JP2007125054A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】演出画像の種類を増やすと画像データも増大する。
【解決手段】パターン記憶手段130は、図柄変動の背景に表示される動画を構成する画像フレームを再生順に指定するフレーム指定データを含む複数の変動パターンを保持する。変動パターンには、所定長の動画を構成する画像フレームを指定する第1区間と、第1区間の画像フレームの一部を第1区間の指定順序と逆順に指定して第1区間の逆転再生画像を提示する第2区間と、第2区間の終了時点から第1区間と同一の動画を構成する画像フレームを指定する第3区間と、からなるフレーム指定データを有する特定変動パターンが少なくともひとつ含まれる。演出表示制御手段134が特定変動パターンにしたがって演出画像を制御することによって、遊技者に対し第1区間の特定時点まで時間が遡ったような印象を呼び起こす視覚的な演出を実現することができる。
【選択図】図3
【解決手段】パターン記憶手段130は、図柄変動の背景に表示される動画を構成する画像フレームを再生順に指定するフレーム指定データを含む複数の変動パターンを保持する。変動パターンには、所定長の動画を構成する画像フレームを指定する第1区間と、第1区間の画像フレームの一部を第1区間の指定順序と逆順に指定して第1区間の逆転再生画像を提示する第2区間と、第2区間の終了時点から第1区間と同一の動画を構成する画像フレームを指定する第3区間と、からなるフレーム指定データを有する特定変動パターンが少なくともひとつ含まれる。演出表示制御手段134が特定変動パターンにしたがって演出画像を制御することによって、遊技者に対し第1区間の特定時点まで時間が遡ったような印象を呼び起こす視覚的な演出を実現することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における画面表示を制御する技術に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あとひとつ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行確率を変動させる確率変動等の特定遊技の制御によっても遊技者の期待感を高めている。
特開2003−230714号公報
装飾図柄の背景に表示する演出の種類を増加させるほど、遊技者の興趣を増すことができるといえる。しかしながら、演出の種類を増やすと、その演出動画を実現するために必要となる画像フレームのデータ量も増加してしまう。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機において、限られた量の画像データから多様な演出動画を構成し、遊技者の興趣を向上させることができる弾球遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選手段による抽選の結果に対応した遊技演出上の処理を実行する演出表示制御手段と、遊技演出用の動画を構成する画像フレームを記憶するフレーム記憶手段と、当否抽選の結果を示す図柄の変動表示において変動開始から停止までの図柄変動過程が定められるとともに、図柄の背景に表示される動画を構成する画像フレームを再生順に指定するフレーム指定データが含まれる複数の変動パターンを保持するパターン記憶手段と、当否抽選の結果に対応する複数の図柄組合せを保持する図柄記憶手段と、複数の変動パターンおよび複数の図柄組合せからそれぞれひとつを選択する演出決定手段と、演出表示制御手段による遊技演出を表示するための表示装置と、を備える。パターン記憶手段は、複数の変動パターンの少なくともひとつとして、所定長の動画を構成する画像フレームを指定する第1区間と、第1区間の画像フレームの一部を第1区間の指定順序と逆順に指定して第1区間の逆転再生画像を提示する第2区間と、第2区間の終了時点から第1区間と同一の動画を構成する画像フレームを指定する第3区間と、からなるフレーム指定データを有する特定変動パターンを含む。
この態様によると、特定変動パターンにおいて、演出画像を構成する画像フレームを指定するフレーム指定データを持つことによって、同一のフレーム群から異なる態様の演出画像を構成することができる。これによって、画像フレームの全データ量を削減することができる。また、フレーム指定データの第2区間において、第1区間で指定された画像フレームを逆順に指定することによって、遊技者に時間が遡ったような印象を与える演出を実現することができる。このため、一旦外れ図柄で停止した抽選がやり直されるのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
特定変動パターンにおけるフレーム指定データの第1区間に対応する図柄変動過程には、表示中のリーチ演出の発展を示唆するべく図柄変動が一時的に停止したような半停止態様を変動中に表示させる過程が定められていてもよい。これにより、演出がさらに発展するという期待感を遊技者に抱かせることができる。
特定変動パターンにおけるフレーム指定データの第2区間では、第1区間の画像フレームのうち一部のフレームを間引いて指定してもよい。また、特定変動パターンにおけるフレーム指定データの第2区間では、間引かれる画像フレーム数が前半よりも後半で増加するように設定されていてもよい。これにより、比較的簡単な処理方法にもかかわらず、タイムスリップしているような印象を遊技者に与える演出を実現できる。また、間引くフレーム数を変化させることで、特定変動パターンにしたがったリーチ演出全体の再生時間を調整することができる。
演出表示制御手段は、特定変動パターンにおけるフレーム指定データの第2区間で指定されたフレーム画像に対して、遊技者に対し第1区間の特定時点まで時間が遡ったような印象を呼び起こす視覚的な演出を実現するような画像処理を施した上で表示装置に表示してもよい。
演出表示制御手段は、特定変動パターンにおいて、当否抽選手段による抽選の結果に適合することを条件に、フレーム指定データの第1区間に対応する図柄変動過程で提示された図柄組合せとは異なる図柄組合せを第3区間に対応する図柄変動過程で提示してもよい。これにより、遊技者に図柄変動がやり直されたのような印象を与え、大当たりの期待感を高めることができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、新たな遊技性を提供することにより遊技機の稼働率向上を図ることができる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口の普通電動役物を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の内側は、特定領域(いわゆるVゾーン)と一般領域に区画されている。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の特定領域の通過を検出するセンサと、一般領域の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の略中央に設けられた特別図柄表示装置61および演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動するかたちで装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割を持つことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割を持たせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先立って決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、例えば8回繰り返される。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技が開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。変動短縮遊技の実行中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、始動口62が開放状態となる時間が相対的に長く設定される。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64は、その上部に抽選保留ランプ20が設けられ、左側部に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示へ入力するために押下するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、図柄記憶手段136、入力検出手段144、フレーム記憶手段150、画像変換手段152、画像合成手段154、重畳画像記憶手段156を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。特別図柄が奇数のときは確率変動付きの当たり、偶数のときは通常の当たりのように取り決めておいてもよい。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61および演出表示装置60に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間を持つ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターン毎に変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数、大入賞口66の特定領域への通過検出の有無に基づいて、単位遊技を継続させるか否か、すなわち次回の単位遊技を開始するか否かを判定する。次回の単位遊技を開始するための継続条件が満足されない場合、または単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確率変動状態における遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、当否抽選値が特定遊技へ移行すべき値であった場合、特別遊技後の遊技状態を確率変動状態へ移行させる。確率変動状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして複数の変動パターンを保持する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄および特別図柄の変動パターンに応じて決定する。
図柄記憶手段136は、当否抽選手段112による抽選の結果に対応する複数の装飾図柄の停止図柄の組合せを保持する。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せ(以下、これを単に「図柄組合せ」と呼ぶ)として形成され、例えば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。特別図柄に合わせて、奇数の図柄が3つ揃ったときは確率変動付きの当たり、偶数の図柄が3つ揃ったときは通常の当たりというように取り決めておいてもよい。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のようにひとつだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せ(以下、これを単に「図柄組合せ」と呼ぶ)として形成され、例えば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。特別図柄に合わせて、奇数の図柄が3つ揃ったときは確率変動付きの当たり、偶数の図柄が3つ揃ったときは通常の当たりというように取り決めておいてもよい。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のようにひとつだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
変動パターンには、装飾図柄の変動表示において変動開始から停止までの図柄変動過程が定められるとともに、演出画像の変動表示態様、すなわち演出画像の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。演出過程は、後述するフレーム記憶手段150に記憶されている画像フレームを再生順に指定することによって定義される。パターン記憶手段130には、変動パターンとして、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あとひとつ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターン(以上3つを総称して、以下では「通常変動パターン160」と呼ぶ)と、後述する特定変動パターン162が記憶されている(図4参照)。特定変動パターンには、リーチ状態を経て最終的に外れ図柄を表示するパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するパターンとがある。リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間を持つパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターン毎に変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
フレーム記憶手段150は、装飾図柄の背景に表示される演出画像を構成する画像フレームを記憶する。これらの画像フレームにはフレーム毎に識別番号が付されており、識別番号をキーとすることでフレーム記憶手段150から所望の画像フレームを取り出すことができる。変動パターンには、演出画像を構成するために必要となる画像フレームが識別番号のかたちで指定されている。
画像変換手段152は、フレーム記憶手段150から得られた画像フレームに対して画像処理を施す。この画像処理には、画像フレームのモノクロ化、ブラックアウト、ホワイトアウトなどが含まれ、遊技者に与える視覚的効果に応じて使い分けられる。画像処理の種類は、変動パターンデータに予め定められている。
重畳画像記憶手段156は、特定変動パターンにしたがって構成された演出画像に重畳して表示される画像のデータが記憶されている。この画像は、例えば時計の針が逆進する画像である。この重畳画像は、後述するように、特定変動パターンにしたがって演出画像の逆転再生が実行されるときに、時間が遡っているような印象を遊技者に与えるために表示される。
画像合成手段154は、装飾図柄の変動表示、複数の画像フレームから構成される演出画像、および重畳画像とを合成してひとつのフレームを構成し、所定のフレームレートで演出表示装置60に順次出力する。これによって、演出表示装置60の画面に動画が表示される。
入力検出手段144は、操作ボタン82の押下を検出し、検出信号を演出決定手段132に出力する。
ここで、通常変動パターンと特定変動パターンについて詳細に説明する。
図5は、通常変動パターン160に含まれるデータを模式的に説明する図である。通常変動パターン160には、装飾図柄の図柄変動過程を定義した図柄変動データ170と、装飾図柄の背景に表示される演出画像を構成する画像フレームを指定するフレーム指定データ172とが含まれる。図5では、左から右に向けて時系列順に変動過程またはフレームが定義されることを表している。フレーム指定データ172には、フレーム記憶手段150内の画像フレームの識別番号が再生順に記録されている。図5では、フレーム1〜100の計100フレームが指定されている。このフレーム数は一例であり、演出画像の再生時間や演出表示装置60のフレームレートによって異なることはいうまでもない。
図5は、通常変動パターン160に含まれるデータを模式的に説明する図である。通常変動パターン160には、装飾図柄の図柄変動過程を定義した図柄変動データ170と、装飾図柄の背景に表示される演出画像を構成する画像フレームを指定するフレーム指定データ172とが含まれる。図5では、左から右に向けて時系列順に変動過程またはフレームが定義されることを表している。フレーム指定データ172には、フレーム記憶手段150内の画像フレームの識別番号が再生順に記録されている。図5では、フレーム1〜100の計100フレームが指定されている。このフレーム数は一例であり、演出画像の再生時間や演出表示装置60のフレームレートによって異なることはいうまでもない。
図6は、特定変動パターン162に含まれるデータを模式的に説明する図である。図6は、リーチ状態を経て外れ図柄を表示するパターンである。通常変動パターン160と同様に、特定変動パターン162にも図柄変動データ180とフレーム指定データ182とが含まれる。特定変動パターンのフレーム指定データ182は、図示するように3つの区間を含む。すなわち、所定の再生時間を有する演出画像を構成する画像フレーム(フレーム1〜100)を指定する第1区間、第1区間の画像フレームの一部(フレーム98〜50)を第1区間の指定順序と逆順に指定して第1区間の逆転再生画像を構成する第2区間、第2区間の終了時点から第1区間と同一の演出画像を構成する画像フレーム(フレーム51〜100)を指定する第3区間である。
フレーム指定データの第2区間では、第1区間の終了したフレーム(図6ではフレーム100)から予め定められたフレーム(図6ではフレーム50)までを逆順に指定することによって、第1区間で提示された演出画像の逆転再生を実現する。第3区間では、第2区間の終了したフレーム(図6ではフレーム50)から、第1区間の終了したフレーム(図6ではフレーム100)までを指定して、第1区間の途中からと同様の演出画像を提示する。
第2区間でフレームを逆順に指定することによって、遊技者は、第1区間の特定時点まで時間が遡ったような印象を受ける。さらに、第2区間では、第1区間の画像フレームのうち一部のフレームを間引いて指定することが好ましい。例えば、図6の例では、第1区間のフレーム50〜100のうち、2フレームからひとつのフレームを指定している。これによって、第2区間では時間が高速に巻き戻されているような印象を遊技者に与えることができる。
フレーム指定データ182に合わせて、図柄変動データも3つの区間に分けられる。第1区間では、図柄変動を経て終了時点(図6のt1)では外れ図柄を半停止態様で提示する。このとき、図柄変動が一時的に停止したような「半停止態様」で表示することが好ましい。この半停止態様を第1区間の終了直前に表示することによって、表示中の演出内容がさらに発展することを遊技者に対して示唆している。第2区間では、演出画像が表示されている間、装飾図柄の表示は中断される。第3区間では、演出画像が正順に再生されるのに合わせて、装飾図柄の再変動を表示し、第3区間の終了時点(図6のt2)で再び外れ図柄を提示する。このように、第2区間を挟むことによって、当否抽選がやり直されたような印象を遊技者に与えることができる。なお、実際には当否抽選は一変動当たり一回しか実施されないので、特定変動パターンがリーチ状態を経て大当たり図柄を表示するパターンである場合には、演出表示制御手段134は、第1区間の終了時点(t1)では外れ図柄を半停止態様で提示し、第3区間の終了時点(t3)において大当たり図柄を提示する。この場合、フレーム指定データ182の第3区間は、途中までは第1区間と同じフレームを指定するが、終了間際に指定されるフレームは、大当たり図柄にふさわしい画像フレームを別途指定しておく必要がある。
なお、「半停止態様」とは、上下方向になされる装飾図柄のいわゆる回転動作が中断されたまま、その装飾図柄が左右に小さく揺れていて完全には変動停止していない状態である。遊技者には装飾図柄ないし演出画像の変動停止があたかも一旦停止したように見えるものの、実際にはわずかに変動が続いている。なお、半停止態様は、左右方向の小さな揺動状態に限らず、例えば通常の変動表示に比べて停止に近いほどの緩い速度で演出画像を変動させる態様であってもよいし、演出画像を細かく振動または微動させるような態様であってもよい。必ずしも画像の半停止を伴うものでなくともよく、遊技者に対して変動の一旦停止を思わせるような視覚的な示唆があれば足りる。
特定変動パターン162におけるフレーム指定データ182の第2区間では、間引かれる画像フレーム数が前半よりも後半で増加するように指定されることが好ましい。例えば、第2区間の前半では、第1区間の2フレームから1フレームを指定するのに対し、第2区間の後半では、第1区間の8フレームから1フレームを指定するようにする。こうすることによって、第2区間が進行するにつれて、逆転再生画像の再生速度が次第に増加していくような演出を実現することができる。
特定変動パターン162には、第1区間から第2区間に転換する際に、第1区間の最後に表示された画像フレーム(フレーム100)をブラックアウトした画像を、短時間(例えば1秒)演出表示装置60の画面に表示するように指定する情報が含まれている。さらに、特定変動パターン162には、第2区間において演出画像に重畳して表示する重畳画像のデータを指定する情報も含まれる。一例では、重畳画像は、時計の針が逆進する画像である。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示が既に開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を継続し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図9は、図7におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済みでなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済みであればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
図10は、本実施形態にしたがって、演出決定手段132によって通常変動パターンまたは特定変動パターンが選択されたとき、各手段間で授受されるデータを記載した機能ブロック図である。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンを決定し、その情報を演出表示制御手段134に送る。演出表示制御手段134は、受け取った情報にしたがって、パターン記憶手段130から変動パターンを取得し、また図柄記憶手段136から装飾図柄の停止図柄を取得する。演出表示制御手段134は、取得した変動パターンを解釈する。第1に、演出表示制御手段134は、図柄変動データにしたがって、装飾図柄の変動表示を制御する。第2に、フレーム指定データで指定された画像フレームをフレーム記憶手段150から取得して、演出画像を構成する。第3に、変動パターンで指定された情報にしたがって重畳画像記憶手段156から重畳画像データを取得し、重畳画像を構成する。
フレーム記憶手段150から取得された画像フレームは、通常変動パターンの場合、および特定変動パターンの第1区間および第3区間におけるフレームの場合にはそのまま使用されるが、特定変動パターンの第2区間におけるフレームの場合には、画像変換手段152に出力される。画像変換手段152は、取得した画像フレームをモノクロ化して画像合成手段154に出力する。これによって、第2区間ではモノクロの演出画像が表示されるので、遊技者は、第1区間、第2区間、第3区間を明確に識別することができる。また、モノクロ画像によって、遊技者に対し第1区間の特定時点まで時間が遡ったような印象を呼び起こすことができる。画像変換手段152は、第1区間から第2区間に移行する際に短時間表示するブラックアウト画像への処理も実施する。図柄変動、演出画像、および重畳画像は、画像合成手段154に渡される。画像合成手段154は、これらを変動パターンにしたがって合成してひとつのフレームに合成し、所定のフレームレートで演出表示装置60に出力する。
演出表示制御手段134は、特定変動パターンにおいて、当否抽選手段112による抽選の結果に適合することを条件に、フレーム指定データの第1区間に対応する図柄変動過程で提示された図柄組合せとは異なる図柄組合せを第3区間に対応する図柄変動過程で提示するよう制御する。したがって、特定変動パターンが指定された場合には、演出決定手段132により最初に提供された装飾図柄の停止図柄は、第3区間の最後で提示される停止図柄である。第1区間の最後に半停止態様で提示される図柄は、特定変動パターンで予め指定されていてもよいし、演出表示制御手段134が演出決定手段132に対し別の停止図柄を決定するように促し、それにしたがって図柄記憶手段136から取得してもよい。
図11は、特定変動パターンにしたがった変動表示中の演出過程の一例を示す。以下の説明では、特定変動パターンにしたがった演出過程として、主人公キャラクタと敵キャラクタとが戦闘を開始し、当否抽選の結果が大当たりの場合は、装飾図柄の背景に主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出動画が表示され、当否抽選の結果が外れの場合は、装飾図柄の背景に主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出動画が表示される演出がなされることを前提として説明する。
図11において、左列は、演出表示装置60の画面に表示される装飾図柄の変動表示を時系列順に示しており、右列は装飾図柄の背景に表示される演出画像の場面を説明している。まず(a)において、図柄変動データにしたがって装飾図柄の図柄変動が開始されると、フレーム指定データの第1区間にしたがってフレーム記憶手段150から画像フレームが取得され、主人公キャラクタと敵キャラクタとの戦闘場面を表現した演出画像が表示される。続いて、(b)において図柄変動が半停止態様で表示されると、演出画像として主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北した場面が表示される。次に、(c)で、画面がブラックアウトされ、第1区間から第2区間に移行する。これによって、時間の流れが一時停止したかのような印象を遊技者に与えることができる。その後の(d)では、図柄変動は消失し、重畳画像として時計の針が逆進する画像が表示される。この間、重畳画像の背景では、フレーム指定データの第2区間にしたがってフレーム記憶手段150から画像フレームが間引きされて取得され、主人公キャラクタと敵キャラクタの戦闘場面のモノクロ画像が逆転再生される。第2区間が終了すると、(e)において装飾図柄の再変動が開始され、それとともに、フレーム指定データの第3区間にしたがってフレーム記憶手段150から画像フレームが取得され、第1区間の所定の時点から主人公キャラクタと敵キャラクタの戦闘場面を表現した演出画像が表示される。図柄の再変動後、特定変動パターンが大当たり図柄を表示するパターンか、または外れ図柄を表示するパターンかに応じて、(f)の大当たり図柄または(g)の外れ図柄が表示される。このとき、(g)の外れ図柄の場合には、演出画像として、第1区間と同様に主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北した場面が表示されるが、(f)の大当たり図柄の場合には、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利した場面を構成するように、フレーム記憶手段150から対応する画像フレームが選択される。
以上説明したように、本実施形態のぱちんこ遊技機によれば、変動パターンにおいて、演出画像を構成する画像フレームを指定するフレーム指定データを持つことによって、同一のフレーム群から異なる態様の演出画像を構成することができる。例えば、ある演出画像を構成する一連の画像フレームを逆順に指定すれば、逆転再生画像を構成することができるし、一連の画像フレームを間引きして指定すれば、早送り画像や早戻し画像を構成することもできる。これによって、画像フレームの全データ量を削減することができる。
また、特定変動パターンのフレーム指定データの第2区間において、第1区間で指定された画像フレームを逆順に指定することによって、遊技者に時間が遡ったような印象を与える演出を実現することができる。この場合、第1区間の終了時点で装飾図柄を半停止態様で表示し、第2区間の終了後の第3区間において図柄変動を再開させれば、遊技者に対し、当否抽選がやり直されたような期待感を与えることができる。この場合、第1区間の最初の画像フレームまで遡って指定してもよいし、予め定めた特定の画像フレームまでを指定してもよい。これによって、第2区間における演出画像の再生時間を所望の長さにできるため、特定変動パターンにしたがったリーチ演出全体の再生時間を自在に調整することができる。
また、第2区間においては、第1区間の画像フレームを間引きして指定してもよい。第2区間の前半よりも後半で間引くフレーム数を増加させることによって、スピード感を高めて遊技者の興趣を高めることができる。また、間引くフレーム数を変化させることによって、第2区間における演出画像の再生時間を変えることができるので、特定変動パターンにしたがったリーチ演出全体の再生時間を調整することができる。
第2区間において画像フレームに所定の画像処理を施した上で演出表示装置に出力すれば、第1区間、第2区間、第3区間の境を明確にすることができる。代替的に、第2区間において役物を作動させたりランプを点滅させるなどの演出効果を加えてもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
通常変動パターンと特定変動パターンとで、大当たり図柄を構成する図柄種類が異なるように設定してもよい。また、特定変動パターンにおいて半停止態様で表示される図柄組合せを特定の組合せに限定してもよい。こうすれば、その組合せが表示されたとき、演出がさらに発展するという期待感を遊技者に抱かせることができる。
特定変動パターンが選択された場合、第1区間の終了時に装飾図柄を半停止態様で表示したとき、遊技者に対し、逆転再生の演出を実行するか否かを問い合わせる画面を表示し、遊技者が操作ボタン82によっていずれかを選択できるように構成してもよい。この場合、遊技者が操作ボタン82を操作すると、入力検出手段144が入力を検知して演出表示制御手段134に伝える。演出表示制御手段134は、操作入力があった場合にのみ、上述のようにフレーム指定データの第2区間以降にしたがった制御を続行する。所定の時間内に操作入力がないと、演出表示制御手段134は、半停止態様で表示されている装飾図柄をそのまま停止させる。これによって、遊技者に自分の操作に応じて再抽選を実行したような印象を与え、その結果大当たりが発生しうるという期待感を与えることができる。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 118 メイン表示制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 136 図柄記憶手段、 150 フレーム記憶手段、 152 画像変換手段、 154 画像合成手段、 156 重畳画像記憶手段、 162 特定変動パターン、 172、182 フレーム指定データ。
Claims (6)
- 遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選手段による抽選の結果に対応した遊技演出上の処理を実行する演出表示制御手段と、
遊技演出用の動画を構成する画像フレームを記憶するフレーム記憶手段と、
前記当否抽選の結果を示す図柄の変動表示において変動開始から停止までの図柄変動過程が定められるとともに、図柄の背景に表示される動画を構成する画像フレームを再生順に指定するフレーム指定データが含まれる複数の変動パターンを保持するパターン記憶手段と、
前記当否抽選の結果に対応する複数の図柄組合せを保持する図柄記憶手段と、
前記複数の変動パターンおよび前記複数の図柄組合せからそれぞれひとつを選択する演出決定手段と、
前記演出表示制御手段による遊技演出を表示するための表示装置と、を備え、
前記パターン記憶手段は、前記複数の変動パターンの少なくともひとつとして、所定長の動画を構成する画像フレームを指定する第1区間と、第1区間の画像フレームの一部を第1区間の指定順序と逆順に指定して第1区間の逆転再生画像を提示する第2区間と、第2区間の終了時点から第1区間と同一の動画を構成する画像フレームを指定する第3区間と、からなるフレーム指定データを有する特定変動パターンを含むことを特徴とする弾球遊技機。 - 前記特定変動パターンにおけるフレーム指定データの第1区間に対応する図柄変動過程には、表示中のリーチ演出の発展を示唆するべく図柄変動が一時的に停止したような半停止態様を変動中に表示させる過程が定められていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
- 前記特定変動パターンにおけるフレーム指定データの第2区間では、第1区間の画像フレームのうち一部のフレームを間引いて指定することを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
- 前記特定変動パターンにおけるフレーム指定データの第2区間では、間引かれる画像フレーム数が前半よりも後半で増加するように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
- 前記演出表示制御手段は、前記特定変動パターンにおけるフレーム指定データの第2区間で指定されたフレーム画像に対して、遊技者に対し第1区間の特定時点まで時間が遡ったような印象を呼び起こす視覚的な演出を実現するような画像処理を施した上で前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の弾球遊技機。
- 前記演出表示制御手段は、前記特定変動パターンにおいて、前記当否抽選手段による抽選の結果に適合することを条件に、前記フレーム指定データの第1区間に対応する図柄変動過程で提示された図柄組合せとは異なる図柄組合せを第3区間に対応する図柄変動過程で提示することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の弾球遊技機。
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