JP2015025195A - 酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜 - Google Patents

酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスにおいても十分に低い抵抗率を実現することのできる酸化物焼結体、及びそれにより得られる酸化物透明導電膜を提供することを目的とする。
【解決手段】 構成元素として、インジウム、ジルコニウム、イットリウム、ハフニウム及び酸素を有する酸化物焼結体であり、インジウム、ジルコニウム、イットリウム及びハフニウムをそれぞれIn、Zr、Y、Hfとしたときに、原子比でZr/(In+Zr+Y+Hf)が0.1〜3.0at%であり、Y/(In+Zr+Y+Hf)が0.005〜0.5at%であり、Hf/(In+Zr+Y+Hf)が0.0002〜0.15at%であることを特徴とする酸化物焼結体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化物焼結体、スパッタリングターゲット、並びに酸化物透明導電膜及びその製造方法に関するものである。
酸化物透明導電膜は、低抵抗であるとともに可視光域において比較的高い透過率を有するため、液晶等の表示素子や太陽電池等の各種受光素子の電極に利用され、また、自動車用・建築材用の熱線反射膜・帯電防止膜、あるいは冷凍ショーケース等の防曇用透明発熱体等、様々な分野で利用されている。これらの中でも錫を添加した酸化インジウム膜はITO(Indium Tin Oxide)膜として広く利用されている。
近年は、素子特性を最大限に引き出すための一手法として電気特性や光学特性を要求に応じて改善することが極めて重要となってきており、特に液晶等の表示素子や太陽電池等の各種受光素子の電極等の用途において、活発な開発がなされている。
上述のITO膜では錫の添加量を調整することによって、電気特性や光学特性を調整することが試みられてきた。しかしながら、この方法では抵抗のような電気特性と透過率、光吸収率のような光学特性の両方を同時に改善することが困難であった。例えば、非特許文献1にはIn−SnO系透明導電膜における電気光学特性のSnO量依存性が開示されている。これによれば、In−SnO系透明導電膜はSnO量が10wt%程度で最も抵抗が低くなる。しかし、このようなSnO量ではプラズマ波長が短波長側にシフトするため、赤外域で吸収率が大きく、透過率が低下する。
また、酸化物透明導電膜は、用途に応じて適切な膜厚として使用される。例えば、太陽電池等の各種受光素子の電極等に用いられる場合には、100nm〜300nm程度の膜厚を有する酸化物透明導電膜が用いられる場合が多い。液晶等の表示素子、特にタッチパネルの用途では、ガラス基板に加えて高分子フィルムを用いたフレキシブル基板が採用される場合も多い。この場合、膜厚が5〜50nm程度の非常に薄い膜として用いられる。
また、近年は各種素子において、高分子フィルムや有機系材料を素子構造内に組み込むことも多く、そのため、製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えることが求められる。
このような状況下において、酸化インジウムへの元素添加により、スパッタリングターゲットやそれにより得られる膜を所望の特性に改善しようとする試みがある。
特許文献1、2には、インジウムとジルコニウム、イットリウム、ハフニウムを含む金属元素の中から少なくとも1種類の元素と酸素から構成される酸化物焼結体が開示されている。しかしながら、特許文献1、2のいずれも上記金属元素を単独で添加したものしか開示されていない。
特許文献3、4には酸化インジウムに絶縁性酸化物が含有されているスパッタリングターゲットが開示され、絶縁性酸化物として、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウムが例示されている。しかしながら、いずれの文献も酸化ジルコニウムや酸化ハフニウムを添加した実施例については一切記載がない。
特開平9−209134号公報 特開平9−150477号公報 特開2003−105532号公報 特開2004−149883号公報
TOSOH Research & Technology Review、47、pp.11−20(2003)
液晶等の表示素子及び太陽電池等の各種受光素子の電極等の光学特性を重要視する用途においては、高分子フィルムや有機系材料を素子構造内に組み込むことも多く、そのため、製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えることが求められる。
そこで、本発明は製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスにおいても十分に低い抵抗率を実現することのできる酸化物焼結体、及びそれにより得られる酸化物透明導電膜を提供することを目的とする。
さらに、本発明は高温や高湿環境下での耐久性に優れた酸化物透明導電膜とそれを得るための酸化物焼結体を提供することを目的とする。
このような背景に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた。その結果、酸化インジウムに特定の元素を、特定の比率で添加することにより、製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスで十分に低い抵抗を実現した酸化物透明導電膜を形成することが可能な酸化物焼結体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、高温や高湿環境下での耐久性に優れた酸化物透明導電膜を形成することが可能な酸化物焼結体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、インジウム、ジルコニウム、イットリウム及びハフニウムをそれぞれIn、Zr、Y及びHfとしたときに、原子比でZr/(In+Zr+Y+Hf)が0.1〜3.0at%であり、Y/(In+Zr+Y+Hf)が0.005〜0.5at%であり、Hf/(In+Zr+Y+Hf)が0.0002〜0.15at%である酸化物焼結体を提供する。
また、本発明は、上述の酸化物焼結体からなることを特徴とするスパッタリングターゲットを提供する。
さらに、本発明は、上述のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることを特徴とする、酸化物透明導電膜の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上述の方法によって得られる酸化物透明導電膜を提供する。
さらに、本発明は、インジウム、ジルコニウム、イットリウム及びハフニウムをそれぞれIn、Zr、Y及びHfとしたときに、原子比でZr/(In+Zr+Y+Hf)が0.1〜3.0at%であり、Y/(In+Zr+Y+Hf)が0.005〜0.5at%であり、Hf/(In+Zr+Y+Hf)が0.0002〜0.15at%である酸化物透明導電膜を提供する。
さらに、本発明は、上述の酸化物透明導電膜と基材により構成される酸化物透明導電膜を含む積層基材を提供する。
さらに、本発明は、上述の積層基材を用いる素子を提供する。
さらに、本発明は、上述の素子を用いる電子機器を提供する。
本発明の酸化物焼結体は、スパッタリングターゲットとして用いることができる。そして、そのスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることにより、スパッタリング中の異常放電を抑止しながら、本発明の酸化物透明導電膜を製造することができる。
本発明の酸化物透明導電膜は、製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスで十分に低い抵抗を実現でき、素子や電子機器に好適に用いることができる。
また、例えば太陽電池に用いることによって、従来の太陽電池よりも、光学損失と光吸収による発熱を抑制することができる。これによって、光電変換効率が高く、安定した太陽電池を提供することができる。なお、ここで言う太陽電池とは、酸化物透明導電膜を用いる太陽電池である。このような太陽電池としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いたシリコン系太陽電池、CuInSe、Cu(In、Ga)Se、GaAs又はCdTeなどの化合物系太陽電池、及び色素増感型太陽電池等を例示できる。
さらに、本発明の酸化物透明導電膜は高温や高湿環境下での耐久性に優れており、各種用途において信頼性の高い材料として好適に用いることができる。
以下、本発明の好適な実施形態を以下に詳細に説明する。
本実施形態の酸化物焼結体は、インジウム、ジルコニウム、イットリウム及びハフニウムをそれぞれIn、Zr、Y及びHfとしたときに、原子比でZr/(In+Zr+Y+Hf)が0.1〜3.0at%であり、Y/(In+Zr+Y+Hf)が0.005〜0.5at%であり、Hf/(In+Zr+Y+Hf)が0.0002〜0.15at%である。本明細書において「at%」は、「原子%」を意味する。すなわち、本実施形態の酸化物焼結体は、In、Zr、Y及びHfの合計に対するZrの原子比(原子数の比率)が、0.1〜3.0at%であり、In、Zr、Y及びHfの合計に対するYの原子比(原子数の比率)が、0.005〜0.5at%であり、In、Zr、Y及びHfの合計に対するHfの原子比(原子数の比率)が0.0002〜0.15at%である。
このような組成範囲とすることにより、製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスで十分に低い抵抗を実現できる酸化物透明導電膜を形成することができる。酸化物透明導電膜の抵抗をさらに低下させる観点から、Zr/(In+Zr+Y+Hf)の下限は、好ましくは0.3at%である。同様の観点から、Zr/(In+Zr+Y+Hf)の上限は、好ましくは2.7at%である。
酸化物透明導電膜の抵抗をさらに低下させる観点から、Y/(In+Zr+Y+Hf)の下限は、好ましくは0.01at%である。同様の観点から、Y/(In+Zr+Y+Hf)の上限は、好ましくは0.4at%であり、より好ましくは0.3at%である。
酸化物透明導電膜の抵抗をさらに低下させる観点から、Hf/(In+Zr+Y)の下限は、好ましくは0.001at%である。同様の観点から、Hf/(In+Zr+Y)の上限は、好ましくは0.08at%である。
本実施形態において、酸化物透明導電膜の低い抵抗率を一層高い水準で実現する観点から、Zr/(In+Zr+Y+Hf)は、0.3〜2.7at%である。また、Y/(In+Zr+Y+Hf)は、0.01〜0.3at%である。また、Hf/(In+Zr+Y)は、0.001〜0.08at%である。
本発明の酸化物焼結体は、構成元素として、インジウム、ジルコニウム、イットリウム、ハフニウム及び酸素を有する複合酸化物を含む。酸化物焼結体におけるインジウムの含有量は、金属元素の合計に対して、好ましくは95at%以上であり、より好ましくは96at%以上であり、さらに好ましくは97〜99.8at%である。
本実施形態の酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜は、不可避的な微量の不純物を含んでいてもよい。このような不純物としては、In、Zr、Y、Hf以外の金属元素を有する酸化物などの化合物が挙げられる。酸化物焼結体におけるこれらの不純物の合計含有量は、金属元素に換算して、In、Zr、Y及びHfの合計に対し、好ましくは1at%以下であり、より好ましくは0.5at%以下であり、さらに好ましくは0.1at%以下であり、特に好ましいのは0.01at%以下である。
本実施形態の酸化物焼結体の相対密度は、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。このような相対密度を有する酸化物焼結体は、スパッタリングターゲットとして用いた場合に、スパッタリング中の異常放電を一層低減することができる。
本明細書における相対密度は以下のようにして算出される。すなわち、In、Zr、Y及びHfを、それぞれ、In、ZrO、Y及びHfOの酸化物に換算してこれらの重量比率を求める。ここで、求めたIn、ZrO、Y及びHfOの重量比率を、それぞれa(%)、b(%)、c(%)及びd(%)とする。ここで、a、b、c及びdは、酸化物焼結体を製造する際の成形用の混合粉末における原料組成、すなわち各酸化物粉末の仕込み量の比率から求めることができる。
次に、それぞれの酸化物の真密度を、In:7.18g/cm、ZrO:6.00g/cm、Y:5.01g/cm、HfO:9.68g/cmとする。この真密度の値を用いて、下記式によって理論密度A(g/cm)を算出する。
A=(a+b+c+d)/((a/7.18)+(b/6.00)+(c/5.01)+(d/9.68))
一方、酸化物焼結体の焼結密度B(g/cm)は、JIS−R1634−1998に準拠してアルキメデス法で測定する。
相対密度(%)は、算術的に求めた理論密度A(g/cm)に対する焼結密度B(g/cm)の相対値として、下式により求められる。
相対密度(%)=(B/A)×100。
本実施形態の酸化物焼結体を構成する粒子の平均粒径の上限は、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは6μm以下である。このような平均粒径とすることにより、酸化物焼結体の強度を高めることが可能となる。平均粒径の下限は、製造の容易性の観点から、好ましくは0.01μmであり、より好ましくは0.5μmであり、さらに好ましくは2μmである。
本明細書において、酸化物焼結体に含まれる粒子の平均粒径は、以下の手順で測定される。すなわち、本発明の酸化物焼結体を適当な大きさに切断した後、観察面を表面研磨する。次に、この研磨面に、希塩酸溶液でケミカルエッチングを行い、粒界を明確化する。この酸化物焼結体のエッチング面をEPMA、SEM/EDS、又はXRD等を用いて観察し、観察写真を撮影する。観察写真に含まれる500個以上の粒子の長径を画像処理によって測定する。このようにして測定される長径の算術平均値を平均粒径とする。
次に、酸化物焼結体の製造方法を好適な実施形態を説明する。
本実施形態の製造方法では、インジウム源となる粉末、ジルコニウム源となる粉末、イットリウム源となる粉末及びハフニウム源となる粉末を含む成形用の混合粉末を調整する混合工程と、混合粉末を成形して成形体を作成する成形工程と、成形体を焼成して酸化物焼結体を得る焼成工程と、を有する。以下、各工程を詳細に説明する。
混合工程では、インジウム、ジルコニウム、イットリウム及びハフニウムの酸化物を含む混合粉末を調製する。本実施形態においては、原料粉末の混合方法には特に限定はなく、インジウム源となる粉末、ジルコニウム源となる粉末、イットリウム源となる粉末及びハフニウム源となる粉末を同時に混合してもよく、又は一部を予備混合した後に、さらに残部を追加して混合してもよい。
混合方法としては、まず、ジルコニウム源となる粉末、イットリウム源となる粉末及びハフニウム源となる粉末を予備混合し、仮焼することが好ましい。原料粉末としては、特に限定されるものではないが、取扱性を考慮すると酸化ジルコニウム粉末、酸化イットリウム粉末、酸化ハフニウム粉末が好ましい。
酸化ジルコニウム粉末、酸化イットリウム粉末、酸化ハフニウム粉末の代わりに、焼成により酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウムとなる化合物を用いてもよい。そのような化合物としては、ジルコニウム、イットリウム及びハフニウムの硝酸塩、塩化物、又は炭酸塩などの金属塩、あるいはアルコキシド等が挙げられる。原料粉末の平均1次径は、取扱性の観点から、好ましくは1.5μm以下であり、より好ましくは0.1〜1.5μmである。このような粉末を使用することにより、酸化物焼結体の密度を一層高くすることができる。
ここで、予備混合を行う場合、その方法は特に限定されるものではなく、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた、乾式及び湿式のメディア撹拌型ミルやメディアレスの容器回転式混合、並びに機械撹拌式混合等の混合方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル、V型混合機、パドル式混合機、及び二軸遊星撹拌式混合機等が挙げられる。
湿式法のボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、又はジェットミル等を用いる場合には、粉砕後のスラリーを乾燥する。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等が例示できる。また、金属塩の溶液やアルコキシドの溶液を原料として用いる場合には、溶液中から析出させた沈殿類を乾燥させておくことが好ましい。
予備混合を行う場合、得られた予備混合粉末を、800〜1200℃で仮焼することが好ましい。仮焼温度は1000〜1200℃がより好ましく、時間は1〜3時間で十分である。得られた仮焼粉末は、解砕処理等により、平均1次粒径を0.5μm以下にすることが好ましい。解砕等の処理方法は特に限定されるものではないが、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた乾式及び湿式のメディア撹拌型ミル等の混合方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、及びジェットミル等が挙げられる。なお、湿式法のボールミルやビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、又はジェットミル等を用いる場合には、解砕後のスラリーを乾燥する。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過乾燥、流動層乾燥、及び噴霧乾燥等が例示できる。
次いで、所望の最終組成となるように酸化インジウム粉末と解砕した仮焼粉末を混合し、成形用の混合粉末を得る。酸化インジウム粉末を用いることにより、工程の煩雑さや粉末処理等の付随作業を低減することが可能となる。インジウム源が酸化物以外の場合、例えば、硝酸塩、塩化物、炭酸塩等の場合には、仮焼して酸化物としてから使用する。これらの粉末の平均1次粒径は、取扱性を考慮すると、好ましくは1.5μm以下であり、さらに好ましくは0.1〜1.5μmである。このような粒径の粉末を使用することにより、酸化物焼結体の密度を一層高くすることができる。
ここで、酸化インジウム粉末と仮焼粉末の混合方法は特に限定されるものではなく、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた乾式及び湿式のメディア撹拌型ミルやメディアレスの容器回転式混合、並びに機械撹拌式混合等の混合方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル、V型混合機、パドル式混合機、及び二軸遊星撹拌式混合機等が挙げられる。なお、湿式法のボールミルやビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、又はジェットミル等を用いる場合には、粉砕後のスラリーを乾燥する必要がある。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過乾燥、流動層乾燥、及び噴霧乾燥等が例示できる。
得られた成形用の混合粉末の造粒処理等を行なって、成形工程における操作性を改善しておくことも可能である。これらの操作によって、成形性や焼結性を一層向上することができる。
混合工程において、インジウム源となる粉末、ジルコニウム源となる粉末、イットリウム源となる粉末、ハフニウム源となる粉末の使用量は、成形用の混合粉末の組成(最終組成)を金属元素の原子比で表したとき、以下の範囲にあることが好ましい。すなわち、Zr/(In+Zr+Y+Hf)が0.1〜3.0at%、Y/(In+Zr+Y+Hf)が0.005〜0.5at%、Hf/(In+Zr+Y+Hf)が0.0002〜0.15at%である。
このような組成範囲とすることにより、製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスでより一層十分に低い抵抗を実現できる酸化物透明導電膜を形成することが可能となる。さらに、高温や高湿環境下での耐久性に優れた酸化物透明導電膜を得ることが可能となる。
成形工程では、混合工程において得られた成形用の混合粉末を成形する。成形方法は、目的とした形状に成形できる成形方法を適宜選択することが可能であり、特に限定されるものではない。例えば、プレス成形法、及び鋳込み成形法等が例示できる。成形圧力はクラック等の発生がなく、取り扱いが可能な成形体を作製できる範囲で適宜設定することが可能であり、特に限定されるものではない。成形体の成形密度は可能な限り、高い方が好ましい。そのために冷間静水圧成形(CIP)等の方法を用いることも可能である。この際、必要に応じ、成形性を改善するための有機系の添加剤を使用してもよい。
成形の際に添加剤を使用する場合には、成形体中に残存する水分や有機系の添加剤を除去するため、焼成工程の前に80〜500℃の温度で加熱処理を施すことが好ましい。この処理温度は、残存する水分、添加剤の量及び種類により適宜選択すればよい。
焼成工程では、成形工程で得られた成形体を焼成する。昇温速度については特に限定されず、焼成時間の短縮と割れ防止の観点から、好ましくは10〜400℃/時間である。焼結するための保持温度(焼結保持温度)は、好ましくは1400℃以上1650℃未満、より好ましくは、1500℃以上1625℃以下とする。このような焼成条件にすることによって、一層高密度の酸化物焼結体を得ることができる。保持時間は、好ましくは1時間以上であり、より好ましくは3〜10時間である。これによって、一層高密度でかつ平均粒径が小さい酸化物焼結体を得ることができる。降温速度については、通常の範囲内で設定されれば特に限定されるものではなく、焼成時間の短縮と割れ防止の観点から、好ましくは10〜500℃/時間である。
焼成時の雰囲気は、酸素を含有する雰囲気であることが好ましい。特に酸素気流中で焼成することが好ましい。特に、焼結時に炉内に酸素を導入する際の酸素流量(L/min)と成形体の重量(仕込量、kg)の比(成形体の重量/酸素流量)を、1.0[kg/(L/min)]以下とすることが好ましい。こうすることにより、一層高密度の酸化物焼結体を得ることができる。
本発明の酸化物焼結体の製造方法は、上述の方法に限定されない。例えば、混合工程においては、予備混合及び仮焼を行わずに、インジウム源となる粉末、ジルコニウム源となる粉末、イットリウム源となる粉末及びハフニウム源となる粉末を、纏めて混合して、成形用の混合粉末を調整してもよい。
本実施形態のスパッタリングターゲットは、上述の酸化物焼結体からなることを特徴とする。このようなスパッタリングターゲットは、製膜時の放電特性に優れているため、異常放電が抑制されて安定して製膜を行うことができる。このスパッタリングターゲットは、酸化物焼結体と同様の組成及び構造を有する。
本実施形態においては、酸化物焼結体をそのままスパッタリングターゲットとして用いても良く、酸化物焼結体を所定の形状に加工してスパッタリングターゲットとして用いてもよい。
スパッタリングターゲットのスパッタリング面の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)で3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。これにより、製膜時の異常放電の回数を一層抑制することが可能となり、安定した製膜を行うことが可能となる。中心線平均粗さは、スパッタリング面となる複合酸化物焼結体の表面を、番手が異なる砥石等で機械加工する方法、又はサンドブラスト等で噴射加工する方法等により調整することが可能である。中心線平均粗さは、例えば測定面を表面性状測定装置で評価することにより求めることができる。
本実施形態のスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により製膜することができる。スパッタリング法としては、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法、ACスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、又はイオンビームスパッタリング法等を適宜選択することができる。これらのうち、大面積に均一に、かつ高速で製膜が可能な点で、DCマグネトロンスパッタリング法、及びRFマグネトロンスパッタリング法が好ましい。
スパッタリング時の温度は特に限定されるものではないが、用いた基材の耐熱性に応じて適宜設定する。例えば、無アルカリガラスを基材とする場合は通常250℃以下が好ましく、樹脂製のフィルムを基材とする場合は通常150℃以下が好ましい。石英、セラミックス、又は金属等の耐熱性に優れた基材を用いる場合には、これらの温度以上の温度で製膜することも可能である。
スパッタリング時の雰囲気ガスは、通常、不活性ガス、例えばアルゴンガスを用いる。必要に応じて、酸素ガス、窒素ガス、又は水素ガス等を用いてもよい。
本実施形態の酸化物透明導電膜は、上述のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングによって製膜して得ることができる。すなわち、本実施形態の酸化物透明導電膜は、酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットをスパッタリングして製膜する工程を行うことによって、得ることができる。
本実施形態の酸化物透明導電膜は、製膜や素子製造のプロセスの最高温度を200℃未満、特に180℃未満という低温に抑えた製造プロセスであっても、一層十分に低い抵抗を実現することが可能である。さらに、高温や高湿環境下での耐久性に優れた酸化物透明導電膜を得ることが可能となる。
上述の方法によって得られる酸化物透明導電膜の組成は、スパッタリングに用いたターゲットの組成が反映される。すなわち、上述の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いることによって、Zr/(In+Zr+Y+Hf)が0.1〜3.0at%、Y/(In+Zr+Y+Hf)が0.005〜0.5at%、Hf/(In+Zr+Y+Hf)が0.0002〜0.15at%の組成を有する酸化物透明導電膜が得られる。
すなわち、本実施形態の酸化物透明導電膜は、スパッタリングターゲット及び酸化物焼結体と同等の組成を有する。
したがって、酸化物透明導電膜は、構成元素として、インジウム、ジルコニウム、イットリウム、ハフニウム及び酸素を有する酸化物を含む。酸化物透明導電膜におけるインジウムの含有量、ジルコニウムの含有量、及びイットリウムの含有量、ハフニウムの含有量の好ましい範囲は、酸化物焼結体と同様である。
本実施形態の酸化物透明導電膜の製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスで十分に低い抵抗を実現できるという観点から、Zr/(In+Zr+Y+Hf)の下限は、好ましくは0.3at%である。同様の観点から、Zr/(In+Zr+Y+Hf)の上限は、好ましくは2.7at%である。
本実施形態の酸化物透明導電膜の抵抗をさらに低下させる観点から、Y/(In+Zr+Y+Hf)の下限は、好ましくは0.01at%である。同様の観点から、Y/(In+Zr+Y+Hf)の上限は、好ましくは0.4at%であり、より好ましくは0.3at%である。
本実施形態の酸化物透明導電膜の抵抗をさらに低下させる観点から、Hf/(In+Zr+Y+Hf)の下限は、好ましくは0.001at%である。同様の観点から、Hf/(In+Zr+Y+Hf)の上限は、好ましくは0.08at%である。
本実施形態において、酸化物透明導電膜の低い抵抗率を一層高い水準で実現する観点から、Zr/(In+Zr+Y+Hf)は、0.3〜2.7at%である。また、Y/(In+Zr+Y+Hf)は、0.01〜0.3at%であることが好ましい。また、Hf/(In+Zr+Y+Hf)は0.001〜0.08at%であることが好ましい。
酸化物透明導電膜は、用途に応じて適切な膜厚として使用される。例えば、太陽電池等の各種受光素子の電極や表示素子のTFTやCF、有機EL素子の透明電極等に用いられる場合には100nm〜300nm程度の膜厚を有する酸化物透明導電膜が用いられる場合が多い。液晶等の表示素子、特にタッチパネルの用途では、ガラス基板の他に、高分子フィルムを用いたフレキシブル基板が採用される場合も多い。このような用途では、膜厚が5〜50nm程度の非常に薄い膜として用いられる。また、耐熱性の低い材料を積層した構造としたり、高分子フィルムを用いるため、製膜プロセスの最高温度を低温に抑えることが求められる。
本発明の酸化物透明導電膜は、基材と構成される酸化物透明導電膜を含む積層基材として好適に用いることができる。
ここで、基材とは無アルカリガラスや石英等を含むガラス基材、樹脂製の高分子フィルム基材、セラミックスや金属の基材等が挙げられる。特に表示素子向けの場合は視認性が極めて重要であるため、無アルカリガラスや石英等を含むガラス基材、樹脂製の高分子フィルム基材が好適である。
このような積層基材は複数の機能部品と構成された素子として好適に用いられる。例えば、太陽電池等の光学素子、FPDやタッチパネル等の表示素子に好適である。特に上述の表示素子は電子機器内に組み込まれて好適に用いられ、モバイル機器のように小型高性能電子機器には特に好適である。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
本発明を以下の実施例を参照してより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜12、比較例1〜10、参考例1〜3]
<酸化物焼結体の作製>
原料粉末として、純度99.99重量%、平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末、純度99.9重量%、平均粒径0.2μmの酸化ジルコニウム粉末、純度99.9重量%、平均粒径0.2μmの酸化イットリウム粉末、及び純度99.99%、平均粒径0.2μmの酸化ハフニウム粉末を準備した。表1に記載された原子比となるように、これらの原料粉末を秤量して乾式ボールミルで混合し、成形用の混合粉末を得た。混合粉末の平均粒径は0.2μmであった。
この混合粉末を、以下の手順で成形して成形体を作製した。まず、直径150mmの金型を用いて、0.3ton/cmで加圧して混合粉末を成形した。次いで、3.0ton/cmで加圧するCIP成形を行って、円柱形状の成形体を得た。この成形体を、純酸素雰囲気に調整された焼結炉内に配置して、以下の条件で焼結し、円板形状の酸化物焼結体を作製した。このようにして、各実施例及び各比較例の酸化物焼結体を得た。なお、保持時間は、焼成温度に保持した時間である。焼成温度は保持温度である。
(焼成条件)
・昇温速度 :50℃/時間
・焼結保持温度 :1600℃
・保持時間 :5時間
・焼結雰囲気 :昇温開始前(室温)から降温時の100℃に到達するまで
純酸素ガスを炉内に導入
・降温速度 :100℃/時間
・成形体の重量/酸素流量:0.9[kg/(L/min)]。
<酸化物焼結体の評価>
(組成)
各実施例、各比較例及び各参考例の酸化物焼結体の組成を、市販のICP発光分析装置を用いて、ICP発光分析法により定量した。そして、原子比を求めた。その結果を表1に示す。なお、酸化物焼結体の組成は、成形用の混合粉末の組成とほぼ同一であった。
(相対密度)
各実施例、各比較例及び各参考例の酸化物焼結体の相対密度を求めた。相対密度は、酸化物焼結体の理論密度をA、焼結密度をBとしたとき、下記式によって求められる値である。理論密度A及び焼結密度Bの測定方法は上述のとおりである。測定結果を表1に示す。
相対密度(%)=(B/A)×100
(平均粒径)
各実施例及び各比較例の酸化物焼結体を構成する粒子の平均粒径を測定した。平均粒径の測定方法は、上述のとおりである。ただし、酸化物焼結体の研磨面の観察写真(倍率:1000〜5000倍)は、走査電子顕微鏡を用いて撮影した。この観察写真において、粒子500個の長径を求めた。求めた長径の算術平均値を平均粒径とした。測定結果を表1に示す。
<スパッタリングターゲット及び酸化物透明導電膜の作製>
各実施例及び各比較例で作製した酸化物焼結体を、円板形状(直径:4インチ=101.6mm)に加工した。スパッタリングターゲットとして用いる際にスパッタリング面となる面は、平面研削盤とダイヤモンド砥石を用いて研磨した。研磨の際に砥石の番手を変えることにより、中心線平均粗さ(Ra)を調整した。このようにしてスパッタリングターゲットを作製した。作製したスパッタリングターゲットのスパッタリング面のRaを、市販の表面性状測定装置(装置名 サーフテストSV−3100 ミツトヨ製)を用いて測定した。その結果は表1に示す通りであった。
得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法により下記の条件で基板上に製膜した。製膜後に、以下の条件で後処理を行なって酸化物透明導電膜を得た。
(製膜条件)
・装置 :DCマグネトロンスパッタ装置
・磁界強度 :1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
・基板温度 :室温(25℃)
・到達真空度 :5×10−4Pa
・製膜時の雰囲気 :アルゴン
・スパッタリング時のガス圧:0.5Pa
・DCパワー :200W
・膜厚 :20nm
・使用基板 :無アルカリガラス
(コーニング社製EAGLE XGガラス 厚さ0.7mm)(製膜後の後処理条件)
製膜後に、大気中、170℃で60分間加熱する熱処理を行った。このようにして基板上に酸化物透明導電膜が形成された試料を得た。以下に述べる酸化物透明導電膜の評価を行った。
<酸化物透明導電膜の評価>
(光透過率)
基板上に酸化物透明導電膜が形成された試料の光透過率は、分光光度計(商品名:U−4100、株式会社 日立製作所製)を用いて、波長240nmから2600nmの範囲を測定し、表示デバイスで重要となる波長400〜800nmにおける光透過率の平均値を示した。測定結果を表1に示す。
(抵抗率)
酸化物透明導電膜の抵抗率は、市販の測定装置(商品名:HL5500、日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。
(耐久性)
薄膜試料を温度60℃、相対湿度90%の環境に連続的に1000時間まで曝し、抵抗率の変化を観察した。このとき、試験前後の抵抗率をそれぞれA、Bとしたときに、B/Aの値を求めて耐久性の指標とした。通常、この値は試験時間とともに増加傾向にあり、値が小さいほど耐久性が優れていることを示している。
[実施例13〜17]
<酸化物焼結体の作製>
焼成条件を表2の通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして酸化物焼結体を作製した。このようにして実施例13〜17の酸化物焼結体を得た。表2に示していない他の焼成条件は、実施例1と同一とした。
<スパッタリングターゲット及び酸化物透明導電膜の作製並びに評価>
得られた各実施例の酸化物焼結体を用い、実施例1と同様にして、スパッタリングターゲットを作製し、酸化物透明導電膜を得た。そして、実施例1と同様にして、酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2015025195
Figure 2015025195
実施例1〜17と比較例1〜10との対比から、酸化物透明導電膜の製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスで、実施例1〜17の方が、比較例1〜10よりも十分に低い抵抗を実現でき、かつ透過率も同等以上の高いものであり、高い耐久性であった。このことから、実施例1〜17の方が、比較例1〜10よりも良好な特性を有することが確認された。また、参考例1〜3から実施例1〜17の方が高い耐久性を示す効果があることが確認された。
本発明によれば、スパッタリングターゲット及びスパッタリングターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体を提供することができる。そして、そのスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることにより、スパッタリング中の異常放電を抑止しながら、酸化物透明導電膜を製造することができる。本発明の酸化物透明導電膜は、酸化物透明導電膜の製膜や素子製造のプロセスの最高温度を低温に抑えた製造プロセスで低抵抗を実現できる。このため、例えば太陽電池に用いることによって、従来よりも光学損失と、光吸収による発熱を抑制することができる。また、本発明の酸化透明導電膜は、低温の製膜プロセスで作製したときに、低い抵抗率と高い透過率を有するため、例えばガラス基板に加えて、フィルム等のフレキシブル基板を用いるタッチパネル用途に好適に用いることができる。さらに、本発明の酸化物透明導電膜は高い耐久性を有するため各種デバイス用途に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 構成元素として、インジウム、ジルコニウム、イットリウム、ハフニウム及び酸素を有する酸化物焼結体であり、インジウム、ジルコニウム、イットリウム及びハフニウムをそれぞれIn、Zr、Y、Hfとしたときに、原子比でZr/(In+Zr+Y+Hf)が0.1〜3.0at%であり、Y/(In+Zr+Y+Hf)が0.005〜0.5at%であり、Hf/(In+Zr+Y+Hf)が0.0002〜0.15at%であることを特徴とする酸化物焼結体。
  2. 請求項1に記載の酸化物焼結体を含んでなるスパッタリングターゲット。
  3. 請求項2に記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングする工程を有する、酸化物透明導電膜の製造方法。
  4. 請求項3に記載の方法によって得られる酸化物透明導電膜。
  5. インジウム、ジルコニウム、イットリウム及びハフニウムをそれぞれIn、Zr、Y、Hfとしたときに、原子比でZr/(In+Zr+Y+Hf)が0.1〜3.0at%であり、Y/(In+Zr+Y+Hf)が0.005〜0.5at%であり、Hf/(In+Zr+Y+Hf)が0.0002〜0.15at%である酸化物透明導電膜。
  6. 構成元素として、インジウム、ジルコニウム、イットリウム、ハフニウム及び酸素を有する複合酸化物を含有する、請求項5に記載の酸化物透明導電膜。
  7. 膜厚が5〜50nmであって、抵抗率が200Ω/□以下であることを特徴とする請求項4乃至6に記載の酸化物透明導電膜。
  8. 請求項4乃至7に記載の酸化物透明導電膜と基材により構成されることを特徴とする酸化物透明導電膜を含む積層基材。
  9. 請求項8に記載の積層基材を用いることを特徴とする素子。
  10. 請求項9に記載の素子を用いることを特徴とする電子機器。
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