JP2007231381A - Itoスパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーキング発生頻度を低減するITOスパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】実質的にインジウム、スズおよび酸素からなるスパッタリングターゲットであり、焼結体が立方晶系酸化インジウムからなる母相、その母相内部に存在する微粒子およびインジウムとスズの酸化物からなる中間化合物相との少なくとも3相構造からなり、焼結体の任意の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察される前記母相内の微粒子の最大粒子径が0.4μm以下であるITOスパッタリングターゲットであり、酸化インジウム用の原料粉末と酸化スズ用原料粉末とを、混合、成形し、酸素気流中で1500℃以上1650℃未満の焼成温度で焼結した後、少なくとも1400℃から1300℃までの降温速度を200℃/時間以上で降下することにより得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明導電膜の製造に使用されるITOスパッタリングターゲットおよびその製造方法に関する。
ITO(Indium Tin Oxide)薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネルディスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜等の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表示装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野では近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用電極であるITO薄膜に対する需要もまた急速に高まっている。
このようなITO薄膜の製造方法はスプレー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の物理的成膜法に大別することができる。中でもスパッタリング法は大面積化が容易でかつ高性能の膜が得られる成膜法であることから、様々な分野で使用されている。
スパッタリング法によりITO薄膜を製造する場合、用いるスパッタリングターゲットとしては金属インジウムおよび金属スズからなる合金ターゲット(以降ITターゲットと略する)あるいは酸化インジウムと酸化スズからなる複合酸化物ターゲット(以降ITOターゲットと略する)が用いられる。このうち、ITOターゲットを用いる方法は、ITターゲットを用いる方法と比較して、得られた膜の抵抗値および透過率の経時変化が少なく成膜条件のコントロールが容易であるため、ITO薄膜製造方法の主流となっている。
スパッタリングでのITO成膜を行なう場合、アーキングが多く発生すると形成された薄膜中にパーティクルが発生する。これは液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイにおける製造歩留まり低下の原因となり、アーキング発生を抑制できるスパッタリングターゲットが強く望まれている。その為に、ITOターゲットには、アーキングの一因と考えられるノジュールの発生防止、形成される薄膜の均一性の観点から、高密度で均一なものが要求されている。ノジュールとはターゲットの使用時間の増加に伴い、ターゲット表面に表れる黒色の突起物であり、パーティクルの発生原となるため、その低減が望まれているものである。
アーキングの低減には、スパッタリングターゲットに用いるITO焼結体の密度向上が有効であり、密度向上の手法として、例えば、特許文献1等のように酸素加圧焼結を行う方法等が知られている。
また、ITO焼結体中の中間化合物相(酸化インジウムと酸化スズの複合酸化物相であり、スズが固溶した酸化インジウム相とは異なる)やIn相を規定した特許も開示されている。
中間化合物(酸化インジウムと酸化スズの複合酸化物相であり、スズが固溶した酸化インジウム相とは異なる)を低減させる方法としては、例えば、特許文献2には、相対密度が90%以上で単相構造(SnO相および中間化合物相が面積比で5%以下)を有し、比抵抗を1×10−3Ω・cm以下としたITOスパッタリングターゲットが開示されている。
このターゲットは、スズ量を2〜6重量%と低減し、平均粒子径0.1μm以下の酸化インジウム−酸化スズ複合粉末をプレス成形した後、1〜10気圧の加圧酸素雰囲気中1500〜1700℃で焼成することにより得られる(例えば特許文献2参照)。
また、例えば、特許文献3には中間化合物相の粒子の楕円長短軸比が2.1以上であるITOターゲットが開示されている。
また、In相中のSnの固溶量を増加させる方法としては、例えば、特許文献4には、1300℃以上で焼成後、1000℃までを250℃/時間以上で冷却し、ITO焼結体を構成するIn相中のSn原子の固溶量が7.6原子%以上としたITO焼結体が開示されている。
特開平3−207858号公報 特許第35037559号公報 特開2002−302761号公報 特許第3237230号公報
しかしながら、ITO薄膜に要求される性能は日々高まり、アーキングの低減に対する更なる改善が求められている。
上記課題を解決すべくITOスパッタリングターゲットのアーキング発生頻度の低減策について鋭意研究した結果、アーキングの発生頻度は立方晶系酸化インジウムからなる母相内部に存在する微粒子に強く相関しており、任意の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される母相内の微粒子の最大粒子径が0.4μm以下であることにより発生頻度を低減できることを見出した。
即ち、本発明は実質的にインジウム、スズおよび酸素からなるスパッタリングターゲットであり、焼結体が立方晶系酸化インジウムからなる母相、その母相内部に存在する微粒子およびインジウムとスズの酸化物からなる中間化合物相との少なくとも3相構造からなり、焼結体の任意の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察される前記母相内の微粒子の最大粒子径が0.4μm以下であるITOスパッタリングターゲットである。本発明は又、酸化インジウム用の原料粉末と酸化スズ用原料粉末とを、混合、成形し、酸素気流中で1500℃以上1650℃未満の焼成温度で焼結した後、少なくとも1400℃から1300℃までの降温速度を200℃/時間以上としたことを特徴とするITOスパッタリングターゲットの製造方法に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のITOターゲットは実質的にインジウム、スズおよび酸素からなる焼結体であり、焼結体が立方晶系酸化インジウムからなる母相、その母相内部に存在する微粒子およびインジウムとスズの酸化物からなる中間化合物相との少なくとも3相構造からなる。立方晶系酸化インジウムの内部に存在する微粒子は焼成時にIn母相内に固溶したSnが、降温時に固溶限界以上となり、In母相内で微粒子として析出したものである。この微粒子の正確な組成や構造については不明であるが、母相に比べ、Snの量が多い、インジウムとスズの酸化物である。また、中間化合物とは組成式InSn12で表されるインジウムとスズの複合酸化物である。
本発明のIn母相内の微粒子の最大粒子径は0.4μm以下である。好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.25μm以下である。微粒子の粒子径とはその形状で一番長手方向の長さと定義する。また、最大粒子径とは各In粒子内に存在する微粒子の大きい方から10個の粒子径の平均値とする。In母相内の微粒子の最大粒子径が0.4μmを超えるとIn母相内の微粒子の大きさや分布が不均一となり、アーキングが多く起きる原因となるため好ましくない。
また、本発明のIn母相内の微粒子の形状は等方形状であることが好ましい。等方形状とは粒子の一番長手方向の長さとそれに直交する最大長さの差が小さいことを意味する。さらに、等方度を微粒子の一番長手方向の長さ(a)とそれに直交する最大の長さ(b)の比(a/b)と定義し、それが1.2以内であることが好ましい。尚、分析の精度の制約で0.1μm以上の微粒子を対象とする。
また、本発明のIn母相内部に存在する微粒子の密度に関しては、In母相の単位面積当りの0.1μm以上の微粒子の個数として定義した。本発明の微粒子の密度は10個/μm以上であることが好ましい。さらには15個/μm以上が好ましく、さらには20個/μm以上が好ましい。この密度以上の場合、微粒子が微細に高分散しており、アーキングの低減に効果がある。
本発明のITOスパッタリングターゲットは、例えば、以下の方法で製造することができる。はじめに、酸化インジウム等の酸化インジウム用の原料粉末と酸化スズ等の酸化スズ用の原料粉末とを所望の割合でボールミル用ポットに投入し、乾式あるいは湿式混合して混合粉末を調製する。原料粉末としては、酸化インジウム、酸化スズ、中間化合物等のインジウムとスズの複合酸化物が適するが、焼成により酸化インジウム、酸化スズとなるインジウムやスズの硝酸塩、塩化物、アルコキシド等も使用することができる。使用する粉末の平均粒径は、1.5μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.1μmを越え1.5μm以下である。このような粉末を使用することにより、焼結体の密度増加効果が得られる。本発明では、混合粉末中の酸化スズの含有量は、SnO/(In+SnO)で8重量%以上、15重量%未満とすることが好ましい。こうすることにより、スパッタリング法により製膜したときに得られる薄膜の抵抗率が低下する。
こうして得られた混合粉末をプレス法あるいは鋳込法などの成形法により成形してITO成形体を製造する。プレス成形により成形体を製造する場合には所定の大きさの金型に混合粉末を充填した後、プレス機や冷間等方厚プレス(CIP)を用いて100〜3000kg/cmの圧力でプレスを行い成形体とする。この際、必要に応じてPVA等のバインダーを添加しても良い。一方、鋳込法により成形体を製造する場合には、混合粉末を水、バインダーおよび分散剤とともに混合してスラリー化し、こうして得られた50〜5000センチポイズの粘度を持つスラリーを鋳込み成形用の型に注入して成形体を製造する。
次に、こうして得られた成形体は、必要に応じて冷間等方圧プレス(CIP)による処理を行う。この際、CIPの圧力は十分な圧密効果を得るため1ton/cm以上、好ましくは2〜5ton/cmであることが望ましい。
成形を鋳込法により行った場合には、CIP後の成形体中に残存する水分およびバインダー等の有機物を除去するため300〜500℃の温度で5〜20時間程度の乾燥処理および脱バインダー処理を施すことが好ましい。また、成形をプレス法により行った場合でも、成形時にバインダーを使用したときには、同様の脱バインダー処理を行うことが好ましい。
次に、このようにして得られた成形体の焼結を行う。昇温速度については特に限定されないが、焼結時間の短縮と割れ防止の観点から、10〜400℃/時間とするのが好ましい。焼結保持温度は、1500℃以上、1650℃未満、好ましくは、1550℃以上1625℃以下とする。こうすることにより、酸化インジウム格子中への酸化スズの固溶が、低温での固溶限界を超えて促進される。保持時間は1時間以上、好ましくは5〜30時間であることが望ましい。こうすることにより、高密度の焼結体が得やすくなる。
本発明においては、この後の温度プロファイルが重要となる。降温は、少なくとも1400から1300℃までは温度域を、200℃/時間以上の降温速度で降温する。好ましくは250℃/時間以上、さらに好ましくは300℃/時間以上とする。なお、ここでいう降温速度は焼結時の炉の温度パターンの設定値ではなく、炉内温度を示す。炉内温度は炉内に設置した熱電対により測定することができる。降温速度の上限値については特に規定されないが、焼結体の割れ防止を考慮すると、500℃/時間以下が好ましい。また、焼成温度から1400℃までの降温速度は特に限定しないが、好ましくは100℃/時間以上、さらに好ましくは200℃/時間以上が良い。高温領域で低温での固溶限界以上にIn母相に固溶していたスズは1400から1300℃の降温過程でIn母相内に析出し微粒子を形成するが、上記のような降温速度に設定することにより、微粒子のサイズや量を制御することができ、任意の断面をSEMで観察した際に観察されるIn母相内の微粒子の最大粒子径は0.4μm以下で等方形状の粒子となる。
1500℃以上で焼結を行わない場合には、In母相内に微粒子の析出はない。また、1400から1300℃の降温温度域で200℃/時間以上の急冷を行わなかった場合には、In母相内の微粒子の最大粒子径は0.4μmを超え、母相内の分布が不均一になるため、アーキング低減効果が得られない。1300℃未満となった後の降温速度は、焼結体の割れを防止するため、100℃/時間以下とするのが好ましい。1200℃以下となった後に降温速度を遅くするとより好ましい。降温速度を遅くする温度の設定および降温速度の選択は、焼結炉の容量、焼結体サイズおよび形状、割れ易さなどを考慮して適宜決定すればよい。焼結時の雰囲気は、酸素気流中とし、焼結時に炉内に酸素を導入する際の酸素流量(L/min)と成形体仕込量(kg)の比(仕込重量/酸素流量)を、1.0以下とする。こうすることにより、高密度の焼結体を得やすくなる。
本発明に係わるIn母相内の微粒子の粒子径、形状の測定方法は、例えば、次の通りに行えばよい。まずITO焼結体を適当な大きさに切断した後、表面研磨を行う。次に塩酸溶液でケミカルエッチングを行う。この試料をSEM等を用いて焼結体表面の写真を撮るとともに、ひとつひとつの微粒子の粒子径、量を定量分析する。
本発明では、相対密度は高いほどアーキング低減効果が得られるため、99%以上が好ましい。より好ましくは99.7%以上で、特に好ましくは99.8%以上である。なお、本発明でいう相対密度(D)とは、InとSnOの真密度の相加平均から求められる理論密度(d)に対する相対値を示している。相加平均から求められる理論密度(d)とは、ターゲット組成において、InとSnO粉末の混合量をx,y(g)とした時、それぞれの真密度7.18、6.95(g/cm)を用いて、d=(x+y)/((x/7.18)+(y/6.95))により求められる。焼結体の測定密度をd1とすると、その相対密度は、式:D=d1/d×100(%)で求められる。
次に、得られた焼結体を所望の形状に研削加工した後、必要に応じて無酸素銅等からなるバッキングプレートにインジウム半田等を用いて接合することにより、本発明のITOスパッタリングターゲットを得ることができる。
得られたターゲットをスパッタリング装置内に設置し、アルゴンなどの不活性ガスと必要に応じて酸素ガスをスパッタリングガスとして用いて、dc或いはrf電界を印加してスパッタリングを行うことにより、所望の基板上にITO薄膜を形成することができ、この際アーキング発生量が低減されるという本発明の効果が発現される。
本発明により、アーキング発生が少なく、基板上へのパーティクルの付着が少なくなるITOスパッタリングターゲットを提供することができる。
(実施例1)
平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末90重量部と平均粒径0.5μmの酸化スズ粉末10重量部とをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより20時間混合し、混合粉末を調製した。前記混合粉末のタップ密度を測定したところ2.1g/cmであった。
この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスして成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる処理を行った。次にこの成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、以下の条件で焼結した。
(焼結条件)昇温速度:50℃/時間、焼結温度:1600℃、焼結時間:5時間、雰囲気:昇温時の室温から降温時の100℃まで純酸素ガスを炉内に、(仕込重量/酸素流量)=0.8で導入、降温速度:1600℃から1400℃までは、100℃/時間、1400から1300まで400℃/時間、以降100℃/時間
得られた焼結体の密度をアルキメデス法で測定した。結果を表1に示す。
この焼結体から湿式加工により5×7インチ厚さ6mmのターゲット用焼結体とSEM分析用のサンプルを切り出した。SEM分析サンプルは表面研磨を行い、次に12N塩酸溶液でケミカルエッチングを行った後、SEM観察を実施した。In母相内部のSEM像を図1に示す。In母相内に0.2μm以下の微粒子が均一に分散している。また、焼結体密度、微粒子の最大粒子径、等方度(a/b)および微粒子の密度を測定した結果を表1に示す。
一方、ターゲット用焼結体をインジウム半田を用いて無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングしてターゲットとした。このターゲットを以下のスパッタリング条件で連続放電させてアーキング発生量を調べた。
(スパッタリング条件)DC電力:300W、ガス圧:7.0mTorr、スパッタリングガス:Ar+酸素、スパッタリングガス中の酸素ガス濃度(O/Ar):0.05%、放電時間:66時間(ターゲットの残厚は約1mm)、ここで、酸素ガス濃度は、得られる薄膜の抵抗率が最も低下する値に設定した。66時間連続放電した際の積算アーキング発生回数を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
(実施例2)
1600℃から1400℃までの降温速度を400℃/時間、1400から1300℃までの降温速度を200℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。In母相内部のSEM像を図2に示す。焼結体密度、微粒子の最大粒子径、等方度(a/b)および微粒子の密度を測定した結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
(実施例3)
1600℃から1300℃までの降温速度を300℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。In母相内部のSEM像を図3に示す。焼結体密度、微粒子の最大粒子径、等方度(a/b)および微粒子の密度を測定した結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
(実施例4)
焼結温度を1550℃、また、1550℃から1400℃までの降温速度を200℃/時間、1400から1300℃までの降温速度を300℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。In母相内部の微粒子をSEM観察したところ、最大粒子径は0.15μmであった。焼結体密度、微粒子の最大粒子径、等方度(a/b)および微粒子の密度を測定した結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
(実施例5)
焼結温度を1500℃、また、1500℃から1200℃までの降温速度を400℃/時間、以降を100℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。In母相内部の微粒子をSEM観察したところ、最大粒子径は0.10μmであった。焼結体密度、微粒子の最大粒子径、等方度(a/b)および微粒子の密度を測定した結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。積算アーキング発生回数は僅かであった。
(比較例1)
焼結温度を1450℃、1450℃から1300℃までの降温速度を400℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。In母相内部をSEM観察したところ、微粒子は確認できなかった。焼結体密度の測定結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。多くのアーキングが発生した。
(比較例2)
1600℃から1400℃までの降温速度を400℃/時間、1400から1300℃までの降温速度を100℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。In母相内部のSEM像を図7に示す。微粒子の最大粒子径は0.49μmであり、In母相内の分布も不均一であった。焼結体密度、微粒子の最大粒子径、等方度(a/b)および微粒子の密度を測定した結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。多くのアーキングが発生した。
(比較例3)
1600℃から室温までの降温速度を100℃/時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、ITOターゲットと分析用サンプルを作製した。In母相内部のSEM観察したところ、最大粒子径は0.42μmであり、In母相内の分布も不均一であった。焼結体密度、微粒子の最大粒子径、等方度(a/b)および微粒子の密度を測定した結果を表1に示す。また、実施例1と同様の連続放電試験を実施した結果を表1に示す。多くのアーキングが発生した。
Figure 2007231381
実施例1で得られたITO焼結体のIn母相内の微粒子を示すSEM像である。 実施例2で得られたITO焼結体のIn母相内の微粒子を示すSEM像である。 実施例3で得られたITO焼結体のIn母相内の微粒子を示すSEM像である。 比較例2で得られたITO焼結体のIn母相内の微粒子を示すSEM像である。

Claims (6)

  1. 実質的にインジウム、スズおよび酸素からなるスパッタリングターゲットであり、焼結体が立方晶系酸化インジウムからなる母相、その母相内部に存在する微粒子およびインジウムとスズの酸化物からなる中間化合物相との少なくとも3相構造からなり、焼結体の任意の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察される前記母相内の微粒子の最大粒子径が0.4μm以下であることを特徴とするITOスパッタリングターゲット。
  2. 母相内部に存在する微粒子の形状が等方形状であることを特徴とする請求項1に記載のITOスパッタリングターゲット。
  3. 母相内部に存在する0.1μm以上の微粒子の密度が10個/μm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のITOスパッタリングターゲット。
  4. 酸化インジウム用の原料粉末と酸化スズ用原料粉末とを、混合、成形し、酸素気流中で1500℃以上1650℃未満の焼成温度で焼結した後、少なくとも1400℃から1300℃までの降温速度を200℃/時間以上としたことを特徴とするITOスパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 酸化インジウム用の原料粉末と酸化スズ用の原料粉末とを、酸化物換算で酸化スズが8重量%以上15重量%未満となる比率で混合することを特徴とする請求項4に記載のITOスパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 焼結時に炉内に酸素を導入する際の酸素流量(L/min)と成形体仕込み量(kg)の比(仕込重量/酸素流量)が1.0以下であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のITOスパッタリングターゲットの製造方法。
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