JP2006175887A - 自動二輪車のブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ブレーキ操作部2に連動するマスターシリンダ3と、該マスターシリンダ3の液圧によって車輪に制動力を付与するブレーキキャリパ4と、マスターシリンダ3とブレーキキャリパ4を接続する主ブレーキ通路5と、電動モータ23により発生させた液圧を主ブレーキ通路5を介してブレーキキャリパ4に供給する液圧モジュレータ6と、主ブレーキ通路5における液圧モジュレータ6との接続部よりもマスターシリンダ3側に設けられた常開型の第1の電磁開閉弁V1と、を備え、車速が所定車速に達した後は第1の電磁開閉弁V1に定格電流を流し、その後、この作動状態を保持可能な範囲で第1の電磁開閉弁V1に流す電流を低減する。
【選択図】 図1
Description
このバイワイヤ式のブレーキ装置には、例えば、ブレーキレバー(ブレーキ操作部)に連動するマスターシリンダと、液圧操作によって前記車輪に制動力を付与するブレーキキャリパ(車輪制動手段)とが、常開型の第1の電磁開閉弁を備えた主ブレーキ通路で接続され、この主ブレーキ通路の前記第1の電磁開閉弁よりもブレーキキャリパ側に、電動アクチュエータにより発生させた液圧を前記ブレーキキャリパに供給する液圧モジュレータが接続され、前記第1の電磁開閉弁よりもマスターシリンダ側の主ブレーキ通路に、前記ブレーキ操作部の操作量に応じて擬似的な液圧反力を前記マスターシリンダに作用させる液損シュミレータが接続され、主ブレーキ通路と液損シュミレータの間に常閉型の第2の電磁開閉弁が設けられて構成されたものがある。
これに対処するに、イグニッションスイッチがONされたとき、あるいは、車速が所定車速に達したときに前記第1及び第2の前記電磁開閉弁に電流を流して第1の電磁開閉弁を閉じて主ブレーキ通路を閉鎖するとともに、第2の電磁開閉弁を開いて液損シュミレータとマスターシリンダとを連通させておき、非制動時からスタンバイ状態にしておくことが考えられるが、このようにすると第1及び第2の電磁開閉弁を常時通電状態にしておくこととなり、消費電力の増大を招く。
また、前記第1の電磁開閉弁を常時通電状態にすると、液圧モジュレータおよびブレーキキャリパの液圧が大気開放状態にならないため、ブレーキパッドの引きずり状態が発生する可能性がある。
そこで、この発明は、時間遅れをなくし、消費電力を削減でき、また、ブレーキパッドの引きずりを防止することができる自動二輪車のブレーキ装置を提供するものである。
このように構成することにより、非制動時にマスターシリンダと液圧モジュレータおよび車輪制動手段とを切り離した状態に保持しておくことができるので、制動時におけるブレーキ操作部の操作ストロークが安定し、また、制動入力があったときに直ちに液圧モジュレータにより液圧を発生させることができる。また、定格電流を流して第1の電磁開閉弁を閉作動させた後は、第1の電磁開閉弁に流す電流を低減して閉状態を保持することができる。
このように構成することにより、制動時に第1の電磁開閉弁の閉状態を確実に保持することができるので、制動時にマスターシリンダと液圧モジュレータおよび車輪制動手段とを確実に切り離した状態に保持しておくことができる。
このように構成することにより、非制動時にマスターシリンダと液圧モジュレータおよび車輪制動手段とを切り離すとともに、マスターシリンダと液損シュミレータを連通した状態に保持しておくことができるので、制動時におけるブレーキ操作部の操作ストロークが安定し、また、制動入力があったときに直ちに液圧モジュレータにより液圧を発生させることができる。また、定格電流を流して第1及び第2の電磁開閉弁を開閉作動させた後は、これら電磁開閉弁に流す電流を低減して作動状態を保持することができる。
このように構成することにより、制動時に第1の電磁開閉弁の閉状態と第2の電磁開閉弁の開状態を確実に保持することができるので、制動時にマスターシリンダと液圧モジュレータおよび車輪制動手段とを確実に切り離すとともに、マスターシリンダと液損シュミレータを連通した状態に保持しておくことができる。
このように構成することにより、制動入力があって制動を実施した後、制動解除入力があった場合に、液圧モジュレータおよび車輪制動手段に残る液圧を、第1の電磁開閉弁を一時的に開くことによりマスターシリンダ側に逃がすことができる。
このように構成することにより、制動入力があって制動を実施した後、制動解除入力があった場合に、液圧モジュレータおよび車輪制動手段に残る液圧を、第1の電磁開閉弁を一時的に開くことによりマスターシリンダ側に逃がすことができる。
このようにすることにより、制動入力があるときに確実に液圧モジュレータから車輪制動手段に液圧を供給することができ、制動入力がないときに液圧モジュレータから車輪制動手段に液圧が供給されるのを防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、制動時に第1の電磁開閉弁の閉状態を確実に保持することができるので、制動時にマスターシリンダと液圧モジュレータおよび車輪制動手段とを確実に切り離した状態に保持しておくことができる。
請求項4に係る発明によれば、制動時に第1の電磁開閉弁の閉状態と第2の電磁開閉弁の開状態を確実に保持することができるので、制動時にマスターシリンダと液圧モジュレータおよび車輪制動手段とを確実に切り離すとともに、マスターシリンダと液損シュミレータを連通した状態に保持しておくことができる。
図1はこの発明の1実施形態の自動二輪車のブレーキ装置の液圧回路図を示している。同図に示すようにこの実施形態のブレーキ装置は、相互に独立した前輪側のブレーキ回路1aと後輪側のブレーキ回路1bとがコントローラ(ECU)20により連係されたものである。
また、このブレーキ装置では前後輪の一方側をブレーキ操作することにより前後の車輪制動手段が連動して制動動作するブレーキシステム(CBS;COMBINED BRAKE SYSTEM,以下、「CBS」という。)を採用している。
更に、このブレーキ装置では制動時のブレーキ操作によるホイールのスリップ率を制御するブレーキシステム(ABS:ANTI LOCK BRAKE SYSTEM,以下、「ABS」という。)を採用している。
そして、前記分岐通路8には第2の電磁開閉弁V2を迂回してバイパス通路15が設けられ、このバイパス通路15には液損シュミレータ9側からマスターシリンダ3方向への作動液の流れを許容する逆止弁16が設けられている。
ここで、前記電動モータ23は、PWM制御により入力デューティ比(ON時間/ON時間+OFF時間)で決定される電流値を調整することで、前述したカム機構21の回動位置で決定されるピストン18の位置を電気的に正確且つ簡単に調整し、前記液圧室19の圧力を調整するようになっている。
このとき第1の電磁開閉弁V1は閉じられており、マスターシリンダ3と液圧モジュレータ6の連通は遮断され、ライダーのブレーキ操作部2にABS制御の圧力変化が伝達されることはない。
さらに、スタンバイ状態において制動入力があったときには、第1の電磁開閉弁V1と第2の電磁開閉弁V2に定格電流を流して第1の電磁開閉弁V1の閉状態を確実に保持するとともに第2の電磁開閉弁V2の開状態を確実に保持しているので、制動時にマスターシリンダ3を液圧モジュレータ6およびブレーキキャリパ4から切り離すとともに、マスターシリンダ3と液損シュミレータ9を連通した状態に確実に保持することできる。
この停止モードでは、初めに、入力側の圧力センサ28で検出されるマスターシリンダ3の液圧と、出力側の圧力センサ29で検出されるブレーキキャリパ4の液圧とがほぼ等圧になるように、電動モータ23の作動を制御する。これら圧力センサ28,29の検出値がほぼ等圧であると判定されると、第3の電磁開閉弁V3の通電を停止して閉作動し、モジュレータ6と主ブレーキ通路5の連通を遮断する(図2の状態)。そして、第3の電磁開閉弁V3の閉作動と同時に、あるいは、第3の電磁開閉弁V3の閉作動の直後に、第1と第2の電磁開閉弁V1,V2の通電を停止する(図1の状態)。これにより、まず、第2の電磁開閉弁V2が閉作動することによってマスターシリンダ3と液損シュミレータ9の連通が遮断され、同時に第1の電磁開閉弁V1が開作動することによってマスターシリンダ3と主ブレーキ通路5のブレーキキャリパ4側が連通する。その結果、マスターシリンダ3側のストロークはそのまま保持されるとともに、ブレーキキャリパ4の液圧によって制動力が維持される。
そして、コントローラ20はブレーキ回路1aの入力側の液圧が大気圧になった時点で、第1の電磁開閉弁V1と第2の電磁開閉弁に定格電流を流して第1の電磁開閉弁V1を閉作動し第2の電磁開閉弁を開作動し、さらにその後、第1の電磁開閉弁V1と第2の電磁開閉弁V2に流す電流を作動状態保持電流まで低減させて前述したスタンバイ状態に戻す。
尚、この発明は前述した実施形態に限られるものではない。
例えば、前述した実施形態では、ABSとCBSを備えたバイワイヤ式のブレーキ装置を例示したが、本発明は、CBSとABSのいずれかを備えないバイワイヤ式のブレーキ装置や、CBSとABSの両方とも備えないバイワイヤ式のブレーキ装置にも適用可能である。
3 マスターシリンダ
4 ブレーキキャリパ(車輪制動手段)
5 主ブレーキ通路
6 液圧モジュレータ
9 液損シュミレータ
23 電動モータ(電動アクチュエータ)
V1 第1の電磁開閉弁
V2 第2の電磁開閉弁
V3 第3の電磁開閉弁
Claims (7)
- ブレーキ操作部に連動するマスターシリンダと、
該マスターシリンダの液圧によって車輪に制動力を付与する車輪制動手段と、
前記マスターシリンダと前記車輪制動手段を接続する主ブレーキ通路と、
電動アクチュエータにより発生させた液圧を前記主ブレーキ通路を介して前記車輪制動手段に供給する液圧モジュレータと、
前記主ブレーキ通路における前記液圧モジュレータとの接続部よりも前記マスターシリンダ側に設けられた常開型の第1の電磁開閉弁と、
を備え、制動の際には前記第1の電磁開閉弁を閉じた状態で、ブレーキ操作部の操作量に応じて前記電動アクチュエータを制御し、前記液圧モジュレータを介して前記車輪制動手段に液圧を供給する自動二輪車のブレーキ装置において、
メイン電源がONされた場合または車速が所定車速に達するまでは前記第1の電磁開閉弁を開状態にし、車速が前記所定車速に達した後は前記第1の電磁開閉弁に定格電流を流して閉じ、その後、この作動状態を保持可能な範囲で前記第1の電磁開閉弁に流す電流を低減することを特徴とする自動二輪車のブレーキ装置。 - 前記第1の電磁開閉弁に流す電流を低減した後に制動入力があったときには、前記第1の電磁開閉弁に定格電流を流すことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
- 前記ブレーキ操作部の操作量に応じて擬似的な液圧反力を前記第1の電磁開閉弁よりもマスターシリンダ側の前記主ブレーキ通路を介して前記マスターシリンダに作用させる液損シュミレータと、
前記主ブレーキ通路と前記液損シュミレータの間に設けられ制動の際には開状態にされる常閉型の第2の電磁開閉弁と、
を備え、メイン電源がONされた場合または車速が所定車速に達するまでは前記第1の電磁開閉弁を開状態にするとともに第2の電磁開閉弁を閉状態にし、車速が前記所定車速に達した後は前記第1の電磁開閉弁に定格電流を流して閉じるとともに第2の電磁開閉弁に定格電流を流して開き、その後、この作動状態を保持可能な範囲で前記第1及び第2の電磁開閉弁に流す電流を低減することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動二輪車のブレーキ装置。 - 前記第1及び第2の電磁開閉弁に流す電流を低減した後に制動入力があったときには、前記第1及び第2の電磁開閉弁に定格電流を流すことを特徴とする請求項3に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
- ブレーキ操作部に連動するマスターシリンダと、
該マスターシリンダの液圧によって車輪に制動力を付与する車輪制動手段と、
前記マスターシリンダと前記車輪制動手段を接続する主ブレーキ通路と、
電動アクチュエータにより発生させた液圧を前記主ブレーキ通路を介して前記車輪制動手段に供給する液圧モジュレータと、
前記主ブレーキ通路における前記液圧モジュレータとの接続部よりも前記マスターシリンダ側に設けられた常開型の第1の電磁開閉弁と、
を備え、制動の際には前記第1の電磁開閉弁を閉じた状態で、ブレーキ操作部の操作量に応じて前記電動アクチュエータを制御し、前記液圧モジュレータを介して前記車輪制動手段に液圧を供給する自動二輪車のブレーキ装置において、
メイン電源がONされた場合または車速が所定車速に達するまでは前記第1の電磁開閉弁を開状態にし、車速が前記所定車速に達した後は前記第1の電磁開閉弁を閉じ、この状態において制動入力があって制動を実施した後、制動解除入力があった場合に、非制動時に所定のタイミングで一時的に前記第1の電磁開閉弁を開くことを特徴とする自動二輪車のブレーキ装置。 - 前記ブレーキ操作部の操作量に応じて擬似的な液圧反力を前記第1の電磁開閉弁よりもマスターシリンダ側の前記主ブレーキ通路を介して前記マスターシリンダに作用させる液損シュミレータと、
前記主ブレーキ通路と前記液損シュミレータの間に設けられ制動の際には開状態にされる常閉型の第2の電磁開閉弁と、
を備え、メイン電源がONされた場合または車速が所定車速に達するまでは前記第1の電磁開閉弁を開状態にするとともに第2の電磁開閉弁を閉状態にし、車速が前記所定車速に達した後は前記第1の電磁開閉弁を閉じるとともに第2の電磁開閉弁を開き、この状態において制動入力があって制動を実施した後、制動解除入力があった場合に、非制動時に所定のタイミングで一時的に前記第1の電磁開閉弁を開くとともに第2の電磁開閉弁を閉じることを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車のブレーキ装置。 - 前記主ブレーキ通路と前記液圧モジュレータの間に設けられた常閉型の第3の電磁開閉弁を備え、この第3の電磁開閉弁は制動入力があるときに限り開くことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
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