JP2017019307A - カウルトップカバー - Google Patents

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【課題】コストを低減しつつ、エンジンルームからの騒音の伝播を抑制できるカウルトップカバーを提供する。【解決手段】カバー本体部30のエンジンルーム11に対向する位置の内部に気室部31を設ける。気室部31とカバー本体部30の外部とを連通する連通部32を設ける。気室部31と連通部32とによってヘルムホルツ共鳴吸音器を構成する。吸音材などの別途部品を用いることなくコストを低減しつつ、エンジンルーム11からの騒音を、気室部31と連通部32とからなるヘルムホルツ共鳴吸音器により吸収し、騒音の伝播を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンルームとフロントガラスとの間のカウル部を覆うカウルトップカバーに関する。
従来、自動車のフロントガラスの前端部とボンネットフードの後側部との間のいわゆるカウル部に配置され、このカウル部を覆って外観を向上するカウルトップカバーが用いられている。このようなカウルトップカバーは、カウル部を覆う板状のカバー本体部を備え、このカバー本体部の後端部に形成されたカバー取付部がフロントガラスの前端部に接続されているとともに、カバー本体部の前側下部に形成された車体取付部材としてのパネル載せ面部が車体パネルに固定して支持され、車体に取り付けられている。さらに、カバー本体部の前側上部には、ボンネットフードに対向し弾性的に変形可能なシール部材が取り付けられる相手部材対向部としてのフードシール面部が設けられ、このシール部材が閉じた状態のボンネットフードの後端下面に密着し、エンジンルームからの熱気や臭気を遮断するようになっている。
このようなカウルトップカバーにおいて、エンジンルーム側にフェルトなどの吸音断熱材を貼り付けることで、エンジンルームからの騒音(例えばエンジン音など)の伝播を抑制する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−106368号公報 (第4頁、図1)
しかしながら、上述の構成の場合、カウルトップカバーに吸音断熱材を貼り付ける必要があり、部品コスト、及び製造コストが上昇する。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、コストを低減しつつ、エンジンルームからの騒音の伝播を抑制できるカウルトップカバーを提供することを目的とする。
請求項1記載のカウルトップカバーは、エンジンルームを覆うボンネットとウインドシールドとの間に配置され、前記エンジンルームと前記フロントガラスとの間のカウル部を覆うカバー本体部と、このカバー本体部の前記エンジンルームに対向する位置の内部に設けられた気室部と、この気室部と前記カバー本体部の外部とを連通する連通部とを具備したものである。
請求項2記載のカウルトップカバーは、請求項1記載のカウルトップカバーにおいて、カバー本体部は、複数の本体部材に分割され、気室部は、一の前記本体部材と他の前記本体部材との間に区画されているものである。
請求項3記載のカウルトップカバーは、請求項2記載のカウルトップカバーにおいて、気室部は、容積が互いに異なる複数がカバー本体部に設けられているものである。
請求項4記載のカウルトップカバーは、請求項1ないし3いずれか一記載のカウルトップカバーにおいて、カバー本体部は、気室部の近傍に弱部を備えているものである。
請求項1記載のカウルトップカバーによれば、カバー本体部のエンジンルームに対向する位置の内部に気室部を設けるとともに、この気室部とカバー本体部の外部とを連通する連通部を設けることで、これら気室部と連通部とによってヘルムホルツ共鳴吸音器を構成する。そこで、吸音材などの別途部品を用いることなくコストを低減しつつ、エンジンルームからの騒音を、気室部と連通部とからなるヘルムホルツ共鳴吸音器により吸収し、騒音の伝播を抑制できる。
請求項2記載のカウルトップカバーによれば、請求項1記載のカウルトップカバーの効果に加え、カバー本体部を複数の本体部材に分割し、一の本体部材と他の本体部材との間に気室部を区画するので、気室部をカバー本体部の内部に容易に構成できる。
請求項3記載のカウルトップカバーによれば、請求項1または2記載のカウルトップカバーの効果に加え、容積が互いに異なる複数の気室部によって異なる複数の共鳴周波数を設定でき、周波数が異なる複数種類の騒音に対して吸音効果を得ることができる。
請求項4記載のカウルトップカバーによれば、請求項1ないし3いずれか一記載のカウルトップカバーの効果に加え、気室部を内部に備えることで剛性が増加したカバー本体部に対して気室部の近傍に設けた弱部によって、外部からの荷重に対してカバー本体部の変形を容易にし、荷重を確実に吸収できる。
本発明のカウルトップカバーの第1の実施の形態を示し、(a)は図2のI−I相当位置の断面図、(b)は図2のII−II相当位置の断面図である。 同上カウルトップカバーの斜視図である。 同上カウルトップカバーを備えた車両を示す斜視図である。 本発明のカウルトップカバーの第2の実施の形態を示す斜視図である。 本発明のカウルトップカバーの第3の実施の形態を示す斜視図である。 本発明のカウルトップカバーの第4の実施の形態を示す断面図である。 本発明のカウルトップカバーの第5の実施の形態を示す断面図である。
以下、本発明のカウルトップカバーの第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図3において、10は車両である自動車の車体で、この車体10には、コンパートメントであるエンジンルーム11を覆う相手部材としてのフード12と、車室13の前側に位置するウインドシールドとしてのフロントガラス14との間のカウル部15を覆い、カウルトップカバー16が車体10に取り付けられている。なお、以下、前後、上下、及び両側などの方向については、車体10の直進方向を基準として説明し、矢印F方向が前方、矢印U方向が上方、矢印W方向が両側方向である車幅方向である。
そして、図1(a)及び図1(b)に示すカウル部15は、エアボックスなどとも呼ばれるもので、例えば鉄板にて形成された図示しないカウルトップパネルと、例えば鉄板にて形成され車体を構成するダッシュボードなどの車体部材としての車体パネル22とにより、上側を開口した樋状に形成されている。そして、カウルトップパネルの上側部には、ホットメルトなどの液密に密着するゴム質の接着剤などの図示しないシール材により、フロントガラス14がカウルトップパネルに固定されている。また、車体パネル22は、エクステンションパネルなどとも呼ばれるもので、後側部がカウルトップパネルに固着された図示しない底板部となり、この底板部の前側部が上方に立ち上げられた前板部25と、この前板部25の上端部が後側に略水平に延設された車体側支持部としての支持板部26となどが設けられている。そして、このカウル部15には、車室13内に外気を導入する図示しない空調装置の空気取入部が接続されているとともに、このカウル部15の一側である右側には、図示しないワイパーのワイパーアームを駆動するモータなどが配置されている。
また、フード12は、車体10の前部に位置してエンジンルーム11を開閉可能に覆うボンネットフードであり、外側すなわち閉じた状態で上側に位置するフードアウタ部と、このフードアウタ部の内側すなわち閉じた状態で下側に若干の間隔を介して位置するフードインナ部とが、一体あるいは別体に形成されている。
そして、図1に示すカウルトップカバー16は、カウルカバーなどとも呼ばれ、カウル部15すなわち車体パネル22の上側を覆って外観を向上するように、カウル部15に沿って車体10(図3)の両側方向すなわち車幅方向を長手方向とする長尺な略板状に形成されている。
このカウルトップカバー16は、例えば合成樹脂により一体成形され、本実施の形態では、車幅方向を長手方向としてフロントガラス14の前縁部に連なって配置されるカバー本体部30と、このカバー本体部30に内蔵される気室部31と、この気室部31をカウルカバー本体部30の外部と連通する連通部32とを備えている。
カバー本体部30は、車幅方向に沿って長尺状に形成されている。このカバー本体部30は、基本的には、フロントガラス14の前縁部に位置する主体部35を備えるとともに、この主体部35の先端部である前端部に、フード12に対向する対向部36と、支持板部26によって支持されるパネル載せ面部である支持部37とがそれぞれ連続して設けられ、主体部35の基端部である後端部にフロントガラス14の前縁部を銜え込む受け部としてのカバー取付部38が連続して設けられて、フロントガラス14の前縁部と支持板部26との間のカウル部15を覆って支持板部26とこの支持板部26の上方に対向するフード12との間すなわちエンジンルーム11とカウル部15との間を区画するようになっている。そして、このカバー本体部30は、複数の本体部材39に分割されており、これら本体部材39を一体的に固定することで構成されている。本実施の形態では、本体部材39には、一の本体部材としてのアッパカバー41と、他の本体部材としてのアンダーカバー42との2つが設定されている。したがって、カバー本体部30は、アンダーカバー42に対して後部上側に位置するアッパカバー41と、このアッパカバー41に対して前部下側に位置するアンダーカバー42とに2分割されている。そして、主体部35、対向部36及びカバー取付部38がアッパカバー41により構成され、支持部37がアッパカバー41とアンダーカバー42とにより構成されている。
主体部35は、フロントガラス14側に向かって形成される形状であり、連結壁とも呼び得る一般面であって、エンジンルーム11やフード12の形状及びワイパーの配置などに応じて適宜の形状を採るものであるが、本実施の形態では、基本的には、車幅方向を長手方向とし、フロントガラス14と略平行に傾斜して、すなわちフロントガラス14のウインドシールド面としてのフロントガラス面14aに沿って長手方向に連続してフロントガラス14の前縁部に位置する平板状の第1の平板部としての後部平板部45と、この後部平板部45から上方、すなわちフード12に向けて突出して長手方向に沿って連続する略平板状の第2の平板部としての前部平板部46とにより、断面略V字状(谷状)に湾曲して形成されている。また、この主体部35には、外気をカウル部15内に取り込み可能な図示しない空気取入口(エアインテーク)が設けられている。
後部平板部45は、フロントガラス14の前縁部にカバー取付部38を取り付けた状態で、上面がフロントガラス14(フロントガラス面14a)に沿って連続する部分であり、ワイパーの軸が貫通する複数、例えば2つの円形状の孔部である一方及び他方のワイパーピボット穴部48,48(図2)などが形成されている。
前部平板部46は、フード12とカウルトップカバー16との隙間を狭くするとともにカウルトップカバー16を積雪などのフロントガラス14側からの荷重に対して補強する機能を有しており、カウルトップカバー16(カバー本体部30)の長手方向に沿って連続して長手状に延びて形成されている。この前部平板部46は、後部平板部45の前端部から前方上側へと傾斜状に立ち上げられている。
対向部36は、本実施の形態では、主体部35(前部平板部46)の前縁部から前方上側に向けて板状に延出している。この対向部36の先端部である前端部には、弾性変形可能なシール部材としてのフードシール51が取り付けられている。そして、このフードシール51は、例えばゴム製あるいは熱可塑性エラストマー製の筒状をなし、閉じた状態のフード12に液密に密着し、エンジンルーム11からの熱気や臭気を遮蔽するようになっている。
支持部37は、固定部とも呼び得るもので、本実施の形態では、対向部36の下部に連続して主体部35の前端部である前部平板部46の前端部から下方に向けて延びる延出壁部である縦壁部54と、この縦壁部54の下端部から前後方向に向けて延び前側が支持板部26上に載置して支持される板状の車体取付部55とを一体的に備えている。そして、この車体取付部55の所定の位置に複数の取付孔などの取付部56が形成され、支持板部26の図示しない取付受部に挿入されるリベットなどの取付具を用いて、この取付部56が車体パネル22の支持板部26に固定されている。また、この支持部37には、縦壁部54と対向部36とが連続する上端部近傍と、縦壁部54と車体取付部55とが連続する下端部近傍とに、弱部58がそれぞれ設けられている。さらに、必要に応じて、支持部37と支持板部26との間には、シール材が配置され、エンジンルーム11からの音振、熱気及び臭気などを遮蔽するようになっている。
縦壁部54は、上端部から下端部へと、例えば後方下側に向けて傾斜している。すなわち、この縦壁部54(支持部37)は、主体部35の下方に位置している。そして、この縦壁部54は、アッパカバー41により構成される一の延出壁部である後部縦壁部61と、アンダーカバー42により構成される他の延出壁部である前部縦壁部62とを備えている。
後部縦壁部61は、前部縦壁部62の後方に位置して支持部37の後部を構成するものである。この後部縦壁部61は、対向部36の下部から前方下側に向けて延出する一の延出部である上部延出部65と、この上部延出部65の下端部から下方に向けて延出する一の固定壁部としての上部固定壁部66と、この上部固定壁部66の下端部から後方下側に向けて延出する一の気室壁部としての後部壁部67と、この後部壁部67の下端部から下方に向けて延出する他の固定壁部としての下部固定壁部68とを一体的に備えている。そして、この後部縦壁部61には、上部延出部65と上部固定壁部66との連続部に弱部58が設けられている。なお、上部延出部65は、必須の構成ではなく、上部固定壁部66を対向部36と直接連結してもよい。この場合には、上部固定壁部66と対向部36との連続部に弱部58を設けることができる。
上部固定壁部66は、アッパカバー41とアンダーカバー42とを互いに固定する固定面である上部固定面となっている。
後部壁部67は、例えば長手方向(車幅方向)の中央部が気室部31の後部を構成する一の気室部構成面となっている。
下部固定壁部68は、アッパカバー41とアンダーカバー42とを互いに固定する固定面である下部固定面となっている。また、この下部固定壁部68は、連通部32の後部を構成する一の連通部構成面となっている。
また、前部縦壁部62は、後部縦壁部61の前方に位置して支持部37の前部を構成するものである。この前部縦壁部62は、上部固定壁部66の前部に重ねられる一の被固定壁部としての上部被固定壁部71と、この上部被固定壁部71の下端部から下方に延出する前部壁部72(図2)と、この前部壁部72(図2)から前側、すなわち後部縦壁部61に対して前方に離間されるように膨出するように湾曲した他の気室壁部としての前部気室壁部73と、前部壁部72(図2)の下端部から下方に向けて延出して下部固定壁部68に重ねられる他の被固定壁部としての下部被固定壁部74と、前部気室壁部73の下端部から下方に向けて延出して下部固定壁部68に対して前方に離間される穴部区画壁部75と、下部被固定壁部74の下端部から後方下側に向けて延出する他の延出部である下部延出部76とを一体的に備えている。そして、この前部縦壁部62には、下部被固定壁部74と下部延出部76との連続部に弱部58が設けられている。なお、下部延出部76は、必須の構成ではなく、下部被固定壁部74を車体取付部55と直接連結してもよい。この場合には、下部被固定壁部74と車体取付部55との連続部に弱部58を設けることができる。
上部被固定壁部71は、上部固定壁部66に固定される被固定面である上部被固定面となっている。
前部壁部72(図2)は、後部壁部67の前部に重ねられて密着する部分である。
前部気室壁部73は、例えば前部壁部72(図2)の長手方向(車幅方向)の中央部に位置し、後部壁部67に対して前方に離間されて気室部31の前部を構成する他の気室部構成面である。この前部気室壁部73は、例えば断面コ字状に湾曲して形成されている。このため、気室部31を内蔵する縦壁部54は、前後方向に膨らんだボックス形状となっている。
下部被固定壁部74は、下部固定壁部68に固定される被固定面である下部被固定面となっている。
穴部区画壁部75は、下部固定壁部68に対して前方に離間されて連通部32の前部を構成する他の連通部構成面である。この穴部区画壁部75は、下部固定壁部68に対して略平行な略半円筒状に形成されている。
弱部58は、カウルトップカバー16(カバー本体部30)に対して上方から加わる外力によって他部よりも変形し易い変形容易部である。この弱部58は、気室部31の近傍、本実施の形態では気室部31の上下の位置に設けられている。また、この弱部58は、支持部37の前部、すなわちエンジンルーム11側にて、カバー本体部30の長手方向に沿って溝状に設けられている。この弱部58は、カバー本体部30の長手方向全体に連続して設けられていてもよいし、断続的に設けられていてもよい。本実施の形態では、この弱部58は、気室部31の上部にてアッパカバー41(後部縦壁部61)に設けられる一の弱部である上部弱部78と、気室部31の下部にてアンダーカバー42(前部縦壁部62)に設けられる他の弱部である下部弱部79とが設定されている。
上部弱部78は、上部延出部65と上部固定壁部66との連続部に設けられている。また、下部弱部79は、下部被固定壁部74と下部延出部76との連続部に設けられている。
また、カバー取付部38は、ガラス合わせ部、ウインドシールド当接部、あるいはウインドシールド取付部などとも呼ばれるもので、例えば後部平板部45の後端部の背面部(下面部)にて後方に向けて屈曲するように突設されているとともに、先端部38aが上方、すなわち後部平板部45の背面部に向けて爪状に突出している。
一方、気室部31は、カバー本体部30のエンジンルーム11に対向する部分、すなわち支持部37(縦壁部54)に配置されている。この気室部31は、カバー本体部30の長手方向に沿って長手状に形成されている。この気室部31は、アッパカバー41とアンダーカバー42との間に区画されている。より具体的に、この気室部31は、アッパカバー41とアンダーカバー42とによって前後から挟まれる空間部となっている。また、この気室部31は、例えばカバー本体部30の長手方向の略中央部に配置されている。そして、この気室部31は、共鳴によって所定の周波数の音を打ち消すヘルムホルツ共鳴吸音器を構成する空洞部であり、連通部32の断面積及び長さとともに、容積が上記の周波数に基づいて設定されている。
図1(b)に示す連通部32は、気室部31の下部から下方(後方下側)に向けて筒状(円筒状)に延びている。したがって、この連通部32は、下方に向けて開口されている。
そして、気室部31の容積や連通部32の長さ(図1(b)中の矢印Lに示す)などは、ヘルムホルツ共鳴吸音器の共鳴周波数を求める次の式を満たすように設定される。
fo=C/2π×√(S/(V×L))
fo〔Hz〕:気室部31の共鳴周波数
C〔cm/s〕:気室部31内部の音速
S〔cm〕:連通部32の断面積
V〔cm〕:気室部31の容積
L〔cm〕:連通部32の長さ
したがって、この式から、気室部31の容量が小さいほど、連通部32の断面積が大きいほど、連通部32の長さが短いほど、それぞれ共鳴周波数が大きくなるように設定される。そこで、気室部31及び連通部32は、耳障りな(不快な)特定の音の周波数に対応させて共鳴周波数を設定することで、騒音の伝播や漏れを抑制する。例えば、一般車のエンジン音の周波数は350Hz程度なので、このエンジン音を低減するためには、気室部31の容積を120〔cm〕、連通部32の断面積を0.5〔cm〕、連通部32の長さを1〔cm〕とする。
また、アッパカバー41は、主としてカウルトップカバー16の上部を構成するもので、主体部35(後部平板部45及び前部平板部46)、対向部36、及び、支持部37の一部である後部縦壁部61を一体的に備えている。したがって、このアッパカバー41は、気室部31及び連通部32の後部を構成している。
アンダーカバー42は、主としてカウルトップカバー16の下部を構成するもので、支持部37の残りの他部である前部縦壁部62及び車体取付部55を一体的に備えている。したがって、このアンダーカバー42は、気室部31及び連通部32の前部を構成している。
そして、これらアッパカバー41とアンダーカバー42とは、互いに一体的に固定されている。アッパカバー41とアンダーカバー42とは、本実施の形態において、例えば熱かしめによって互いに固定されている、より詳細に、本実施の形態では、アッパカバー41(後部縦壁部61(上部固定壁部66及び下部固定壁部68))から突設されたかしめ部81がアンダーカバー42(前部縦壁部62(上部被固定壁部71及び下部被固定壁部74))に設けられた開口部82に後方から挿入されて、アンダーカバー42(前部縦壁部62)の前部でかしめ部81が熱変形されることで、アッパカバー41とアンダーカバー42とが互いに固定されている。かしめ部81及び開口部82は、車幅方向の複数箇所に設定してもよい。
そして、カウルトップカバー16を車体10に取り付ける際には、予めアッパカバー41とアンダーカバー42とを互いに固定した状態で、後端部のカバー取付部38の先端部38aをフロントガラス14の前縁部に前方から挿入してこの前縁部をカバー取付部38で銜え込んで嵌着し、前端下部の支持部37の車体取付部55を支持板部26上に載置し取付具を用いて固定する。そして、フード12を閉じた状態で、対向部36の先端部に取り付けられたフードシール51が変形してフード12に密着し、エンジンルーム11からの熱気や臭気を遮蔽し、主体部35の空気取入口から車室13内に取り入れないようになる。なお、図1において、フードシール51は変形していない自然状態の形状を示しているが、フード12を閉じた状態では、フードシール51は上下方向に潰れるように変形した状態となっている。
また、カウルトップカバー16は、気室部31及び連通部32により構成されるヘルムホルツ共鳴吸音器によって、エンジンルーム11内で発生する、例えばエンジン音などの騒音を吸音する。
このように、カバー本体部30のエンジンルーム11に対向する位置の内部に気室部31を設けるとともに、この気室部31とカバー本体部30の外部とを連通する連通部32を設けることで、これら気室部31と連通部32とによってヘルムホルツ共鳴吸音器を構成する。そこで、吸音材などの別途部品を用いることなくコストを低減しつつ、エンジンルーム11からの例えばエンジン音などの特定の周波数の騒音を、気室部31と連通部32とからなるヘルムホルツ共鳴吸音器により吸収し、騒音の伝播を抑制できる。
また、カバー本体部30を、アッパカバー41及びアンダーカバー42に分割し、これらアッパカバー41とアンダーカバー42との間に気室部31を区画するので、気室部31をカバー本体部30の内部に容易に構成できる。
さらに、カウル部15を覆うカウルトップカバー16に気室部31及び連通部32(ヘルムホルツ共鳴吸音器)を直接設けているので、車室13内と接するカウル部15内への騒音の透過を直接低減でき、効率がよい。
また、カウルトップカバー16はエンジンルーム11と車外とを遮断しているため、このカウルトップカバー16に気室部31及び連通部32(ヘルムホルツ共鳴吸音器)を設けることで、車室13の外へと漏れようとする騒音を効率よく吸収できる。
しかも、気室部31の容積、連通部32の断面積及び長さを適宜設定することで、車種毎に所望の吸音周波数を容易に設定できる。
また、連通部32は、下方に向けて開口させる、すなわち下向きに設定することにより、水分や塵埃が気室部31に浸入することを抑制できる。このため、これら水分や塵埃の浸入による気室部31内の容積の変化によって気室部31と連通部32とにより構成されるヘルムホルツ共鳴吸音器の共鳴周波数が変化することを抑制でき、安定した吸音性能を維持できる。
また、フード12に対して上方から例えば障害物が衝突するなどして荷重(外力)が加わると、フード12が下方に変形することでカウルトップカバー16の主体部35の前部平板部46がフード12の下部と当接し、さらにフード12が下方へと押し込まれることで、弱部58(上部弱部78及び下部弱部79)の変形によって、カバー本体部30を下方へと撓み変形させて荷重を吸収して反力を低下させ、歩行者などへの傷害値(例えばHIC値)を抑制する。
すなわち、縦壁部54の内部に気室部31を設けたことによりボックス形状となることで剛性が増加したカバー本体部30に対して気室部31の近傍に設けた弱部58によって、衝突などによる外部からの荷重に対してカバー本体部30の変形を容易にし、この荷重(エネルギー)を確実に吸収できる。
なお、上記の第1の実施の形態において、図4に示す第2の実施の形態のように、略等しい形状の気室部31及び連通部32を、カバー本体部30に複数ずつ設けてもよい。この場合には、所定の周波数を有する騒音に対して吸音性能をより向上できる。
また、図5に示す第3の実施の形態のように、長さ、すなわち容積が異なる複数の気室部31をカバー本体部30に設けてもよい。この場合には、容積が互いに異なる複数の気室部31によって異なる複数の共鳴周波数を設定でき、周波数が異なる複数種類の騒音に対して吸音効果を得ることができる。
このように、気室部31及び連通部32により構成されるヘルムホルツ共鳴吸音器の共鳴周波数foは、要求性能に応じて気室部31の容積、連通部32の断面積及び容積を適宜設定することで、所望の周波数を得ることができる。
さらに、上記の各実施の形態において、アッパカバー41とアンダーカバー42とは、熱かしめにより互いに連結する構成の他に、例えば図6に示す第4の実施の形態のように、アンダーカバー42の下部被固定壁部74に開口部84を設け、開口部82,84に亘って挿通したクリップ85を固定部材として用いてアッパカバー41とアンダーカバー42とを互いに連結する構成としてもよいし、図7に示す第5の実施の形態のように、開口部82,84に亘って挿通したリベット86を固定部材として用いてアッパカバー41とアンダーカバー42とを互いに連結する構成としてもよい。また、アッパカバー41とアンダーカバー42とは、爪などを用いて連結することもできる。
そして、上記の各実施の形態において、カバー本体部30は、2つに限らず、3つ以上の本体部材に分割されていてもよい。この場合、これら本体部材のうちの少なくとも2つの間に気室部31が区画されるように形成することで、上記の各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は、例えば、自動車のエンジンルームとフロントガラスとの間のカウル部を覆って配置されるカウルトップカバーに適用できる。
11 エンジンルーム
14 ウインドシールドとしてのフロントガラス
15 カウル部
16 カウルトップカバー
30 カバー本体部
31 気室部
32 連通部
39 本体部材
58 弱部

Claims (4)

  1. エンジンルームを覆うボンネットとウインドシールドとの間に配置され、前記エンジンルームと前記フロントガラスとの間のカウル部を覆うカバー本体部と、
    このカバー本体部の前記エンジンルームに対向する位置の内部に設けられた気室部と、
    この気室部と前記カバー本体部の外部とを連通する連通部と
    を具備したことを特徴とするカウルトップカバー。
  2. カバー本体部は、複数の本体部材に分割され、
    気室部は、一の前記本体部材と他の前記本体部材との間に区画されている
    ことを特徴とする請求項1記載のカウルトップカバー。
  3. 気室部は、容積が互いに異なる複数がカバー本体部に設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のカウルトップカバー。
  4. カバー本体部は、気室部の近傍に弱部を備えている
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のカウルトップカバー。
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