JP2010081876A - 釣竿 - Google Patents
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Abstract
【課題】竿杆表面からの突出感を防止すると共に、剥離し難い模様を施した竿杆を有する釣竿を提供することである。
【解決手段】繊維強化樹脂製竿杆20を形成する複数の繊維強化樹脂層10A,10Bの中の最外層のみ、又は該最外層とこれに続く1層以上の下方の層に亘って孔10Hを設けており、該孔に該最外層とは異なる外観模様の模様層部分20を埋め込んで、竿杆のマトリックス樹脂によって一体化されており、該模様層部分が外部から視認できるよう構成する。
【選択図】図2
【解決手段】繊維強化樹脂製竿杆20を形成する複数の繊維強化樹脂層10A,10Bの中の最外層のみ、又は該最外層とこれに続く1層以上の下方の層に亘って孔10Hを設けており、該孔に該最外層とは異なる外観模様の模様層部分20を埋め込んで、竿杆のマトリックス樹脂によって一体化されており、該模様層部分が外部から視認できるよう構成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、繊維強化樹脂製竿杆の表面に模様を施した釣竿に関する。
釣竿竿杆の表面に図形や文字からなる模様を施す技術として、所定の模様印刷を施したシールを竿杆表面に貼着したり、スクリーン印刷の手法がある。下記特許文献にはシール(フィルム)を貼着した釣竿が開示されている。
特開平5−153886号公報
然しながら、上記公報開示のように、シールを貼着する技術では、シール模様部が竿杆表面から突出してしまい、竿杆表面の滑らかさを阻害する。特に、把持部においては、その突出感が快適な把持感を阻害するため、模様を施し難い。また、貼着手法によっては、シール輪郭部から剥離し易いという問題もある。後者のスクリーン印刷でも、竿杆表面からの突出感がある他、複雑な模様を描くことは困難である。
依って解決しようとする課題は、竿杆表面からの突出感を防止すると共に、剥離し難い模様を施した竿杆を有する釣竿を提供することである。
依って解決しようとする課題は、竿杆表面からの突出感を防止すると共に、剥離し難い模様を施した竿杆を有する釣竿を提供することである。
第1の発明では、繊維強化樹脂製竿杆を形成する複数の繊維強化樹脂層の中の最外層のみ、又は該最外層とこれに続く1層以上の下方の層に亘って孔を設けており、該孔に該最外層とは異なる外観模様の模様層部分を埋め込んで、竿杆のマトリックス樹脂によって一体化されており、該模様層部分が外部から視認できることを特徴とする竿杆を有する釣竿を提供する。
第2の発明では、第1の発明の前記模様層部分が前記竿杆のマトリックス樹脂と同じ種類の樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグによって形成されており、該模様層部分の外表面は前記最外層の外表面と面一か又は低い。
第3の発明では、第1の発明の前記模様層部分が別成形部材のシート部材であり、該模様層部分の外表面は前記最外層の外表面と面一か又は低い。
第2の発明では、第1の発明の前記模様層部分が前記竿杆のマトリックス樹脂と同じ種類の樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグによって形成されており、該模様層部分の外表面は前記最外層の外表面と面一か又は低い。
第3の発明では、第1の発明の前記模様層部分が別成形部材のシート部材であり、該模様層部分の外表面は前記最外層の外表面と面一か又は低い。
第1の発明では、模様層部分が孔に埋め込まれているため、その分、模様層部分の突出量が低減され、突出感が防止される。また、模様層部分は埋め込まれているため、剥離し難い。
第2の発明では、竿杆と、埋め込まれた模様層部分とが同じ種類の樹脂を使用しているため、模様は竿杆の加熱成型時に一緒に成形できると共に、強固な一体化が可能となる。また、模様層部分の外表面が最外層の外表面から突出していないため、模様層部分の突出感が無くなる。
第3の発明では、別成形のシート部材の模様層部分の外表面が最外層の外表面から突出していないため、模様層部分の突出感が無くなる。
第2の発明では、竿杆と、埋め込まれた模様層部分とが同じ種類の樹脂を使用しているため、模様は竿杆の加熱成型時に一緒に成形できると共に、強固な一体化が可能となる。また、模様層部分の外表面が最外層の外表面から突出していないため、模様層部分の突出感が無くなる。
第3の発明では、別成形のシート部材の模様層部分の外表面が最外層の外表面から突出していないため、模様層部分の突出感が無くなる。
以下、本発明を添付図面を用いて更に詳細に説明する。図1は本発明に係る釣竿に使用されている、エポキシ樹脂等のマトリックス樹脂を炭素繊維等の強化繊維で強化した繊維強化樹脂製の竿杆としての中空の元竿等の適宜な竿管10の部分平面図であり、図2はその矢視線B−Bによる拡大横断面図、図3は図1の竿管の製法説明図である。台形状の本体層用プリプレグ10B’を作業台の上に広げておき、プリプレグ10B’のマンドレル30への巻回始端を含む領域に、最内層用のプリプレグ10A’を重ねておく。このプリプレグ10A’は強化繊維である炭素繊維がマンドレルの円周方向になるように指向している。また、プリプレグ10B’は強化繊維である炭素繊維が軸長方向になるように指向している。更には、このプリプレグ10B’に比べて薄い補強層(裏打ち層)を設けていてもよい。また、これらのマトリックス樹脂は同じ種類であり、この例ではエポキシ樹脂である。
上記プリプレグ10B’をマンドレルに巻回した場合に、最外層となるプリプレグ領域に、矩形状の孔10Hを形成しており、この孔に、輪郭寸法が該孔と同じ寸法の装飾模様を施した他のプリプレグ20’を嵌め込んでいる。このプリプレグ20’は、本体層プリプレグ10B’と同じ種類のマトリックス樹脂を使用しており、強化繊維束を互いに直交状に編んで模様を形成している。
上記状態のプリプレグの上にマンドレル30を転動させてプリプレグを巻回し、その外側に緊締テープを巻回して常法に従って加熱焼成し、その後で緊締テープを除去すると共にマンドレルを引き抜くと、図1,図2の竿管10が形成される。強化繊維が円周方向に指向した薄い最内層10Aの外側に、この例では3周巻回され、強化繊維が軸長方向に指向した厚い本体層10Bが形成されている。この本体層を成す3層の内の最外層に、上記プリプレグ20’に対応した模様層部分20が形成されている。従って、外部からこの模様層部分が視認できる。また、この形態例では、模様層部分の外表面と最外層の外表面が面一であり、模様層部分が突出していないため、剥離が防止できる。更には、この模様層部分20の上、或いは、この模様層部分を併せて本体層10Bの上に、クリヤー塗装等の透明状の層を施すことは自由である。これにより、模様層部分の傷付きを防止できる他、剥離を完全に防止できる。勿論、模様層部分を全部覆わない限りは、透明状ではない各種層を設けてもよい。
上記形態例では、本体層10Bに模様層部分20を埋設したが、竿管10の最外層が、上記最内層10Aと同様に強化繊維が円周方向に指向している層であっても、この最外層に設けた孔に、輪郭の対応する模様層部分を埋め込み、最外層と接着層部分はマトリックス樹脂で一体化できる。また、模様層部分20は必ずしもプリプレグで形成されている必要は無く、任意の材料のもの、例えば、模様や文字を施した樹脂シール、樹脂フィルム、金属プレート等のシート部材でもよい。また、孔10Hを特定の文字等の模様形状に形成してもよい。
図4は第2形態例の竿管を部分横断面図で示している。竿管10を形成している繊維強化樹脂層が複数層S1,S2,S3,S4・・・あり、その最外層S1のみならず、その直下の層S2にまで亘って孔10Hを設けており、この孔に2層に対応する厚さの模様層部分20を埋め込み一体化している。この層S1,S2は、図2に示す本体層10Bの3層の内の外側2層の場合もあり、また、層S1が本体層10Bの最外層1層に対応し、層S2が本体層プリプレグの補強層プリプレグ(裏打ちプリプレグ)に対応する層の場合等もある。
層S1,S2が図2に示す本体層10Bの3層の内の外側2層の場合、その製法は、図5に示すように、本体プリプレグ10B’の対応する位置に、対応する同じ輪郭の孔10H’,10H”を設けておき、その内の一方に、本体層用プリプレグ10B’の2倍の厚さの模様層部分用のプリプレグを埋め込んでおく。2つの孔10H’,10H”が重合して孔10Hを形成する。
このように、2つ又は3つ以上の層に亘って模様層部分を設ければ、模様層部分の層厚を厚くでき、これにより深みのある模様を形成することが可能となる。また、凹凸の大きなシート部材を使用することもできる。
このように、2つ又は3つ以上の層に亘って模様層部分を設ければ、模様層部分の層厚を厚くでき、これにより深みのある模様を形成することが可能となる。また、凹凸の大きなシート部材を使用することもできる。
図8は図4の第2形態例の変形例とでもいうべき、第3形態例を示す。第2形態例と異なる事項を説明する。図5の製法で説明すると、孔10H’の幅は孔10H”の幅よりも小さく設定している。孔10H”に、図8に示される横断面形状の模様層部分用プリプレグを埋め込み、本体プリプレグ10B’を巻回して、狭い方の孔10H’を模様層部分用のプリプレグの上部に押し込む。こうして定法に従って成形すると、模様層部分用のプリプレグの下部の上面段差部に最外層S1が覆い被さり、模様層部分20がより安定して剥離し難くなる。
図9は、第4形態例を示す。第3形態例と異なる事項を説明する。異なるのは、使用する模様層部分用のプリプレグの厚さが、図5の本体プリプレグ10B’と同じ厚さであり、薄いことである。こうして成形すると図9のように、模様層部分用のプリプレグの両側縁部近傍領域の上に最外層S1が覆い被さる形態の構造になり、模様層部分20がより安定して剥離し難くなる。また、最外層S1の孔10H(プリプレグにおける孔10H’に対応した部分)の空間S1Kに透明状の樹脂を充填すると、更に効果的に剥離が防止できる他、透明状の層を介して模様層部分20が視認できるため、深み感を呈する。
図6は第5形態例の竿管を部分横断面図で示している。第1形態例と異なるのは、模様層部分20の外表面高さ位置が、竿管10の繊維強化樹脂製最外層の外表面と同じではなく、低いことである。この場合、模様層部分20は表面に傷が付き難い他、より剥がれ難い。通常、模様層部分の占有角度θは90度以下であり、45度以下が多い。従って、本体層10Bの孔10Hを設けている最外層は270度以上、或いは315度以上巻回されており、マトリックス樹脂による接合力のため、装飾層部分20の表面よりも段差状に突出した状態の角部10Cの存在に起因して本体層10Bが剥がれることは防止される。
図6は模式説明図であったが、実際には図7を参照しつつ以下説明する通りである。図7(a)は竿管製造途中の部分図、図7(b)は(a)よりも後工程の状態の部分図である。図3で説明した本体層プリプレグ10B’を巻回した状態の孔10Hの孔壁外端部でもある最外層の本体層プリプレグの角部10C’は、加熱焼成途中での軟化と緊締テープ40の緊締張力作用によって図7(b)に示すように角部が傾斜して丸められる。更には、断面三角状の段差空間部にマトリックス樹脂10Mが充填されて実質的に角部10Cは存在しなくなる。こうした段差部や角部の解消作用は、緊締テープ40の張力作用方向が円周方向であるため、図7で説明した如く、竿管の横断面における段差部や角部は解消され易いが、縦断面における段差部や角部は、横断面に於けるよりは解消され難い。
何れにしても、装飾層部分20の外表面が最外層の外表面より低くても、そこに指等が引っ掛かることは防止される。また、ここで述べたことは、図4等で示すように孔10Hが複数層に亘っていても同様である。
模様層部分が最外層よりも幾分突出していても本願第1発明の範囲内である。
模様層部分が最外層よりも幾分突出していても本願第1発明の範囲内である。
本発明は、釣竿竿杆に利用できる。
10 竿管(竿杆)
10B 本体層
10H 孔
20 模様層部分
10B 本体層
10H 孔
20 模様層部分
Claims (3)
- 繊維強化樹脂製竿杆を形成する複数の繊維強化樹脂層の中の最外層のみ、又は該最外層とこれに続く1層以上の下方の層に亘って孔を設けており、該孔に該最外層とは異なる外観模様の模様層部分を埋め込んで、竿杆のマトリックス樹脂によって一体化されており、該模様層部分が外部から視認できることを特徴とする竿杆を有する釣竿。
- 前記模様層部分が前記竿杆のマトリックス樹脂と同じ種類の樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグによって形成されており、該模様層部分の外表面は前記最外層の外表面と面一か又は低くてなる請求項1記載の釣竿。
- 前記模様層部分が別成形部材のシート部材であり、該模様層部分の外表面は前記最外層の外表面と面一か又は低くてなる請求項1記載の釣竿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008254651A JP2010081876A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 釣竿 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013156026A (ja) * | 2012-01-26 | 2013-08-15 | Olympus Corp | ファイバセンサ |
KR101400858B1 (ko) | 2012-02-16 | 2014-05-29 | 주식회사은성사 | 문양이 형성된 원단시트지를 이용한 문양 형성 낚싯대의 제조방법 |
JP2019146546A (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-05 | グローブライド株式会社 | 管状体 |
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2008
- 2008-09-30 JP JP2008254651A patent/JP2010081876A/ja active Pending
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