JP4828455B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はモータ駆動のポンプによってホイルシリンダ圧を増圧するブレーキバイワイヤ式のブレーキ制御装置に関する。
従来、特許文献1に記載のブレーキ制御装置にあっては、ホイルシリンダ圧を増圧するポンプを駆動するモータを備え、このモータの温度が高温の閾値以上となった場合、モータの出力絶対値を制限することで発熱に対しシステム保護を行っている。
また、特許文献2に記載の技術にあっては、電源電圧が低下した際に大きなブレーキ制御量要求があった場合、要求制御量に対し目標制御量の絶対値を減少させることで、急激な電圧低下によるシステムダウンを回避している。
特開2000−32602号公報 特開2000−62589号公報
しかしながら特許文献1の技術にあっては、高温時にモータ出力絶対値が不足し、必要制動力が得られないという問題があった。一方特許文献2の技術にあっては、単に目標制御量の絶対値を低下させているだけであって制御量の勾配を考慮しているわけではないため、電源電圧低下時にモータ出力勾配が過大となった場合、電圧が急降下してシステムダウンが発生するおそれがある。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、高温時または電圧低下時であっても、システムダウンを回避しつつ必要制動力を確保したブレーキ制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、ホイルシリンダ内の圧力を増圧するポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータを駆動する駆動回路と、前記モータの電源と、車両の状態から目標ホイルシリンダ圧を演算し、この目標ホイルシリンダ圧に基づき前記駆動回路に対しモータ駆動指令値を出力するコントロールユニットとを備えるブレーキ制御装置において、前記コントロールユニットは、前記電源の電圧、および前記駆動回路の温度のいずれか一方または両方を検出し、前記電源の電圧が所定の勾配低減電圧閾値以下となった場合、または前記駆動回路の温度が所定の勾配低減温度閾値以上となった場合、前記モータ駆動指令値の勾配を低減するモータ駆動指令値勾配低減制御を実行し、前記電源の電圧が前記勾配低減電圧閾値よりも低い絶対値低減電圧閾値以下となった場合、または前記駆動回路の温度が前記勾配低減温度閾値よりも高い絶対値低減温度閾値以上となった場合、前記モータ駆動指令値の絶対値を低減させるモータ駆動指令絶対値低減制御を実行することとした。

よって、高温時または電圧低下時であっても、システムダウンを回避しつつ必要制動力を確保したブレーキ制御装置を提供できる。
以下、本発明の車両のブレーキ制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
[システム構成および油圧回路]
図1は実施例1におけるシステム構成図、図2は油圧回路図である。ブレーキ液圧装置は4輪全輪のホイルシリンダW/C(FL〜RR)を1つのポンプP1によって増圧する油圧ブレーキバイワイヤシステムである。マスタシリンダM/Cはいわゆるタンデム型であり、マニュアル回路A(FL),A(FR)によってFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)に接続されている。
また、マスタシリンダM/CはリザーバRSVと接続し、各電磁弁はコントロールユニットCUにより駆動される。液圧源であるポンプは常用のメインポンプMain/Pと非常用のサブポンプSub/Pが並列に設けられている。
メインポンプMain/Pは双方向ポンプ、サブポンプSub/Pは一方向ポンプであり、それぞれコントロールユニットCUからの指令に基づきメインモータMain/MおよびサブモータSub/Mによって駆動される。
マニュアル回路A(FL),A(FR)上には常開電磁弁(ON/OFF弁)であるシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)が設けられ、それぞれ第1、第2マスタシリンダM/C,M/C2とFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)を連通/遮断する。
マニュアル回路A(FL)上であって第1マスタシリンダM/CとシャットオフバルブS.OFF/V(FL)の間にはストロークシミュレータS/Simが設けられている。このストロークシミュレータS/Simは常閉電磁弁(ON/OFF弁)であるキャンセルバルブCan/Vを介してマニュアル回路A(FL)に接続する。
FLシャットオフバルブS.OFF/V(FL)が閉弁され、キャンセルバルブCan/Vが開弁されている際、ブレーキペダルBPの踏み込みに伴って第1マスタシリンダM/C内の作動油がストロークシミュレータS/Simに導入され、ペダルストロークを確保する。
メインおよびサブポンプMain/P,Sub/Pの吐出側は増圧回路Cに接続し、接続点I(FL〜RR)において各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)に接続する。一方、各ポンプMain/P,Sub/Pの吸入側は減圧回路Bと接続される。
この増圧回路C上には常閉電磁弁(比例弁)であるインバルブIN/V(FL〜RR)が設けられ、各ポンプMain/P,Sub/Pと各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)の連通/遮断を切り替える。
また、各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)は接続点I(FL〜RR)において減圧回路Bと接続する。この減圧回路B上には常閉電磁弁(比例弁)であるアウトバルブOUT/V(FL〜RR)が設けられ、各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)とリザーバRSVとの連通/遮断を切り替える。
各ポンプMain/P,Sub/Pの吐出側にはそれぞれチェック弁C/Vが設けられ、ポンプPを介して増圧回路Cから減圧回路Bへ作動油が逆流することを回避する。さらに、増圧回路Cと減圧回路Bとはリリーフ弁Ref/Vを介して接続され、増圧回路Cの圧力が規定値以上となった場合に作動油を減圧回路Bに逃がす。
マニュアル回路A(FL),A(FR)上であってシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)とマスタシリンダM/Cとの間、にはそれぞれ第1、第2マスタシリンダ圧センサMC/Sen1,2が設けられ、各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)には液圧センサWC/Sen(FL〜RR)が設けられている。
コントロールユニットCUには検出された第1、第2マスタシリンダ圧Pm1,Pm2および各液圧P(FL〜RR)、およびブレーキペダルBPのストロークを検出するストロークセンサS/Senの検出値が入力される。
これらの検出値に基づき、コントロールユニットCUは各輪FL〜RRの目標液圧P*(FL〜RR)を演算し、各モータMain/M,Sub/MおよびインバルブIN/V(FL〜RR)、アウトバルブOUT/V(FL〜RR)を駆動する。また、通常制動時にはシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を閉弁し、キャンセルバルブCan/Vを開弁する。
また、コントロールユニットCUは各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)の目標液圧P*(FL〜RR)と実液圧P(FL〜RR)の比較を行い、目標液圧に対して実液圧が異常な応答を示した場合は異常信号をワーニングランプWLへ出力する。加えて、コントロールユニットCUには車輪速VSPが入力され、車両の走行/停止を判断する。
[制動制御]
(通常増圧時)
通常増圧時においては、キャンセルバルブCan/Vを開弁、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を遮断して運転者によるブレーキペダルBPの踏み込みをストロークセンサS/Senにより検出し、この検出値に基づきコントロールユニットCUにおいて各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)の目標液圧P*(FL〜RR)を演算する。
また、コントロールユニットCUはモータMによりメインモータMain/MまたはサブモータSub/Mを駆動して吐出圧を増圧回路Cに作用させる。さらに演算された目標液圧P*(FL〜RR)に応じて各インバルブIN/V(FL〜RR)を駆動し、各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)に作動油を供給して制動力を得る。
(減圧時)
減圧時においては、コントロールユニットCUにより各アウトバルブOUT/V(FL〜RR)を駆動し、減圧回路Bを介して各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)からリザーバRSVへ作動油を排出する。
(保持時)
保持時においては各インバルブIN/V(FL〜RR)、各アウトバルブOUT/V(FL〜RR)を閉弁し、各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)と増圧、減圧回路C,Bとを遮断する。
(マニュアルブレーキ)
システム失陥時等においては常開のシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)が開弁され、常閉の各インバルブIN/V(FL〜RR)およびアウトバルブOUT/V(FL〜RR)が閉弁される。これによりマスタシリンダM/CとFL,FR輪ホイルシリンダ(FL,FR)が連通し、マニュアルブレーキが確保される。
[液圧制御ブロック図]
図3はコントロールユニットCUにおける液圧制御ブロック図である。
液圧指令演算部110は、ブレーキペダルBPのペダル信号、電源電圧信号、モータ駆動回路150の回路温度信号、W/C液圧信号、ホイール回転数(車輪速)信号に基づき液圧指令値を演算し、液圧制御部120へ出力する。
液圧制御部120は、液圧指令値、W/C液圧信号、ホイール回転数(車輪速)信号、モータ回転数信号に基づき液圧指令信号を演算し、モータ制御部130およびバルブ制御部140へ出力する。
モータ制御部130は液圧指令信号に基づきモータ駆動回路150を制御し、バルブ制御部140は液圧指令信号に基づき各電磁バルブを制御する。
モータ駆動回路150はコントロールユニットCUの外部に設けられ、バッテリから電力供給を受けてモータ制御部130の指令に基づきモータMに対しモータ出力指令値を出力する。
[電源電圧に基づく液圧指令値の勾配・絶対値の低減]
[メインフロー]
図4は電源電圧に基づく液圧低減処理の流れを示すメインフローである。以下、液圧指令値の勾配および絶対値を低減する場合は、モータMに対する駆動指令値の勾配および絶対値を低減することにより行う。
ステップS100では電源電圧値を判定し、ステップS200へ移行する。
ステップS200ではモータ駆動指令値の勾配を低減させることで液圧指令勾配低減処理を実行し(モータ駆動指令値勾配低減制御)、ステップS300へ移行する。電源電圧値が低下していれば液圧指令値の勾配を低減し、電源電圧の急低下によるシステムダウンを回避する。
ステップS300ではモータ駆動指令値の絶対値を低減させることで液圧指令絶対値低減処理を実行し(モータ駆動指令絶対値低減制御)、制御を終了する。液圧指令勾配低減処理によっても電源電圧の低下が抑制できない場合、液圧指令値の絶対値を低減し、電源電圧を保護する。
なお、モータ駆動指令値の勾配および絶対値を低減させる際は、モータMに対する電流を低減させてもよいし、ベクトル制御によってモータMを駆動する場合は弱め界磁方向の出力を低下させてもよい。電源負荷を低減可能であれば他の方法でもよい。
[電源電圧値判定処理)
図5は電源電圧判定処理の流れを示すフローチャートである。図4のステップS100に相当する。
ステップS101では電源電圧値Vsrcを読み込み、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、電源電圧値Vsrcの値に応じたモータMに対する出力低減モード(図6、図7参照)を設定し、制御を終了する。
[電源電圧と液圧低減モードの対応]
図6は電源電圧Vsrcに対する液圧低減モード表である。また、図7は電源電圧に対する液圧指令値勾配上限値ΔPlimと液圧指令値絶対値上限値Plimの値を示すタイムチャートである。
本願では電圧低下時にモータ出力勾配が過大となって電源電圧が急低下することを防止するため、液圧指令値の勾配の上限値を設定し、電源電圧低下時にはこの上限値を低減させることで電圧降下に伴うシステムダウンを回避する。
なお、図6、図7では
電源電圧 Vsrc
前輪液圧変化率低減閾値 Vf1
後輪液圧変化率低減閾値 Vr1
前輪液圧絶対値低減閾値 Vf2
後輪液圧絶対値低減閾値 Vr2
前輪液圧絶対値下限設定閾値 Vf3
後輪液圧絶対値下限設定閾値 Vr3
とする。
また、図6では
モード0 液圧指令勾配ΔP=上限値ΔP1
液圧指令絶対値P=上限値P1
モード1 ΔP 低減
P=上限値P1
モード2 ΔP 下限値ΔP2
P 低減
モード3 ΔP=下限値ΔP2
P=下限値P2
以上にしたがって、液圧指令モードを決定する。なお、図7では液圧絶対値の下限値P2=0とする。前後輪の液圧指令モードが異なる場合は、各電磁弁(図2参照)を制御することで前後輪の液圧指令値の勾配・絶対値を制御する。
(Vsrc>Vr1)
前後輪ともにモード0であり、液圧指令値の勾配および絶対値は上限値ΔP1lim,P1limに設定される。
(Vf1<Vsrc≦Vr1)
前輪はモード0、後輪はモード1であり、前輪液圧勾配および絶対値の上限値はΔP1,P1である。後輪は液圧絶対値の上限値はP1のままであるが液圧指令勾配の上限値が低減する。
(Vr2<Vsrc≦Vf1)
前後輪ともにモード1であり、液圧絶対値の上限値はP1、液圧指令勾配の上限値=低減となる。
(Vf2<Vsrc≦Vr2)
前輪はモード1、後輪はモード2であり、後輪液圧絶対値の上限値は低減し、後輪液圧指令勾配上限値はΔP2となる。
(Vr3<Vsrc≦Vf2)
前後輪ともにモード2であり、液圧絶対値の上限値は低減、液圧指令勾配上限値=ΔP2に制限される。
(Vf3<Vsrc≦Vr3)
前輪はモード2、後輪はモード3であり、後輪液圧絶対値の上限値はΔP2、後輪液圧絶対値の上限値はP2に制限される。
(Vsrc≦Vf3)
前後輪ともにモード3であり、前輪の液圧絶対値の上限値はP2に制限される。
[液圧指令勾配低減処理]
図8は液圧指令勾配低減処理のフローチャートである。
ステップS201では前輪(フロント側)の液圧指令勾配上限値ΔPflimを演算し、ステップS202へ移行する。
ステップS202では後輪(リア側)の液圧指令勾配上限値ΔPrlimを演算し、ステップS203へ移行する。
ステップS203では
ΔP(n)=P(n)−P(n−1)
の式に基づき液圧指令勾配の演算を実行し、ステップS204へ移行する。なお、ΔP(n)は液圧指令勾配の今回値、P(n)、P(n−1)はそれぞれ液圧指令絶対値の今回値および前回値である。
ステップS204では前後輪に対して液圧指令勾配の低減を行うか否かの判断を実行する。液圧指令勾配今回値ΔP(n)<液圧指令勾配上限値ΔPlimであればステップS206へ移行し、そうでなければステップS205へ移行する。
ステップS205では前後輪に対して液圧指令勾配を上限値ΔPlimに低減し、ステップS206へ移行する。
ステップS206では
P(n)=P(n−1)+ΔP(n)
の式に基づき液圧指令値P(n)の演算を実行し、制御を終了する。
[電源電圧と液圧指令勾配の関係]
図9、図10は電源電圧と液圧指令勾配の関係を示す図である。図9は前輪液圧勾配上限値ΔPflim、図10は後輪液圧勾配上限値ΔPrlimを示す。上述のように、電源電圧Vsrcの低下に応じて液圧勾配上限値を低減させる。
[液圧指令絶対値低減処理]
図11は液圧指令絶対値低減処理のフローチャートである。
ステップS301では前輪(フロント側)の液圧指令絶対値上限値Pflimを演算し、ステップS302へ移行する。
ステップS302では後輪(リア側)の液圧指令絶対値上限値Prlimを演算し、ステップS303へ移行する。
ステップS303では前後輪に対して液圧指令絶対値の低減を行うか否かの判断を実行する。液圧指令絶対値今回値P(n)<液圧指令絶対値上限値Plimであれば制御を終了し、そうでなければステップS304へ移行する。
ステップS304では前後輪に対して液圧指令絶対値を上限値Plimに低減し、制御を終了する。
[電源電圧と液圧指令絶対値の関係]
図12、図13は電源電圧と液圧指令絶対値の関係を示す図である。図12は前輪液圧指令絶対値上限値Pflim、図13は後輪液圧指令絶対値上限値Prlimを示す。上述のように、電源電圧Vsrcの低下に応じて液圧指令絶対値上限値を低減させる。
[液圧指令勾配低減処理の経時変化]
図14、図15は電源電圧および液圧の経時変化である。図14は液圧指令勾配低減処理を実行しない比較例を示し、図15は実行する本願を示す。なお、図14,図15の時刻t1〜t4は同時刻である。
(時刻t1)
時刻t1において電源電圧が急落する。比較例では液圧指令勾配を低減しないためモータMの出力は高出力のまま低下せず、電圧は一定の勾配で低下し続ける。
本願では液圧指令勾配を低減するため、モータMの出力が低下してバッテリ負荷が軽くなり、電圧低下勾配が緩やかになる。
(時刻t2)
時刻t2において比較例では電圧が異常レベルを下回り、システムがリセットしてモータ出力がゼロとなってしまう。そのためモータ出力が低下して制動力が不足する状態となり、電圧低下状態が続くとリセットを繰り返して正常状態に復帰できない状態に陥る。
一方本願では電圧低下勾配が緩やかであるため、電圧は低下するものの異常レベルを下回ることはなく、制動力不足にはならない。
(時刻t3)
時刻t3において、電圧降下が発生しない正常時では液圧が目標値に達する。比較例では制動力が得られないため目標値と実際値が大きく乖離するが、本願では乖離するものの乖離量は比較例と比べて小さい。
(時刻t4)
時刻t4において本願では液圧の実際値が目標値に達する。正常時に比べ実際値の応答は遅れるが、制動力は確実に発生する。
一方比較例では液圧が発生しておらず、制動力不足が顕著である。
[液圧指令絶対値低減処理の経時変化]
図16、図17は電源電圧および液圧の経時変化である。図16の液圧指令絶対値低減処理を実行しない比較例を示し、図17は実行する本願を示す。なお、図16,図17の時刻t11〜t15は同時刻である。
(時刻t11)
時刻t11において比較例では電源電圧が異常レベルを下回る。本願では復帰可能レベルを下回るにとどまる。
比較例では電源電圧が低下しても液圧指令値絶対値の上限は一定のまま低減させないため、液圧は低下せずモータ出力も大きいままである。そのため電源電圧は異常レベルを下回ってさらに低下し続ける。
一方本願では、電源電圧低下に伴って液圧指令値絶対値の上限を低減させるため、液圧指令値の低下とともにモータ出力も低下する。したがって電源電圧の降下は緩和され、異常レベルを上回っている。
(時刻t12)
時刻t12において、本願では液圧指令値絶対値がゼロとなってモータ出力が停止し、液圧がゼロとなる。
(時刻t13)
時刻t13において本願では電源電圧が復帰可能レベルを上回り、モータ出力が復帰する。時刻t2〜t3間では単にモータ出力がゼロとなるのみであって、電圧低下によってモータ駆動が停止しシステムがリセットされるわけではない。したがってモータ出力再開時にはスムーズにモータ出力が立ち上がる。
一方比較例では、電源電圧低下によりモータ出力がゼロとなり、液圧も急落する。モータ駆動による電源負荷がなくなるため電源電圧は回復する。
(時刻t14)
時刻t14において比較例の電源電圧が復帰可能レベルに復帰する。本願では時刻t13において既に復帰しているため、比較例は本願に比べモータ駆動の再起動タイミングが遅れる。
(時刻t15)
時刻t15において比較例のモータ出力が復帰してモータ出力が立ち上がり、液圧が発生する。再起動タイミング遅れにより、比較例では液圧立ち上がりタイミングも本願に比べて遅れる。比較例では電源電圧が復帰しない場合、システムリセットが繰り返されて再起動しない場合が考えられるが、本願では再起動不能となるおそれはない。
[実施例1の効果]
(1)ホイルシリンダW/C内の圧力を増圧するポンプPと、ポンプPを駆動するモータMと、モータMを駆動するモータ駆動回路150と、モータMの電源と、車両の状態から目標ホイルシリンダ圧を演算し、この目標ホイルシリンダ圧に基づきモータ駆動回路150に対しモータ駆動指令値を出力するコントロールユニットCUとを備えるブレーキ制御装置において、コントロールユニットCUは、電源の電圧Vsrc、およびモータ駆動回路150の温度のいずれか一方または両方を検出し、電源の電圧Vsrcが所定の勾配低減電圧閾値以下となった場合、またはモータ駆動回路150の温度が所定の勾配低減温度閾値以上となった場合、液圧指令値の勾配を低減するモータ駆動指令値勾配低減制御を実行することとした。
これにより、液圧指令値の応答性を低下させた場合であっても液圧指令値の絶対値を確保することが可能となり、高温時または電圧低下時であっても、システムダウンを回避しつつ必要制動力を確保したブレーキ制御装置を提供することができる。
(2)コントロールユニットCUは、電源の電圧Vsrcが勾配低減電圧閾値よりも低い絶対値低減電圧閾値以下となった場合、またはモータ駆動回路150の温度が勾配低減温度閾値よりも高い絶対値低減温度閾値以上となった場合、液圧指令値の絶対値を低減させるモータ駆動指令絶対値低減制御を実行することとした。
液圧指令値の絶対値を低減させることでモータ出力の絶対値を低減させ、電源やモータ駆動回路150の負荷を低減することができる。
(3)コントロールユニットCUは、後輪液圧指令値に対し、モータ駆動指令値勾配低減制御またはモータ駆動指令絶対値低減制御を適用することとした。
制動効果が大きい前輪に対しては液圧指令値の勾配および絶対値を変更しないことで、前輪制動力を確保することができる。
(4)コントロールユニットCUは、前輪液圧指令値に対し、モータ駆動指令値勾配低減制御またはモータ駆動指令絶対値低減制御を適用することとした。
後輪のみ液圧勾配および液圧絶対値を低減するだけでは電源電圧低下を回避できない場合は前輪液圧指令値に対しでも勾配および絶対値低減を行うことにより、電源電圧低下をさらに緩和することができる。
(5)コントロールユニットCUは、モータ駆動指令値勾配低減制御を実行する際、後輪液圧指令値の勾配を低減した後に前輪液圧指令値の勾配を低減し、モータ駆動指令絶対値低減制御を実行する際、後輪液圧指令値の絶対値を低減した後に前輪液圧指令値の絶対値を低減し、モータ駆動指令絶対値低減制御は、モータ駆動指令値勾配低減制御の後に実行されることとした。
まず制動に影響の少ない後輪の液圧勾配を低減し、次に前輪液圧勾配を低減し、最後に液圧指令絶対値を低減するため、制動に影響の少ないものから段階的に実施することが可能となり、必要制動力を極力確保しつつ電源電圧低下を抑制することができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
実施例1では電源電圧閾値を用いて液圧指令勾配および絶対値の上限を低下させたが、モータ駆動回路150の温度に閾値を設け、この温度閾値に基づき液圧指令勾配および絶対値の上限を低下させてもよい。
また、モータMの出力を低下させる際の応答遅れを緩和するため、駆動系の変速比を上げ、エンジンブレーキによって制動力を補助してもよい。
実施例1におけるブレーキ制御装置のシステム構成図である。 実施例1における液圧ユニットの油圧回路図である。 コントロールユニットCUにおける液圧制御ブロック図である。 電源電圧に基づく液圧低減処理の流れを示すメインフローである。 電源電圧判定処理の流れを示すフローチャートである。 電源電圧Vsrcに対する液圧低減モード表である。 電源電圧に対する液圧指令値勾配上限値ΔPlimと液圧指令値絶対値上限値Plimの値を示すタイムチャートである。 液圧指令勾配低減処理のフローチャートである。 電源電圧と液圧指令勾配の関係を示す図である(前輪)。 電源電圧と液圧指令勾配の関係を示す図である(後輪)。 液圧指令絶対値低減処理のフローチャートである。 電源電圧と液圧指令絶対値の関係を示す図である(前輪)。 電源電圧と液圧指令絶対値の関係を示す図である(後輪)。 電源電圧および液圧の経時変化である(比較例)。 電源電圧および液圧の経時変化である(本願)。 電源電圧および液圧の経時変化である(比較例)。 電源電圧および液圧の経時変化である(本願)。
符号の説明
110 液圧指令演算部
120 液圧制御部
130 モータ制御部
140 バルブ制御部
150 モータ駆動回路
A マニュアル回路
B 減圧回路
C 増圧回路
C/V チェック弁
Can/V キャンセルバルブ
CU コントロールユニット
I 接続点
IN/V インバルブ
M/C マスタシリンダ
Main/M メインモータ
Main/P メインポンプ
Sub/M サブモータ
Sub/P サブポンプ
MC/Sen マスタシリンダ圧センサ
OUT/V アウトバルブ
S.OFF/V シャットオフバルブ
S/Sen ストロークセンサ
S/Sim ストロークシミュレータ
W/C ホイルシリンダ
WC/Sen 液圧センサ

Claims (4)

  1. ホイルシリンダ内の圧力を増圧するポンプと、
    前記ポンプを駆動するモータと、
    前記モータを駆動する駆動回路と、
    前記モータの電源と、
    車両の状態から目標ホイルシリンダ圧を演算し、この目標ホイルシリンダ圧に基づき前記駆動回路に対しモータ駆動指令値を出力するコントロールユニットと
    を備えるブレーキ制御装置において、
    前記コントロールユニットは、
    前記電源の電圧、および前記駆動回路の温度のいずれか一方または両方を検出し、
    前記電源の電圧が所定の勾配低減電圧閾値以下となった場合、または前記駆動回路の温度が所定の勾配低減温度閾値以上となった場合、前記モータ駆動指令値の勾配を低減するモータ駆動指令値勾配低減制御を実行し、
    前記電源の電圧が前記勾配低減電圧閾値よりも低い絶対値低減電圧閾値以下となった場合、または前記駆動回路の温度が前記勾配低減温度閾値よりも高い絶対値低減温度閾値以上となった場合、前記モータ駆動指令値の絶対値を低減させるモータ駆動指令絶対値低減制御を実行すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記コントロールユニットは、前記モータ駆動指令値勾配低減制御を適用することで後輪液圧指令値の勾配を低減し、前記モータ駆動指令絶対値低減制御を適用することで、後輪液圧指令値の絶対値を低減すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記コントロールユニットは、前記モータ駆動指令値勾配低減制御を適用することで前輪液圧指令値の勾配を低減し、前記モータ駆動指令絶対値低減制御を適用することで、前輪液圧指令値の絶対値を低減すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 請求項3に記載のブレーキ制御装置において、
    前記コントロールユニットは、
    前記モータ駆動指令値勾配低減制御を実行する際、前記後輪液圧指令値の勾配を低減した後に前記前輪液圧指令値の勾配を低減し、
    前記モータ駆動指令絶対値低減制御を実行する際、前記後輪液圧指令値の絶対値を低減した後に前記前輪液圧指令値の絶対値を低減し、
    前記モータ駆動指令絶対値低減制御は、前記モータ駆動指令値勾配低減制御の後に実行されること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
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