JP2006206349A - Ito造粒粉末及びito焼結体並びにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性に優れ高密度のITO焼結体を容易に製造することができるITO造粒粉末を提供するとともに、それにより高密度のITO焼結体を提供する。
【解決手段】ITO粉末を液体媒体に分散させてスラリーとし、該スラリーを噴霧乾燥することにより造粒粉末を得るITO造粒粉末の製造方法において、比表面積が8m/g以上のITO粉末を用いるとともに、スラリー中に分散したITO粉末の平均粒子径を1μmから5μmに調整し、そのように調整されたスラリーを噴霧乾燥することによりかさ密度が1.5g/cm以上であるITO造粒粉末を得る。こうして得られたITO造粒粉末を成形、焼結することで高密度ITO焼結体が得られる。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、透明導電膜の製造に使用されるITOスパッタリングターゲット用の高密度ITO焼結体及びその製造に用いるITO造粒粉末並びにそれらの製造方法に関する。
ITO(Indium Tin Oxide)薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネルディスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜等の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表示装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野では近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用電極であるITO薄膜に対する需要もまた急速に高まっている。
このようなITO薄膜の製造方法はスプレー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の物理的成膜法に大別することができる。中でもスパッタリング法は大面積化が容易でかつ高性能の膜が得られる成膜法であることから、様々な分野で使用されている。
スパッタリング法によりITO薄膜を製造する場合、用いるスパッタリングターゲットとしては金属インジウムおよび金属スズからなる合金ターゲット(以降ITターゲットと略する)あるいは酸化インジウムと酸化スズからなる複合酸化物ターゲット(以降ITOターゲットと略する)が用いられる。このうち、ITOターゲットを用いる方法は、ITターゲットを用いる方法と比較して、得られた膜の抵抗値および透過率の経時変化が少なく成膜条件のコントロールが容易であるため、ITO薄膜製造方法の主流となっている。
スパッタリングでのITO成膜を行なう場合、アーキングが多く発生すると形成された薄膜中にパーティクルが発生する。これは液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイにおける製造歩留まり低下の原因となり、アーキング発生を抑制できるスパッタリングターゲットが強く望まれている。その為に、ITOターゲットには、アーキングの一因と考えられるノジュールの発生防止、形成される薄膜の均一性の観点から、高密度で均一なものが要求されている。ノジュールとはターゲットの使用時間の増加に伴い、ターゲット表面に表れる黒色の突起物であり、パーティクルの発生原となるため、その低減が望まれているものである。
このようなITOターゲットに用いられる焼結体は、原料粉末を成形、焼成することにより得られる。この工程中、成形方法については、鋳込み成型法、乾式加圧成型法などの方法が採用されている。
鋳込み成型法はITO原料粉、有機バインダー、可塑剤等を混合したスラリーを所定の形状を有する鋳込み型に導入し、水分を鋳込み型から所定量除去し、成形する方法である。この方法では成形後の乾燥工程でクラックが発生しやすく、また、乾燥に長時間かかるといった問題点がある。
乾式加圧成型法は、ITO原料粉に有機バインダー、可塑剤等を混合した数10から数100μmの造粒粉を作製し、この造粒粉を加圧成型する方法である。一般的にはITO造粒粉末を金型、ラバー等に充填し、一軸プレス、CIP(冷間等方圧プレス)を用いて通常100kg/cmから3ton/cmの圧力で加圧し、所定の形状に成形する。
造粒粉の製造方法としては、乾式、半乾式、湿式造粒法が用いられるが、多くの場合、湿式造粒法の1つである噴霧乾燥法が用いられる。
噴霧乾燥法では原料粉、有機バインダー、分散剤、可塑剤等に水を混合してスラリーを調製し、このスラリーをスプレードライヤーを用いて噴霧乾燥する方法である。
この方法では真球状の造粒体が得られるため、粉末の流動性が高く、成形型への充填性が良い。また、バインダー添加が容易であること、適度なかさ密度、圧縮特性を有する粉末が得られる特徴がある。
しかしながら、噴霧乾燥において有機バインダー、分散剤、可塑剤等の有機化合物の添加は造粒粉が硬くなりすぎ、成形時につぶれ残った顆粒の影響により形成される空孔が焼結体中に残りやすく、焼結体の高密度化に限界が生じていた。
この問題に対し、例えば特許文献1にはスプレードライヤーにて噴霧乾燥する際に、添加する有機バインダーの組成と添加量を規定し、さらには得られた造粒粉の水分率を調整することで高密度焼結体を得る方法が記載されている。しかしながら、造粒粉末中の水分を均一に調整することは困難であり、また、水分調整工程が1つ増えるため生産効率の点からも好ましいとは言えない。
また、例えば特許文献2には原料粉末の比表面積とスラリー中の粉末の粒子径を規定し、噴霧乾燥し造粒粉を得ることが記載されている。この場合、原料中の酸化インジウムと酸化スズの均一混合のため、スラリー中の粉末の粒子径D50が1μm以下かつD90が3μm以下とかなり小さいものになっている。その結果、造粒粉のかさ密度が低く、成形性が悪くなり、焼結体密度が低くなる問題点がある。
また、焼結方法からの高密度化アプローチとしては例えば特許文献3のように、プレス成形によって得られた成形体を1気圧以上の加圧酸素雰囲気中で焼結する方法が知られている。しかしこのように焼結を加圧状態で行うためには、焼結炉全体を耐圧容器中に設置する必要があるため製造設備が高価で大掛かりとなる上、製造設備の大型化が困難であるといった問題点があり、常圧焼成で高密度焼結体が得られるようなITO造粒粉末が求められていた。
特開2004−277836号公報 特開平10−182150号公報 特公平5−30905号公報
本発明は噴霧乾燥法による造粒粉末の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、常圧焼成法においても、高密度のITO焼結体を得ることができるITO造粒粉末を提供することであり、それにより高密度のITO焼結体を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、適度な比表面積を有するITO粉末のタップ密度を調整後、水中に分散させることで、適度な粒子径を有するITO粉末を含有するスラリーが得られ、そのスラリーを噴霧乾燥させることで高性能なITO造粒粉末が得られること、さらにはそのITO造粒粉末を成形、焼成することで高密度なITO焼結体が得られることを見出した。
すなわち、本発明のITO造粒粉末の製造方法は、ITO粉末を液体媒体に分散させてスラリーとし、該スラリーを噴霧乾燥することにより造粒粉末を得るITO造粒粉末の製造方法において、比表面積が8m/g以上のITO粉末を用いるとともに、前記スラリー中に分散したITO粉末の平均粒子径を1μm以上5μm以下に調整することを特徴とするITO造粒粉末の製造方法である。なお、液体媒体としては例えば水を用いることができ、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。また、ITO粉末のタップ密度を1.5g/cm以上3.0g/cm以下に調整した後スラリーとすることが好ましい。
本発明のITO造粒粉末は、上記の製造方法により得られたことを特徴とするITO造粒粉末であり、特に、そのかさ密度が1.5g/cm以上であることが好ましい。
本発明のITO焼結体の製造方法は、上記のITO造粒粉末を成型、焼結することを特徴とするITO焼結体の製造方法であり、本発明のITO焼結体は、上記の製造方法により製造されたことを特徴とするITO焼結体である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のITO粉末とは噴霧乾燥する前の粉末を指し、ITO造粒粉末とはITO粉末を噴霧乾燥することにより造粒された造粒粉末を指す。
本発明のITO粉末、ITO造粒粉末は酸化スズの含有量がSnO換算で5〜40重量%の範囲のスズとインジウムの酸化物の粉末である。具体的には酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末を混合した粉末、あるいは酸化スズを含有した酸化インジウム粉末、あるいはこれら2つの粉末を混合した粉末等である。酸化スズを含有した酸化インジウム粉末とは酸化インジウムになんらかの形で酸化スズが固定化された粉末を指し、例えば酸化スズが固溶した酸化インジウム粉末、酸化スズが酸化インジウム表面に担持された酸化インジウム粉末等である。
本発明のITO粉末の比表面積は8m/g以上である。比表面積が8m/g未満の場合、焼結性が低下し、ITO焼結体の密度が上がりにくくなるため好ましくない。
ITO焼結体の品質向上のためにはITO粉末を構成する酸化インジウム粉末、酸化スズ粉末、酸化スズを含有した酸化インジウム粉末がすべて8m/g以上であることが好ましく、さらには10m/g以上であることが好ましい。
ITO粉末を構成する酸化インジウム粉末としては、例えば、一般的な製造方法である晶析法により製造される市販の酸化インジウム粉末を用いることができる。酸化インジウム粉末の純度としては、99.9%以上が好ましく、更に好ましくは99.99%以上である。
また酸化スズ粉末としては、例えば、市販の酸化スズ粉末を用いることができる。酸化スズ粉末の純度としては、99.9%以上が好ましく、更に好ましくは99.99%以上である。
また酸化スズ含有酸化インジウム粉末としては、あらかじめ酸化スズあるいは仮焼により酸化スズとなるスズ化合物と酸化インジウムを混合後、仮焼したものを目的粒度に粉砕微粉化したものを用いることができる。酸化スズ含有酸化インジウム粉末の純度としては、99.9%以上が好ましく、更に好ましくは99.99%以上である。
なお、本発明のITO粉末及びITO造粒粉末は、必要に応じて、インジウム及びスズ以外の他の金属元素の化合物を添加したものであっても良い。
酸化インジウム粉末、酸化スズ粉末、酸化スズ含有酸化インジウム粉末は混合前後にジェットミル等の粉砕機を用いて粒度を調製することもできる。
本発明のITO粉末は均一混合するために乾式又は湿式混合を行う。混合方法は特に限定されず、ボールミル等の一般的方法が用いられる。
ITO粉末は混合工程あるいは混合後の圧密工程でタップ密度を調整する。
本発明でいうタップ密度とは、粉末試料を分散させて容器に入れた後、容器にタップによる衝撃を加え、試料の体積変化がなくなったときのかさ密度である。具体的には、メスシリンダー中に粉末を入れ、その後、この粉末の入ったメスシリンダーを粉末のかさが変化しなくなるまでタッピングしたのち、粉末の重量とその体積を測定するその粉末重量と粉末の体積から算出して得られる数字である(定容積測定法)。測定は、JISR1628−1997に準拠して行った。
タップ密度として1.5g/cm以上3.0g/cm以下になるように圧密を行う。さらに好ましくはタップ密度を1.8g/cm以上2.5g/cm以下に圧密を行う。圧密方法としては特に限定されないが、乾式のボールミルにより行うことが好ましい。乾式のボールミルでは混合工程と圧密工程を同時に実施することができること、またあまり強硬な凝集体ができないので好ましい。
この圧密工程で得られたITO粉末は適度に凝集した粒子となっており、次のスラリー化に際し、ある程度の凝集状態が保持されるため、スラリー中の粒子の凝集具合を適度なものにすることができる。また、適度な凝集粒子としてスラリー中に存在することでスラリー濃度を上げることができる。スラリー濃度を高めることは噴霧乾燥して得られたITO造粒粉末のかさ密度を高める効果がある。本発明でいうかさ密度とは、粉末試料を分散させて容器に入れたときのかさ密度である。具体的には、メスシリンダー中に粉末をあふれるまで入れ、盛り上がった粉末をすり切った後、粉末の重量を測定してその粉末重量とメスシリンダーの容積、即ち粉末の体積から算出して得られる数字である(定容積測定法)。測定は、JISR1628−1997に準拠して行った。
スラリー化は、例えば、タップ密度を調整したITO粉末と分散剤、有機バインダー、イオン交換水とを混合することにより行う。分散剤としてはたとえば、アクリル酸塩、アクリル酸エステル等の単独又は共重合体からなるポリカルボン酸系化合物が挙げられる。また、有機バインダーとしては、たとえば、ポリビニルアルコールやアクリル酸・アクリルアミド共重合体、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の混合物が挙げられる。
分散剤、有機バインダーの添加量は粉末量(酸化インジウムと酸化スズの合計量)に対して2wt%未満であることが好ましい。また、脱脂工程での歩留まりや生産性を高めるために有機バインダー、分散剤の添加量を1wt%未満にしたり、または添加を行わなくても良い。スラリー化方法は特に限定されず、例えば湿式ボールミル等の方法で行うことができる。
スラリー中に分散したITO粉末の粒子径は市販のレーザー回折式粒度分布測定装置で測定することができる。スラリー化条件を最適化し、スラリー中のITO粉末の平均粒子径を1μm以上5μm以下に調整する。ここでの平均粒子径とは体積基準で求めた値である。平均粒子径が1μm未満の場合、スラリー粘度が高くなりスラリー濃度を上げることができず、かさ密度が低いITO造粒粉末しか得られず、その結果、ITO焼結体の密度も低下するため好ましくない。
また、5μmを超えると噴霧乾燥の安定性に問題が生じる。これは噴霧乾燥は数10μmから100μm程度の液滴を噴霧するものであり、平均粒子径で5μmを超える粒子が存在すると液滴形成の安定性が低下し、造粒粉末の品質が低下するからである。
スラリー中のITO粉末濃度としては25%から60%である。ITO粉末濃度が25%未満の場合、ITO造粒体が中空となったり、軽質な造粒体になる可能性があり、また造粒体の生産性が悪い。また、60%を超えるとスラリー粘度が高くなり噴霧乾燥できなくなるため好ましくない。さらに好ましくは30から50%である。この範囲で適度なスラリー粘度となり、噴霧乾燥の安定性が良い。
本発明の噴霧乾燥に用いられる装置としては特に限定されるものではない。微粒子化方法としては、例えば回転円盤式、圧力噴射ノズル式、二流体ノズル式等が、乾燥方法も並流式、向流式、混合式等が挙げられる。
噴霧乾燥条件は装置の種類、大きさ等により最適な条件に設定する。例えば、本発明で使用したスプレードライヤー(LT−8型:大川原化工機製)においては、ディスク回転数=10000rpmから20000rpm、送風入口温度=140℃から250℃、出口温度=80℃から150℃、スラリー供給量=1kg/hrから5kg/hrで行うことができる。
本発明のITO造粒粉末のかさ密度は1.5g/cm以上であることが好ましい。ITO造粒粉末のかさ密度が低い場合は加圧成型時に成型が難しくなり、成型性も悪く、ITO焼結体密度が低下するため好ましくない。
本発明のITO焼結体は、本発明のITO造粒粉末を乾式加圧成形し、焼成することで得ることができる。乾式加圧成形としては、例えば、本発明のITO造粒粉末をプレス用成形型、CIP(冷間等方圧プレス)用の成形型中に充填し、100kg/cmから3ton/cmで加圧成型する。次に、得られた成形体は必要に応じてCIP(冷間等方圧プレス)による圧密化処理を行う。この際CIPの圧力は十分な圧密効果を得るため2ton/cm以上であることが望ましい。
このようにして得られた成形体を焼結炉内に投入して焼結を行う。焼結方法としては、いかなる方法でも適用可能であるが、生産設備のコスト等を考慮すると大気中焼結が望ましい。焼結条件は充分な密度上昇効果を得るため、また酸化スズの蒸発を抑制するため、焼結温度が1450〜1650℃であることが好ましく、より好ましくは1500〜1600℃である。
焼結時の雰囲気としては酸素気流中とし、焼成時に炉内に酸素を導入する際の酸素流量(L/min)と成形体の仕込み量(kg)の比(仕込み量/酸素流量)を1.0以下にする。こうすることにより高密度な焼結体を得やすくなる。また焼結時間についても充分な密度上昇効果を得るために5時間以上、好ましくは5〜30時間であることが望ましい。
本発明のITO造粒粉末を用い、上記の方法で製造することにより高密度焼結体が得られる。焼結体密度は同一粉末を用いた場合でも焼結体の大きさ、厚みが増加すると低くなる傾向があるが、焼結体密度は市販のターゲットサイズで98%以上のものが容易に得られる。
得られた焼結体を所望の形状に加工した後、必要に応じて無酸素銅等からなるバッキングプレートにインジウム半だ等を用いて接合し、容易にターゲット化することができる。
本発明の造粒方法を用いることにより、高密度のITO焼結体を容易に得ることが可能なITO造粒粉末を得ることが可能となる。また、本発明のITO造粒粉末を用いることで高密度のITO焼結体を容易に製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
市販の酸化インジウム粉末(比表面積=15m/g)1800gと市販の酸化スズ粉末(比表面積=15m/g)200gを16時間乾式ボールミル混合した。この粉末のタップ密度は2.10g/cmであった。この粉末1800gにイオン交換水1700g、ポリカルボン酸系分散剤(協和産業(株)製、商品名「A−40」固形分含量:40%)50.0g、ポリアクリル酸系バインダー(中京油脂(株)製、商品名「WE―518」固形分含量:50%)50.0gを加え(粉末濃度=50%)、16時間ボールミルを行い、スラリー化した。レーザー回折式粒度分布測定装置でスラリー中に分散したITO粉末の粒径を測定したところ、平均粒子径は4.0μmであった。このスラリーをスプレードライヤー(LT−8型:大川原化工機製)にて噴霧乾燥してITO造粒粉末を得た。噴霧乾燥はスプレードライヤ−の条件としてディスク回転数=15000pm、送風入口温度=200℃、出口温度=120℃、スラリー供給量=2.5kg/hrで行った。得られたITO造粒粉末のかさ密度は1.60g/cmであった。
つづいて、得られたITO造粒粉末を金型(30mm×30mm)に50g充填し、300kg/cmで一軸プレスし、つづいて3ton/cmの圧力でCIP処理して相対密度55%の成型体を得た。得られた成型体を以下の条件で焼成した。
(焼成条件)
昇温速度:50℃/hr、焼成温度:1600℃、焼成時間:5hr、降温速度:100℃/hr、雰囲気:純酸素(仕込み量/酸素流量)=0.8で導入。
得られた焼結体の密度を測定したところ、焼結体密度は相対密度=99.81%であり高密度焼結体が得られた。密度の測定は、JIS−R1634−1998に準拠して、アルキメデス法で行なった。
実施例2
酸化インジウムとして比表面積=8m/g、酸化スズとして比表面積=15m/gの粉末を使用した以外は実施例1と同様にしてITO造粒粉末及びITO焼結体を得た。ITO粉末のタップ密度は2.40g/cmであった。また、レーザー回折式粒度分布測定装置でスラリー中に分散したITO粉末の粒径を測定したところ、平均粒子径は3.7μmであった。また、ITO造粒粉末のかさ密度は1.62g/cmであった。得られた成型体の密度は相対密度=57%、また、得られたITO焼結体の密度は相対密度=99.80%であり、高密度焼結体が得られた。
実施例3
スラリー化において粉末1330gにイオン交換水2000gを加え(粉末濃度=40%)、16時間ボールミルを行い、スラリー化した以外は実施例1と同様にしてITO造粒粉末及びITO焼結体を得た。レーザー回折式粒度分布測定装置でスラリー中に分散したITO粉末の粒径を測定したところ、平均粒子径は2.7μmであった。また、ITO造粒粉末のかさ密度は1.52g/cmであった。得られた成型体の密度は相対密度=55%、また、得られたITO焼結体の密度は相対密度=99.82%であり、高密度焼結体が得られた。
実施例4
スラリー化において粉末1000gにイオン交換水2333gを加え(粉末濃度=30%)、16時間ボールミルを行い、スラリー化した以外は実施例2と同様にしてITO造粒粉末及びITO焼結体を得た。レーザー回折式粒度分布測定装置でスラリー中に分散したITO粉末の粒径を測定したところ、平均粒子径は1.5μmであった。また、ITO造粒粉末のかさ密度は1.59g/cmであった。得られた成型体の密度は相対密度=57%、また、得られたITO焼結体の密度は相対密度=99.81%であり、高密度焼結体が得られた。
比較例1
酸化インジウムと酸化スズの乾式ボールミル混合を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてITO造粒粉末及びITO焼結体を得た。ITO粉末のタップ密度は1.40g/cmであった。レーザー回折式粒度分布測定装置でスラリー中に分散したITO粉末の粒径を測定したところ、平均粒子径は0.9μmであった。また、ITO造粒粉末のかさ密度は1.21g/cmと低い値であった。得られた成型体の密度は相対密度=53%、また、得られたITO焼結体の密度は相対密度=99.48%であり、明らかに実施例1から4のITO焼結体に比べ密度が低いことが確認された。
比較例2
酸化インジウムと酸化スズの乾式ボールミル混合を行わなかったこと以外は実施例3と同様にしてITO造粒粉末及びITO焼結体を得た。ITO粉末のタップ密度は1.30g/cmであった。レーザー回折式粒度分布測定装置でスラリー中に分散したITO粉末の粒径を測定したところ、平均粒子径は0.8μmであった。また、ITO造粒粉末のかさ密度は1.01g/cmと低い値であった。得られた成型体の密度は相対密度=52%、また、得られたITO焼結体の密度は相対密度=99.40%であり、明らかに実施例1から4のITO焼結体に比べ密度が低いことが確認された。
比較例3
酸化インジウムとして比表面積=6m/g、酸化スズとして比表面積=9m/gの粉末を使用した以外は実施例3と同様にしてITO造粒粉末及びITO焼結体を得た。ITO粉末のタップ密度は2.30g/cmであった。レーザー回折式粒度分布測定装置でスラリー中に分散したITO粉末の粒径を測定したところ、平均粒子径は4.0μmであった。また、ITO造粒粉末のかさ密度は1.70g/cmであった。得られた成型体の密度は相対密度=58%、また、得られたITO焼結体の密度は相対密度=99.42%であり、明らかに実施例1から4のITO焼結体に比べ密度が低いことが確認された。

Claims (6)

  1. ITO粉末を液体媒体に分散させてスラリーとし、該スラリーを噴霧乾燥することにより造粒粉末を得るITO造粒粉末の製造方法において、比表面積が8m/g以上のITO粉末を用いるとともに、前記スラリー中に分散したITO粉末の平均粒子径を1μm以上5μm以下に調整することを特徴とするITO造粒粉末の製造方法。
  2. ITO粉末のタップ密度を1.5g/cm以上3.0g/cm以下に調整した後スラリーとすることを特徴とする請求項1記載のITO造粒粉末の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするITO造粒粉末。
  4. かさ密度が1.5g/cm以上であることを特徴とする請求項3記載のITO造粒粉末。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のITO造粒粉末を成型、焼結することを特徴とするITO焼結体の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするITO焼結体。
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