JP6287327B2 - 酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜 - Google Patents

酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜 Download PDF

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本発明は、酸化インジウムを主成分とする酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜に関するものである。
酸化物透明導電膜は、低抵抗と可視光域での高い透過率を有し、液晶等の表示素子や太陽電池等の各種受光素子の電極に利用され、また、自動車用・建築材用の熱線反射膜・帯電防止膜や、冷凍ショーケース等の防曇用透明発熱体に広範に利用され、中でも錫を添加した酸化インジウム膜はITO(Indium Tin Oxide)膜として広く利用されている。
上述のITO膜においては、錫の添加量を調整することによって、電気特性や光学特性を調整することが試みられてきたが、この方法では抵抗のような電気特性と透過率、光吸収率のような光学特性の両方を同時に改善することが困難であった。例えば、非特許文献1にはIn−SnO系透明導電膜における電気光学特性のSnO量依存性が開示されている。これによれば、In−SnO系透明導電膜はSnO量が10wt%程度で最も抵抗が低くなる。しかし、このようなSnO量ではプラズマ波長が短波長側にシフトするため、赤外域で光吸収率が大きく、透過率が低下する。
このような状況下において、酸化インジウムへの元素添加により、スパッタリングターゲットやそれにより得られる膜を所望の特性に改善しようとする試みがある。
例えば、特許文献1には、タンタル成分を含む酸化インジウムを主成分とする酸化物焼結体が開示されている。しかしながら、実施例ではタンタルと錫を同時に添加した場合のみの開示しかない。
特許文献2にはTaとZrを添加した酸化インジウムのスパッタリングターゲット及び透明導電膜が開示されているが、Ta及び/又はZrの含有量が本発明とは相違している。
特許文献3〜6には、インジウムと複数の金属元素の中から少なくとも1種類の元素と酸素から構成される酸化物焼結体が開示され、金属元素として、タンタル及びジルコニウムが例示されている。しかしながら、実施例ではタンタル及びジルコニウムの両方を含有している焼結体については一切開示されていない。
特開平3−15106 特開平2−309511 特開平9−209134号公報 特開平9−150477号公報 特開2003−105532号公報 特開2004−149883号公報
TOSOH Research & Technology Review、47、pp.11−20(2003)
本発明は、広い波長域に渡って低い光吸収特性を示し、かつ低抵抗の酸化物透明導電膜を得ることができる複合酸化物焼結体、及び酸化物透明導電膜を提供することを目的とする。
また、本発明は製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスにおいても十分に低い抵抗率を実現することのできる複合酸化物焼結体、及びそれにより得られる酸化物透明導電膜を提供することを目的とする。
このような背景に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、酸化インジウムに特定の元素を、特定の組成で添加することにより、低い光吸収特性と低抵抗を両立した酸化物透明導電膜を得ることが可能な複合酸化物焼結体が得られ、また、製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスにおいても十分に低い抵抗率を実現することのできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の態様は以下の通りである。
(1)構成元素としてインジウム、タンタルと、ジルコニウム及び酸素を有する酸化物焼結体であって、当該焼結体を構成する元素の原子比が、インジウム、タンタル、ジルコニウムをそれぞれIn、Ta、Zrとしたときに、
Ta/(In+Ta+Zr)=0.1〜0.5at%
Zr/(In+Ta+Zr)=1.0〜2.4at%
(Ta+Zr)/(In+Ta+Zr)=1.1〜2.5at%
であることを特徴とする酸化物焼結体。
(2)酸化物焼結体がビックスバイト型酸化物構造の結晶相のみから構成されていることを特徴とする(1)に記載の酸化物焼結体。
(3)(1)または(2)に記載の酸化物焼結体において、当該焼結体がタンタル成分及び/又はジルコニウム成分を含有する粒子を含み、当該粒子の平均粒径が2μm以下であることを特徴とする酸化物焼結体。
(4)酸化物焼結体の相対密度が97%以上であり、かつ平均粒子径が8μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の酸化物焼結体。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の酸化物焼結体からなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
(6)(5)に記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることを特徴とする酸化物透明導電膜の製造方法。
(7)(6)に記載の方法により得られることを特徴とする酸化物透明導電膜。
(8)構成元素としてインジウム、タンタルと、ジルコニウム及び酸素を有する酸化物透明導電膜であって、当該透明導電膜を構成する元素の原子比が、インジウム、タンタル、ジルコニウムをそれぞれIn、Ta、Zrとしたときに、
Ta/(In+Ta+Zr)=0.1〜0.5at%
Zr/(In+Ta+Zr)=1.0〜2.4at%
(Ta+Zr)/(In+Ta+Zr)=1.1〜2.5at%
であることを特徴とする(7)に記載の酸化物透明導電膜。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の焼結体は構成元素としてインジウム、タンタルと、ジルコニウム及び酸素を有する酸化物焼結体であって、当該焼結体を構成する元素の原子比が、インジウム、タンタル、ジルコニウムをそれぞれIn、Ta、Zrとしたときに、
Ta/(In+Ta+Zr)=0.1〜0.5at%
Zr/(In+Ta+Zr)=1.0〜2.4at%
(Ta+Zr)/(In+Ta+Zr)=1.1〜2.5at%
であることを特徴とする。
このような組成範囲とすることにより、低温の製膜プロセスで低抵抗の、膜厚5〜50nm程度の非常に薄い酸化物透明導電膜を得ることが可能となり、可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有する酸化物透明導電膜を得ることが可能となる。
なお、本発明においては、不可避的な微量の不純物の混入は問わない。
このような不純物としては、In、Ta、Zr以外の金属元素を有する酸化物などの化合物が挙げられる。複合酸化物焼結体におけるこれらの不純物の合計含有量は、金属元素に換算して、In、Zr、Hf及びTaの合計に対し、好ましくは1at%以下であり、より好ましくは0.5at%以下であり、さらに好ましくは0.1at%以下であり、特に好ましいのは0.01at%以下である。
本発明の酸化物焼結体は、ビックスバイト型酸化物構造の結晶相のみから構成されることが好ましい。
このような特定の結晶相から構成される複合酸化物焼結体とすることにより、スパッタリングによる製膜時の異常放電現象を一層抑制することが可能となる。
ここで、「ビックスバイト型酸化物構造の結晶相のみから構成される」とは、実施例に示すCuを線源とするX線回折試験の2θ=20〜60°の範囲内に該当する結晶相以外の回折ピークが検出されないことを意味する。
ビックスバイト型酸化物構造の結晶相とは、Cuを線源とするX線回折試験の2θ=20〜60°の範囲内に検出される回折ピークが、JCPDS(Joint Committee for Powder Diffraction Standards)の6−416の酸化インジウム(In)のピークパターンまたはそれに類似したピークパターン(シフトしたピークパターン)に指数付けできることで確認できる。
本発明の酸化物焼結体において、当該焼結体がタンタル成分及び/又はジルコニウム成分を含有する粒子を含み、当該粒子の平均粒径が2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。このようにすることにより、酸化物焼結体の機械的強度を高めるとともに、スパッタリング中の異常放電現象をより抑制することが可能となる。ここで、タンタル及び/又はジルコニウムを含有する粒子とその平均粒径は以下のようにして求めた。すなわち、本発明の酸化物焼結体を適当な大きさに切断した後、観察面を表面研磨し、次に希塩酸溶液でケミカルエッチングを行い、粒界を明確化する。この試料をX線マイクロアナライザー(EPMA)、走査電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析(SEM/EDS)、X線回折(XRD)等を用いて、焼結体の研磨面の観察写真を撮るとともに、各粒子の組成を確認する。観察写真内のタンタル及び/又はジルコニウムを含有する粒子50個以上の長径を求め、その算術平均をタンタル及び/又はジルコニウムを含有する粒子の平均粒径とした。
また、タンタル及び/又はジルコニウムを含有する粒子が酸化物焼結体中に含有される量に特に限定はないが、観察面の単位面積250μm×250μmあたり、タンタル及び/又はジルコニウムを含有する粒子が占める面積は、その長径を直径とする円形状の面積として計算した場合に、面積割合で0.001〜20%が好ましく、0.005〜15%がさらに好ましい。
本発明の酸化物焼結体の曲げ強度は150MPa以上であることが好ましく、200MPa以上であることがさらに好ましい。このような高い曲げ強度を有することにより、スパッタリング中の割れ等の破損をより一層抑制することが可能となる。ここで、曲げ強度はJIS−R−1601に準拠して三点曲げ強度を測定した。
本発明の酸化物焼結体は、相対密度が97%以上であり、かつ平均粒子径が8μmであることが好ましい。酸化物焼結体の相対密度や平均粒径をこのような範囲とすることにより、スパッタリングによる製膜時の異常放電現象を抑制することが可能となり、また酸化物焼結体の強度が高くなり、スパッタリングによる製膜時や取り扱い時の割れ等の破損を抑制することが可能となる。
ここで、本発明の酸化物焼結体の相対密度は、以下のように算出されるものである。すなわち、In、Ta及びZrを、それぞれ、In、Ta及びZrOの酸化物に換算して重量比率を求める。ここで、求めたIn、Ta及びZrOの重量比率を、それぞれa(%)、b(%)及びc(%)とする。次に、真密度をそれぞれ、In:7.18g/cm、Ta:8.7g/cm、ZrO:6.00g/cmを用いて、理論密度A(g/cm)を算出する。
A=(a+b+c)/((a/7.18)+(b/8.7)+(c/6.00))
酸化物焼結体の焼結密度B(g/cm)は、JIS−R1634−1998に準拠してアルキメデス法で測定した。
相対密度(%)は、算術的に求めた理論密度A(g/cm)に対する焼結密度B(g/cm)の相対値として、下式により求めた。
相対密度(%)=(B/A)×100
また、本発明における焼結体中の粒子の平均粒径の測定は以下のように行う。すなわち、本発明の酸化物焼結体を適当な大きさに切断した後、観察面を表面研磨し、次に希塩酸溶液でケミカルエッチングを行い、粒界を明確化する。この試料をEPMA、SEM/EDS、XRD等を用いて、焼結体の研磨面の観察写真を撮る。観察写真の粒子500個以上の長径を求め、その算術平均を平均粒径とした。
次に、本発明の酸化物焼結体の製造方法について説明する。本発明の酸化物焼結体の製造方法は、インジウム源となる粉末、タンタル源となる粉末、及びジルコニウム源となる粉末の混合粉末を調製する混合工程と、混合粉末を成形して成形体を作製する成形工程と、成形体を焼成して酸化物焼結体を得る焼成工程と、を有する。以下、各工程を詳細に説明する。
混合工程では、インジウム源となる粉末、タンタル源となる粉末、及びジルコニウム源となる粉末を含む成形用の混合粉末を調製する。原料粉末の混合方法には特に限定はなく、インジウム源となる粉末、タンタル源となる粉末、及びジルコニウム源となる粉末を同時に混合してもよく、又は一部を予備混合した後に、さらに残部を追加して混合してもよい。
混合方法としては、まずタンタル源となる粉末、及びジルコニウム源となる粉末を予備混合し、仮焼することが好ましい。原料粉末は、特に限定されるものではなく、酸化タンタル、酸化ジルコニウムが適するが、焼成により酸化タンタル、酸化ジルコニウムとなるタンタルやジルコニウムの硝酸塩、塩化物、炭酸塩、アルコキシド等も使用することができる。特に取り扱い性を考慮すると、酸化物粉末が好適に用いられる。これら粉末の粒径は、取扱性を考慮すると平均1次粒径1.5μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.5μmである。このような粉末を使用することにより、焼結体密度の改善効果が得られる。
ここで、予備混合を行う場合、その方法は特に限定されるものではなく、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた乾式、湿式のメディア撹拌型ミルやメディアレスの容器回転式混合、機械撹拌式混合等の混合方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル、V型混合機、パドル式混合機、二軸遊星撹拌式混合機等が挙げられる。なお、湿式法のボールミルやビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル等を用いる場合には、粉砕後のスラリーを乾燥する必要がある。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等が例示できる。また、金属塩溶液やアルコキシド溶液を原料として用いた場合には、溶液中から析出させた沈殿類を乾燥させておく。
予備混合を行う場合、得られた予備混合粉末を、800〜1400℃で仮焼することが好ましい。仮焼温度は1000〜1400℃がより好ましく、時間は1〜3時間で十分である。得られた仮焼粉末は、解砕処理等により、平均1次粒径を0.5μm以下にすることが好ましい。解砕等の処理方法は特に限定されるものではないが、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた乾式、湿式のメディア撹拌型ミル等の混合方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル等が挙げられる。なお、湿式法のボールミルやビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル等を用いる場合には、解砕後のスラリーを乾燥する必要がある。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等が例示できる。
次いで、最終組成となるように酸化インジウム粉末と解砕した仮焼粉末を混合し、成形用の混合粉末を得る。酸化インジウム粉末を用いることにより、工程の煩雑さや粉末処理等の付随作業を低減することが可能となる。インジウム源が酸化物以外の場合、例えば、硝酸塩、塩化物、炭酸塩等の場合には、仮焼して酸化物としてから使用する。これらの粉末の粒径は、取扱性を考慮すると平均1次粒径1.5μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.5μmである。このような粉末を使用することにより、焼結体密度の改善効果が得られる。
ここで、酸化インジウム粉末と仮焼粉末の混合方法は特に限定されるものではないが、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた乾式、湿式のメディア撹拌型ミルやメディアレスの容器回転式混合、機械撹拌式混合等の混合方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル、V型混合機、パドル式混合機、二軸遊星撹拌式混合機等が挙げられる。なお、湿式法のボールミルやビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル等を用いる場合には、粉砕後のスラリーを乾燥する必要がある。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等が例示できる。
また、最終組成よりも少なく、かつ適量の酸化インジウム粉末と前記仮焼粉末を混合後、再度800〜1500℃で仮焼して再仮焼粉末を得、この再仮焼粉末に最終組成となるように酸化インジウム粉末を追加しても良い。ここで、再仮焼粉末は、最終組成となるように酸化インジウム粉末と混合する前に、解砕処理等により、平均1次粒径を0.5μm以下にすることが好ましい。
いずれにせよ、得られた成形用の混合粉末は平均1次粒径1.5μm以下、より好ましくは0.1〜1.5μmとして成形用粉末とする。さらに造粒処理等により成形工程での操作性を改善しておくことも可能である。これらの操作は、成形性や焼結性の改善に効果を奏するものである。
成形工程では、混合工程において得られた成形用の混合粉末を成形する。成形方法は、目的とした形状に成形できる成形方法を適宜選択することが可能であり、特に限定されるものではない。例えば、プレス成形法、鋳込み成形法等が例示できる。成形圧力はクラック等の発生がなく、かつ取り扱いが可能な成形体を作製できる範囲で適宜設定することが可能であり、特に限定されるものではない。成形体の成形密度は可能な限り、高い方が好ましい。そのために冷間静水圧成形(CIP)等の方法を用いることも可能である。この際、必要に応じ、成形性を改善するための有機系の添加剤を使用しても良い。
成形の際に添加剤を使用する場合、成形体中に残存する水分や有機系の添加剤を除去するため、焼成工程の前に80〜500℃の温度で加熱処理を施すことが好ましい。この処理温度は、残存する水分や添加剤の量や種類により適宜選択すればよい。
焼成工程では、成形工程で得られた成形体を焼成する。昇温速度は特に限定されず、焼成時間の短縮と割れ防止の観点から、10〜400℃/時間とするのが好ましい。焼成温度は、1400℃以上1650℃未満が好ましく、1500℃以上1640℃以下とすることがより好ましい。こうすることにより、高密度の焼結体が得ることができる。保持時間は1時間以上が好ましく、2〜30時間がより好ましい。こうすることにより、高密度でかつ平均粒径が小さい焼結体を得ることができる。降温速度については、通常の範囲内で設定されれば特に限定されるものではなく、焼成時間の短縮と割れ防止の観点から、10〜500℃/時間とするのが好ましい。
焼成時の雰囲気は、酸素を含有する雰囲気であることが好ましく、特に酸素気流中が好ましく、さらに焼結時に炉内に酸素を導入する際の酸素流量(L/min)と成形体の重量(仕込量、kg)の比(成形体の重量/酸素流量)を、1.0以下とすることが好ましい。こうすることにより、高密度の焼結体を得ることができる。
本発明の酸化物焼結体の製造方法は、上述の方法に限定されない。例えば、混合工程においては、予備混合及び仮焼を行わずに、インジウム源となる粉末、タンタル源となる粉末、ジルコニウム源となる粉末をまとめて混合して、成形用の混合粉末を調製してもよい。
本発明のスパッタリングターゲットは、上述の酸化物焼結体からなることを特徴とする。このようなスパッタリングターゲットは、スパッタリングによる製膜時の放電特性に優れ、異常放電が抑制され安定した製膜を可能とする。
本発明においては、酸化物焼結体をそのままスパッタリングターゲットとして用いても良く、また酸化物焼結体を所定の形状に加工してスパッタリングターゲットとして用いても良い。
スパッタリングターゲットは、スパッタリング面の表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。これにより、スパッタリングによる製膜時の異常放電の回数を一層抑制することが可能となり、安定した製膜を可能とする。中心線平均粗さは、酸化物焼結体のスパッタリング面を番手を変えた砥石等で機械加工する方法、サンドブラスト等で噴射加工する方法等により調整することが可能である。また中心線平均粗さは、例えば測定面を表面性状測定装置で評価することにより求めることができる。
本発明のスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により製膜することができる。特にスパッタリング法としては、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法、ACスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等を適宜選択することができ、これらの中、大面積に均一に、かつ高速製膜可能な点でDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法が好ましい。
スパッタリング時の温度は特に限定されるものではないが、用いた基材の耐熱性に影響される。例えば、無アルカリガラスを基材とした場合は通常250℃以下、樹脂製のフィルムを基材とした場合は、通常150℃以下が好ましい。もちろん、石英、セラミックス、金属、耐熱性樹脂フィルム等の耐熱性に優れた基材を用いる場合には、それ以上の温度で製膜することも可能である。
スパッタリング時の雰囲気ガスは、通常、不活性ガス、例えばアルゴンガスを用いる。必要に応じて、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス等を用いてもよい。
本発明のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングによって製膜された酸化物透明導電膜は、低温の製膜プロセスで低抵抗の膜厚5〜50nm程度の非常に薄い酸化物透明導電膜を得ることが可能となるとともに、さらには膜厚が50nmよりも厚い場合にも低抵抗であり、かつ可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有する酸化物透明導電膜を得ることが可能となる。
また、このようにして得られた酸化物透明導電膜の組成は、スパッタリングに用いたターゲットの組成を反映される。
したがって、酸化物透明導電膜は、構成元素として、インジウム、タンタル、ジルコニウム及び酸素を有する複合酸化物を含む。酸化物透明導電膜におけるインジウムの含有量、タンタルの含有量及びジルコニウムの含有量の好ましい範囲は、本発明の酸化物焼結体と同様である。
上述した酸化物透明導電膜は、例えば太陽電池に用いることによって、従来よりも光学損失を抑制することが可能となり、光電変換効率が高く、安定した太陽電池を提供することができる。なお、ここで言う太陽電池とは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いたシリコン系太陽電池、CuInSe、Cu(In、Ga)Se、GaAs、CdTeなどの化合物系太陽電池、さらに色素増感型太陽電池等の酸化物透明導電膜を用いる太陽電池を例示できる。
また、上述した酸化物透明導電膜は、主として用途により適切な膜厚として使用される。例えば、太陽電池等の各種受光素子の電極等に用いられる場合には、膜厚は100nm〜300nm程度で用いられる場合が多い。また、液晶等の表示素子、特にタッチパネル用途では、樹脂フィルムを用いたフレキシブル基板が採用される場合も多く、膜厚は5〜50nm程度と非常に薄い膜として用いられる場合もあり、樹脂フィルムを用いるため、製膜プロセスの最高温度を低温に抑えることが必須であるため、好適に用いることができる。
本発明の酸化物焼結体は、スパッタリングターゲットとして用いることができる。そして、そのターゲットを用いてスパッタリングすることにより、スパッタリング中の異常放電を抑止しながら、本発明の酸化物透明導電膜を製造することができる。本発明の酸化物透明導電膜は、低温の製膜プロセスで低抵抗の膜厚5〜50nm程度の非常に薄い酸化物透明導電膜を得ることが可能となるとともに、さらには膜厚が50nmよりも厚い場合にも低抵抗であり、かつ可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有する酸化物透明導電膜を得ることが可能となる。
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、評価方法は以下の通りである。
[酸化物焼結体の評価]
(組成)
ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析)装置により定量した。
(相対密度)
前述のように、理論密度に対する焼結密度の相対値として求めた。
(平均粒径)
酸化物焼結体を構成する粒子の平均粒径は、前述のようにして求めた。ただし、走査電子顕微鏡を用いて観察写真を得、平均粒径は粒子500個から求めた。
(X線回折試験)
酸化物焼結体の結晶相は、X線回折試験で同定した。測定条件は以下の通りである。
・X線源 :CuKα
・パワー :40kV、40mA
・走査速度 :1°/分
得られた回折パターンを解析し、1)ビックスバイト型酸化物相、及び2)前記の1)以外の他の結晶相とに分類し、1)、2)の結晶相のそれぞれにおいて同定された場合は「有」、同定されなかった場合は「無」とした。
(機械的強度)
酸化物焼結体の機械的強度は、JIS−R−1601に準拠して三点曲げ強度を測定した。
[スパッタリングターゲットの評価]
(放電特性)
下記スパッタリング条件下で1時間当たりに生じた異常放電回数を算出した。
スパッタリング条件
・装置 :DCマグネトロンスパッタリング装置(アルバック社製)
・磁界強度 :1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
・基板温度 :室温(約25℃)
・到達真空度 :5×10−5Pa
・スパッタリングガス :アルゴン+酸素
(酸素/(アルゴン+酸素)=0.02(体積比))
・スパッタリングガス圧:0.5Pa
・DCパワー :200W
・スパッタリング時間 :30時間
[酸化物透明導電膜の評価]
(光学特性)
基板を含めた光透過率、光反射率を分光光度計U−4100(日立製作所社製)で波長240nmから2600nmの範囲を測定した。得られた光透過率をT(%)、光反射率をR(%)としたとき、光吸収率A(%)を下式により求めた。
A(%)=100−T―R
得られた光吸収率A(%)について、波長400〜600nmでの平均値と、800〜1200nmでの平均値を算出した。
(抵抗率)
薄膜の抵抗率は、HL5500(日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)を用いて測定した。
[実施例1]
酸化物焼結体の作製
純度99.9%、平均粒径2.2μmの酸化タンタル粉末、及び純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化ジルコニウム粉末を原料粉末とし、湿式ビーズミルで粉砕し、スプレードライヤで噴霧乾燥し、BET12m/g、平均粒径80μmの造粒粉末を得た。
次に、純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末と得られた造粒粉末を表1に記載の最終組成となるように秤量して乾式ボールミルで混合し、BET12m/gの混合粉末を得た。得られた粉末を直径150mmの金型を用いて、0.3ton/cmで金型成形し、次いで3.0ton/cmでCIP成形し、純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、以下の条件で焼成した。
(焼成条件)
・昇温速度 :50℃/時間
・焼成温度 :1450℃
・焼成時間 :10時間
・焼成雰囲気 :昇温時の室温から降温時の100℃まで純酸素ガスを炉内に導入
・降温速度 :100℃/時間
・仕込重量/酸素流量:0.9
得られた焼結体を粉砕し、X線回折試験により生成相を同定したところ、ビックスバイト型酸化物相に起因する回折ピークとトレース程度に酸化タンタルに起因する回折ピークが観察された。
酸化物透明導電膜の作製
このようにして得た酸化物焼結体を4インチφサイズに加工し、ターゲットのスパッタリング面となる面は、平面研削盤とダイヤモンド砥石を用い、砥石の番手を変えることにより、中心線平均粗さ(Ra)を調整し、ターゲットを作製した。
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により下記の条件で製膜した後、後処理を行って酸化物透明導電膜を得た。
(スパッタリング製膜条件)
・装置 :DCマグネトロンスパッタ装置
・磁界強度 :1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
・基板温度 :室温(25℃)
・到達真空度 :5×10−4Pa
・スパッタリングガス :アルゴン+酸素
(酸素/(アルゴン+酸素)で表1に記載(体積比))
・スパッタリングガス圧:0.5Pa
・DCパワー :200W
・膜厚 :20nm
・使用基板 :無アルカリガラス(コーニング社製EAGLE XGガラス)
厚さ0.7mm
(製膜後の後処理条件)
基板上に製膜した試料を170℃で60分、大気中で熱処理を行った。
評価結果を表1に示す。
[実施例2]
酸化物焼結体の作製
純度99.9%、平均粒径2.2μmの酸化タンタル粉末、純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化ジルコニウム粉末、及び純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末を原料粉末とし、表1に記載の最終組成となるように秤量して湿式ビーズミルで粉砕し、スプレードライヤで噴霧乾燥し、BET12m/g、平均粒径20μmの造粒粉末を得た。
得られた造粒粉末を直径150mmの金型を用いて、0.3ton/cmで金型成形し、次いで3.0ton/cmでCIP成形し、実施例1と同様にして焼成した。
得られた焼結体を粉砕し、X線回折試験により生成相を同定したところ、ビックスバイト型酸化物相に起因する回折ピークのみが観察された。
酸化物透明導電膜の作製
このようにして得た複合酸化物焼結体を実施例1と同様にしてターゲットを作製した。
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様にして製膜した後、後処理を行って酸化物透明導電膜を得た。
評価結果を表1に示す。
[実施例3〜18]
酸化物焼結体の作製
実施例2と同様の酸化タンタル粉末、及び酸化ジルコニウム粉末を原料粉末とし、表1又は表2に記載の組成比となるように乾式ボールミルで混合し、1300℃で2時間、大気中で仮焼した。得られた仮焼粉末は湿式ビーズミルで粉砕し、スプレードライヤで噴霧乾燥し、BET12m/g、平均粒径20μmの造粒粉末を得た。
次に、実施例2と同様の酸化インジウム粉末と得られた造粒粉末を表1又は表2に記載の最終組成となるように乾式ボールミルで混合した以外は実施例2と同様の方法で成形体を作製し、得られた成形体を焼成温度、焼成時間を表1又は表2に記載の条件とした以外は実施例2と同様の条件で焼成した。
得られた焼結体を粉砕し、X線回折試験により生成相を同定したところ、ビックスバイト型酸化物相に起因する回折ピークのみが観察された。実施例10〜18で得られた酸化物焼結体については、タンタル及び/又はジルコニウムを含有する粒子の平均粒径、三点曲げ強度についても測定を行った。結果を表2に示す。
酸化物透明導電膜の作製
実施例3〜9で得た酸化物焼結体を実施例2と同様にしてターゲットを作製した。
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により実施例2と同様にして製膜した後、後処理を行って酸化物透明導電膜を得た。表1に記載の通り、製膜雰囲気のみ一部の実施例は変更した。
評価結果を表1に示す。
[比較例1]
酸化物焼結体の作製
純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末を乾式ボールミルで圧密し、得られた粉末を直径150mmの金型を用いて、0.3ton/cmで金型成形し、次いで3.0ton/cmでCIP成形し、純酸素雰囲気焼結炉内に設置して、焼成温度、焼成時間を表1に記載の条件とした以外は実施例1と同様の条件で焼成した。
得られた焼結体を粉砕し、X線回折試験により生成相を同定したところ、ビックスバイト型酸化物相に起因する回折ピークのみが観察された。
酸化物透明導電膜の作製
このようにして得た酸化物焼結体を実施例1と同様にしてターゲットを作製した。
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により製膜雰囲気以外は実施例1と同様にして製膜した後、後処理を行って酸化物透明導電膜を得た。
評価結果を表1に示す。
[比較例2]
酸化物焼結体の作製
純度99.9%、平均粒径2.2μmの酸化タンタル粉末を原料粉末として湿式ビーズミルで粉砕し、スプレードライヤで噴霧乾燥し、BET12m/g、平均粒径80μmの造粒粉末を得た。
次に、純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末と得られた造粒粉末を表1に記載の組成比となるようにして、乾式ボールミルで混合した以外は実施例1と同様の方法で成形体を作製し、得られた成形体を実施例1と同様の条件で焼成した。
得られた焼結体を粉砕し、X線回折試験により生成相を同定したところ、ビックスバイト型酸化物相に起因する回折ピークとトレース程度に酸化タンタルに起因する回折ピークが観察された。
酸化物透明導電膜の作製
このようにして得た酸化物焼結体を実施例1と同様にしてターゲットを作製した。
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様にして製膜した後、後処理を行って酸化物透明導電膜を得た。
評価結果を表1に示す。
[比較例3〜5]
酸化物焼結体の作製
純度99.9%、平均粒径2.2μmの酸化タンタル粉末を原料粉末として湿式ビーズミルで粉砕し、スプレードライヤで噴霧乾燥し、BET12m/g、平均粒径20μmの造粒粉末を得た。
次に、純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末と得られた造粒粉末を表1に記載の最終組成となるように秤量して乾式ボールミルで混合し、実施例1と同様の方法で成形体を作製し、得られた成形体を焼成温度、焼成時間を表1に記載の条件とした以外は実施例1と同様の条件で焼成した。
得られた焼結体を粉砕し、X線回折試験により生成相を同定したところ、ビックスバイト型酸化物相に起因する回折ピークのみが観察された。
酸化物透明導電膜の作製
このようにして得た酸化物焼結体を実施例1と同様にしてターゲットを作製した。
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様にして製膜した後、後処理を行って酸化物透明導電膜を得た。表1に記載の通り、製膜雰囲気のみ一部の比較例は変更した。
評価結果を表1に示す。
[比較例6〜12]
酸化物焼結体の作製
原料粉末の組成を表1に記載の組成比となるようにした以外は実施例2と同様の方法で成形体を作製し、得られた成形体を焼成温度、焼成時間を表1に記載の条件とした以外は実施例2と同様の条件で焼成した。
得られた焼結体を粉砕し、X線回折試験により生成相を同定したところ、ビックスバイト型酸化物相に起因する回折ピークのみが観察された。
酸化物透明導電膜の作製
このようにして得た酸化物焼結体を実施例1と同様にしてターゲットを作製した。
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により実施例1と同様にして製膜した後、後処理を行って酸化物透明導電膜を得た。表1に記載の通り、製膜雰囲気のみ一部の比較例は変更した。
評価結果を表1に示す。
実施例1〜9と比較例1〜12を比較すると、インジウム、タンタル、ジルコニウム及び酸素から構成される酸化物焼結体において、インジウム、タンタル及びジルコニウムを特定の組成範囲とすることにより、低温の製膜プロセスで低抵抗の膜厚5〜50nm程度の非常に薄い酸化物透明導電膜であっても、低抵抗であり、かつ可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有することがわかる。
実施例1〜2から、本発明の酸化物焼結体の結晶相を制御することで、製膜中の異常放電現象をより抑制することが可能であることが分かる。
実施例2〜3から、本発明の酸化物焼結体の焼結密度をより高め、酸化物焼結体の平均粒径をより小さくすることで製膜中の異常放電現象をより一層抑制することが可能となることが分かる。
実施例10〜18を比較すると、タンタル成分及び/又はジルコニウム成分を含む粒子が内在すると強度が高くなることが分かる。
Figure 0006287327
Figure 0006287327

Claims (8)

  1. 構成元素としてインジウム、タンタル、ジルコニウム及び酸素を有する酸化物焼結体であって、当該焼結体を構成する元素の原子比が、インジウム、タンタル、ジルコニウムをそれぞれIn、Ta、Zrとしたときに、
    Ta/(In+Ta+Zr)=0.1〜0.5at%
    Zr/(In+Ta+Zr)=1.0〜2.4at%
    (Ta+Zr)/(In+Ta+Zr)=1.1〜2.5at%
    であることを特徴とする酸化物焼結体。
  2. 酸化物焼結体がビックスバイト型酸化物構造の結晶相のみから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の酸化物焼結体。
  3. 請求項1または2に記載の酸化物焼結体において、当該焼結体がタンタル成分及び/又はジルコニウム成分を含有する粒子を含み、当該粒子の平均粒径が2μm以下であることを特徴とする酸化物焼結体。
  4. 酸化物焼結体の相対密度が97%以上であり、かつ平均粒子径が8μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物焼結体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物焼結体からなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  6. 請求項5に記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることを特徴とする酸化物透明導電膜の製造方法。
  7. 請求項6に記載の方法により得られることを特徴とする酸化物透明導電膜。
  8. 構成元素としてインジウム、タンタルと、ジルコニウム及び酸素を有する酸化物透明導電膜であって、当該透明導電膜を構成する元素の原子比が、インジウム、タンタル、ジルコニウムをそれぞれIn、Ta、Zrとしたときに、
    Ta/(In+Ta+Zr)=0.1〜0.5at%
    Zr/(In+Ta+Zr)=1.0〜2.4at%
    (Ta+Zr)/(In+Ta+Zr)=1.1〜2.5at%
    であることを特徴とする請求項7に記載の酸化物透明導電膜。
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