JPH10236333A - 自動車のダッシュパネル - Google Patents

自動車のダッシュパネル

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JPH10236333A
JPH10236333A JP4389397A JP4389397A JPH10236333A JP H10236333 A JPH10236333 A JP H10236333A JP 4389397 A JP4389397 A JP 4389397A JP 4389397 A JP4389397 A JP 4389397A JP H10236333 A JPH10236333 A JP H10236333A
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JP
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panel
dash panel
noise
projection
engine
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JP4389397A
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English (en)
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Keisuke Kimura
計介 木村
Hitoshi Tanaka
田中  均
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの騒音を効果的に吸収でき、特に補
強部材を設けることなく曲げ剛性を高めた自動車のダッ
シュパネルを提供する。 【解決手段】 ダッシュパネル12はインナパネル16
とアウタパネル18からなる二重壁構造を有しており、
アウタパネル18には、エンジンルーム8に向けて突出
した中空の突起20が分布して形成されている。この突
起20は、インナパネル16の内面側の一端面が開口し
ており、エンジンルーム8側の他端面が閉塞され、この
他端面には孔24が設けられている。エンジンの騒音
は、ダッシュパネル12により遮蔽されるとともに突起
20内にて吸収される。また、ダッシュパネル12は、
アウタパネル18に突起20が形成されていることによ
り、全体として横方向への曲げ剛性が高められている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンの騒音
を吸収するとともに、剛性を高めた自動車のダッシュパ
ネルに関する。
【0002】
【関連する背景技術】自動車のボディは、エンジンルー
ムと車室内との間がダッシュパネルにより仕切られてい
る。このダッシュパネルに遮音部材を使用すれば、車室
内に侵入するエンジンの騒音をある程度遮ることができ
る。更に、ダッシュパネルを2枚の板部材からなる二重
壁構造とし、これら板部材の間に遮音材又は吸音材をサ
ンドイッチにしたダッシュパネルも開発されている。
【0003】この種の二重壁構造を有したダッシュパネ
ルは、例えば、特開平5−058348号公報に開示さ
れている。このダッシュパネルでは、エンジンルーム側
の外板部材は一枚板の隔壁からなり、その一方で、車室
側の内板部材には多数の小孔が設けられ、これら板部材
の間には吸音材としての発泡材が挿入されている。エン
ジンの騒音は、外板部材により遮蔽され、一方、車室内
に侵入した騒音や車室内で発生した騒音は、内板部材の
小孔を介して発泡材内に侵入し、ここで吸収されるよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車室内に伝
播されるエンジンの騒音には、エンジンの発する放射音
がダッシュパネルを透過して直接的に伝わる空気伝播音
と、エンジンの振動がエンジンマウントを介してダッシ
ュパネル伝わり、ダッシュパネルが励振されて車室内に
騒音を放射する固体伝播音とがある。
【0005】上述したダッシュパネルは、一度車室内に
侵入した騒音を発泡材にて吸収することで、車室内の騒
音を低減することができる点で有効である。しかしなが
ら、このダッシュパネルでは、エンジンルームから車室
内へ侵入する騒音、つまり、エンジンの放射音をその外
板部材にて遮蔽するのみで、放射音を吸収することはで
きず、空気伝播音自体のレベルを低減することはできな
い。従って、遮音効果を高めるためには外板部材を厚く
する必要があり、ダッシュパネル自体の重量増加を招い
てしまう。また、ダッシュパネル全体の振動低減、つま
り、固体伝播音の低減については何ら考慮されていな
い。この点、両板部材にビードやリーンホースを設けて
ダッシュパネル全体の剛性を高め、その振動を抑えるこ
とが考えられるが、これもまたダッシュパネル全体の重
量を増加させてしまい、自動車のボディに施す対策とし
ては適当でない。
【0006】この発明は上述した事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、車室外から車室内
へ伝わる騒音を効果的に吸収することができ、重量を増
加させることなく振動の発生を抑制することができる自
動車のダッシュパネルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の自動車のダッシュパネルは、車両のエン
ジンルームと車室とを区画するダッシュパネルにおい
て、エンジンルームに面して設置されたアウタパネル
と、アウタパネルのエンジンルーム側の表面に分布して
突設され、アウタパネルの内面側の一端面が開口し、他
端面が閉塞された中空の突起と、突起の他端面に形成さ
れた貫通孔と、アウタパネルと一定の間隔を存し且つ車
室に面して設置され、突起の他端面との間に吸音空洞を
形成するインナパネルとを備えている。
【0008】請求項1の自動車のダッシュパネルによれ
ば、エンジンルーム内からアウタパネルにおける各突起
の貫通孔を通じて吸音空洞内に入射した音波は、インナ
パネルにて反射され、この反射波と次の入射音波とは共
鳴による吸音作用、または、互いに干渉して打ち消さ
れ、エンジン騒音はエンジンルーム内から車室内に伝播
されることなく吸収される。
【0009】また、ダッシュパネルは、アウタパネルと
インナパネルの2枚の板部材からなる二重壁構造を有す
るとともに、アウタパネルは突起の分布により、その曲
げ剛性が高められる。請求項2の自動車のダッシュパネ
ルは、その吸音空洞に発泡材が配置されている。この場
合、吸音空洞内では、上述した吸音作用に加え、エンジ
ンの騒音は発泡材によっても吸収される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、自動車のボデ
ィ1の一部、つまり、フロントフェンダ2の全体と、サ
イドメンバ3、ルーフパネル4及びフロアパネル5がそ
れぞれ示されている。また、エンジン6が収納されるエ
ンジンルーム8と車室10との間は、ダッシュパネル1
2により区画されている。
【0011】図2を参照すると、ダッシュパネル12を
中心としたボディ1の縦断面が拡大して詳細に示されて
いる。公知のように、ダッシュパネル12はフロントデ
ッキ14からフロアパネル5までの間を閉塞する隔壁で
あって、この実施例の場合、ダッシュパネル12は、イ
ンナパネル16とアウタパネル18からなる二重壁構造
を有している。同図から明らかなように、インナパネル
16は平坦な板部材からなり、車室10に面している。
一方、アウタパネル18はインナパネル16と適当な間
隔を存して略平行に配置されており、エンジンルーム8
に面している。また、アウタパネル18の表面にはエン
ジンルーム8に向けて突起20が分布して形成されてい
る。
【0012】図3及び図4には、一つの突起20が拡大
して示されている。なお、図3は突起20の斜視図であ
り、図4はその縦断面図である。これら図3及び図4に
示すように、突起20は中空の円柱形状をなしており、
エンジンルーム8に向けて突設されている。突起20の
中空内部は、インナパネル16側となる一端面にて開口
されているが、これに対しエンジンルーム8側の他端面
にはヘッドプレート22があって、ここでは開口されて
いない。ただし、ヘッドプレート22の中央位置には円
形の孔24が形成されている。従って、突起20の中空
内部は、その一端開口を介してインナパネル16とアウ
タパネル18との間の空間に連通し、そして、孔24を
介してエンジンルーム8に連通している。このような突
起20は、例えば、アウタパネル18を押出しプレス加
工し、この後、ヘッドプレート22に孔24を貫通加工
することで得ることができる。
【0013】エンジンルーム8内には、ダッシュパネル
12の近傍にエンジン6が配置される。車室10内に
は、エンジン6にて発生した放射音がダッシュパネル1
2を透過して直接的に空気伝播音として伝わろうとする
が、この騒音は、ダッシュパネル12により遮られ、こ
れにより、エンジン6の騒音がエンジンルーム8から車
室内へ直接に侵入するのを防止することができる。そし
て、このときダッシュパネル12により騒音の吸収もま
た行われ、これにより騒音レベルが低減される。以下に
は、このときのダッシュパネル12の吸音特性について
説明する。
【0014】図5に示すように、突起20は、ヘッドプ
レート22とその孔24からなる、あなあき板材料の背
後に空気層をおいた共鳴箱、つまり、ヘルムホルツ共鳴
箱として考えることができる。なお、このときの背後空
気層(吸音空洞)は、同図に領域Aで示すように、突起
20の中空内部をインナパネル16内面にまで拡大して
得られる円柱状の空気層となる。
【0015】ここで、エンジン6の騒音がダッシュパネ
ル12にあたると、騒音は各突起20内にて共鳴を起こ
し、そして吸収される。以下に突起20の吸音特性につ
いて説明すると、各突起20が最大の吸音効果を発揮す
る最大吸音周波数f(Hz)は次式(1)で表される。 f=c/(2π)・{s/(t・v)}1/2 …(1) ここに、 c:音速(m/s) s:孔24の開口面積(m2) t:ヘッドプレート22の板厚(m) v:背後空気層の体積(m3) である。
【0016】ダッシュパネル12の吸音特性、つまり、
吸音可能な騒音の最大周波数fは、上式(1)に示すよ
うに、孔24の開口面積s、ヘッドプレート22の板厚
t及び背後空気層の体積vに依存する。これらのうち、
ヘッドプレート22の板厚tは、アウタパネル18の板
材料の板厚により決定されるが、孔24の開口面積sと
背後空気層の体積vについては可変可能である。従っ
て、突起20における背後空気層の大きさと、孔24の
開口の大きさを可変させれば、ダッシュパネル12全体
としての最大吸音周波数fの値域を可変させることがで
きる。なお、背後空気層の大きさについては、その直径
Dの値だけを調整することで可変可能であり、この場
合、その高さLの値については調整の必要がない。つま
り、各突起20の成形加工において、その中空内部の直
径と、孔24の開口面積だけを可変させればよい。従っ
て、突起20の突出部分の長さはアウタパネル18全体
として一律に成形することもできる。
【0017】図6を参照すると、アウタパネル18がエ
ンジンルーム8側から示されている。同図に示すよう
に、各突起20の大きさ、つまり、ヘッドプレート22
及び孔24の径は一定でなく、いろいろな大きさからな
っている。また、突起20の配置も不規則なものになっ
ている。図6に示されているように各突起20は、いろ
いろな大きさに形成されている。この場合、各突起20
の大きさ、つまり、その中空内部の大きさと孔24の開
口の大きさによって各突起20の最大吸音周波数fがそ
れぞれ異なり、その周波数の値の上限と下限の範囲内に
て、ダッシュパネル12全体としての吸音周波数fの値
域が設定される。従って、エンジン6からダッシュパネ
ル12に放射される騒音は、ダッシュパネル12全体と
しての吸音周波数fの値域内にて、各周波数の騒音がま
んべんなく吸収される。
【0018】図7を参照すると、ダッシュパネル12の
吸音特性を領域別に可変させた一例が示されている。即
ち、同図に示すダッシュパネル12上の領域R1,R
2,R3では、その吸音特性、つまり、各領域全体での
吸音周波数fの値域がそれぞれで異なっている。例え
ば、ダッシュパネル12上の領域R1に対しては、エン
ジン6から周波数f1の騒音N1が多く放射されること
がわかっているとき、この領域R1には、最大吸音周波
数f1をカバーすることができる特性を持つ突起20a
が多く分布して形成されている。従って、領域R1にお
ける吸音特性は、周波数f1を中心とした値域にて設定
される。その他の領域R2,R3についても同様に、放
射される騒音N2,N3の周波数f2,f3に応じた最
大吸音周波数f2,f3をカバーする突起20b,20
cがそれぞれ多く分布して形成されている。従って、領
域R2では周波数f2、また、領域R3では周波数f3
を中心として、それぞれの領域R2,R3における吸音
特性が設定されている。
【0019】このようなダッシュパネル12に対してエ
ンジン6から騒音N1,N2,N3を含む騒音が放射さ
れると、各騒音N1,N2,N3はそれぞれ、ダッシュ
パネル12上の領域R1,R2,R3にて多く吸収され
る。また、その他の周波数の騒音も、ダッシュパネル1
2の全領域でまんべんなく吸収される。なお、このよう
なダッシュパネル12の領域分けは、上記の例のように
3領域だけでなく、吸音特性の異なる多数の突起20の
分布により4領域以上とすることもできる。また、領域
が分割される方向については、ダッシュパネル12上を
横方向に分割されたものでもよいし、或いは、縦方向及
び横方向の両方向に組み合わせて分割されていてもよ
い。また、上記のように明確な境界線による領域分けを
せずに、ダッシュパネル12上にて吸音特性の異なる複
数種類の突起20の分布密度を徐々に変化させ、その吸
音周波数の値域をなだらかに可変させることも可能であ
る。その他、例えばエンジン6のシリンダヘッド近傍に
位置するダッシュパネル12の領域には、シリンダヘッ
ドから発せられる騒音の周波数に応じた値域を設定した
り、吸・排気マニホールドや、過給用タービン等、それ
ぞれの騒音の異なる周波数に応じた値域を設定すること
も可能である。
【0020】以上のようなヘルムホルツ共鳴による騒音
の吸収のほか、各突起20では、音波の干渉による騒音
の吸収もまた行われる。図8を参照すると、突起20に
おける音波の干渉モデルが示されている。この場合に
も、突起20の中空内部はインナパネル16の内面にま
で拡大して得られる円柱状の空間として考える。いま、
音波S1が孔24を介して突起20の中空内部に入る
と、この音波S1はインナパネル16内面にて反射さ
れ、入射波とは逆位相の反射波となる。このとき、続い
てこの中空内部に入ってくる音波S2と、反射された音
波S1との間で相互に干渉が起きる。従って、突起20
の中空内部にて、このような音波の干渉による騒音の吸
収が行われる。この場合の突起20の吸音特性について
説明すると、各突起20における最大吸音周波数fs
(Hz)は次式(2)で表される。
【0021】 fs=c/(4・L) …(2) ここに、 c:音速(m/s) L:円柱状空間の深さ(m) である。
【0022】この場合、吸音可能な騒音の周波数fs
は、空間深さLのみに依存する。従って、各突起20の
形成において、その中空内部の空間深さ、つまり、突起
20の突出部分の長さや、インナパネル16とアウタパ
ネル18との間の間隔を可変させれば、ダッシュパネル
12全体としての吸音周波数fsの値域を可変させるこ
とができ、その値域は各突起20における中空内部の空
間深さに基づいて設定される。エンジン6から放射され
る騒音は、このときの吸音周波数fsの値域内にて、各
周波数の騒音がまんべんなく吸収される。
【0023】図9を参照すると、エンジン6の騒音の周
波数と、ダッシュパネル12の吸音率との関係の一例が
示されている。この場合、ダッシュパネル12の吸音周
波数の値域は、各突起20におけるヘルムホルツ共鳴に
よる吸音周波数faと、音波の干渉による吸音周波数f
bをそれぞれ中心として設定されている。同図に示すよ
うに、ダッシュパネル12の吸音率は、これら周波数f
a,fb付近で特に大きくなっており、ダッシュパネル
12は、この付近での周波数の騒音を効果的に吸収する
ことができる。なお、周波数fa,fbの値は、乗員に
とって特に不快となる騒音の周波数域に基づいて適切に
設定されることが望ましい。
【0024】次に、エンジン6の振動がエンジンマウン
トを介してダッシュパネル12に伝わり、ダッシュパネ
ルが励振される場合について説明する。ダッシュパネル
12を強度部材として考えた場合、ダッシュパネル12
は、エンジン6の起振力によって前後に繰り返し曲げを
受ける弾性板部材として考えることができる。図10を
参照すると、ダッシュパネル12の断面が示されてい
る。同図において、曲げ方向に対するダッシュパネル1
2の中立軸X−Xは、インナパネル16とアウタパネル
18の間に位置し、また、インナパネル16に対して平
行である。ダッシュパネル12全体の断面特性は、アウ
タパネル18の各突起20の突出部分によって、平板を
単に2枚並べた場合とは異なったものとなっている。即
ち、ダッシュパネル12の断面の図心位置は曲げ方向で
みてアウタパネル18側に変位しており、また、中立軸
X−Xから離れた位置にある各突起20の断面部分によ
り、全体としてX−X軸に関する断面二次モーメントが
大きくなっている。従って、ダッシュパネル12は、単
に平板を2枚並べた場合より面外方向への曲げ剛性が高
く、エンジン6の起振力に対して励振されにくい構造と
なっている。
【0025】上述したダッシュパネルによれば、突起2
0の形状、つまり、その中空内部の大きさや孔24の開
口の大きさを可変させることで、吸音周波数の値域を広
範囲に設定することができる。従って、いろいろな周波
数の騒音をまんべんなく吸収することができる。また、
上述のようにエンジン6から放射される騒音の周波数域
がダッシュパネル12上の領域別でわかっていれば、そ
の騒音の周波数域に応じた吸音特性をダッシュパネル1
2に与えることにより、特定の周波数域での騒音を領域
別に効果的に無駄なく吸収することができる。その他、
ダッシュパネル12には、エンジン6からの騒音だけで
なく、例えば、エンジン6の補機類から発生する騒音や
走行中のロードノイズに対する吸音効果を持たせること
もできる。
【0026】また、アウタパネル18に突起20を形成
するだけの簡単な構造で、ダッシュパネル12が励振さ
れにくくなり、車室10内に放射する固体伝播音を低減
することができる。従って、特にダッシュパネル12に
ビードやリーンホースを設ける必要がない。次に、その
他の実施例として、図11を参照すると突起20の中空
内部に発泡材26を充填した場合の実施例が示されてい
る。この場合、各突起20の内部は上述のヘルムホルツ
共鳴箱としては作用しないが、音波の干渉による吸音は
可能である。そして、このとき同時に発泡材26による
吸音も可能となる。従って、エンジン6の騒音レベルを
大きく低減することができる。
【0027】また、図12には、インナパネル16とア
ウタパネル18との間に遮音材28を挿入した場合の実
施例が示されている。この場合、上述のヘルムホルツ共
鳴箱としての背後空気層の体積vは、単に突起20の中
空内部の体積にて設定される。騒音の吸収は上述の実施
例と同様に、ヘルムホルツ共鳴及び音波の干渉により行
われ、そして、遮音材28により騒音の遮蔽がより確実
に行われる。
【0028】なお、上記の2つの実施例は、組み合わせ
て使用することができる。即ち、各突起20の中空内部
には発泡材26を充填し、インナパネル16とアウタパ
ネル18の間には遮音材28を挿入することもできる。
この発明は上述した実施例に制約されるものではない。
例えば、図13に示すように、突起20の形状を実施例
のような円柱形状ではなく、四角柱形状とすることがで
きる。この場合でも、ダッシュパネル12の吸音特性
は、四角柱形状の突起20の中空内部の大きさ等に基づ
いて設定される。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の自動車
のダッシュパネルによれば、エンジンの騒音をいろいろ
な周波数域にわたって効果的に吸収することができる。
従って、ダッシュパネルによる遮音効果のほか、騒音自
体を吸収して全体の騒音レベルを低減することができ、
車室内に侵入する騒音を大きく低減することができる。
更に、ダッシュパネルの吸音特性を可変させることで、
特に対象とする周波数の騒音をより多く吸収することも
できる。この場合、吸音特性をダッシュパネル表面の位
置によって可変させることで、特定の周波数の騒音が集
中する部分での吸音を確実に行うこともできる。また、
ダッシュパネルの曲げ剛性を高めるために特別な補強を
必要としないので、ダッシュパネルの重量を増加させず
に励振による騒音の発生を防止することができる。
【0030】請求項2の自動車のダッシュパネルによれ
ば、各突起の中空内部に配置された発泡材によっても騒
音を吸収することかできるので、ダッシュパネルによる
吸音を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のボディの一部を示した側面図である。
【図2】ダッシュパネル12を中心としたボディの断面
図である。
【図3】アウタパネル18に突設された突起20を示す
斜視図である。
【図4】突起20の縦断面図である。
【図5】突起20をヘルムホルツ共鳴箱として考えたと
きのモデル図である。
【図6】アウタパネル18の正面図である。
【図7】ダッシュパネル12の吸音特性を領域別に可変
させたときの例を示す概念図である。
【図8】突起20内にて騒音が干渉する様子を示す図で
ある。
【図9】騒音の周波数とダッシュパネル12による吸音
率との関係を示す図である。
【図10】ダッシュパネル12の断面図である。
【図11】突起20の中空内部に発泡材26を充填した
場合の実施例を示す図である。
【図12】インナパネル16とアウタパネル18との間
に遮音材28を挿入した場合の実施例を示す図である。
【図13】一変形例を示すアウタパネル18の正面図で
ある。
【符号の説明】
12 ダッシュパネル 16 インナパネル 18 アウタパネル 20 突起 22 ヘッドプレート 24 孔 26 発泡材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジンルームと車室とを区画す
    るダッシュパネルにおいて、 前記エンジンルームに面して設置されたアウタパネル
    と、 前記アウタパネルのエンジンルーム側の表面に分布して
    突設され、前記アウタパネルの内面側の一端面が開口
    し、他端面が閉塞された中空の突起と、 前記突起の他端面に形成された貫通孔と、 前記アウタパネルと一定の間隔を存し且つ前記車室に面
    して設置され、前記突起の他端面との間に吸音空洞を形
    成するインナパネルとを具備したことを特徴とする自動
    車のダッシュパネル。
  2. 【請求項2】 前記吸音空洞には発泡材が配置されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の自動車のダッシュ
    パネル。
JP4389397A 1997-02-27 1997-02-27 自動車のダッシュパネル Withdrawn JPH10236333A (ja)

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