に示すように仕切り材3を配置してもよい。これにより、水素発生材料組成物2aと水素発生材料組成物2bとの混合を防止できる。仕切り材3を構成する材料は、水素発生材料組成物2aおよび水素発生材料組成物2bと、水との反応を阻害せず、また、水素発生材料組成物2aで発生した熱が水素発生材料組成物2bに伝わるのを阻害しない材料であればよく、例えば、アルミニウム箔、ステンレススチール箔、銅箔などを用いることができる。
なお、水素発生材料組成物のうち、偏在部を構成する水素発生材料組成物2aに、最初に水が供給されるように、例えば、図1に示すように、水素発生材料組成物2aを供給口5側に配置することが好ましい。容器4内において、偏在部、すなわち水素発生材料組成物2aを前記のように配置することで、より短時間で効率よく水素を発生させることができるようになる。
容器4の大きさ、形状などは特に限定されないが、水素発生材料組成物と水とを反応させる反応容器として用いられるので、供給される水および発生する水素が外部に漏れないように、水の供給口5と水素の排出口6を除き、密閉できる構造であることが望ましい。また、容器4に用いる材質は、水および水素が漏れにくく、耐熱性を有する材質(例えば、120℃程度に加熱しても破損しない材質)が好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、ニッケルなどの金属;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの樹脂;アルミナ、シリカ、チタニアなどのセラミックス;耐熱ガラス;などの材料を用いることができる。
供給口5の構造は、水を外部から供給できれば特に限定されず、例えば、容器4に形成された開口であってもよく、また、容器4に接続されたパイプを供給口とするものであってもよい。供給口5は、水の供給量を制御できるポンプと接続されていれば、水の供給量を調節することによって、発生する水素の量を制御することができるのでより好ましい。
排出口6は、水素を外部に排出できる構造であれば特に限定されず、例えば、容器4に形成された開口であってもよく、また、容器4に接続されたパイプを排出口とするものであってもよい。容器の内容物が外に漏れ出すのを防ぐため、排出口6にフィルターを配置することもできる。このフィルターは、気体を通し、かつ液体および固体を通しにくい構造であれば特に限定されず、例えば、多孔性のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の気液分離膜や、ポリプロピレン製の多孔質フィルムなどを用いることができる。
また、図1に示すように、供給口5および排出口6の内側の先端部に吸水材7を配置してもよい。供給された水の一部は吸水材7により保持され、残部は水素発生材料を濡らし、水素発生反応を開始させる。発生した水素は、排出口6を通じて燃料電池の負極に供給することができる。吸水材7は、必ずしも必要ではないが、水素発生反応による水の消費に応じて、吸水材7に保持された水が水素発生材料組成物に供給され、水素発生速度の時間変動をある程度抑制することが可能となるので、配置するのが望ましい。吸水材7は、水を吸って保持することのできる材料であれば特に限定されるものではなく、一般には、脱脂綿や不織布などを用いることができる。
カートリッジ1の外部には、更に保温材(図示しない)を配置することが好ましい。これにより、水と発熱材料および金属材料との発熱反応を維持できる温度を保持しやすくなり、また、外気温の影響も受けにくくなる。保温材の材質は、断熱性が高い材質であれば特に限定されず、例えば、発泡スチロール、ポリウレタンフォーム、発泡ネオプレンゴムなどの多孔性断熱材;真空断熱構造を有する断熱材;などを用いることができる。
<水素発生装置を用いた燃料電池発電システム>
本発明の水素発生装置の主要な用途として、燃料電池の燃料供給源(水素供給源)が挙げられる。以下に、本発明の水素発生装置と燃料電池とを組み合わせた燃料電池発電システムの一例を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の水素発生装置と燃料電池とを組み合わせたシステムの一例を示す模式図である。図2中、200が固体高分子型燃料電池(PEFC)、1が水素発生装置(カートリッジ)であり、燃料電池200と水素発生装置1とは、水素導出パイプ15で構成される燃料流路を介して連結されている。なお、図2では、燃料電池200および水素発生装置1のみを断面で示しているが、各構成要素の理解を容易にするために、燃料電池200および水素発生装置1の一部の構成要素については、断面であることを示す斜線を付していない。
燃料電池200は、いわゆる固体高分子型燃料電池であり、正極集電板10と負極集電板11との間に、電極・電解質一体化物(MEA)100が配置されている。MEA100は、酸素を還元する正極触媒層と、水素を酸化する負極触媒層とを有しており、更に、正極触媒層と負極触媒層との間に固体電解質膜を備えている。なお、12は、シリコーンゴムなどからなるシール材である。
正極集電板10および負極集電板11は、例えば、白金、金などの貴金属や、ステンレス鋼などの耐食性金属、またはカーボンなどから構成されている。また、それらの材料に耐食性向上のために、表面にメッキや塗装が施されている場合もある。正極集電板10の端部には正極リード線13が、負極集電板11の端部には負極リード線14が接続されている。必要に応じて、図2に示す構成の燃料電池200を複数個、正極リード線13および負極リード線14で接続することで、直列または並列に燃料電池を配置することも可能である。また、正極集電板10には、空気孔10aが形成されており、ここから大気中の酸素が正極に供給されるようになっている。一方、負極集電板11には、水素導入孔11aが形成されており、これを通じて水素導出パイプ15から導入された水素が負極へと供給される。
また、正極触媒層の固体電解質膜側の面の反対面には、積層された正極拡散層を有しており、負極触媒層の固体電解質膜側の面の反対面には、積層された負極拡散層を有している。正極拡散層および負極拡散層は、多孔性の電子伝導性材料などから構成され、例えば、撥水処理を施した多孔質炭素シートなどが用いられる。なお、正極拡散層や負極拡散層の触媒層側には、更なる撥水性向上および触媒層との接触向上を目的として、フッ素樹脂粒子(PTFE樹脂粒子など)を含む炭素粉末のペーストが塗布されている場合もある。
正極触媒層は、正極拡散層を介して拡散してきた酸素を還元する機能を有している。正極触媒層は、例えば、触媒を担持した炭素粉末(触媒担持炭素粉末)と、プロトン伝導性材料とを含有している。また、必要に応じて、樹脂バインダを更に含有していてもよい。
正極触媒層の含有する触媒としては、酸素を還元できるものであれば特に制限はないが、例えば、白金微粒子が挙げられる。また、前記触媒は、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウムおよび金よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素と白金との合金で構成される微粒子などであってもよい。
正極触媒層に含まれるプロトン伝導性材料としては、特に制限はないが、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂などのスルホン酸基を有する樹脂を用いることができる。ポリパーフルオロスルホン酸樹脂としては、具体的には、デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」、旭硝子社製の「フレミオン(登録商標)」、旭化成工業社製の「アシプレックス(商品名)」などが挙げられる。
正極触媒層に係るバインダとしては、特に制限はないが、例えば、PTFE、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(E/TFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などのフッ素樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、アイオノマー、ブチルゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体およびエチレン・アクリル酸共重合体などの非フッ素樹脂などが用いることができる。
負極触媒層は、負極拡散層を介して拡散してきた水素を酸化する機能を有している。負極触媒層は、例えば、触媒を担持した炭素粉末(触媒担持炭素粉末)と、プロトン伝導性材料とを含有している。必要に応じて、樹脂などのバインダを更に含有していてもよい。
負極触媒層に係る触媒は、水素を酸化できれば特に制限はなく、例えば、正極触媒層に係る触媒として例示した前記の各触媒を用いることができる。負極触媒層に係る上記炭素粉末、プロトン伝導性材料、およびバインダについても、正極触媒層に係る炭素粉末、プロトン伝導性材料、およびバインダとして例示した前記の各材料を用いることができる。
固体電解質膜は、プロトンを輸送可能であり、かつ、電子伝導性は示さない材料で構成された膜であれば、特に制限はない。固体電解質膜を構成し得る材料としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、具体的には、デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」、旭硝子社製の「フレミオン(登録商標)」、旭化成工業社製の「アシプレックス(商品名)」などが挙げられる。その他、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなども、固体電解質膜の材料として用いることができる。
燃料電池200は、本発明の水素発生装置と組み合わされることによって、水素源となる金属材料から効率よく水素が供給されるため、この水素を燃料として、効率的に発電することができる。また、本発明の水素発生装置では、水素発生反応に水が関与するため、水素ガス中に適度な水分を含んでおり、水素を燃料とする燃料電池に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。
<実験1 水素発生材料組成物の調製、水素発生装置の作製および水素発生試験>
実施例1
表1に示す粒度分布および平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末:1gと、表1に示す粒度分布および平均粒径を有する酸化カルシウム粉末:1gとを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物A(発熱材料の含有率:50質量%)を調製した。また、表2に示す粒度分布および平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末:19.7gと、表2に示す粒度分布および平均粒径を有する酸化カルシウム粉末2.5gとを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物B(発熱材料の含有率:11質量%)を作製した。水素発生材料組成物全体に対し、水素発生材料組成物Aの割合は8質量%であり、アルミニウム粉末の割合は86質量%であった。
次に、ポリエチレン容器(縦34mm、横34mm、高さ82mm、内容積60cm)の内部に、吸水材として脱脂綿を0.1g入れてから、水素発生材料組成物Aを2gと、水素発生材料組成物Bを22.2gとを、図1に示したように投入した。更に、水素発生材料組成物Bの上に、吸水材として脱脂綿を0.1g入れた。
次に、水を供給するためのアルミニウム製の水供給パイプを図1に示したように水素発生材料組成物Aの近傍に入れ、水素を導出させるアルミニウム製の水素導出パイプを備えたシリコン栓で蓋をし、本実施例の水素発生材料組成物を内部に収容したカートリッジ(水素発生装置)を得た。そして、カートリッジの外周を含むように厚み5mmの発泡スチロール保温材を設置した。
次に、水供給パイプの先端に、水素発生材料組成物AおよびBに水を供給するためのポンプを設置した。すなわち、前記ポンプを用いて水を供給することによって、まず、水と水素発生材料組成物Aに含まれる発熱材料(酸化カルシウム粉末)とが発熱反応し、続いて、水と水素発生材料組成物AおよびBに含まれる金属材料(アルミニウム粉末)とが水素発生反応を開始することとなる。
前記ポンプから純水を0.9ml/minの速度で送り出し、前記カートリッジの内部に水を供給することによって、水素発生材料と水とを反応させて水素を発生させた。25℃において、水素が発生しなくなるまで水を供給し、水素導出パイプから水素を排出させた。生成した水素は塩化カルシウム管を経由させて加湿分を除去した。そして、マスフローメータ(コフロック製)によって、水素が発生するまでの時間、水素発生速度が最大となるまでに要する時間およびアルミニウムの反応率を求めた。なお、ポンプにより供給される水が、水供給パイプの先端に到達した時間を試験開始とした。
水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間は、それぞれ、マスフローメータにより計測される瞬間水素発生速度が、2ml/minを超えるまでに要する時間、マスフローメータにより計測される瞬間水素発生速度が最大となるまでに要する時間として求めた。
アルミニウムの反応率は、25℃、1気圧でのアルミニウム1g当りの理論水素発生量(1360ml)を基準として、使用したアルミニウム重量の前記理論水素発生量に対する割合として求めた。また、試験開始から3分以内にマスフローメータにより計測される瞬間水素発生速度が、2ml/minを超えない場合、ポンプによる水の供給を停止し、試験を終了した。これは、水の供給を過度に行うことにより、金属材料が過剰に反応し、容器内の温度が急激に上昇して水素発生反応をコントロールできなくなるのを回避するためである。
このときのポリエチレン容器の外表面(容器表面温度)の最高温度、すなわち水素発生材料の反応温度は、最高で105℃だった。なお、水素はほぼ一定の発生速度で連続的に発生し、水の供給を停止すると、水素の発生は数分後に止まることも確認された。
比較例1
実施例1の水素発生材料組成物Aおよび水素発生材料組成物Bを調製する際に用いたアルミニウム粉末合計21.2gと、水素発生材料組成物Aおよび水素発生材料組成物Bを作製する際に用いた酸化カルシウム粉末合計3.5gとを乳鉢で混合して水素発生材料組成物(発熱材料の含有率:14質量%)を調製し、この水素発生材料組成物をポリエチレン容器内部に均一に投入した以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、更に、実施例1と同様にして水素を発生させた。
実施例1および比較例1の水素発生材料組成物の構成を表1〜表3に示す。
Figure 2008273758
Figure 2008273758
Figure 2008273758
実施例1の場合、83%のアルミニウム反応率で水素を発生させることができ、水素が発生するまでの時間が35秒、および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が63秒と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。これは、最初に、発熱材料の含有率が高い偏在部(水素発生材料組成物A)に水を供給することにより、金属材料(アルミニウム粉末)と水との反応の開始に十分な熱量がアルミニウム粉末に与えられ、水素発生反応が促進されたためと考えられる。一方、アルミニウム粉末と発熱材料を均一に混合した比較例1の水素発生材料組成物の場合は、3分以内での水素発生が観測されなかった。
実施例2、4、5
表1に示す粒度分布および平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を金属材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Aを調製し、これらの水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例3
アトマイズ法により作製された平均粒径が53μmのアルミニウム粉末:6gおよびメタノール:18gを、ジルコニア製のビーズと共に遊星ボールミルの粉砕用ポットに入れ、200rpmの回転速度でポットを回転させることによりアルミニウム粉末を粉砕した。その後、減圧乾燥により溶媒を除去して、アルミニウム粉末を得た。粉砕後のアルミニウム粉末を走査型電子顕微鏡により観察したところ、長径が約10〜200μmで、厚みが約0.5〜5μmの金属光沢を有する鱗片状の粒子に変化していることが確認された。また、燃焼赤外吸収法により上記粉砕後のアルミニウム粉末の表面での炭素含有量を測定したところ、0.06質量%であった。前記粉砕後のアルミニウム粉末を金属材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、この水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例6
実施例3で水素発生材料組成物Aの調製に用いたものと同じアルミニウム粉末を金属材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、この水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例7〜11
表2に示す粒度分布および平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を金属材料として用い、表2に示す粒度分布および平均粒径を有する酸化カルシウム粉末を発熱材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、これらの水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
比較例2、3
表1および表2に示す粒度分布および平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を金属材料として用い、表1および表2に示す粒度分布および平均粒径を有する酸化カルシウム粉末を発熱材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Aおよび水素発生材料組成物Bを調製し、これらの水素発生材料組成物Aおよび水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例2〜11および比較例2〜3の水素発生材料組成物の構成は、表1および表2に示している。また、実施例1〜11および比較例2〜3の水素発生材料組成物を用いて水素発生を行った際の、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間、およびアルミニウムの反応率の測定結果を表4に示す。
Figure 2008273758
表4から明らかなように、実施例1〜11の場合、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間がいずれも約90秒以内と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。
一方、実施例1〜11に比べて偏在部(水素発生材料組成物A)に含有されるアルミニウム粉末の粒径が小さい比較例2の場合は、実施例1〜11に比べて水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が約2分と長かった。これは、粒径が小さいアルミニウム粉末の場合、酸化皮膜量が過度に増加するため、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が掛かったと考えられる。また、実施例1〜11に比べて偏在部(水素発生材料組成物A)に含有されるアルミニウム粉末の粒径が大きい比較例3の場合は、短時間で水素が発生するものの、水素発生速度が最大となるまでに要する時間が3分以上掛かった。これは、粒径が大きいアルミニウム粉末の場合、偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)での水素発生反応への起点となる発熱反応または酸化皮膜溶解反応に時間が多く掛かるため、水素発生速度が最大となるまでに要する時間が掛かったと考えられる。
また、表4から明らかなように、実施例1〜11の場合、いずれも30%以上のアルミニウム反応率で水素を発生させることができた。特に、実施例1〜6、9〜11の場合には、いずれも70%以上という高いアルミニウム反応率が得られ、水素を効率よく発生させることができた。
一方、実施例1〜11に比べて偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)に含有されるアルミニウム粉末の粒径が大きな比較例2〜3の場合には、いずれもアルミニウム反応率が20%以下であった。これらでは、粒径が大きなアルミニウム粉末の場合、反応性が低下するため、アルミニウム反応率が低下したと考えられる。
また、表4に示す実施例1、9〜11の水素発生試験結果から、偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)に含有される酸化カルシウム粉末の粒径が大きくなると共に、アルミニウムの反応率が低下することが確認できた。これは、詳しい理由は不明であるが、粒径の大きな酸化カルシウム粉末の場合、酸化カルシウムの反応性が低下し、偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)に含有されるアルミニウム粉末と水との反応が促進され難くなるため、アルミニウムの反応率が低下したと考えられる。
実施例12
酸化カルシウム粉末の量を0.54gに変更した以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物A(発熱材料:35質量%)を調製し、この水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例13
酸化カルシウム粉末の量を0.43gに変更した以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物A(発熱材料:30質量%)を調製し、この水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例12、13の水素発生材料組成物の構成は、表1〜表3に示している。また、実施例1、12、13の水素発生材料組成物を用いて水素発生を行った際の、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間、およびアルミニウムの反応率の測定結果を表5に示す。
Figure 2008273758
表5から明らかなように、偏在部、すなわち水素発生材料組成物Aにおける発熱材料の含有率を変化させた実施例1、12、13の場合、いずれも75%以上のアルミニウム反応率で水素を発生させることができ、かつ、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間がいずれも90秒以内と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。
実施例14
アトマイズ法により作製された平均粒径が53μmのアルミニウム粉末5g、トルエン15g、水1gをジルコニア製のビーズと共に、遊星ボールミルの粉砕用ポットに入れ、200rpmの回転速度でアルミニウム粉末を粉砕した。粉砕中に水素が発生したため、10分間回転させた後一旦回転を停止させて、ポット内に発生した水素を放出させて再び回転させた。この手順を繰り返して合計1時間ポットを回転させた。その後、トルエンおよび水を減圧乾燥で除去して、金属材料を得た。得られた金属材料は、表面の金属光沢が失われて黒茶色をしており、平均粒径が12μmの不規則粒状の粒子となった。得られた金属材料の断面の電子顕微鏡により観察したところ、粒子内部はアルミニウム金属で構成されているが、その外表面には、主に酸素が分布している層(すなわち、アルミニウム酸化物またはアルミニウム水酸化物を含有する不活性相からなる層)と、主にアルミニウムが分布している層(すなわち、金属状態のアルミニウムを含有する金属相からなる層)とが、交互に1層ずつ積層され、それぞれの層を複数層有する積層部を含む約1μm以下の厚みの表面皮膜が存在していた。
前記表面皮膜を有するアルミニウム粉末0.1gと、表5に示す粒度分布および平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末0.9gと、表5に示す粒度分布および平均粒径を有する酸化カルシウム粉末1gとを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物A(発熱材料の含有率:50質量%)を調製し、この水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
比較例4
実施例14の水素発生材料組成物Aおよび水素発生材料組成物Bを調製する際に用いたアルミニウム粉末合計21.2gと、水素発生材料組成物Aおよび水素発生材料組成物Bを作製する際に用いた酸化カルシウム粉末合計3.5gとを乳鉢で混合して水素発生材料組成物(発熱材料の含有率:14質量%)を調製し、この水素発生材料組成物をポリエチレン容器内部に均一に投入した以外は、実施例14と同様にしてカートリッジを作製し、更に、実施例14と同様にして水素を発生させた。
実施例14および比較例4の水素発生材料組成物の構成を表6〜表8に示す。
Figure 2008273758
Figure 2008273758
Figure 2008273758
実施例14の場合、82%のアルミニウム反応率で水素を発生させることができ、水素が発生するまでの時間が26秒、および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が34秒と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。これは、最初に、発熱材料の含有率が高い水素発生材料組成物Aに水を供給することにより、金属材料(アルミニウム粉末)と水との反応の開始に十分な熱量がアルミニウム粉末に与えられ、水素発生反応が促進されたためと考えられる。一方、アルミニウム粉末と発熱材料を均一に混合した比較例4の水素発生材料組成物の場合は、3分以内での水素発生が観測されなかった。
実施例15〜18
表6に示す粒度分布および平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を金属材料として用い、表6に示す粒度分布および平均粒径を有する酸化カルシウム粉末を発熱材料として用いた以外は、実施例14と同様にして水素発生材料組成物Aを調製し、これらの水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例14と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例19
実施例3で水素発生材料組成物Aの調製に用いたものと同じアルミニウム粉末を用いた以外は、実施例14と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、この水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例14と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例20〜24
表7に示す粒度分布および平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を金属材料として用い、表7に示す粒度分布および平均粒径を有する酸化カルシウム粉末を発熱材料として用いた以外は、実施例14と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、これらの水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例14と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例15〜24の水素発生材料組成物の構成は、表6〜表8に示している。また、実施例14〜24および比較例2の水素発生材料組成物を用いて水素発生を行った際の、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間、およびアルミニウムの反応率の測定結果を表9に示す。
Figure 2008273758
表9から明らかなように、実施例14〜24の場合、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間がいずれも約85秒以内と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。
一方、外表面に、主に酸素が分布している層(すなわち、アルミニウム酸化物またはアルミニウム水酸化物を含有する不活性相からなる層)と主にアルミニウムが分布している層(すなわち、金属状態のアルミニウムを含有する金属相からなる層)とが、交互に1層ずつ積層され、それぞれの層を複数有する積層部を含む約1μm以下の厚みの表面皮膜を有しているアルミニウム粉末[実施例14〜24の偏在部(水素発生材料組成物A)に含有されているアルミニウム粉末]を含有せず、偏在部(水素発生材料組成物A)に含有されるアルミニウム粉末の粒径が小さい比較例2の場合には、実施例14〜24と比べて、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が、約2分と長かった。これは、偏在部が、粒径の小さなアルミニウム粉末のみを含有すると、その酸化皮膜量が過度に増加するため、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が掛かるためと考えられる。
また、表9から明らかなように、実施例14〜24の場合、いずれも30%以上のアルミニウム反応率で水素を発生させることができた。特に、実施例14〜19、22〜24の場合には、いずれも70%以上という高いアルミニウム反応率が得られ、水素を効率よく発生させることができた。
一方、実施例14〜24に比べて偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)に含有されるアルミニウム粉末の粒径が大きな比較例2の場合には、いずれもアルミニウム反応率が20%以下であった。これらでは、粒径が大きなアルミニウム粉末の場合、反応性が低下するため、アルミニウム反応率が低下したと考えられる。
また、表9に示す実施例14、22〜24の水素発生試験結果から、偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)に含有される酸化カルシウム粉末の粒径が大きくなると共に、アルミニウムの反応率が低下することが確認できた。これは、詳しい理由は不明であるが、粒径の大きな酸化カルシウム粉末の場合、酸化カルシウムの反応性が低下し、偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)に含有されるアルミニウム粉末と水との反応が促進され難くなるため、アルミニウムの反応率が低下したと考えられる。
実施例25
酸化カルシウム粉末の量を0.54gに変更した以外は、実施例14と同様にして水素発生材料組成物A(発熱材料:35質量%)を調製し、この水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例14と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例26
酸化カルシウム粉末の量を0.43gに変更した以外は、実施例14と同様にして水素発生材料組成物A(発熱材料:30質量%)を調製し、この水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例14と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例25、26の水素発生材料組成物の構成は、表6〜表8に示している。また、実施例14、25、26の水素発生材料組成物を用いて水素発生を行った際の、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間、およびアルミニウムの反応率の測定結果を表10に示す。
Figure 2008273758
表10から明らかなように、偏在部、すなわち水素発生材料組成物Aにおける発熱材料の含有率を変化させた実施例14、25、26の場合、いずれも75%以上のアルミニウム反応率で水素を発生させることができ、かつ、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間がいずれも約70秒以内と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。
実施例27
実施例14の水素発生材料組成物Aを調製する際に用いた前記表面皮膜を有するアルミニウム粉末を1gと、実施例14の水素発生材料組成物Aを調製する際に用いた酸化カルシウム粉末を1gとを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物A(発熱材料の含有率:50wt%)を調製し、この水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例14と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。実施例27の水素発生材料組成物の構成は、表6〜表8に示している。また、実施例27の水素発生材料組成物を用いて水素発生を行った際の、水素が発生するまでの時間および水素発生速度が最大となるまでに要する時間、およびアルミニウムの反応率の測定結果を表11に示す。
Figure 2008273758
表13から明らかなように、偏在部、すなわち水素発生材料組成物Aに、前記表面皮膜を有するアルミニウム粉末のみを金属材料として含有する実施例27の場合、80%のアルミニウム反応率で水素を発生させることができ、かつ、水素が発生するまでの時間が24秒および水素発生速度が最大となるまでに要する時間が32秒と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。
<実験2 水素発生装置を有する燃料電池発電システムの発電試験>
図2に示すように、PEFC200と燃料カートリッジ1とを接続して燃料電池発電システムを構成し、PEFC200の負極に供給して発電試験を行った。燃料カートリッジ1は、図1に示すもの(実施例1で使用したもの)と同じものである。
図2に示す燃料電池発電システムに用いたPEFC200は、MEA(電極・電解質一体化物)100を、ガス漏れ抑制のためのシール材12(シリコーンゴム)と、正極集電板10(縦7mm、横7mm、高さ2mm)および負極集電板11(縦7mm、横7mm、高さ2mm)で挟み込んで構成されたものである。そして、MEA100の正極および負極には、カーボンクロス上にPt担持カーボンを塗布した電極(E−TEK社製「LT140E−W」、Pt量:0.5mg/cm)を用いた。また、固体電解質膜には、デュポン社製「ナフィオン112(商品名)」を用いた。電極面積は10cmとした。正極集電板10には、大気から正極へ酸素を取り込むために空気孔10aが設けられている。また、負極集電板11には、燃料カートリッジで発生した水素を負極へ取り込むための水素導入孔11aが設けられている。正極集電板10、負極集電板11、正極リード線13および負極リード線14には、SUS304に金メッキを施したものを用いた。
そして、PEFC200と燃料カートリッジ1とは、水素導出管15を介して連結し、この水素導出管15を通じて、燃料カートリッジ1で製造された水素が、PEFC200に供給されるようにした。
前記の発電試験の結果、室温で200W/cmという高い出力が得られ、小型、可搬型燃料電池の水素供給方法として有効であることが分かった。
以上説明したように、本発明の水素発生材料では、水素発生源となる金属材料の含有率を大きしつつ、水素を効率よく発生させることができるため、燃料電池用の燃料源として、特に小型携帯機器用の燃料電池などに幅広く利用可能である。
本発明の水素発生装置の一例を示す断面模式図である。 本発明の水素発生装置を用いた燃料電池発電システムの一構成例を示す模式図である。
符号の説明
1 水素発生装置(カートリッジ)
2 水素発生材料組成物
4 水素発生材料組成物収容容器
200 固体高分子型燃料電池

Claims (17)

  1. アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、かつ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、
    前記水素発生材料組成物は、該水素発生材料組成物中の前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を有しており、
    前記偏在部は、前記金属材料として、下記(1)〜(3)のいずれかを満たすアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を含有していることを特徴とする水素発生材料組成物。
    (1)粒径が15〜120μmの粒子を80体積%以上含む。
    (2)平均粒径が15〜75μmである。
    (3)鱗片状であり、かつ厚みが0.1〜5μmである。
  2. アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、かつ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、
    前記水素発生材料組成物は、該水素発生材料組成物中の前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を有しており、
    前記偏在部には、前記金属材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を含有しており、かつ
    前記偏在部の含有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子が、金属状態のアルミニウムを含有する金属相と、アルミニウムの酸化物または水酸化物を含有する不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子を5質量%以上含有していることを特徴とする水素発生材料組成物。
  3. 偏在部以外の部分は、金属材料として、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料で構成され、かつ下記(a)〜(c)のいずれかを満たす粒子を含有している請求項1または2に記載の水素発生材料組成物。
    (a)粒径が0.1〜60μmの粒子を80体積%以上含む。
    (b)平均粒径が0.1〜30μmである。
    (c)鱗片状であり、かつ厚みが0.1〜5μm。
  4. 偏在部および偏在部以外の部分が含有する金属材料は、燃焼赤外吸収法により測定される表面での炭素含有量が、0.5質量%以下の粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
  5. 偏在部の含有する発熱材料は、粒径が0.1〜70μmの粒子を80体積%以上含む粒子か、または平均粒径が0.1〜20μmの粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
  6. 偏在部における発熱材料の含有率が、30〜90質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
  7. 偏在部の割合が、水素発生材料組成物全体の40質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
  8. 水素発生材料組成物全体の金属材料の含有率が、85〜99質量%である請求項1〜7のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
  9. 金属材料が、アトマイズ法により作製された粒子である請求項1〜8のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
  10. 発熱材料が、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよび硫酸カルシウムよりなる群から選択される少なくとも1種の材料である請求項1〜9のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
  11. アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、かつ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、
    前記水素発生材料組成物は、発熱材料の含有率の異なる2種以上の単位組成物が組み合わされて構成されており、
    前記単位組成物のうち、発熱材料の含有率が最も高い単位組成物は、金属材料として、下記(1)〜(4)のいずれかを満たすアルミニウムまたはアルミニウム合金の粒子を含有していることを特徴とする水素発生材料組成物。
    (1)粒径が15〜120μmの粒子を80体積%以上含む。
    (2)平均粒径が15〜75μmである。
    (3)鱗片状であり、かつ厚みが0.1〜5μmである。
    (4)金属状態のアルミニウムを含有する金属相と、アルミニウムの酸化物または水酸化物を含有する不活性相とが混在する表面皮膜を有する粒子を5質量%以上含む。
  12. 発熱材料の含有率が最も高い単位組成物以外の単位組成物は、金属材料として、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムおよびこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料で構成され、かつ下記(a)〜(c)のいずれかを満たす粒子を含有している請求項11に記載の水素発生材料組成物。
    (a)粒径が0.1〜60μmの粒子を80体積%以上含む。
    (b)平均粒径が0.1〜30μmである。
    (c)鱗片状であり、かつ厚みが0.1〜5μm。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の水素発生材料組成物を収容した水素発生材料組成物収容容器を備えたことを特徴とする水素発生装置。
  14. 水素発生材料組成物収容容器には、該容器に水を供給するための供給口と、前記容器内で発生した水素を前記容器外に排出するための排出口とを備えている請求項13に記載の水素発生装置。
  15. 水素発生材料組成物収容容器内に水を供給する水供給手段と、
    前記水の供給量を制御する制御手段とを備えている請求項13または14に記載の水素発生装置。
  16. 水素発生材料組成物収容容器内に水が供給される際に、水素発生材料組成物の偏在部、または水素発生材料組成物の単位組成物のうち発熱材料の含有率が最も高い単位組成物に最初に水が供給されるように、水素発生材料組成物を配置している請求項13〜15のいずれかに記載の水素発生装置。
  17. 水素発生材料組成物収容容器の外部に保温材を配置している請求項13〜16のいずれかに記載の水素発生装置。
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