以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る遊技機としてのパチンコ機1が示されている。このパチンコ機1は、ハウジングを形成する機枠1aを有している。また、機枠1aは、前面扉2Aと、皿パネル2Bとを有している。前面扉2Aのガラスの内側には、パチンコ遊技機1の遊技部を構成する遊技盤3が配置されており、この遊技盤3の面上に各種入賞領域が配設されている(後述する)。
また、遊技盤3の下方には、賞球または貸し球として払い出される遊技球(パチンコ球)を溜めるための上皿21が設けられており、上皿21に排出された遊技球は皿パネル2Bの裏面側に設けられた発射装置82(図2参照)に供給される。
また、上皿21の下方には、灰皿20と、上皿21が遊技球で一杯となったときに溢れ出た遊技球を排出するための排出口22と、排出口22から排出された遊技球を溜めるための下皿23と、遊技球を遊技部に向けて発射させる発射ハンドル24とが設けられている。
また、遊技盤3の上方にはスピーカ25L、25Rが設けられており、このスピーカ25L,25RからはBGMおよび効果音等が出力されるようになっている。
遊技盤3の略中央には、遊技状態(いわゆる、周知の通常遊技状態、確変状態、時短状態、大当たり状態)を決定するための識別図柄(普通図柄および特別図柄)の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行なう画像表示手段としての液晶表示装置4が設けられている。この液晶表示装置4は、画像信号入力に基づいて識別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行なうものであり、具体的には、後述の始動入賞口6に遊技球が入賞(「始動入賞」という)することにより識別図柄の変動表示を開始する。
なお、このような識別図柄を変動表示する変動表示手段は、液晶表示装置4に限らず、例えば、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス等によって構成されても良く、また、電気的表示装置ではなく、図柄を外周面上に描いた回転リールを配設して可変表示を行なうような機械的リール、模型等の動作物等の機械的装置であっても良い。
また、パチンコ機1では、識別図柄の変動表示が所定の表示態様で停止すると、「大当り」となり、遊技者にとって有利な「特定遊技状態」(大当たり遊技状態)に移行するようになっている。大当りとなる所定の停止態様は、例えば、液晶表示装置4の画面の左側に停止した特別図柄、液晶表示装置4の画面の中央に停止した特別図柄、および、液晶表示装置4の画面の右側に停止した特別図柄の3つがいずれも同一態様の図柄の場合で揃った停止態様である。
また、液晶表示装置4の下方には、スタートチャッカーと呼ばれる始動入賞口6を構成する普通電動役物5が設けられている。普通電動役物5は、始動入賞口6へ入賞しやすい第1状態と始動入賞口6に入賞しにくい第2状態とに変換可能な可動片6aを有する入賞装置(所謂「チューリップ」)である。なお、この可動片6aが閉じた第2状態であっても、遊技球が1個程度入賞可能である。そして、遊技球が始動入賞口6に入賞すると、例えば5個の賞球が払い出される。
また、液晶表示装置4の左方には普通図柄作動用ゲート7が設けられており、この普通図柄作動用ゲート7に遊技球が通過すると、液晶表示装置4によって普通図柄表示用の「○、×」の画像が交互に点灯されるようになっており、所定時間経過後、「○」の画像のみが点灯されると、普通電動役物5が第1状態に変換される。
普通電動役物5の下方には、遊技者にとって有利な「開状態」と遊技者にとって不利な「閉状態」に変換可能な扉開閉式の変動入賞装置からなるアタッカーと呼ばれる大入賞口8が設けられている。大入賞口8は、液晶表示装置4での識別図柄の変動表示が大当りとなる停止態様で停止したときに、所定時間だけ開状態に維持される。
そして、この大入賞口8に遊技球が入賞すると所定個数(例えば15個)の賞球が払い出されるように定められている。前述の「特定遊技状態」とは、この大入賞口8が開状態となった遊技状態をいい、この特定遊技状態中は、大入賞口8への10球入賞あるいは30秒経過まで開状態が連続する遊技(「大当り遊技」)を、15回(ラウンド)行なえるようになっている。ここで、1回目の大当り遊技を「第1ラウンド」と称し、2回目以降の大当り遊技も同様に、「第2ラウンド」、「第3ラウンド」......と称する。なお、大当り遊技が1ラウンド終了した後、次のラウンドを行なうためには、一般的にV入賞口に遊技球が入賞する「V入賞」という所定の条件を満たす必要がある。
ここで、大入賞口8は複数の入賞口で構成され、V入賞は、その複数の入賞口のうちのV入賞口に遊技球が入賞した場合で、このV入賞の成立条件となるV入賞口は、通常、大入賞口8の端に設けられる。また、大入賞口8の下方には、アウト球を回収するアウト口9が設けられている。
また、遊技盤3の左側にはレール10が設置されている。皿パネル2Bの裏面側に設けられた発射装置82から発射された遊技球は、このレール10に沿って上昇移動し、遊技領域に打ち込まれる。
液晶表示装置4の右側には4つの普通図柄記憶LED12が設けられており、液晶表示装置4の上方には保留球記憶LED13a〜13dが設けられている。普通図柄記憶LED12は、普通図柄の変動中に普通図柄作動用ゲート7への遊技球通過がある度に1個ずつ点灯し、その時点での液晶表示装置4の普通図柄表示用の「○、×」の交互の点灯可能回数(4回を限度とする)を遊技者に知らせるものであり、5回目以降の通過はカウントされず無効となる。
液晶表示装置4の左右上方には、左風車14および右風車15が設けられており、この左風車14および右風車15は遊技球の流下経路を変更するとともに、遊技球が衝突したときに回転して遊技性を増大させる機能を果している。
また、始動入賞口6の左右側には、それぞれ入賞球があると10個の賞球を払出すように定められた一般入賞口16,17,18,19が設けられている。
また、遊技盤3の周囲のハウジング上には、遊技状態に応じて光による演出を行なう装飾用のランプ26が設けられている。
図2には、パチンコ機1の制御部の具体的構成が示されている。図示のように、パチンコ機1の遊技動作は、主制御回路30により制御される。主制御回路30は、演算処理装置としてのCPU(以下、「メインCPU」という)31と、読み出し専用の記憶手段としてのROM(以下、「メインROM」という)32と、読み書き可能な記憶手段としてのRAM(以下、「メインRAM」という。)33とを主たる構成要素として構成され、これらは一つの回路基板上に配置される。
メインRAM33としては、ダイナミック型メモリ(DRAM)が用いられる。主制御回路30に接続された各種センサからの入力信号は、この主制御回路30内のメインCPU31に入力され、メインCPU31は、入力信号に応じた処理をメインROM32に格納されている制御プログラムに従って実行する。
さらに、主制御回路30は、全体の遊技制御処理プログラムを定期的(例えば2ms毎)に実行するためのリセット信号を発生する(これを「割込発生」という)図示しないリセット用クロックパルス発生回路と、電源が投入されたときに回路についての初期処理を実行するための初期リセット信号を発生する初期リセット回路35とを備えている。
この主制御回路30には、信号入力手段として、例えば、大入賞口8に設けられたV入賞口に遊技球が入賞したことを検出するV・カウントスイッチ28Sと、大入賞口8のV入賞口を除いた特定入賞口に入賞した遊技球の数を計数するカウントスイッチ29Sと、一般入賞口16,17,18,19に入賞した遊技球を検出する一般入賞球スイッチ16Sから19Sと、普通図柄作動用ゲート7を通過した遊技球を検出する通過ゲートスイッチ7Sと、始動入賞口6に入賞した遊技球を検出する始動入賞口スイッチ6Sとが接続され、また、信号出力手段として、例えば、普通電動役物5に設けられ且つ可動片6aの変換動作を制御する始動口ソレノイド5aと、大入賞口8を開閉するための大入賞口ソレノイド8bと、大入賞口8に入賞する遊技球をV入賞口または特定の入賞口の何れかに振り分けて入賞させるシーソーソレノイド8aと、主制御回路30および払出装置105を制御する払出・発射制御回路102にバックアップされているデータを消去するためのバックアップクリアスイッチ100とが接続されている。
このような構成では、例えば、始動入賞口スイッチ6Sからの信号がI/Oポート98を介して主制御回路30に入力されると、メインCPU31は、その入力信号を始動記憶数としてメインRAM33に累積的に記憶し、大当りの有無等の判定処理を行なう。そして、それらの判定結果に基づいて生成された液晶表示装置4の表示に関する制御指令(以下、「コマンド」という)を、後述の副制御回路40に向けて送信する。
メインROM32には、液晶表示装置4の表示に関する各種の決定に必要なデータが格納されている。例えば、液晶表示装置4で行われる図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される「大当り判定テーブル」、図柄変動の停止結果が外れのときにリーチを発生させるか否かを判定する際に参照される「リーチ判定テーブル」、識別図柄の最終的な停止態様である確定停止態様を決定する際に参照される「停止図柄決定テーブル」、そして、演出表示パターンを選択する際に参照される「演出表示パターン選択テーブル」等がメインROM32に格納されている。
メインCPU32では、各種の乱数カウンタの更新処理を定期的に行ない、始動入賞時には、メインCPU32は、これら乱数カウンタのカウント値(以下、「乱数値」という)を読み出し、メインRAM33内に形成される所定の記憶領域に格納する。ここに格納された乱数値は、主制御回路30において行われる各種の判定等に用いられる。
前記「大当り判定テーブル」は、図柄変動の停止結果を大当りとするか否かの判定に用いられ、メインCPU31は、この判定の際に取り出した大当り判定用乱数カウンタの値(「大当り判定用乱数値」という)をこの大当り判定テーブルに設定された数値範囲と照合し、上記の判定を行なう。
ここで、「大当り判定用乱数カウンタ」は、メインCPU31内に形成され、”0〜315”の範囲内で定期的に更新される。一例として前記「大当り判定テーブル」では、外れの判定となる大当り判定用乱数値の数値範囲は”0〜6”または”8〜315”で、大当りの判定となる大当り判定用乱数値の数値範囲は”7”である。
また、メインCPU32は、始動入賞口6に遊技球が入賞したとき、始動入賞口スイッチ6Sが遊技球を検出すると、上述した大当り判定の際に取り出した大当り判定用乱数値をメインRAM33の保留球記憶領域に記憶するようになっており、このメインRAM33の保留球記憶領域には最大で4個の大当り判定乱数値が保留球として記憶される。
そして、現在行われている図柄変動遊技が終了すると、メインRAM33に記憶された大当り判定用乱数値に応じて次の新たな図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
また、保留球記憶領域に保留球が記憶されたときに4個の保留球記憶LED13a〜13dのうち保留球の記憶個数に応じた分だけ点灯される。例えば、保留球LEDは、保留球記憶領域に1つの大当り判定用乱数値が記憶されたときには、左側の保留球記憶LED13aのみが表示され、記憶領域に記憶される大当り判定用乱数値が増えるに連れて左側から右側の保留球記憶領域LEDが順次に点灯される。
そして、現在行われている図柄変動遊技が終了すると、変動中の大当り判定用乱数値が削除され、次に記憶された大当り判定用乱数値が用いられるとともに点灯中の保留球記憶LED13のうち右側の保留球記憶LED13が消灯され、この動作は保留球が無くなるまで継続される。そして、変動中の図柄に対応する大当り判定用乱数値がメインROM32に格納された大当り判定用テーブルの大当り乱数値と一致すれば、大当りとなる。
ここで、メインRAM33に記憶される保留球は4個を上限としており、4個の保留球が記憶されて保留球LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当り判定も行われない。
また、パチンコ遊技機1は、主制御回路30とは別の一つの回路基板上に配置された副制御回路40を備えている。この副制御回路40は、主制御回路30と同様、CPU(以下、「サブCPU」という)41と、ROM(以下、「プログラムROM」という)42と、RAM(以下、「ワークRAM」という)43とを主たる構成要素として構成される。
副制御回路40は、主制御回路30に設けられたシリアル通信用IC(コマンド出力ポート)50および副制御回路40に設けられたコマンド入力ポート99を介して主制御回路30から送信されたコマンドに応じて、液晶表示装置4での図柄変動および演出アニメーションを含んだ表示制御を行なう。また、副制御回路40では、液晶表示装置4の表示制御の他に主制御回路30から送信されたコマンドに応じたスピーカ25L,25Rからの音声出力制御と前面扉2および遊技盤3に配置される枠LED、盤面上LED等の発光体(ランプ26)の動作制御についても行なう。
主制御回路30から送信されたコマンドに応じた処理を実行する具体的手段として、副制御回路40は、液晶表示装置4を制御するための画像制御回路45と、スピーカ25L,25Rを制御するための音声制御回路46と、ランプ26を制御するためのランプ制御回路部47とを備える。
画像制御回路45は、サブCPU41からの指令に基づいて液晶画面に表示すべき画像データを生成し且つこの画像データの表示制御を実行する。
具体的には、画像制御回路45は、画像データを生成するためのドットデータを格納する画像データROM、サブCPU41で設定されたパラメータに応じて画像データROM内のドットデータを読み込み表示すべき画像データを生成するVDP(Video Display Processor)、VDPで生成された画像データをRGB信号に変換するD/Aコンバータおよび図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにリセット信号を発生する初期リセット回路(いずれも図示せず)を備える。
音声制御回路46は、音源IC、増幅回路(アンプ)および音声データROMを備え、音声発生手段としてのスピーカ25L,25RにBGMおよび効果音からなる音声信号を出力する。
ランプ制御回路部47は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM等から構成されている。
以上のような構成の副制御回路40は、立体画像データを記憶してこれを液晶表示装置4に表示する機能を有している。図3は、そのような立体画像表示機能のみに関与する副制御回路40の構成要素を図2とは異なる態様で示したブロック図である。
図示のように、副制御回路40は、オブジェクト記憶手段251と、テクスチャ記憶手段252と、演出シーン記憶手段253と、立体画像生成手段254と、画像表示制御手段255とを少なくとも備えている。
オブジェクト記憶手段251は、前述した画像データROM等の記憶媒体等から構成されている。オブジェクト記憶手段251には、オブジェクトが記憶されている。オブジェクトとは、ある物体がひとまとまりに管理されたものであり、その種類としては、キャラクタや背景等のオブジェクト等がある。このオブジェクトは、仮想座標空間中に配置されるものである。特に、本実施形態においては、ポリゴン群から構成される3次元オブジェクトのみを含み、あるいは、3次元オブジェクトを主に含んでいる。無論、2次元オブジェクト(いわゆる、ビルボード)等を含んでいても構わない。このように、オブジェクト記憶手段251は、仮想座標空間内に配置されるオブジェクトが複数種類記憶された手段である。
テクスチャ記憶手段252は、前述した画像データROM等の記憶媒体等から構成されている。テクスチャ記憶手段252には、前述したオブジェクトの表面特性を示す画像のドットデータ等のテクスチャが記憶されている。本実施形態のように3次元オブジェクトの場合には、オブジェクト記憶手段251に記憶されたオブジェクトにおけるポリゴン毎に設定されている。なお、2次元オブジェクトの場合には、1枚の2次元オブジェクトがテクスチャとしてテクスチャ記憶手段252に記憶される。
演出シーン記憶手段253は、プログラムROM42等の記憶媒体等から構成されている。演出シーン記憶手段253には、仮想座標空間内に配置されるオブジェクトの種類と、そのオブジェクトの仮想座標空間内における位置と、仮想座標空間内における視点位置とを含む立体画像を表示するための演出シーン情報を所定のフレーム毎に順次に設定した演出シーンが記憶されている。また、演出シーン情報記憶手段253には、複数種類の演出シーンが記憶されており、複数種類の演出シーンのうち少なくとも2以上の演出シーンには、同じオブジェクトが設定されている。更に、演出シーン情報記憶手段253に記憶された複数種類の演出シーンのうち、少なくとも2以上の演出シーンには、前記仮想座標空間内における同じ座標軸に沿って移動するオブジェクトが設定されており、また、少なくとも2以上の別の演出シーンには、前記仮想座標空間内における異なる座標軸に沿って移動するオブジェクトが設定されている。なお、これについては後述する。
立体画像生成手段254は、前述したVDP等の制御部等から構成されている。立体画像生成手段254は、演出シーン記憶手段253に記憶された演出シーンにおける演出シーン情報に基づいて、オブジェクトと視点位置との仮想座標空間内における位置関係を所定のフレーム毎に算出することによって、オブジェクトを視点位置から見た立体画像を生成する機能を有している。特に、立体画像生成手段254は、選択された演出シーンに対応する演出シーン情報に基づいて、オブジェクトを視点位置から見た立体画像を生成する。
画像表示制御手段255は、前述したVDP等の制御部等から構成されており、立体画像生成手段254によって生成される立体画像を液晶表示装置4に表示させる制御を行なう機能を有している。
次に、図4〜図7に示すフローチャートに基づいて、主制御回路30で行なわれる制御処理の手順を説明する。
図4は、主制御回路30で行なわれるメイン処理を示している。このメイン処理では、まず、ステップ10において、メインCPU31は、パチンコ遊技機1における各種設定を、前回電源断となった際の設定に復帰するか、もしくは初期化する。ステップS12において、メインCPU31は、後述する特別図柄制御処理を実行した後、ステップS16において、普通図柄制御処理を行ない、その後、ステップS18において、ハズレ図柄、初期値、乱数、演出用乱数を更新する乱数更新処理を行なう。
図5は、所定の周期(例えば2msec)で図4のメイン処理に割り込むように実行されるシステムタイマ割込処理を示している。このシステムタイマ割込処理では、まず、ステップS20において、メインCPU31は、大当たり判定用乱数値等の値を更新する。その後、ステップS21において、メインCPU31は、スイッチ入力検出処理を行なう。具体的には、V・カウントスイッチ28S、カウントスイッチ29S、始動入賞口スイッチ6S、一般入賞口スイッチ16S〜19S等により入力された入力信号を検出する。続いて、ステップS22において、メインCPU31は、変動表示されている識別図柄の残り変動表示時間、開状態にある始動口6や大入賞口8の残り開放時間等を更新する。そして、ステップS23において、メインCPU31は、始動口6や大入賞口8を駆動するソレノイド等を駆動する信号を出力する。その後、ステップS24において、メインCPU31は、識別図柄の停止図柄を指示する識別図柄指定コマンド、セットした識別図柄の変動表示パターン(演出表示パターン;演出内容)等を指示する変動表示パターン指定コマンドを副制御回路40に出力する。続いて、ステップS25において、メインCPU31は、遊技球が入球した入賞口の種類(一般入賞口16〜19や大入賞口8等)に応じて、所定の遊技球を賞球として払い出すように指示するコマンドを払出・発射制御回路102に出力する。
次に、図4のステップS12における「特別図柄制御処理」について、図6を参照しながら説明する。なお、図6において、ステップS102からステップS110の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する遊技制御フラグを示し、その遊技制御フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行される。
最初に、図6に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS101)。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
なお、後述するステップS102からステップS110において、メインCPU31は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS102からステップS110における処理のいずれかを実行可能にするものである。
ステップS102においては、図7を用いて後述する特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、始動記憶数カウンタのチェックを行ない、始動記憶数カウンタが0でない場合に、大当たり判定、導出識別情報、識別情報の演出表示パターン等の決定を行なう。また、メインCPU31は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。
ステップS103においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定表示待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。
ステップS104においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定表示待ち時間が経過した場合に、大当たりか否かを判断する。メインCPU31は、大当たりである場合に、大当たり開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS105の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU31は、大当たりではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。
ステップS105においては、大当たり開始インターバル管理処理を実行する。メインCPU31は、制御状態フラグが大当たり開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口8を開放させるために、メインROM32から読み出されたデータに基づいて、メインRAM33に位置付けられた変数を更新する。メインCPU31は、大入賞口8の開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
ステップS106においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理では、メインCPU31は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを1増加するように記憶更新する。メインCPU31は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
ステップS107においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが10以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが0である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU31は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口8を閉鎖させるために、メインRAM33に位置付けられた変数を更新する。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。
ステップS108においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが15以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU31は、いずれかの条件を満たした場合に、大当たり終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当たり終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS109の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU31は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU31は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。
ステップS109においては、大当たり終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが大当たり終了インターバルを示す値(07)であり、大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、所定の確率変動条件を満たした場合に、大当たり確率を変動させるために、高確率フラグをセットする。なお、「所定の確率変動条件」は、例えば特別図柄0から9のうち、いずれかの奇数の特別図柄が3つそろった状態で大当たりしていることである。
ステップS110においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、始動記憶数カウンタを1減少するように記憶更新する。メインCPU31は、次回の変動表示を行うために、始動入賞口8への入賞時に抽出され、所定の始動記憶領域に記憶された大当たり判定用乱数値、大当たり図柄決定用乱数値の各乱数値を順次シフトさせる。
次に、図6のステップS102における「特別図柄記憶チェック処理」について、図7を参照しながら説明する。
まず、ステップS200において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かを確認する。また、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合には、ステップS202の処理に移り、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)でない場合には、特別図柄制御処理における処理を終了する。
ステップS202において、メインCPU31は、始動記憶の数(保留個数)が“0”であるか否かを確認する。また、メインCPU31は、始動記憶の数が“0”である場合にはステップS206の処理に移り、始動記憶の数が“0”でない場合にはステップS204の処理に移る。
ステップS206において、メインCPU31は、デモ演出表示を実行するように指示するデモ演出コマンドを生成し、セットする。なお、このデモ演出コマンドは、遊技状態が客待ち状態(特別図柄の変動表示の動作が行なわれておらず、大当たり遊技も行なわれておらず、始動記憶がない状態)の場合に、生成される。
ステップS204において、メインCPU31は、特別図柄変動表示時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットする。その後、ステップS208において、メインCPU31は、始動記憶に含まれる大当たり判定用乱数値に基づいて大当たり判定を行なう。続いて、ステップ210において、メインCPU31は、大当たり判定の結果が遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるものであるか否かを確認する。また、メインCPU31は、大当たり判定の結果が遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるものである場合には、ステップS212の処理に移り、大当たり判定の結果が遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるものでない場合には、ステップS214の処理に移る。
ステップS214において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいて、はずれ図柄を決定する。具体的には、メインCPU31は、リーチ判定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、特別図柄の変動表示においてリーチ(リーチ変動表示等)を実行するか否かを決定する。また、メインCPU31は、特別図柄の変動表示においてリーチ(リーチ変動表示等)を実行する場合には、リーチ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて「左」および「右」の図柄を決定し、中はずれ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、「中」の図柄を決定する。更に、メインCPU31は、特別図柄の変動表示においてリーチを実行しない場合には、「左」・「中」・「右」にそれぞれ対応するはずれ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、「左」・「中」・「右」の図柄を決定する。
ステップS212において、メインCPU31は、始動記憶に含まれる大当たり図柄決定用乱数値に基づいて大当たり図柄(「左」・「中」・「右」)を決定する。その後、ステップS216において、メインCPU31は、大当たり図柄およびハズレ図柄の演出表示パターンの決定処理を行なう。具体的には、メインCPU31は、乱数発生器により、0〜99の範囲で発生した乱数のうち、一の乱数値を抽出する。そして、メインCPU31は、抽出した乱数値とメインROM32に記憶された変動表示パターン選択テーブルとを比較して、大当たり図柄およびハズレ図柄の変動表示パターンを決定する。更に具体的には、メインCPU31は、大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合には、抽出した乱数値(変動表示パターン選択用乱数値)に基づいて、図示しない第1の変動表示パターン選択テーブルに設定された変動表示パターンのうちのいずれかを変動表示パターンとして選択する。また、メインCPU31は、大当たり判定の結果が「通常大当たり」である場合には、抽出した乱数値(変動表示パターン選択用乱数値)に基づいて、図示しない第2の変動表示パターン選択テーブルに設定された変動表示パターンのうちのいずれかを変動表示パターンとして選択する。更に、メインCPU31は、大当たり判定の結果が「確変大当たり」である場合には、抽出した乱数値(変動表示パターン選択用乱数値)に基づいて、図示しない第3の変動表示パターン選択テーブルに設定された変動表示パターンのうちのいずれかを変動表示パターンとして選択する。なお、メインCPU31は、変動表示パターンを選択すると、選択した変動表示パターンに対応する変動表示パターン指定コマンドをセットする。なお、図12には、大当たり判定の結果(「ハズレ」「大当たり」)と、それに対応する変動表示パターン指定コマンド(コマンド番号h0〜h7)と、各コマンドに対応する演出内容(通常変動、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、全回転リーチ)および図柄変動表示時間(秒)との間の関係が示されている。ここで、「リーチ」とは、液晶表示装置4の画面内で例えば左図柄と右図柄とが同一の図柄で停止される状態のことであり、また、この「リーチ」に伴う演出表示(表示パターンの内容)は、左図柄および右図柄が揃ったリーチ段階で中図柄が左右の図柄と同じになる大当たりが発生する可能性があることを報知するための演出表示である。そして、このような「リーチ」に伴う演出表示の中には、例えば「ドンちゃん」、「親方」、「葉月ちゃん」というキャラクタが登場する「ドンちゃんリーチ」、「親方リーチ」、「葉月ちゃんリーチ」などが存在する。また、「スーパーリーチ」とは、「ノーマルリーチ」よりも期待度が相対的に高いリーチ演出表示パターンのことである。また、「全回転リーチ」とは、100%の確率で大当たりになるリーチ演出表示パターンのことである。更に、通常変動とは、リーチにならない演出表示パターンを結果として残す図柄変動のことである。
以上のようにしてステップS216が終了すると、メインCPU31は、ステップS218において、ステップS216で決定された変動表示パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。続いて、メインCPU31は、ステップS220において、今回の特別図柄の変動表示に用いられた乱数値等を所定の記憶領域から消去する。
次に、図8〜図11に示されるフローチャートに基づいて、副制御回路40で行なわれる制御処理の手順を説明する。
副制御回路40では、主制御回路30から送られてくる所定のコマンドに基づいて、図8に示される「メイン処理」が行なわれる。この「メイン処理」では、まず、例えば電源の立ち上げに伴って初期化処理が行なわれる(ステップS300)。この初期化処理が成されると、続いて、後述するコマンド解析処理(図10参照)における予告決定処理(図10のステップS504および図11参照)で必要となる乱数(例えば0〜19の範囲の乱数)を更新する乱数更新処理が行なわれる(ステップS301)。そして、この乱数更新処理が行なわれると、続いて、コマンド解析処理が行なわれる(ステップS302)。
一般に、副制御回路40では、図9に示されるコマンド受信割込処理に示されるように、主制御回路30から受けたコマンドを割り込みで一度格納しておき、前記コマンド解析処理において、格納されていたコマンドを読み込んでその対応するデータをセットする。具体的には、図9に示されるように、まず、ステップ400において、サブCPU41は、レジスタに格納されている情報を待機させる。続いて、ステップ401において、サブCPU41は、主制御回路30から入力されたコマンドを受信バッファに格納する。そして、ステップ402において、サブCPU41は、ステップS400で待機させた情報をレジスタに復帰させる。
前述したように、副制御回路40にコマンドを送信する主制御回路30では、例えば、始動入賞口6に遊技球が入ると、大当たり判定用乱数値を抽出し、これに基づいて大当たり判定を行ない、判定結果に基づいて表示結果(特別図柄の組み合わせ)を決定する(すなわち、主制御回路30は、第1の遊技状態(例えば通常遊技状態)からそれよりも有利な第2の遊技状態(例えば大当たり遊技状態)へ移行させるか否かを判定する遊技状態移行判定手段として機能する)。また、主制御回路30は、この表示結果に基づいて、メインROM32に格納された前記「変動表示パターン選択テーブル」を参照して変動表示パターンを決定し、決定した変動表示パターンを前記表示結果と共に所定のコマンド(識別図柄指定コマンドおよび変動表示パターン指定コマンドh0〜h7)として副制御回路40へ送信する。副制御回路40は、これらのコマンドを受信すると、ステップS302のコマンド解析処理において、受信したコマンドに対応する特別図柄表示データおよび変動表示データを所定の作業領域にセットする。具体的には、変動表示パターン指定コマンドが主制御回路30から送られると、副制御回路40は、それに対応する変動表示データ(演出画像データ)をワークRAM43に一時的に記憶させる。
話を再びステップS302(図8)のコマンド解析処理に戻すと、このコマンド解析処理では、具体的に、図10に示されるような処理が行なわれる。まず、ステップS500において、サブCPU41は、前述した受信バッファにコマンド(主制御回路30からのコマンド)が記憶されているか否かを判断する。そして、この判断がYESの場合にはステップS501に移行し、NOの場合にはコマンド解析処理を終了する。
ステップS501において、サブCPU41は、コマンドを読み出す。続いて、ステップS502において、サブCPU41は、ステップS501で読み出したコマンドが変動表示パターン指定コマンドであるか否かを判断する。この判断がYESの場合には、ステップS504に移行して予告決定処理を行ない、NOの場合には、ステップS503に移行して、その他のコマンド(変動表示パターン指定コマンド以外のコマンド)に対応する処理を行なう。
ステップS504における予告決定処理では、主制御回路30で選択された所定の変動表示パターンに対応して予告画像が決定される。ここで、「予告画像」とは、識別図柄の変動表示中に、「ハズレ」「大当たり」等の図柄の最終停止態様を予告するために、特定のキャラクタ等(「ロケット」「UFO」「ねずみ花火」「流星群」「3連ドン」等)を所定の画面領域内で例えば横切らせるような画像(特定の演出)のことである。
図11を参照しながら、予告決定処理について具体的に説明すると、この予告決定処理において、サブCPU41は、主制御回路30から変動表示パターン指定コマンドを受信すると、サブROM42に記憶された図13の(a)〜(c)に示される予告段階回数決定テーブルおよび図8に示されるメイン処理のステップS301で行なわれる乱数更新処理で抽出された乱数値(予告決定用乱数値)に基づいて、前記変動表示パターン指定コマンドに対応する変動表示パターンに対してどの予告パターン(特定の演出)をどのような態様で対応付けるかについての決定を行なう。すなわち、本実施形態においては、この予告決定処理において、予告パターン(予告内容)を単に決定するだけではなく、識別図柄が変動を開始して最終的に停止するまでの間に所定の条件下で予告画像を複数の段階に分けて表示する(いわゆるステップアップ予告を行なう)べく、「大当たり」の信頼度(期待度)に応じた予告表示の段階数をも決定するようになっている。具体的には、サブCPU41は、主制御回路30から変動表示パターン指定コマンドを受信すると、ステップ600において、予告段階回数・予告内容決定処理を行なう。
更に具体的には、サブCPU41は、変動表示パターン指定コマンドh0(大当たり判定の結果が「ハズレ」で且つ変動表示パターンの内容が通常ハズレ(「通常変動」)の場合)を受信すると、図13の(a)に示される予告段階回数決定テーブルを参照し、前記乱数更新処理で抽出された予告決定用乱数値が含まれる乱数範囲に対応する予告パターンおよび予告段階数をセットで決定する。例えば、前記乱数更新処理において乱数値「9」が抽出されると、受信した変動表示パターン指定コマンドh0に対応する変動表示パターンに対して予告パターン「Y0」が対応付けられるとともに、予告段階数が0に設定される。すなわち、実質的に予告パターンが表示されず、したがって、段階数も設定されない。また、前記乱数更新処理において例えば乱数値「15」が抽出されると、受信した変動表示パターン指定コマンドh0に対応する変動表示パターンに対して予告パターン「YA1」が対応付けられるとともに、予告段階数が1に設定される。すなわち、キャラクタ等のオブジェクト「A」が含まれる予告パターン「YA1」が1段階(したがって、ステップアップ予告ではない)で表示される。更に、前記乱数更新処理において例えば乱数値「19」が抽出されると、受信した変動表示パターン指定コマンドh0に対応する変動表示パターンに対して予告パターン「YA3」が対応付けられるとともに、予告段階数が3に設定される。すなわち、キャラクタ等のオブジェクト「A」が含まれる予告パターン「YA3」が3段階(したがって、ステップアップ予告)で表示される。なお、図13の(a)から分かるように、リーチを伴わないハズレに対応する変動表示パターン指定コマンドh0を受信した場合には、ステップアップ予告が表示される確率(選択確率=2/20+1/20=3/20)は極めて少ない。
一方、サブCPU41は、変動表示パターン指定コマンドh1〜h3(大当たり判定の結果が「ハズレ」で且つ変動表示パターンの内容が「リーチ」の場合)を受信すると、図13の(b)に示される予告段階回数決定テーブルを参照し、前記乱数更新処理で抽出された予告決定用乱数値が含まれる乱数範囲に対応する予告パターンおよび予告段階数をセットで決定する。例えば、前記乱数更新処理において乱数値「3」が抽出されると、受信した変動表示パターン指定コマンドh1〜h3に対応する変動表示パターンに対して予告パターン「Y0」が対応付けられるとともに、予告段階数が0に設定される。すなわち、実質的に予告パターンが表示されず、したがって、段階数も設定されない。また、前記乱数更新処理において例えば乱数値「15」が抽出されると、受信した変動表示パターン指定コマンドh1〜h3に対応する変動表示パターンに対して予告パターン「YB1」が対応付けられるとともに、予告段階数が1に設定される。すなわち、「A」とは異なるキャラクタ等のオブジェクト「B」が含まれる予告パターン「YB1」が1段階(したがって、ステップアップ予告ではない)で表示される。更に、前記乱数更新処理において例えば乱数値「19」が抽出されると、受信した変動表示パターン指定コマンドh1〜h3に対応する変動表示パターンに対して予告パターン「YB3」が対応付けられるとともに、予告段階数が3に設定される。すなわち、キャラクタ等のオブジェクト「B」が含まれる予告パターン「YB3」が3段階(したがって、ステップアップ予告)で表示される。なお、図13の(a)と図13の(b)とを比べれば分かるように、リーチを伴うハズレに対応する変動表示パターン指定コマンドh1〜h3を受信した場合、ステップアップ予告が表示される確率は、リーチを伴わないハズレの場合に比べて高く、また、リーチを伴わないハズレにおいては出現しない「YB1」「YB2」「YB3」が所定の確率で出現する。そのため、遊技者は、「YB1」「YB2」「YB3」が出現することにより、リーチが発生することを確信をもって認識できる(「Y0」「YA1」「YA2」「YA3」が出現する場合には、確信をもってリーチの発生を認識できない)とともに、段階数が多い「YB3」が出現することで、今度は「大当たり」の発生をも期待するようになる(これについては、後述する大当たりのテーブル(図13の(c)参照)との比較から明らかとなる)。
更に、サブCPU41は、変動表示パターン指定コマンドh4〜h7(大当たり判定の結果が「大当たり」の場合)を受信すると、図13の(c)に示される予告段階回数決定テーブルを参照し、前記乱数更新処理で抽出された予告決定用乱数値が含まれる乱数範囲に対応する予告パターンおよび予告段階数をセットで決定する。例えば、前記乱数更新処理において例えば乱数値「15」が抽出されると、受信した変動表示パターン指定コマンドh4〜h7に対応する変動表示パターンに対して予告パターン「YB3」が対応付けられるとともに、予告段階数が3に設定される。すなわち、キャラクタ等のオブジェクト「B」が含まれる予告パターン「YB3」が3段階(したがって、ステップアップ予告)で表示される。図13の(c)を図13の(a)(b)と比較すれば分かるように、大当たりに対応する変動表示パターン指定コマンドh4〜h7を受信した場合、ステップアップ予告が表示される確率は、ハズレの場合に比べて格段に高く、また、リーチが発生する場合にしか出現しない「YB1」「YB2」「YB3」が高い確率(1/2)で出現する。すなわち、リーチの発生を確信をもって認識できる確率がハズレの場合よりも格段に高く、しかも、段階数の多い「YB3」の出現率がハズレの場合よりも格段に高い。したがって、遊技者は、オブジェクト「B」が出現し、しかも、その予告表示の段階数が多くなればなるほど、「リーチ」から「大当たり」への期待を徐々に高めていくことになる。
このように、予告段階回数・予告内容決定処理においては、大当たりの判定結果に基づいて、段階的に表示される予告演出(特定の演出)の段階数が決定される。また、この段階数の決定は、段階数決定手段として機能する画像表示制御手段255によって行なわれる。なお、ここでは、段階数と予告内容とが1回の乱数抽出(1回の処理)により同時に決定されているが、予告段階回数の決定と予告内容の決定とが別個に行なわれても良い。
以上のような予告段階回数・予告内容決定処理が終了すると、続いて、サブCPU41は、ステップS601に移行し、段階演出決定処理を行なう。この段階演出決定処理では、図14に示される段階演出決定テーブルに基づいて、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された予告演出を、同じく予告段階回数・予告内容決定処理で決定された段階数の演出シーンに分ける。具体的には、サブCPU41は、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された予告演出が「YA2」である場合には、所定の乱数抽出を行ない、その抽出した乱数値に基づいて、1段階目の予告演出シーンを、段階演出決定テーブルにおける「YA2」の段階数1に設定された演出シーン「A1x」「A1y」「A1z」の中から決定する。続いて、更なる乱数抽出を行ない、その抽出した乱数値に基づいて、2段階目の予告演出シーンを、段階演出決定テーブルにおける「YA2」の段階数2に設定された演出シーン「A2x」「A2y」「A2z」の中から決定する。一方、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された予告演出が「YB2」である場合には、所定の乱数抽出を行ない、その抽出した乱数値に基づいて、1段階目の予告演出シーンを、段階演出決定テーブルにおける「YB2」の段階数1に設定された演出シーン「B1x」「B1y」「B1z」「C1x」「C1y」「C1z」の中から決定する。ここで、「C」は、オブジェクト「B」に関連しないキャラクタ等を含むオブジェクトである。続いて、更なる乱数抽出を行ない、その抽出した乱数値に基づいて、2段階目の予告演出シーンを、段階演出決定テーブルにおける「YB2」の段階数2に設定された演出シーン「B2x」「B2y」「B2z」「C2x」「C2y」「C2z」の中から決定する。
同様に、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された段階数が3である場合(予告「YA3」「YB3」が決定された場合)には、前述した演出シーンの決定が3回に分けて行なわれ、また、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された段階数が1である場合(予告「YA1」「YB1」が決定された場合)には、前述した演出シーンの決定が1回行なわれる。また、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された段階数が0である場合(予告「Y0」が決定された場合)には、前述した演出シーンの決定が行なわれない。なお、このような各段階の演出シーンは、演出シーン記憶手段253に記憶された複数種類の演出シーンの中から決定される。
また、このように各段階の演出シーンの決定を別個の乱数抽出によって行なう以外に、1回の乱数抽出により各段階の演出シーンを一度に決定することも考えられる。例えば、1回の乱数抽出において図14に示されるテーブルの同じ横列に設定された演出シーンが自動的に決定されても良い。すなわち、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された予告演出が例えば「YA3」である場合には、乱数抽出を1回だけ行ない、その抽出した乱数値に基づいて、同じ横列に位置する例えば「B1y」「B2y」「B3y」のセットを3つの各段階における演出シーンとして決定する。
なお、図14中、演出シーンを表わす記号(「A2y」等)に付された文字「x」「y」「z」は、仮想座標空間内における座標軸x、y、zとの関連性を表わしており、例えば、画面上でオブジェクトA,B,Cがx方向、y方向、z方向に移動する態様を表わしている。
また、このような各段階での演出シーンの決定においては、各段階の演出シーンに関連性が持たされても良い。すなわち、少なくとも1つの段階の演出シーンを、その前の段階で決定した演出シーンに基づいて決定する。例えば、少なくとも1つの段階において、その前の段階で決定した演出シーンに設定されたオブジェクトと同じオブジェクトが設定された演出シーンを決定する。具体的には、例えば、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された予告演出が例えば「YB3」である場合には、1段階目の演出シーンとしてオブジェクト「B」を含む例えば「B1x」が決定されると、2段階目の演出シーンとして同じオブジェクト「B」を含む「B2x」または「B2y」または「B2z」が決定される。無論、3段階目の演出シーンにおいても、同じオブジェクト「B」を含む「B3x」または「B3y」または「B3z」が決定されても良い。すなわち、Bと異なるオブジェクトCを含む演出シーンは決定されないこととなる。更に具体的には、図15の(a)に示されるように、1段階目の演出シーンとしてオブジェクト「ドンちゃん」を含む例えば「仮想座標空間内のx軸上で寝ているドンちゃん」が決定されると、図15の(b)に示されるように、2段階目の演出シーンとして同じオブジェクト「ドンちゃん」を含む「仮想座標空間内のy軸に沿って飛び上がるドンちゃん」が決定される。
また、各段階の演出シーンに関連性を持たせるという点では、少なくとも1つの段階において、その前の段階で決定した演出シーンに設定されたオブジェクトの移動座標軸と同じ座標軸に沿って移動するオブジェクトが設定された演出シーンを決定することも考えられる。具体的には、例えば、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された予告演出が例えば「YB2」である場合には、1段階目の演出シーンとしてx軸に沿って移動するオブジェクトを含む例えば「B1x」が決定されると、2段階目の演出シーンにおいてもx軸に沿って移動するオブジェクト「B」または「C」を含む「B2x」または「C2x」が決定される。更に具体的には、図16の(a)に示されるように、1段階目の演出シーンとしてx軸に沿って移動するオブジェクト「ドンちゃん」を含む「服を着てx軸に沿って走るドンちゃん」が決定されると、図16の(b)に示されるように、2段階目の演出シーンにおいてもx軸に沿って移動するオブジェクト「ドンちゃん」(この場合、「ドンちゃん」でなくても良い)を含む「裸でx軸に沿って走るドンちゃん」が決定される。
なお、立体感を印象付けるために、少なくとも1つの段階において、その前の段階で決定した演出シーンに設定されたオブジェクトの移動座標軸と異なる座標軸に沿って移動するオブジェクトが設定された演出シーンを決定することも考えられる。具体的には、例えば、予告段階回数・予告内容決定処理で決定された予告演出が例えば「YB2」である場合には、1段階目の演出シーンとしてx軸に沿って移動するオブジェクトを含む例えば「B1x」が決定されると、2段階目の演出シーンにおいてはz軸に沿って移動するオブジェクト「B」または「C」を含む「B2z」「B2y」または「C2z」「C2y」が決定される。更に具体的には、図17の(a)に示されるように、1段階目の演出シーンとしてx軸に沿って移動するオブジェクト「ドンちゃん」を含む「服を着てx軸に沿って走るドンちゃん」が決定されると、図17の(b)に示されるように、2段階目の演出シーンにおいてはz軸に沿って移動するオブジェクト「ドンちゃん」(この場合、「ドンちゃん」でなくても良い)を含む「裸でz軸に沿って走るドンちゃん」が決定される。
なお、以上のような段階演出決定処理は、画像表示制御手段255によって行なわれる。すなわち、画像表示制御手段255は、ステップ600での処理も含めて、主制御回路30から変動表示パターン指定コマンドとして送られる大当たりの判定結果に基づく予告演出(特定の演出)を液晶表示装置4に画像として表示させる特定演出表示手段として機能するとともに、予告演出を複数の段階の演出シーンに基づく段階演出に分けて表示する段階表示手段としても機能し、また、各段階の演出シーンを演出シーン記憶手段253に記憶された複数種類の演出シーンの中から決定する演出シーン決定手段としても機能する。
以上のような予告決定処理は、前述したように、図8に示される「メイン処理」のステップS302のコマンド解析処理の一部として行なわれるが、このコマンド解析処理が終了すると、続いて、表示制御処理(図8のステップS303)、音声制御処理(図8のステップS304)、ランプ制御処理(図8のステップS305)が行なわれる。前記表示制御処理では、サブCPU41および画像制御回路45による制御の下、予告決定処理を含む演出決定処理で決定されたデータに基づく画像描画処理すなわち変動表示パターン(演出表示パターン)の表示が液晶表示装置4で行なわれる。また、前記音声制御処理では、サブCPU41および音声制御回路46による制御の下、変動表示パターンに対応する効果音の演出がスピーカ25L,25Rで行なわれる。更に、前記ランプ制御処理では、サブCPU41およびランプ制御回路47による制御の下、変動表示パターンに対応する光の演出がランプ26で行なわれる。そして、これらのステップ303,304,305が終了すると、ステップS301の乱数更新処理へと再び戻る。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、予告演出(特定の演出)を複数の段階に分けて表示することができるため、演出表示に変化を持たせて、遊技の興趣向上を図ることができる。また、立体画像を生成することができるとともに、その立体画像を演出画像として液晶表示装置4に表示することができるため、予告演出を複数の段階に分けて表示する場合であっても、2次元画像表示における場合のように複数段階にわたるドットデータを個別に必要とせず(各段階毎に、あるいは、各段階における画像変動毎に、異なるドットデータを必要とせず)、したがって、画像データを段階数に応じた数だけROMに記憶させる必要はなく、一組のオブジェクト、つまり3Dデータ(ポリゴンデータ)を記憶しておくだけで、様々な変動画像(段階的画像)を演算により生成することがきる。すなわち、2次元画像表示よりも少ないデータ量で2次元画像と略同じ演出画像を立体的に生成することができ、立体感を有する画像により興趣の向上を図りつつ、同時に、記憶容量の負担軽減を図ることができる。
また、本実施形態においては、予告演出を複数の段階に分けて表示し、しかも、段階数を「大当たり」の信頼度(期待度)に応じて(すなわち、前記遊技状態移行判定手段による判定結果に基づいて)変えるようにしている。そのため、単調になりがちな演出に付加価値を持たせ、演出期間の全体にわたって大当たりに対する遊技者の期待感を持続させ且つ徐々に高揚させることもできる。
また、本実施形態においては、少なくとも1つの段階の演出シーンがその前の段階の演出シーンに基づいて決定されるため、少なくとも2以上の段階の演出シーン同士を互いに関連付け、あるいは、段階的に表示される演出シーンに変化を持たせることも可能になり、結果的に、遊技の興趣向上を図ることができる。特に、本実施形態においては、オブジェクトの同一性により少なくとも2以上の段階の演出シーン同士を互いに関連付けることができるため、演出の一貫性を保ち、遊技の興趣向上を図ることができる。また、同一のオブジェクトを記憶するだけで足りるため、オブジェクトの記憶容量の更なる削減を図ることができる。また、本実施形態においては、オブジェクトが移動する座標軸の同一性により少なくとも2以上の段階の演出シーン同士を互いに関連付けることができるため、演出の一貫性を保ち、遊技の興趣向上を図ることができる。また、本実施形態では、オブジェクトが移動する座標軸が少なくとも2以上の段階で互いに異なるようにすることもできるため、演出画像の立体感を遊技者に強く印象付けることができ、また、段階的に表示される演出シーンに変化を持たせることも可能になり、遊技の更なる興趣向上を図ることができる。