JP2006223184A - 釣り竿用竿体及びその製作方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プリプレグ2をマンドレル3に巻回するとともに、マンドレル3に巻回したプリプレグ5の上から、細幅のプリプレグテープ9を巻回して竿素材10を形成する。竿素材10に相手側竿体1の対応する面に圧接して圧接状態を保持する合わせ部を形成すべく、竿素材10の合わせ部相当位置に複数の弾性材製の接触チップ材11を配置する。接触チップ材11を配置した竿素材10に熱収縮テープ12を巻回し、その巻回した熱収縮テープ12を施した合わせ部に相手側竿体1の合わせ部に相当する型材13を被着し、その型材13を被着した状態で焼成する。
【選択図】 図1
Description
この場合に、竿尻端部の外周面と竿先端部の内周面とに互いに圧接状態となるように、研削または研磨加工された合わせ部が形成されている(特許文献1参照)。
一方、竿先側竿体の竿尻端部に形成された合わせ部と竿尻側竿体の竿先端部に形成された合わせ部との密着度が大であると、水を介在した状態で両合わせ部の密着状態が強固になる為に、収縮状態に戻すことに難儀する固着状態に至る場合もある。
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿体の竿端部に、相手側竿体の対応する面に圧接してその圧接状態を保持する合わせ部を形成するとともに、前記合わせ部の表面に複数の弾性材製の接触チップ材を表出する状態で設けている点にあり、その作用効果は次の通りである。
前記した接触チップ材を施した竿体に対して相手側竿体を伸長又は短縮状態に切り換えた場合に、合わせ部に設けた接触チップ材が相手側竿体の合わせ部の表面に接触する。その接触チップ材は弾性材製であるので、相手側の合わせ部の表面に接触して弾性的に変形して、摩擦保持力を発揮する。これによって、伸長状態又は短縮状態が摩擦保持される。
弾性材製の接触チップ材を設けてあるので、この接触チップ材の弾性変形力を利用した摩擦保持力を発揮させることができるので、相手側竿体の合わせ部との接触嵌合寸法に厳密な寸法精度を必要とせず、合わせ部に対する研削研磨加工は必要ではない。
しかも、接触チップ材は相手側の合わせ部に対して全面的に接触するものではなく、点接触する状態で接触するので、密着度が高くなり過ぎることはなく、固着現象も回避できる。
前記竿先側竿体又は前記竿尻側竿体の竿端部に、相手側竿体の対応する面に圧接してその圧接状態を保持する合わせ部を形成するとともに、前記合わせ部の表面に複数の弾性材製の接触チップ材を表出する状態で設けている点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項1に係る発明と同様の作用効果を奏する。竿先側竿体の竿尻端部に形成される合わせ部は、竿尻側竿体からその竿先側竿体を引き出した伸長状態においては、竿尻側竿体の竿先端部の内周面に圧接してその状態を維持するものであり、また、竿尻側竿体内に竿先側竿体を収納した短縮状態においては、竿尻側竿体の竿尻端部の内周面に圧接してその状態を維持するものである。したがって、竿先側竿体の竿尻端部に形成される合わせ部は、竿尻側竿体の竿先側端部と竿尻側端部とに形成した合わせ部に圧接する必要があり、合わせ部の径を管理するのが難しい面があるが、この合わせ部に接触チップ材を設けてあるので、径の管理が容易になる。
合わせ部相当位置を成形テープで締め付けた状態で、従来は焼成処理していた。これに対して本願発明では、成形テープで接触チップ材を施した合わせ部を覆い、相手側竿体の合わせ部に相当する形状を呈する型材でその成形テープを施した合わせ部を覆い、その型材を被着した状態で焼成する方法を採用した。
このように型材を被覆した状態で焼成するので、接触チップ材の合わせ部表面からの突出量を適正な摩擦圧接力を発揮するだけのものに設定できて、合わせ部同士の密着状態を確保するための研削作業等を必要としないものになった。
請求項3に係る発明と異なる点は、プリプレグをマンドレルに巻回しその上から細幅のプリプレグテープを巻回し、そのプリプレグテープ上に接触チップ材を配置している点である。これによって、前記した型材によって弾性的に押し付け力を受ける接触チップ材の一部が焼成時にプリプレグテープ内に埋まり込み、接触チップ材の取付けが安定する。
このようにプリプレグテープを接触チップ材の取り付け対象として選定することによって、焼成することによってプリプレグテープの表面が軟化して接着機能を発揮して接触チップ材を取り付け固定できるものであり、特に、接着手段を必要としないものである。
この場合には、接触チップ材を設けた合わせ部を、竿体の竿先側端部の内周面に形成するために、接触チップ材を施したプリプレグ製の補助パターンをメインパターンに先行してマンドレルに巻回することにしてある。このことによって、請求項3に係る発明のように、接触チップ材の載置状態を維持し相手側竿体の合わせ部との合わせ寸法を維持するために導入された型材の機能をマンドレル自体が兼用することになるので、製作方法自体が簡単になる。
釣り竿として、製作工程の簡素化と固着現象を低減できるものを提供することができた。
振出竿Aにおける一番竿から元竿までの竿体1の製作方法について説明する。
炭素繊維等の強化繊維を引き揃えたものに、エポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させて構成したプリプレグを所定形状に裁断して所定のメインパターンと補助パターンを形成する。
図1(イ)に示すように、定盤上に載置した強化繊維を軸線方向に直交する周方向に配置した第1メインパターン2を第1層としてマンドレル3に巻回する。この第1層に対して強化繊維の方向を軸線方向に設定した第2メインパターン4を第2層として巻回し、さらに、強化繊維を軸線方向に対して直交する周方向にした第3メインパターン5を第3層として巻回する。
このように二つの補助パターン6,7を巻回した状態のものに、図1(ロ)に示すように、さらに、細幅に形成したプリプレグテープ9を竿の全長に亘って巻回し竿素材10を構成する。
図1(ニ)に示すように、弾性材製の接触チップ材11を施した竿素材10に対して、ポリエステル等の熱収縮テープを成形用テープ12として竿の全長に亘って巻回する。
この型材としては、耐熱性に優れたSCM材、または、耐熱性塗料等を施したアルミ等を使用できる。
そして、従来の方法であれば、全長に亘って研磨加工を施した後に、合わせ部への研磨加工を施すのであるが、前記したように、合わせ部に接触チップ材11を設けてあるので、合わせ部に対する研磨加工は省略できる。
図2(イ)(ロ)に示すように、このようにして竿体1の大径膨出部8に固着された接触チップ材11は相手側竿体1の玉口内周面に圧接して、両竿体1、1の伸長状態を保持することに寄与する。
ここでは、竿体1の玉口における内周面に、相手側竿体1に圧接する合わせ部14を形成し、この合わせ部14に接触チップ材11を施す形態について説明する。図3に示すように、マンドレル3に対して予め接着剤等で接触チップ材11を固着した第3補助パターン15を、複数層分のメインパターン2、4、5に先行してマンドレル3に巻回し、その上からメインパターンを複数層に亘って巻回し、さらに、補助パターン6,7、細幅プリプレグテープ等を適宜選択して巻回し、熱収縮テープを巻付けて焼成する。
焼成後、マンドレル3を脱芯すると、図4(イ)に示すように、接触チップ材11が玉口の内周面に設けられている状態となり、図4(ロ)に示すように、その接触チップ材11が相手側竿体1(ここでは竿先側竿体)の竿尻端部の大径膨出部8に接触して嵌合保持状態を現出する。
ただし、脱芯する際に接触チップ材11とマンドレル3との離間を促す為に、接触チップ材11をマンドレル3の穴に載置する場合に離型剤を介して載置すればよい。
竿体1として元竿1A、相手側竿体として元上1Bを想定して、収縮状態においても元上1Bを元竿1A内に保持できる合わせ部19を備える伸縮式の振出竿について説明する。
図5に示すように、軸線方向に一定のテーパ状外周面を有するマンドレル3の竿尻端部位置に大径部18Aを形成するとともに、その大径部18Aの外周面に複数個の係合穴18aを形成し、この係合穴18aにまず接触チップ材11を載置する。
図3に示すように、第3メインパターン5を巻回した状態で、竿先端側に第1補助パターン6、及び、竿尻端側に第2補助パターン7を巻回して、竿先端側と竿尻端側に大径膨出部を形成する。
図示していないが、前記大径膨出部を形成した竿素材に対して成形テープを巻回して、焼成して竿体1を形成する。
ここでは、図6に示すように、竿尻端側の内周面に接触チップ材11が設けられているので、この部分を合わせ部19と称する。
2、4、5 プリプレグ
3 マンドレル
8,19 合わせ部
9 プリプレグテープ
11 接触チップ材
12 成形用テープ
13 型材
15 補助パターン
Claims (6)
- 竿体の竿端部に、相手側竿体の対応する面に圧接してその圧接状態を保持する合わせ部を形成するとともに、前記合わせ部の表面に複数の弾性材製の接触チップ材を表出する状態で設けている釣り竿用の竿体。
- 竿先側竿体を竿尻側竿体に対して伸縮自在に装着するとともに、伸長状態、及び、短縮状態のいずれの状態であってもその状態を保持する伸縮式の振出竿用竿体であって、
前記竿先側竿体又は前記竿尻側竿体の竿端部に、相手側竿体の対応する面に圧接してその圧接状態を保持する合わせ部を形成するとともに、前記合わせ部の表面に複数の弾性材製の接触チップ材を表出する状態で設けている釣り竿用の竿体。 - プリプレグをマンドレルに巻回して竿素材を形成し、前記竿素材に相手側竿体の対応する面に圧接してその圧接状態を保持する合わせ部を形成すべく、その竿素材の合わせ部相当位置に複数の弾性材製の接触チップ材を配置するとともに、その接触チップ材を配置した竿素材に熱収縮性の成形テープを巻回し、その巻回した成形テープを施した合わせ部に、相手側竿体の合わせ部に相当する形状を有している型材を被着し、その型材を被着した状態で焼成する振出竿用竿体の製作方法。
- プリプレグをマンドレルに巻回するとともに、そのマンドレルに巻回したプリプレグの上から、細幅のプリプレグテープをマンドレルの略全長に亘って巻回して竿素材を形成し、前記竿素材に相手側竿体の対応する面に圧接してその圧接状態を保持する合わせ部を形成すべく、その竿素材の合わせ部相当位置に複数の弾性材製の接触チップ材を配置し、その接触チップ材を配置した竿素材に熱収縮性の成形テープを巻回し、その巻回した成形テープを施した合わせ部に相手側竿体の合わせ部に相当する型材を被着し、その型材を被着した状態で焼成する振出竿用竿体の製作方法。
- 複数の弾性材製の接触チップ材を接着固定したプリプレグ製の補助パターンを竿体の竿先側端部に相当する位置に対応してマンドレルに巻回するとともに、その上からプリプレグ製のメインパターンを巻回して竿素材を形成し、前記竿素材に相手側竿体の竿尻側端部の外周面に圧接してその圧接状態を保持する合わせ部を形成し、その接触チップ材を配置した竿素材に熱収縮性の成形テープを巻回した状態で焼成する釣り竿用竿体の製作方法。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載の竿体を備えた釣り竿。
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JP2005040843A JP2006223184A (ja) | 2005-02-17 | 2005-02-17 | 釣り竿用竿体及びその製作方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008263819A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Shimano Inc | 釣り竿用の竿体 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6417167A (en) * | 1987-07-10 | 1989-01-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Picture processor |
JP2001061380A (ja) * | 1999-08-26 | 2001-03-13 | Shimano Inc | 竿体の嵌合構造 |
JP2005021132A (ja) * | 2003-07-02 | 2005-01-27 | Shimano Inc | 管状体の連結構造 |
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