JP5309975B2 - 透明導電膜用焼結体及びスパッタリングターゲット並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
原料粉末は特に限定されるものではなく、例えば、インジウム又はスズの金属塩粉末、塩化物、硝酸塩、炭酸塩等を用いることも可能であるが、取り扱い性を考慮すると酸化物粉末が好ましい。
成形方法は、各原料粉末の混合粉末(仮焼した場合には仮焼した混合粉末)を目的とした形状に成形できる成形方法を適宜選択することが可能であり、特に限定されるものではない。プレス成形法、鋳込み成形法、射出成形法等が例示できる。
次に得られた成形体を焼結炉内に投入して焼結を行う。焼結方法としては、いかなる方法でも適用可能であるが、密度が高く、また、中間化合物の結晶粒径が小さな焼結体を得るためには電磁波加熱による焼結を行うことが好ましい。電磁波としてはマグネトロンまたはジャイロトロン等から発生する連続またはパルス状の2.45GHz等のマイクロ波、28GHz等のミリ波、またはサブミリ波が利用できる。電磁波の周波数の選択はITOの焼結挙動から適切なものを選択することができるが、発振器のコスト等の経済性を考慮すると2.45GHzのマイクロ波が好ましい。
アルキメデス法により測定した。なお、相対密度(D)とは、In2O3とSnO2の真密度の相加平均から求められる理論密度(dITO)に対する相対値を示している。相加平均から求められる理論密度(dITO)とは、ターゲット組成において、In2O3とSnO2粉末の混合量をa(g)とb(g)とした時、それぞれの真密度7.18(g/cm3)、6.95(g/cm3)を用いて、dITO=(a+b)/((a/7.18)+(b/6.95))により求められる。焼結体の測定密度をd1とすると、その相対密度Dは、D=d1/dITO×100(%)で求められる。
SEM写真からコード法により求めた。コード長は30μmで行い、測定した結晶粒子は300個以上とした。
(SEM測定条件)
加速電圧 :20kV
試料の前処理 :観察面を鏡面研磨した後、40℃の規定度12NのHCl水溶液で
1分間エッチング処理を施した
SEM写真の倍率 :3500倍〜5000倍
(3)中間化合物面積比
SEM写真から、写真全体における中間化合物面積の割合を求めた。
2θ=20〜30°の範囲のX線回折パターンを測定した。測定した回折ピーク強度から、中間化合物相の(012)面及び(021)面の回折ピーク強度とIn2O3相の(211)面の回折ピーク強度との強度比を計算した。
(X線回折試験の測定条件)
走査方法 :ステップスキャン法(FT法)
X線源 :CUKα
パワー :40kV、40mA
ステップ幅 :0.02°
各ステップの測定時間 :5秒
(5)放電評価
125mm×175mm×6mm厚さのターゲット用焼結体をインジウム半田を用いて無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングしてターゲットとした。このターゲットを以下のスパッタリング条件で連続放電させてアーキング発生量を調べた。
(スパッタリング条件)
装置 :DCマグネトロンスパッタ装置
磁界強度 :500Gauss(ターゲット真上、水平成分)
基板温度 :25℃(無加熱)
到達真空度 :3×10−4Pa
スパッタリングガス :Ar+酸素
スパッタリングガス圧 :0.5Pa
DC電力 :300W
ガス圧 :7.0mTorr
酸素ガス濃度(O2/Ar):0.05%
放電時間 :30時間
ここで、酸素ガス濃度は、得られる薄膜の抵抗率が最も低下する値に設定した。
平均粒径0.8μmの酸化インジウム粉末90重量部と平均粒径0.6μmの酸化スズ粉末10重量部とをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより16時間混合し、混合粉末を調製した。
(焼結条件)
焼成温度 :1600℃
昇温速度 :300℃/時間
1550℃での保持時間:1時間、
雰囲気 :昇温時の室温から降温時の100℃まで純酸素ガス導入
降温速度 :300℃/時間(1600℃から1300℃まで)
100℃/時間(1300℃から100℃まで)
得られた焼結体の密度、平均の結晶粒径、In4Sn3O12とIn2O3との回折ピーク強度比、放電評価を実施した。結果を表1に示す。
焼成温度=1650℃とし、昇温速度=400℃/時間とした以外は実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の密度、平均の結晶粒径、In4Sn3O12とIn2O3との回折ピーク強度比を実施した。結果を表1に示す。
酸化インジウム粉末85重量部と酸化スズ粉末15重量部とし、昇温速度=200℃/時間とした以外は、実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の密度、平均の結晶粒径、In4Sn3O12とIn2O3との回折ピーク強度比、放電評価を実施した。結果を表1に示す。
酸化インジウム粉末80重量部と酸化スズ粉末20重量部とし、実施例1と同様の条件で焼成を行った得られた焼結体の密度、平均の結晶粒径、In4Sn3O12とIn2O3との回折ピーク強度比、放電評価を実施した。結果を表2に示す。
電気炉(発熱体=モリブデンシリサイトヒーター)を使用し、室温から1600℃まで、昇温速度=50℃/時間、1600℃での保持温度=2時間、1600℃から1300℃までの降温速度=100℃/時間とした以外は実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の密度、平均の結晶粒径、In4Sn3O12とIn2O3との回折ピーク強度比、放電評価を実施した。結果を表1に示す。
1600℃から1300℃までの降温速度=200℃/時間とした以外は実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の密度、平均の結晶粒径、In4Sn3O12とIn2O3との回折ピーク強度比、放電評価を実施した。結果を表1に示す。
酸化インジウム粉末85重量部と酸化スズ粉末15重量部とし、1600℃から1300℃までの降温速度=200℃/時間とした以外は比較例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の密度、中間化合物の平均の結晶粒径、In4Sn3O12とIn2O3との回折ピーク強度比、放電評価を実施した。結果を表1に示す。
酸化インジウム粉末80重量部と酸化スズ粉末20重量部とし、1300℃までの降温温度=200℃/時間とした以外は比較例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の密度、中間化合物の平均の結晶粒径、In4Sn3O12とIn2O3との回折ピーク強度比、放電評価を実施した。結果を表2に示す。
Claims (5)
- インジウム、スズ及び酸素を含んでなる、少なくともIn2O3相と中間化合物相とを有する焼結体であって、スズの含有量がSnO2換算で、SnO2/(In2O3+SnO2)で10重量%以上15重量%以下の場合、X線回折スペクトルにおける中間化合物相の(012)面又は(021)面とIn2O3相の(211)面との回折ピーク強度の比がそれぞれ3.0%以下であり、焼結体の平均の結晶粒径が4μm以下であることを特徴とする透明導電膜用焼結体。
- インジウム、スズ及び酸素を含んでなる、少なくともIn2O3相と中間化合物相とを有する焼結体であって、スズの含有量がSnO2換算で、SnO2/(In2O3+SnO2)で15重量%より大きく20重量%以下の場合、X線回折スペクトルにおける中間化合物相の(012)面又は(021)面とIn2O3相の(211)面との回折ピーク強度の比がそれぞれ9.0%以下であり、焼結体の平均の結晶粒径が4μm以下であることを特徴とする透明導電膜用焼結体。
- 相対密度が99%以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の透明導電膜用焼結体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜用焼結体をターゲット材として用いることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- インジウム化合物の粉末とスズ化合物の粉末とを混合する工程と、当該混合粉末を成形して成形体を製造する工程と、当該成形体を電磁波加熱を用いて20〜600℃/時間以上の昇温速度で1550〜1650℃まで加熱した後、1550℃から1300℃まで250℃/時間以上で冷却する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜用焼結体の製造方法。
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