JP2007319020A - 振出竿の合わせ部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 小径竿体1の最外層の外周面を大径竿体2の最内層の内周面に圧接させることによって、小径竿体1を大径竿体2に対して伸長状態に保持する。小径竿体1の最外層に、小径竿体1を形成しているプリプレグに比べて硬質の粒体3を散在させるとともに、粒体3の表面が最外層の外周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、粒体3を埋入させてある。
【選択図】 図1
Description
請求項1に係る発明の特徴構成は、前記小径竿体の最外層と前記大径竿体の最内層とのうちの少なくともいずれか一方に、前記小径竿体または前記大径竿体を形成しているプリプレグに比べて硬質の硬質体を散在させるとともに、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、前記硬質体の表面が前記最内層の内周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、前記硬質体を埋入させてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
小径竿体の最外層の外周面又は大径竿体の最内層の内周面に、前記した硬質の硬質体を散在させてあるので、合わせ部は小径竿体又は大径竿体を構成するプリプレグと硬質体とが混在した構成となっている。これによって、小径竿体の最外層の外周面又は大径竿体の最内層の内周面に作用する圧接力は、その一部を硬質体が受け止めることとなり、プリプレグだけに大きな圧接力が作用することはない。
しかも、硬質体はプリプレグより硬質であるので、耐磨耗性が高く、プリプレグが磨耗することによる磨耗の伝播を抑制する。
それに加えて、硬質体自体は、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面又は前記最内層の内周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、埋入されているので、相手側のプリプレグと直接接触することは少なく、硬質体が相手側のプリプレグに接触して接触したプリプレグを傷めるということも少ない。
したがって、合わせ部として摩滅に強いものを提供することができ、その為の手段が硬質体を埋入させるだけの簡単なものでよく、変更に掛かる負担も軽減できるに至った。
ここでは、単一の竿体における竿先側端部の最内層の内周面と、竿元側端部の最外層の外周面とのいずれにも硬質体を散在させた合わせ部を構成できる。
これによって、硬質体を竿元側端部の最外層の外周面に施した小径竿体と、硬質体を竿先側端部の最内層の内周面に施した大径竿体と、硬質体を竿体の竿元側端部の最外層の外周面と竿先側端部の最内層の内周面との両面に施した形態のものを提示した。
このような3つの形態のものを揃えることによって、これらを自由に組み合わせることができ、合わせ部での嵌合力や振出竿としての調子を選択設定することが容易になる。
強化繊維群に合成樹脂を含浸させることによって形成したプリプレグシートから、竿の軸線方向に沿った長さの長い長寸のメインパターンと竿の軸線方向に沿った長さの短い短寸の補強パターンとを形成し、前記メインパターンをマンドレルに巻回するとともに、その巻回したメインパターンの外周面に補強パターンを巻回し、そのメインパターンと補強パターンの上から、プリプレグテープを螺旋状に巻回した状態で、その竿尻端部に、前記硬質体を介在させた状態で、その上から前記補強パターンとは異なる補強パターンを巻回して竿素材を構成し、前記竿素材の外周面に保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後の前記竿素材の外周面に、前記硬質体の表面を前記外周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、研磨処理を施して前記小径竿体を構成する点にあり、その作用効果は次の通りである。
硬質体を竿元側端部の外周面に埋入するのに、巻回したプリプレグテープの竿尻端部の所定位置に硬質体を介在させた状態でその硬質体の上から、前記補強パターンとは異なる補強パターンを巻回することによって、硬質体を埋入できる。
補強パターンを巻回した後に、保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後合わせ部相当位置に、研磨処理を施す。
この研磨処理によって、竿素材の竿元側端部の外周面を相手側の合わせ部に対応した合わせ寸法に形成できる。この合わせ部の寸法調整に掛かる研磨処理の段階で前記硬質体に対しても表面研磨が行われる。これによって、前記硬質体の表面を前記外周面に対して、面一状態か僅かに凹入する状態となるように形成することができる。
したがって、外周面の径寸法を合わせ寸法に設定する研磨処理を行うことによって、硬質体の表面処理も同時に行うことができる。
いずれの場合にも、小径竿体を形成していく製法を変更せずに製作過程の流れの中で、前記硬質体の表面を前記外周面に対して、面一状態か僅かに凹入する状態となるように形成することができるので、別途に製作する必要がなく、製作負担が少ない。
強化繊維群に合成樹脂を含浸させることによって形成したプリプレグシートから、竿の軸線方向に沿った長さの長い長寸のメインパターンを形成し、前記メインパターンをマンドレルに巻回する際に、前記マンドレルと前記メインパターンの竿先側端部の間に前記硬質体を配置した状態で前記メインパターンを巻回して竿素材を構成し、前記竿素材の外周面に保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後の前記竿素材の竿先側端部の内周面に、前記硬質体の表面を前記内周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、研磨処理を施して前記大径竿体を構成する点にあり、その作用効果は次の通りである。
硬質体を竿先側端部の内周面に埋入するのに、最内側のメインパターンの所定位置に硬質体を装着することによって、硬質体をマンドレルとメインパターンとの間に位置するようにメインパターンを巻回することによって、硬質体を埋入できる。このような方法を採ることによって、前記硬質体の表面を前記内周面と、面一状態に設定できる。
ただし、硬質体が突出する状態があれば、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、内周面の径寸法を合わせ寸法に設定する際に使用される研磨処理を行う段階で同時に行うことができる。
つまり、補強パターンを巻回した後に、保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後合わせ部相当位置に、研磨処理を施す。
この研磨処理によって、竿素材の竿先側端部の内周面を相手側の合わせ部に対応した合わせ寸法に形成できる。この合わせ部の寸法調整に掛かる研磨処理の段階で前記硬質体に対しても表面研磨が行われる。これによって、前記硬質体の表面を前記内周面に対して、面一状態か僅かに突出する状態となるように形成することができる。
したがって、相手側の合わせ部との合わせ寸法に設定する研磨処理を行うことによって、硬質体の表面処理も同時に行うことができる。
いずれの場合にも、小径竿体を形成していく製法を変更せずに製作過程の流れの中で、前記硬質体の表面を前記外周面に対して、面一状態か僅かに突出する状態となるように形成することができるので、別途に製作する必要がなく、製作負担が少ない。
振出竿Aについて説明する。図1に示すように、小径竿体1の竿元側端部1Bの最外層の外周面を大径竿体2の竿先側端部2Aの最内層の内周面に圧接させることによって、小径竿体1を大径竿体2に対して伸長状態に保持する振出竿Aの合わせ部構造を構成してある。
3つのメインパターン4A、4B、4Cを重ね巻きして形成した竿素材の竿先側端部の外周面に、第1補強パターン5Aを、前記竿素材の竿元側端部の外周面に第2補強パターン5Bを巻回して、夫々、最外層を形成してある。
このプリプレグテープ7を巻回した竿素材に対して、図3に示すように、竿尻端部に第3補強パターン5Cを施す。第3補強パターン5Cは、第2補強パターン5Bと同一のものである。
成形テープ8を巻回したものをマンドレル6に装着した状態で、図示しない、焼成炉で焼成し、図3(ホ)に示すように、焼成後成形テープ8を剥離する。
その後、図3(ヘ)に示すように、小径竿体1の竿元側端部1Bの最外層の外周面に対して、大径竿体2の竿先側端部2Bの最内層の内周面に圧接するように、センタレスマシン9により合わせ加工を行う。このセンタレスマシン9によって加工を行う過程で、図3(ト)に示すように、前記した粒体3の一部が竿元側端部1Bの外周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、研磨処理を施すことにする。
一方、大径竿体2の竿先側端部2Aの最内層の内周面に粒体3を施す場合は、次ぎのように行う。図4に示すように、第1メインパターン4Aをマンドレル6に巻回する際に、第1メインパターン4Aの竿先側端部の内面に粒体3を接着固定して、マンドレル6に第1メインパターン4Aを巻回して、粒体3を第1メインパターン4Aの竿先側端部2Aに埋入させるように構成する。
ここでは、図5に示すように、単一の竿体10に、竿体10の竿元側端部10Bの最外層と竿体10の竿先側端部10Aの最内層との両方に、粒体3を埋入散在させ、粒体3の一部が竿元側端部10Bの外周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、また、粒体3の一部が竿先側端部10Aの内周面と、面一状態か僅かに凹入する状態となるように、研磨処理を施すことにする。
このような3つの形態のものを揃えることによって、これらを自由に組み合わせることが可能になり、合わせ部での嵌合力や振出竿としての調子を選択できるようになる。
ここでは、大径竿体2の竿先側端部2Aの内側層の内周面に粒体3を施すについて、内側補強パターン5Dを導入する形態について説明する。図6に示すように、内側補強パターン5Dを、メインパターン4より軸線方向に沿った長さが短く、かつ、強化繊維cを竿の周方向に沿って引き揃えて構成する。この内側補強パターン5Dをマンドレル6に巻回する際に、この内側補強パターン5Dに粒体3を装着した後に巻回する。
(1) メインパターン4として3枚のものを使用したが、枚数に制限はなく、1枚でもよい。この1枚のものを複数プライに巻回する方法を採ってもよい。
(2) 補強パターン5を使用したが、竿体の強度や調子を設定する関係において、使用の可否を検討してもよい。
(3) メインパターン4、及び、補強パターン5に使用されるプリプレグの強化繊維cとしては、炭素繊維以外にガラス繊維、ボロン繊維等が使用可能であり、マトリックス樹脂としては、エポキシ以外にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、又は、PET等の熱可塑性樹脂が使用できる。
(4) 補強パターン5としては、強化繊維cを竿の周方向に沿って引き揃えた形態について説明したが、竿の軸線方向に沿って引き揃えるものでもよく、或いは、強化繊維cを交差させて編み込んだクロス状プリプレグを使用してもよい。
(5) 小径竿体1の竿元側端部の外周面に粒体3を埋入する点について説明したが、必ずしも、竿元側端部である必要はなく、竿の中間部であってもよい。
(6) 硬質体としては、必ずしも、粒体の形状を採る必要はなく、板状、多角形状等の形状を採ることができる。
1B 竿元側端部
2 大径竿体
2A 竿先側端部
3 硬質体(粒体)
4 メインパターン
5 補強パターン
6 マンドレル
8 成形テープ
Claims (4)
- 小径竿体の最外層の外周面を大径竿体の最内層の内周面に圧接させることによって、小径竿体を大径竿体に対して伸長状態に保持する振出竿の合わせ部構造であって、
前記小径竿体の最外層と前記大径竿体の最内層とのうちの少なくともいずれか一方に、前記小径竿体または前記大径竿体を形成しているプリプレグに比べて硬質の硬質体を散在させるとともに、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、前記硬質体の表面が前記最内層の内周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、前記硬質体を埋入させてある振出竿の合わせ部構造。 - 前記小径竿体又は前記大径竿体のうち少なくともいずれか一方の竿体において、前記竿体の竿元側端部の最外層、及び、前記竿体の前記竿先側端部の最内層夫々に、前記硬質体を埋入させ、前記硬質体の表面が前記最外層の外周面に対して面一状態か又は凹入する状態で、前記硬質体の表面が前記最内層の内周面に対して面一状態か又は凹入する状態で、前記硬質体を散在させてある請求項1記載の振出竿用竿体の合わせ部構造。
- 小径竿体を製造する振出竿用竿体の製造方法であって、
強化繊維群に合成樹脂を含浸させることによって形成したプリプレグシートから、竿の軸線方向に沿った長さが長い長寸のメインパターンと竿の軸線方向に沿った長さが短い短寸の補強パターンとを形成し、前記メインパターンをマンドレルに巻回するとともに、その巻回したメインパターンの外周面に補強パターンを巻回し、そのメインパターンと補強パターンの上から、プリプレグテープを螺旋状に巻回した状態で、その竿尻端部に、前記硬質体を介在させた状態で、その上から前記補強パターンとは異なる補強パターンを巻回して竿素材を構成し、前記竿素材の外周面に保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後の前記竿素材の外周面に、前記硬質体の表面を前記外周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、研磨処理を施して前記小径竿体を構成する請求項1記載の振出竿用竿体の製造方法。 - 大径竿体を製造する振出竿用竿体の製造方法であって、
強化繊維群に合成樹脂を含浸させることによって形成したプリプレグシートから、竿の軸線方向に沿った長さが長い長寸のメインパターンを形成し、前記メインパターンをマンドレルに巻回する際に、前記マンドレルと前記メインパターンの竿先側端部の間に前記硬質体を配置した状態で前記メインパターンを巻回して竿素材を構成し、前記竿素材の外周面に保形用の成形テープを巻回した状態で焼成し、焼成後に成形テープを剥離して、剥離後の前記竿素材の竿先側端部の内周面に、前記硬質体の表面を前記内周面に対して面一状態か又は凹入する状態となるように、研磨処理を施して前記大径竿体を構成する請求項1記載の振出竿用竿体の製造方法。
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