JP2006175993A - 自動二輪車のブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 前輪側のブレーキ操作を行った際の後輪接地荷重の変化を早期に抑制して、制動フィーリングの向上を図ることのできる自動二輪車のブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 ブレーキ操作部2に連動するマスターシリンダ3の圧力を検出する入力側圧力センサ28と、ブレーキキャリパ4の圧力を検出する出力側圧力センサ29を設け、これらの検出信号を基にして、前輪側の急ブレーキ操作を行っているか否かをコントローラ20が判断する。コントローラ20が急ブレーキ操作中と判断したときには、ブレーキキャリパ4の増圧特性を高レベル側に変更して前輪に積極的に滑りを生じさせる。前輪に滑りが生じると、後輪接地荷重の大幅な減少が一時的に食い止められ、さらなる接地荷重の減少が防止される。
【選択図】 図1

Description

この発明は自動二輪車のブレーキ装置に関するものである。
自動二輪車のブレーキ装置は、通常、ブレーキ操作部(レバーやペダル等)に設けられたマスターシリンダと車輪に設けられた車輪制動手段(ブレーキキャリパ等)が配管によって接続され、マスターシリンダと車輪制動手段のサイズ等によって一義的に決まる入出力特性によって車輪制動手段を操作するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−264278号公報
しかし、この種の自動二輪車のブレーキ装置では、前輪側に大きな制動力が入力されると、路面に対する前輪の食いつきと車両の慣性力によって後輪接地荷重がより減少する。制動時にこのような後輪接地荷重の変化が生じると、制動フィーリングが悪化することが懸念される。
そこでこの発明は、前輪側のブレーキ操作を行った際の後輪接地荷重の変化を早期に抑制して、制動フィーリングの向上を図ることのできる自動二輪車のブレーキ装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前輪側のブレーキ操作部(例えば、後述の実施形態におけるブレーキ操作部2)の挙動を検出する入力状態検出手段(例えば、後述の実施形態におけるブレーキキャリパ4)と、この入力状態検出手段の検出信号に応じた液圧を作り出し、その液圧を前輪側の車輪制動手段に作用させる液圧モジュレータ(例えば、後述の実施形態における液圧モジュレータ6)と、を備えた自動二輪車のブレーキ装置において、前輪側のブレーキ操作部の挙動を基にしてライダーが前輪側の急ブレーキ操作を行っているか否かを判断する急ブレーキ判断手段(例えば、後述の実施形態におけるコントローラ20、入力側圧力センサ28、出力側圧力センサ29)を設け、この急ブレーキ判断手段が急ブレーキ操作を行っていると判断したときに、前記入力状態検出手段の検出信号に応じて液圧モジュレータで作り出す液圧を増大させて、前輪側の車輪制動手段の増圧特性を変更するようにした。
この場合、制動時に前輪側のブレーキ操作部が操作されると、その挙動が入力状態検出手段によって検出される。液圧モジュレータにおいては、この入力状態検出手段で検出された信号に応じた液圧を作り出し、その液圧を前輪側の車輪制動手段に作用させる。これにより、車輪制動手段は所謂バイワイヤ方式によって制御される。また、前輪側が急ブレーキ操作されたときには、入力状態検出手段の検出信号に応じて液圧モジュレータで作り出す液圧の増圧特性が高圧側に変更され、ブレーキ操作に伴う車輪制動手段の液圧上昇が早められる。
これにより、前輪に微小な滑りが生じ、後輪側の大幅な接地荷重の減少が一時的に食い止められ、さらなる後輪側の浮き上がりが防止される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ブレーキ操作部の操作量に応じた液圧を発生するマスターシリンダ(例えば、後述の実施形態におけるマスターシリンダ3)と、このマスターシリンダの液圧を検出する入力側圧力センサ(例えば、後述の実施形態における入力側圧力センサ28)と、前輪側の車輪制動手段の液圧を検出する出力側圧力センサ(例えば、後述の実施形態における出力側圧力センサ29)と、を備え、制動時には、前記入力側圧力センサと出力側圧力センサの信号を受けて前記液圧モジュレータの液圧をフィードバック制御し、前記急ブレーキ判断手段は、前記入力側圧力センサの検出値から求めたマスターシリンダ圧の変化速度と、出力側圧力センサの検出値を基にして急ブレーキ操作の有無を判断するようにした。
この場合、制動時には、入力側圧力センサの検出値を基にしてライダーの操作意思を判断し、出力側圧力センサの検出値をフィードバックしてライダーの操作意思を正確に反映するように車輪制動手段を制御する。また、急ブレーキ判断手段は、入力側圧力センサの検出値からマスターシリンダの圧力の変化速度を求め、その結果からマスターシリンダ圧の急激な立ち上がりの有無を判断する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記液圧モジュレータから前輪側の車輪制動手段に作用させる液圧は、前記入力状態検出手段の検出信号に基づいて電気的に制御するようにした。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前輪の滑り状態を検出して前輪側の車輪制動手段をABS制御するようにした。
この場合、前輪側の急ブレーキ操作時に、車輪制動手段の増圧特性が高圧側に変更されて車輪制動手段の液圧上昇が早められると、前輪に早期に滑りが生じ、状況によってはそのままアンチロックブレーキ制御に移行する。
請求項1に記載の発明によると、前輪側の急ブレーキ操作時には、前輪側の車輪制動手段の制動圧を急激に変化させることによって前輪に滑りを生じさせ、それによって後輪側の大幅な接地荷重の減少を一時的に食い止め、さらなる後輪接地荷重の減少を防止することができるため、安定した制動フィーリングを確保することが可能になる。
また、請求項2に記載の発明によると、マスターシリンダの液圧を検出する入力側圧力センサと、前輪側の車輪制動手段の液圧を検出する出力側圧力センサを設けたことから、制動時におけるフィードバック制御を正確に行うことができるうえ、これらのセンサを利用して急ブレーキ操作の有無を正確に判断することができる。
また、請求項3に記載の発明によると、前輪側の車輪制動手段に作用させる液圧を入力状態検出手段の検出信号に基づいて電気的に制御するため、前輪側に作用する液圧をブレーキ操作に応じて迅速にかつ高精度に制御することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、前輪側の制動時に前輪に滑りが生じると、その滑り自体で後輪接地荷重の減少を抑制することができると共に、状況によってはつづいてABS制御に移行して制動性能の低下を防止することができる。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の1実施形態の自動二輪車のブレーキ装置の液圧回路図を示している。同図に示すようにこの実施形態のブレーキ装置は、相互に独立した前輪側のブレーキ回路1aと後輪側のブレーキ回路1bとがコントローラ(ECU)20により連係されたものである。
ブレーキ操作は、前輪側のブレーキ回路1aではブレーキ操作部2であるブレーキレバーにより、後輪側のブレーキ回路1bではブレーキ操作部2であるブレーキペダルにより各々行われるが、それ以外の構成は前輪側のブレーキ回路1aも後輪側のブレーキ回路1bもほぼ同様であるので、前輪側のブレーキ回路1aについてのみ詳述し、後輪側のブレーキ回路1bについては、前輪側のブレーキ回路1aと同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
このブレーキ装置では前後輪ともバイワイヤ方式を採用しており、ブレーキレバー等のブレーキ操作部の操作量(この実施形態では液圧)を電気的に検出し、その検出値に基づいて液圧モジュレータで作り出した液圧によって制動力を発生させている。
また、このブレーキ装置では前後輪の一方側をブレーキ操作することにより前後の車輪制動手段が連動して制動動作するブレーキシステム(CBS;COMBINED BRAKE SYSTEM,以下、「CBS」という。)を採用している。
具体的にはブレーキ操作部2が先に操作された側のブレーキ回路では、マスターシリンダの液圧に基づいて液圧モジュレータにより作用する液圧が先に操作された側のブレーキキャリパにバイワイヤ方式により作用し、また、先に操作された側のブレーキ回路のマスターシリンダ圧に基づいて後に操作された側のブレーキ回路でも液圧モジュレータにより作用する液圧がブレーキキャリパにバイワイヤ方式によって作用する。
更に、このブレーキ装置では制動時のブレーキ操作により車輪のスリップ率を適切に制御するブレーキシステム(ABS:ANTI LOCK BRAKE SYSTEM,以下、「ABS」という。)を採用している。
各ブレーキ回路1a,1bは、ブレーキ操作部2に連動するマスターシリンダ3と、このマスターシリンダ3に対応するブレーキキャリパ4とが主ブレーキ通路5によって接続されたものである。前記主ブレーキ通路5の途中には、後述する液圧モジュレータ6が給排通路7により合流接続されている。
主ブレーキ通路5には給排通路7との合流接続部よりもマスターシリンダ3側に、マスターシリンダ3とブレーキキャリパ4とを連通・遮断する常開型(NO)の第1の電磁開閉弁V1が介装されると共に分岐通路8が接続されている。この分岐通路8には、前記第1の電磁開閉弁V1が主ブレーキ通路5を閉じたときに、ブレーキ操作部2の操作量に応じた擬似的な液圧反力をマスターシリンダ3に作用させる液損シュミレータ9が常閉型(NC)の第2の電磁開閉弁V2を介して接続されている。この第2の電磁開閉弁V2は、反力付与時に分岐通路8を開いてマスターシリンダ3側と液損シュミレータ9とを連通させるものである。
前記液損シュミレータ9は、シリンダ10にピストン11が進退自在に収容され、このシリンダ10とピストン11の間に、マスターシリンダ3側から流入した作動液を受容する液室12が形成されたもので、ピストン11の背部側には、特性の異なるコイルスプリング13と樹脂スプリング14が直列に配置されて、これら二つのコイルスプリング13、樹脂スプリング14によってピストン11(ブレーキ操作部2)に対して立ち上がりが緩やかで、ストロークエンドにおいて立ち上がりが急な特性の反力を付与するようになっている。
そして、前記分岐通路8には第2の電磁開閉弁V2を迂回してバイパス通路15が設けられ、このバイパス通路15には液損シュミレータ9側からマスターシリンダ3方向への作動液の流れを許容する逆止弁16が設けられている。
前記液圧モジュレータ6は、シリンダ17内に設けられたピストン18を、これらシリンダ17とピストン18の間に形成された液圧室19方向に押圧するカム機構21と、ピストン18をカム機構21側に常時押し付けるリターンスプリング22と、カム機構21を作動させる電動モータ23とを備えていて、前記液圧室19が前記給排通路7に連通接続されている。この液圧モジュレータ6は電動モータ23によりカム機構21を介してシリンダ17の初期位置を基準としてピストン18を押圧したり、リターンスプリング22によりピストン18を戻すことにより、液圧室19の圧力を増減して、ブレーキキャリパ4の制動圧力を増減できるようになっている。
ここで、前記電動モータ23は、PWM制御により入力デューティ比(ON時間/ON時間+OFF時間)で決定される電流値を調整することで、前述したカム機構21の回動位置で決定されるピストン18の位置を電気的に正確且つ簡単に調整し、前記液圧室19の圧力を調整するようになっている。
前記カム機構21にはバックアップスプリング24を介して図示しないストッパによりストロークを規制されたリフター25が進退自在に配置され、このリフター25によって液圧室19を縮小する方向にピストン18が常時押圧されている。これにより、前記電動モータ23が非通電状態になった場合に、バックアップスプリング24によりリフター25が押圧されストッパにより停止されてピストン18を初期位置へ戻すようになっている。したがって、主ブレーキ通路5(ブレーキキャリパ4)に作動液を積極的に供給するCBS制御と、ピストン18を後退前進させ液圧室19の減圧、保持、再増圧するABS制御を行うことができる。
前記給排通路7には常閉型(NC)の第3の電磁開閉弁V3が介装されている。前記給排通路7には第3の電磁開閉弁V3を迂回してバイパス通路26が設けられ、このバイパス通路26には液圧モジュレータ6側からブレーキキャリパ4方向への作動液の流れを許容する逆止弁27が設けられている。
ここで、前輪側のブレーキ回路1aと後輪側のブレーキ回路1bには、第1の電磁開閉弁V1を挟んでマスターシリンダ3側である入力側に入力側圧力センサ(P)28が、ブレーキキャリパ4側である出力側に出力側圧力センサ(P)29が各々設けられている。また、前記カム機構21の図示しないカム軸には、角度情報フィードバック用の角度センサ30が設けられ、前記ブレーキキャリパ4には車輪速度を検出する車輪速度センサ31が設けられている。また、制御モードをライダーによる手動操作で切換えるモード切換えスイッチ32が設けられ、CBS制御を希望する場合はライダーがこれを切り替えて選択する。尚、以下の説明はCBS制御が選択された場合の説明である。
コントローラ20は、前記圧力センサ28,29の検出信号、及び角度センサ30の検出信号、車輪速度センサ31の検出信号に基づいて、前記第1の電磁開閉弁V1、第2の電磁開閉弁V2、及び第3の電磁開閉弁V3を開閉制御すると共に、電動モータ23を駆動制御する。
具体的には、一方のブレーキ操作部2が操作されると、そのとき前後輪の速度が車輪速度センサ31から、またブレーキ操作量等の情報が前記圧力センサ28を通してコントローラ20に入力され、このときコントローラ20からの指令によって両方のブレーキ回路の第1の電磁開閉弁V1が主ブレーキ通路5を閉じる方向に維持されると同時に、電磁開閉弁V2,V3が開く方向に維持され、両方の液圧モジュレータ6が各ブレーキキャリパ4に車両の運転条件やブレーキ操作に応じた液圧を供給する。
また、前記コントローラ20は、前輪側の車輪速度センサ31、後輪側の車輪速度センサ31とによって検出された車輪速度のうち、高い方の車輪速度を車両の推定車速vrとして設定して、更に、この推定車速vrと前輪又は後輪の車輪速度との差分に基づいて前輪スリップ率又は後輪スリップ率を算出する。ここで、前輪スリップ率、後輪スリップ率が予め設定されたスリップ率の閾値を超えた場合に、車輪にスリップが発生したと判定して液圧モジュレータ6の液圧を減圧するABS制御を作動開始するようになっている。
上記構成によれば、車両が停止している場合(車速=0)には、図1に示すように、前輪側のブレーキ回路1a及び後輪側のブレーキ回路1bにおいては、第1の電磁開閉弁V1が開作動状態、第2の電磁開閉弁V2は閉作動状態、第3電磁開閉弁V3は閉作動状態となっている。したがって、各電磁開閉弁V1,V2,V3には、何ら電力を必要としない。
そして、車両走行中に、ライダーが前輪側のブレーキ操作部2であるブレーキレバーを操作すると、図2に示すように、前輪側のブレーキ回路1aでは第1の電磁開閉弁V1が閉作動、第2の電磁開閉弁V2及び第3の電磁開閉弁V3が開作動される。したがって、主ブレーキ通路5が第1の電磁開閉弁V1の閉作動によってマスターシリンダ3から切り離されると同時に、第2の電磁開閉弁V2の開作動によって分岐通路8、主ブレーキ通路5がマスターシリンダ3と液損シュミレータ9とを導通し、更に第3の電磁開閉弁V3の開作動によって給排通路7、主ブレーキ通路5が液圧モジュレータ6とブレーキキャリパ4とを導通する。
一方、このとき後輪側のブレーキ回路1bでも、同時に第1電磁開閉弁V1が閉作動、第2の電磁開閉弁V2及び第3の電磁開閉弁V3が開作動される。したがって、主ブレーキ通路5が第1の電磁開閉弁V1の閉作動によってマスターシリンダ3から切り離されると同時に、第2の電磁開閉弁V2の開作動によって分岐通路8、主ブレーキ通路5がマスターシリンダ3と液損シュミレータ9とを導通し、更に第3の電磁開閉弁V3の開作動によって給排通路7、主ブレーキ通路5が液圧モジュレータ6とブレーキキャリパ4とを導通する。
これにより、ライダーは前輪側及び後輪側のブレーキ回路1a,1bの液損シュミレータ9によって擬似的に再現させた前後輪側でブレーキ操作感を感じることが可能になり(図2において鎖線矢印参照)、同時に液圧モジュレータ6の作動による液圧変動は第1の電磁開閉弁V1が閉作動しているためライダー側に伝達されなくなる。また、このとき、これに並行して液圧モジュレータ6の電動モータ23が作動し、カム機構21によりピストン18が押圧されることにより液圧室19の作動液を加圧する。これによって、電動モータ23の制御に応じた液圧が主ブレーキ通路5を通してブレーキキャリパ4に供給される(図2において実線矢印参照)。
また、前輪あるいは後輪(例えば、図2では前輪)のスリップ率が所定の値を超える状況になったことが、前記車輪速度センサ31により検出された場合には、コントローラ20が電動モータ23を制御してピストン18を後退させ(図2に破線矢印で示す)、ブレーキキャリパ4の制動圧を低下させABS制御により車輪のスリップ率を適切に制御する。
このとき第1の電磁開閉弁V1は閉じられており、マスターシリンダ3と液圧モジュレータ6の連通は遮断され、ライダーのブレーキ操作部2にABS制御の圧力変化が伝達されることはない。
ここで、前述したのはブレーキ操作部2を操作したがABSが作動しないで車両が停止した場合で説明したが、ABSが作動して車両が停止した場合についても同様に制御できる。つまり、ABSが作動した場合には、ABSでは液圧室19の減圧、保持、再増圧するため、車両がどの時点で停止したかによって、前記マスターシリンダ3側の圧力と、ブレーキキャリパ4側の圧力との大小関係が特定できないため、前述した電動モータ23の正逆転駆動を含みこれをPWM制御して入力デューティ比で決定される電流値を調整することで、増圧側に調整する場合でも減圧側に調整する場合でも、前述したカム機構21の回動位置で決定されるピストン18の位置を電気的に正確かつ簡単に自由に調整することができるのである。
ところで、このブレーキ装置においては、ライダーが前輪側に急ブレーキ(所定レベル以上の液圧上昇を伴うブレーキ操作)を行ったことを判断する急ブレーキ判断手段を備え、この急ブレーキ判断手段が現在急ブレーキを行っていると判断したときに、コントローラ20が、ブレーキキャリパ4の増圧特性(マスターシリンダ3の増圧に対応するブレーキキャリパ4の増圧特性)を高レベル側に変更し、ブレーキキャリパ4がその変更した増圧特性に沿って立ち上がるように液圧モジュレータ6(電動モータ23)を制御する。このブレーキ装置の場合、急ブレーキ操作時には、このようにブレーキキャリパ4の増圧特性を高レベル側に変更することによって前輪の滑りを発生させる。
図3中のAは、通常ブレーキ時におけるブレーキキャリパ4の基本的な増圧特性(以下、「基本増圧特性」と呼ぶ)を示し、同図中のB及びB´は、急ブレーキ時に高レベル側に変更された増圧特性(以下、「急ブレーキ時増圧特性」と呼ぶ)を示す。
この実施形態の場合、急ブレーキ時増圧特性は、ライダーによるブレーキ操作部2の操作速度や推定車体速度等の条件によって高レベル側へのシフト度合い(図3中のB,B´参照)等が適宜変更される。また、急ブレーキ判断手段は、入力側圧力センサ28及び出力側圧力センサ29と、コントローラ20によって構成されている。
以下、コントローラ20による急ブレーキ判断と、急ブレーキ時における液圧モジュレータ6の具体的な制御について図4,図5のフローチャートに従って説明する。
急ブレーキの判断処理においては、図4のS101において、以下の(1),(2)の条件を同時に満たすかどうかを判断し、条件を満たさない場合には、急ブレーキ操作を行っていないものと判断して、図3中のAの基本増圧特性になるように通常ブレーキ制御を行い、条件を満たす場合には、次のS102へと進む。
(1)前輪側のブレーキキャリパ4(キャリパシリンダC/C)の液圧検出値を示す変数fcpが第1の基準液圧FCP_STR以上。
(2)マスターシリンダ3の液圧変化率を示す変数dfmpが基準液圧変化率DFMP_STA以上。
S102においては、前記条件(1),(2)を満たした後にブレーキキャリパ圧の変数fcpが第1の基準液圧FCP_STRよりも大きい第2の基準液圧FCP_JACKになったとき、以下の条件(3)を満たしたかどうかを判断する。ここで、条件(3)を満たさない場合には、急ブレーキ操作を行っていないものと判断して図3中のAの基本増圧特性になるように通常のブレーキ制御を行い、条件(3)を満たす場合には、急ブレーキ操作を行っているものと判断して図3中のB,B´等(B,B´は代表例)の急ブレーキ時増圧特性になるように急ブレーキ制御を行う(図5のフローに移る)。
(3)マスターシリンダ3の液圧変化率を示す変数dfmpが第2の基準液圧変化率DFMP_JACK以上。
急ブレーキ制御時には、図5のS201において、前段フローのS101の条件(1),(2)を満たした後に、S102の条件(3)を満たすまでの経過時間t_jackを演算し、つづくS202においては、コントローラ20の記憶部に予め記憶させてある図6のマップ1を参照して経過時間t_jackに対応する基本追加昇圧値fasjを決定する。
なお、経過時間t_jackと基本追加昇圧値fasjの関係を規定した図6のマップ1は、急ブレーキ操作状況に応じた最適な基本追加昇圧値fasjを設定するためのものである。
また、S203においては、コントローラ20に予め記憶させてある図7のマップ2を参照して推定車体速度Vrに対応する補正係数fasjvを決定する。
図7のマップ2で規定された推定車体速度Vrと補正係数fasjvの関係は、例えば、推定車体速度Vrが早くなれば、追加昇圧を大きくしなくても制動時に車輪のスリップが生じ易くなること等を考慮して決められている。
この後、S204において、基本追加昇圧値fasjと補正係数fasjvから追加昇圧値を演算によって求め、つづくS205において、基本増圧特性から求まる通常ブレーキ圧にS204で求めた追加昇圧値を加算した液圧になるように液圧モジュレータ6(電動モータ23)を制御する。
このブレーキ装置の場合、前輪側の急ブレーキ操作時に以上のような制御が行われると、前輪側のブレーキキャリパ4の増圧特性が高レベル側に変更されるため、ライダーによる急ブレーキ操作が開始されてから前輪側ブレーキの制動圧を急激に変化させることにより、前輪の滑りを積極的に生じさせる。これにより、前輪の接地状態が悪化し、後輪接地荷重が減少するのを一時的に食い止め、さらなる後輪接地荷重の減少を防止する。また、このとき発生した前輪の滑りが大きい場合には、ABSが作動することによって最適な制動性能が確保される。
また、この実施形態のブレーキ装置は、マスターシリンダ3の液圧を検出する入力側圧力センサ28と、ブレーキキャリパ4の液圧を検出する出力側圧力センサ29を設け、これらの二つの圧力センサ28,29を用いることによって制動時における液圧モジュレータ6のフィードバック制御と、急ブレーキの有無判断を行うようにしているため、ブレーキ制御精度の向上を図ることができると共に、急ブレーキの正確な判断を行うことができる。また、ABS制御時にも、出力側圧力センサ29を用いることで制御精度の向上を図ることができる。
この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、以上では、ABSと共にCBSを採用した自動二輪車の実施形態について説明したが、CBSは必ずしも採用しなければならないものでなく、少なくとも前輪側にABSを採用するものであれば良い。
また、上記の実施形態は、入力側圧力センサ28の検出値に基づいて液圧モジュレータ6で液圧を作り出し、その液圧をブレーキキャリパ4に供給するバイワイヤ方式を採用するものであるが、マスターシリンダの液圧をブレーキキャリパに直接作用させる方式のブレーキ装置においても、急ブレーキ操作時に追加増圧を行うアクチュエータを追加すれば同様にこの発明を採用することができる。
この発明の一実施形態を示すブレーキ装置の液圧回路図。 同実施形態を示すプレーキ装置の液圧回路図。 同実施形態のブレーキキャリパの増圧特性図。 同実施形態の急ブレーキ操作の判定処理を示すフローチャート。 同実施形態の急ブレーキ制御を示すフローチャート。 同実施形態の経過時間t_jackと基本追加昇圧値fasjの関係を規定したマップ。 同実施形態の推定車体速度Vrと補正係数fasjvの関係を規定したマップ。
符号の説明
2…ブレーキ操作部 3…マスターシリンダ 4…ブレーキキャリパ(車輪制動手段) 6…液圧モジュレータ 20…コントローラ(急ブレーキ判断手段) 28…入力側圧力センサ(入力状態検出手段、急ブレーキ判断手段) 29…出力側圧力センサ

Claims (4)

  1. 前輪側のブレーキ操作部の挙動を検出する入力状態検出手段と、
    この入力状態検出手段の検出信号に応じた液圧を作り出し、その液圧を前輪側の車輪制動手段に作用させる液圧モジュレータと、を備えた自動二輪車のブレーキ装置において、
    前輪側のブレーキ操作部の挙動を基にしてライダーが前輪側の急ブレーキ操作を行っているか否かを判断する急ブレーキ判断手段を設け、
    この急ブレーキ判断手段が急ブレーキ操作を行っていると判断したときに、前記入力状態検出手段の検出信号に応じて液圧モジュレータで作り出す液圧を増大させて、前輪側の車輪制動手段の増圧特性を変更することを特徴とする自動二輪車のブレーキ装置。
  2. ブレーキ操作部の操作量に応じた液圧を発生するマスターシリンダと、
    このマスターシリンダの液圧を検出する入力側圧力センサと、
    前輪側の車輪制動手段の液圧を検出する出力側圧力センサと、
    を備え、
    制動時には、前記入力側圧力センサと出力側圧力センサの信号を受けて前記液圧モジュレータの液圧をフィードバック制御し、
    前記急ブレーキ判断手段は、前記入力側圧力センサの検出値から求めたマスターシリンダ圧の変化速度と、出力側圧力センサの検出値を基にして急ブレーキ操作の有無を判断することを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  3. 前記液圧モジュレータから前輪側の車輪制動手段に作用させる液圧は、前記入力状態検出手段の検出信号に基づいて電気的に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  4. 前輪の滑り状態を検出して前輪側の車輪制動手段をABS制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動二輪車のブレーキ装置。

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