JP6548486B2 - 釣竿用ブランク及び釣竿 - Google Patents

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Description

この発明は、釣竿の構造、特にブランクの装飾された表面構造に関するものである。
釣竿は単一又は複数のブランクを有し、このブランクは、一般に炭素繊維等の補強材に熱硬化性樹脂(マトリクス樹脂)を含浸させたもの(いわゆる「プリプレグ」)を材料として焼成される。釣竿の商品としての完成度を向上させるために、ブランクの表面の塗装はきわめて重要である。
ブランクの表面に装飾を施す手法として、一般的な塗装のほか、真空蒸着やイオンプレーティング等の物理蒸着がある。特にイオンプレーティングは、ブランクの表面にきわめて薄い金属膜を形成する技術であり、これにより、釣竿が金属光沢を有し、高級感が醸し出される(たとえば特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2004−141010号公報 特開2012−235707号公報
しかしながら、従来の手法で釣竿に装飾が施される場合には、ブランクが焼成された後に別工程として塗装工程や蒸着工程が行われるため、製造コストが上昇していた。特に、ブランクの表面にきわめて高級感のある半透明金属色が付されるためには、イオンプレーティングが必要になるが、このイオンプレーティングでは、長尺のブランクを収容するために大型の蒸着装置が必要になり、その結果、釣竿の製造コストが大幅に上昇していた。
加えて、イオンプレーティングにより形成された金属膜の強度はそれほど強くなく、釣竿は、高価でありながら且つ実釣において傷が生じ易いという不都合があった。これが回避されるために金属膜の上にクリア塗装が施されることもあるが、これにより、なお一層釣竿の製造コストが上昇するという問題があった。
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その目的は、表面に傷が付きにくく且つ高級感がある安価な釣竿用ブランク及び釣竿を提供することである。
(1) 本発明に係る釣竿用ブランクは、強化繊維にマトリクス樹脂が含浸されたプリプレグを材料として焼成された繊維強化樹脂製の釣竿用ブランクである。この釣竿用ブランクの外周面は、軸方向に対して鋭角的に配置され且つ軸方向に沿って並設された複数の平行面及び当該各平行面の両端に連続し当該各平行面と交差する複数の壁面を有する。上記外周面のうち上記平行面にのみ、0.001μm〜0.05μmの厚みの金属層が形成され、当該金属層を被う樹脂層が備えられている。
この発明では、金属層(典型的にはクロム層)によってブランクの外周面のうち平行面のみが金属色に装飾される。しかも、この金属層は、樹脂層により被覆されているから、ブランクの表面は、強くて綺麗な金属色の塗装が施された様になる。
ところで、上記平行面及び壁面は、焼成時に成形テープが使用されることにより形成されたいわゆる「セロ目」により構成される。そして、この成形テープが予め金属を担持することにより、この金属が上記ブランクの平行面に転写されて上記金属層が形成され得る。金属層は、焼成時の熱による熱転写が可能である。
本発明では、上記金属層は、ブランクの外周面を構成する壁面に形成されていないが、この壁面は上記セロ目の一部を構成するため、当該壁面の高さ寸法はきわめて小さい。したがって、この壁面に金属が付着していなくても成形後のブランクの光沢に特に影響を与えない。
(2) 細長長尺の樹脂フィルムからなる基材と、当該基材上に配置された上記樹脂層と、当該樹脂層上に配置された上記金属層とを有する成形テープが、上記焼成時に上記プリプレグの表面に螺旋状に予め巻回されるのが好ましい。
ブランクは一般に知られた工程にて焼成される。すなわち、上記プリプレグは、マンドレルに巻回された後に成形テープによって締め付けられる。この成形テープがプリプレグに巻回され、焼成後に除去されることにより、ブランクの外周面に上記平行面及び壁面を有する凹凸(いわゆる「セロ目」)が形成される。上記成形テープに上記金属層及び樹脂層が積層されているので、当該金属層及び樹脂層は、プリプレグの焼成工程において焼成時の熱によりブランクに転写される。そして、焼成後に成形テープが除去されると、上記平行面にのみ上記金属層が形成されると共に、当該金属層が上記樹脂層によって被覆される。なお、金属層を備えた成形テープは、安価な市販品が採用され得る。
(3) 上記樹脂層の厚みは、1μm〜3.0μmであるのが好ましい。
この構成では、ブランクの外周面が半透明金属色に塗装され得る。
(4) 上記金属層は、上記壁面と上記平行面とが交差する角部の内側に沿って配置されているのが好ましい。
この構成では、焼成されたブランクにおいて、上記壁面及び平行面が交差する角部の内側に沿って、金属層が当該角部を内側から被うように配置されている。すなわち、金属層は、上記角部の内側に回り込んでいるので、剥がれにくく、非常に強い塗装となる。
上記釣竿用ブランクを備えた釣竿が構成されてもよい。
この発明によれば、ブランクが焼成されたときに形成されるいわゆるセロ目のうち平行面上にのみ金属層及び樹脂層が積層されるので、ブランクの表面に、傷が付きにくく且つ高級感のある金属色塗装が施される。しかも、上記金属は、焼成時に使用される成形テープが流用され得るので、上記高級感のある塗装が安価に実現される。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿の外観斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る第2番節の要部拡大断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る第2番節の外周面の要部拡大図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る第2番節の製造工程を模式的に示す図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る第2番節の製造工程を模式的に示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る第2番節の製造工程を模式的に示す図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る第2番節の製造工程を模式的に示す図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る第2番節の製造工程を模式的に示す図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る第2番節に形成されたセロ目部分の拡大図及び電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係る釣竿用ブランク及び釣竿の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
<1.釣竿の概略構成と特徴点>
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の外観斜視図である。
この釣竿10は、いわゆるアウトガイドタイプの振出式釣竿である。釣竿10は、釣竿本体11及びグリップ12を備えている。グリップ12は、釣人が釣竿10を把持する部分である。
釣竿本体11は、5本のブランク13〜17(特許請求の範囲に記載された「釣竿用ブランク」に相当)から構成されている。釣竿本体11の構成部品としての各ブランク13〜17は、それぞれ「節」と称され、釣竿本体11の先端側から順に第1番節13、第2番節14と称される。第4番節16は、特に「元上節」と称され、第5番節17は、特に「元節」と称される。各節13〜17の製造方法については後に詳述される。この釣竿10では、第4番節16(すなわち元上節16)が第5番節17(すなわち元節17)に対して伸縮する機構(いわゆるズーム機構)を搭載している。もっとも、この機構は任意的なものであって、当該機構は省略される場合もある。
第1番節13は、第2番節14の内部に引き出し自在に収容されている。また、第1番節13の先端にトップガイド21が固定されると共に、第1番節13に4つの中間ガイド22(同図では一つの中間ガイド22のみ図示)が設けられている。第1番節13はテーパ状に形成されており、先端部の外径よりも後端部の外径の方が大きくなっている。そして、第1番節13の後端径は、第2番節14の先端径よりも大きく、第1番節13が第2番節14から引き出された際に、第1番節13の後端部分が第2番節14の先端部分と嵌合して両者が固定されるようになっている。
なお、第2番節14と第3番節15との関係及び第3番節15と元上節16との関係も同様である。第2番節14の先端にガイド23が固定され、二つの中間ガイド24が第2番節14に設けられている。また、第3番節15の先端にガイド25が固定され、二つの中間ガイド26が第3番節15に設けられている。第4番節16に単一の中間ガイド27が設けられている。第1番節13〜元上節16がそれぞれ隣り合う第2番節14〜元節17から引き出されることによって釣竿本体11が伸長状態となる。
元節17は、リールシートを備えている。リールシートは、釣用リール(図示せず)を元節17に着脱自在に保持するためのものであり、本実施形態では、元節17と一体的に形成されている。このリールシートは、リールが載置される載置面20と、固定フード18及び可動フード19を備えている。リールの脚は、載置面20上に載置され、この脚の一方側が固定フード18に挿入される。可動フード19が固定フード18側に移動されると、リールの脚の他方側が可動フード19に挿入される。これにより、リールの脚は、固定フード18及び可動フード19によって挟持され、リールが固定される。同図が示すように、本実施形態では、リールシートは、上記グリップ12を兼ねており、実釣において釣人がリールシートを把持して釣竿10及びリールを操作する。
図2は、第2番節14の要部拡大断面図である。
本実施形態の特徴とするところは、各節13〜17の製法及びそれによって形成された各節13〜17の表面の構造である。すなわち、たとえば第2番節14において、同図が示すように、第2番節14の外周面28の一部のみにクロム層29(特許請求の範囲に記載された「金属層」に相当)が積層されている点が釣竿10の特徴点であり(他の節も同様である)、これにより、第2番節14及び他の節の外周面28は、高級感のある金属色に塗装される。しかも、後述の要領で外周面28が塗装されるので、かかる塗装がコスト安価に実現される。
<2.ブランクの構造>
第2番節14は、円筒状を呈し、所定のテーパが形成されている。他の節にも所定のテーパが形成されており、これにより、釣竿10の調子が設計されている。第2番節14は、炭素繊維(特許請求の範囲に記載された「強化繊維」に相当)により強化された樹脂からなる。この樹脂はマトリクス樹脂と称され、一般に熱硬化性のもの(典型的にはエポキシ樹脂)である。このマトリクス樹脂を強化する繊維は、本実施形態では炭素繊維であるが、これに限定されるものではない。なお、他の節も同様に炭素繊維により強化された樹脂から構成されている。
同図が示すように、第2番節14の外周面28は平坦ではなく、複数の平行面30及び壁面31が形成されている。これら平行面30及び壁面31の形成は、後述のようにプリプレグが焼成されることに由来する。つまり、焼成時に成形テープがプリプレグに巻き付けられることにより、上記外周面28にいわゆる「セロ目」が形成される。このセロ目49が上記平行面30及び壁面31を構成している。
各平行面30は、第2番節14の軸方向32に沿って並設されており、当該軸方向32に対して略平行となっている。実際には、各平行面30は、軸方向32に対して鋭角的に軸方向32に対して角度θだけ傾斜している。この角度θはきわめて小さい。しかし、後述される要領にて成形テープ45が巻回されることに起因して、確実に上記壁面31が形成され、これにより、平行面30は、軸方向32に対して確実に傾斜している。同図は、平行面30が傾斜していることを強調して表現している。また、各壁面31は、各平行面30の両端に連続しており、当該平行面30と交差する方向に延びている。本実施形態では、各壁面31は軸方向32と略直交している。本実施形態では、第2番節14の肉厚Tは0.5mm程度に設定され、壁面31の高さ(b+t1+t2)は、15μm〜30μmに設定される。
図3は、上記外周面28の要部拡大図である。
同図が示すように、上記平行面30にのみクロム層29が積層されている。本実施形態では、このクロム層29は、ウレタン層33(特許請求の範囲に記載された「樹脂層」に相当)によって被覆されている。このウレタン層33は、典型的にはアクリルウレタンからなる。また、同図が示すように、上記壁面31にはクロム層29もウレタン層33も存在しない。同図は、壁面31、クロム層29及びウレタン層33を模式的に示しているので、壁面31の一部にクロム層29及びウレタン層33が存在するかのように示されているが、クロム層29及びウレタン層33の厚み(t1+t2)は上記寸法bに比べて十分に薄いので、実際には壁面31にクロム層29及びウレタン層33は存在しない。本実施形態では、クロム層29の厚みは0.001μm〜0.05μmであり、ウレタン層33の厚みは2μmである。もっとも、これら各層29、33の厚みはこの寸法に限定されるものではなく、ウレタン層33は、1μm〜3μmに設定され得る。また、クロム層29は、クロム金属泊からなるが、クロム層29に代えて他の金属も採用され得る。同様に、クロム層29を被覆する樹脂層は、アクリルウレタンに代えて他の樹脂が採用され得る。
<3.ブランクの製法>
各節13〜17は、次の要領で製造される。説明の簡略化のため、第2番節14の製造工程が説明される。
図4ないし図8は、第2番節14の製造工程を模式的に示す図である。
第2番節14は、プリプレグ41がマンドレル43の周囲に巻き付けられ、焼成(硬化)された後に、マンドレル34が引き抜かれることにより製造される。製品としての第2番節14は、焼成後に端面が切断され、所定の長さに裁断されることにより完成する。
第2番節14の製造方法は、次の工程を含んでいる。すなわち、(1)カッティング工程、(2)ローリング工程、(3)テーピング工程、(4)焼成工程(加熱工程)、(5)脱芯工程、(6)テープ除去工程及び(7)裁断・仕上工程を経て、第2番節14が製造される。なお、第1番節13やその他の節15〜17も同様である。
(1) カッティング工程
図4が示すように、プリプレグ41は、強化繊維(典型的には炭素繊維)に樹脂が含浸されたシートである。樹脂は、エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)が例示される。炭素繊維の引張弾性率によって成形品である第2番節14の機械的強度が決定される。同図(a)が示すように、プリプレグ41の原反を原材料として、同図(b)が示すように、原反41が所定の寸法に裁断され、クロスパターン42が形成される。クロスパターン42の寸法、形状は、成形品としての第2番節14の長さ、太さ、アクション等に応じて決定される。
(2) ローリング工程
図5(a)が示すように、クロスパターン42がマンドレル43に対して位置決めされる。このとき、たとえばアイロン等が使用され、その熱によってクロスパターン42の縁部44がマンドレル43に貼り付けられる。そして、マンドレル43の周囲にクロスパターン42が完全に巻き付けられる。このとき、マンドレル43が回転され、クロスパターン42が巻き取られる。
(3) テーピング工程
同図(b)が示すように、クロスパターン42がマンドレル43から剥がれないように、成形テープ45が巻き付けられる。この成形テープ45は、クロスパターン42及びマンドレル43を締め付けるように巻かれる。
図6は、成形テープ45の構造を示している。
同図が示すように、成形テープ45は、基材34を有し、この基材34の上に上記ウレタン層33及びクロム層29が積層されている。基材34は、細長長尺のポリエチレンテレフタレート(PET)からなる。基材34の肉厚bは20μm程度であり、幅寸法Dは、3mm〜6mm程度である。ウレタン層33の厚みt1は、2μmに設定されている。クロム層29は、金属クロムからなり、その厚みt2は、0.001μm〜0.05μmに設定されている。
このクロム層29は、ウレタン層33を介して基材34に担持されている。成形テープ45は、図5(b)が示すように、クロム層29がクロスパターン42と対向するように、螺旋状に巻き付けられる。基材34がPETからなるので、成形テープ45が加熱されると、ウレタン層33及びクロム層29は、基材34から容易に離脱することができ、後述のように対象物に転写される。
(4) 焼成工程(加熱工程)及び (5) 脱芯工程
図7(a)が示すように、成形テープ45によりテーピングされたクロスパターン42が、マンドレル43と共に炉46に入れられる。この炉46は、典型的には電気オーブンであり、クロスパターン42は、たとえば140℃の雰囲気で120分間加熱される。これにより、クロスパターン42に含まれているエポキシ樹脂が徐々に硬化し、引張強度、曲げ強度に優れた軽量のブランク47が成形される。このとき、成形テープ45がクロスパターン42を締め付けているから、クロスパターン42の表面に成形テープ45が沈み込んでブランク47の表面にテープ痕、つまり上記セロ目49が形成される。このセロ目49によって上記平行面30及び壁面31(図2及び図3参照)が形成される。
この焼成工程において、成形テープ45も同時に加熱される。これにより、上記ウレタン層33が軟化し、クロム層29と共に基材34から離脱し、そのまま上記ブランク47の表面に転写される。焼成工程が終了すると、同図(b)が示すように、マンドレル43がブランク47から引き抜かれる。
(6) テープ除去工程 及び (7) 裁断・仕上工程
図8が示すように、焼成されたブランク47の外周面から成形テープ45が取り外される。前述のように、成形テープ45に担持されたクロム層29及びウレタン層33は、ブランク47側に転写され、ウレタン層33は、容易に基材34から剥がれる。このように成形テープ45がブランク47から剥がされるとき、上記壁面31に対応する部分ではウレタン層33及びクロム層29に剪断力が作用する(図3参照)。そして、この剪断力によってウレタン層33及びクロム層29が切断される。その結果、図3に示すように、壁面31にはウレタン層33及びクロム層29が転写されず、エポキシ樹脂が露出する。なお、図8において参照符合49は、上記セロ目を示している。
図9は、上記セロ目49部分の拡大図及び電子顕微鏡写真である。
成形テープ45がクロスパターン42に巻き付けられた状態でブランク47が焼成されるとき、成形テープ45がクロスパターン42側に沈み込む。具体的には、同図が示すように、クロム層29が上記壁面31と平行面30とが交差する角部50の内側に食い込むように配置される。つまり、クロム層29は、当該角部50に沿って当該角部50の内側を回り込む。これは、上記焼成時において、成形テープ45がクロスパターン42を締め付けているから、ブランク47側のエポキシ樹脂が成形テープ45周りに排除されるように流動し、その部分にクロム層29が入り込むことにより生じると考えられる。
その後、ブランク47が所定の寸法に裁断され、第2番節14が完成する。なお、他の節についても同様の要領で製造される。
<4.ブランク47及び釣竿10の作用効果>
本実施形態に係る釣竿10では、第2番節14(及びその他の節)の表面のうち上記平行面30(図3参照)にのみクロム層29が転写されており、これによって第2番節14の外周面が金属色に装飾される。しかも、このクロム層29は、ウレタン層33により被覆されているから、第2番節14に強くて綺麗な金属色の塗装が施された様になる。
なお、第2番節14の壁面31にクロム層29が付着していない。しかし、この壁面31の高さはきわめて小さく、そのため、成形後の第2番節14の光沢に特に影響を与えることはない。加えて、クロム層29は、成形テープ45に担持されたものが焼成時のにより転写されるので、上記高級感のある金属塗装が安価に実現されるという利点がある。
本実施形態では、上記クロム層29及びウレタン層33の転写は、上記成形テープ45を介して行われる。この成形テープ45は、PPからなる基材34にクロム層29及びウレタン層33を担持させたものであり、一般に市販されているものが採用され得る。しかも、上記焼成工程は、従来の工程と変わりはない。したがって、第2番節14及びその他の節の製造工程は従来と同様であるものの、当該工程後に成形テープが除去される工程においてクロム層29及びウレタン層33が自動的に転写される。その結果、各節13〜17の製造コストの上昇が抑えられる。
さらに、本実施形態では、ウレタン層33の厚みが2μmであるから、各節外周面が半透明金属色に塗装され得る。これにより、きわめて高級感のある塗装が安価に実現される。
特に、前述のように、クロム層29が上記角部50の内側に入り込み、しかも、当該角部50を回り込んでいるから(図9参照)、当該クロム層29が容易にブランク47から剥がれることがないという利点がある。
なお、図示されていないが、クロム層29とブランク47との間に、クロム層29の密着をさらに強固なものとするめに接着層が設けられていてもよい。この接着層としては、ホットメルト接着剤(典型的にはポリプロピレン、ポリアミド、ポリオレフィン)、もしくは熱硬化性樹脂(典型的にはエポキシ樹脂、ポリエステル)が採用され得る。
10・・・釣竿
14・・・第2番節
28・・・外周面
29・・・クロム層
30・・・平行面
31・・・壁面
32・・・軸方向
33・・・ウレタン層
34・・・基材
41・・・プリプレグ
43・・・マンドレル
47・・・ブランク
49・・・セロ目
50・・・角部

Claims (5)

  1. 強化繊維にマトリクス樹脂が含浸されたプリプレグを材料として焼成された繊維強化樹脂製の釣竿用ブランクであって、
    当該釣竿用ブランクの外周面は、軸方向に対して鋭角的に配置され且つ軸方向に沿って並設された複数の平行面及び当該各平行面の両端に連続し当該各平行面と交差する複数の壁面を有し、
    上記外周面のうち上記平行面にのみ形成され、0.001μm〜0.05μmの厚みの金属層と、
    当該金属層を被う樹脂層とを備えている釣竿用ブランク。
  2. 細長長尺の樹脂フィルムからなる基材と、当該基材上に配置された上記樹脂層と、当該樹脂層上に配置された上記金属層とを有する成形テープが、上記焼成時に上記プリプレグの表面に螺旋状に予め巻回される請求項1に記載の釣竿用ブランク。
  3. 上記樹脂層の厚みは、1μm〜3.0μmである請求項1に記載の釣竿用ブランク。
  4. 上記金属層は、上記壁面と上記平行面とが交差する角部の内側に沿って配置されている請求項1に記載の釣竿用ブランク。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の釣竿用ブランクを備えた釣竿。

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