JPH0615750A - 屈曲部を有する繊維強化樹脂製管の成形方法及び繊維強化樹脂製管 - Google Patents
屈曲部を有する繊維強化樹脂製管の成形方法及び繊維強化樹脂製管Info
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- JPH0615750A JPH0615750A JP4173216A JP17321692A JPH0615750A JP H0615750 A JPH0615750 A JP H0615750A JP 4173216 A JP4173216 A JP 4173216A JP 17321692 A JP17321692 A JP 17321692A JP H0615750 A JPH0615750 A JP H0615750A
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- Japan
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- fiber reinforced
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 生産性及び品質の向上を図ると共に、製造コ
ストの低減を可能にした屈曲部を有するＦＲＰ管の成形
方法及びその方法から得られる軽量かつ高強度のＦＲＰ
管を提供する。 【構成】 少なくとも屈曲部を成形する部分を可撓性部
材で構成した芯材１の周囲に、熱硬化性樹脂からなる繊
維強化樹脂プリプレグ２を巻き付け、さらに繊維強化樹
脂プリプレグ２の外側を熱収縮性樹脂からなるフィルム
３で被覆した後、この積層体４をオープンモールド５に
挿入し、可撓性部材を屈曲させた状態で加熱硬化させ
る。繊維強化樹脂プリプレグ２としては一方向性プリプ
レグを使用する。
ストの低減を可能にした屈曲部を有するＦＲＰ管の成形
方法及びその方法から得られる軽量かつ高強度のＦＲＰ
管を提供する。 【構成】 少なくとも屈曲部を成形する部分を可撓性部
材で構成した芯材１の周囲に、熱硬化性樹脂からなる繊
維強化樹脂プリプレグ２を巻き付け、さらに繊維強化樹
脂プリプレグ２の外側を熱収縮性樹脂からなるフィルム
３で被覆した後、この積層体４をオープンモールド５に
挿入し、可撓性部材を屈曲させた状態で加熱硬化させ
る。繊維強化樹脂プリプレグ２としては一方向性プリプ
レグを使用する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフのパターシャフ
トやテニスラケット等のように屈曲部を有する繊維強化
樹脂製管（以下、単にＦＲＰ管という）の成形方法に関
し、特に生産性及び品質の向上を図ると共に、製造コス
トの低減を図るようにしたＦＲＰ管の成形方法及びその
方法から得られるＦＲＰ管に関する。
トやテニスラケット等のように屈曲部を有する繊維強化
樹脂製管（以下、単にＦＲＰ管という）の成形方法に関
し、特に生産性及び品質の向上を図ると共に、製造コス
トの低減を図るようにしたＦＲＰ管の成形方法及びその
方法から得られるＦＲＰ管に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、屈曲部を有するＦＲＰ管を成形す
る方法としては、炭素繊維等の強化繊維からなる編組或
いはクロスにエポキシや不飽和ポリエステル等の未硬化
の熱硬化性樹脂を含浸させ、この繊維強化樹脂シートを
ゴムチューブからなるチューブ状芯材の周囲にレイアッ
プした後、これを金型に挿入し、チューブ状芯材に内圧
をかけつつ加熱硬化させるようにしていた。この場合、
ＦＲＰ管はチューブ状芯材の内圧によって外側に押圧さ
れて金型の形状に従って所定の製品形状に成形される。
る方法としては、炭素繊維等の強化繊維からなる編組或
いはクロスにエポキシや不飽和ポリエステル等の未硬化
の熱硬化性樹脂を含浸させ、この繊維強化樹脂シートを
ゴムチューブからなるチューブ状芯材の周囲にレイアッ
プした後、これを金型に挿入し、チューブ状芯材に内圧
をかけつつ加熱硬化させるようにしていた。この場合、
ＦＲＰ管はチューブ状芯材の内圧によって外側に押圧さ
れて金型の形状に従って所定の製品形状に成形される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ＦＲＰ管の成形方法では、１つのＦＲＰ管を成形するた
めに、製品形状に加工した一対の上下金型とそのプレス
装置が必要になるので、設備投資によるイニシャルコス
トが極めて高く、しかも生産性が低くなっていた。
ＦＲＰ管の成形方法では、１つのＦＲＰ管を成形するた
めに、製品形状に加工した一対の上下金型とそのプレス
装置が必要になるので、設備投資によるイニシャルコス
トが極めて高く、しかも生産性が低くなっていた。
【０００４】また、チューブ状芯材の周囲に未硬化の繊
維強化樹脂シートを巻き付ける際に強化繊維に未硬化樹
脂を塗布しているため、巻き付け時の作業性が悪いと共
に、加熱硬化時にボイド（気泡）を発生しやすくなり、
製品の品質にバラツキを生じやすくなっていた。さら
に、ＦＲＰ管の表面にボイドが発生すると、塗装に先駆
けて行う研磨作業に要する時間が極めて長くなり、一層
生産性を低下させる原因になっていた。
維強化樹脂シートを巻き付ける際に強化繊維に未硬化樹
脂を塗布しているため、巻き付け時の作業性が悪いと共
に、加熱硬化時にボイド（気泡）を発生しやすくなり、
製品の品質にバラツキを生じやすくなっていた。さら
に、ＦＲＰ管の表面にボイドが発生すると、塗装に先駆
けて行う研磨作業に要する時間が極めて長くなり、一層
生産性を低下させる原因になっていた。
【０００５】本発明の目的は、生産性及び品質の向上を
図ると共に、製造コストの低減を可能にした屈曲部を有
するＦＲＰ管の成形方法及びこの成形方法から得られる
軽量かつ高強度のＦＲＰ管を提供することにある。
図ると共に、製造コストの低減を可能にした屈曲部を有
するＦＲＰ管の成形方法及びこの成形方法から得られる
軽量かつ高強度のＦＲＰ管を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明に係る屈曲部を有
するＦＲＰ管の成形方法は、少なくとも屈曲部を成形す
る部分を可撓性部材で構成した芯材の周囲に、熱硬化性
樹脂からなる繊維強化樹脂プリプレグを巻き付け、さら
に該繊維強化樹脂プリプレグの外側を熱収縮性樹脂から
なるフィルムで被覆した後、この積層体をオープンモー
ルドに挿入し、前記可撓性部材を屈曲させた状態で加熱
硬化させることを特徴とするものである。
するＦＲＰ管の成形方法は、少なくとも屈曲部を成形す
る部分を可撓性部材で構成した芯材の周囲に、熱硬化性
樹脂からなる繊維強化樹脂プリプレグを巻き付け、さら
に該繊維強化樹脂プリプレグの外側を熱収縮性樹脂から
なるフィルムで被覆した後、この積層体をオープンモー
ルドに挿入し、前記可撓性部材を屈曲させた状態で加熱
硬化させることを特徴とするものである。
【０００７】また、本発明に係る屈曲部を有するＦＲＰ
管は、少なくとも屈曲部が長繊維状の多数本の強化繊維
が同一方向に配列された繊維強化樹脂層から構成されて
いることを特徴とするものである。以下、本発明につい
て添付の図面を参照して説明する。図１において、本発
明の成形方法に使用する芯材１はテーパーを有する中実
の円柱状をなし、その太径部側の芯材本体１ａに細径部
側の可撓性部材１ｂを嵌入して構成されている。ストレ
ート部を成形する部分となる芯材本体１ａはスチール等
から構成されており、一方、屈曲部を成形する部分とな
る可撓性部材１ｂはシリコーンゴム等の耐熱性可撓性材
料から構成されている。芯材１は円柱状のほか楕円柱状
等であってもよく、またストレートな芯材本体を含め全
長にわたって可撓性材料で構成されていてもよい。
管は、少なくとも屈曲部が長繊維状の多数本の強化繊維
が同一方向に配列された繊維強化樹脂層から構成されて
いることを特徴とするものである。以下、本発明につい
て添付の図面を参照して説明する。図１において、本発
明の成形方法に使用する芯材１はテーパーを有する中実
の円柱状をなし、その太径部側の芯材本体１ａに細径部
側の可撓性部材１ｂを嵌入して構成されている。ストレ
ート部を成形する部分となる芯材本体１ａはスチール等
から構成されており、一方、屈曲部を成形する部分とな
る可撓性部材１ｂはシリコーンゴム等の耐熱性可撓性材
料から構成されている。芯材１は円柱状のほか楕円柱状
等であってもよく、またストレートな芯材本体を含め全
長にわたって可撓性材料で構成されていてもよい。
【０００８】本発明方法では、図２に示すように、未硬
化の熱硬化性樹脂からなる繊維強化樹脂プリプレグ２を
上述の芯材１の周囲に巻き付け、さらに繊維強化樹脂プ
リプレグ２の外側にテープ状の熱収縮性樹脂からなるフ
ィルム３を巻き付けて被覆する。繊維強化樹脂プリプレ
グ２を構成する熱硬化性樹脂としてはエポキシ、不飽和
ポリエステル、ビニルエステル等を使用することがで
き、強化繊維としては炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポ
リアミド繊維等の長繊維を使用することができる。ま
た、フィルム３の熱収縮性樹脂としてはポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリアミド等を使用することができ
る。これら材料は硬化条件及び互いの構成材料等を考慮
して適宜選択するようにする。このようにして得た芯材
１と一体になった積層体４は後述するオープンモールド
５に挿入される。
化の熱硬化性樹脂からなる繊維強化樹脂プリプレグ２を
上述の芯材１の周囲に巻き付け、さらに繊維強化樹脂プ
リプレグ２の外側にテープ状の熱収縮性樹脂からなるフ
ィルム３を巻き付けて被覆する。繊維強化樹脂プリプレ
グ２を構成する熱硬化性樹脂としてはエポキシ、不飽和
ポリエステル、ビニルエステル等を使用することがで
き、強化繊維としては炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポ
リアミド繊維等の長繊維を使用することができる。ま
た、フィルム３の熱収縮性樹脂としてはポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリアミド等を使用することができ
る。これら材料は硬化条件及び互いの構成材料等を考慮
して適宜選択するようにする。このようにして得た芯材
１と一体になった積層体４は後述するオープンモールド
５に挿入される。
【０００９】オープンモールド５は、図３及び図４に示
すように、そのキャビティ５ａの断面形状が略矩形とな
っていると共に、キャビティ５ａの端部にＳ字型の曲管
成形部５ｂが設けられている。上記積層体４は可撓性部
材１ｂが曲管成形部５ｂに対応するようにオープンモー
ルド５のキャビティ５ａ内に挿入され、可撓性部材１ｂ
が曲管成形部５ｂに沿って屈曲した状態で保持される。
積層体４はオープンモールド５に挿入する前に予め加熱
しておくことが好ましい。そして、オープンモールド５
上にキャビティ５ａを覆うように上蓋６を配置した後
に、オープンモールド５を加熱炉内に挿入し、積層体４
を可撓性部材１ｂを屈曲させた状態で加熱硬化させる。
すように、そのキャビティ５ａの断面形状が略矩形とな
っていると共に、キャビティ５ａの端部にＳ字型の曲管
成形部５ｂが設けられている。上記積層体４は可撓性部
材１ｂが曲管成形部５ｂに対応するようにオープンモー
ルド５のキャビティ５ａ内に挿入され、可撓性部材１ｂ
が曲管成形部５ｂに沿って屈曲した状態で保持される。
積層体４はオープンモールド５に挿入する前に予め加熱
しておくことが好ましい。そして、オープンモールド５
上にキャビティ５ａを覆うように上蓋６を配置した後
に、オープンモールド５を加熱炉内に挿入し、積層体４
を可撓性部材１ｂを屈曲させた状態で加熱硬化させる。
【００１０】この加熱硬化過程において、熱硬化性樹脂
をマトリックスとする繊維強化樹脂プリプレグ２が加熱
によって硬化するのに対し、熱収縮性樹脂からなるフィ
ルム３は加熱によって芯材１側に収縮するので、繊維強
化樹脂プリプレグ２は芯材１の形状に従って、芯材本体
１ａの部分では直管状に、可撓性部材１ｂの部分では曲
管状に成形される。このため、直管部分と曲管部分とで
構成されるゴルフ用パターシャフト等のＦＲＰ管を容易
に製造することができる。製造後は、得られたＦＲＰ管
から芯材１を脱芯し、フィルム３を剥離する。また、必
要に応じてＦＲＰ管の表面を研磨し、塗装するようにす
る。
をマトリックスとする繊維強化樹脂プリプレグ２が加熱
によって硬化するのに対し、熱収縮性樹脂からなるフィ
ルム３は加熱によって芯材１側に収縮するので、繊維強
化樹脂プリプレグ２は芯材１の形状に従って、芯材本体
１ａの部分では直管状に、可撓性部材１ｂの部分では曲
管状に成形される。このため、直管部分と曲管部分とで
構成されるゴルフ用パターシャフト等のＦＲＰ管を容易
に製造することができる。製造後は、得られたＦＲＰ管
から芯材１を脱芯し、フィルム３を剥離する。また、必
要に応じてＦＲＰ管の表面を研磨し、塗装するようにす
る。
【００１１】本発明によれば、少なくとも屈曲部を成形
する部分を可撓性部材１ｂで構成した芯材１と、熱収縮
性樹脂からなるフィルム３とを組み合わせることによ
り、簡単な構造のオープンモールド５を使用することが
でき、しかも多数のオープンモールド５を一括して加熱
炉内に挿入することにより、多数のＦＲＰ管を同時に製
造することができるので、設備投資によるイニシャルコ
ストが極めて低く、かつ生産性が極めて高い。
する部分を可撓性部材１ｂで構成した芯材１と、熱収縮
性樹脂からなるフィルム３とを組み合わせることによ
り、簡単な構造のオープンモールド５を使用することが
でき、しかも多数のオープンモールド５を一括して加熱
炉内に挿入することにより、多数のＦＲＰ管を同時に製
造することができるので、設備投資によるイニシャルコ
ストが極めて低く、かつ生産性が極めて高い。
【００１２】また、フィルム３の熱収縮によって、加熱
硬化時に発生するボイドをＦＲＰ管から絞り出すように
作用するので、製品にボイドによる品質のバラツキを生
じ難くなり、品質及び収率の向上を図ることができ、し
かも塗装に先駆けて行う研磨作業に要する時間を短縮す
ることができる。さらに、従来の方法では予め強化繊維
に未硬化樹脂を含浸させたプリプレグを使用すること
は、金型に挿入した際に屈曲部にプリプレグを収束保持
させることが難しいため、殆ど不可能とされていたが、
本発明では、芯材１へ巻き付けられた繊維強化樹脂プリ
プレグ２をフィルム３によって被覆するようにしている
ため、これを可能にしている。しかも、そのプリプレグ
として長繊維状の強化繊維が平行に同一方向に並べられ
た一方向性プリプレグの使用は、従来法では全く不可能
であったが、本発明ではフィルム３によって繊維強化樹
脂プリプレグ２の外側を抑えて挙動を規制するので、一
方向性プリプレグの使用が可能となる。このように繊維
強化樹脂プリプレグ２を使用することにより、生樹脂の
塗布作業を削減して生産性を更に向上させることができ
ると共に、ボイドの発生を低減し、フィルム３の収縮作
用と併せて品質及び収率の向上に大きく寄与する。
硬化時に発生するボイドをＦＲＰ管から絞り出すように
作用するので、製品にボイドによる品質のバラツキを生
じ難くなり、品質及び収率の向上を図ることができ、し
かも塗装に先駆けて行う研磨作業に要する時間を短縮す
ることができる。さらに、従来の方法では予め強化繊維
に未硬化樹脂を含浸させたプリプレグを使用すること
は、金型に挿入した際に屈曲部にプリプレグを収束保持
させることが難しいため、殆ど不可能とされていたが、
本発明では、芯材１へ巻き付けられた繊維強化樹脂プリ
プレグ２をフィルム３によって被覆するようにしている
ため、これを可能にしている。しかも、そのプリプレグ
として長繊維状の強化繊維が平行に同一方向に並べられ
た一方向性プリプレグの使用は、従来法では全く不可能
であったが、本発明ではフィルム３によって繊維強化樹
脂プリプレグ２の外側を抑えて挙動を規制するので、一
方向性プリプレグの使用が可能となる。このように繊維
強化樹脂プリプレグ２を使用することにより、生樹脂の
塗布作業を削減して生産性を更に向上させることができ
ると共に、ボイドの発生を低減し、フィルム３の収縮作
用と併せて品質及び収率の向上に大きく寄与する。
【００１３】本発明において、繊維強化樹脂プリプレグ
としては、上述した一方向性プリプレグは勿論のこと、
強化繊維を編組やクロスとして構成したものも使用可能
である。一方向性プリプレグを使用したＦＲＰ管は、層
間で互いに交差する強化繊維が波状に屈曲していないの
で、その強力利用率を最大にし、最高の強度を発揮する
ことができると共に、薄肉化が可能となるため、軽量か
つ高強度の優れた構造にすることができる。また、一方
向性プリプレグの巻き付け角度を変えることにより、Ｆ
ＲＰ管における強化繊維の配向角度を適宜設計できるの
で、その強度設計の自由度が高い。
としては、上述した一方向性プリプレグは勿論のこと、
強化繊維を編組やクロスとして構成したものも使用可能
である。一方向性プリプレグを使用したＦＲＰ管は、層
間で互いに交差する強化繊維が波状に屈曲していないの
で、その強力利用率を最大にし、最高の強度を発揮する
ことができると共に、薄肉化が可能となるため、軽量か
つ高強度の優れた構造にすることができる。また、一方
向性プリプレグの巻き付け角度を変えることにより、Ｆ
ＲＰ管における強化繊維の配向角度を適宜設計できるの
で、その強度設計の自由度が高い。
【００１４】
【実施例】ゴルフ用パターシャフトの製造に当り、芯材
として、図１に示すような分割構成のものを使用し、そ
の芯材本体をスチールで構成すると共に、可撓性部材を
シリコーンゴムで構成した。この芯材の周囲に、エポキ
シ樹脂をマトリックスとして炭素繊維を一方向に配向さ
せた一方向性プリプレグを、ローリングテーブルを使用
して加圧しながら順次巻き付けた。芯材の長手方向に対
する炭素繊維の配向角度は、７層のプリプレグにおいて
０°とし、２層のプリプレグにおいて＋４５°とし、２
層のプリプレグにおいて−４５°とした。更に、プリプ
レグの外側にポリプロピレン（熱収縮性樹脂）からなる
フィルムをラッピングテープとして巻き付けて被覆し
た。
として、図１に示すような分割構成のものを使用し、そ
の芯材本体をスチールで構成すると共に、可撓性部材を
シリコーンゴムで構成した。この芯材の周囲に、エポキ
シ樹脂をマトリックスとして炭素繊維を一方向に配向さ
せた一方向性プリプレグを、ローリングテーブルを使用
して加圧しながら順次巻き付けた。芯材の長手方向に対
する炭素繊維の配向角度は、７層のプリプレグにおいて
０°とし、２層のプリプレグにおいて＋４５°とし、２
層のプリプレグにおいて−４５°とした。更に、プリプ
レグの外側にポリプロピレン（熱収縮性樹脂）からなる
フィルムをラッピングテープとして巻き付けて被覆し
た。
【００１５】この積層体を、図３及び図４に示すような
簡単な構造のオープンモールドに可撓性部材を屈曲させ
た状態でセットし、同様にセットした多数のオープンモ
ールドを一括して加熱炉内に挿入し、各積層体を約１３
０°の温度条件で１時間加熱して硬化させた。加熱硬化
終了後、オープンモールドから積層体を取り出し、芯材
の可撓性部材をシャフト先端側から抜き取った後で、脱
芯機を使用して反対側から芯材本体を抜き取り、シャフ
ト外側を被覆するラッピングテープを剥離した。その
後、得られたパターシャフトの表面を研磨し、所定の色
彩に塗装した。
簡単な構造のオープンモールドに可撓性部材を屈曲させ
た状態でセットし、同様にセットした多数のオープンモ
ールドを一括して加熱炉内に挿入し、各積層体を約１３
０°の温度条件で１時間加熱して硬化させた。加熱硬化
終了後、オープンモールドから積層体を取り出し、芯材
の可撓性部材をシャフト先端側から抜き取った後で、脱
芯機を使用して反対側から芯材本体を抜き取り、シャフ
ト外側を被覆するラッピングテープを剥離した。その
後、得られたパターシャフトの表面を研磨し、所定の色
彩に塗装した。
【００１６】その結果、従来に比べて極めて少ないイニ
シャルコストで、多数のパターシャフトを同時に効率良
く製造することができた。また、繊維強化樹脂プリプレ
グを使用したことと、被覆フィルムの収縮作用とが相ま
って、表面にボイドが殆ど発生していなかったので、研
磨作業に要する時間が短くなり、しかも高品質のパター
シャフトを高収率で得ることができた。
シャルコストで、多数のパターシャフトを同時に効率良
く製造することができた。また、繊維強化樹脂プリプレ
グを使用したことと、被覆フィルムの収縮作用とが相ま
って、表面にボイドが殆ど発生していなかったので、研
磨作業に要する時間が短くなり、しかも高品質のパター
シャフトを高収率で得ることができた。
【００１７】更に、一方向性プリプレグを強化繊維の配
向角度が交差するように積層したことにより、屈曲部を
有するパターシャフトにおいて軽量化及び高強度化を図
ることができた。
向角度が交差するように積層したことにより、屈曲部を
有するパターシャフトにおいて軽量化及び高強度化を図
ることができた。
【００１８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のＦＲＰ管
の成形方法によれば、少なくとも屈曲部を成形する部分
を可撓性部材で構成した芯材の周囲に、熱硬化性樹脂か
らなる繊維強化樹脂プリプレグを巻き付け、さらに該繊
維強化樹脂プリプレグの外側を熱収縮性樹脂からなるフ
ィルムで被覆した後、この積層体をオープンモールドに
挿入し、前記可撓性部材を屈曲させた状態で加熱硬化さ
せるようにしたから、ゴルフのパターシャフトやテニス
ラケット等の屈曲部を有するＦＲＰ管の生産性及び品質
が向上し、その製造コストを低減することができる。ま
た、上記成形方法から得られる本発明のＦＲＰ管は、一
方向性プリプレグから成形できるから、屈曲部を有する
ＦＲＰ管において軽量かつ高強度の優れた特長を実現す
ることができる。
の成形方法によれば、少なくとも屈曲部を成形する部分
を可撓性部材で構成した芯材の周囲に、熱硬化性樹脂か
らなる繊維強化樹脂プリプレグを巻き付け、さらに該繊
維強化樹脂プリプレグの外側を熱収縮性樹脂からなるフ
ィルムで被覆した後、この積層体をオープンモールドに
挿入し、前記可撓性部材を屈曲させた状態で加熱硬化さ
せるようにしたから、ゴルフのパターシャフトやテニス
ラケット等の屈曲部を有するＦＲＰ管の生産性及び品質
が向上し、その製造コストを低減することができる。ま
た、上記成形方法から得られる本発明のＦＲＰ管は、一
方向性プリプレグから成形できるから、屈曲部を有する
ＦＲＰ管において軽量かつ高強度の優れた特長を実現す
ることができる。
【図１】本発明に係るＦＲＰ管の成形方法における芯材
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図２】本発明に係るＦＲＰ管の成形方法における加熱
硬化前の積層体を示す側面図である。
硬化前の積層体を示す側面図である。
【図３】本発明に係るＦＲＰ管の成形方法におけるオー
プンモールドを示す平面図である。
プンモールドを示す平面図である。
【図４】図３のＡ−Ａ線による断面図である。
【符合の説明】 １ 芯材 ４ 積層体 １ａ 芯材本体 ５ オープンモ
ールド １ｂ 可撓性部材 ５ａ キャビテ
ィ ２ 繊維強化樹脂プリプレグ ５ｂ 曲管成形
部 ３ 熱収縮性樹脂からなるフィルム ６ 上蓋
ールド １ｂ 可撓性部材 ５ａ キャビテ
ィ ２ 繊維強化樹脂プリプレグ ５ｂ 曲管成形
部 ３ 熱収縮性樹脂からなるフィルム ６ 上蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ２９Ｋ 105:08 Ｂ２９Ｌ 31:52 4Ｆ
Claims (2)
- 【請求項１】 少なくとも屈曲部を成形する部分を可撓
性部材で構成した芯材の周囲に、熱硬化性樹脂からなる
繊維強化樹脂プリプレグを巻き付け、さらに該繊維強化
樹脂プリプレグの外側を熱収縮性樹脂からなるフィルム
で被覆した後、この積層体をオープンモールドに挿入
し、前記可撓性部材を屈曲させた状態で加熱硬化させる
屈曲部を有する繊維強化樹脂製管の成形方法。 - 【請求項２】 少なくとも屈曲部が長繊維状の多数本の
強化繊維が同一方向に配列された繊維強化樹脂層から構
成されている屈曲部を有する繊維強化樹脂製管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4173216A JPH0615750A (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 屈曲部を有する繊維強化樹脂製管の成形方法及び繊維強化樹脂製管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4173216A JPH0615750A (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 屈曲部を有する繊維強化樹脂製管の成形方法及び繊維強化樹脂製管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0615750A true JPH0615750A (ja) | 1994-01-25 |
Family
ID=15956285
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4173216A Pending JPH0615750A (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 屈曲部を有する繊維強化樹脂製管の成形方法及び繊維強化樹脂製管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0615750A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102233669A (zh) * | 2010-05-07 | 2011-11-09 | 上海启鹏工程材料科技有限公司 | 一种frp筋的制备方法以及由该方法制备而成的frp筋 |
| JP2014091260A (ja) * | 2012-11-05 | 2014-05-19 | Railway Technical Research Institute | 電車線支持用ｆｒｐ絶縁水平パイプの製造方法及びそのｆｒｐ絶縁水平パイプ |
| JP2021094699A (ja) * | 2019-12-13 | 2021-06-24 | ミズノ テクニクス株式会社 | 繊維強化複合材及び繊維強化複合材の製造方法 |
-
1992
- 1992-06-30 JP JP4173216A patent/JPH0615750A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| CN102233669B (zh) * | 2010-05-07 | 2015-08-19 | 上海启鹏工程材料科技有限公司 | 一种frp筋的制备方法以及由该方法制备而成的frp筋 |
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