JP2006260217A - 車両用走行支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 死角から物体が飛び出してくるような場合にも、物体と自車両との衝突をより回避しやすくする車両用走行支援装置を提供する。
【解決手段】 自車両の前方の画像を入手することで死角を検出し、死角に物体が存在すると想定してその物体が飛び出してきたときの移動可能範囲を求め、自車予測位置と物体の移動可能範囲とから自車両と物体とが衝突する可能性があるか否かを求める。そして、自車両と物体とが衝突する可能性がある場合には、自車両が物体と衝突しないように走行支援制御が実行されるようにする。このように、死角に物体が存在すると想定して走行支援制御を実行するか否かを決めるようにすれば、実際に物体が検出されてから走行支援制御を実行する場合と比べて、早い段階で走行支援制御を実行するか否かを決めることが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両が障害物と接触することを避けられるように走行支援制御を行う車両用走行支援装置に関するものである。
従来、車両用走行支援装置として特許文献1に提案されているものがある。この車両用走行支援装置では、カメラなどにより自車両の進行方向の物体を検出し、その検出された物体が自車両と衝突する可能性があるか否かを予測し、その物体が自車両と衝突する可能性があると予測した場合に、走行支援制御を行うようにしている。
特開2004−110394号公報
しかしながら、見通しの悪い交差点など、死角がある場合において、死角から物体が飛び出してくるようなシチュエーションでは、飛び出してきた物体が検出されてからその物体との衝突を避けるように走行支援制御を行ったとしても間に合わず、物体と自車両との衝突を回避できなくなる可能性が高い。
本発明は上記点に鑑みて、死角から物体が飛び出してくるような場合にも、物体と自車両との衝突をより回避しやすくする車両用走行支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、自車両の進路を予測する自車進路予測手段(100)と、自車両の進行方向におけるドライバからの死角を認識する死角認識手段(110)と、死角認識手段によって認識された死角から飛び出してくる可能性がある物体を予測する移動物体検出手段(130)と、自動進路予測手段(100)で求められた自車両の進路に基づき、自車両が移動物体検出手段(130)で検出された物体に衝突することを回避するための走行支援制御を実行する走行支援制御手段(150)とを有していることを特徴としている。
このように、自車両の前方の死角を検出し、死角に物体が存在すると想定してその物体が飛び出してきたときに、自車両が物体と衝突しないように走行支援制御が実行されるようになっている。つまり、死角に物体が存在すると想定して走行支援制御を実行するか否かを決めるようにしているため、実際に物体が検出されてから走行支援制御を実行する場合と比べて、早い段階で走行支援制御を実行するか否かを決めることが可能となる。このため、走行支援制御によって、より確実に自車両が物体と衝突することを防止することができる。
具体的には、請求項2に示されるように、自車進路予測手段に、自車両が現在から所定時間後に位置しているであろう自車予測位置を求める自車予測位置検出手段を備えると共に、移動物体検出手段に、死角検出手段によって認識された死角から飛び出してくる可能性がある物体を予測し、該物体が現在から所定時間後に移動可能な範囲を検出する物体移動可能範囲検出手段を備える。そして、自車予測位置検出手段によって求められた自車予測位置と物体移動範囲検出手段によって求められた物体の移動可能範囲とに基づいて、自車両と死角に存在すると想定される物体とが衝突する可能性があるか否かを判定する衝突判定手段(140)を備え、走行支援制御手段にて、衝突判定手段によって自車両が物体と衝突する可能性があると判定された場合に、自車両と物体との衝突を回避するための走行支援制御を実行する。
このように、 死角に物体が存在すると想定してその物体が飛び出してきたときの移動可能範囲を求め、自車予測位置と物体の移動可能範囲とから自車両と物体とが衝突する可能性があるか否かを求めることができる。
この場合、請求項3に示されるように、物体移動可能範囲検出手段にて、物体を複数種類用意すると共に、該複数種類の中で死角から飛び出してくる可能性がある物体を求め、該求められた物体のすべてに関して移動可能範囲を検出することができる。
請求項4に記載の発明では、死角における道幅を求める道幅認識手段(120)を備え、物体移動可能範囲検出手段は、道幅認識手段によって求められた道幅と複数種類の物体との関係から、複数種類の物体の中で死角から飛び出してくる可能性がある物体を求めることを特徴としている。
このように、道幅との関係から複数種類の物体の中で前記死角から飛び出してくる可能性がある物体を決めることができる。例えば、道幅が車幅よりも狭いような場合には、死角から車両が飛び出してくるとは想定されないため、道幅よりも狭いような物体のみを飛び出してくる可能性があるものとすることができる。
この場合、請求項5に示されるように、物体移動可能範囲検出手段は、複数種類の物体のうち道幅認識手段で求められた道幅よりも大きな幅を有するものに関しては移動速度をゼロとして設定し、道幅よりも小さな幅を有するものに関しては移動速度をゼロよりも大きな所定速度とすることで、移動可能範囲を検出することもできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態を適用した車両用走行支援装置のブロック構成を図1に示す。この図に示される車両用走行支援装置は、例えば自動運転可能な車両に搭載される。以下、図1に基づいて、車両用走行支援装置の構成について説明する。
図1に示されるように、車両用走行支援装置は、自車両の周辺環境や自車両の状況を検出するための手段として車速センサ1、ミリ波レーダ2、CCDカメラ3、ヨーレートセンサ4および舵角センサ5を備えていると共に、検出された自車両の周辺環境や自車両の状況に基づいて車両支援制御に関わる各種演算などを実行する制御ECU6、さらには、制御ECU6からの制御信号に基づいて実際に車両支援制御を実行する手段となる操舵制御装置7、駆動力制御装置8、警報装置9および制動力制御装置10を備えて構成されている。
車速センサ1は、車両用走行支援装置が取り付けられた車両の速度に応じた出力信号を出力するものである。ここでは、車速センサを例に挙げているが、これに代えて、近年、車両に一般的に取り付けられるようになりつつある車輪速度センサを用いることも可能である。この場合、車輪速度センサから車輪速度に応じた検出信号が出力されるため、その検出信号に基づいて制御ECU6にて車速を求めるようにしても良し、ブレーキECUなど他のECUにおいて車輪速度センサの検出信号から車速が求められている場合には、その車速に関する信号をブレーキECUから受け取るようにしても良い。
ミリ波レーダ2は、例えば、車両の前方や車両の近傍の様子を検出するためのものであり、例えば、歩行者や車両進行方向に存在する壁などの障害物との自車両との距離や相対速度などを検出するようになっている。具体的には、周波数変調されたレーダ波を送受信することにより、対象物との相対距離や相対速度に関する情報を取り出すことで、例えば前方車両と自車両との関係を検出するようになっている。このミリ波レーダ2の検出信号、すなわち障害物と自車両との距離や相対速度を示す電気信号が制御ECU6に出力されるようになっている。
CCDカメラ3は、例えば、車両内外に取り付けられ、車両の前方や車室内の様子を二眼画像として捉えることができる装置である。このCCDカメラ3が撮影した映像の画像データに基づいて、例えば、車両前方の障害物となる他車両等の物体を解析することや、自車両のドライバの視線の方向を解析すること、さらには車両の進行方向に存在する死角を検出することができる。このようなCCDカメラ3における画像データもしくは画像データを解析した後の死角や障害物となる物体や自車両のドライバの視線などに関する情報が電気信号として制御ECU6に出力されるようになっている。
ヨーレートセンサ4は、車両に発生しているヨーレート(ヨー角速度)に応じた検出信号を出力するものである。このヨーレートセンサ4からの検出信号が制御ECU6に入力され、制御ECU6でヨーレートを検出できるようになっている。
舵角センサ5は、ドライバによるステアリング操作量に応じた信号を検出信号として出力するものである。この舵角センサ5の検出信号に基づいて、車両の旋回状態を求めることが可能となる。
制御ECU6は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを有する周知のマイクロコンピュータによって構成されているもので、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、車両走行支援制御処理を実行するものである。
具体的には、制御ECU6は、車速センサ1、ミリ波レーダ2、CCDカメラ3、ヨーレートセンサ4および舵角センサ5からの検出信号等の各種電気信号を受け取り、車速、自車両の進行方向に存在する障害物や死角、障害物や死角までの距離、死角となっている場所の道幅、ヨーレート、舵角などを求めるようになっている。そして、制御ECU6は、求められた結果に基づいて、走行支援制御を実行するべきか否かを決定し、走行支援制御を実行するべきと判定した場合に走行支援制御を実行すべく、走行支援制御の形態に応じて操舵制御装置7、駆動力制御装置8、警報装置9および制動力制御装置10に対して制御信号を出力するようになっている。
操舵制御装置7は、制御ECU6からの制御信号に基づいて操舵角の制御を行うものである。具体的には、操舵制御装置7は、操舵角を自動調整するアクチュエータおよびそのアクチュエータを駆動するECU等によって構成され、ドライバがステアリング操作をしていなくても、制御ECU6からの制御信号に示された操舵角への調整を行うことができるようになっている。
駆動力制御装置8は、制御ECU6からの制御信号に基づいて駆動力の制御を行うものである。具体的には、駆動力制御装置8は、エンジンのスロットルバルブの調整や燃料噴射量の調整、さらには、トランスミッションにおけるギア位置の調整などを行う各種アクチュエータおよびそれらのアクチュエータを駆動するECU等によって構成され、制御ECU6からの制御信号に示された駆動力となるように各種アクチュエータの駆動を行うことができるようになっている。
警報装置9は、例えば警報ランプや警報音発生部もしくは警報表示部によって構成される。警報ランプは、例えば、車室内におけるインストルメントパネルに設けられた警告用の表示ランプであり、視覚を通じてドライバに対して危険性があることを警報するものである。例えば、上述した制御ECU6から警報を行うことを示す電気信号が入力されると、警報ランプが点灯して、危険性があることをドライバに対して警告するようになっている。
警告音発生部は、例えば、車室内に設置された警報用のブザーやオーディオ装置もしくはナビゲーション装置に装備されたスピーカなどの音声発生装置によって構成され、聴覚を通じてドライバに対して衝突危険性があることを警告するものである。例えば、上述した警報を行うことを示す電気信号が入力されると、警報音発生部から音声が出力されることで、衝突危険性があることをドライバに対して警告するようになっている。具体的には、警報音発生部がスピーカによって構成される場合には、衝突危険性に応じた内容のコメントが音声で出力される。
制動力制御装置10は、制御ECU6からの制御信号に基づいて制動力の制御を行うものである。具体的には、制動力制御装置10は、ブレーキ液圧制御用アクチュエータやホイールシリンダ、ホイールシリンダ加圧によって制動力を発生させるディスクブレーキ、およびブレーキ液圧制御用アクチュエータを駆動するブレーキECU等によって構成され、制御ECU6からの制御信号に示された制動力となるようにブレーキ液圧制御用アクチュエータの駆動を行うことができるようになっている。
続いて、上記のように構成される車両用走行支援装置の作動について説明する。図2は、本実施形態の車両用走行支援装置の制御ECU6で実行される走行支援制御処理のフローチャートを示したものである。本図中に示したステップが、各種処理を実行する手段に対応する。この走行支援制御処理は所定の演算周期ごとに実行され、例えば図示しないイグニッションスイッチがオンされたときもしくは車両走行中に実行される。
まず、ステップ100では、自車進路予測が行われる。制御ECU6のうち、この処理を実行する部分が自車進路予測手段、自車予測位置検出手段に相当する。自車進路は、自動走行が行われる車両であれば、予め決まっているため、その予め決められた進路が予測される自車進路とされる。これにより、現在から所定時間後、例えば1秒後に自車が位置しているであろう自車予測位置や2秒後に自車が位置しているであろう自車予測位置が求められる。
なお、ここでは、本実施形態では、自動走行が行われるような車両について説明するが、自車走行が行えないような車両の場合、車速や操舵角やCCDカメラ3で映し出されたドライバの視線の方向などから、自車進路予測を行うことも可能である。例えば、車速が所定値よりも速い場合には、仮に前方に交差点などが存在していたとしても交差点で曲がる可能性が少ない。また、操舵角に変化があるか否かや、ドライバの視線が直進方向しか見ていないか又は曲がる方向を見ているかなどからも、同様に、自車進路予測を行うことができる。
続く、ステップ110では、死角認識が行われる。制御ECU6のうち、この処理を実行する部分が死角認識手段に相当する。死角は、CCDカメラ3で得た画像に基づいて認識される。例えば、CCDカメラ3で得られた二眼画像が図3のように示されたとすると、道路の切れ目(壁の切れ目)などから死角が存在していることを判別することができる。このような死角の認識は、例えば、予め制御ECU6内に死角となる場合の条件をパターン化して記憶させておき、そのパターンと比較することで行われる。
そして、ステップ120に進み、死角の道幅認識が行われる。制御ECU6のうち、この処理を実行する部分が道幅認識手段に相当する。死角の道幅認識は、図4に示される手法によって行われる。まず、自車両から遠い側の交差点角部までの距離Aを求めると共に、自車両から近い側の交差点角部までの距離Bを求める。これらの距離は、CCDカメラ3で得た画像の見え方のズレから演算することができる。また、ミリ波レーダ2によっても障害物までの距離を認識できることから、ミリ波レーダ2で求められた障害物までの距離をそのまま距離A、距離Bとして用いることもできるし、これを用いてCCDカメラ3で求められた距離A、距離Bの信頼性の向上に用いることもできる。例えば、ミリ波レーダ2で求められた障害物までの距離A、BがCCDカメラ3で求められた距離A、距離Bと一致していた場合にのみCCDカメラ3で求められた距離A、距離Bを有効と取り扱われるようにすることもできる。
次に、自車両から遠い側の交差点の角部と自車両とを結ぶ線と死角が存在する道路の端が構成する線との角度Cを求めると共に、自車両から近い側の交差点の角部と自車両とを結ぶ線と死角が存在する道路の端が構成する線との角度Dを求める。このときの角度も、CCDカメラ3に入手した二眼画像を利用して求めることが可能である。
そして、これら距離A、距離B、角度C、角度Dを用いて、次式から死角の道路幅が求められる。
(数1)
死角の道路幅=A×cosC−B×cosD
なお、自車両から死角までの距離が離れていて、C≒D≒0である場合には、死角の道路幅はA−Bとなる。
続いて、ステップ130に進み、死角に様々な物体が存在している可能性があるものと想定し、各種物体の移動可能範囲が演算される。制御ECU6のうち、この処理を実行する部分が移動物体検出手段、物体移動可能範囲検出手段に相当する。この処理により、現在から所定時間後、例えば1秒後に各種物体が移動可能であると想定される移動可能範囲、2秒後に物体が移動可能であると想定される移動可能範囲が求められる。
このときの物体の移動可能範囲は、例えば上記ステップ120で求められた死角の道路幅に基づいて求められる。図5は、死角の道路幅と物体の移動速度との関係を示したものであり、図5(a)〜(d)は、それぞれ、物体が自動車、自転車、歩行者、猫であった場合に想定される死角の道路幅と移動速度との関係を示している。
物体の幅はある程度決まっているため、死角の道路幅が物体の幅として想定される幅よりも狭い場合には、その物体はその死角から飛び出してくることは無い。このため、物体の道路幅よりも死角となっている道路幅が狭いような場合には、その物体の移動速度を0とすることで物体が移動してくることは無いものとみなし、物体の幅よりも道路幅が大きくなった場合に、その物体に移動速度を与えるようにしている。そして、死角の道路幅が広ければ広いほど物体の移動速度が速くなる可能性があるため、死角の道路幅が大きくなるのに合せて物体の移動速度を大きくし、その反面、物体の物理的に可能な移動速度が存在することから、物体の移動速度を物体の種類に応じて変化させるようにしている。
このようにして物体の移動速度が分かれば、物体の種類ごとに移動可能範囲が分かる。なお、この後の処理において、各種物体の移動可能範囲を1つずつ用いてもよいが、物体の移動可能範囲が一番広くなる範囲、つまり死角から飛び出してくる可能性がある物体の移動可能範囲を足し合わせた範囲が、死角に存在し得るすべての物体の移動可能範囲と定義して、それを移動可能範囲として用いても構わない。
さらに、物体の移動速度と死角から飛び出してくる角度とを関係付けて記憶しておき、移動速度と死角からの飛び出し方向(飛び出し角度)との双方に基づいて移動可能範囲を決めることも可能である。例えば、飛び出し方向は、物体が車両である場合には車両旋回可能角度等から一義的に決まり、自転車や歩行者、猫である場合にも、死角から真っ直ぐに飛び出してくる場合と斜めもしくは飛び出そうとする道路に対してほぼ平行に飛び出してくる場合とで、移動速度が異なったものとなると考えられる。このため、物体の移動速度と飛び出し方向とから物体の移動可能範囲を決定するようにすれば、より正確な移動可能範囲を求めることができる。
この後、ステップ140に進み、物体と自車両とが衝突する可能性があるか否かが判定される。制御ECU6のうち、この処理を実行する部分が衝突判定処理に相当する。ここでの判定は、上述したステップ100で求められた所定時間後の自車予測位置と、ステップ130で求められた物体の移動可能範囲とに基づいて行われる。
図6に、自車予測位置と物体の移動可能範囲との関係を示した模式図を示す。この図は、死角に他車両21が存在し得る場合において、その他車両21と自車両20との衝突可能性を示したものである。
図6(a)に示されるように、自車両20の現在位置がP位置である場合において、他車両21の現在位置が死角の最も先端位置であったと想定したとき、1秒後の自車予想位置Aおよび2秒後の自車予想位置Bと、1秒後の他車両21の移動可能範囲A’および2秒後の他車両21の移動可能範囲B’とが、図示のような関係となる。この場合には、自車予想位置Aと他車両21の移動可能範囲A’、もしくは、自車予想位置Bと他車両21の移動可能範囲B’とが重ならないため、自車両20と他車両21とが衝突する可能性が無い。
一方、図6(b)に示されるように、自車両20の現在位置がQ位置である場合において、他車両21の現在位置が死角の最も先端位置であったと想定したとき、1秒後の自車予想位置Aおよび2秒後の自車予想位置Bと、1秒後の他車両の移動可能範囲A’および2秒後の他車両21の移動可能範囲B’とが、図示のような関係となる。この場合には、自車予想位置Aと他車両の移動可能範囲A’、もしくは、自車予想位置Bと他車両21の移動可能範囲B’とが重なり、自車両20と他車両21とが衝突する可能性が有る。
このため、図6(a)に示されるように、自車両20の現在位置がP位置にあるような場合には、他車両21などの物体と衝突する可能性が無いものと判定され、図6(b)に示されるように、自車両20の現在位置がQ位置にあるような場合には、他車両21などの物体と衝突する可能性があるものと判定される。
このような手法によって自車両と物体とが衝突する可能性があるか否かが判定され、このステップで衝突する可能性が無いものと判定された場合には、走行支援制御を実行する必要がないため、そのままステップ100に戻り、衝突する可能性があるものと判定された場合には、ステップ150に進んで走行支援制御が実行される。
走行支援制御は、自車両と物体との衝突を回避すべく、自車両を物体との衝突可能性が無い場所に誘導するものである。制御ECU6のうち、この走行支援制御を実行する部分が走行支援制御手段に相当する。例えば、操舵制御装置7による操舵角の制御によって自車両の進路方向を変更することで他車両から自車両を離したり、駆動力制御装置8による駆動力制御によって物体と衝突する前に物体の移動範囲を超えれるように自車両の駆動力を上昇させたり、警報装置9によって自車両が物体と衝突する可能性があることをドライバに警報したり、制動力制御装置10による制動力制御によって物体の移動範囲まで自車両が移動しないように制動力をかけたりされる。このような走行支援制御によって具体的に実行される各種制御に関しては、様々な制御形態を採用することができるが、それらに関しては従来より知られているものであるため、ここでは説明を省略する。
以上説明した本実施形態の車両用走行支援装置によれば、自車両の前方の画像を入手することで死角を検出し、死角に物体が存在すると想定してその物体が飛び出してきたときの移動可能範囲を求め、自車予測位置と物体の移動可能範囲とから自車両と物体とが衝突する可能性があるか否かを求めている。そして、自車両と物体とが衝突する可能性がある場合には、自車両が物体と衝突しないように走行支援制御が実行されるようになっている。
このように、死角に物体が存在すると想定して走行支援制御を実行するか否かを決めるようにしているため、実際に物体が検出されてから走行支援制御を実行する場合と比べて、早い段階で走行支援制御を実行するか否かを決めることが可能となる。このため、走行支援制御によって、より確実に自車両が物体と衝突することを防止することができる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、自車両の前方の画像を入手することで死角を求めるようにしているが、ミリ波レーダ2のみによって求めることもできる。また、ナビゲーション装置のように地図情報を記憶する媒体がある場合には、それに死角情報などを記憶させておき、その死角情報に基づいて、死角認識を行うことも可能である。なお、ナビゲーション装置などを利用する場合、ナビゲーション装置における走行経路案内サービスを利用することで、自車進路を予測することも可能である。
本発明の第1実施形態における車両用走行支援装置のブロック構成を示す図である。 図1に示す車両用走行支援装置の制御ECUで実行される走行支援制御処理のフローチャートである。 CCDカメラで得られた二眼画像の模式図である。 死角の道幅認識の手法を示した説明図である。 死角の道路幅と物体の移動速度との関係を示した相関図である。 自車予測位置と物体の移動可能範囲との関係を示した模式図である。
符号の説明
1…車速センサ、2…ミリ波レーダ、3…CCDカメラ、4…ヨーレートセンサ、
5…舵角センサ、6…制御ECU、7…操舵制御装置、8…駆動力制御装置、
9…警報装置、10…制動力制御装置。

Claims (5)

  1. 自車両の進路を予測する自車進路予測手段(100)と、
    前記自車両の進行方向におけるドライバからの死角を認識する死角認識手段(110)と、
    前記死角認識手段によって認識された死角から飛び出してくる可能性がある物体を予測する移動物体検出手段(130)と、
    前記自動進路予測手段で求められた自車両の進路に基づき、前記自車両が前記移動物体検出手段で検出された前記物体に衝突することを回避するための走行支援制御を実行する走行支援制御手段(150)とを有していることを特徴とする車両用走行支援装置。
  2. 前記自車進路予測手段は、自車両が現在から所定時間後に位置しているであろう自車予測位置を求める自車予測位置検出手段を有し、
    前記移動物体検出手段は、前記死角検出手段によって認識された死角から飛び出してくる可能性がある前記物体を予測し、該物体が現在から所定時間後に移動可能な範囲を検出する物体移動可能範囲検出手段を有し、
    さらに、前記自車予測位置検出手段によって求められた前記自車予測位置と前記物体移動範囲検出手段によって求められた物体の移動可能範囲とに基づいて、前記自車両と前記死角に存在すると想定される前記物体とが衝突する可能性があるか否かを判定する衝突判定手段(140)が備えられ、
    前記走行支援制御手段は、前記衝突判定手段によって前記自車両が前記物体と衝突する可能性があると判定された場合に、前記自車両と前記物体との衝突を回避するための走行支援制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両用走行支援装置。
  3. 前記物体移動可能範囲検出手段は、前記物体を複数種類用意すると共に、該複数種類の中で前記死角から飛び出してくる可能性がある物体を求め、該求められた前記物体のすべてに関して前記移動可能範囲を検出するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車両用走行支援装置。
  4. 前記死角における道幅を求める道幅認識手段(120)を備え、
    前記物体移動可能範囲検出手段は、前記道幅認識手段によって求められた道幅と前記複数種類の物体との関係から、前記複数種類の物体の中で前記死角から飛び出してくる可能性がある物体を求めるようになっていることを特徴とする請求項3に記載の車両用走行支援装置。
  5. 前記物体移動可能範囲検出手段は、前記複数種類の物体のうち前記道幅認識手段で求められた道幅よりも大きな幅を有するものに関しては移動速度をゼロとして設定し、道幅よりも小さな幅を有するものに関しては移動速度をゼロよりも大きな所定速度とすることで、前記移動可能範囲を検出するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の車両用走行支援装置。
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