JP4835541B2 - 導電性セラミックス焼結体の製造法 - Google Patents

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本発明は、電磁波加熱による導電性セラミックス焼結体の製造法に関する。
従来からセラミックスの焼成方法としては、常圧焼成法、ホットプレス法、HIP法等があるが、これらの焼成では外部熱源により加熱焼結するため、均一な焼成物を得るためには長時間の焼成時間が必要であり、エネルギーを多大に消費する製造方法である。近年、自己加熱による均一加熱、焼成時間短縮による省エネ効果の観点からマイクロ波やミリ波といった電磁波を用いた自己加熱型焼結がアルミナ等のセラミックス材料で検討されている(例えば非特許文献1参照)。
電磁波を用いた加熱においては、被焼成物の自己発熱を利用した焼結であり、熱は被焼成物内部から外部へ移動し、被焼成物の表面温度は内部より低くなる。この温度差が大きいと焼成時に被焼成物が破損する場合がある。この対策として、被焼成物の表面温度を内部と同等に保持する方法として等温断熱壁という概念が提案され、電磁波加熱によるセラミックス焼成が可能となってきた(例えば特許文献1参照)。
一方で、導電性セラミックスの原料粉末を電磁波加熱する場合、アルミナ等の導電性の小さいセラミックス粉末と異なる挙動を示す。通常のアルミナ等のセラミックス粉末は低温域では電磁波の吸収が弱く、高温になるにつれて吸収がよくなる傾向を示す。一方、導電性セラミックスの原料粉末は低温域では電磁波の吸収が非常に良いが、材料の焼結が進行して、導電性が高まるにつれて、表皮効果により電磁波の反射が起こりやすくなり、電磁波の吸収が悪くなる。このため、導電性セラミックスを焼結させる場合、焼結後半では特に焼結体の中心部まで電磁波が届かず、表面近傍で吸収したエネルギーが内部に伝わる外部加熱的な挙動を取り、特に焼結体の厚み方向が厚くなると中心部の密度がやや低くなる場合があった。焼結体の密度分布の存在はセラミックス製品の品質を低下させる原因であり、改善が求められていた。
導電性セラミックス製品としては、ITO(Indium Tin Oxide)焼結体、AZO(Aluminum Zinc Oxide)焼結体、IZO(Indium Zinc Oxide)焼結体、SnO系焼結体からなる導電性セラミックススパッタリングターゲットが挙げられる。
ITO、AZO等のスパッタリングターゲットは透明導電薄膜製造用のスパッタリングターゲットである。ITO、AZO等の薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネルディスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜等の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表示装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野では近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用電極であるITO、AZO等の薄膜に対する需要もまた急速に高まっている。
このような透明導電薄膜の製造方法はスプレー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の物理的成膜法に大別することができる。中でもスパッタリング法は大面積化が容易でかつ高性能の膜が得られる成膜法であることから、様々な分野で使用されている。
スパッタリング法によりITO、AZO等の薄膜を製造する場合、用いるスパッタリングターゲットとしてはITOの場合、酸化インジウムと酸化スズからなる複合酸化物ターゲット(以降ITOターゲットと略する)が用いられる。また、AZO薄膜に関しても同様にAZOターゲットが用いられている。
ITO、AZO等のスパッタリングターゲットの品質に関しては、成膜中のアーキングの発生に伴う問題点が挙げられる。
スパッタリングでのITO、AZO成膜を行なう場合、アーキングが多く発生すると形成された薄膜中にパーティクル由来の異物や欠陥が発生する。これは液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイにおける製造歩留まり低下の原因となり、アーキング発生を抑制できるスパッタリングターゲットが強く望まれている。
アーキングの低減には、スパッタリングターゲットに用いるITO焼結体、AZO焼結体の密度向上が有効であり、例えば、焼結密度98%以上100%以下、焼結粒径1μm以上20μm以下の高密度ITO焼結体が記載されている(例えば特許文献2参照)。また、高密度焼結体の製造方法としては、例えば、酸素加圧焼結を行う方法等が知られている(例えば特許文献3参照)。
さらに、セラミックススパッタリングターゲット用のセラミックス焼結体はターゲットとして使用する際、平面度を高めるために、焼結体の上下面を平研等により研削するため、焼結体の中央部の密度が低い場合、ターゲットとして使用する部分はさらに焼成後の焼結体より密度が低くなってしまう。このようにセラミックススパッタリングターゲットの品質に関して高密度な焼結体を製造することが重要である。
特許第3845777号公報 特許第3457969号公報 特開平3−207858号公報 豊田中央研究所R&Dレビュー Vol.30 NO.4(1995)
導電性セラミックスの製造においては、品質の安定化のため、密度分布が均一な導電性セラミックスが求められており、特に電磁波加熱による導電性セラミックスの製造方法では焼結体中央部の密度低下を抑制することが求められている。
上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、導電性セラミックス原料粉末の成形体を電磁波加熱によって焼結する導電性セラミックス焼結体の製造において、焼成時の最高温度を調整するにより被焼成物の中央部と周辺部の密度差が低減し、上下方向で密度差の少ない導電性セラミックスが得られることを見出した。
即ち、本発明は、導電性セラミックス原料粉末の成形体を電磁波加熱によって焼結する導電性セラミックス焼結体の製造法において、焼成時の最高温度が、通常焼成時の最高温度より100℃から200℃低いことを特徴とする、導電性セラミックス焼結体の製造法である。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で製造される導電性セラミックスは、電磁波加熱により焼結できるものであれば特に限定されない。例えば、ITO(In−SnO)、AZO(Al−ZnO)、In−ZnO、Ga−ZnO、TiO−α(α:Ta等の正五価のイオン)、SnO−β(β:Sb等の正五価のイオン)等の透明導電膜用のターゲット材料等が挙げられる。
本発明において、通常焼成時の最高温度とは、焼結収縮曲線から求めた緻密化温度と定義される。この緻密化温度は、導電性セラミックス原料粉末の成形体を使用し、実際に焼成を行うのと同様な昇温速度にて焼成を行い、そのときの温度と焼結収縮率の関係を示す焼結収縮曲線を求め、その線収縮率の変化が温度の上昇100℃当たり1%未満となった時の温度である。例えば、1500℃〜1600℃の間の線収縮率の変化が0.8%と、初めて1%未満となった場合、緻密化温度は1600℃となる。なお、焼結収縮曲線の変化が一旦止まり、温度上昇により再び収縮が起こる多段収縮曲線の場合は、温度が高い方を緻密化温度とする。
本発明の導電性セラミックス焼結体の製造法の特徴は、焼成時の最高温度が焼結収縮曲線から求めた緻密化温度より100℃から200℃低いことにある。これにより密度分布の少ない導電性セラミックス焼結体を得ることができる。最高温度が200℃を超えて低い温度とすると焼結が不十分となり、密度が低くなり、また、最高温度が100℃未満の低い温度とすると上下方向の密度差が解消されない。
本発明による焼結体の密度差の改善効果は、以下の理由によると推測される。即ち、導電性セラミックス原料粉末からなる成形体を焼結させる場合、被焼成物は室温から焼結初期の気孔が多い構造の時は非常に電磁波の吸収がよく、電磁波は被焼成物の内部まで侵入することが可能である。一方、導電性セラミックスの焼結後半の導電性が高まるところでは、被焼成物は電磁波を反射しやすくなり、被焼成物の内部まで電磁波が侵入しにくくなり、内部の温度が外部温度より低くなりやすい。電磁波の導電性セラミックスへの侵入深さは、導電性材料の表皮効果の度合いで表される。つまり、電気伝導度が高いほど、また電磁波の周波数が高いほど、電磁波の侵入深さは低下する。
焼結後半での被焼成物の導電性を抑制し、電磁波の導電性セラミックスへの侵入深さを増す方法としては、焼成温度を低くすることが挙げられる。従来から導電性セラミックスの焼成では焼結体密度を上げるために出来るだけ高温で焼成する。一般的に、焼成を行うときの最高温度は、焼結収縮曲線から求めた緻密化温度以上、溶融温度以下である。一方、高温で焼成するほど、導電性が増し、体積抵抗率は低くなる。これは焼成温度が高いほど、電気伝導性を左右する添加元素(ドーパント)の母相への拡散が促進されること、また、電気伝導性を高める酸素欠陥が生成しやすくなること、粒成長とともに粒界が減少し、粒界による抵抗が減少することなどによると考えられる。
本発明の製造法によれば、ITOの場合、室温での体積抵抗率は2×10−4Ω・cm以上、1×10−2Ω・cm以下になる。また、AZOの場合、室温での体積抵抗率は1×10−3Ω・cm以上、1×10−2Ω・cm以下になる。また、IZOの場合、室温での体積抵抗率は5×10−4Ω・cm以上、1×10−2Ω・cm以下になる。また、SnO系の場合、室温での体積抵抗率は1×10−3Ω・cm以上、1×10−2Ω・cm以下になる。このため、本発明の製造法では、電磁波の被焼成物への侵入深さが増し、内部まで十分に電磁波が進入し均一に加熱されるため、上下方向の密度差が少なくなると推測される。
本発明において、成形体の厚みには特に限定はないが、10mm以上、30mm以下が好ましく、15mm以上、30mm以下がさらに好ましい。成形体、即ち被焼成物が厚いほど電磁波の侵入深さが問題となるため、顕著な効果が見られる。なお、ターゲット等の製品の厚みはほとんどの場合30mm以下であるため、これらの製品に対しても十分な効果が発揮される。
本発明により製造される導電性セラミックス焼結体の密度は、使用目的により異なるが高密度なものが好ましく、特に相対密度で90%以上、さらには98%以上が好ましい。特に、ITO、ZAO、IZO等のスパッタリングターゲット用材料は98%以上、さらには99%以上、とりわけ99.5%以上が好ましい。
次に本発明の導電性セラミックス焼結体の製造法について、ITO、AZO焼結体の製造を例に挙げて説明する。
初めに、ITO、AZO焼結体の原料粉末を所定の混合比で混合する。例えば、ITO焼結体の場合、酸化スズの含有量はスパッタリング法により薄膜を製造した際に比抵抗が低下するSnO/(In+SnO)で8重量%以上、15重量%以下とすることが好ましい。また、例えば、AZOの場合、酸化アルミニウムの含有量は、スパッタリング法により薄膜を製造した際に比抵抗が低下する1重量%以上、5重量%以下とすることが望ましい。
原料粉末にバインダー等を加えてもよい。混合はボールミル、ジェットミル、クロスミキサー等で行なう。
得られた原料粉末をプレス法あるいは鋳込法等の成形方法により成形して成形体を製造する。この際、使用する粉末の平均粒径が大きいと焼結後の密度が充分に上昇しない場合があるので、使用する粉末の平均粒径は1μm以下であることが望ましく、更に好ましくは0.1〜1μmである。これにより、焼結粒径が小さく、焼結密度の高い焼結体を得ることが可能となる。
次に得られた成形体に必要に応じて、CIP等の圧密化処理を行う。この際CIP圧力は充分な圧密効果を得るため1ton/cm以上、好ましくは2ton/cm以上、さらに好ましくは2〜3ton/cmである。ここで初めの成形を鋳込法により行った場合には、CIP後の成形体中に残存する水分およびバインダー等の有機物を除去する目的で脱バインダー処理を施してもよい。また、始めの成形をプレス法により行った場合でも、成型時にバインダーを使用したときには、同様の脱バインダー処理を行うこともできる。
次に、このようにして得られた成形体の電磁波加熱による焼結を行う。本発明は電磁波を用いて加熱する焼結法であれば特に限定されないが、電磁波としてはマグネトロンまたはジャイロトロン等から発生する連続またはパルス状の2.45GHz等のマイクロ波、28GHz等のミリ波、またはサブミリ波が利用できる。電磁波の周波数の選択はセラミックスの焼結挙動から適切なものを選択することができる。
使用される電磁波焼成炉としては、バッチ式、連続式、外部加熱式とのハイブリット式等の種々の焼成炉を使用することができる。
得られた成形体はセッターの上に置かれ、断熱材で囲まれる。この際、断熱材の内部に等温熱障壁のための材料を設置することも可能である。セッターや等温熱障壁の材質は導電性セラミックスの焼成温度にて耐熱性を有する材料を選択すればよい。例えば、ITO、ZAOの場合、アルミナ、ムライト、ジルコニア、SiC等の耐熱性の高い材質を選択する。
焼成時の昇温速度については特に限定されないが、電磁波加熱の特徴である急速加熱の観点から、100〜600℃/時間とするのが好ましく、さらには200〜600℃/時間、さらには300〜600℃/時間が好ましい。焼成時の最高温度は、焼結収縮曲線から求めた緻密化温度より100℃から200℃低いものであり、例えばITOの場合、1350℃以上1500℃以下、好ましくは1400℃以上1500℃以下である。またAZOの場合は、1200℃以上、1350℃以下、好ましくは1250℃以上1350℃以下である。水分やバインダーを含む成形体の場合、特に大型の成形体では水分やバインダー成分が揮発する際に、急激な体積膨張を伴うと成形体が割れることがあるため、割れが発生しないように昇温速度を低くすることで対処する。なお、焼成時の保持時間は特に限定しないが、10時間以内で十分である。また、降温速度は特に規定されないが、例えば、ITO焼結体の場合、1200℃までは100℃/時間以上、好ましくは200℃/時間以上が良い。1200℃から室温までの降温速度の上限値については特に規定されないが、100℃/時間以下とするのが好ましい。降温速度を遅くする温度の設定および降温速度の選択は、焼結炉の容量、焼結体のサイズおよび形状、割れ易さなどを考慮して適宜決定すればよい。焼結時の雰囲気はセラミックスの種類により任意に選択する。例えば、ITO焼結体の場合、酸素雰囲気中が好ましい。また、AZO焼結体の場合、焼結時の雰囲気としては酸素雰囲気、大気あるいは不活性雰囲気であることが好ましい。
本発明のITO、AZO焼結体を所望の形状に研削加工した後、必要に応じて無酸素銅等からなるバッキングプレートにインジウム半田等を用いて接合することにより、ITO、AZOススパッタリングターゲットを得ることができる。
得られたターゲットをスパッタリング装置内に設置し、アルゴンなどの不活性ガスと必要に応じて酸素ガスをスパッタリングガスとして用いて、dcあるいはrf電界を印加してスパッタリングを行うことにより、所望の基板上にITO、AZO薄膜を形成することができる。この際アーキング発生量が低減されるという本発明の効果が発現される。
また、本発明による製造法は、セラミックスに付加機能を持たせることを目的として第3の元素を添加した導電性セラミックス焼結体の製造においても有効である。第3元素としては、例えば、Mg,Al,Si,Ti,Zn,Ga,In,Ge,Y,Zr,Nb,Hf,Ta等を例示することができる。これら元素の添加量は、特に限定されるものではないが、セラミックスの優れた電気光学的特性を劣化させないため、(第3元素の酸化物の総和)/(セラミックス+第3元素の酸化物の総和)で0重量%を超え20重量%以下(重量比)とすることが好ましい
本発明の方法により、上下方向で密度差の少ない導電性セラミックスが容易に得られ、製品の品質が安定化する。したがって、本発明の導電性セラミックスをターゲット材として用いることにより、高密度でかつ密度分布が少ないことから、アーキングの発生が極めて少なく、ターゲット寿命までの長時間に亘ってアーキングの発生の少ない優れたスパッタリングターゲットを得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例における各測定は以下のように行った。
(1)焼結体密度:アルキメデス法により測定した。
なお、相対密度(D)とは、例えば、ITO焼結体の場合、InとSnOの真密度の相加平均から求められる理論密度(dITO)に対する相対値を示す。相加平均から求められる理論密度(d)は、ターゲット組成において、InとSnO粉末の混合量をa(g)とb(g)とした時、それぞれの真密度7.18(g/cm)、6.95(g/cm)を用いて、d=(a+b)/((a/7.18)+(b/6.95))により求めた。焼結体の測定密度をd1とすると、その相対密度Dは、D=d1/dITO×100(%)で求めた。また、例えばAZO焼結体の場合、相対密度(D)とは、ZnOおよびAlの真密度の相加平均から求められる理論密度(dAZO)に対する相対値を示す。相加平均から求められる理論密度(d)は、ターゲットの組成において、ZnOおよびAl粉末の混合量をx(g)およびy(g)としたとき、それぞれの真密度5.68(g/cm)および3.987(g/cm)を用いて、d=(x+y)/((x/5.68)+(y/3.987))により求めた。実際に得られた焼結体の密度をd2とすると、その相対密度Dは、D=d2/dAZO×100で求めた。
(2)厚さ方向の密度測定:焼結体を厚み方向に上部、中央部、下部に3等分し、それぞれの焼結体密度をアルキメデス法で測定した。
(3)体積抵抗率の測定:焼結体のバルク抵抗は四探針法により測定した。
(実施例1)
平均粒径0.6μmの酸化インジウム粉末90重量部と平均粒径0.5μmの酸化スズ粉末10重量部とをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより20時間混合し、混合粉末を調製した。前記混合粉末のタップ密度を測定したところ2.0g/cmであった。
この混合粉末を所定の焼結体厚みが得られるように粉末量を調整して金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスして成形体とした。この成形体を3ton/cmの圧力でCIPによる処理を行った。次にこの成形体をマイクロ波焼成炉(周波数=2.45GHz)にアルミナ製のセッターの上に設置して、以下の条件で焼結した。
(焼結条件)平均昇温速度:300℃/時間、最高温度:1400℃、焼結時間:2時間、雰囲気:昇温時の室温から降温時の100℃まで純酸素ガスを炉内に導入、降温速度:焼成温度から1200℃までは、200℃/時間、以降100℃/時間。
得られた焼結体の密度、厚み方向の密度、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。焼結体密度は高く、かつ焼結体の厚み方向の密度差が小さい焼結体が得られた。
(実施例2)
ミリ波周波数を28GHzとし、最高温度を1500℃とした以外は実施例1と同様にしてITOの焼成を行った。得られた焼結体の密度、厚み方向の密度、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。焼結体密度は高く、かつ焼結体の厚み方向の密度差が小さい焼結体が得られた。
(実施例3)
平均粒径0.9μmの酸化亜鉛粉末98重量部と平均粒径0.3μmの酸化アルミニウム粉末2重量部とをポリエチレン製のポットに入れ、乾式ボールミルにより24時間混合し、混合粉末を調製した。この混合粉末を金型に入れ、300kg/cmの圧力でプレスして成形体とした。この成形体を2ton/cmの圧力でCIPによる処理を行った。
次にこの成形体をマイクロ波焼成炉(周波数=2.45GHz)にアルミナセッター上に設置して、以下の条件で焼結した。
(焼結条件)平均昇温速度:300℃/時間、最高温度:1350℃、焼結時間:3時間、雰囲気:昇温時の室温から降温時の100℃まで純窒素ガスを炉内に導入、降温速度:100℃/時間。
得られた焼結体の密度、厚み方向の密度、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。焼結体密度は高く、かつ焼結体の厚み方向の密度差が小さい焼結体が得られた。
(実施例4)
ミリ波周波数を28GHzとし、最高温度を1250℃とし、雰囲気を大気雰囲気とした以外は実施例3と同様にしてAZOの焼成を行った。得られた焼結体の密度、厚み方向の密度、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。焼結体密度は高く、かつ焼結体の厚み方向の密度差が小さい焼結体が得られた。
(比較例1)
最高温度を1280℃とした以外は実施例1と同様にして、ITOの焼成を行った。得られた焼結体の密度を測定した。結果を表1に示す。焼結体密度が低かった。
(比較例2)
最高温度を1600℃とした以外は実施例1と同様にして、ITOの焼成を行った。得られた焼結体の密度、厚み方向の密度、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。焼結体密度は比較的高かったが、焼結体の中央部の密度は小さかった。
(比較例3)
最高温度を1180℃とした以外は実施例3と同様にして、AZOの焼成を行った。得られた焼結体の密度を測定した。結果を表1に示す。焼結体密度が低かった。
(比較例4)
最高温度を1450℃とした以外は実施例3と同様にして、AZOの焼成を行った。得られた焼結体の密度、厚み方向の密度、体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。焼結体密度は比較的高かったが、焼結体の中央部の密度は小さかった。
Figure 0004835541

Claims (5)

  1. 導電性セラミックス原料粉末の成形体を電磁波加熱によって焼結する導電性セラミックス焼結体の製造法において、焼成時の最高温度が、通常焼成時の最高温度より100℃から200℃低いことを特徴とする、導電性セラミックス焼結体の製造法。
  2. 導電性セラミックスがITOであることを特徴とする、請求項1に記載の導電性セラミックス焼結体の製造法。
  3. 焼成時の最高温度が1350℃から1500℃であることを特徴とする、請求項2に記載の導電性セラミックス焼結体の製造法。
  4. 導電性セラミックスがAZOであることを特徴とする、請求項1に記載の導電性セラミックス焼結体の製造法。
  5. 焼成時の最高温度が1200℃から1350℃であることを特徴とする、請求項4に記載の導電性セラミックス焼結体の製造法。
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