JP2009279809A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層を有する空気入りタイヤにおいて、インナーライナー層の剥離を改善することが可能な空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層10を有するカーカスバンド13を膨径させてトレッドリング14の内周側に圧着することによりグリーンタイヤを成形するようにした空気入りタイヤの製造方法である。カーカスバンド13を所定量膨径させかつその状態を所定時間保持することによりインナーライナー層10を塑性変形させた後、カーカスバンド13を膨径させてトレッドリング14の内周側に圧着する。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層を有する空気入りタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、インナーライナー層の剥離を改善するようにした空気入りタイヤの製造方法に関する。
従来、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物をインナーライナー層に用いた空気入りタイヤが周知である(例えば、特許文献1,2参照)。これによりインナーライナー層を軽量化し、燃費を向上することができる利点がある。
しかしながら、このような弾性率が高い熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー組成物からインナーライナー層を構成すると、変形に対して収縮しようとする力がゴムより大きく、しかもゴムに比べて粘弾性が小さいためタック力が大きく劣る。そのため、カーカスバンドを膨径してトレッドバンドに圧着してグリーンタイヤを成形した際に、膨径したインナーライナー層の収縮現象により隣接するタイゴム層などの隣接部材からインナーライナー層が剥離し易いという問題があった。
特開2006−198848号公報 特開2007−296916号公報
本発明の目的は、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層を有する空気入りタイヤにおいて、インナーライナー層の剥離を改善することが可能な空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤの製造方法は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層を有するカーカスバンドを膨径させてトレッドリングの内周側に圧着することによりグリーンタイヤを成形するようにした空気入りタイヤの製造方法において、前記カーカスバンドを所定量膨径させかつその状態を所定時間保持することにより前記インナーライナー層を塑性変形させた後、該カーカスバンドを膨径させてトレッドリングの内周側に圧着することを特徴とする。
上述した本発明によれば、予めカーカスバンドを膨径させて保持することによりインナーライナー層を塑性変形させるので、カーカスバンドを膨径させてトレッドリングに圧着した際に働くインナーライナー層の収縮力を従来より弱めることができる。そのため、隣接するタイヤ構成部材からインナーライナー層が剥離するのを抑制することができ、インナーライナー層の剥離の改善が可能になる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤの製造方法により製造された空気入りタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。
左右のビード部3間にタイヤ径方向に延在する補強コードをタイヤ周方向に所定の間隔で配置してゴム層に埋設したカーカス層4が延設され、その両端部がビード部3に埋設したビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ軸方向内側から外側に折り返されている。
トレッド部1のカーカス層4の外周側には、複数のベルト層7が設けられ、そのベルト層7の外周側にトレッドゴム層8が配設されている。カーカス層4の内側にはタイゴム層9を介して熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム状のインナーライナー層10が配置されている。サイドウォール部2のカーカス層4の外側にはサイドゴム層11が配設され、ビード部3のカーカス層4の折り返し部外側にはリムクッションゴム層12が設けられている。
以下、図2〜図6を参照しながら、図1の空気入りタイヤを本発明の製造方法により製造する方法を説明する。
先ず、図2に示すように、従来と同様にして、成形ドラム21上にカーカスバンド13を成形する。即ち、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなる筒状のインナーライナー層10を成形ドラム21に取り付けた後、その外表面に接着剤を塗布し、次いで未加硫のタイゴム層9、未加硫のカーカス層4、未加硫のビードフィラー6を取り付けたビードコア5、未加硫のリムクッションゴム層12、未加硫のサイドゴム層11を順次取り付けて、筒状のカーカスバンド13を成形ドラム1上に成形する。
インナーライナー層10は、筒状に代えて、シート状のものを円筒状に巻き付けるようにしてもよい。また、接着剤層を予めインナーライナー層10上に形成し、それを成形ドラム21に取り付けるようにしてもよい。
成形したカーカスバンド13を成形ドラム21から外し、図3に示すようにシェーピングドラム22に取り付けて内圧を付与し、カーカスバンド13を所定量径方向外側に膨張(膨径)させる。その膨径した状態でカーカスバンド13を所定時間保持し、それによりインナーライナー層10を塑性変形させる。降伏点を超えて変形するカーカスバンド13の膨径量としては、インナーライナー層10に塑性変形を付与可能な量であればよい。
好ましくは、カーカスバンド13をその外径が後述するトレッドリング14の内径Y(図5参照)の1.4倍以下の範囲で膨径させるのがよい。1.4Yを超えて膨径させると、インナーライナー層10に皺が発生し易くなるので好ましくない。剥離を改善するための下限値としては、カーカスバンド13をその外径がトレッドリング14の内径Yの0.9倍以上となるようにするのがよい。好ましくは、1.1Y〜1.4Yがよい。
保持時間としては、インナーライナー層10に塑性変形を付与可能であれば特に限定されない。好ましくは、上限値を120秒以下にするのがタイヤの製造効率上よい。下限値としては0.1秒以上、好ましく1秒以上にするのがインナーライナー層10の塑性変形の点からよい。
インナーライナー層10を塑性変形させる工程は、図3に示すように、温度調整可能な部屋23内で行うのがよい。部屋23内の温度としては、20〜100℃の雰囲気下となるようにするのがよい。部屋23内の温度が20℃より低いと、剛性が高くなり、変形制御が困難になる。逆に100℃を超えると、樹脂の軟化が大きなって変形保持が困難になり、また未加硫ゴムの加硫が進行するおそれがあるので好ましくない。カーカスバンド1の膨径量及び保持時間により、温度を適宜選択するのがよい。望ましくは、40〜80℃が塑性変形のし易さと加工性の両立の点からよい。
インナーライナー層10を塑性変形させる工程が終了すると、図4に示すように、カーカスバンド13を一旦縮径させる。カーカスバンド13の縮径量としては、次の工程で貼り合わせるトレッドリング14の内径より小さくなるようにする。カーカスバンド13がトレッドリング14の内径より小さい範囲で膨径している場合には、圧着する工程で障害がなければ縮径してもしなくてもよい。縮径範囲は、塑性変形したインナーライナー層10に弛みが発生しない範囲、即ち塑性変形前のカーカスバンド径よりも小さくならない範囲がよい。
次いで、予め成形したトレッドリング14を移送して、図5に示すようにカーカスバンド13の外周側に配置する。トレッドリング14は、別の成形ドラム上で成形したものであり、未加硫のベルト層7の外周側に未加硫のトレッドゴム層8を貼り合わせた環状体である。
トレッドリング14を配置した後、図6に示すように、カーカスバンド13内に内圧を付与し、カーカスバンド13をトロイダル状に膨径させて、トレッドリング14の内周側に圧着し、グリーンタイヤを成形する。このグリーンタイヤをモールド内で加圧加熱して加硫し、図1の空気入りタイヤを得る。
上述した本発明によれば、カーカスバンド13を膨径させてその状態を所定時間保持することによりインナーライナー層10を予め塑性変形させたので、カーカスバンド13を膨径させてトレッドリング14に圧着した際に、膨径したインナーライナー層10の収縮力を緩和することができる。そのため、隣接するタイゴム層9からインナーライナー層10の剥離を抑制し、インナーライナー層10の剥離故障を改善することができる。
本発明では、インナーライナー層10に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(ETFE)〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
熱可塑性エラストマー組成物は、上述した熱可塑性樹脂の成分にエラストマー成分を混合して構成することができる。使用されるエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブラジエンゴム(SBR)、ブラジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
上記した特定の熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させることができる。ブレンド系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下し、その結果、分散層を形成しているゴム粒子径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては、一般的に熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマー成分と反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって選定すればよいが、通常使用されるものには、スチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM、EPM、EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくは、ポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分との合計)100重量部に対して、0.5〜10重量部がよい。
熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドする場合の特定の熱可塑性樹脂成分(A)とエラストマー成分(B)との組成比は、特に限定はなく、フィルムの厚さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比(A)/(B)で10/90〜90/10、更に好ましくは15/85〜90/10である。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須ポリマー成分に加えて、本発明のインナーライナー層用の熱可塑性エラストマー組成物の必要特性を損なわない範囲で前記した相溶化剤ポリマーなどの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料の成型加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物には、更に一般的にポリマー配合物に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止剤等を上記弾性率の要件を損なわない限り任意に配合することもできる。
また、上記エラストマー成分は熱可塑性樹脂との混合の際、動的に加硫することもできる。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。
加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオウ系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5〜4phr〔phr:ゴム成分(エラストマー)100重量部あたりの重量部〕程度用いることができる。
また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、1〜20phr 程度用いることができる。
更に、フェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示でき、例えば、1〜20phr 程度用いることができる。その他として、亜鉛華(5phr 程度)、酸化マグネシウム(4phr 程度) 、リサージ(10〜20phr 程度) 、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr 程度) 、メチレンジアニリン(0.2〜10phr 程度) が例示できる。
また、必要に応じて、加硫促進剤を添加してもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr 程度用いることができる。具体的には、アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等、グアジニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン等、チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール及びそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等、スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾール等、チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド等、ジチオ酸塩系加硫促進剤としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア等を挙げることができる。
また、加硫促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr 程度)、ステアリン酸やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4phr 程度)等が使用できる。熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス)を形成する熱可塑性樹脂中に分散相(ドメイン)としてエラストマー成分を分散させることによる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練およびエラストマー成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は1000〜7500Sec -1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、通常のフィルム押出成形機を用いて定法により円筒状或いはシート状に押出成形すればよい。
このようにして得られるフィルムは、熱可塑性樹脂(A)のマトリクス中にエラストマー成分(B)が不連続相として分散した構造をとる。かかる構造をとることにより、フィルムに十分な柔軟性と連続相としての樹脂層の効果により十分な剛性を併せ付与することができると共に、エラストマー成分の多少によらず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることができる。
隣接するタイヤ構成部材(図1ではタイゴム層)との接着は、通常のゴム系、フェノール樹脂系、アクリル共重合体系、イソシアネート系等のポリマーと架橋剤を溶剤に溶かした接着剤を塗布し、加硫成形時の熱と圧力により接着させる方法、または、スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)、エチレンエチルアクリレート(EEA)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEBS)等の接着用樹脂をフィルムと共に共押出、或いはラミネートして多層積層体を作製しておき、加硫時に隣接するタイヤ構成部材と接着させる方法がある。溶剤系接着剤としては、例えば、フェノール樹脂系(ケムロック220・ロード社)、塩化ゴム系(ケムロック205、ケムロック234B)、イソシアネート系(ケムロック402)等を例示することができる。
上記実施形態では、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層10にタイゴム層9が隣接した構成のタイヤを例示したが、本発明はそれに限定されず、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層10を有するタイヤであれば、いずれのタイヤにも適用することができる。
タイヤサイズを165SR13で共通にし、表1に示す配合を有する熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層を塑性変形させる工程を設けた本発明の方法1〜7(実施例1〜7)とインナーライナー層を塑性変形させる工程がない従来の方法(従来例)により図1に示す構成のグリーンタイヤを各30本成形した。本発明の方法1〜7において、膨径量、塑性変形時の温度及び保持時間は表2に示す通りである。膨径したカーカスバンドを収縮させたときの径はいずれもトレッドリングの内径Yの0.5倍(0.5Y)である。
各方法により成形したグリーンタイヤのインナーライナー層の剥離の有無を調べ、その結果を○、△、×の3段階で評価した。○はインナーライナー層の剥離が0本、△はインナーライナー層の剥離が1〜10本、×はインナーライナー層の剥離が11〜30本である。
また、上記グリーンタイヤを定法に従い、185℃×15分、圧力2.3MPaの加硫条件で加硫した加硫済タイヤにおいて、インナーライナー層のシワの発生の有無を調べ、その結果を○、△、×の3段階で評価した。○はインナーライナー層のシワが0本、△はインナーライナー層のシワが1〜10本、×はインナーライナー層のシワが11〜30本である。これらの結果を表2に示す。
表2から、本発明は、インナーライナー層の剥離を抑制できることがわかる。また、膨径量、塑性変形時の温度及び保持時を適宜調整することにより、インナーライナー層の剥離を一層改善できることがわかる。また、実施例6,10からカーカスバンドを1.4Yと大きく膨径させるとシワが発生するが、実施例11,12に示すように、温度を高めに調整することにより、シワの発生を回避できることがわかる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法による製造される空気入りタイヤの一例を示す部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態において、カーカスバンドを成形する工程を示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態において、インナーライナー層を塑性変形させる工程を示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態において、塑性変形させたインナーライナー層を有するカーカスバンドを縮径させる工程を示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態において、トレッドリングを配置する工程を示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態において、カーカスバンドを膨径させてトレッドリングに圧着し、グリーンタイヤを成形する工程を示す説明図である。
符号の説明
4 カーカス層
7 ベルト層
8 トレッドゴム層
10 インナーライナー層
13 カーカスバンド
14 トレッドリング
21 成形ドラム
22 シェーピングドラム
23 室部

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層を有するカーカスバンドを膨径させてトレッドリングの内周側に圧着することによりグリーンタイヤを成形するようにした空気入りタイヤの製造方法において、前記カーカスバンドを所定量膨径させかつその状態を所定時間保持することにより前記インナーライナー層を塑性変形させた後、該カーカスバンドを膨径させてトレッドリングの内周側に圧着する空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記インナーライナー層を塑性変形させる際に、前記カーカスバンドをその外径がトレッドリングの内径の0.9〜1.4倍以下の範囲で膨径させる請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記膨径したカーカスバンドをその外径がトレッドリングの内径より小さくなるまで縮径する請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記保持する時間T(秒)が120秒以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記保持する時間T(秒)が1秒≦T≦120秒である請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 温度20〜100℃の雰囲気下で前記インナーライナー層を塑性変形させる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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