JP2008213800A - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ホイルシリンダ内の圧力を増圧するポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータを駆動する駆動回路と、前記モータの電源と、車両の状態から目標ホイルシリンダ圧を演算し、この目標ホイルシリンダ圧に基づき前記駆動回路に対しモータ駆動指令値を出力するコントロールユニットとを備えるブレーキ制御装置において、前記コントロールユニットは、前記電源の電圧、および前記駆動回路の温度のいずれか一方または両方を検出し、前記電源の電圧が所定の勾配低減電圧閾値以下となった場合、または前記駆動回路の温度が所定の勾配低減温度閾値以上となった場合、前記モータ駆動指令値の勾配を低減するモータ駆動指令値勾配低減制御を実行することとした。
【選択図】 図15
Description
図1は実施例1におけるシステム構成図、図2は油圧回路図である。ブレーキ液圧装置は4輪全輪のホイルシリンダW/C(FL〜RR)を1つのポンプP1によって増圧する油圧ブレーキバイワイヤシステムである。マスタシリンダM/Cはいわゆるタンデム型であり、マニュアル回路A(FL),A(FR)によってFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)に接続されている。
(通常増圧時)
通常増圧時においては、キャンセルバルブCan/Vを開弁、シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を遮断して運転者によるブレーキペダルBPの踏み込みをストロークセンサS/Senにより検出し、この検出値に基づきコントロールユニットCUにおいて各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)の目標液圧P*(FL〜RR)を演算する。
減圧時においては、コントロールユニットCUにより各アウトバルブOUT/V(FL〜RR)を駆動し、減圧回路Bを介して各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)からリザーバRSVへ作動油を排出する。
保持時においては各インバルブIN/V(FL〜RR)、各アウトバルブOUT/V(FL〜RR)を閉弁し、各ホイルシリンダW/C(FL〜RR)と増圧、減圧回路C,Bとを遮断する。
システム失陥時等においては常開のシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)が開弁され、常閉の各インバルブIN/V(FL〜RR)およびアウトバルブOUT/V(FL〜RR)が閉弁される。これによりマスタシリンダM/CとFL,FR輪ホイルシリンダ(FL,FR)が連通し、マニュアルブレーキが確保される。
図3はコントロールユニットCUにおける液圧制御ブロック図である。
[メインフロー]
図4は電源電圧に基づく液圧低減処理の流れを示すメインフローである。以下、液圧指令値の勾配および絶対値を低減する場合は、モータMに対する駆動指令値の勾配および絶対値を低減することにより行う。
図5は電源電圧判定処理の流れを示すフローチャートである。図4のステップS100に相当する。
図6は電源電圧Vsrcに対する液圧低減モード表である。また、図7は電源電圧に対する液圧指令値勾配上限値ΔPlimと液圧指令値絶対値上限値Plimの値を示すタイムチャートである。
電源電圧 Vsrc
前輪液圧変化率低減閾値 Vf1
後輪液圧変化率低減閾値 Vr1
前輪液圧絶対値低減閾値 Vf2
後輪液圧絶対値低減閾値 Vr2
前輪液圧絶対値下限設定閾値 Vf3
後輪液圧絶対値下限設定閾値 Vr3
とする。
モード0 液圧指令勾配ΔP=上限値ΔP1
液圧指令絶対値P=上限値P1
モード1 ΔP 低減
P=上限値P1
モード2 ΔP 下限値ΔP2
P 低減
モード3 ΔP=下限値ΔP2
P=下限値P2
以上にしたがって、液圧指令モードを決定する。なお、図7では液圧絶対値の下限値P2=0とする。前後輪の液圧指令モードが異なる場合は、各電磁弁(図2参照)を制御することで前後輪の液圧指令値の勾配・絶対値を制御する。
前後輪ともにモード0であり、液圧指令値の勾配および絶対値は上限値ΔP1lim,P1limに設定される。
前輪はモード0、後輪はモード1であり、前輪液圧勾配および絶対値の上限値はΔP1,P1である。後輪は液圧絶対値の上限値はP1のままであるが液圧指令勾配の上限値が低減する。
前後輪ともにモード1であり、液圧絶対値の上限値はP1、液圧指令勾配の上限値=低減となる。
前輪はモード1、後輪はモード2であり、後輪液圧絶対値の上限値は低減し、後輪液圧指令勾配上限値はΔP2となる。
前後輪ともにモード2であり、液圧絶対値の上限値は低減、液圧指令勾配上限値=ΔP2に制限される。
前輪はモード2、後輪はモード3であり、後輪液圧絶対値の上限値はΔP2、後輪液圧絶対値の上限値はP2に制限される。
前後輪ともにモード3であり、前輪の液圧絶対値の上限値はP2に制限される。
図8は液圧指令勾配低減処理のフローチャートである。
ΔP(n)=P(n)−P(n−1)
の式に基づき液圧指令勾配の演算を実行し、ステップS204へ移行する。なお、ΔP(n)は液圧指令勾配の今回値、P(n)、P(n−1)はそれぞれ液圧指令絶対値の今回値および前回値である。
P(n)=P(n−1)+ΔP(n)
の式に基づき液圧指令値P(n)の演算を実行し、制御を終了する。
図9、図10は電源電圧と液圧指令勾配の関係を示す図である。図9は前輪液圧勾配上限値ΔPflim、図10は後輪液圧勾配上限値ΔPrlimを示す。上述のように、電源電圧Vsrcの低下に応じて液圧勾配上限値を低減させる。
図11は液圧指令絶対値低減処理のフローチャートである。
図12、図13は電源電圧と液圧指令絶対値の関係を示す図である。図12は前輪液圧指令絶対値上限値Pflim、図13は後輪液圧指令絶対値上限値Prlimを示す。上述のように、電源電圧Vsrcの低下に応じて液圧指令絶対値上限値を低減させる。
図14、図15は電源電圧および液圧の経時変化である。図14は液圧指令勾配低減処理を実行しない比較例を示し、図15は実行する本願を示す。なお、図14,図15の時刻t1〜t4は同時刻である。
時刻t1において電源電圧が急落する。比較例では液圧指令勾配を低減しないためモータMの出力は高出力のまま低下せず、電圧は一定の勾配で低下し続ける。
本願では液圧指令勾配を低減するため、モータMの出力が低下してバッテリ負荷が軽くなり、電圧低下勾配が緩やかになる。
時刻t2において比較例では電圧が異常レベルを下回り、システムがリセットしてモータ出力がゼロとなってしまう。そのためモータ出力が低下して制動力が不足する状態となり、電圧低下状態が続くとリセットを繰り返して正常状態に復帰できない状態に陥る。
一方本願では電圧低下勾配が緩やかであるため、電圧は低下するものの異常レベルを下回ることはなく、制動力不足にはならない。
時刻t3において、電圧降下が発生しない正常時では液圧が目標値に達する。比較例では制動力が得られないため目標値と実際値が大きく乖離するが、本願では乖離するものの乖離量は比較例と比べて小さい。
時刻t4において本願では液圧の実際値が目標値に達する。正常時に比べ実際値の応答は遅れるが、制動力は確実に発生する。
一方比較例では液圧が発生しておらず、制動力不足が顕著である。
図16、図17は電源電圧および液圧の経時変化である。図16の液圧指令絶対値低減処理を実行しない比較例を示し、図17は実行する本願を示す。なお、図16,図17の時刻t11〜t15は同時刻である。
時刻t11において比較例では電源電圧が異常レベルを下回る。本願では復帰可能レベルを下回るにとどまる。
比較例では電源電圧が低下しても液圧指令値絶対値の上限は一定のまま低減させないため、液圧は低下せずモータ出力も大きいままである。そのため電源電圧は異常レベルを下回ってさらに低下し続ける。
一方本願では、電源電圧低下に伴って液圧指令値絶対値の上限を低減させるため、液圧指令値の低下とともにモータ出力も低下する。したがって電源電圧の降下は緩和され、異常レベルを上回っている。
時刻t12において、本願では液圧指令値絶対値がゼロとなってモータ出力が停止し、液圧がゼロとなる。
時刻t13において本願では電源電圧が復帰可能レベルを上回り、モータ出力が復帰する。時刻t2〜t3間では単にモータ出力がゼロとなるのみであって、電圧低下によってモータ駆動が停止しシステムがリセットされるわけではない。したがってモータ出力再開時にはスムーズにモータ出力が立ち上がる。
一方比較例では、電源電圧低下によりモータ出力がゼロとなり、液圧も急落する。モータ駆動による電源負荷がなくなるため電源電圧は回復する。
時刻t14において比較例の電源電圧が復帰可能レベルに復帰する。本願では時刻t13において既に復帰しているため、比較例は本願に比べモータ駆動の再起動タイミングが遅れる。
時刻t15において比較例のモータ出力が復帰してモータ出力が立ち上がり、液圧が発生する。再起動タイミング遅れにより、比較例では液圧立ち上がりタイミングも本願に比べて遅れる。比較例では電源電圧が復帰しない場合、システムリセットが繰り返されて再起動しない場合が考えられるが、本願では再起動不能となるおそれはない。
(1)ホイルシリンダW/C内の圧力を増圧するポンプPと、ポンプPを駆動するモータMと、モータMを駆動するモータ駆動回路150と、モータMの電源と、車両の状態から目標ホイルシリンダ圧を演算し、この目標ホイルシリンダ圧に基づきモータ駆動回路150に対しモータ駆動指令値を出力するコントロールユニットCUとを備えるブレーキ制御装置において、コントロールユニットCUは、電源の電圧Vsrc、およびモータ駆動回路150の温度のいずれか一方または両方を検出し、電源の電圧Vsrcが所定の勾配低減電圧閾値以下となった場合、またはモータ駆動回路150の温度が所定の勾配低減温度閾値以上となった場合、液圧指令値の勾配を低減するモータ駆動指令値勾配低減制御を実行することとした。
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
120 液圧制御部
130 モータ制御部
140 バルブ制御部
150 モータ駆動回路
A マニュアル回路
B 減圧回路
C 増圧回路
C/V チェック弁
Can/V キャンセルバルブ
CU コントロールユニット
I 接続点
IN/V インバルブ
M/C マスタシリンダ
Main/M メインモータ
Main/P メインポンプ
Sub/M サブモータ
Sub/P サブポンプ
MC/Sen マスタシリンダ圧センサ
OUT/V アウトバルブ
S.OFF/V シャットオフバルブ
S/Sen ストロークセンサ
S/Sim ストロークシミュレータ
W/C ホイルシリンダ
WC/Sen 液圧センサ
Claims (5)
- ホイルシリンダ内の圧力を増圧するポンプと、
前記ポンプを駆動するモータと、
前記モータを駆動する駆動回路と、
前記モータの電源と、
車両の状態から目標ホイルシリンダ圧を演算し、この目標ホイルシリンダ圧に基づき前記駆動回路に対しモータ駆動指令値を出力するコントロールユニットと
を備えるブレーキ制御装置において、
前記コントロールユニットは、
前記電源の電圧、および前記駆動回路の温度のいずれか一方または両方を検出し、
前記電源の電圧が所定の勾配低減電圧閾値以下となった場合、または前記駆動回路の温度が所定の勾配低減温度閾値以上となった場合、前記モータ駆動指令値の勾配を低減するモータ駆動指令値勾配低減制御を実行すること
を特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記コントロールユニットは、前記電源の電圧が前記勾配低減電圧閾値よりも低い絶対値低減電圧閾値以下となった場合、または前記駆動回路の温度が前記勾配低減温度閾値よりも高い絶対値低減温度閾値以上となった場合、前記モータ駆動指令値の絶対値を低減させるモータ駆動指令絶対値低減制御を実行すること
を特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
前記コントロールユニットは、前記モータ駆動指令値勾配低減制御を適用することで後輪液圧指令値の勾配を低減し、前記モータ駆動指令絶対値低減制御を適用することで、後輪液圧指令値の絶対値を低減すること
を特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項3に記載のブレーキ制御装置において、
前記コントロールユニットは、前記モータ駆動指令値勾配低減制御を適用することで前輪液圧指令値の勾配を低減し、前記モータ駆動指令絶対値低減制御を適用することで、前輪液圧指令値の絶対値を低減すること
を特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項4に記載のブレーキ制御装置において、
前記コントロールユニットは、
前記モータ駆動指令値勾配低減制御を実行する際、前記後輪液圧指令値の勾配を低減した後に前記前輪液圧指令値の勾配を低減し、
前記モータ駆動指令絶対値低減制御を実行する際、前記後輪液圧指令値の絶対値を低減した後に前記前輪液圧指令値の絶対値を低減し、
前記モータ駆動指令絶対値低減制御は、前記モータ駆動指令値勾配低減制御の後に実行されること
を特徴とするブレーキ制御装置。
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