JP2006198848A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インナーライナーとして用いられる積層フィルム体の周方向両側端部を強固に接着する。
【解決手段】 タイヤ内側に積層フィルム体28からなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤの製造方法において、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bが互いに重なるように積層フィルム体28を成型用ドラムに巻回した状態で、周方向両側端部28a,28bを互いに重ね合わせたスプライス部32に熱と圧力を加えることにより、周方向両側端部28a,28bを熱融着してインナーライナーを形成するドラム成型工程を含む。これにより、従来のようにセメントを用いる場合に比して、周方向両側端部28a,28bの接着力を高めることができ、周方向両側端部28a,28bを強固に接着することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法に係り、特にタイヤ内側に熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法に関する。
従来より、タイヤ重量を低減させるために、タイヤ内側に設けられたインナーライナーに熱可塑性樹脂フィルムを用いた空気入りタイヤが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2002−46410 特開2002−52904
しかしながら、上述のように、熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤの製造方法では、熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が互いに重なるように熱可塑性樹脂フィルムを成型用ドラムに巻回した状態で、例えばケムロック(商品名)などのセメントを用いることにより、周方向両側端部を接着してインナーライナーを形成していた。
従って、セメントの接着力不足により熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が剥がれてしまい、空気入りタイヤの製造工程において歩留まりが低下するという問題があった。
また、熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が剥がれてしまうことを防止でき、空気入りタイヤの耐久性を向上させることが望まれていた。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤの製造方法において、ドラム成型工程時に、成型用ドラムに巻回した熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部を強固に接着することができ、空気入りタイヤの歩留まりを向上させることができる空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤにおいて、ドラム成型工程時に、成型用ドラムに巻回した熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部を強固に接着することができ、タイヤの耐久性を従来に比して向上させることができる空気入りタイヤを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、タイヤ内側に熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤの製造方法において、前記熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が互いに重なるように前記熱可塑性樹脂フィルムを成型用ドラムに巻回した状態で、前記周方向両側端部を互いに重ね合わせたスプライス部に熱と圧力を加えることにより、前記周方向両側端部を熱融着して前記インナーライナーを形成するドラム成型工程を含む、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
次に、請求項1に記載の発明の作用を説明する。
請求項1に記載の発明によれば、インナーライナーを形成するドラム成型工程において、熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が互いに重なるように熱可塑性樹脂フィルムを成型用ドラムに巻回した状態で、この周方向両側端部を互いに重ね合わせたスプライス部に熱と圧力を加えることにより、周方向両側端部を熱融着しているので、従来のようにセメントを用いる場合に比して、周方向両側端部の接着力を高めることができ、周方向両側端部を強固に接着することができる。これにより、周方向両側端部が剥がれてしまうことを防止できるので、空気入りタイヤの歩留まりを向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法において、熱可塑性樹脂フィルムとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層の積層方向両側に、少なくとも1層以上の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層をそれぞれ積層してなる積層フィルム体を用いることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
次に、請求項2に記載の発明の作用を説明する。
請求項2に記載の発明によれば、熱可塑性樹脂フィルムとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層の積層方向両側に、少なくとも1層以上の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層をそれぞれ積層してなる積層フィルム体を用いているので、積層フィルム体の周方向両側端部が互いに重なるように積層フィルム体を成型用ドラムに巻回した場合には、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層の表側に積層された一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層と非通気層の裏側に積層された他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層とがスプライス部において互いに接触した状態となる。
従って、このスプライス部に熱と圧力を加えることにより、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層と他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層とを良好に熱融着することができるので、積層フィルム体の周方向両側端部をより強固に接着することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記スプライス部に、60℃以上200℃以下の熱と、3kg/cm2以上7kg/cm2以下の圧力を、1秒間以上5秒間以下加えることにより、前記周方向両側端部を熱融着することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
次に、請求項3に記載の発明の作用を説明する。
請求項3に記載の発明によれば、スプライス部に熱可塑性ウレタン系エラストマーの溶解温度である60℃以上の熱を加えることによって周方向両側端部を熱融着するので、周方向両側端部の接着力不足を防止でき、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層と他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層とを良好に熱融着することができる。
また、スプライス部に加える熱を200℃以下とすることにより、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層又は他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層が溶解してしまうことを防止することができる。
さらに、スプライス部に加える圧力を3kg/cm2以上とし、加熱加圧時間を1秒間以上とすることにより、周方向両側端部の接着力不足を防止でき、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層と他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層とを良好に熱融着することができる。
また、スプライス部に加える圧力を7kg/cm2以下とし、加熱加圧時間を5秒間以下とすることにより、スプライス部のゲージ(厚み)が薄くなったり、周方向両側端部が切れたりすることを防止できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記スプライス部の30%以上の領域に熱と圧力を加えることにより、前記周方向両側端部を熱融着することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
次に、請求項4に記載の発明の作用を説明する。
請求項4に記載の発明によれば、スプライス部の30%以上の領域に熱と圧力を加えることにより、周方向両側端部を熱融着するので、これにより、周方向両側端部に最低限必要な接着力を確保することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記スプライス部の全領域又は前記スプライス部のタイヤ軸方向に断続する複数領域に熱と圧力を加えることにより、前記周方向両側端部を熱融着することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
次に、請求項5に記載の発明の作用を説明する。
請求項5に記載の発明のように、スプライス部の全領域に熱と圧力を加えると、周方向両側端部を確実に接着することができる。また、スプライス部のタイヤ軸方向に断続する複数領域に熱と圧力を加えるようにすると、周方向両側端部を接着する際の消費エネルギーを少なくできると共に、スプライス部がタイヤ軸方向に圧延されて延びる量を抑制できる。
また、上記課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、タイヤ内側に熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤにおいて、前記熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が互いに重ね合わされたスプライス部が熱融着されていることを特徴とする空気入りタイヤである。
次に、請求項6に記載の発明の作用を説明する。
請求項6に記載の発明によれば、例えば、インナーライナーを形成するドラム成型工程において、熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が互いに重なるように熱可塑性樹脂フィルムを成型用ドラムに巻回した状態で、この周方向両側端部を互いに重ね合わせたスプライス部に熱と圧力を加えることにより、周方向両側端部が熱融着されているので、従来のようにセメントを用いる場合に比して、周方向両側端部の接着力が高められ、周方向両側端部が強固に接着されている。これにより、周方向両側端部が剥がれてしまうことが防止されるので、空気入りタイヤの耐久性を従来に比して向上させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の空気入りタイヤにおいて、前記熱可塑性樹脂フィルムは、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層の積層方向両側に、少なくとも1層以上の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層をそれぞれ積層してなる積層フィルム体であることを特徴とする空気入りタイヤである。
次に、請求項7に記載の発明の作用を説明する。
請求項7に記載の発明によれば、熱可塑性樹脂フィルムとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層の積層方向両側に、少なくとも1層以上の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層をそれぞれ積層してなる積層フィルム体を用いているので、例えば、積層フィルム体の周方向両側端部が互いに重なるように積層フィルム体を成型用ドラムに巻回した場合には、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層の表側に積層された一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層と非通気層の裏側に積層された他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層とがスプライス部において互いに接触した状態となる。
従って、このスプライス部に熱と圧力を加えることにより、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層と他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層とが良好に熱融着されるので、積層フィルム体の周方向両側端部が剥がれることを確実に防止できる。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナーは、前記スプライス部の30%以上の領域が熱融着されていることを特徴とする空気入りタイヤである。
次に、請求項8に記載の発明の作用を説明する。
請求項8に記載の発明によれば、スプライス部の30%以上の領域が熱融着されていると、周方向両側端部に最低限必要な接着力が確保されるので、これにより、積層フィルム体の周方向両側端部が剥がれることを防止できる。
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナーは、前記スプライス部の全領域又は前記スプライス部のタイヤ軸方向に断続する複数領域が熱融着されていることを特徴とする空気入りタイヤである。
次に、請求項9に記載の発明の作用を説明する。
請求項9に記載の空気入りタイヤのように、スプライス部の全領域が熱融着されていると、周方向両側端部の接着力が高められるので、周方向両側端部の剥がれが確実に防止される。なお、最低限必要な周方向両側端部の接着力を確保することができる場合には、スプライス部のタイヤ軸方向に断続する複数領域が熱融着されていても良い。
以上詳述したように、本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、インナーライナーとして用いられる熱可塑性樹脂フィルムのドラム成型工程時に、成型用ドラムに巻回した熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部を強固に接着することのできるので、周方向両側端部が剥がれてしまうことを防止でき、これにより、空気入りタイヤの歩留まりを向上させることができる。
また、本発明の空気入りタイヤによれば、熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が強固に接着されているので、周方向両側端部が剥がれてしまうことを防止でき、タイヤの耐久性を従来に比して向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、構成、配置などは、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
はじめに、図4,図5を参照しながら、本実施形態に係る空気入りタイヤの構成について説明する。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10は、例えば乗用自動車用タイヤとして好適に用いられるものである。この空気入りタイヤ10には、トレッド部12が形成されており、このトレッド部12のタイヤ幅方向両側には、左右のタイヤサイド部14が形成されている。
また、トレッド部12およびタイヤサイド部14の内側には、カーカス16が設けられており、カーカス16の外側には、ベルト18が介挿され、カーカス16の内側には、インナーライナー20が設けられている。
本実施形態に係るインナーライナー20は、ガスバリア性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを成形することにより構成されており、より具体的には、図5にその一部断面を示すように、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる非通気層22の積層方向両側に、熱可塑性ウレタン系エラストマー(TPU)からなる補助層24,26をそれぞれ積層してなる三層構造の積層フィルム体28を成形することにより構成されている。
インナーライナー20として用いられる積層フィルム体28の構成について詳述すると、本実施形態に係る積層フィルム体28は、ドライラミネート法、押出コーティング法、共押出成形法などによって形成されたものであり、各層の厚みは、非通気層22、補助層24、補助層26ともに20μmとなっており、積層フィルム体28の全体の厚みは60μmとなっている。
補助層24,26に用いられる熱可塑性ウレタン系エラストマーとしては、1,3プロパンジイソシアナートとデカンジオールから得られるポリウレタン、1,4ブタンジイソシアナートとジエチレングリコールから得られるポリウレタン、1,8オクタンジイソシアナートとデカンジオールから得られるポリウレタンなどが好適である。
なお、本実施形態では、非通気層22としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いたが、その他にも、塩化ビニリデンを主成分とする塩化ビニルなどの共重合体を用いても良い。
また、本実施形態では、補助層24,26として、熱可塑性ウレタン系エラストマーを用いたが、その他にも、ポリオレフィン系エラストマー、脂肪族ポリアミド系エラストマーを用いても良い。
このとき、ポリオレフィン系エラストマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることでき、脂肪族ポリアミド系エラストマーとしては、脂肪族ポリアミド、脂肪族ポリアミドの混合物、脂肪族ポリアミドの共重合体などを用いることができる。
さらに、本実施形態では、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層22の積層方向両側に、熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層24,26をそれぞれ積層することによって積層フィルム体28を形成していたが、その他にも、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層22の積層方向両側に、熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層24,26をそれぞれ複数積層することによって積層フィルム体28を形成しても良い。
次に、図1乃至図3,図6乃至図10を参照しながら、本実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法について説明する。
先ず、積層フィルム体28を成型用ドラム30に連続的に供給して所定の長さで切断し、図2に示すように、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bが互いに重なるように積層フィルム体28を成型用ドラム30に巻回する。
続いて、図1に示すように、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを互いに重ね合わせたスプライス部32に熱と圧力を加えることにより、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを熱融着する。
このとき、本実施形態では、スプライス部32の30%以上の領域に熱と圧力を加えることとする。
なお、図2の網掛け部分Aで示すように、スプライス部32の全領域に熱と圧力を加えることにより、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを熱融着しても良く、また、図3の網掛け部分Bで示すように、スプライス部32のタイヤ軸方向に断続する複数領域に熱と圧力を加えることにより、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを熱融着するしても良い。
また、本実施形態では、スプライス部に、60℃以上200℃以下の熱と、3kg/cm2以上7kg/cm2以下の圧力を、1秒間以上5秒間以下加えることにより、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを熱融着し、インナーライナー20を形成する。
なお、このとき、図6に示すように、スプライス部32に加える熱を60℃より低くすると、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bの接着力が不足し、スプライス部32に加える熱を200℃より高くすると、積層フィルム体28の周方向両側端部28,28bが溶融する。
また、図7に示すように、スプライス部32に加える圧力を3kg/cm2より低くすると、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bの接着力が不足し、図9に示すように、スプライス部32に加える圧力を7kg/cm2より高くすると、スプライス部のゲージ(厚み)が60μmよりも薄くなったり、周方向両側端部28a,28bが切れたりする。
さらに、図8に示すように、スプライス部の加熱加圧時間を1秒間より短くすると、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bの接着力が不足し、図10に示すように、スプライス部32の加熱加圧時間が5秒間より長くすると、スプライス部のゲージ(厚み)が60μmよりも薄くなったり、周方向両側端部28a,28bが切れたりする。
そして、上述のようにして形成したインナーライナー20の外周側にシート状のカーカスを巻き付け、その周方向両側端部を接着する。その後、ビードコアなどの部材を順に付加して未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを通常の加硫プロセスにより金型内で加硫する。
次に、本実施形態に係る空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法が奏する作用効果について説明する。
本実施形態によれば、インナーライナー20を形成するドラム成型工程において、熱可塑性樹脂フィルムを積層した積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bが互いに重なるように積層フィルム体28を成型用ドラム30に巻回した状態で、この周方向両側端部28a,28bを互いに重ね合わせたスプライス部32に熱と圧力を加えることにより、周方向両側端部28a,28bを熱融着しているので、従来のようにセメントを用いる場合に比して、周方向両側端部28a,28bの接着力を高めることができ、周方向両側端部28a,28bを強固に接着することができる。
また、本実施形態では、熱可塑性樹脂フィルムとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層22の積層方向両側に、少なくとも1層以上の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層24,26をそれぞれ積層してなる積層フィルム体28を用いているので、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bが互いに重なるように積層フィルム体28を成型用ドラムに巻回した場合には、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層22の表側に積層された一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層24と非通気層22の裏側に積層された他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層26とがスプライス部32において互いに接触した状態となる。
従って、このスプライス部32に熱と圧力を加えることにより、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層24と他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層26とを良好に熱融着することができるので、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bをより強固に接着することができる。
さらに、本実施形態では、スプライス部32に熱可塑性ウレタン系エラストマーの溶解温度である60℃以上の熱を加えることによって積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを熱融着するので、周方向両側端部28a,28bの接着力不足を防止でき、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層24と他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層26とを良好に熱融着することができる。
また、スプライス部32に加える熱を200℃以下とすることにより、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層24又は他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層26が溶解してしまうことを防止することができる。
さらに、スプライス部32に加える圧力を3kg/cm2以上とし、加熱加圧時間を1秒間以上とすることにより、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bの接着力不足を防止でき、一方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層24と他方の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層26とを良好に熱融着することができる。
また、スプライス部32に加える圧力を7kg/cm2以下とし、加熱加圧時間を5秒間以下とすることにより、スプライス部32のゲージが薄くなったり、周方向両側端部28a,28bが切れたりすることを防止できる。
そして、本実施形態では、スプライス部32の30%以上の領域に熱と圧力を加えることにより、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを熱融着するので、これにより、周方向両側端部28a,28bに最低限必要な接着力を確保することができる。
また、スプライス部32の全領域に熱と圧力を加えた場合には、周方向両側端部28a,28bを確実に接着することができ、また、スプライス部28のタイヤ軸方向に断続する複数領域に熱と圧力を加えるようにした場合には、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを接着する際の消費エネルギーを少なくできると共に、スプライス部32がタイヤ軸方向に圧延されて延びる量を抑制できる。
このように、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の製造方法によれば、インナーライナー20として用いられる熱可塑性樹脂フィルムのドラム成型工程時に、成型用ドラム30に巻回した積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bを強固に接着することのできるので、これにより、空気入りタイヤ10の歩留まりを向上させることができる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ10によれば、積層フィルム体28の周方向両側端部28a,28bが強固に接着されているので、周方向両側端部28a,28bが剥がれてしまうことを防止でき、タイヤの耐久性を従来に比して向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る空気入りタイヤ10によれば、インナーライナー20に積層フィルム体28を用いているので、従来のようにブチルゴムをインナーライナーとして用いたタイヤに比して、ガスバリア性、柔軟性、耐久性に優れ、インナーライナーの重量を大幅に軽減することができる。
図1は本実施形態に係る積層フィルム体のスプライス部の断面図である。 図2は本実施形態に係る成型用ドラムに巻回した積層フィルム体を熱融着する様子を示す図である。 図3は本実施形態に係る成型用ドラムに巻回した積層フィルム体を熱融着する様子の別例を示す図である。 図4は本実施形態に係る空気入りタイヤの断面を示す図である。 図5は本実施形態に係る積層フィルム体の要部断面図である。 図6は本実施形態に係る積層フィルム体につき加熱温度と接着力との関係を示すグラフである。 図7は本実施形態に係る積層フィルム体につき加圧力と接着力との関係を示すグラフである。 図8は本実施形態に係る積層フィルム体につき加熱加圧時間と接着力との関係を示すグラフである。 図9は本実施形態に係る積層フィルム体につき加圧力とスプライス部の厚みとの関係を示すグラフである。 図10は本実施形態に係る積層フィルム体につき加熱加圧時間とスプライス部の厚みとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10 空気入りタイヤ
20 インナーライナー
22 非通気層
24,26 補助層
28 積層フィルム体
28a,28b 周方向両側端部
30 成型用ドラム
32 スプライス部

Claims (9)

  1. タイヤ内側に熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤの製造方法において、
    前記熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が互いに重なるように前記熱可塑性樹脂フィルムを成型用ドラムに巻回した状態で、前記周方向両側端部を互いに重ね合わせたスプライス部に熱と圧力を加えることにより、前記周方向両側端部を熱融着して前記インナーライナーを形成するドラム成型工程を含む、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂フィルムとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層の積層方向両側に、少なくとも1層以上の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層をそれぞれ積層してなる積層フィルム体を用いることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記スプライス部に、60℃以上200℃以下の熱と、3kg/cm2以上7kg/cm2以下の圧力を、1秒間以上5秒間以下加えることにより、前記周方向両側端部を熱融着することを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記スプライス部の30%以上の領域に熱と圧力を加えることにより、前記周方向両側端部を熱融着することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記スプライス部の全領域又は前記スプライス部のタイヤ軸方向に断続する複数領域に熱と圧力を加えることにより、前記周方向両側端部を熱融着することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. タイヤ内側に熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナーを有して構成された空気入りタイヤにおいて、
    前記インナーライナーは、前記熱可塑性樹脂フィルムの周方向両側端部が互いに重ね合わされたスプライス部が熱融着されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 前記熱可塑性樹脂フィルムは、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる非通気層の積層方向両側に、少なくとも1層以上の熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる補助層をそれぞれ積層してなる積層フィルム体であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記インナーライナーは、前記スプライス部の30%以上の領域が熱融着されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記インナーライナーは、前記スプライス部の全領域又は前記スプライス部のタイヤ軸方向に断続する複数領域が熱融着されていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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