JP2010136640A - リールに使用するスプール - Google Patents

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Abstract

【課題】強度を確保しつつ、可及的に軽量化を図るか或いは低コスト化を図ったスプールを提供する。
【解決手段】スピニングリールに組み込まれて釣糸を巻回させるスプールであって、該スプールの軸長方向両端部は、該両端部の間領域の胴体部22に対して大きな外径の環状部24,26を有しており、何れか一方の環状部24が前記胴体部に対して45度以上の急勾配で立ち上がった急変部を有しており、他方の環状部26は、スプールとスプール軸30とを連結させる連結部28と一体となっているか又は連結部によって受け止められる構造であり、少なくとも前記急変部と前記胴体部とを繊維強化樹脂により一体に成形したスプール本体部を具備しており、該スプール本体部は3枚以上のプリプレグシートを円周方向に配設して成形し、少なくとも前記胴体部の軸長方向中央部に補強部を設けている。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピニングリールや両軸受型リールに組み込まれて釣糸を巻回させるスプールに関する。
所謂、投げ竿ではスピニングリールが使用される。このため、スピニングリールが重いと仕掛けを遠くに投げる際に大きなエネルギーを要し、投擲者の体力を消耗させる。また、投げ竿に使用しなくてもスピニングリールの軽量化は釣りを快適にさせる。従って、スピニングリールには軽量化が求められる。一方、スピニングリールのスプールは釣糸を巻回させて使用すると共に、巻回した釣糸の締め付け力によって潰されようとし、環境の温度変化によって釣糸が伸縮する力が作用し得る。この他、両軸受型リールを装着した釣竿においても、仕掛けを所望位置に投擲する操作が頻繁に行われるため、スピニングリールと同様に軽量化の要請は高い。また、巻回した釣糸の締め付け力によって潰されようとする力が作用し得ることも同様である。
前記軽量化やコスト低下を狙って、従来の金属製のスプールを合成樹脂材の射出成形によって樹脂製にしたものや、また、下記特許文献1に開示のように、合成樹脂に短い強化繊維を混合させたものを射出成形したものや強化繊維を編組したものを使用した繊維強化樹脂製のものがある。
特開昭和56−45149号公報
然しながら、樹脂製のものでは、その強度を保持させるために非常に厚肉化させる必要があり、必ずしも軽量化が充分ではない。また、特許文献1に開示のものでも、強化繊維をスプールの軸方向に延伸させることが開示されているに過ぎない。
依って解決しようとする課題は、強度を確保しつつ、可及的に軽量化を図るか或いは低コスト化を図ったスプールを提供することである。
第1の発明は、スピニングリールに組み込まれて釣糸を巻回させるスプールであって、該スプールの軸長方向両端部は、該両端部の間領域の胴体部に対して大きな外径の環状部を有しており、何れか一方の環状部が前記胴体部に対して45度以上の急勾配で立ち上がった急変部を有しており、他方の環状部は、スプールとスプール軸とを連結させる連結部と一体となっているか又は連結部によって受け止められる構造であり、少なくとも前記急変部と前記胴体部とを繊維強化樹脂により一体に成形したスプール本体部を具備しており、該スプール本体部は、プリプレグシートを3枚以上の複数枚準備し、それらを円周方向に配設して成形されており、該スプール本体部は、少なくとも前記胴体部の軸長方向中央部に補強部を設けていることを特徴とするスプールを提供する。
第2の発明は、第1の発明の前記補強部は、スプール本体部の前記急変部から他側の端部にまで延伸しているよう構成する。
この延伸方向は、母線方向に沿って直線状になっていてもよく、母線方向に対して傾斜していてもよく、また螺旋状になっていてもよい。
第3の発明は、両軸受型リールに組み込まれて釣糸を巻回させるスプールであって、該スプールの軸長方向両端部は、該両端部の間領域の胴体部に対して大きな外径の環状部を有していると共に、各環状部は前記胴体部に対して45度以上の急勾配で立ち上がった急変部を有しており、該急変部と前記胴体部とを繊維強化樹脂により一体に成形したスプール本体部を具備しており、該スプール本体部は、プリプレグシートを3枚以上の複数枚準備し、それらを円周方向に配設して成形されており、該スプール本体部は、少なくとも前記胴体部の軸長方向中央部に補強部を設けていることを特徴とするスプールを提供する。
第4の発明は、第3の発明の前記補強部は、スプール本体部の前記急変部間に亘って延伸しているよう構成する。
この延伸方向は、母線方向に沿って直線状になっていてもよく、母線方向に対して傾斜していてもよく、また螺旋状になっていてもよい。
第5の発明は、第1〜4の発明の前記補強部はスプール本体部の円周方向に分散して複数箇所に設けられており、前記スプール本体部は、円周方向に隣接したプリプレグシート同士を部分的に重合させつつ形成されており、前記補強部はこの部分的重合部であるよう構成する。
第6の発明は、第5の発明の円周方向に隣接したプリプレグシート同士を部分的に重合させる形態として、所定のプリプレグシートに対して、一側の隣接プリプレグシートを内側に配設し、他側の隣接プリプレグシートを外側に配設しつつ、前記一側の隣接プリプレグシートの重合する部位の前記所定のプリプレグシートの部分と、前記他側の隣接プリプレグシートの重合する部位の前記所定のプリプレグシートの部分との半径位置が異なるよう構成する。
ここで、所定のプリプレグシートは、3枚以上であるN枚のプリプレグシートを円周方向に配設する場合に、任意のプリプレグシートの場合もあり、また、2枚を除いた残りの(N−2)枚の中の任意のプリプレグシートの場合もある。
第7の発明は、第1〜第6の発明の前記複数枚のプリプレグシートの夫々の寸法形状が同じであるよう構成する。
第1の発明では、スプール本体部は急変部を有するため、プリプレグシートによるしわを少なくしたり、強化繊維の、所謂、蛇行の発生を防止すべく、分離した複数枚のプリプレグシートを円周方向に配設することで筒状に形成する必要がある。軽量で高強度なスプールとするためには、スプールの中で巻回釣糸から締め付け力を受けると共に構造的に相対的に弱いといえる胴体部を一律に厚肉化して高強度化したり、或いは、一律に高強度な強化繊維を使用する形態もあり得るが、前者では必ずしもスプールの軽量化にならず、後者ではコスト的に高くなる場合がある。このため、胴体部を一律に高強度化するのではなく、部分的に行う。スプール本体部を使用したスプールは両端部に環状部を有している。この2つの環状部は、少なくとも一方は急変部であり、他方はスプール軸との連結部と一体となっているか又は該連結部によって受け止められる構造であり、何れも構造的に高強度である。従って、スプールの両端部とその近くの胴体部は高強度であり、胴体部の軸長方向中央部が相対的に弱い。このため、少なくとも胴体部の軸長方向中央部に補強部を設けておけばスプール全体が高強度になる。従って、強度を確保しつつ、可及的に軽量化が達成できたり、或いは低コスト化が可能となる。
第2の発明では、補強部がスプール本体部の急変部から他側の端部にまで延伸しているため、スプールとして構成した場合に該補強部がスプール両端部の環状部に至っている。この2つの環状部は、少なくとも一方は急変部を有しており、他方はスプール軸との連結部と一体となっているか又は該連結部によって受け止められる構造であり、何れも構造的に高強度である。補強部がこうした両環状部間に亘っているためスプール全体が特に高強度になる。
第3の発明では、スプール本体部は急変部を有するため、プリプレグシートによるしわを少なくしたり、強化繊維の、所謂、蛇行の発生を防止すべく、分離した複数枚のプリプレグシートを円周方向に配設することで筒状に形成する必要がある。軽量で高強度なスプールとするためには、スプールの中で巻回釣糸から締め付け力を受けると共に構造的に相対的に弱いといえる胴体部を一律に厚肉化して高強度化したり、或いは、一律に高強度な強化繊維を使用する形態もあり得るが、前者では必ずしもスプールの軽量化にならず、後者ではコスト的に高くなる場合がある。このため、胴体部を一律に高強度化するのではなく、部分的に行う。スプール本体部(スプール)は両端部に急変部を有する環状部を有しており、何れも構造的に高強度である。従って、スプール本体部の両端部とその近くの胴体部は高強度であり、胴体部の軸長方向中央部が相対的に弱い。このため、少なくとも胴体部の軸長方向中央部に補強部を設けておけばスプール本体部全体が高強度になる。従って、強度を確保しつつ、可及的に軽量化が達成できたり、或いは低コスト化が可能となる。
第4の発明では、補強部がスプール本体部の各急変部間に亘って延伸しており、また、急変部を有する両環状部は何れも構造的に高強度である。従って、こうした両環状部間に亘っている補強部の存在のためスプール全体が特に高強度になる。
第5の発明では、補強部がスプール本体部の円周方向に分散して複数箇所に設けられており、この各補強部が円周方向に隣接したプリプレグシート同士の重合部であるため、筒状のスプール本体部を成形する際に補強部が一緒に形成され、スプールの製造が効率的に行えると共に、軽量化に寄与する。
第6の発明では、所定のプリプレグシートの一側の隣接プリプレグシートを内側に配設し、他側の隣接プリプレグシートを外側に配設した重合形態にするので、円周方向へのプリプレグシートの配設が容易になる。
第7の発明では、各プリプレグシートの寸法形状が同じものであるため、プリプレグシートを円周方向に配設する際、均等に配設できる。
また、寸法形状以外に、マトリックス樹脂や繊維の種類も、更にプリプレグシートの組み合わせ構造も同じにすれば、スプール本体部製造のためのプリプレグシートの準備が簡便になり、円周方向へのプリプレグシート配設の都度、プリプレグシート種類を確認する必要もなく、迅速に製造作業ができる。
以下、本発明を添付図面を用いて更に詳細に説明する。図1は本発明に係るスプール20を使用したスピニングリールの側面図であり、図2は図1のスプール20の側面図、図3は図2の縦断面図、図4は図3の矢視線Dによる正面図、図5は図2の矢視線E−Eによる横断面の模式図である。スピニングリールSPは、リール脚10を釣竿に装着させて使用する。図示しないハンドルを回転させてロータ12を回転させる。このロータ12には、ベールアーム14を介してベール16を装着しており、ロータ回転中に、このベールを介して釣糸をスプール20の胴体部22に巻回させる。
スプール20は、前細円錐台形状の胴体部22と、後端部において段差状に大径化した急変部を有する後側環状部24と、前端部において胴体部よりも大径化した前側環状部26とを有している。この形態例では、前側環状部26はリム構造を成している連結部28の外周部として一体形成されており、連結部と共に金属で形成されている。この形態例では、胴体部22と後側環状部24とを繊維強化樹脂によって一体に成形し、スプール本体部を成している。スプール本体部は、その前端部内周が、金属製連結部28の前側環状部26の後端部に設けた段差部28Dによって受け止められる構造であり、この部位を接着固定等によって接合し、スプール本体部と連結部とが一体に動くように構成されている。
連結部は、金属の他、繊維強化樹脂製等にしてもよい。また、この前側環状部26は、連結部と切り離して繊維強化樹脂によってスプール本体部と一体に成形してもよく、この場合、スプール本体部の一部である前側環状部26の内周を、連結部の外周によって受け止める構造となる。この連結部28は、その中心部においてスプール軸30と連結され、スプール軸の前後動によって、スプール本体部と連結部との一体化物、即ち、スプール20を前後動させる。
製法は後述するが、図5を参照すれば分かるように、隣接プリプレグシート同士が重合して厚肉化された重合部Jが、この形態例では円周方向に等角度間隔で分散している。即ち、スプール本体部は均一な肉厚ではなく、円周方向において部分的に厚肉化している。既述の説明から明らかなように、スプール20は、後側環状部24と前側環状部を含む連結部28の存在により、スプールの前後端部と、胴体部22の前記前後端部の近くは構造的に高強度である。相対的に言って構造的に弱いのは、胴体部の前後方向の中央部である。従って、少なくともこの中央部を含むように胴体部又はスプール本体部を補強すればスプールが高強度になる。その場合、可及的に軽量化を図るべく、円周方向において部分的に厚肉化によって強度補強する。この形態例では、厚肉部である重合部Jを、スプール本体部の前端部から後端部に亘って形成しているため、この重合部がスプール20の本来的に高強度な前後端部と連結されている。このためスプール全体として非常に強い構造となっている。
また、上記説明では、スプールを重合部という厚肉化によって補強しているが、この他、補強すべき部位に高強度な強化繊維を使用したり、強化繊維の量を多くする手段でも補強は可能である。また、後述の図12において説明するのと同様に、円周方向の所定位置に設けた重合部に更に細幅のプリプレグシート(テープ状プリプレグ)を配設してもよいし、プリプレグシート同士の重合部を設けることなくこのテープ状プリプレグを別途配設してもよい。その他、ステンレスや超弾性金属等の金属線等の補強線材を軸長方向や傾斜方向に沿って設けてもよい。これらの場合も、円周方向において部分的に行うことで、低コスト化に寄与したり、軽量化に寄与できる。
スプール本体部は、後側環状部と胴体部とが段差部を介して連続していたり、また、胴体部22の前細テーパ率も大きい。従って、釣竿の竿管成形時のように、円周方向1周分を1枚の連続したプリプレグシートで形成する、というようなことはできない。このため、円周方向において3枚以上に分割した複数のプリプレグシートを使用する。この例では8分割しており、この例の各プリプレグシートは、寸法形状のみならず、マトリックス樹脂や繊維の種類も、更にプリプレグシートの組み合わせ構造も実質同じものである。
図6は図5の1層目のみを図示した図であり、図7は図6を更に模式化した図であり、図8はスプール本体部に使用されている3種類の台形状のプリプレグシートP1,P2,P3を示す図である。図5の1層目には図8のプリプレグシートP1が使用され、2層目にはP2が、3層目にはP3が使用されている。1層目のプリプレグシートの巻回は、図示しない芯金の表面に第1のプリプレグシートP1−1を載置(貼着)し、この上に、円周方向幅の一部を重合させつつ第2のプリプレグシートP1−2を載置し、この部分重合をしつつ、残りのプリプレグシートP1−3,4,5,6,7を載置する。最後のプリプレグシートP1−8は、プリプレグシートP1−1とP1−7とに外側から夫々部分的に重合させつつ残っている芯金表面の上に載置させる。従って、製造が極めて容易になる。これらの重合部Jの幅は各プリプレグシートの幅の20%以上とするとよい。
図6,7では、プリプレグシートP1−2〜7までの(8−2)枚は重合部Jを外れた位置で、径方向成分を含む方向、実際は斜め方向、に曲がった曲げ部を有し、この各プリプレグシートは、円周方向一側のプリプレグシートに対する重合部の部分と非重合部の部分とでは半径位置が異なっている。プリプレグシートP1−8についても、形態は異なるが曲げ部を有し、半径位置が異なることも同様である。第1のプリプレグシートP1−1のみは曲げ部を有していない。
この形態例では、2層目も3層目も、各プリプレグシートは、対応する1層目の各プリプレグシートと同じ角度位置に夫々載置し、円周方向に隣接したプリプレグシート同士の重合関係は、1層目と同じ重合関係にして2層目と3層目を形成している。従って、これは重合部Jが最も厚肉化されるプリプレグシートの配設形態である。こうして必要層数の形成後に、緊締テープによって外周から緊締し、定法に従って加熱成形する。
この形態例で使用したプリプレグシートを説明しておく。図8の(a)は、ガラス繊維のスクリムシートSの上に、強化繊維たる炭素繊維がシートの長手方向に対して45度方向に指向した引揃シートB1と、これと対称な−45度方向に指向した引揃シートB2とを重ねてバイアスシートP1を構成している。この形態例では(b)も(a)と同じであるが、炭素繊維の弾性率等を異ならせてもよい。(c)は交織クロスであり、最外層故に美観を考慮している。これらのシートに使用している合成樹脂はエポキシ樹脂である。
スプール本体部の層数は3層以外の任意の層数でもよい。また、使用するプリプレグシートは図8のような形態以外に、2軸の平織りや3軸の織物等の織物であってもよい。
上記実施形態例の変形形態として、図9の(a)の重合形態では、第1のプリプレグシートP1−1’と最後のプリプレグシートP1−8’との重合関係が図7の重合関係と異なるが、その他は同じ重合関係である。図7の場合と同じように7枚のプリプレグシートを順次配設し、最後のプリプレグシートP1−8’を配設する際に、該プリプレグシートP1−8’の一部分を第1のプリプレグシートP1−1’の内側に潜り込ませるため、作業性が少し劣る。しかし、この構造は回転対称性を有する形態であり、同様に2層目と3層目を配設しても、均一な形態のスプール本体部が形成できる。既述の曲げ部は全てのプリプレグシートが有している。
図9の(b)の重合形態では、芯金の表面に、まず4枚のプリプレグシートP1−1,3,5,7を同じ間隔を隔てて載置し、その後から、これらの各プリプレグシート間の芯金表面に、他の4枚のプリプレグシートP1−2,4,6,8を、前記プリプレグシートP1−1,3,5,7の夫々と円周方向両側が同じ重合関係となるように載置して行く。この形態でも、回転対称性のみならずスプール本体部の中心を通る径方向軸線に対しても対称性を有し、同様に2層目と3層目を配設しても、均一な形態のスプール本体部が形成できる。既述の曲げ部は半分の前記4枚のプリプレグシートP1−2,4,6,8だけが有している。
以上では、芯金として円錐台形状の芯金を使用し、重合部の突出方向をスプールの外周側に設けたが、図10は、重合部の突出方向を内側に設けたスプール本体部の横断面図の例である。この例は4枚のプリプレグシートPでスプール本体部を成形している。この製法としては、図11に示すように、芯金40の外周に、長手方向に沿った平面部40Hを、この場合は、4箇所90度間隔で均等に設けている。この芯金の表面に、プリプレグシートPを図9の(a)と同様な重合配設形態により配設する。この上から緊締テープで加圧し、加熱成形すると図10のように成形される。
図12は、隣接したプリプレグシートP,P同士の重合部Jを更に補強する場合、例えば、これらの間に、単に細長いプリプレグシートKPや、強度の強い又は弾性率の高い炭素繊維等の強化繊維の細長いプリプレグシートKPを配設し、一緒に加圧加熱成形すればよいことを図示している。この他、プリプレグシートPを製造する際に、そのシートPの重合予定の領域に、強度の強い又は弾性率の高い炭素繊維等の強化繊維を配設したり、また、他の領域よりも多くの(高密度に)強化繊維を配設してもよいことは勿論である。このように、各プリプレグシートの中の所定位置に補強部を設けておくならば、隣接プリプレグシート同士を重合させなくても、スプール(スプール本体部)の円周方向所定位置に補強部を分散配置できる。更には、重合部と、プリプレグシートの特定部位に強度の強い又は弾性率の高い炭素繊維等の強化繊維を配設したり、強化繊維量を多くすることを併用することもできる。
上記図5に示す例のように、複数層構造とする場合、全ての層の重合部を同じ円周方向位置に設定するのではなく、例えば、1層目の重合部と2層目の重合部の円周方向位置をずらせるという構造にしてもよい。また、各層内のプリプレグシートを同じにせず、異なったものとしてもよい。
以上のスプール本体部は、スプール本体部の母線方向や傾斜方向に指向した補強部を有しているが、この補強部を有しつつその他の補強層を有してもよい。例えば、巻回した釣糸の収縮による潰れに対する補強として、特に潰れの生じ易い胴体部の前後方向中間部において、強化繊維が円周方向に指向したプリプレグシートによる補強層を設けるとよい。この強化繊維の指向方向である円周方向は、傾斜方向でもよく、例えば、バイアスシートを使用することもできる。また、プリプレグシートによる補強でなく、フィラメントワインディングにより強化繊維を巻回してもよい。これは、胴体部の中間部に限らず、スプール本体部の内層や外層として使用しても良い。
更には、以上の例のスプール本体部は、胴体部22と後側環状部24とを一体化させているか、又はこれに前側環状部26を含めて一体化したが、この他、胴体部と前側環状部とを一体化させ、後側環状部を別部品にする形態もあり得る。但し、スプール本体部が後側環状部と組み合わせられてスプールとして構成された場合に、該スプールの前後端部が、胴体部に比較して構造的に強い構造(傾斜角度が45度以上の急変部を有したり、リブやフレームが存在する等の構造)である必要がある。
両軸受型リールのスプールの場合は、胴体部が前後方向ではなく左右方向に延伸しており、胴体部の一端側が細くなることもなく、実質一定外径を有していることが異なるが、その他はスピニングリールのスプールで説明したのと同様である。図13を参照して簡単に説明する。この型のスプール20’は、軸長方向両端部の環状部24’,26’と、これらの間の胴体部22’とを、繊維強化樹脂によって一体に成形したスプール本体部である。左右何れの側の環状部も、胴体部表面から傾斜角度が45度以上の急勾配で立ち上がった急変部を有している。プリプレグシートの配設形態等はスピニングリールのスプール本体部と同様であるため、説明を省略する。
本発明は、スピニングリールや両軸受型リールに使用のスプールに利用できる。
図1は本発明に係るスプールを使用したスピニングリールの側面図である。 図2は図1のスプールの側面図である。 図3は図2のスプールの縦断面図である。 図4は図3の矢視線Dによる正面図である。 図5は図2の矢視線E−Eによる横断面の模式図である。 図6は図5の1層目のみを図示した図である。 図7は図6を更に模式化した図である。 図8はスプール本体部に使用されている3種類のプリプレグシートの図である。 図9はプリプレグシートの配設変形例を示す模式図である。 図10は本発明に係るスプールの他の形態例の横断面図である。 図11は図10のスプールの製法説明図である。 図12は本発明に係るスプールの補強部の他の形態製法を示す図である。 図13は両軸受型リールのスプール模式的縦断面図である。
符号の説明
20 スプール
22 胴体部
24 後側環状部
26 前側環状部
28 連結部
30 スプール軸
J 重合部

Claims (7)

  1. スピニングリールに組み込まれて釣糸を巻回させるスプールであって、該スプールの軸長方向両端部は、該両端部の間領域の胴体部に対して大きな外径の環状部を有しており、何れか一方の環状部が前記胴体部に対して45度以上の急勾配で立ち上がった急変部を有しており、
    他方の環状部は、スプールとスプール軸とを連結させる連結部と一体となっているか又は連結部によって受け止められる構造であり、
    少なくとも前記急変部と前記胴体部とを繊維強化樹脂により一体に成形したスプール本体部を具備しており、
    該スプール本体部は、プリプレグシートを3枚以上の複数枚準備し、それらを円周方向に配設して成形されており、
    該スプール本体部は、少なくとも前記胴体部の軸長方向中央部に補強部を設けている
    ことを特徴とするスプール。
  2. 前記補強部は、スプール本体部の前記急変部から他側の端部にまで延伸している請求項1記載のスプール。
  3. 両軸受型リールに組み込まれて釣糸を巻回させるスプールであって、該スプールの軸長方向両端部は、該両端部の間領域の胴体部に対して大きな外径の環状部を有していると共に、各環状部は前記胴体部に対して45度以上の急勾配で立ち上がった急変部を有しており、
    該急変部と前記胴体部とを繊維強化樹脂により一体に成形したスプール本体部を具備しており、
    該スプール本体部は、プリプレグシートを3枚以上の複数枚準備し、それらを円周方向に配設して成形されており、
    該スプール本体部は、少なくとも前記胴体部の軸長方向中央部に補強部を設けている
    ことを特徴とするスプール。
  4. 前記補強部は、スプール本体部の前記急変部間に亘って延伸している請求項3記載のスプール。
  5. 前記補強部はスプール本体部の円周方向に分散して複数箇所に設けられており、前記スプール本体部は、円周方向に隣接したプリプレグシート同士を部分的に重合させつつ形成されており、前記補強部はこの部分的重合部である請求項1〜4の何れか1記載のスプール。
  6. 円周方向に隣接したプリプレグシート同士を部分的に重合させる形態として、所定のプリプレグシートに対して、一側の隣接プリプレグシートを内側に配設し、他側の隣接プリプレグシートを外側に配設しつつ、前記一側の隣接プリプレグシートの重合する部位の前記所定のプリプレグシートの部分と、前記他側の隣接プリプレグシートの重合する部位の前記所定のプリプレグシートの部分との半径位置が異なる請求項5記載のスプール。
  7. 前記複数枚のプリプレグシートの夫々の寸法形状が同じである請求項1〜6の何れか1記載のスプール。
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