図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。特別図柄表示装置61の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。また、演出表示装置60の周囲には、遊技中に動作する可動役物140が配置されている。可動役物140は例えばキャラクタフィギュアや扉、剣などで構成され、演出内容に応じて動作する。可動役物140は、ぱちんこ遊技機10の様々な位置に配置することができる。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。例えば、後述する予告演出が表示されたとに、操作ボタン82を押下させることで、そのタイミングで予告用アイテムの表示がなされたり、予告用アイテムと共に表示される文章演出の内容が表示されるようにすることができる。遊技者に操作ボタン82を操作させて予告演出の表示を制御することで、遊技者の遊技介入を演出することができる。なお、この操作ボタン82は、発射ハンドル17を操作する手とは異なる手で操作し易い位置に設けることが望ましく、例えば上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。なお、確変は、特別遊技中に実行される抽選やゲームなどで所定の条件を満たしたときに実行されるようにしてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136、予告演出記憶手段204、予告決定手段206を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる擬似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。前述したように、特別図柄の変動と装飾図柄の変動は連動する。つまり、特別図柄の変動パターンとして長い変動パターンが選択された場合、実質的に同じ長さの変動時間で変動する装飾図柄の変動パターンが選択される。したがって、後述する予告演出を表示するような演出時間の長い変動パターンが選択される場合には、特別図柄の変動パターンとして長い変動パターンが選択されていることになる。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。本実施例の装飾図柄190は、当否抽選手段112の当否抽選の結果を示すための複数の図柄200のうちいずれか一つと複数種類の絵柄202のうちいずれか一つとを結合させて構成している。本実施例の装飾図柄190の一例を図4(a)〜図4(c)に示す。図4(a)は、図柄200として数字「7」、絵柄202として「少年」を結合させている。図4(b)は、図柄200として数字「3」、絵柄202として「少女」を結合させている。図4(c)は、図柄200として数字「5」、絵柄202として「老人」を結合させている。装飾図柄を含む演出画像の変動パターンには、図柄200の組合せとして通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。たとえば、ノーマルリーチと呼ばれるリーチパターンはリーチパターンの中でも比較的変動時間が短い。また、ロングリーチやスーパーリーチと呼ばれるリーチパターンはストーリー展開を伴う演出が行われることが多く比較的変動時間が長い。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。上述したロングリーチやスーパーリーチの演出内容として、例えばキャラクタが装飾図柄190を1つずつ打ち砕きながら停止図柄の表示まで導くような演出や装飾図柄190を保持するキャラクタ同士の勝負の結果に応じて停止図柄の表示を導くものなどがある。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄200の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄192が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄200が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄192の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄200が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。なお、演出表示制御手段134は、予告決定手段206により予告演出を表示する旨の決定がなされた場合、選択された予告演出パターンにしたがって予告演出を装飾図柄190の変動表示と共に表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
予告演出記憶手段204は、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりである可能性を予告的に示唆するために装飾図柄190の変動とあわせて表示させる予告演出を定めた予告演出パターンを複数保持している。この予告演出パターンは、予告演出の演出内容を複数段階に分けて発展させながら表示する複数段階予告を定めた複数段階予告パターンと、その複数段階予告における発展前の段階の演出の内容を表示する単段階予告を定めた単段階予告パターンとで構成されている。後述するように本実施例の場合、複数段階予告の演出及び単段階予告の演出は、例えば予告用アイテムの組合せとして表示される2人(または1人+1匹)のキャラクタが会話を行うことにより実行される(図5、図6参照)。具体的には、発展前に表示される予告用アイテムの組合せによる会話が成立した場合に予告演出が発展する可能性が高くなる。ここで、会話の成立とは、ある問いかけに対する回答が相応しい場合に会話が成立したものとする。なお、回答が相応しいか否かは、遊技者から見て明らかに分かるようにすることが望ましい。例えば、全く違う話題に関する回答を行ったり、回答する相手が間違っている場合、また、回答しない場合などは、問いかけに対する回答が相応しくなく会話が成立していないと見なす。発展前に会話が成立した場合、予告演出はステップアップする可能性を有する。そして、複数段階予告の表示が選択されている場合、更に発展後の予告用アイテムの組合せが表示される。そして、発展後に表示される予告用アイテムの組合せにおいても会話が行われ、その会話が成立した場合に、装飾図柄190の変動がリーチ態様に移行する可能性が高くなるようになっている。複数段階予告は、装飾図柄190の変動中であれば、例えば2段階で予告を行ってもよいし、3段階以上の予告を行ってもよい。一方単段階予告は、複数段階予告において2段階以降に発展する前の段階の演出であると見なすこともできる。つまり、予告演出の初回の予告となる。この単段階予告の演出内容は複数段階予告の初回の演出内容と共通にすることも可能である。したがって、単段階予告の演出と同様の演出が複数段階予告の初回の演出として表示される場合もある。
予告用アイテムの組合せは、予告演出記憶手段204におけるアイテム記憶手段208に予め保持されている。また、予告用アイテムの組合せには、その表示内容に観念的に有意性を有する組合せと観念的に有意性を持たない組合せがある。観念的に有意性を有する予告用アイテムの組合せは、一方の予告用アイテムの表示内容が他方の予告用アイテムの表示内容を示唆するものであったり、互いに共通の表示要素を含むものとすることができる。また、個々の予告用アイテムの表示内容では表されない内容を複数の予告用アイテムの組合せにより表現するものも有意性のある組合せとしてよい。例えば、上述したように会話が成立するような予告用アイテムの組合せを有意性のある組合せという。一方、観念的に有意性を持たない予告用アイテムの組合せは、一方の予告用アイテムの表示内容が他方の予告用アイテムの表示内容を示唆しないものであったり、互いに共通の表示要素を持たないものとすることができる。また、複数の予告用アイテムを組合せても個々の表示内容以上の内容が容易に導き出せないものも有意性を持たない組合せであるとすることができる。例えば、会話が成立しないような予告用アイテムの組合せを有意性を持たない組合せという。このように、予告用アイテムは、一方の表示内容が他方の表示内容を示唆するか否かを示したり、表示要素が共通か否かを示したり、予告用アイテムの組合せが新たな内容を表現するか否か示したりする。したがって、予告用アイテムは、例えば、人物、動物、物品など個別に識別が可能なものが望ましい。
また、アイテム記憶手段208は複数段階予告における発展後の段階の演出で表示される予告用アイテムの種類を示唆するために発展前の段階の演出で表示される予告用アイテムの組合せを発展後の予告用アイテムの種類と対応付けて保持している。この場合、発展前の段階の演出で表示される予告用アイテムの組合せは有意性のある組合せとなっている。そして、その組合せにより示唆される内容が発展後の段階の演出で表示される予告用アイテムの種類を示唆する組合せとなっている。
また、アイテム記憶手段208は、予告用アイテムとあわせて表示させる文章演出を定めた文章パターンを複数保持している。本実施例において、この文章パターンは、予告用アイテムの組合せによる会話を示すものとなる。この文章パターンの組合せは、複数段階予告における発展前の段階で表示させる文章演出の内容と発展後の段階で表示させる文章演出の内容とが連続性を有するような文章パターンの組合せとを含んでいる。したがって、発展前の演出で有意性のある予告用アイテムの組合せが表示された場合、つまり、会話が成立した場合、その会話の内容が発展後の演出で表示される予告用アイテムの組合せによる会話の内容と連続性を有するものになる。その結果、複数段階に分けて表示される予告演出を一連の1つの予告演出であるかのように遊技者に見せることができる。
なお、文章パターンによる文章演出は、予告用アイテムが人物やキャラクタの場合、その人物などが発する台詞や擬態音を文章化したものや表情や行動を文章化したものとすることができる。また文章パターンを用いた文章演出は、各段階で表示される複数の予告用アイテムが互いに行う会話や一方の予告用アイテムの起こしたアクションに対する他方の予告用アイテムの反応によって構成してもよい。なお、予告演出が例えば映画の1シーンを用いて行われる場合、会話の言語、例えば英語などをそのまま表示して音声で日本語訳を出力してもよし、その逆でもよい。また、その選択を遊技者に行わせてもよい。
予告決定手段206は、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりであるときは、単段階予告パターンより複数段階予告パターンを高い確率で選択する。また、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりであるときは、複数段階予告パターンを選択する場合の複数の段階のそれぞれで予告用アイテムの組合せとして有意性のある組合せを有意性のない組合せより高い確率で選択する。さらに、予告決定手段206は、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりであるときに複数段階予告パターンを選択する場合、発展前の段階の演出で表示される予告用アイテムの組合せとして発展後の段階の演出で表示される予告用アイテムの種類を示唆する組合せを選択する。また、予告決定手段206は、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりであるときに複数段階予告パターンを選択する場合、各段階の演出において文章パターンに基づく演出内容が連続性を有するような文章パターンの組合せを選択する。
このように、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりであるときは、予告演出で表示する予告用アイテムの組合せとして有意性を有する組合せが選択され易く、さらに複数段階予告が選択され易くなる。その結果、複数段階予告が表示されることにより当たりに対する期待感を煽ることができる。また、予告用アイテムの表示中に当該予告用アイテムの有意性の有無について遊技者に思考させることができるので、予告演出に遊技者の興味を引きつけることができる。また、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりであるときは、複数段階予告の発展前の予告演出の内容が発展後の予告演出の内容を示唆するような予告用アイテムの組合せが選択される。発展前の予告演出の内容が発展後の予告演出の内容を示唆するようにすることで各段階で表示される予告用アイテムの組合せによる演出に遊技者の興味を向けることができる。また、複数段階予告の発展前の予告演出で表示される文章演出の内容が発展後の予告演出で表示される文章内容と連続性を有するような文章パターンが選択される。このように発展前後の文章内容に連続性を持たせることにより、複数段階に分けて表示される予告演出を一連の1つの予告演出であるかのように遊技者に見せることができる。その結果、遊技者の関心を一連の予告演出に引きつける効果を増大することができ、遊技意欲の向上に寄与できる。
なお、予告決定手段206が予告演出を表示する旨を決定した場合、その決定は、演出表示制御手段134に伝えられる。演出表示制御手段134では、予告用アイテムの表示を行ったあと、操作ボタン82を介して入力される遊技者からの入力情報を待つ。演出表示制御手段134は入力情報を受け付けたことを条件に予告演出が発展するか否かを示唆する演出を行う。例えば、入力情報を受け付けた場合には文章パターンによる演出を表示する。一方、予告用アイテムが表示されている所定時間内に入力情報を受け付けなかった場合には、文章パターンによる演出を表示しないようにしてもよい。文章パターンによる演出を行わない場合「・・・・」などの表示を行うことができる。
また、演出表示制御手段134は、複数段階予告パターンが選択されている場合、複数の装飾図柄190の少なくとも1つが停止したことを契機に複数段階予告における発展後の段階の演出を表示する。例えば、3つの装飾図柄190の変動表示が行われる場合、左図柄、右図柄が変動停止した状態(装飾図柄全体としては停止態様の表示が行われていない状態)で複数段階予告における発展後の段階の演出を表示する。装飾図柄190を一度停止させた後に、発展後の予告用アイテムの演出内容を表示することにより、装飾図柄190と予告用アイテムの表示内容との関連性を明確に遊技者に示すことが可能になる。つまり、予告用アイテムの組合せのみならず、装飾図柄の組合せが予告演出の一部に含まれるように見せることが可能になり、図柄の変動の開始から停止までの演出が一連のストーリーに沿ったものであるように見せることができる。その結果、遊技機全体としてまとまりのある演出を提供可能となり、面白みのある演出が可能となり遊技意欲の維持、向上に寄与できる。
図5は、アイテム記憶手段208が保持する予告用アイテムの組合せと、それぞれの予告用アイテムと共に表示する文章演出の組合せの一例を示す説明図である。なお、図5の場合、予告用アイテムとして、「ベン」、「リチャード」、「ジョン(犬)」、「サリー」、「ケン」、「ジャック」というキャラクタを用いる場合を示す。また、文章演出は、各キャラクタが交わす会話で行う場合を示す。予告用アイテムの同士の表示内容が観念的な有意性を持つ場合の組合せと、有意性を持たない組合せを文章演出による会話が成立するかしないかで表現する場合を示している。図5において、発展前の予告用アイテム「1人目」として「ベン」が表示される場合を示している。そして、発展前の1人目として「ベン」が選択される場合、「ベン」の表示とともに表示される文章演出の内容として、「ねぇ、何してるの?」や「紹介したい人がいるんだ」、「サリーをデートに誘えよ」などの台詞が準備されている。発展前の1人目の「ベン」と組み合わせられる発展前の2人目予告用アイテムとしては、別のキャラクタである「リチャード」、「ジョン(犬)」、「サリー」、「ケン」、「ジャック」のいずれかが示されている。そして、発展前の予告用アイテムの組合せに有意性が無い場合、「ベン」の問いかけに対し、いずれのキャラクタも会話を行わずに「・・・・」となる文章演出を行う。この他、全く意味の通らない文章演出により回答してもよい。たとえば、「ねぇ、何してるの?」に対する回答として、「ご飯おかわり」などと回答する。この場合、予告用アイテム組合せによる会話は成立せず、予告用アイテムの組合せに有意性がない。したがって予告演出は発展しない。つまり、予告演出は単段階予告で終了することになる。なお、会話が成立しないからといって必ずしも単段階予告で終わるとは限らず、会話不成立の状態から発展後の会話に移行してもよい例えば、元々複数段階予告パターンが選択されていたが、予告用アイテムの組合せまたは文書演出の組合せの選択のときに、有意性のない組合せが選択されて場合に会話不成立でも発展することになる。これは、逆に特殊状態の演出とすることも可能であり、当否抽選が当たりの場合に、あえてこのような規則外れの予告演出を行ってもよい。
一方、発展前の予告用アイテムの組合せに有意性がある場合、「ベン」の問いかけに対し意味の通じる回答をする。例えば、「ねぇ、何してるの?」という問いかけに対して「科学の実験だよ」と回答する。この組合せは、会話が成立するので有意性のある組合せである。この場合、予告演出の演出内容を複数段階に分けて発展させながら表示する複数段階予告に発展する可能性を示唆することができる。図5の場合、発展後の1人目の予告用アイテムとして再び「ベン」が表示され、発展後の文章演出の会話として「うまくいきそう?」という問いかけを行い、発展後の2人目の予告用アイテムとして再び「リチャード」が表示され、発展後の文章演出の会話として「先生びっくりするぞ!」と回答する。この組合せも会話が成立する組合せである。このように、発展前で会話が成立することにより予告演出が発展して、さらに発展後に会話が成立するとリーチ状態に発展する可能性が高いことが示唆される。図5の例では、発展前の1人目として「ベン」のみを示しているが、他のキャラクタも発展前の1人目として同様に表示され、それぞれ、会話の相手となるキャラクタの組合せや、会話内容の組合せが設定されている。
図6〜図8には、演出表示装置60における予告演出を伴う装飾図柄190の変動表示の一例が示されている。
図6(a)は、予告決定手段206で予告演出を表示する旨の決定がされた場合、演出表示制御手段134は演出表示装置60において装飾図柄190の変動表示と共に、発展前の予告用アイテム210の表示を行う。図6(a)は、発展前の1人目として「ベン」が表示され「サリーをデートに誘えよ」という会話が開始された状態である。図6(b)は、発展前の1人目の「ベン」の問いかけに対し、発展前の2人目として表示された「ケン」が「相手にしてくれないよ、きっと」とベンの問いに対する回答をしている。つまり、発展前の予告演出において会話が成立して予告演出が発展することを示唆している。この場合、当否抽選手段112の当否結果が当たりの可能性があることも示唆することになる。
図6(c)は、発展前の1人目の「ベン」の問いかけに対し、発展前の2人目の「ケン」が返事をしていない状態を示している。つまり、発展前の予告演出において、会話が成立していないので予告演出が発展しないことを示唆している。この場合、当否抽選手段112の当否結果が外れの可能性があることも示唆している。なお、発展前の予告用アイテムが表示されている場合、装飾図柄190は色彩が薄い状態で変動表示され予告用アイテムの表示の妨げにならないようにすることが好ましい。
図7(a)は、発展前の予告演出が終了して装飾図柄190が強調表示されると共に左図柄及び右図柄が停止表示された場合である。予告決定手段206が選択した予告演出が単段階予告の場合でリーチ状態を伴わない装飾図柄190の変動パターンが選択されている場合、左図柄、右図柄に続き中図柄が外れた態様の組合せで停止表示され、当否抽選手段112の抽選結果が外れであることが表示される。また、予告決定手段206が選択した予告演出が単段階予告の場合でも、リーチ状態を伴う装飾図柄190の変動パターンが選択されている場合、リーチ態様で装飾図柄190の左図柄、右図柄を停止させて,その後中図柄を停止させる。装飾図柄190が同じ図柄200で3つ揃うか否かは、当否抽選手段112の当否抽選の結果に従う。一方、予告決定手段206が選択した予告演出が複数段階予告の場合、図7(b)に示すように、発展後の予告用アイテム212の組合せが表示される。この場合、発展前の会話の内容と関連する会話が行われる。図7(b)の例では、図6(b)で「サリーをデートに誘えよ」、「相手にしてくれないよ、きっと」という会話に対し、その会話を引き継ぐ会話を表示することになる。そのため、会話の流れに対応して発展後の1人目の予告用アイテムとして「ケン」が表示され、発展後の2人目の予告用アイテムとして「サリー」が表示されている。つまり、発展前の会話が成立した場合、発展前に表示された予告用アイテムの組合せ及び会話の内容から、発展後に表示される予告用アイテムの組合せや会話内容を遊技者に予測させることが可能となる。その結果、予告演出に対する関心を高めることができる。特に、予告演出を映画の1シーンなどのように会話の流れがよく知られている場合、この会話が表示されれば、次はこの会話であると予測することが可能になり、予告演出の面白みを増加させることができる。図7(b)では、ケンがサリーに対して「サ、サ、サリー、ぼ、僕と、で、で、デートを・・・・」という会話をはじめる。図7(c)は、発展後の1人目の「ケン」の問いかけに対し、発展後の2人目として表示された「サリー」が「えっ?何?・・・・、いいわよ」とケンの問いに対する回答をしている。つまり、発展後の予告演出において会話が成立してリーチ状態へ移行すること示唆している。この場合、当否抽選手段112の当否結果が当たりの可能性があることも示唆している。
図8(a)は、発展後の予告用アイテムの組合せにおいて会話が成立していない場合、つまり有意性のない組合せが表示された場合を示している。例えばケンの問いかけである「サ、サ、サリー、ぼ、僕と、で、で、デートを・・・・」に対し、サリーが「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」のような回答をして、会話が成立していない。つまり、発展後の予告用アイテムの組合せとして有意性がないのでリーチ状態へ移行する可能性が低いことを示唆している。この場合、当否抽選手段112の当否結果が外れの可能性があることも示唆している。
図8(b)は、発展後の予告演出が終了して装飾図柄190が再び強調表示されると共に、リーチ状態を表示するか否かを演出するために一方の装飾図柄190をカーテン214が一時的に隠して装飾図柄190の差し替え処理を実行している状態が示されている。例えば、図8(a)に示したように発展後の会話が成立しない場合、リーチ状態に移行することなく装飾図柄190の停止図柄を表示するため、カーテン214が上がった場合、図7(a)で示すように、リーチ状態を構成しない図柄「3」(絵柄はサリー)が表示される。この場合、左図柄、右図柄に続き中図柄が外れ態様の組合せで停止表示され、当否抽選手段112の抽選結果が外れであることが表示される。一方、図7(c)に示したように発展後の会話が成立した場合、カーテン214が上がった場合、図8(c)で示すように、リーチ状態を構成する図柄「9」(絵柄はケン)が表示される。この場合、更にリーチ演出に移行する。つまり、当否抽選手段112の抽選結果が当たりの可能性があることが示唆される。なお、図8(b)の例では、右図柄をカーテン214によって差し替える例を示したが、左図柄を差し替えてもよいし、両方を差し替えてもよい。この場合、リーチに移行する信頼度に応じて装飾図柄190の差し替えが行われる場所を選択するようにしてもよい。つまり、差し替えの位置によって遊技者のリーチ状態への期待感を煽ることができる。
図9は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図10は、図9におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果は、メイン表示制御手段118に送信されるとともに、演出決定手段132に送信される。そして、演出決定手段132において装飾図柄190の変動パターンや演出の内容を決定する演出表示決定処理を実行する(S36)。この演出表示決定処理の中で、装飾図柄190の停止図柄や変動パターンの決定を行う。また、予告決定手段206で予告演出を表示する旨が決定された場合、予告用アイテムの組合せや会話のための文章パターンの決定が行われる。メイン表示制御手段118は当否抽選手段112の判定結果に応じて特別図柄の変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。これを受信した演出表示制御手段134が演出決定手段132の決定した変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S38)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS38までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34からS38の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S40のY)、図柄の変動表示処理を実行する(S41)。このとき予告決定手段206において予告用アイテムの組合せが選択されている場合には、予告演出パターンデータによって指定されたタイミングで予告用アイテムや会話内容の表示を行う。さらに、当否抽選手段112の当否結果にしたがって、カーテン214の表示やリーチ演出の表示を順次行う。そして、演出表示決定処理で選択した装飾図柄190の変動パターンデータで定められた装飾図柄190の停止タイミングになっている場合(S42のY)、決定された停止図柄で装飾図柄190の変動を停止する(S43)。また、S40において、図柄変動表示が開始されていないときは(S40のN)、S41からS43の処理をスキップする。また、S42において、装飾図柄190の停止タイミングでない場合(S42のN)、S43の処理をスキップする。
図11は、図10におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S44)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S46)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S48)、特別図柄の変動パターンを選択する(S50)。
図12は、図10におけるS36の演出表示決定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄の情報を読み出す(S100)。演出決定手段132は当否判定の結果及び特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S102)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを決定する(S104)。また、予告決定手段206が予告演出を表示する旨を決定した場合であって(S106のY)、装飾図柄190の変動パターンがリーチ状態を伴うものである場合(S108のY)、演出決定手段132はリーチ状態の演出内容を決定する(S110)。また、予告決定手段206は当否抽選手段112の当否結果が当たりである場合(S112のY)、予告演出記憶手段204に保持された複数段階予告パターンを高い確率で選択する選択テーブルを用いて予告参照して演出パターンを選択する(S114)。さらに、予告決定手段206は、予告用アイテムの組合せや、会話内容である文章パターンの組合せを決定するために、装飾図柄190の停止図柄、当否抽選手段112の当否結果、リーチの有無、リーチの内容の読み込みを行う(S116)。S114で選択された予告演出パターンが複数段階予告パターンである場合(S118のY)、予告決定手段206はS116で読み込んだ各種情報に基づき発展後の予告用アイテム(キャラクタ)の組合せを決定する(S120)。また、S116で読み込んだ各種情報および決定された予告用アイテムとして表示されるキャラクタに応じて発展後の会話内容を示す文章パターンを決定する(S122)。さらに、予告決定手段206は、発展後の予告用アイテムの組合せや会話内容に基づき発展前の予告用アイテムの組合せを決定する(S124)。また、S124で決定された予告用アイテムに応じて発展前の会話内容を決定して(S126)、このフローを終了する。
S118において、複数段階予告パターンでない場合、つまり単段階予告パターンが選択されている場合(S118のN)、S120とS122の処理をスキップして、発展前の予告用アイテムの組合せ及び会話内容の組合せを選択する。なお、この場合、予告演出は発展しないので、単段階予告の演出で表示する予告用アイテムの組合せや会話内容の組合せは任意に選択することができる。また装飾図柄190の停止図柄に応じて単段階予告の演出で表示する予告用アイテムの組合せや会話内容の組合せを選択してもよい。
S112において、当否抽選手段112の抽選結果が外れの場合(S112のN)、予告演出記憶手段204に保持された単段階予告パターンを高い確率で選択する選択テーブルを参照して予告演出パターンを選択する(S128)。そして、S116に移行して予告用アイテムの組合せや会話内容の組合せの決定を行う。また、S108で装飾図柄190の変動パターンがリーチ状態を伴わない場合(S108のN)、S128に移行して予告演出記憶手段204に保持された単段階予告パターンを高い確率で選択する選択テーブルを参照して予告演出パターンを選択してS116以降の処理を行う。
S106で予告決定手段206が予告演出を表示する旨を決定していない場合(S106のN)、S108以降の処理をスキップして、このフローを終了する。
図13は、図10におけるS41の図柄の変動表示処理を詳細に説明するフローチャートである。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始タイミングであり、予告決定手段206が予告演出を表示する旨を決定している場合(S130のY)、発展前の予告用アイテムの組合せを表示する(S132)。演出表示制御手段134は予告用アイテムの組合せの表示中に操作ボタン82を介して遊技者から入力情報を受け付けた場合(S134のY)、そのタイミングで発展前の会話内容を表示する(S136)。一方、予告用アイテムの組合せの表示中に操作ボタン82を介して遊技者から入力情報を受け付けなかった場合(S134のN)、発展前の予告演出において会話が成立しないことを示す「・・・・」を表示する(S138)。なお、この場合、発展前1人目の会話は、強制的に表示し、入力情報の受け付けを契機に2人目の会話の表示を行ってもよい。また、発展前1人目の会話を含めて入力情報の受け付けを契機に会話の表示を行ってもよい。上述のように、入力情報を受け付けた場合に会話の内容が表示され、受け付けなかった場合「・・・・」が表示されるが、操作ボタン82を介して入力される入力情報は、当否抽選の結果を左右するものではない。したがって、入力情報を受け付けなかった場合に「・・・・」が表示されても、予告用アイテムの組合せとして有意性のある組合せが選択されている場合、発展後の予告演出が表示されることになる。
発展前の予告演出が終了したら、演出表示制御手段134は装飾図柄190の左図柄及び右図柄を停止表示する(S140)。そして、予告演出が複数段階予告パターンである場合(S142のY)、発展後の予告用アイテムの組合せを表示すると共に(S144)、発展後の会話内容の組合せ表示する(S146)。
発展後の予告演出が終了したら演出表示制御手段134はカーテン214を用いて装飾図柄190の差し替え処理を行う(S148)。そして、装飾図柄190の変動パターンがリーチ演出を含む場合(S150のY)、差し替え処理により左図柄と右図柄が揃った状態の装飾図柄190の組合せを表示して、リーチ演出パターンの変動表示を行う(S152)。一方、S150において、装飾図柄190の変動パターンがリーチ演出を含まない場合(S150のN)、差し替え処理により左図柄と右図柄が揃わない状態の装飾図柄190の組合せを表示して、外れ演出パターンの変動表示を行う(S154)。
S142において、複数段階予告パターンでない場合、つまり単段階予告パターンが選択されている場合(S142のN)、S144からS148の処理をスキップしてS150以降の処理を行う。また、S130において、予告決定手段206が予告演出を表示する旨を決定していない場合(S130のN)、S132からS148の処理をスキップしてS150に移行し予告演出なしの変動表示を行う。この場合は、予告演出が行われないのみで、装飾図柄190の変動パターンがリーチ演出を含むものであれば、S152の処理を行い、装飾図柄190の変動パターンがリーチ演出を含まないものであれば、S154の処理を行う。
図14は、図9におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
また、上述した実施例では、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機を例に説明したが、発展型の予告演出を表示するものであればよく、たとえば、第1種ぱちんこ遊技機を複数融合させた複合機と呼ばれる遊技機や、第1種ぱちんこ遊技機と第2種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機を複合させた遊技機にも本実施例は適用可能であり、同様の効果を得ることができる。また、上述した実施例の場合、予告用アイテムの組合せに有意性があるかないかを会話が成立するかしないかで示す場合を説明したがこれは一例である。例えば、人物などの予告用アイテム自体に特徴を持たせて、その特徴により有意性の有無を決めてもよい。また、予告用アイテムが人物やキャラクタの場合、その人物が発する台詞の他、擬態音を文章化したものや表情や行動を文章演出とすることができる。したがって、この文章演出の内容で有意性の有無を決めてもよい。文章演出は、各段階で表示される複数の予告用アイテムが互いに行う会話の他、一方の予告用アイテムの起こしたアクションに対する他方の予告用アイテムの反応によって構成することもできる。したがって、このようなアクションとその反応によって有意性の有無を決めてもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 118 メイン表示制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 190 装飾図柄、 200 図柄、 202 絵柄、 204 予告演出記憶手段、 206 予告決定手段、 208 アイテム記憶手段、 210,212 予告用アイテム、 214 カーテン。