JP4434940B2 - 自動二輪車のブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
また、上述の急ブレーキ時における前記後輪の接地圧を十分に確保するためにABS作動条件である前記スリップ率の閾値を低く設定すると、同乗者が乗車している場合や荷物積載時等に頻繁にABSが作動して、制動フィーリングが低下する場合があるという課題がある。
このように構成することで、例えば、二人乗りの場合や、荷物を積載している場合には急ブレーキによる後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が低いと判定することができ、一方、例えば、非積載の場合には、アンチロックブレーキシステムが作動するまでに後輪側の接地荷重の大幅な減少可能性が高いと判定して、アンチロックブレーキシステムを作動開始させる閾値を変化させてアンチロックブレーキシステムの作動開始タイミングを最適化することができる。
また、走行時と制動時の車両状態が共に後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高い状態と判定された場合にアンチロックブレーキシステムを作動開始する閾値を変化させて最適化することができる。
さらに、後輪の接地荷重の大幅な減少が生じる前に前輪側のアンチロックブレーキシステムを作動させて後輪の接地圧を確保することができる。
図1はこの発明の1実施形態の自動二輪車のブレーキ装置の液圧回路図を示している。同図に示すようにこの実施形態のブレーキ装置は、相互に独立した前輪側のブレーキ回路1aと後輪側のブレーキ回路1bとがコントローラ(ECU)20により連係されたものである。
また、このブレーキ装置では前後輪の一方側をブレーキ操作することにより前後の車輪制動手段が連動して制動動作するブレーキシステム(CBS;COMBINED BRAKE SYSTEM,以下、「CBS」という。)を採用している。
更に、このブレーキ装置ではABSを採用している。
そして、前記分岐通路8には第2の電磁開閉弁V2を迂回してバイパス通路15が設けられ、このバイパス通路15には液損シュミレータ9側からマスターシリンダ3方向への作動液の流れを許容する逆止弁16が設けられている。
ここで、前記電動モータ23は、PWM制御により入力デューティ比(ON時間/ON時間+OFF時間)で決定される電流値を調整することで、前述したカム機構21の回動位置で決定されるピストン18の位置を電気的に正確且つ簡単に調整し、前記液圧室19の圧力を調整するようになっている。
まず、ステップS1で前輪の車輪速度を検出し、ステップS2で後輪の車輪速度を検出する。次に、ステップS3では検出された前輪の車輪速度と後輪の車輪速度とから車輪のスリップ率を演算する。ステップS4では前輪側のブレーキキャリパのシリンダ(C/C)の液圧fcpを検出する。
まず、ステップS21(第一判定手段)で走行時の車両状態を示す指数Kiが予め設定された所定値K1以上か否かを判定する。判定結果が「YES」(Ki≧K1)である場合はステップS29に進み、判定結果が「NO」(Ki<K1)である場合はステップS22に進む。ここで、前記指数Kiは後輪側の接地荷重の減少し難さを示す値である。この指数Kiが大きいほどライダーによる急ブレーキ時であっても後輪に接地荷重の大幅な減少が発生し難い(後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が低い)状態であり、具体的には、二人乗りや荷物が積まれた状態でパッセンジャーシート圧が高いほど、また、パッセンジャーステップ荷重が高いほど前記指数Kiは大きくなる。言い換えれば、車両の後方に大きな荷重がかかっている状態である。つまり、前記指数Kiが所定値K1よりも低い場合に後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高いと判定しているのである。
更に、ステップS21とステップS23で後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高いと判定され、且つ、ステップS22でライダーによって急ブレーキ操作が行われていると判定された状態が所定時間連続しているような場合には、スリップ率に関わらず、強制的にABSを作動させることができるため、確実に後輪の接地圧を確保して制動フィーリングが向上でき、この結果、ライダーの負担を軽減することができる。
ステップS21 第一判定手段
ステップS23 第二判定手段
λ_B スリップ率(閾値)
K_b 指数
Claims (2)
- 後輪の接地荷重の大幅な減少可能性を判定し、この判定結果に基づいてアンチロックブレーキシステムを作動開始するための閾値を変化させる一方、
車両走行中にライダーがブレーキ操作部を操作すると、ブレーキ操作部に連動するマスタシリンダと、マスタシリンダに対応するブレーキキャリパを接続する主ブレーキ通路とを切り離すと同時に、マスタシリンダと液損シミュレータとを接続する分岐通路とを導通し、前記ブレーキ操作部の操作量を電気的に検出して、その検出値に基づいて前後輪に制動力を発生させるバイワイヤ方式の自動二輪車のブレーキ制御装置であって、
少なくともパッセンジャーシート圧とパッセンジャーステップ荷重との何れかに基づいて後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高いか否かを判定する第一判定手段と、
少なくとも車体のピッチングレート、サスペンションストローク、各車輪の接地圧の何れかに基づいて後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高いか否かを判定する第二判定手段と、
前輪側のマスタシリンダの液圧変化率に基づいて後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高いか否かを判定する第三判定手段と、
前後輪の車輪速度から前後輪のスリップ率を演算し、前記スリップ率とアンチロックブレーキ開始スリップ率とを比較してアンチロックブレーキを作動させるコントローラとを備え、
前記第一判定手段と第二判定手段と第三判定手段との三者によって後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高いと判定された場合には、アンチロックブレーキシステムを作動開始するための閾値を後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高いと判定されていない時よりも低い閾値に持ち替え、
前記コントローラは、前記アンチロックブレーキ作動開始スリップ率の設定において、後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高くかつ、急激なブレーキ操作が行われている状態が所定時間連続していると判定した場合、アンチロックブレーキを強制的に作動させることを特徴とする自動二輪車のブレーキ制御装置。 - 前記第一判定手段は、走行時の車両状態と第1の指数とを比較して後輪の接地荷重の大幅な減少可能性を判定し、前記第二判定手段は制動時の車両状態と第2の指数を比較して後輪の接地荷重の大幅な減少可能性が高いか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のブレーキ制御装置。
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