JP5618398B2 - カウルカバー装置 - Google Patents

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    • B62D25/00Superstructure or monocoque structure sub-units; Parts or details thereof not otherwise provided for
    • B62D25/08Front or rear portions

Description

本発明は、例えば、内燃機関、電気モータまたはバッテリなどを収納するフロントコンパートメントと隣接して配置されるカウルカバー装置に関する。
従来、自動車の車体には、ボンネットフード下部のエンジンルームと車室の前側に位置するフロントガラスとの間のカウル部を覆う樹脂成形品のカウルカバーが取り付けられている。このカウルカバーは、カウル部を覆うカバー本体部を備え、このカバー本体部に、カウル部に外気を導入する通気口が設けられている。また、カバー本体部の前側には、隔壁部が設けられ、エンジンルームとカウル部とを区画している(例えば、特許文献1参照)。
この隔壁部は、エンジンルームに隣接し、いわばエンジンルームに剥き出し状態でさらされているため、エンジンなどの熱源が近接して配置される場合には、この熱源からの熱気を直接に受けて加熱される。
特開2006−62472号公報 (第1頁、図5)
上記のように、カウルカバーの隔壁部が熱源に近接して配置される場合には、隔壁部の保護やカウル部の温度上昇を防止するため、隔壁部に別体の遮熱カバーを固着する構成が考えられる。しかしながら、隔壁部に別体の遮熱カバーを固着する構成では、製造コストの低減や軽量化が困難になる問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、熱による影響を効果的に抑制できるカウルカバー装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のカウルカバー装置は、車両の熱源が配置されるフロントコンパートメントと車室のウインドシールドとの間のカウル部に設けられたカウルカバー装置であって、前記カウル部を覆うカバー本体部と、このカバー本体部の前側に連接され、前記フロントコンパートメントと前記カウル部との間を区画する隔壁部と、この隔壁部の前側に沿って離間して位置する対向壁部と、これら隔壁部及び対向壁部を備え両端部が開口する筒状の筒状部の内側に形成され、これら隔壁部と対向壁部との間に位置する空気層部とを具備したものである。
請求項2記載のカウルカバー装置は、請求項1記載のカウルカバー装置において、対向壁部は、車幅方向の長さ寸法の中央位置から外れた位置で熱源に対向するものである。
請求項3記載のカウルカバー装置は、請求項1または2記載のカウルカバー装置において、筒状部は、カバー本体部から一体に突設された隔壁部と、前記カバー本体部に連続する部分からヒンジ部を介して前側に一体に延設された部分が前記ヒンジ部から前記隔壁部側に折曲されかつ先端部が前記隔壁部側に固定された対向壁部とを備えたものである。
請求項1記載のカウルカバー装置によれば、フロントコンパートメントに配置された熱源からカウルカバー装置に加わる熱は、対向壁部から筒状の筒状部の内側の空気層部に伝わり、この空気層部の空気の流れに応じて車幅方向の両端部から随時排出される。隔壁部の一部に熱が蓄積して過度に加熱されることを防止し、カウルカバー装置を保護できるとともに、カウル部の温度上昇を抑制できる。構造が簡略で製造コストを低減できる。隔壁部及び対向壁部が両端を開口部とした筒状部を構成したため、剛性を向上できる
請求項2記載のカウルカバー装置によれば、請求項1記載の効果に加え、対向壁部は、車幅方向の長さ寸法の中央位置から外れた位置で熱源に対向するため、筒状部の内側の空気層部に、熱源から加わる熱により熱源に近い側の開口部に向かう気流が発生し、高温の空気を効率良く排気して熱の蓄積を防止できる。
請求項3記載のカウルカバー装置によれば、請求項1または2記載の効果に加え、隔壁部及び対向壁部をカバー本体部と一体に容易に構成でき、別体の遮熱部材を用いる構成に比べ、製造コストを低減できる。カウルカバー装置に大きな力が加わった場合は、ヒンジ部あるいは隔壁部側と対向壁部側とを固定した部分が破断することにより、筒状部の剛性が小さくなり、衝撃吸収特性を容易に良好にできる。
本発明のカウルカバー装置の一実施の形態を示す動作の説明図である。 同上カウルカバー装置を備えた車両の図3のI−I相当位置の断面図である。 同上カウルカバー装置の斜視図である。 同上カウルカバー装置の製造工程を示す一部の断面図である。 同上カウルカバー装置の動作の説明図である。 同上カウルカバー装置の動作の説明図である。 本発明のカウルカバー装置の他の実施の形態を示す斜視図である。 本発明のカウルカバー装置のさらに他の実施の形態を示す一部の断面図である。 本発明のカウルカバー装置のさらに他の実施の形態を示す一部の断面図である。 本発明のカウルカバー装置のさらに他の実施の形態を示す一部の断面図である。 本発明のカウルカバー装置のさらに他の実施の形態を示す一部の断面図である。
以下、本発明のカウルカバー装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1は車両である自動車の車体で、この車体1には、フロントコンパートメントとしてのエンジンルーム2を覆う相手部材であるフード3と、車室4の前側に位置するウインドシールドとしてのフロントガラス5との間のカウル部6を覆い、カウルカバー装置11が車体1に取り付けられている。なお、以下、前後、上下、及び両側などの方向に付いては、車体1の直進方向を基準として説明し、矢印F方向が前方、矢印U方向が上方、図1に示す矢印W方向が左右方向すなわち両側方向である車幅方向である。
そして、このカウル部6は、エアボックスなどとも呼ばれるもので、例えば鉄板にて形成されたカウルトップパネル12と、例えば鉄板にて形成され車体を構成する車体部材である車体パネル14とにより、上側を開口した樋状に形成されている。そして、カウルトップパネル12の上側部には、フロントガラス受部15が設けられ、ホットメルトなどの液密に密着するゴム質の接着剤などのシール材16により、フロントガラス5がカウルトップパネル12に固定されている。また、車体パネル14は、エクステンションパネルなどとも呼ばれるもので、後側部がカウルトップパネル12に固着された図示しない底板部となり、この底板部の前側部が前側上方に立ち上げられた前板部19と、この前板部19の上端部が前側に略水平に延設された支持板部20とが設けられている。そして、このカウル部6には、車室4内に外気を導入する図示しない空調装置の空気取入部が接続されているとともに、このカウル部6の一側である右側には、ワイパーのワイパーアームを駆動するモータなどが配置されている。
また、フード3は、車体1の前部に位置してエンジンルーム2を開閉可能に覆うボンネットフードであり、外側すなわち閉じた状態で上側に位置するフードアウタ部3aと、このフードアウタ部3aの内側すなわち閉じた状態で下側に若干の間隔を介して位置するフードインナ部3bとが、一体あるいは別体に形成されている。
そして、カウルカバー装置11は、図1ないし図3に示すように、カウルトップカバーなどとも呼ばれ、フロントガラス5の前側下端の縁部5aとこのフロントガラス5の前方に位置するエンジンルーム2の後端との間のカウル部6すなわちカウルトップパネル12及び車体パネル14の上側を覆い、上側の外気部21と下側のエアボックス22とを区画形成している。また、このカウルカバー装置11は、例えば、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリアミド系合成樹脂などの熱可塑性樹脂を金型を用いて射出成形し、弾性的に変形可能な一体形成の長尺な樹脂成型品として形成されたカウルカバーにより構成されている。そして、カウルカバー装置11の平面形状は、図3に示すように、カウル部6に沿って車体1の両側方向Wすなわち車幅方向を長手方向とする長尺な略板状で中央部分が前側に突出するように緩やかに湾曲している。
また、このカウルカバー装置11の断面形状は、図2及び図3に示すように、基本的には、カウル部6を覆うカバー本体部24と、このカバー本体部24の後端部に設けられたウインドシールド取付部であるクリップ状の嵌着部25と、カバー本体部24の前側に直接あるいは間接に連接された隔壁部26、対向壁部27、フード対向部28、及び車体部材取付部29と、これら隔壁部26、対向壁部27、フード対向部28、及び車体部材取付部29の一部あるいは全部を含んで形成された筒状部30とを備えている。
そして、カバー本体部24は、表面部とも言いうるもので、エンジンルーム2やフード3の形状及びワイパーの配置などに応じて適宜の形状を採るものであるが、本実施の形態では、車幅方向を長手方向とする板状の部材の前後方向の中央部が上方に湾曲して湾曲部31が形成されている。そして、この湾曲部31に、カウル部6に外気を導入可能な格子状などの空気取入口が形成されているとともに、適宜の位置に、ワイパーの軸が貫通する孔部32が形成されている。
また、嵌着部25は、ガラス接合部あるいはガラス当接部とも呼び得るもので、カバー本体部24の後端部が面一に延設された平板状の上部嵌着片35と、この上部嵌着片35の裏面側すなわち下側に沿って配置される下部嵌着片36とを備えている。そして、下部嵌着片36は、爪部とも呼び得るもので、上部嵌着片35と略平行な平板状の嵌着片本体部36aと、この嵌着片本体部36aの前端部を上部嵌着片35と一体に連結する連結片36bと、嵌着片本体部36aの後端部から下側に延設された案内片36cとを備えている。また、連結片36bは、一部の厚さ寸法が小さく形成され、弾性的に変形可能になっている。そこで、この嵌着部25は、上部嵌着片35と下部嵌着片36との隙間をフロントガラス5の縁部5aにあてがって、カウルカバー装置11を所定方向である後方に押し込むことにより、上下の嵌着片35,36がフロントガラス5を弾性的に挟持し、フロントガラス5の縁部5aに嵌着して取り付けられるようになっている。
また、筒状部30は、隔壁部26、対向壁部27、フード対向部28、及び車体部材取付部29によりカバー本体部24の前端部に沿って連接された略四角筒状の中空状に形成され、内側が空気層部40となるとともに、左右の端部すなわち車幅方向の両端部が開口した開口部41,42となっている。すなわち、この空気層部40は、隔壁部26の前側に位置する遮熱空間であり、車幅方向の両端が開口し一端である左端の開口部41から他端である右端の開口部42まで連通して空気が流れるように形成されている。
そして、隔壁部26は、カウルカバー基本面とも呼び得るもので、カバー本体部24の前端部から下方に向かい垂直あるいは垂直状に、本実施の形態では、下方かつ若干後方に傾斜して、板状に突設されている。そして、この隔壁部26は、カバー本体部24すなわちカウルカバー装置11の全長あるいはほぼ全長にわたって連続して形成され、エンジンルーム2とカウル部6とを前後に区画している。なお、この隔壁部26の上端部、すなわち隔壁部26がカバー本体部24に接する部分には、隔壁部26の他の部分より厚さ寸法が小さく強度の小さい変形可能部26aが形成されている。
また、フード対向部28は、シール取付部、フードシール取付部、あるいはフードシール部などとも呼び得るもので、隔壁部26の上端部すなわちカバー本体部24の前端部から前方に向かい水平板状に延設され、本実施の形態では、カバー本体部24の前端部から若干前側上方に向かって傾斜して延設され、さらに前側に水平状に延設されている。そして、このフード対向部28の上部には、上側から接着あるいは嵌合などして、弾性変形可能なシール部材としての別体のフードシール44が取り付けられている。そして、このフードシール44は、例えばゴム製あるいは熱可塑性エラストマー製の筒状をなし、閉じた状態のフード3に密着し、エンジンルーム2からの熱気や臭気を遮蔽するようになっている。なお、このフードシール44は、図2において、フード3に当接して変形した形状を示し、他の図においては、外部から力が加わっていない状態の形状を仮想線(2点鎖線)で示している。
また、車体部材取付部29は、車体取付部あるいは車体固定部とも呼び得るもので、隔壁部26の下端部から前側に屈曲するようにして水平板状に延設されている。そして、この車体部材取付部29は、支持板部20上に載置され、さらに、この車体部材取付部29の所定の位置に形成された複数の取付孔29aなどの取付部が、図示しない樹脂製のクリップやボルトなどの取付具を用いて、あるいは取付部に一体成形したフック形状などにより、車体パネル14の支持板部20に着脱可能に固定されている。さらに、この車体部材取付部29の前端部からは、車幅方向に所定の間隔で、例えば4カ所から、下方に向かい取付部である取付片46が突設されているとともに、各取付片46に円孔状の取付部46aが形成されている。また、この車体部材取付部29と支持板部20との間には、図示しないシール手段が設けられ、エンジンルーム2からの熱気、臭気や音がカウル部6のエアボックス22に伝わらないように遮蔽している。
また、対向壁部27は、細長矩形状の略平板状をなし、隣接する部分より厚さ寸法が小さく変形可能なヒンジ部48を介して、フード対向部28の前端部から延設されている。このヒンジ部48は、対向壁部27の全長にわたり薄肉に形成されたいわば肉抜き部であり、金型によりあるいは後加工により、上側から凹設されるように形成されている。さらに、車体部材取付部29の取付片46に対応し、対向壁部27の先端部からは、車幅方向に所定の間隔で、例えば4カ所から、取付部である取付片49が突設されているとともに、各取付片49に円孔状の取付部49aが形成されている。そして、この対向壁部27は、金型で形成された成型状態では、図4に示すように、フード対向部28と同一平面状に形成されている。この状態から、対向壁部27をヒンジ部48を支点として矢印Bに示すように下側後方に屈曲し、各取付片49を取付片46に重ねていわばクリップ固定部とし、このクリップ固定部に取付手段としてのクリップ51を取付部46a,49aに圧入して係合しあるいは挿入してかしめなどすることにより、隔壁部26とほぼ平行な状態で位置決めして固定され、筒状部30を構成する。また、この状態で、対向壁部27は、カバー本体部24すなわちカウルカバー装置11の全長あるいはほぼ全長にわたって連続して形成され、すなわち、隔壁部26の前方に全長あるいはほぼ全長にわたって対向して配置され、本実施の形態では、隔壁部26より若干短く形成されている。すなわち、この対向壁部27は、隔壁部26と一体に形成すなわち同時に成形されるとともに、ヒンジ部48で折り曲げられた対向壁部27により、筒形状の筒状部30が形成されている。
また、図3に示すように、筒状部30の内側には、車幅方向に所定の間隔で、隔壁部26と車体部材取付部29とを連結する補強用の板状のリブ部53がこれら隔壁部26及び車体部材取付部29と一体に形成されている。
そして、このように形成されたカウルカバー装置11は、後端部の嵌着部25をフロントガラス5の縁部5aに挿入して嵌着し、前端部の車体部材取付部29を支持板部20上に載置し取付具を用いて固定することにより、車体1の前部のエンジンルーム2から熱を受ける部位に取り付けられる。また、フード3を閉じた状態で、フード対向部28に支持されたフードシール44がフード3に密着し、エンジンルーム2からの熱気や臭気を遮蔽する。また、カバー本体部24の湾曲部31の前後の部分が、樋として機能し、雨水などを両側方に排水する。
さらに、エンジンルーム2には、内燃機関であるエンジン、バッテリー、あるいは電気モーターなどのモーターなどが搭載され、これら搭載機器の廃熱にて雰囲気温度が上昇するとともに、図1及び図3に示すように、カウルカバー装置11を車体1に取り付けた状態で、このカウルカバー装置11の筒状部30を構成する対向壁部27の壁面の前方に近接して対向し、車両の運転時に高温となる熱源Aが配置されている。この熱源Aの位置は、対向壁部27すなわち筒状部30に対し、車幅方向の中央部すなわちセンター位置ではなく、このセンター位置から左右いずれか一方にずれて開口部41,42までの寸法が異なる位置となっている。ここでは、熱源Aは車体1の車幅方向の中央よりも右側にずれて配置され、筒状部30の内側の空気層部40の長さは、熱源Aが対向する位置と筒状部30の左側の端部の開口部41との間の長さL1の方が、熱源Aが対向する位置と筒状部30の右側の端部の開口部42との間の長さL2よりも、大きく設定されている。
そこで、熱源Aからの熱がカウルカバー装置11に加わると、まず、この熱は対向壁部27により遮熱されるとともに、この熱は対向壁部27に伝わり、さらに、この対向壁部27から筒状部30の内側の空気層部40に伝わる。すると、この空気層部40では、熱せられた空気が膨張しながら左右に伝わるが、熱源Aに近い一側ここでは右側の開口部42から空気が排出されやすく、左側の開口部41から導入された空気(冷気)が右側の開口部42から熱気となって排出される矢印C方向の空気の流れ(気流)である対流が自然に発生する。そして、この対流により、高温の空気は右側の開口部42から効率良く排気され、すなわち、空気層部40内の空気を循環、排出するとともに、熱源Aからの熱は空気層部40から効率良く排出され、空気層部40の温度上昇が抑制される。このようにして、熱源Aの熱は対向壁部27及び空気層部40によりカウルカバー装置11の機能部位である隔壁部26へ直接伝わらずこれら対向壁部27及び空気層部40で分散されるとともに、対流により熱源Aの熱の隔壁部26への伝わりが抑制され、エンジンルーム2とカウル部6とを気密に区画する隔壁部26が部分的に高温になることがなく、最高温度を低減して保護できる。そして、これら対向壁部27、空気層部40、及び隔壁部26の三層構造により、熱が通過する断熱層を増やし、カウル部6すなわちエアボックス22に伝わる熱の通過量を抑制し、エアボックス22内の温度上昇が抑制される。
また、筒状部30は、筒状をなしているため剛性が向上し、熱により一部が軟化するなどして剛性が低下した場合にも、単なる板状の構成よりも形状が保持される。そこで、通常の使用状態においては、隔壁部26によりエンジンルーム2とカウル部6とを確実に区画できるとともに、フード対向部28すなわちフードシール44の位置を所定の位置に保持して、フードシール44をフード3に密着させ、エンジンルーム2からの外部への音や熱の漏出が抑制される。
さらに、歩行者がフード3に上方から衝突する強い力を受けた際などフード3を下方に押し下げる方向の衝撃が作用した場合には、他の部分に対して相対的に強度が小さく容易に破断する弱部であるヒンジ部48及び取付片46,49同士を接合した部分のいずれか一方あるいは両方が解放され、衝撃を吸収しつつ筒状部30すなわちカウルカバー装置11の剛性を低下させ、下方に変形し易くなり、過大な反力の上昇を防止して、適切な反力で衝撃を吸収する。例えば、図5に示すように、下端のクリップ51が外れ、あるいはクリップ51が破断し、あるいは取付片46,49の一方あるいは両方が破断するなどして、取付片46,49同士が外れ、あるいは、図6に示すように、上端のヒンジ部48が破断して、衝突エネルギーを吸収し、歩行者保護に適した所望の衝撃吸収特性が実現される。
このように、本実施の形態によれば、車両の熱源Aが配置されるエンジンルーム2と車室4のフロントガラス5との間のカウル部6に設けられたカウルカバー装置11であって、カウル部6を覆うカバー本体部24と、このカバー本体部24の前側に連接されてエンジンルーム2とカウル部6との間を区画する隔壁部26とに加え、この隔壁部26の前側に沿って離間して位置する対向壁部27を備え、これら隔壁部26と対向壁部27との間を車幅方向に連続し左右の両端部が開口する遮熱空間である空気層部40としたため、エンジンルーム2に配置された熱源Aからカウルカバー装置11に加わる熱は、対向壁部27から空気層部40に伝わり、この空気層部40の空気の流れに応じて車幅方向の左右の両端部から随時排出できる。そこで、隔壁部26の一部に熱が蓄積して過度に加熱されることを防止し、隔壁部26の局部的な熱の蓄積による温度の上昇を防止して、カウルカバー装置11を保護できるとともに、カウル部6の温度上昇を抑制できるとともに、簡略な構造で製造コストを低減できる。
また、隔壁部26及び対向壁部27は、対向壁部27及び車体部材取付部29で上下を連接され、内側を空気層部40とし両端部を開口部41,42とした筒状部30を構成するため、剛性を向上できるとともに、空気層部40の空気を円滑かつ確実に左右の端部の開口部41,42まで案内し、効率良く排気できる。
また、対向壁部27は、熱源Aに対して左右不等長の筒状であり、車幅方向の長さ寸法の中央位置から外れた位置で熱源Aに対向するため、筒状部30の内側の空気層部40に、熱源Aから加わる熱により熱源Aに近い側の開口部41,42、ここでは右側の開口部42に向かう気流が発生し、高温の空気を効率良く排気して熱の蓄積を防止できる。
このようにして、エンジンルーム2から受ける熱によるカウルカバー装置11の変形及び劣化を抑制し、エンジンルーム2から受ける熱によるカウル部6のエアボックスの温度上昇を抑制し、エアベントの温度の上昇を抑制して、車室に導入される空気の温度上昇を抑制できる。いわば、カウルカバーの機能部位に受ける熱を軽減し、熱害を無くすことができる。
また、上記においては、断熱性について説明したが、断熱性と同様に、隔壁部26、対向壁部27、及び空気層部40により構成される筒状部30により、遮音性を向上でき、エンジンルーム2からの騒音が車外及び車室4内に通過することを抑制でき、断熱・遮音構造とすることができる。
また、筒状部30は、カバー本体部24と一体に突設された隔壁部26と、カバー本体部24に連続するフード対向部28からヒンジ部48を介して前側に一体に延設された部分がヒンジ部48から下側すなわち隔壁部26側に折曲された対向壁部27とを備え、この対向壁部27の先端側の取付片49が、隔壁部26から延設された車体部材取付部29の取付片49に固定して筒状部30が構成されている。このように、一体成形のヒンジ構造により、隔壁部26及び対向壁部27を備えた筒状部30をカバー本体部24と一体に容易に構成でき、カウルカバー装置11を製造する金型の構成を簡略化できるとともに、部品点数を削減でき、別体の遮熱カバーなどの遮熱部材を用いる構成に比べ、容易に軽量化できるとともに製造コストを低減できる。
また、筒状の筒状部30により剛性を向上し、熱により一部が軟化するなどして剛性が低下した場合にも形状を保持でき、隔壁部26によりエンジンルーム2とカウル部6とを確実に区画できるとともに、フードシール44をフード3に密着させ、エンジンルーム2からの外部への音や熱の漏出を抑制できる。
また、カウルカバー装置11に大きな力が加わった場合は、弱部であるヒンジ部48あるいは固定部分が破断することにより、筒状部30の剛性を所望の値まで小さくできる。そこで、車体1のフード3とフロントガラス5との間のカウル部6を覆うカウルカバー装置11として歩行者保護に好適な衝撃吸収特性を容易に実現でき、すなわち、歩行者保護性能を容易に向上できる。
なお、上記の実施の形態では、カウルカバー装置11の車幅方向の全域あるいは略全域に対向壁部27すなわち筒状部30すなわち空気層部40を設けたが、この構成に限られず、必要最小部位に設定することもできる。例えば、図7に示すように、カウルカバー装置11の車幅方向の中央部近傍のみに、対向壁部27すなわち筒状部30すなわち空気層部40を設けることもできる。
また、カウルカバー装置11は、樹脂にて一体に形成したカウルカバーの筒状部30の隔壁部26あるいは対向壁部27などに、別体の断熱材あるいは吸音材あるいは断熱吸音材を取り付けて、断熱性あるいは吸音性を向上することもできる。例えば、図8に示すように、筒状部30の内側の、隔壁部26の前面の、全面あるいは略全面あるいは少なくとも熱源Aに対向する位置に、断熱吸音材55を貼り付けて、断熱性及び吸音性を向上できる。
また、上記の実施の形態では、クリップ51により取付片46,49同士を取り付けたが、取付片46,49同士の固定方法はこの構成に限られない。例えば、図9に示すように、円孔状の取付部46a,49aを形成せず、取付片46,49の面同士を溶着留部56で溶着などして固着することもできる。また、例えば、図10に示すように、取付片46,49の一方に爪状の嵌合部である取付部49bを一体に形成し、取付片46,49の他方に形成した円孔状の取付部46aに圧入して嵌合し、いわば爪嵌合により取付片46,49同士を固定することができる。
また、上記の実施の形態においては、対向壁部27は平板状としたが、この構成に限られない。例えば、図11に示すように、熱源A付近の対向壁部27の後面側すなわち筒状部30内の空気層部40に突出するようにして、放熱手段として板状の放熱用リブ57を単数あるいは複数形成し、対向壁部27の熱を筒状部30内の空気層部40に効率良く放熱し、空気の循環により効率良く冷却することもできる。
また、熱源Aがエンジンルーム2の車幅方向の中央部に位置する場合には、カウルカバー装置11の対向壁部27すなわち筒状部30を、車幅方向の中央部から左右不等長に設定することもできる。
上記の各実施の形態において、カウルカバー装置11は、車幅方向に分割し、連結構造により組み合わせて構成することもできる。
また、上記の各実施の形態において、ウインドシールドは、ガラス製のものに限られず、アクリルなどの透明な素材を用いることもできる。
本発明は、例えば、自動車のエンジンルームに隣接して配置されるカウルカバー装置に適用できる。
2 フロントコンパートメントとしてのエンジンルーム
4 車室
5 ウインドシールドとしてのフロントガラス
6 カウル部
11 カウルカバー装置
24 カバー本体部
26 隔壁部
27 対向壁部
30 筒状部
40 空気層
48 ヒンジ部

Claims (3)

  1. 車両の熱源が配置されるフロントコンパートメントと車室のウインドシールドとの間のカウル部に設けられたカウルカバー装置であって、
    前記カウル部を覆うカバー本体部と、
    このカバー本体部の前側に連接され、前記フロントコンパートメントと前記カウル部との間を区画する隔壁部と、
    この隔壁部の前側に沿って離間して位置する対向壁部と、
    これら隔壁部及び対向壁部を備え両端部が開口する筒状の筒状部の内側に形成され、これら隔壁部と対向壁部との間に位置する空気層部とを具備した
    ことを特徴とするカウルカバー装置。
  2. 向壁部は、車幅方向の長さ寸法の中央位置から外れた位置で熱源に対向する
    ことを特徴とする請求項1記載のカウルカバー装置。
  3. 筒状部は、
    カバー本体部から一体に突設された隔壁部と、
    前記カバー本体部に連続する部分からヒンジ部を介して前側に一体に延設された部分が前記ヒンジ部から前記隔壁部側に折曲されかつ先端部が前記隔壁部側に固定された対向壁部とを備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のカウルカバー装置。
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