JP2006267337A - ラベル積層体 - Google Patents

Abstract

【課題】 ラベルの粘着剤層側にラベル用シートの非印字面を向き合わせて積層し、表出したラベルの粘着剤層によって被着体に貼付されることで、ラベル用シートに印字された内容を秘匿することができるラベル積層体を提供すること。
【解決手段】 ラベルＬ１と、このラベルＬ１と別体に設けられたラベル用シートＬ２とからなり、ラベル用シートＬ２は、その非印字面がラベルＬ１の粘着剤層側に積層される。ラベル用シートＬ２の外縁にはラベルＬ１の粘着剤層１２が表出し、この粘着剤層１２を介して被着体に貼付したときに、ラベル用シートＬ２に印字された内容が被着体Ｗ側に挟み込まれて隠蔽可能となっている。
【選択図】 図２

Description

本発明はラベル積層体に係り、更に詳しくは、ラベルの粘着剤層側にラベル用シートを積層し、ラベルの表出した粘着剤層によって被着体に貼付したときに、ラベル用シートの印字面を隠蔽することに適したラベル積層体に関する。

近時、インターネットやテレビショッピング等の普遍的な拡大に伴い、伝統的な店頭販売に加えて通信販売が普及するに至り、配送業者が販売者に代わって商品を消費者に届ける流通形態が多く見られるようになっている。そのため、配送伝票を通じて商品に関する情報、例えば、商品名、商品価格等が漏洩し得ることとなる。これらの情報は、消費者が購入した商品が何であるかを特定するため、消費者のプライバシーに大きく関わる秘匿情報であるとともに、商品価格は、商品価値を把握できる性質を有していることから、流通過程における盗難防止を図る観点からも秘匿情報と捉えた方が好ましい。
この点、配送伝票の構造が複数枚の帳票を積層して束ねられたものであれば、当該配送伝票の一部に商品名記載や領収金額等の記載を行って秘密性を担保した状態で商品を消費者に手渡すことができるが、このタイプの配送伝票を用いた場合には、利用できるラベルプリンタが限定されてしまうことになる。

特許文献１には、枚葉タイプの配送伝票として用いることができるラベルが開示されている。同ラベルは公開情報帳票部に秘匿情報帳票部が連設された枚葉タイプであり、秘匿情報帳票部を公開情報帳票部の裏面側に折り返して当該公開情報帳票部を被着体に貼付することで、秘匿情報帳票部を外部から見ることができない構成となっている。

特開２００１−２４６８８２号公報

しかしながら、特許文献１に記載されたラベルは、公開情報帳票部と秘匿情報帳票部とが連なって形成されており、常に秘匿情報帳票部が一体になってしまう構成となっている。従って、秘匿情報を必要としない印字のみを行ってラベルとして使用する場合には、秘匿情報帳票部が却って邪魔な存在となり、秘匿情報帳票部を無駄に消費する、という不都合がある。
また、折り返したラベルの外周全域に粘着剤層が表出する構成を採用できないものであり、前記折り返し縁に沿う領域は被着体に接着されないものとなる。そのため、特に、平面積が大きいラベルとした場合には、折り返し縁に沿う領域が浮き上がったり、波打ったりし、これにより、ラベルの意図しない剥離を招来するという不都合がある。

［発明の目的］
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、ラベルとラベル用シートとを別体とし、ラベルとラベル用シートとを積層して被着体に貼付したときに、ラベル用シートの印字面を隠蔽することのできるラベル積層体を提供することにある。

また、本発明の他の目的は、ラベルとラベル用シートとを積層して被着体に貼付したときに、ラベルの外周側全領域を被着体に貼付することができ、これにより部分的な捲れを防止し、更に、ラベルを切り取ることで、ラベル用シートに表示された内容を容易に確認することができるラベル積層体を提供することにある。

更に本発明の他の目的は、被着体に貼付された状態で、部分的な切り取りを容易に行うことのできるラベル積層体を提供することにある。

前記目的を達成するため、本発明のラベル積層体は、粘着剤層を有するラベルと、このラベルと別体に設けられるとともに、非印字面が前記ラベルの粘着剤層側に積層されるラベル用シートとを備え、
前記ラベルとラベル用シートとを積層した状態で、前記ラベルの表出した粘着剤層により被着体に貼付したときに、前記ラベル用シートに印字された内容が隠蔽可能に設けられる、という構成を採っている。

本発明において、前記ラベルに切取線が形成され、当該切取線に沿ってラベルを切り取ったときに、前記ラベル用シートが付随するように設けられている。

また、前記ラベル用シートには、前記ラベルに形成された切取線に略重なり合う位置に切取線が形成されている。

更に、前記ラベル用シートは粘着剤層を備え、当該粘着剤層が前記ラベルの粘着剤層に向き合う状態で積層される、という構成を採ることができる。

また、前記ラベル用シートは、ラベルよりも平面積が小さく設けられる、という構成を採っている。

更に、前記ラベル用シートの外縁にラベルの粘着剤層が閉ループ状に表出するように設けるとよい。

また、前記切取線に沿う部分に捲り部を形成することができる。

更に、前記ラベル用シートはラベルの外縁から部分的に突出する状態で積層され、当該突出する領域は、不粘着処理が施されて捲り部を構成するように設けることもできる。

また、前記ラベル用シートは粘着剤層を有しない構成を採用することもできる。
この際、前記ラベル用シートは、ラベルの外縁から部分的に突出する状態で積層され、当該突出する領域は捲り部を構成するように設けられる。

本発明によれば、ラベルを被着体に貼付したときに、ラベル用シートの印字面が被着体に挟み込まれた状態となるため、ラベル用シートに秘匿情報を印字しておけば、ラベルを切り取ったり剥がしたりしない限り、秘匿情報を隠蔽することができる。特に、ラベルの外周全域を被着体に貼付させる構成とすれば、貼付された後のラベル外周の部分的な浮き上がり等を確実に防止することができ、情報の隠蔽性が更に確実なものとなる。

また、ラベルとラベル用シートとが連続する構成ではないので、それらを一般的なラベルとしての利用することも妨げられない。

更に、ラベルの面内に切取線を設けることで、ラベルにラベル用シートを積層する位置を容易に特定することができる他、ラベルとラベル用シートを綺麗に切り取ることができる。この際、捲り部を備えた構成であれば、ラベルを被着体に貼付した後の切り取り作業も容易に行うことができる。

また、本発明に係るラベルは、ラベル用シートが粘着剤層を有しているものと、粘着剤層を有していないものの何れも採用できるので、ラベル積層体の設計上の自由度を拡大することができる。ラベル用シートが粘着剤層を有している場合でも、一部に不粘着処理を施すことで当該不粘着処理が施された領域をラベルの外縁から突出させた状態で被着体に貼付することができ、この場合には、突出した領域を捲り部として利用し、ラベル切り取りを容易に行うことが可能となる。また、ラベル用シートが粘着剤層を有しないものであれば、普通紙等のシートを利用することもでき、しかも、この場合には、不粘着処理を施すことなく突出した領域を捲り部として利用することができる。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

［第１実施形態］
図１には、第１実施形態に係るラベル積層体の原反状態における概略斜視図が示され、図２にはラベル使用時の概略斜視図が示されている。これらの図において、ロール状に巻回された帯状をなす剥離シートＳの一方の面には、当該剥離シートＳの延出方向に沿って所定間隔をおいてラベルＬ１が粘着剤層１２を介して仮着されている。また、剥離シートＳの幅方向において、ラベルＬ１の側方位置には、ラベルＬ１と対をなして利用可能なラベル用シートＬ２が粘着剤層１３を介して仮着されている。本実施例におけるラベルＬ１，ラベル用シートＬ２は、例えば、配送業者が配送商品に貼付する送り状として利用できるものであり、ラベルＬ１には公開情報が印字される一方、ラベル用シートＬ２には秘匿情報が印字される。ここで、ラベルＬ１、及びラベル用シートＬ２の基材には、上質紙、グラシン紙、コート紙等が用いられるが、本実施形態では上質紙を用いた。また、粘着剤層１２，１３の粘着剤は、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の汎用のものが用いられるが、本実施形態ではアクリル系の粘着剤を用いた。

ラベルＬ１は、平面視略長方形状をなし、その面内には、ミシン目等からなる第１の切取線ＰＬが形成されている。この第１の切取線ＰＬは平面視略長方形状の外側切取線ＰＬ１と、この外側切取線ＰＬ１の内側に位置して幅方向に延びる中間切取線ＰＬ２とを含み、当該中間切取線ＰＬ２を境として第１の切取線ＰＬ１で囲まれる両側領域ａ、ｂが個々に切り取りできるように形成されている。また、中間切取線ＰＬ２の各端部には、平面視略三角形状の切欠部からなる捲り部１０が形成されている。

ラベル用シートＬ２は、前記外側切取線ＰＬ１の輪郭に略対応する平面形状を備えた平面形状に設けられているとともに、中間切取線ＰＬ２に対応する位置に、第２の切取線ＰＬ３が形成され、当該第２の切取線ＰＬ３の両側領域ａ１，ｂ１がラベルＬ１における前述の領域ａ、ｂに付随して切り取りできるように設けられている。また、第２の切取線ＰＬ３の端部領域には、前記捲り部１０に対応した切欠部からなる捲り部１１が形成されている。

前記ラベルＬ１，ラベル用シートＬ２は、前記剥離シートＳに仮着された原反状態において、それぞれ図示しないプリンタ等を介して表面に所定の印字が行われる。ラベルＬ１には、図２に示されるように、配送商品としての被着体Ｗの受取人住所、氏名若しくは名称等、秘匿の必要性がない表示が付され、ラベル用シートＬ２には、商品名、商品価格等を示す領収証等、秘匿情報が表示される。

前記ラベルＬ１，ラベル用シートＬ２を利用するときは、それらを剥離シートＳからそれぞれ剥離し、図３に示されるように、ラベルＬ１の裏面側すなわち粘着剤層１２側にラベル用シートＬ２の粘着剤層１３が向き合うようにして積層される。この際、ラベル用シートＬ２の外縁がラベルＬ１における外側切取線ＰＬ１に略一致する状態で積層される。なお、前述した印字と積層は、本出願人によって既に出願された特願２００５−１７６７１号のラベルプリンタ（サーマルプリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等の汎用のプリンタ）によって自動的に行うことができる。

印字後の積層により、ラベル用シートＬ２の外縁には、ラベルＬ１の粘着剤層１２が閉ループ状に表出することとなり、図４に示されるように、当該表出した粘着剤層１２領域が被着体Ｗに貼付されることとなる。従って、ラベル用シートＬ２の印字面は、被着体Ｗに接した状態となり、秘匿情報を外部から見ることができない状態に保たれる。

ラベル用シートＬ２は、ラベルＬ１側から捲り部１０，１１に指先を掛けて上方に捲り取るように操作することでラベルＬ１の切り取った領域に付随し、これにより、ラベル用シートＬ２の印字内容が確認でき、且つ、保存することができる。

従って、このような実施形態によれば、ラベル用シートＬ２に印字された内容は、例え、配送業者といえども見ることができないので、通信販売等における配送用伝票として利用することで、個人のプライバシーを確実に守ることが可能なラベル積層体を提供することができる。

次に、本発明の前記以外の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前記第１実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。

［第２実施形態］
図５には、本発明の第２実施形態が示されている。この実施形態は、ラベルＬ１の一端縁にラベル用シートＬ２の一端縁が略一致する状態でそれらが積層される点に特徴を有する。そのため、この実施形態では、外側切取線ＰＬ１が略コ字状の軌跡に沿って形成され、また、捲り部１０，１１の形成箇所は、中間切取線ＰＬ２の一端側に形成されている。

第２の実施形態では、ラベルＬ１の粘着剤層１２が閉ループ状に表出することなく略コ字状の軌跡に沿ったものとなるが、ラベル用シートＬ２の粘着剤層１３がラベルＬ１の粘着剤層１２に粘着しているため、全体的に腰のあるシート形状を保有し得るから、捲り部１０，１１が位置する端縁側が波打ったり、ばたついてしまう不都合はなく、ラベル用シートＬ２の印字内容の秘匿性も担保することができる。また、第２の実施形態では、ラベルＬ１を切り取る際の作業性も容易となる。

［第３実施形態］
図６及び図７には、本発明の第３実施形態が示されている。この実施形態は、第２実施形態の変形的態様ということができる。すなわち、ラベル用シートＬ２の一部がラベルＬ１の一端縁から外側に突出するようにそれらを積層した点に特徴を有する。そのため、ラベル用シートＬ２の突出領域Ｌ２ａが不粘着処理面として構成されている。

このような第３実施形態によれば、被着体に貼付された状態において、前記突出領域Ｌ２ａが捲り部として作用し得るので、前述した切欠部の形成による捲り部を省略することが可能となる。

［第４実施形態］
図８には本発明の第４実施形態が示されている。この実施形態は、図８（Ｂ）、（Ｃ）に示されるように、ラベル用シートＬ２が粘着剤層を有しないシートによって構成された点に特徴を有する。その他の構成は、実質的に第１実施形態と同様である。

このような第４実施形態によれば、ラベル用シートＬ２が粘着剤層を有しない構成であるため、普通紙や感熱紙等によって形成することができ、ラベル製造コストを抑制することが可能となる。

［第５実施形態］
図９及び図１０には、本発明の第５実施形態が示されている。この実施形態は、第４実施形態の変形的態様であり、ラベル用シートＬ２の一部がラベルＬ１の外縁から部分的に突出する状態で被着体に貼付できるようにした点に特徴を有する。すなわち、図９に示されるように、ラベル用シートＬ２は、ラベルＬ１の相対する端縁から二方向に突出する一対の突出領域Ｌ２ａを備えて捲り代を形成するタイプと、図１０に示されるように、ラベルＬ１の各端縁から突出する突出領域Ｌ２ａを備えて捲り代を形成するタイプとにより構成されている。

このような実施形態によっても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる他、ラベル用シートＬ２が粘着剤層を有していないので、不粘着処理を施すことなく捲り代としての突出領域Ｌ２ａを形成することができる、という効果を得る。

以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。

例えば、本発明に適用されるラベルＬ１及びラベル用シートＬ２の切取線は、図示構成例に限定されるものではない。すなわち、前記実施形態では、ラベルＬ１、ラベル用シートＬ２が複数区分で切取可能に設けられた場合を示したが、切取領域は、各一つであってもよい。この場合はラベルＬ１における中間切取線ＰＬ２と、ラベル用シートＬ２における切取線ＰＬ３を省略すればよい。なお、このような構成とした場合には、ラベルＬ１における外側切取線ＰＬ１に沿って捲り代を形成すればよい。また、中間切取線ＰＬ２を増加させ、更に細分化できるようにしてもよい。この際、ラベル用シートＬ２の切取線も対応させればよい。

また、ラベルＬ１及びラベル用シートＬ２の平面形状は、方形に限らず、多角形、円形、楕円形等、種々の平面形状を備えたものを対象とすることができる。要するに、本発明は、ラベルに印字を行って秘匿情報を隠した状態で貼付することができるものである限り、種々の設計変更が可能となる。

第１実施形態を示すラベル積層体の積奏される前の原反状態を示す概略斜視図。 前記実施形態におけるラベル積層体の使用方法を示す分解斜視図。 （Ａ）は前記実施形態におけるラベル積層体を示す概略斜視図、（Ｂ）は（Ａ）のＡ−Ａ線に沿う断面図。 図３（Ａ）のＢ−Ｂ線に沿う断面図。 第２実施形態に係るラベル積層体の概略斜視図。 第３実施形態に係るラベル積層体の概略斜視図。 図６のＣ−Ｃ線に沿う矢視断面図。 （Ａ）は第４実施形態に係るラベル積層体の概略斜視図、（Ｂ）は（Ａ）のＤ−Ｄ線に沿う断面図、（Ｃ）は（Ａ）のＥ−Ｅ線に沿う断面図。 第５実施形態に係るラベル積層体の概略斜視図。 第５実施形態に係る他のラベル積層体の概略斜視図。

符号の説明

１０ 捲り部
１１ 捲り部
１２ 粘着剤層
１３ 粘着剤層
Ｌ１ ラベル
Ｌ２ ラベル用シート
Ｌ２ａ 突出領域（捲り部）
ＰＬ 第１の切取線
ＰＬ１ 外側切取線
ＰＬ２ 中間切取線
ＰＬ３ 第２の切取線

Claims (10)

1. 粘着剤層を有するラベルと、このラベルと別体に設けられるとともに、非印字面が前記ラベルの粘着剤層側に積層されるラベル用シートとを備え、
   前記ラベルとラベル用シートとを積層した状態で、前記ラベルの表出した粘着剤層により被着体に貼付したときに、前記ラベル用シートに印字された内容が隠蔽可能に設けられていることを特徴とするラベル積層体。
2. 前記ラベルに切取線が形成され、当該切取線に沿ってラベルを切り取ったときに、前記ラベル用シートが付随することを特徴とする請求項１記載のラベル積層体。
3. 前記ラベル用シートには、前記ラベルに形成された切取線に略重なり合う位置に切取線が形成されていることを特徴とする請求項１記載のラベル積層体。
4. 前記ラベル用シートは粘着剤層を備え、当該粘着剤層が前記ラベルの粘着剤層に向き合う状態で積層されることを特徴とする請求項１，２又は３記載のラベル積層体。
5. 前記ラベル用シートは、ラベルよりも平面積が小さく設けられていることを特徴とする請求項１ないし４の何れかに記載のラベル積層体。
6. 前記ラベル用シートの外縁にラベルの粘着剤層が閉ループ状に表出することを特徴とする請求項１ないし５の何れかに記載のラベル積層体。
7. 前記切取線に沿う部分に捲り部が形成されていることを特徴とする請求項１ないし６の何れかに記載のラベル積層体。
8. 前記ラベル用シートはラベルの外縁から部分的に突出する状態で積層され、当該突出する領域は、不粘着処理が施されて捲り部を構成することを特徴とする請求項４記載のラベル積層体。
9. 前記ラベル用シートは粘着剤層を有しないことを特徴とする請求項１，２，３，５，６，７の何れかに記載のラベル積層体。
10. 前記ラベル用シートは、ラベルの外縁から部分的に突出する状態で積層され、当該突出する領域は捲り部を構成することを特徴とする請求項９記載のラベル積層体。

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