JP5646983B2 - インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

インナーライナー、その製造方法及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、成型時又は成形後に発生し得るジョイント割れを有効に防止しつつインナー拡張率の高いタイヤサイズに対しても柔軟に対応し得るインナーライナー、その製造方法、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤの内圧を保持するためにタイヤ内面にガスバリア層として配設されるインナーライナーには、ブチルゴムやハロゲン化ブチルゴム等を主原料とするゴム組成物が使用されている。しかしながら、これらブチル系ゴムを主原料とするゴム組成物は、ガスバリア性が低いため、かかるゴム組成物をインナーライナーに使用した場合、インナーライナーの厚さを1mm前後とする必要があった。そのため、タイヤに占めるインナーライナーの重量が約5%となり、タイヤの重量を低減して自動車、農業用車両、及び建設作業用車両等の燃費を向上させる上で障害となっている。
一方、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記することがある)は、ガスバリア性に優れることが知られている。該EVOHは、空気透過量が上記ブチル系ゴムの100分の1以下であるため、インナーライナーに用いた場合、100μm以下の厚さでもタイヤの内圧保持性を大幅に向上させることができる上、タイヤの重量を低減することが可能である。
ここで、上記ブチル系ゴムより空気透過性の低い樹脂は数多く存在するが、空気透過性がブチル系ゴムの10分の1程度の場合、100μmを超える厚さでないと、内圧保持性の改良効果が小さい。一方、100μmを超える厚さの場合、タイヤの重量を低減する効果が小さく、また、タイヤ屈曲時の変形によりインナーライナーが破断したり、インナーライナーにクラックが発生してしまい、ガスバリア性を保持することが困難となる。
これを解決する手段として、特許文献1には、カーカスプライの周方向ジョイント部で、インナーライナーに面する側に末端ゴム部分を配設してなるタイヤが開示されており、インナー割れの防止と薄ゲージ化を実現している。また、特許文献2には、未変性又は変性EVOH溶液を塗布してガスバリア層を形成なるインナーライナーが開示されており、ガスバリア層同士のジョイント部をなくしてタイヤのユニフォーミティ(均一性)悪化を改善しつつ、軽量化とガスバリア性の両立を図っている。さらに、特許文献3〜4には、円筒状フィルムに形成されてなるインナーライナー層を配設したタイヤも開示されている。
特開2006−224853号公報 特開2007−112000号公報 特許第3159886号公報 国際公開第2004/110735号
しかしながら、上記のようなインナーライナーを採用した場合であっても、成形時に未加硫タイヤを拡張する際、インナー拡張率の高いタイヤサイズに対してはロバスト性が低くなる傾向にあるとともに、既存の設備を有効活用し得ない場合もあり、依然として改善の余地がある。
そこで、本発明は、既存の設備を有効活用してコスト削減に寄与しながら、インナー拡張率の高いタイヤサイズに対しても柔軟に対応し得るよう、成形時または成形後に発生し得るジョイント割れを有効に防止して、タイヤにおける均一性及び内圧保持性の向上を実現できるインナーライナー、その製造方法及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、表面の少なくとも一部に特定の形状を有するインナーライナーを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のインナーライナーは、
少なくとも1層のバリア層を含む単層又は多層の積層体からなるインナーライナーにおいて、該インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面に、多数の凸凹形状を有し、接着剤を有しないことを特徴とする。
前記インナーライナーは、さらに、少なくとも1層の保護層を含み、かつ該保護層の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に、多数の凹凸形状を有していてもよい。
また、前記保護層が、インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面を構成するのが望ましく、前記保護層において、前記接合表面を構成する表面以外の表面に、多数の凹凸形状を有していてもよい。
さらに、前記多数の凹凸形状を有する表面における表面平均粗さ(Ra)が、1〜10μmであってもよい。
本発明のインナーライナーの製造方法は、少なくとも1層のバリア層を含む単層又は多層の積層体からなるインナーライナーの製造方法であって、該インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面を構成する表面に粗面化処理を施すことによって、該表面に多数の凸凹形状を付与し、該表面に接着剤を付与しないことを特徴とする。
また、本発明の空気入りタイヤは、上記インナーライナー、或いは上記インナーライナーの製造方法により得られたインナーライナーを用いたことを特徴とする。
本発明によれば、成形時又は成形後に発生し得るジョイント割れを有効に防止することができるインナーライナーが得られるので、優れた均一性と高い内圧保持性を有する空気入りタイヤを実現することが可能となる。また、インナー拡張率の高いタイヤサイズに対しても柔軟に対応することができるとともに、既存の設備を有効活用してコスト削減に寄与することもできる。
図1は、成型段階におけるグリーンケースの断面図である。 図2は、図1のインナーライナーのジョイント部を含むH部分において、インナーライナーの両端部を重ねて接合する状態を示す断面概略図である。 図3は、図2に示すインナーライナーにおいて、バリア層と保護層との2層構造の積層体からなるインナーライナーを示す断面概略図である。 図4は、本発明のインナーライナーにおいて、2層のバリア層と2層の保護層との積層体からなるインナーライナーを示す部分断面図である。 図5は、図2に示すインナーライナーにおいて、2層のバリア層、3層の保護層、及び1層の接着層の積層体からなるインナーライナーを示す部分断面図である。
以下、本発明について、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明のインナーライナーは、
少なくとも1層のバリア層を含む単層又は多層の積層体からなるインナーライナーにおいて、該インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面に、多数の凸凹形状を有することを特徴としている。
まず、図1を参照しつつ、空気入りタイヤを得るための未加硫タイヤの一般的な成型工程について述べる。未加硫タイヤは、通常、二段階の成型工程を経る。最初の第一成型段階では、成型ドラム上にインナーライナー1及びカーカスプライ2を貼り付け、一対のビードコア5を打ち込んでその周りにカーカスプライ2を折り返し、必要に応じてビード部補強コード層6を張り合わせる。ビード部補強コード層6は、予めカーカスプライ2に張り合わせていてもよい。次いで、サイドウォールゴム7を貼り付け、筒状のグリーンケース3を得る。
続く第二成型段階では、グリーンケース3を、一対のビード部10をそれぞれクランプする装置を断面中央Cに向けて幅寄せしながら一対のビード部10の相互間隔を狭め、同時にグリーンケース3内部に低圧の空気を充填して、外径方向に膨張させる。この際に、予め縮径及び拡径自在な円筒ドラム表面上に、ベルト部材4の外周に未加硫トレッドゴム11を張り付けた複合部材を張り付け、これをグリーンケース3の断面中央Cに位置合わせしつつ、必要に応じて未加硫トレッドゴム11を折り込みながら膨張したグリーンケース3をベルト部材4の内周面に当接させ、未加硫タイヤを得る。その後、成型工程を経た未加硫タイヤを成型機から取り出し、加硫処理を施すことによって、空気入りタイヤが得られる。
ここで、インナーライナー1は、成型ドラムに張り付ける際、かかる成型ドラムに巻き付けながらインナーライナー1の両端部を重ねて接合する。すなわち、インナーライナー1の一方の端部がタイヤ径内側に配置され、その上から他方の端部が重ねられる。重ねられたインナーライナー1の両端部はジョイント部とも称されるが、この部分の接着が不充分であると、第二成型段階でグリーンケース3を膨張させた際、或いはタイヤ使用時に応力が付加された際に、ジョイント部で剥離や亀裂(ジョイント割れ)が発生したり、均一性の低下を招いたりするおそれがある。
本発明のインナーライナー1は、図2(a)の断面概略図に示すように、該インナーライナー1の両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部xの接合表面Sxに、多数の凸凹形状を有している。この凸凹形状が、第二成型段階での膨張過程で押圧方向Bから押圧されてアンカー効果を発現し、タイヤ径方向内側に配置される一方の端部xと、かかる端部x上面から重ねられる他方の端部yとの接着力を向上させることができる。したがって、第二成型段階を経ても、またタイヤ使用時においても、両端部x及びyが堅固に固着された状態を保持できるインナーライナー1を得ることができる。ここで、上記凸凹形状は、少なくともタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面Sxに有していればよく、図2(b)の断面概略図に示すように、該接合表面Sxを構成する表面S全体に亘って有していてもよい。
上記凸凹形状を有する表面における表面平均粗さ(Ra)は、通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。上記範囲内の表面平均粗さ(Ra)を有していれば、インナーライナー両端部における堅固な接着性を充分に確保することができる。なお、上記表面平均粗さ(Ra)とは、JIS B 0601に規定される算術平均粗さ(Ra)により求められる値を意味する。
本発明のインナーライナーは、少なくとも1層のバリア層を含む単層又は多層の積層体からなる。かかるバリア層を含むことで、インナーライナーとしての良好なガスバリア性を確保することができる。バリア層は1層でもよく、2層以上でもよい。したがって、上記インナーライナーはバリア層単独の単層構造の積層体であってもよく、さらに他の層を含む多層構造の積層体であってもよい。なお、ガスバリア性及び内圧保持性をより向上させる観点から、上記インナーライナーはバリア層を2層以上含む多層構造の積層体からなるのが望ましい。
上記バリア層を形成する層としては、良好なガスバリア性を発揮するものであれば特に制限されず、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリブタジエン樹脂、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、変性EVOH、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニリデン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、酢酸ビニル系樹脂などを含む層が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、ガスバリア性に優れ、かつタイヤの内圧保持性を大幅に向上させる観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体であるのが望ましい。なお、必要に応じて、さらにカーボンブラックやシリカ等の充填剤、硫黄等の架橋剤、ジフェニルグアニジン(DPG)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnBDC)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェナミド(CBS)及びN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェナミド(BBS)等の架橋促進剤、亜鉛華(酸化亜鉛)等の架橋促進助剤を配合して上記バリア層を形成してもよい。
上記バリア層の層厚みは、インナーライナー1の層構成等によっても変動し得るが、通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。したがって、仮にインナーライナー1を複数のバリア層を含む積層体としても、薄層化を容易に実現することができる。
上記バリア層以外の他の層として、さらに少なくとも1層の保護層を含むのが望ましい。かかる保護層を含むことで、インナーライナーの薄層化を実現しつつ優れた補強性をも付加して亀裂の発生や伸展を抑制することができる。保護層は1層でもよく、2層以上でもよい。なお、補強性をより向上させる観点から、上記インナーライナーは保護層を2層以上含む多層構造の積層体からなるのが望ましい。
上記保護層を形成する層としては、上述のような良好な保護機能及び補強性を発揮し得るものであれば特に制限されないが、ウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーからなる層が好適である。かかるウレタン系エラストマーは、ポリオール(長鎖ジオール)と、イソシアネート化合物と、短鎖ジオールとの反応によって得られる。ポリオール及び短鎖ジオールは、イソシアネート化合物との付加反応により、直鎖状ポリウレタンを形成する。ここで、ポリオールは、ウレタン系エラストマーにおいて柔軟な部分となり、イソシアネート化合物及び短鎖ジオールは硬い部分となる。なお、ウレタン系エラストマーは、原料の種類、配合量、重合条件等を変更することで、適宜その性質を広範囲に変動させることができる。また、必要に応じて、さらに上述した充填剤、架橋剤、架橋促進剤、架橋促進助剤を配合して上記保護層を形成してもよい。
上記保護層の層厚みは、インナーライナー1の層構成等によっても変動し得るが、通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。したがって、仮にインナーライナー1を複数の保護層を含む積層体としても、薄層化を容易に実現することができる。
例えば、上記インナーライナーがバリア層単層のみからなる積層体からなる場合、インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面を構成する層はバリア層であるから、かかるバリア層の一方の端部表面に、上記多数の凸凹形状を有している必要がある。一方、上記インナーライナーがさらに保護層を含む場合、インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面を構成する層は保護層となる場合もあり、その際にはかかる保護層の一方の端部表面に、上記多数の凸凹形状を有している必要がある。
ここで、図3に示すように、バリア層22により良好なガスバリア性を確保させる観点から、上記多数の凸凹形状は保護層21の表面に有しているのが望ましい。すなわち、上記保護層21がインナーライナー1の両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面Sxを構成するのが望ましい。また、上記多数の凸凹形状は、図3(a)に示すように、接合表面Sxを構成する少なくとも保護層21の表面の一部に有していればよく、図3(b)に示すように、表面全体Sに有していてもよい。このように、保護層表面Sに亘って多数の凸凹形状を有することによって、インナーライナー1のジョイント部における両端部同士の接着性の向上を図りつつ、カーカスプライ2等のようにインナーライナー1と隣接する他の部材との接着性の向上も図ることが可能となる。
さらに、2層のバリア層と2層の保護層とを含む積層体からなるインナーライナー1を示した図4のように、上記保護層が、前記接合表面を構成する表面S以外の表面Tに、多数の凹凸形状を有していてもよい。このように、表面S以外の表面Tに多数の凸凹形状を有することによって、インナーライナー1の積層体における層間密着性の向上を図ることができ、層間剥離を有効に防止してインナーライナー自体の補強性の向上を図ることも可能となる。
本発明のインナーライナー1は、上記バリア層22及び保護層21のほか、図5に示すように、接着層23を含む積層体からなるものであってもよい。かかる接着層23を含むことで、インナーライナー1のジョイント部における接着性をより向上させることができるとともに、インナーライナー1と隣接部材とを直ちに接着してタイヤ成形時における部材間の剥離を有効に防止することができる。具体的には、例えば、薄層化されたインナーライナー1の外傷等を回避しつつ成型ドラムに張り付きやすいゴム部材を介して、インナーライナー1を成型ドラム上に張り付ける場合に有効である。なお、図5は2層のバリア層22と3層の保護層21とを含み、タイヤ径方向最内層として接着層23を設けた例である。この場合においても、保護層21と接着層23との層間密着性の向上を図る観点から、保護層21の表面Tに多数の凸凹形状を有しているのが望ましい。
上記接着層23を形成する層としては、通常タイヤ用部材に用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ジエン系ゴム等のゴム成分に1,4−フェニレンジマレイミド等のマレイミド誘導体やポリ−p−ジニトロソベンゼンを配合した接着剤組成物からなる層が好適である。なお、耐侯性、耐オゾン性、耐熱性等の物性を向上させる観点から、上記ゴム成分にさらにクロロスルホン化ポリエチレンを配合してもよい。
なお、上記インナーライナー1の総厚みは、インナーライナー1の層構成によっても変動し得るが、通常1〜10μm、好ましくは2〜5μmである。
本発明のインナーライナーの製造方法は、上述したインナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面を構成する表面に粗面化処理を施すことによって、該表面に多数の凸凹形状を付与することを特徴とする。かかる粗面化処理を施すことによって、インナーライナーの所望の表面に多数の凸凹形状を付与することができる。
上記粗面化処理としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
上記インナーライナーを単層の積層体とする場合には、例えば、押出機を用い、所定の配合成分を混錬してペレット状とし、製膜機を用いて層形成する。得られた単層のインナーライナーの所定の表面に、上記粗面化処理を施せばよい。一方、多層の積層体とする場合には、例えば、まず粗面化処理を施す層を上記と同様にして層形成し、所定の表面に粗面化処理を施す。次いで、他の層を形成するための配合成分をペレット状とし、粗面化処理を施した層とともに多層用のTダイを有する多層共押出機を用いて多層形成する。なお、接着層を形成する場合には、最終工程で接着剤液を塗布することによって形成してもよい。
本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、インナーライナー1として本発明のインナーライナーを用いることを特徴とする。上述したように、通常第一成型段階において成型ドラム上に、インナーライナー1の両端部のうち表面に多数の凸凹形状を有する一方の端部をタイヤ径方向内側に配置して、その上面から他方の端部を重ねる。次いで、所望の隣接部材を張り付け、膨張させて未加硫タイヤを得る。この際、本発明のインナーライナー1は、押圧方向Bから押圧されてジョイント部において堅固に固着されてなり、剥離が発生するおそれがない。
その後、第二成型段階で通常120℃以上、好ましくは125〜200℃、より好ましくは130〜180℃の温度で加硫処理を施す。この段階でもインナーライナーはさらに拡張されることとなるが、上述のようにジョイント部が堅固に固着されているため、かかる部分で割れ等が発生するおそれがなく、所望のサイズを有した均一性の高いタイヤとすることができる。次いで、空気、窒素、ヘリウム等を充填することにより、本発明の空気入りタイヤを得る。
1: インナーライナー
2: カーカスプライ
3: グリーンケース
5: ビードコア
6: ビード部補強コード層
7: サイドウォールゴム
10:ビード部
11:未加硫トレッドゴム
A: 成型ドラム
B: 押圧方向
C: グリーンケースの断面中央
x: インナーライナーの一方の端部
y: インナーライナーの他方の端部
x: インナーライナーの接合表面
S: インナーライナーの表面

Claims (7)

  1. 少なくとも1層のバリア層を含む単層又は多層の積層体からなるインナーライナーにおいて、該インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面に、多数の凸凹形状を有し、接着剤を有しないことを特徴とするインナーライナー。
  2. さらに、少なくとも1層の保護層を含み、かつ該保護層の少なくとも一方の表面の少なくとも一部に、多数の凹凸形状を有することを特徴とする請求項1に記載のインナーライナー。
  3. 前記保護層が、インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面を構成することを特徴とする請求項2に記載のインナーライナー。
  4. 前記保護層において、前記接合表面を構成する表面以外の表面に、多数の凹凸形状を有することを特徴とする請求項3に記載のインナーライナー。
  5. 前記多数の凹凸形状を有する表面における表面平均粗さ(Ra)が、1〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインナーライナー。
  6. 少なくとも1層のバリア層を含む単層又は多層の積層体からなるインナーライナーの製造方法であって、該インナーライナーの両端部を重ねて接合する際にタイヤ径方向内側に配置される一方の端部の接合表面を構成する表面に粗面化処理を施すことによって、該表面に多数の凸凹形状を付与し、該表面に接着剤を付与しないことを特徴とするインナーライナーの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のインナーライナー、或いは請求項6に記載のインナーライナーの製造方法により得られたインナーライナーを用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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