JP4756246B2 - カード作製用シート - Google Patents

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Description

本発明は、カード作製用シートに関する。
従来、個人情報など親展情報を通知・郵送する場合に使用される情報隠蔽はがきとしては、例えば特許文献1に記載のカード作製用シートを用いて情報隠蔽はがきとしたものなどが知られている。
このカード作製用シートは、以下のような構成となっている。基材シートはミシン目によって2つの領域に等分され、この2つの領域のうち1の領域には個人情報等(以下、情報などという)が印刷され、他の領域には剥離後再貼り付け可能な粘着剤からなる粘着剤層と剥離シートが積層されてなり、基材シートのうち情報などが印刷された面と反対側の面に宛名が印刷されている。
このカード作製用シートは以下のように使用される。
まず基材シートの2つの面のうち接着剤と剥離シートが積層されていない方の面に宛名を印刷し、他方の面のうち、前述の1の領域に情報などを印刷する。次に、他の領域の剥離シートを剥離して粘着剤層を露出させ、情報などが印刷されている領域が内側になるようにミシン目に沿って折り重ねて2つの領域全体を貼りあわせることで情報隠蔽はがきとされて郵送される。次いで、この情報隠蔽はがきを受け取った顧客などは、このはがきの周縁部などをつまんで基材シートの情報などが印刷された領域から他の領域を捲って、内側に印刷された情報などを読む。
特開平11−70767号公報
上記した公知の2つの領域を有するカード作製用シートは、基材シートの情報などが印刷された領域と他の領域の全体が貼り合わされることから、はがき等として使用する際には、宛名などの外側に記載すべき事項と個人情報などの内側に記載すべき事項とを別々の面に印刷する必要がある。また、情報などが印刷された領域と他の領域は剥離後再貼り付け可能な接着剤層によって貼り合わされているため、両者を剥離して内側に印刷された情報などを盗み見た後、再度接着することができ、開封の履歴が残らないという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、はがき等を作製する際にも片面印刷が可能で、かつ、不正な開封を防止するカード作製用シートを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、基材シートと、この基材シートに対し剥離可能で再接着不能に積層された透明フィルムと、この透明フィルムに積層された透明な粘着剤層とこの粘着剤層に剥離可能に積層された剥離シートとからなり、前記基材シートには、前記剥離シート側を内側として2つ折り可能とする折り線が形成され、前記剥離シートには、前記折り線により二分された領域のうちの一方についてその剥離シートを除去可能とする半面除去用スリットが形成されると共に、他方の領域の周縁のうち少なくとも前記折り線を除いた三辺について前記剥離シートを部分的に除去可能とする周縁部除去用スリットが形成されており、前記基材シートのうち、前記折り線によって二分された領域のうちの前記一方の領域には、前記折り線に沿って2つ折り状態としたとき、前記周縁部除去用スリットにより囲まれる領域の内側に位置し、前記透明フィルムから前記基材シートの一部を剥離可能な開封用のスリットが形成されると共に、前記基材シート、これに積層された前記透明フィルム及び前記粘着剤層には、これらの一部領域が前記折り線により二分された領域のうちの前記一方の領域から一体的に切り離し可能な閉ループ状の窓形成用のスリットが重なり合って形成されていることを特徴とするカード作製用シートである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記基材シートの一部又は全部には、表示された情報を透かし見ることを防止する地紋が印刷されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記剥離シートの前記半面除去用スリットは、前記折り線により二分された領域のうち前記他方の領域内に形成されているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
請求項1に記載のカード作製用シートを使用して、例えば、はがきを作製するには次のようにする。まず、剥離シートのうち周縁部除去用スリットが形成されている領域(他方の領域)に顧客に配信したい情報、住所および宛名などを印刷する。
このとき、2つ折りした際に窓部(後述する)が重ねられる位置に住所や宛名など外部に印刷すべき事項を印刷し、情報など内部に印刷すべき事項は、窓部が重ねられる位置以外に印刷する。
次いで、上記情報などが印刷された領域を残して、折り線により二分された領域のうちの一方の領域の剥離シートを半面除去用スリットから剥離して除去する。すると、粘着剤層が露出するとともに、基材シート、これに積層された透明フィルム及び粘着剤層に重なり合って形成された窓形成用スリットに沿って、一部領域が前記一方の領域から一体的に切り離されて窓部が形成される。
次に、情報などが印刷された前記他方の領域の周縁部除去用スリットに沿って剥離シートを剥離して除去することで周縁部の粘着剤層を露出させて、折り線によって二分された領域を互いに重ね合わせて貼り付けると、その周縁部においては、他方の領域の周縁部の粘着剤層と前記一方の領域の剥離シートを除去することで露出した粘着剤層とが強く接着している1枚のはがきが作成される。このはがきにおいては、窓部が重ねられる他方の領域の所定位置に住所や宛名など外部に印刷すべき事項が印刷されているので、この窓部を通して住所や宛名などを読み取り可能で、情報など内部に記載すべき事項は隠蔽された状態にある。したがって、剥離シートの他方の領域には宛名などの外側に記載すべき事項と、情報などの内側に記載すべき事項を同一面に印刷することができる。
そして、このはがきを受け取った顧客などは開封用のスリットに沿って基材シートを切断し、透明フィルムから剥離して内部に印刷された情報等を読み取ることができる。このように基材シートを透明フィルムから剥離して開封すると、基材シートに対し透明フィルムは、剥離可能で再接着不能に積層されているから、再貼り付け不能となり開封の履歴が残る。
以上より、本発明によれば、はがき等を作製する際にも片面印刷が可能で、かつ、不正な開封を防止するカード作製用シートを提供することができる。
<請求項2の発明>
請求項2に記載の発明によれば、基材シートには、表示された情報を透かし見ることを防止する地紋が印刷されているから基材シートが薄い場合でも基材シートを透かして情報が読み取られることを確実に防止できる。
<請求項3の発明>
請求項3に記載の発明によれば、剥離シートの半面除去用スリットは、折り線により二分された領域のうち他方の領域内に形成されているから、半面除去用スリットから剥離シートの半面を除去した後に折り線のところに剥離シートが残存せず、折り線に沿って折り曲げた際にも剥離シートが2重に重なるところがない。したがって、折り線に沿って折り曲げやすいのでカードを作成する際の作業性がよく、作製されたカードの見た目も美しい。
<実施形態1>
以下、本発明を情報隠蔽はがき作製用のシート10(以下、はがき作製用シート10という)に適用した実施形態1について図1ないし図8を参照しながら説明する。本実施形態のはがき作製用シート10は、例えば保険会社から顧客に送付される口座振替案内書を作製する際に使用されるものとして例示する。
本実施形態のはがき作製用シート10は、図3に示すように、例えば紙製の基材シート11と、例えばポリエチレン製の透明フィルム12と粘着剤層13と、例えばインクジェットプリンタにより印刷可能な紙製の剥離シート20とを順に重ね合わせてなり(図3参照)、その縦寸法(短片側寸法)は定型のはがきサイズとほぼ同一であり、横寸法(長辺側寸法)は定型のはがきサイズの2倍の大きさである。
基材シート11には、ミシン目14(本発明における折り線)が短辺方向に沿って全領域を定型はがきのサイズに二等分するように形成され、このミシン目14を中心としてはがき作製用シート10を半分に折ることができる。
基材シート11のうち、ミシン目14によって区分された図1における左側の領域15(本発明における前記折り線によって二分された領域のうちの一方、以下、第1の領域15という)には、その上方に切手貼付枠15Aと閉ループ状のスリット16(後述する)とが並んで形成され、切手貼付枠15Aと閉ループ状のスリット16の下方には、基材シート11にスリットを入れることで透明フィルム12から基材シート11の一部を剥離可能な開封用のスリット17が形成されている。
この開封用スリット17とミシン目14によって取り囲まれた領域には、その周縁から数mm内側に地紋が印刷されて、はがきを作製した際に内側に配される情報を透かし見ることを防止している。この地紋が印刷されている隠蔽部18の下端には「ここから剥がして内容をご確認下さい」の文字が印刷されている。
第1の領域15の右上に形成されている閉ループ状のスリット16は、基材シート11、これに積層された透明フィルム12及び粘着剤層13の重なり合う位置に形成されており、裏側の剥離シート20を剥離することで、この閉ループ状のスリット16で取り囲まれた略矩形状の領域が基材シート11の第1の領域15から一体的に切り離されて、窓部19を形成する窓形成用のスリット16として機能する。
基材シート11に積層されている透明フィルム12は、基材シート11の裏面に対し剥離可能で再接着不能に積層されている。
この透明フィルム12に積層されている粘着剤層13の粘着力は透明フィルム12の裏面と剥離不能に設定されており、粘着剤層13が相互に粘着した場合においても剥離不能に設定されている。粘着剤層13に使用される粘着剤としては、透明なものが使用される。
この粘着剤層13が重ねられている剥離シート20には、図3に示すように、裏面20B(粘着剤層13側の面)にシリコン処理等の粘着性を低下させる処理が施されており、粘着剤層13から容易に剥離することができるようになっている。
剥離シート20には、ミシン目14により二分された領域のうち、図2における右側の領域21(基材シート11の第1の領域15の裏側に相当)の剥離シート20を除去可能とする半面除去用スリット23が、図2における左側の領域22(本発明における他方の領域に相当、以下、第2の領域22という)内にミシン目14に対して平行に数mmの間隔をあけて形成されている。
剥離シート20のうち第2の領域22には、半面除去用スリット23を除く3つの周縁の端縁から数mm内側に剥離シート20を部分的に除去可能な周縁部除去用スリット24が形成されている。この周縁部除去用スリット24と半面除去用スリット23に取り囲まれている矩形状の部分は、住所、宛名および配信したい情報などが印刷される情報記載部22Aとされ、はがきを作製する際に第2の領域22の外周縁と周縁部除去用スリット24との間の領域の剥離シート20が除去されることで、残される部分である。
この情報記載部22Aのうち、ミシン目14に沿ってはがき作製用シート10を2つ折りした際に窓部19が配される部分には、カード(はがき等)として使用する際に外側に記載すべき事項(例えば配送先の住所や宛名など)が印刷され、隠蔽部18が配される部分には内側に記載すべき事項(例えば、配信情報など)が印刷されている。なお、この情報記載部22Aは、ユーザが印字するまでは白紙である。
本実施形態のはがき作製用シート10は以上の構成であり、次にその使用方法について説明する。
はがき作製用シート10を使用する場合には、まず、ユーザが剥離シート20の第2の領域22の印刷可能面20Aの所定位置に顧客の宛名や配信したい情報などを印刷する。具体的には、第2の領域22の情報記載部22Aのうち、ミシン目14に沿ってはがき作製用シート10を2つ折りした際に窓部19が配される位置に、配送先の住所と宛名が印刷され、隠蔽部18が配される位置に配信したい情報などを印刷する。この際、基材シート11と剥離シート20とは同型同大であって段差のない一枚の紙として取り扱うことができるから、プリンタ印刷特性は良好である。
印刷後、図4に示すように、第2の領域22のうち矩形状の情報記載部22Aを残存させて、剥離シート20のうち、半面除去用スリット23から右側の領域21の剥離シート20と、周縁部除去用スリット24と第2の領域22の外周縁との間の剥離シート20を粘着剤層13から剥がして除去する。すると、図5に示すように、半面除去用スリット23から右側(第1の領域15の裏側)の粘着剤層13と第2の領域22の周縁部の粘着剤層13が露出するとともに、閉ループ状の窓形成用スリット16に沿って基材シート11、透明フィルム12及び粘着剤層13が一体的に切り離され窓部19が形成される。なお、図5における点描部分は粘着剤層13が露出している部分を示す。
次いで、ミシン目14を中心に谷折りして、第1の領域15の裏側の粘着剤層13が第2の領域22の印刷可能面20Aに重なるように貼り合わせると、情報記載部22Aはミシン目14のところで折れ曲がったりすることもなく配され、図6に示すように、一枚の定型サイズのはがきが完成する。このとき窓部19からは、情報記載部22Aに印刷された住所と宛名が読み取り可能な状態となっている。そして、完成したはがきの周縁部においては粘着剤層13同士が対向して剥離困難に接着している。
上記のようにして作製されたはがきを投函して郵送すれば、配信情報は秘密状態のまま顧客などに郵送される。そして、このはがきを受け取った顧客は、隠蔽部18に印刷されている「ここから剥がして内容をご確認下さい」という取り扱い指示に従い、左下の角の部分をつまんで開封用スリット17に沿って隠蔽部18を透明フィルム12から剥離する(図8参照)と、情報記載部22Aのうち隠蔽部18が配される位置に印刷された情報が読み取り可能となる。そして、このように一旦、隠蔽部18を剥離すると、基材シート11に対して剥離シート20は剥離可能で再接着不能に積層されていることから、再貼り付け不能となり開封の履歴が残る。
以上のように、本実施形態によれば、はがきなどとして使用する際に、宛名などの外側に記載すべき事項と配信情報などの内側に記載すべき事項を同一の面に印刷できるから、片面印刷が可能である。
また、2つ折りした際にミシン目14のところで剥離シート20が2重に重なることがないから、はがき作製の際の作業性がよく、出来上がったはがきの見た目も美しい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)参考例として、第2の領域の周縁のうち折り線を除いた三辺について剥離シートを部分的に除去可能な周縁部除去用スリット、周縁部除去用のミシン目である構成があげられる。
(2)上記実施形態1においては、カードを2領域に区分するミシン目と、剥離シートの半面を除去可能とする半面除去用スリットが別々に設けられているが、両者を兼用するミシン目を基材シートから剥離シートに及ぶように設けた構成や、半面除去用スリット半面除去用ミシン目である構成が参考例としてあげられる。
(3)上記実施形態においては隠蔽領域に地紋が印刷されたものを用いたが、地紋が印刷されていないものも、本発明に含まれる。
(4)上記実施形態においては、情報隠蔽はがきを作製するシートに適用したが、はがきに限らず、手渡しするカードに適用することもできる。また、情報記載部のうち窓部の配される部分に宛名などに代えて他の必要事項を印刷したり手書きしたりしても良いし、窓部の配される部分の剥離シートを剥離可能とし写真や絵などを貼り付けられるようにしてもよい。
実施形態1のはがき作製用シートの表面図 その裏面図 図1のA−A線で切断した断面図 はがきを作成する過程を示すはがき作製用シートの裏面の斜視図 はがきを作成する過程を示すはがき作製用シートの裏面の斜視図 完成したはがきを示す斜視図 図6のB−B線で切断した断面図 開封した様子を示す斜視図
符号の説明
10…はがき作製用シート
11…基材シート
12…透明フィルム
13…粘着剤層
14…ミシン目
15…第1の領域
16…閉ループ状のスリット(窓形成用スリット)
17…開封用スリット
20…剥離シート
22…第2の領域
23…半面除去用スリット
24…周縁部除去用スリット

Claims (3)

  1. 基材シートと、この基材シートに対し剥離可能で再接着不能に積層された透明フィルムと、この透明フィルムに積層された透明な粘着剤層とこの粘着剤層に剥離可能に積層された剥離シートとからなり、
    前記基材シートには、前記剥離シート側を内側として2つ折り可能とする折り線が形成され、
    前記剥離シートには、前記折り線により二分された領域のうちの一方についてその剥離シートを除去可能とする半面除去用スリットが形成されると共に、他方の領域の周縁のうち少なくとも前記折り線を除いた三辺について前記剥離シートを部分的に除去可能とする周縁部除去用スリットが形成されており、
    前記基材シートのうち、前記折り線によって二分された領域のうちの前記一方の領域には、前記折り線に沿って2つ折り状態としたとき、前記周縁部除去用スリットにより囲まれる領域の内側に位置し、前記透明フィルムから前記基材シートの一部を剥離可能な開封用のスリットが形成されると共に、
    前記基材シート、これに積層された前記透明フィルム及び前記粘着剤層には、これらの一部領域が前記折り線により二分された領域のうちの前記一方の領域から一体的に切り離し可能な閉ループ状の窓形成用のスリットが重なり合って形成されていることを特徴とするカード作製用シート。
  2. 前記基材シートの一部又は全部には、表示された情報を透かし見ることを防止する地紋が印刷されていることを特徴とする請求項1に記載のカード作製用シート。
  3. 前記剥離シートの前記半面除去用スリットは、前記折り線により二分された領域のうち前記他方の領域内に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカード作製用シート。
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