JP2006195257A - レゾネータ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】
閉塞空間に連通する開口部入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材を設けることにより、この仕切り部材により閉塞空間から流出する空気との摩擦面積を大きくすることができ、これにより閉塞空間を可及的大きくすることなく、レゾネータ効果を高めることができ、特に、閉塞空間の容積確保が困難な部位で、かつ低周波騒音を低減させたい時に有効となるレゾネータ構造に提供を目的とする。
【解決手段】
開口部1から該開口部1に連通する閉塞空間2に音波が入射した時、音のエネルギを摩擦によるエネルギに変換して特定の共鳴周波数の騒音を低減するレゾネータ構造であって、上記閉塞空間2に連通する開口部1入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材3を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
閉塞空間に連通する開口部入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材を設けることにより、この仕切り部材により閉塞空間から流出する空気との摩擦面積を大きくすることができ、これにより閉塞空間を可及的大きくすることなく、レゾネータ効果を高めることができ、特に、閉塞空間の容積確保が困難な部位で、かつ低周波騒音を低減させたい時に有効となるレゾネータ構造に提供を目的とする。
【解決手段】
開口部1から該開口部1に連通する閉塞空間2に音波が入射した時、音のエネルギを摩擦によるエネルギに変換して特定の共鳴周波数の騒音を低減するレゾネータ構造であって、上記閉塞空間2に連通する開口部1入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材3を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ヘルムホルツの理論を用いて、開口部から該開口部に連通する閉塞空間(レゾナンスチャンバ)に音波が入射した時、音(空気の圧力変動)のエネルギを摩擦による熱エネルギに変換して特定の共鳴周波数の騒音を低減するようなレゾネータ構造に関する。
従来、車両の騒音を低減する手段としては、吸音材を用いたものがある。すなわち、PETフェルト基材をメイン基材として用い、このメイン基材の両面にフェノール樹脂含浸ガラスマット製の補強材を積層し、さらに、これら補強材の両外面にPETフィルムを積層して、何れか一方のPETフィルムに適宜間隔を隔てて複数の小孔を穿設し、小孔が穿設されたPETフィルムの外面に表皮材を接合して構成されたものを車両用成形天井として用いるものである(特許文献1参照)。
このように、吸音材を用いて剛性および質感を有する成形天井を成形することは、コスト及び品質の面で不利となるうえ、周波数が500〜1000HZの高い周波数の吸音には効果がある反面、低周数域の騒音低減性能を確保することは困難であると共に、上述のように多層構造に形成すると、車両重量が増加するため、燃費が悪化する問題点があった。
一方、ヘルムホルツの理論を用いてレゾネータを構成した従来技術としては次のような各種の構造があった。
つまり、トラックの運転席としてのキャブ構造体の天井部を構成するルーフパネルと、このルーフパネルに形成した補強用ビードとの間の隙間を利用して吸気レゾネータを構成して、騒音を低減するもの(特許文献2参照)、
シートバック上部に設けられるヘッドレストにレゾネータとなる空洞部を設け、この空洞部を、開口部を介して車室内に連通させて、騒音を低減するもの(特許文献3参照)、
リヤウエスト部の連通路を共鳴器のスロート部(いわゆる首部)として車室に連なるレゾネータを構成し、トランクルーム内で発生する低周波騒音の車室内への伝達を低下させるように構成したもの(特許文献4参照)、
車室とトランクルームとをレゾネータの首部としての穴部で連通し、この穴部のフランジの長さと、トランクルームの容積とにより決定されるレゾネータ最大吸音周波数(共鳴周波数と同意)を、車室内の特定のこもり音の周波数域にチューニングし、上記こもり音を低減すべく構成したもの(特許文献5参照)、
がある。
つまり、トラックの運転席としてのキャブ構造体の天井部を構成するルーフパネルと、このルーフパネルに形成した補強用ビードとの間の隙間を利用して吸気レゾネータを構成して、騒音を低減するもの(特許文献2参照)、
シートバック上部に設けられるヘッドレストにレゾネータとなる空洞部を設け、この空洞部を、開口部を介して車室内に連通させて、騒音を低減するもの(特許文献3参照)、
リヤウエスト部の連通路を共鳴器のスロート部(いわゆる首部)として車室に連なるレゾネータを構成し、トランクルーム内で発生する低周波騒音の車室内への伝達を低下させるように構成したもの(特許文献4参照)、
車室とトランクルームとをレゾネータの首部としての穴部で連通し、この穴部のフランジの長さと、トランクルームの容積とにより決定されるレゾネータ最大吸音周波数(共鳴周波数と同意)を、車室内の特定のこもり音の周波数域にチューニングし、上記こもり音を低減すべく構成したもの(特許文献5参照)、
がある。
しかし、これらの各従来構造においては、開口部と、この開口部に連通する閉塞空間としての所定容積のレゾナンスチャンバのみによるものであるから、充分なレゾネータ効果を確保することができず、特に、低周波の騒音を低減させる場合には閉塞空間を大きく設定する必要があり、レゾネータ構造の小型化が困難であった。
特開2000−272432号公報
実開平6−44681号公報
実開平5−74969号公報
特開平10−129525号公報
特開平8−80872号公報
そこで、この発明は、閉塞空間(レゾナンスチャンバ)に連通する開口部入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材を設けることにより、この仕切り部材により閉塞空間から流出する空気との摩擦面積を大きくすることができ、これにより閉塞空間を可及的大きくすることなく、レゾネータ効果を高めることができ、特に、閉塞空間の容積確保が困難な部位で、かつ低周波騒音を低減させたい時に有効となるレゾネータ構造に提供を目的とする。
この発明によるレゾネータ構造は、開口部から該開口部に連通する閉塞空間に音波が入射した時、音のエネルギを摩擦によるエネルギに変換して特定の共鳴周波数の騒音を低減するレゾネータ構造であって、上記閉塞空間に連通する開口部入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材を設けたものである。
上記構成によれば、上記所定箇所に仕切り部材を設けたので、この仕切り部材にて閉塞空間から流出する空気の摩擦面積が増大し、この結果、音のエネルギが熱エネルギーに変換される量が大きくなる。
したがって、閉塞空間(レゾナンスチャンバ)を可及的に大きくすることなく、レゾネータ効果の向上と、レゾネータ構造の小型化とが図れ、特に、閉塞空間の容積確保が困難な部位で、かつ低周波騒音を低減させたい場合に有効となる。
この発明の一実施態様においては、上記仕切り部材は開口部から流入、流出する空気の流入出方向に沿って配設されたものである。
上記構成によれば、仕切り部材が空気の流入、流出を阻害しないので、適切なレゾネータ効果を確保することができる。
上記構成によれば、仕切り部材が空気の流入、流出を阻害しないので、適切なレゾネータ効果を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記仕切り部材は開口部外端を跨ぐ外部空間以外に設定されたものである。
上記構成によれば、仕切り部材を、閉塞空間に対する空気の流入、流出を阻害しない位置に設けるので、レゾネータ効果を確保することができる。
上記構成によれば、仕切り部材を、閉塞空間に対する空気の流入、流出を阻害しない位置に設けるので、レゾネータ効果を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記仕切り部材は開口部を形成する開口壁の長さ範囲以外の部位に設定されたものである。
上記構成によれば、仕切り部材を、閉塞空間に対する空気の流入、流出を阻害しない位置に設けるので、レゾネータ効果を確保することができる。
上記構成によれば、仕切り部材を、閉塞空間に対する空気の流入、流出を阻害しない位置に設けるので、レゾネータ効果を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記仕切り部材は開口部と同等の長さに設定されたものである。
上記構成によれば、仕切り部材の長さにより適切な摩擦面積を確保することができる。
上記構成によれば、仕切り部材の長さにより適切な摩擦面積を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記仕切り部材は開口部入口直下において開口部を二分するように配設されたものである。
上記構成によれば、空気の流入出が均等に二分され、共鳴現象を阻害することなく、摩擦面積の確保ができる。
上記構成によれば、空気の流入出が均等に二分され、共鳴現象を阻害することなく、摩擦面積の確保ができる。
この発明の一実施態様においては、上記仕切り部材の肉厚は開口部直径の1/6またはそれ以下に設定されたものである。
上記構成によれば、仕切り部材の肉厚設定により、開口部からの空気の流入を確保しつつ、摩擦面積を確保することができる。因に、仕切り部材の肉厚が1/6を超過すると、開口部からの空気の流入が阻害され、所期のレゾネータ効果が得られなくなるので、上記値に設定するものである。
上記構成によれば、仕切り部材の肉厚設定により、開口部からの空気の流入を確保しつつ、摩擦面積を確保することができる。因に、仕切り部材の肉厚が1/6を超過すると、開口部からの空気の流入が阻害され、所期のレゾネータ効果が得られなくなるので、上記値に設定するものである。
この発明の一実施態様においては、上記仕切り部材は開口部直下から閉塞空間内方へ所定量延設されたものである。
上記構成によれば、仕切り部材の延設構造により、摩擦面積の拡大を図ることができるので、レゾネータ効果の向上を図ることができる。
上記構成によれば、仕切り部材の延設構造により、摩擦面積の拡大を図ることができるので、レゾネータ効果の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記仕切り部材を閉塞空間内方へ延設する所定量は、閉塞空間の深さの1/2またはそれ以下に設定されたものである。
上記構成によれば、閉塞空間での共鳴現象を確保しつつ、摩擦面積の増大を図ることができる。因に、仕切り部材の延設量が閉塞空間の深さの1/2を超えると、共鳴現象が阻害され、所期のレゾネータ効果が得られなくなるので、上記値に設定するものである。
上記構成によれば、閉塞空間での共鳴現象を確保しつつ、摩擦面積の増大を図ることができる。因に、仕切り部材の延設量が閉塞空間の深さの1/2を超えると、共鳴現象が阻害され、所期のレゾネータ効果が得られなくなるので、上記値に設定するものである。
この発明によれば、閉塞空間に連通する開口部入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材を設けたので、この仕切り部材により閉塞空間から流出する空気との摩擦面積を大きくすることができ、これにより閉塞空間を可及的大きくすることなく、レゾネータ効果を高めることができ、特に、閉塞空間の容積確保が困難な部位で、かつ低周波騒音を低減させたい時に有効となる効果がある。
閉塞空間から流出する空気との摩擦面積の増大を図って、該閉塞空間を可及的大きくすることなく、レゾネータ効果を高め、特に、閉塞空間の容積確保が困難な部位で、かつ、低周波騒音を低減させる場合に有効になるという目的を、閉塞空間に連通する開口部入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材を設けるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はレゾネータ構造を示し、図1(イ)は実施例品Aの斜視図、図1(ロ)および図1(ハ)は図1(イ)のそれぞれ異なる方向からの断面図(この点に関しては図3〜図7についても同様である)であって、このレゾネータ構造は直径X、管長(スロートの長さ)Lの円筒状の開口部1と、この開口部1に連通する拡張室としての閉塞空間2(以下、レゾナンスチャンバと略記する)とを備え、該レゾナンスチャンバ2の深さをYに設定している。
図面はレゾネータ構造を示し、図1(イ)は実施例品Aの斜視図、図1(ロ)および図1(ハ)は図1(イ)のそれぞれ異なる方向からの断面図(この点に関しては図3〜図7についても同様である)であって、このレゾネータ構造は直径X、管長(スロートの長さ)Lの円筒状の開口部1と、この開口部1に連通する拡張室としての閉塞空間2(以下、レゾナンスチャンバと略記する)とを備え、該レゾナンスチャンバ2の深さをYに設定している。
ここで、開口部1の開口面積をS、管長をL、レゾナンスチャンバ2の容積をVとする時、共鳴周波数(f0)は次の[数1]で求めることができる。
上述の共鳴周波数(吸音周波数)を低周波に設定すべく、各部の寸法が決定されるが、この実施例ではf0=408HZとなるように各部の寸法が設定されており、レゾナンスチャンバ2の深さYは12cmに設定されている。
また、上述のレゾナンスチャンバ2の連通する開口部1の入口直下には開口空間を均等に仕切る所定長さの仕切り部材3が設けられている。
この仕切り部材3は開口部1から流入、流出する空気(入射、再放出する空気)の流入出方向に沿うように配設されている。しかも、該仕切り部材3は開口部1の外端を跨ぐ外部空間以外に設定されている。つまり、この仕切り部材3は開口部1から外方に飛び出さないように配設されている。さらに、該仕切り部材3は開口部1を形成する開口壁1aの長さ(つまり管長L)の範囲以外の部位となるように、開口部1の入口直下に設けられている。
この仕切り部材3は開口部1から流入、流出する空気(入射、再放出する空気)の流入出方向に沿うように配設されている。しかも、該仕切り部材3は開口部1の外端を跨ぐ外部空間以外に設定されている。つまり、この仕切り部材3は開口部1から外方に飛び出さないように配設されている。さらに、該仕切り部材3は開口部1を形成する開口壁1aの長さ(つまり管長L)の範囲以外の部位となるように、開口部1の入口直下に設けられている。
また、図1(ハ)に示すように、上述の仕切り部材3は開口部1と同等の長さに設定されている。つまり、仕切り部材3の長さbが開口部1の直径Xとほぼ等しくなるように設定されている。
さらに図2示すように、上述の仕切り部材3は開口部1の入口直下において平面から見て開口部1を均等に二分するように配設されている。
さらに図2示すように、上述の仕切り部材3は開口部1の入口直下において平面から見て開口部1を均等に二分するように配設されている。
加えて、上述の仕切り部材3の肉厚tは開口部1の直径Xの1/6またはそれ以下になるように設定されている。この実施例品Aの肉厚tはX/6(つまり1/6)に設定されている。
また、上述の仕切り部材3は開口部1の直下からレゾナンスチャンバ2内方へ所定量延設され、その延設量aはレゾナンスチャンバ2の深さYの1/2またはそれ以下に設定されている。この実施例品Aではa=(1/6)Yの2cmに設定されている。
図1、図2に示す実施例品Aのレゾネータ構造において、開口部1から該開口部1に連通するレゾナンスチャンバ2に音波が入射すると、このレゾナンスチャンバ2内で共鳴現象が発生し、開口部1から入る空気とレゾナンスチャンバ2から開口部1を介して出る空気との間で空気通過時の粘性によるエネルギ損失に加えて、レゾナンスチャンバ2から出る空気が仕切り部材3および開口部1の内壁面と摩擦して、音のエネルギが摩擦による熱エネルギに変換されるので、騒音を低減することができる。
この図1、図2に示す実施例品Aの周波数に対する音圧の特性(図13参照)を実測し、f0=408HZにおいて騒音低減の効果代を求めると図8のようになる。つまり、この実施例品Aの効果代は4.5dBで、図5に示す仕切り部材3が全くない従来例品Dの効果代4.3dBに対して、レゾネータ効果の向上が認められた。なお、図5に示す従来例品Dは仕切り部材3を有さない点が図1と異なるのみで、各部の寸法等の他の条件は図1と同一に設定されている。
図3(イ)、(ロ)、(ハ)は実施例品Bを示し、この実施例品Bにおいては仕切り部材3の開口部1の直下からレゾナンスチャンバ2内方への延設量aを、レゾナンスチャンバ2の深さYの1/2.4としての5cmに設定し、各部の寸法等の他の条件は図1と同一に設定したものである。
この図3に示す実施例品Bの周波数に対する音圧の特性を実測し、f0=408HZにおいて騒音低減の効果代を求めると図8に示す如く、効果代=5.8dBとなる。
このように、仕切り部材3の延設量aを所定範囲において大きく設定すると、レゾナンスチャンバ2から再放射される空気の摩擦面積が増大し、この分、熱エネルギに変換される量が増加するので、良好な効果代が認められる。
図4(イ)、(ロ)、(ハ)は実施例品Cを示し、この実施例品Cにおいては仕切り部材3の開口部1の直下からレゾナンスチャンバ2内方への延設量aを、レゾナンスチャンバ2の深さYの1/1.714としての7cmに設定し、各部の寸法等の他の条件は図1と同一に設定したものである。
この図4に示す実施例品Cの周波数に対する音圧の特性を実測し、f0=408HZにおいて騒音低減の効果代を求めると図8に示す如く、効果代=5.5dBとなる。
このように、仕切り部材3の延設量aを実施例品Bよりもさらに大きく設定すると、実施例品Aに対しては効果代が向上するものの、実施例品Bに対しては効果代が小さくなる。このことは仕切り部材3の延設量aがレゾナンスチャンバ2の深さYの1/2を超過すると、レゾナンスチャンバ2内での共鳴現象が順次阻害されて、効果代が小さくなることを示している。
図6(イ)、(ロ)、(ハ)は比較例品Eを示し、この比較例品Eにおいては高さ2cmの仕切り部材3を、開口部1を形成する開口壁1aの長さ範囲に設定し、各部の寸法等の他の条件は図1と同一に設定したものである。
この図6に示す比較例品Eの周波数に対する音圧の特性を実測し、f0=408HZにおいて騒音低減の効果代を求めると図8に示す如く、効果代=3.9dBとなる。
つまり、仕切り部材3を、開口部1を形成する開口壁1aのエリア内に設けると、該開口部1を介してレゾナンスチャンバ2内に流入する空気の入射が阻害されるので、仕切り部材3のない従来例品Dに対して効果代が低下する。
図7(イ)、(ロ)、(ハ)は比較例品Fを示し、この比較例品Fにおいては高さ2cmの仕切り部材3を、開口部1の外端を跨ぐ外部空間に設定し、各部の寸法等の他の条件は図1と同一に設定したものである。
この図7に示す比較例品Fの周波数に対する音圧の特性を実測し、f0=408HZにおいて騒音低減の効果代を求めると図8に示す如く、効果代=2.4dBとなる。
すなわち、仕切り部材3を開口部1から飛び出したように配設すると、該開口部1を介してレゾナンスチャンバ2内に流入する空気の入射が大幅に阻害されるので、仕切り部材3が全くない従来例品Dに対して効果代が著しく低下する。
図9は、図5で示した従来例品D(つまり仕切り部材3がなく、肉厚t=0のもの)と、図1で示した実施例品A(仕切り部材3の肉厚tが直径Xの1/6のもの)と、図1の構成下において仕切り部材3の肉厚tを直径Xに対して1/5、1/4、1/3と順次厚く形成したものとを比較して示す効果代の比較特性図であって、開口部1の直径Xに対して仕切り部材3の肉厚tが1/6の実施例品Aにおいてはレゾナンス効果が得られるが、仕切り部材3の肉厚tを1/5、1/4、1/3と順次厚く設定すると、効果代は4.3dB、3.5dB、2.3dBと順次低下し、所期のレゾナンス効果が得られなくなる。
つまり、仕切り部材3の肉厚tが過大になると、開口部1からの空気の入射が阻害され、レゾナンス効果を確保することが不可能となる。
このように上記実施例のレゾネータ構造は、開口部1から該開口部1に連通するレゾナンスチャンバ2に音波が入射した時、音のエネルギを摩擦によるエネルギに変換して特定の共鳴周波数f0の騒音を低減するレゾネータ構造であって、上記レゾナンスチャンバ2に連通する開口部1入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材3を設けたものである。
このように上記実施例のレゾネータ構造は、開口部1から該開口部1に連通するレゾナンスチャンバ2に音波が入射した時、音のエネルギを摩擦によるエネルギに変換して特定の共鳴周波数f0の騒音を低減するレゾネータ構造であって、上記レゾナンスチャンバ2に連通する開口部1入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材3を設けたものである。
この構成によれば、上記所定箇所に仕切り部材3を設けたので、この仕切り部材3にてレゾナンスチャンバ2から流出する空気(再放射される空気)の摩擦面積が増大し、この結果、音のエネルギが熱エネルギーに変換される量が大きくなる。
したがって、レゾナンスチャンバ2を可及的に大きくすることなく、レゾネータ効果の向上と、レゾネータ構造の小型化とが図れ、特に、レゾナンスチャンバ2の容積確保が困難な部位で、かつ低周波騒音を低減させたい場合に有効となる。
しかも、上記仕切り部材3は開口部1から流入、流出する空気の流入出方向に沿って配設されたものである。
この構成によれば、仕切り部材3が空気の流入、流出を阻害しないので、適切なレゾネータ効果を確保することができる。
また、上記仕切り部材3は開口部1の外端を跨ぐ外部空間以外に設定されたものである。つまり、図7で示した比較例品Fの構造を採用しないものである。
また、上記仕切り部材3は開口部1の外端を跨ぐ外部空間以外に設定されたものである。つまり、図7で示した比較例品Fの構造を採用しないものである。
この構成によれば、仕切り部材3を、レゾナンスチャンバ2に対する空気の流入、流出を阻害しない位置に設けるので、レゾネータ効果を確保することができる。
さらに、上記仕切り部材3は開口部1を形成する開口壁1aの長さ範囲以外の部位に設定されたものである。つまり、図6で示した比較例品Eの構造を採用しないものである。
この構成によれば、仕切り部材3を、レゾナンスチャンバ2に対する空気の流入、流出を阻害しない位置に設けるので、レゾネータ効果を確保することができる。
加えて、上記仕切り部材3は開口部1と同等の長さに設定されたものである(
図1(ハ)、図2参照)。
この構成によれば、仕切り部材3の長さにより適切な摩擦面積を確保することができる。
図1(ハ)、図2参照)。
この構成によれば、仕切り部材3の長さにより適切な摩擦面積を確保することができる。
また、上記仕切り部材3は開口部1の入口直下において開口部1を二分するように配設されたものである(図2参照)。
この構成によれば、空気の流入出が均等に二分され、共鳴現象を阻害することなく、摩擦面積の確保ができる。
この構成によれば、空気の流入出が均等に二分され、共鳴現象を阻害することなく、摩擦面積の確保ができる。
さらに、上記仕切り部材3の肉厚tは開口部1の直径Xの1/6またはそれ以下に設定されたものである。
この構成によれば、仕切り部材3の肉厚設定により、開口部1からの空気の流入を確保しつつ、摩擦面積を確保することができる。因に、仕切り部材の肉厚が1/6を超過すると、開口部からの空気の流入が阻害され、所期のレゾネータ効果が得られなくなるので、上記値に設定するものである。
この構成によれば、仕切り部材3の肉厚設定により、開口部1からの空気の流入を確保しつつ、摩擦面積を確保することができる。因に、仕切り部材の肉厚が1/6を超過すると、開口部からの空気の流入が阻害され、所期のレゾネータ効果が得られなくなるので、上記値に設定するものである。
しかも、上記仕切り部材3は開口部1の直下からレゾナンスチャンバ2内方へ所定量延設されたものである。
この構成によれば、仕切り部材3の延設構造により、摩擦面積の拡大を図ることができるので、レゾネータ効果の向上を図ることができる。
この構成によれば、仕切り部材3の延設構造により、摩擦面積の拡大を図ることができるので、レゾネータ効果の向上を図ることができる。
また、上記仕切り部材3をレゾナンスチャンバ2の内方へ延設する所定量(延設量a参照)は、レゾナンスチャンバ2の深さYの1/2またはそれ以下に設定されたものである。
この構成によれば、レゾナンスチャンバ2での共鳴現象を確保しつつ、摩擦面積の増大を図ることができる。因に、仕切り部材の延設量が閉塞空間の深さの1/2を超えると、共鳴現象が次第に阻害される傾向となり、所期のレゾネータ効果が得られなくなるので、上記値に設定するものである。
この構成によれば、レゾナンスチャンバ2での共鳴現象を確保しつつ、摩擦面積の増大を図ることができる。因に、仕切り部材の延設量が閉塞空間の深さの1/2を超えると、共鳴現象が次第に阻害される傾向となり、所期のレゾネータ効果が得られなくなるので、上記値に設定するものである。
図10はレゾネータ構造の他の実施例を示し、この図10に示す実施例では図1で示した実施例(実施例品A参照)の構成に加えて、仕切り部材3の長手方向中間部に、空気の出入方向に沿う凹部3aを形成し、レゾナンスチャンバ2から流出する空気の摩擦面積をさらに増大して、レゾネータ効果のさらなる向上を図ったものである。
図11はレゾネータ構造のさらに他の実施例を示し、この図11に示す実施例では図1(ハ)で示した仕切り部材3を、レゾナンスチャンバ2内方へ突出するように湾曲させたもので、肉厚t、長さbについては図1(ハ)の構造と同等に設定している。このように、仕切り部材3を湾曲形状に形成すると、開口部1から空気がより一層流入しやすくなるので、図1(ハ)で示した実施例品Aに対して、レゾネータ効果が向上するものと推考される。
図12は、図1(ハ)で示したレゾネータ構造を車両用内装材と一体形成したもので、車体を構成するインナパネル4と、このインナパネル4の車室側に設けられるトリム部材5との間にレゾナンスチャンバ2を形成し、トリム部材5には開口部1および仕切り部材3を一体形成したものである。
図1(ハ)の構造によりレゾネータ効果の向上を図ることができるので、この構成を図12に示すように車両用内装材に適用することによって、レゾナンスチャンバ2の容積確保が比較的困難な車室内であっても、既存の部材(インナパネル4、トリム部材5参照)を有効利用しつつ、レゾネータ構造を確保することができ、低周波の騒音が低減できるので、乗員の快適性向上を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の閉塞空間は、実施例のレゾナンスチャンバ2に対応し、
以下同様に、
特定の共鳴周波数は、408HZに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
この発明の閉塞空間は、実施例のレゾナンスチャンバ2に対応し、
以下同様に、
特定の共鳴周波数は、408HZに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
すなわち、上記構成のレゾネータ構造は車室内のみならずエンジンルームにも適用でき、また、特定の共鳴周波数は、開口部1の直径Xとレゾナンスチャンバ2の容積Vとのチューニングにより408HZ以下のロードノイズに対応する低周波に設定してもよい。さらに、開口部1の形状は円形に限定されることなく、楕円形や方形状等の非円形であってもよい。
1…開口部
1a…開口壁
2…レゾナンスチャンバ(閉塞空間)
3…仕切り部材
1a…開口壁
2…レゾナンスチャンバ(閉塞空間)
3…仕切り部材
Claims (9)
- 開口部から該開口部に連通する閉塞空間に音波が入射した時、音のエネルギを摩擦によるエネルギに変換して特定の共鳴周波数の騒音を低減するレゾネータ構造であって、
上記閉塞空間に連通する開口部入口直下に開口空間を仕切る所定長さの仕切り部材を設けた
レゾネータ構造。 - 上記仕切り部材は開口部から流入、流出する空気の流入出方向に沿って配設された
請求項1記載のレゾネータ構造。 - 上記仕切り部材は開口部外端を跨ぐ外部空間以外に設定された
請求項1または2記載のレゾネータ構造。 - 上記仕切り部材は開口部を形成する開口壁の長さ範囲以外の部位に設定された
請求項1または2記載のレゾネータ構造。 - 上記仕切り部材は開口部と同等の長さに設定された
請求項1〜4の何れか1に記載のレゾネータ構造。 - 上記仕切り部材は開口部入口直下において開口部を二分するように配設された
請求項1〜5の何れか1に記載のレゾネータ構造。 - 上記仕切り部材の肉厚は開口部直径の1/6またはそれ以下に設定された
請求項1〜6の何れか1に記載のレゾネータ構造。 - 上記仕切り部材は開口部直下から閉塞空間内方へ所定量延設された
請求項1〜7の何れか1に記載のレゾネータ構造。 - 上記仕切り部材を閉塞空間内方へ延設する所定量は、閉塞空間の深さの1/2またはそれ以下に設定された
請求項8記載のレゾネータ構造。
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