JP3457969B2 - 高密度ito焼結体及びスパッタリングターゲット - Google Patents

高密度ito焼結体及びスパッタリングターゲット

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JP3457969B2 JP14365292A JP14365292A JP3457969B2 JP 3457969 B2 JP3457969 B2 JP 3457969B2 JP 14365292 A JP14365292 A JP 14365292A JP 14365292 A JP14365292 A JP 14365292A JP 3457969 B2 JP3457969 B2 JP 3457969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度ITO焼結体及
びこれを用いたスパッタリングタ−ゲットに関するもの
である。特に本発明のスパッタリングタ−ゲットは、従
来のものに比べてスパッタレートの増大、ノジュールの
発生防止、熱衝撃等によるターゲットの割れの防止等ス
パッタ操作性に優れ、さらには、200℃以下から室温
までの低温基板において低抵抗で高透明な透明導電膜を
形成可能である。
【0002】
【従来の技術】液晶を中心とする表示デバイスの発展に
伴い、透明導電膜の需要が増加している。液晶の透明導
電膜としては低抵抗、高透明性が必要であり、これまで
電極材料としてはITO(酸化インジウム、酸化錫)膜
が用いられている。ITO透明導電膜の形成方法として
は操作性の簡便さという点からスパッタリング法が一般
的であり、特にITO焼結体ターゲットを用いたスパッ
タリング法が広く適用されている。
【0003】工業的にスパッタリング成膜を行う場合、
スパッタ操作性が優れていることが好ましく、スパッタ
レートの増大、ターゲット表面に生成する黒色のノジュ
ール発生の防止、熱衝撃等による割れの防止等の改善が
望まれている。
【0004】また、近年、ITO透明導電膜の高性能化
が望まれているなか、特に低温基板上への低抵抗なIT
O透明導電膜の形成技術の開発が熱望されている。例え
ば、従来の白黒液晶用の透明電極は300℃以上の加熱
ガラス基板上に2×10−4Ω.cm以下の低抵抗な膜
が成膜されていたが、液晶のカラ−化、表示素子の微細
化、アクティブマトリックス方式の採用、TFT、MI
Mの導入に伴い、より低温の基板上に低抵抗な透明導電
膜を形成する必要性が増大している。
【0005】スパッタリングに用いるITOタ−ゲット
について、これまで幾つかの提案があり、ホットプレス
法により製造したものが挙げられる(例えば、特開昭5
6−54702号公報等)。しかし、この方法で製造し
たタ−ゲットは、真空中でグラファイトモ−ルドと接し
ているタ−ゲット表層部分が還元され、内部と表面近傍
で組成が異なり、スパッタリング中にスパッタリング条
件を精密に制御する必要があり、さらには、ホットプレ
ス法は、製造コストが高く、大量生産には向いていなか
った。
【0006】一方、常圧・大気中焼結法によるタ−ゲッ
ト製造方法としては、一旦1200〜1450℃で仮焼
した後、粉砕して得られた平均粒径3〜6μmのITO
粉末を原料に用いることにより高密度とすることが提案
されている(例えば、特開昭62−21751公報
等)。この方法で得られるITO焼結体は、焼結密度は
4.5g/cm(相対密度63%)以上、結晶粒径が
実質的に2〜15μmであり、平均粒径が4〜7μmで
ある。しかし、実施例での焼結密度は高々4.9g/c
(相対密度69%)であり、これをタ−ゲットとし
て用いてスパッタリングすると焼結体表面が黒色化し、
透明導電膜の品質安定化には至らなかった。
【0007】また、Si,Geを第三元素として添加
し、この元素を焼結助剤とし、酸素濃度を制御した雰囲
気で焼結する方法が提案されている(例えば、特開昭6
1−136954公報等)。しかし、この方法では、密
度90%のタ−ゲットは得られるがスパッタして得られ
た膜中にSi、Geが混入し、高性能な膜は得られな
い。
【0008】さらには、酸化インジウムと酸化スズ原料
粉末に、In、Sn金属を混合し、製造する方法も提案
されているが(例えば、特開平2−141459公報
等)、この方法でも焼結密度は5.3g/cm(相対
密度74%)までであり、さらには、原料粉末の粒径が
異なるため、焼結粒径が均一とならず、その機械的強度
も弱かった。
【0009】このような背景のもとに我々は、一次粒径
が1μm以下、BET比表面積が15m/g以上、粒
度分布から求めた比表面積が2m/g以上のすべての
条件を満足した原料粉末を使用し、常圧・大気中で焼結
した焼結密度5.3g/cm(相対密度74%)以上
の高密度ITOタ−ゲットを提案している(例えば、特
開平2−297813、3−218924公報等)。さ
らには、予備成型方法として、スリップキャスト法、冷
間静水圧(CIP)処理方法等の提案を行い(例えば、
特開平1−290550,1−290551号公報
等)、焼結方法として、大気中又は酸素中等で1200
〜1500℃の温度で製造できることを指摘している
(例えば、特開平3−28156公報等)。我々の提案
した高密度ITOタ−ゲットは、タ−ゲット表層部と内
部で組成の違いは無く、また、高密度であるため機械的
強度が大きく、焼結体の粒界抵抗が減少し、比抵抗が2
×10 Ω.cm以下と低い焼結密度75%以上の焼
結体である。そのため、成膜速度が速く、ノジュ−ルや
割れを抑制することが可能となり、高透明、低抵抗な透
明導電膜が製造可能となった。
【0010】また、1400℃を越える高温で焼結し、
焼結粒子表面の少なくとも一部が平面となるまで結晶成
長させ、可視光反射率が20%以下の高結晶性焼結体も
提案している。(例えば、特開平2−225366号公
報等)。タ−ゲット表面を平滑にし、高結晶性にするこ
とにより、スパッタリングがより均一に行われ、高性能
な透明導電膜が形成可能となる。
【0011】このように我々は、常圧焼結法により高性
能なITOタ−ゲットを提案してきたが、今後さらに厳
しくなる市場の要求に答えるべく、ITOタ−ゲットの
焼結密度、焼結粒径およびその他の焼結体物性とスパッ
タ特性の相関を鋭意検討続けてきた。
【0012】最近、凝集性のない平均粒径0.1μm以
下の粉末を用い、1500℃以上の酸素雰囲気中で焼結
し、焼結粒径7μm以上、表面抵抗50mΩ/cm
下のITOタ−ゲットを得るという提案がある(例え
ば、特開平3−126655号公報等)が、この提案で
は、凝集性に対する粉末物性の記述がなく、また、一次
粒径、二次粒径に対する明確な定義がなされていない。
【0013】また、酸素加圧焼結方法により、高密度I
TOタ−ゲットを製造する方法が提案されているが(例
えば、特願平3−207858号公報等)、装置が大掛
かりとなるばかりか、特に問題なのは1600〜170
0℃の高温で焼結しているため、このような高温で焼結
したタ−ゲットは、異常粒成長を起こし、熱衝撃性等に
弱い。
【0014】以上のように、これまでITOタ−ゲット
の焼結密度と焼結粒径の関係について検討はなされてお
らず、また、焼結体物性とスパッタ時の操作性の関係に
ついて定量的な検討もない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のスパ
ッタリング成膜装置を用い、スパッタレートの増大、ノ
ジュールの発生防止、割れの防止等のスパッタ操作性に
優れ、且つ低温基板において特に低抵抗な透明導電膜を
形成可能なスパッタリングタ−ゲット及びターゲット材
料として有用なITO焼結体を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のよ
うな現状に鑑み、ITOタ−ゲットの焼結密度及び焼結
粒径と透明導電膜を形成する際のスパッタリング特性に
ついて詳細に検討した結果、焼結密度が特に90%以上
100%以下、焼結粒径1μm以上20μm以下である
高密度ITO焼結体を、タ−ゲットとして用いてスパッ
タリング成膜した場合、スパッタレートが最も早く、ノ
ジュール抑制、割れの防止に非常に効果的であり、さら
には、低温基板にスパッタ成膜する際に極めて低抵抗な
膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0017】即ち、本発明は焼結密度90%以上100
%以下、焼結粒径1μm以上20μm以下である高密度
ITO焼結体及びこの焼結体からなるスパッタリングタ
−ゲットに関する。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】ITOの組成としては、酸化インジウムに
対する酸化錫の含有量が0重量%より大きく、20重量
%以下であることが好ましく、特に2重量%から15重
量%であることが好ましい。
【0020】本発明の高密度ITO焼結体の焼結密度
は、90%以上100%以下である。ITOの真密度は
7.15g/cmである。焼結体を高密度化すること
により、その比抵抗は低下する。本発明の焼結体の比抵
抗は1×10−3Ω・cm以下であることが好ましく、
特に7×10−4Ω・cm以下1×10−4Ω・cm以
上であることが好ましい。なぜなら、このような焼結体
をターゲットとして用いたとき、比抵抗の低下はスパッ
タ中の放電を安定させ、さらには、放電電圧を低下さ
せ、プラズマ中に発生する負イオンによる膜へのダメ−
ジを減少させるからである。
【0021】また、焼結体を高密度化することにより、
その機械的強度は増加する。本発明の焼結体の抗折力は
7kg/mm以上が好ましく、特に10〜30kg/
mmが好ましい。
【0022】さらには、焼結体を高密度化することによ
り、その熱伝導率は増加する。本発明の焼結体の熱伝導
率は、15×10−3cal/cm・sec・℃以上が
好ましく、特に、20×10−3〜40×10−3ca
l/cm・sec・℃が好ましい。熱伝導率の低い焼結
体はターゲットとして用いたとき、スパッタ成膜中にお
ける焼結体の冷却効率が悪かったり、表面が黒色化しや
すかったり、ノジュ−ルが発生したりするので好ましく
ない場合がある。
【0023】本発明の高密度ITO焼結体の焼結粒径は
1μm以上20μm以下であり、特に好ましくは、5〜
15μmである。
【0024】ITO焼結体の粒径は小さいほど成膜速度
が低下するため、焼結粒径が1μm未満のものは透明導
電膜の生産性に影響を与え、好ましくない。一方、焼結
粒径が大きい程、成膜速度は向上するが、焼結粒径が2
0μmを越える焼結体は、機械的強度が弱くなったり、
熱膨張係数が大きくなったり、スパッタ成膜中、熱衝撃
等によるタ−ゲットの割れ等が発生し好ましくない。
【0025】本発明の高密度ITO焼結体の熱膨張係数
は、6.5×10−6/℃以下が好ましく、特に6.0
×10−6/℃以下が好ましい。熱膨張係数が大きいと
スパッタ成膜中にタ−ゲット表面が加熱され、ターゲッ
トが膨張した際に、バッキングプレ−トから剥離しやす
くなる。この結果、タ−ゲットの冷却効果が悪くなるた
め、長時間スパッタリングするとタ−ゲット表面にノジ
ュールが発生しやすくなる場合がある。
【0026】次に本発明の高密度焼結体の製造方法に関
する好ましい実施態様を説明する。焼結体を製造する原
料粉末としては、酸化インジウムと酸化スズの混合粉末
でも良いし、共沈粉末でも良い。例えば、酸化インジウ
ムまたは共沈粉末としては、結晶子径が200〜500
オングストロ−ムであり、結晶子径とBET径の違いが
100オングストロ−ム以内であり、且つ0.1〜3μ
mの範囲における粒度分布測定より求めた比表面積は、
1m/g以上、平均粒子径は2μm以下、0.1μm
以下の範囲における粒度分布測定より求めた平均粒子径
は、0.09μm以下である微細で高分散な粉末が挙げ
られる。
【0027】なお、結晶子径は、酸化インジウムの(2
22)X線回折ピ−クの半価幅から求めることができ、
BET径は、粉末のBET値を測定し、粒子を球に近似
して求めることができる。また、粒度分布は、遠心沈降
式の粒度分布測定器によるのが一般的である。
【0028】BET径と結晶子径の違いが100オング
ストロ−ムを越える場合、凝集が激しく、高密度焼結体
にならないおそれがある。また、特に、0.1μm以下
の範囲における粒度分布測定より求めた平均粒子径が
0.09μmを越える場合も凝集が大きく、90%以上
の高密度化が困難になることがある。
【0029】混合する酸化スズ粉末としては、例えばB
ET比表面積が3〜20m/g、0.1〜3μmの範
囲における粒度分布測定より求めた平均粒子径が0.2
〜2μmの粉末が挙げられる。BET比表面積が大き
く、平均粒子径が大きい粉末は、凝集が激しく、焼結体
中に酸化スズの大きな塊が残る場合がある。
【0030】混合粉末の調製は、当該酸化インジウム粉
末と酸化錫粉末を上記焼結体組成になるようにする。混
合方法はジルコニア、ウレタン樹脂等のボ−ルを用いた
ボ−ルミル、振動ミル、あるいはV型ブレンダ−、らい
かい機等の湿式あるいは乾式の混合方法が挙げられるが
特に限定されない。
【0031】次にITO粉末を成型する。成型方法とし
ては、目的とした形状に合った成型方法を選べばよく、
金型成型法、鋳込み成型法等例示されるが特に限定され
ない。
【0032】焼結体の高密度化のために、成型体は冷間
静水圧プレス(CIP)にて加圧処理することが好まし
い。その時の圧力は、3〜5t/cm程度で良く、必
要に応じて、CIP処理を2〜5回程度繰り返しても良
い。
【0033】焼結温度は1250℃以上1600℃以
下、特に好ましくは1350℃以上1550℃以下の範
囲である。焼結温度が1250℃未満の場合、密度が9
0%未満、焼結粒径が1μm未満である焼結体しか得ら
れないために好ましくない場合がある。また、焼結温度
が1600℃を越える場合、焼結粒径が20μmを越え
るものしか得られないことがある。
【0034】焼結時間は、数時間から数時間が好まし
く、焼結雰囲気としては、大気中で十分であるが、酸素
中、真空中、不活性ガス中等いずれの雰囲気でも良い。
【0035】焼結時の圧力は、焼結雰囲気の組成等によ
るが任意に設定できる。
【0036】以上の様な方法で焼結密度90%以上10
0%以下、焼結粒径1μm以上20μm以下である本発
明のITO焼結体の製造が可能となる。
【0037】
【発明の効果】本発明のITOタ−ゲットは焼結密度が
90%以上100%以下であり、焼結粒径が1μm以
上、20μm以下であるため、熱伝導性、抗折力が高
く、比抵抗は1×10−3Ω・cm以下であり、スパッ
タレ−トが最も高く、タ−ゲットの割れやターゲット表
面のノジュールの発生を効果的に防止することが可能と
なった。また、特に低温基板上に極めて低抵抗な透明導
電膜を提供することが可能となった。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、本実施例における各種測定は、以下のように行っ
た。
【0039】(1) 粒度分布 : 酸化インジウム粉
末を超音波分散させ、遠心沈降式粒度分布測定装置(H
ORIBA PARTICLE ANALYZER C
APA−700)にて測定 (2) 焼結密度 : 見掛けの密度を利用 (3) 平均粒径 : SEM写真を画像処理するこ
とにより算出 (4) 比抵抗 : 4単針法により測定 (5) 熱伝導率 : レ−ザ−フラッシュ法により
測定 (6) 抗折力 : 万能試験機により測定 (7) 熱膨張係数 : 熱膨張収縮測定装置を用い、
負荷0.4g/mmをかけて測定 (8) スパッタリング条件 スパッタ方式 DCマグネトロンスパッタリン
グ 基板温度 室温〜300℃ タ−ゲット基板間距離 40mm ガス圧 2.6×10−3Torr スパッタガス アルゴン 投入電流 0.1A 膜厚 2000A 基板 コ−ニング#7059ガラス:
5cm×2.5cm タ−ゲット 3inchesφ×5mmt。
【0040】実施例1 結晶子径が270オングストローム、BET径が310
オングストローム、0.1〜3μmの範囲における粒度
分布測定より求めた比表面積が4m/g、平均粒径が
0.32μm、さらに、0.1μm以下の範囲における
粒度分布測定による平均粒子径が、0.08μmである
酸化インジウム粉末を準備し、これにBET比表面積が
10m/g、0.1〜3μmの範囲における粒度分布
測定より求めた平均粒径が0.71μmの酸化錫粉末を
10重量%混合し、該混合粉末を金型成型後、5t/c
の圧力で2回CIP処理し、ITO成型体を得た。
【0041】得られたITO成型体を、1500℃で5
時間、常圧・大気中にて焼結した。このようにして得ら
れた焼結体物性を表1に示す。
【0042】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、DCマグネトロンスパッタリングに
より透明導電膜を成膜した。得られた膜の物性を表2に
示す。また、図1にスパッタリング時の放電電圧の経時
変化を示した。スパッタリング開始時の放電電圧は32
0V、200whスパッタリングを行った後の放電電圧
は330Vであり、放電電圧の経時変化は小さく、タ−
ゲット表面はほとんど黒色化しなかった。
【0043】実施例2 実施例1と同じ混合粉末を金型成型し、5t/cm
圧力で2回CIP処理し、1300℃で5時間、常圧・
大気中で焼結した。得られた焼結体物性を表1に示す。
【0044】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、ス
パッタリング開始時の放電電圧は330V、200wh
スパッタリングを行った時の放電電圧は350Vであ
り、放電電圧の経時変化は小さく、タイゲット表面はほ
とんど黒色化しなかった。
【0045】実施例3 実施例1と同一の混合粉末を金型成型し、1600℃で
5時間、常圧・大気中で焼結した。得られた焼結体物性
を表1に示す。
【0046】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、ス
パッタリング開始時の放電電圧は330V、200wh
スパッタリングを行った時の放電電圧は350Vであ
り、放電電圧の経時変化は小さく、タ−ゲット表面はほ
とんど黒色化しなかった。
【0047】実施例4 実施例1と同一の混合粉末を金型成型し、5t/cm
の圧力でCIP処理し、1600℃で5時間、常圧・大
気中で焼結した。得られた焼結体の物性を表1に示す。
【0048】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、ス
パッタリング開始時の放電電圧は320V、200wh
スパッタリングを行った時の放電電圧は330Vであ
り、放電電圧の経時変化は小さく、タ−ゲット表面はほ
とんど黒色化しなかった。
【0049】実施例5 実施例1と同じ混合粉末を金型成型し、5t/cm
圧力でCIP処理を2回繰返し、1350℃で5時間、
酸素と空気の混合雰囲気(酸素分圧0.5atm)で常
圧焼結した。得られた焼結体の物性を表1に示す。
【0050】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、ス
パッタリング開始時の放電電圧は320V、200wh
スパッタリングを行った時の放電電圧は330Vであ
り、放電電圧の経時変化は小さく、タ−ゲット表面はほ
とんど黒色化しなかった。
【0051】実施例6 実施例1と同じ混合粉末が78重量%、分散剤が1重量
%、バインダ−が1重量%、水が20重量%になるよう
に混合し、得られたスラリ−を鋳型に流し込み、成型体
を取り出した後、乾燥、熱処理による脱バインダ−を行
い、3t/cmの圧力でCIP処理を行った。この成
型体を1480℃で5時間、酸素と空気の混合雰囲気
(酸素分圧0.5atm)で常圧焼結した。得られた焼
結体の物性を表1に示す。
【0052】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、ス
パッタリング開始時の放電電圧は320V、200wh
スパッタリングを行った時の放電電圧は330Vであ
り、放電電圧の経時変化は小さかった。
【0053】実施例7 結晶子径が350オングストロ−ム、BET径が420
オングストロ−ム、0.1〜3μmの範囲における粒度
分布測定より求めた比表面積が4m/g、平均粒径が
0.41μm、さらに、0.1μm以下の範囲における
粒度分布測定による平均粒子径が、0.09μmである
酸化インジウム粉末を準備し、これにBET比表面積が
10m/g、0.1〜3μmの範囲における粒度分布
測定より求めた平均粒径が0.71μmの酸化錫粉末を
10重量%混合し、該混合粉末を金型成型後、3t/c
の圧力で2回CIP処理し、ITO成型体を得た。
得られた成型体を1600℃で5時間、常圧・大気中で
焼結した。得られた焼結体物性を表1に示す。
【0054】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、ス
パッタリング開始時の放電電圧は330V、200wh
スパッタリングを行った時の放電電圧は340Vであ
り、放電電圧の経時変化は小さかった。
【0055】実施例8 実施例7と同じ混合粉末が78重量%、分散剤が1重量
%、バインダ−が1重量%、水が20重量%になるよう
に混合し、得られたスラリ−を鋳型に流し込み、成型体
を取り出した後、乾燥、熱処理による脱バインダ−を行
い、5t/cmの圧力で2回CIP処理を行った。こ
の成型体を1550℃で5時間、常圧・大気中にて焼結
した。得られた焼結体物性を表1に示す。
【0056】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、ス
パッタリング開始時の放電電圧は320V、200wh
スパッタリングを行った時の放電電圧は330Vであ
り、放電電圧の経時変化は小さかった。
【0057】比較例1 結晶子径が450オングストロ−ム、BET径が530
オングストロ−ム、0.1〜3μmの範囲における粒度
分布測定より求めた比表面積が3m2/g、平均粒径が
0.60μm、さらには、0.1μm以下の範囲におけ
る粒度分布測定による平均粒子径が0.1μmを準備
し、これにBET比表面積が10m/g、0.1〜3
μmの範囲における粒度分布測定より求めた平均粒径が
0.71μmの酸化錫粉末を10重量%混合し、該混合
粉末を金型成型後、5t/cmの圧力で2回CIP処
理し、ITO成型体を得た。
【0058】得られたITO成型体を1500℃で5時
間、常圧大気中にて焼結した。
【0059】得られた焼結体物性は 焼結密度 ;83%、 平均焼結粒径 ;10μm、 比抵抗 ;4×10−4Ω・cm、 熱伝導率 ;11×10−3cal/cm・sec
・℃、 抗折力 ;9kg/mm、 熱膨脹率 ;4.5×10−6/℃ であった。
【0060】当該焼結体をスパッタリングタ−ゲットと
して用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜を成膜し
た。
【0061】得られた膜の比抵抗は、基板温度が300
℃、200℃、120℃でそれぞれ2.0×10−4Ω
・cm、2.6×10−4Ω・cm、3.8×10−4
Ω・cmであった。
【0062】また、室温での成膜速度は240オングス
トローム/min.であった。
【0063】図1にスパッタリング時の放電電圧の経時
変化を示した。スパッタリング開始時の放電電圧は35
0V、200whスパッタリングを行った後の放電電圧
は400Vであり、放電電圧の経時変化は大きく、タ−
ゲット表面は黒色化した。
【0064】比較例2 実施例1と同じ混合粉末を金型成型し、5t/cm
圧力でCIP処理し、1650℃で5時間、空気中で焼
結した。得られた焼結体物性を表1に示す。
【0065】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、図
1にスパッタリング時の放電電圧の経時変化を示した。
スパッタリング開始時の放電電圧は320Vで低いが、
150whスパッタリングを行った後に急激に放電電圧
は上昇した、スパッタリングを終了し、タ−ゲット表面
を観察すると黒色化しており、また、タ−ゲットがバッ
キングプレ−トから剥離していた。
【0066】比較例3 実施例1と同じ混合粉末を1100℃、100kg/c
で30分ホットプレスした。得られた焼結体物性は
を表1に示す。
【0067】つぎに、この焼結体をスパッタリングタ−
ゲットとして用い、実施例1と同様の方法で透明導電膜
を成膜した。得られた膜の物性を表2に示す。また、室
温での成膜速度は、焼結粒径が小さいため250A/m
in.と小さかった。スパッタリング開始時の放電電圧
は330V、200whスパッタリングを行った後の放
電電圧は350Vであった。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 タ−ゲットの放電電圧の経時変化を示す図で
ある。
【図2】 タ−ゲット焼結密度とタ−ゲットの比抵抗、
熱伝導率、抗折力との関係を示す図である。
【図3】 焼結密度90%以上におけるタ−ゲットの焼
結粒径と熱膨張係数との関係を示す図である。
【図4】 タ−ゲットの焼結粒径と透明導電膜の成膜速
度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 隆 山口県新南陽市土井二丁目15番4−404 号 (56)参考文献 特開 平5−179439(JP,A) 特開 平4−74860(JP,A) 特開 平5−17201(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/34 - 14/46 C04B 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結密度95%以上100%以下、焼結
    粒径1μm以上(ただし、焼結粒径1μmを除く)20
    μm以下であることを特徴とする高密度ITO焼結体。
  2. 【請求項2】 請求項1の高密度ITO焼結体からなる
    ITOスパッタリングタ−ゲット。
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