JP2006175165A - 車椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 着座者の上半身に大きな負荷が発生することなく自ら車輪を回転させることが可能であると共に衣類や装身具等の車輪への巻き込み防止を図った車椅子を提供する。
【解決手段】 座部5を支持するフレーム10と、前記座部5の両側に配置され、前記フレーム10に対して回転自在な車輪20とを備える。前記車輪20に対応して設けられ、第1の方向と第2の方向とに所定の範囲内で往復移動可能なレバー30を備える。前記レバー30と車輪20との間に配置され、前記レバー30が前記第1の方向及び前記第2の方向のうちいずれかの方向に向けて移動したとき、前記レバー30が設けられた車輪20に対して回転力を伝達可能な力伝達機構40を備える。前記車輪20の径外側のうち前記レバー30を移動可能な前記所定の範囲内の全部又は一部に配置されるカバー部材70を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 座部5を支持するフレーム10と、前記座部5の両側に配置され、前記フレーム10に対して回転自在な車輪20とを備える。前記車輪20に対応して設けられ、第1の方向と第2の方向とに所定の範囲内で往復移動可能なレバー30を備える。前記レバー30と車輪20との間に配置され、前記レバー30が前記第1の方向及び前記第2の方向のうちいずれかの方向に向けて移動したとき、前記レバー30が設けられた車輪20に対して回転力を伝達可能な力伝達機構40を備える。前記車輪20の径外側のうち前記レバー30を移動可能な前記所定の範囲内の全部又は一部に配置されるカバー部材70を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自走式の車椅子に関し、とくにレバーを揺動させることによって車輪を回転駆動させる車椅子に関する。
自走式の車椅子は、一般的に、車輪と一体的に構成された環状のリムが車輪の外側に設けられており、車椅子に座った者(以下「着座者」と呼ぶ)がこのリムを回転させることによって車椅子を走行させる。
ところが、このようにして車椅子を走行させるとき、着座者の上半身に大きな負荷が発生する。このような問題を解決するために、僅かな力で走行できる車椅子が特許文献1の段落〔0035〕〜〔0048〕、図8及び図9に開示されている。特許文献1の図9において、この車椅子1は、車輪4の回転軸に軸支されるフレーム12と、車輪4に圧接されるローラ13・14と、この両ローラ13・14を軸支するアーム部材15と、アーム部材15が装着されたフレーム12を回動操作するためのハンドル部材17とを備えている。そして、着座者がフレーム12を前方への回動と後方への戻し回動操作とを繰り返し行うことにより車輪4が回転して、車椅子1が前進若しくは後退する。
しかしながら、特許文献1に開示されている車椅子のように、着座者がフレーム12の回動操作を自ら行う場合、衣服の袖部分やブレスレットに代表される装身具等が巻き込まれてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、着座者の上半身に大きな負荷が発生することなく自ら車椅子を走行させることが可能であると共に、着用している衣類や装身具等の車輪への巻き込み防止を図った自走式の車椅子を提供することを主たる目的とする。
本発明において、以下の特徴は単独で、若しくは、適宜組合わされて備えられている。前記課題を解決するための本発明に係る車椅子は、座部を少なくとも支持するフレームと、前記座部の両側に少なくとも一つずつ配置され、前記フレームに対して回転自在な複数の車輪と、前記複数の車輪のうち少なくとも一つの車輪に対応して設けられ、第1の方向と第2の方向とに所定の範囲内で往復移動可能なレバーと、前記レバーと車輪との間に配置され、前記レバーが前記第1の方向及び前記第2の方向のうちいずれかの方向に向けて移動したとき、前記レバーが設けられた車輪に対して回転力を伝達可能な力伝達機構と、前記レバーとの間に力伝達機構が設けられた車輪の径外側のうち前記レバーを移動可能な前記所定の範囲内の全部又は一部に配置されるカバー部材とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、第1の方向及び第2の方向のうちいずれかの方向に向けてレバーを移動させることによって車輪が回転するので、着座者が自ら車椅子を走行させることができる。また、車輪の径外側にカバー部材が配置されているので、着用している衣類や装身具等が回転中の車輪に巻き込まれることを防止できる。
本発明に係る車椅子において、前記レバーが、前記車輪の略中心部を支点として前記第1の方向と前記第2の方向とに移動可能であってかつ前記車輪の径外側まで延在していても良い。このとき、前記力伝達機構は、前記レバーが前記第1の方向及び前記第2の方向のうちいずれか一の方向に向けて移動したときは前記車輪に対して回転力を付与可能であり、前記レバーが前記一の方向とは異なる方向に向けて移動したときは前記車輪に対して回転力を付与しないことが好ましい。
上記構成によれば、着座者がレバーの先端を把持して第1の方向又は第2の方向に向けてレバーを移動させたとき、車輪の略中心部を支点とするてこの原理を用いて車輪を回転させることができる。
本発明に係る車椅子において、前記レバーが車輪に対して座部の反対側に設けられていても良い。このとき、前記カバー部材が、車輪の径外側から前記レバーと前記車輪との間であってかつ前記車輪の径内側に向けて延在していることが好ましい。
上記構成によれば、着座者がレバーを第1の方向及び第2の方向のうちいずれかの方向に向けて移動させるとき、車輪を跨ってレバーを第1の方向又は第2の方向に向けて移動させることとなる。このような場合であっても、カバー部材によって衣類や装身具等が車輪に巻き込まれることを防止できる。
本発明に係る車椅子において、前記カバー部材が、前記フレームに対して脱着可能に構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、必要に応じてカバー部材を取り付けたり又は取り外したりすることができる。
本発明に係る車椅子において、前記車輪と前記レバーとの間であって、前記車輪の側部に対向すると共に前記レバーと伴に前記車輪の側部に対して移動可能なブレーキ部材を更に備えていても良い。このとき、前記ブレーキ部材と前記車輪の側部との距離が小さくなる方向に前記レバーを移動させたとき、前記ブレーキ部材と前記車輪の側部とが圧接可能に構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、レバーとカバー部材とが干渉することなく、ブレーキ部材と車輪の側部とを当接させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、着座者がレバーを第1の方向又は第2の方向に向けて移動させるとき、着用している衣類や装身具等が最も巻き込まれ易い車輪の外周部(道路との接地部)に巻き込まれることを防止できる。とくに、着座者がレバーを第1の方向と第2の方向とに繰り返し移動(即ち、往復移動)させた場合には、着用している衣類や装身具等が回転中の車輪に巻き込まれる危険性が高くなるが、かかる場合であっても衣類等の巻き込みを防止できるのでその効果は大きい。
請求項2に記載の発明によれば、支点と力点との位置が極めて近くなる。従って、力点から支点までの距離に比して支点から作用点(レバー先端)までの距離を極めて大きくしたてこの原理により車輪を回転させることができるので、着座者が、車椅子の座部に座りながら容易に自ら車輪を回転させることができるという更なる効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、着座者が、車輪を跨ってレバーを第1の方向と第2の方向とに繰り返し移動させた場合であっても、着用している衣類や装身具等が回転中の車輪、とくにスポーク部分に巻き込まれることをも防止できるという更なる効果を奏する。また、着座者が浴衣や着物等のように袖部分が長い衣類を身に付けてレバーを第1の方向と第2の方向とに繰り返し移動させたとき、かかる袖部分が回転中の車輪のスポーク部分に巻き込まれ易いという問題が発生する。このような場合であっても、本発明の車椅子は、カバー部材が車輪の径外側から径内側に向けて延在しているので、かかる問題を防止し得る。
請求項4に記載の発明によれば、車椅子の軽量化及び車輪への衣類等の巻き込み防止のうちいずれが重要であるかを判断し、その判断に基づいてカバー部材を脱着することができる。例えば、車椅子で長距離を走行するような場合には着座者の疲労軽減を図る観点からカバー部材を取り外すことが好ましく、袖部分が巻き込まれ易い衣類を身に付けている場合には衣類の車輪への巻き込み防止を図る観点からカバー部材を取り付けていることが好ましい。さらには、車椅子を車両に積載して目的地まで運搬する場合には、カバー部材を取り外して車椅子をコンパクト化したうえで車両に積載し、目的地に到着したのちにカバー部材を取り付けることもできる。このように、必要に応じてカバー部材の脱着を行うことができ、利便性が高いという更なる効果を奏する。
請求項5に記載の発明によれば、レバーとカバー部材とが干渉することなく、ブレーキ部材と車輪の側部とを当接させることができるので、回転中の車輪への衣服類の巻き込み防止と車輪の回転の抑制又は停止とを両立し得る。従って、着座者が足などを使うことなく車椅子を減速及び停止させることができるので、足を使うことができない着座者であってかつ介護者がいない場合であっても、安心して車椅子を走行させることができると共に、衣服類が回転中の車輪に巻き込まれることもない。言い換えれば、着座者がレバーを操作するのみで、回転中の車輪に衣服類が巻き込まれることなく車椅子の走行、減速及び停止の全てを行うことができるので、上半身を使うことができる着座者であれば、誰でも安心して介護者なく本発明の車椅子を利用することができるという更なる効果を奏する。
以下、本発明に係る車椅子の好適な実施形態の例について、各図を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、車椅子1が前進する方向をX方向(第1の方向)、車椅子1が後退する方向をY方向(第2の方向)と呼ぶ。
図1は、本発明に係る車椅子1の一例を示す外観斜視図である。図1において、車椅子1は、フレーム10と、フレーム10に取り付けられた座部5と、座部5の両側に配置された2つの主車輪(車輪)20と、この2つの主車輪20を回転させるためのレバー30とを備えている。また、図1において図示されていないが、レバー30に対してX方向及びY方向のうちいずれかの方向に向けて力を作用したとき(即ち、レバー30をX方向及びY方向のうちいずれかの方向に向けて移動させたとき)、かかる力を主車輪20に伝達するための力伝達機構40が、主車輪20とレバー30との間に設けられている(図5参照)。さらに、この車椅子1は、主車輪20を覆うカバー部材70、従来の一般的な車椅子に見られる背もたれ部6及びキャスタ88をも備えている。
図1において、フレーム10は、横フレーム11と縦フレーム12と側フレーム13とフットフレーム14とを有し、これらはそれぞれ、一対のフレームで構成されている。そして、これらの各フレーム11〜14が一体となり、車椅子1の骨格となるフレーム10を構成している。さらに、ガイドフレーム15が側フレーム13に対して脱着可能に構成されている。以下に、このガイドフレーム15の構成について、図2を参照しつつ説明する。
図2は、ガイドフレーム15にプレート18が取り付けられた一例を示す概略図である。図2において、ガイドフレーム15は湾曲部15aと直線部15bとを有しており、正面視で、全体として楕円形のほぼ4分の1の形を成している。また、湾曲部15a及び直線部15bの先端には、湾曲部15a及び直線部15bの径よりも小さい先端部16a・16bが、それぞれ、形成されている。この先端部16a・16bには、それぞれ、孔17が形成されている。
ガイドフレーム15に取り付けられるプレート18は、ガイドフレーム15に沿った形状(即ち、楕円形の4分の1の形)を成しており、固定ビス19によってガイドフレーム15に保持されている。このプレート18は、透明又は半透明のプラスティック材料、鉄又はアルミニウムに代表される金属材料などいずれで構成されていても良いが、軽量であることが好ましい。
図1に戻って、座部5は、車椅子1の利用者が座ることができるように、側フレーム13の水平部13aの一対のフレーム間を塞ぐようにして側フレーム13に支持されて配置されている。ただし、側フレーム13の水平部13aの一対のフレーム間を全て塞ぐ必要はなく、車椅子1の利用者が座ることができれば良い。また、座部5は、必ずしも側フレーム13に支持されている必要はなく、着座することができれば、他のフレーム10に支持されていても良い。
主車輪20は、座部5の両側に一つずつ配置され、それぞれの主車輪20がフレーム10に対して回転自在に構成されている。また、左右の主車輪20には、それぞれの主車輪に対応するレバー30が取り付けられている。ここで、図3を参照しつつ主車輪20の構成について説明する。図3は、主車輪20からレバー30を取り外した場合の一例を示す斜視図である。図3において、主車輪20は、車輪本体部21と、ボス22と、車輪本体部21とボス22とを連結するスポーク27とを備えている。ボス22の側面の周縁にはフランジ部24が形成されており、このフランジ部24の径内側には凹面26が形成されている。即ち、この凹面26は、主車輪20の側部に形成されることとなる。なお、車輪本体部21には弾力性のあるタイヤ(図示せず)が装着されている。ボス22側面の正面視におけるほぼ中央部には、軸受(図示せず)が内挿された貫通孔25が形成されている。
図3において、レバー30は、棒状に延びる部材であって、一方の端部には後述するカップ体32がボルト90によって取り付けられ、他方の端部には把持部30aが設けられている。把持部30aよりも先端側には、主車輪20の回転方向を切り換えるための駆動方向切替部31が設けられている。把持部30aは、着座者が座部5に座りながらにして握ることができるよう、主車輪20の径外側に位置している。即ち、レバー30が主車輪20の径外まで延在していることを意味する。駆動方向切替部31は、レバー30の長手方向の中心部を回転中心として回転自在にレバー30の先端部に取り付けられ、着座者が把持部30aを握りつつ駆動方向切替部31から突出した摘み部31aを親指等で回転操作可能に構成されている。駆動方向切替部31には角状の力伝達切換ワイヤ80(図4参照)が連結されており、レバー30の長手方向の中心部を回転中心として駆動方向切替部31を回転させると、力伝達切換ワイヤ80がそれに伴って回転する。なお、力伝達切換ワイヤ80の先端には力伝達切換ギヤ82が取り付けられている(図4参照)。
なお、ここで、「レバー30」は直線に延びる棒状のレバーに限られるものではなく、湾曲又は屈曲しているものをも含む概念である。
ここで、カップ体32について、図4を参照しつつ説明する。図4は、車椅子1に着座した場合における右側のレバー30に取り付けられるカップ体32と力伝達機構40との構成の一例を示す斜視図である。
図4において、カップ体32は、円板の外周縁に沿って片側に突出する壁を有する部材である。即ち、平面部33と周縁壁34とを有する盆状の部材である。そして、カップ体32の中心部Oと主車輪20の中心部Oとがほぼ一致するようにして主車輪20のフランジ部24の凹面26に取り付けられる(図3参照)。このとき、カップ体32は、レバー30が主車輪20に対して座部5とは反対側に位置するように主車輪20のフランジ部24に取り付けられる。
この周縁壁34の側面34aには、駆動方向切替部31に連結された力伝達切換ワイヤ80が貫通する孔35が、形成されている。また、カップ体32の周縁壁34から径内側に向けて2個の突起が平行に突出しており、後述するハブ42を両側から挟んで保持するハブ狭持部36が形成されている。さらに、ハブ狭持部36の対角線上(即ち、カップ体32の中心Oに対してハブ狭持部36の反対側)には、ハブ42を固定して保持するハブ固定部37が形成されている。
周縁壁34の端面34bには、カップ体32の周縁に沿って直列に2個並んだブレーキパッド(ブレーキ部材)38が、端面34bから突出すると共にハブ狭持部36を挟んで2箇所に配置されている。このように、4個のブレーキパッド38が端面34bに配置されることとなるが、ブレーキパッド38の数はこれに限られるものではない。
カップ体32の平面部33には、後述するハブ42に対して付勢力を作用するコイルバネ39が設けられている。このコイルバネ39は、カップ体32の平面部33から周縁壁34が形成される側に向けてほぼ垂直に突出している。即ち、これは、平面部33から周縁壁34が形成される側に向けてほぼ垂直に付勢することを意味する。
次に、力伝達機構40について、図4〜図7を参照しつつ説明する。図4において、力伝達機構40は、カップ体32に固定される固定部41と、カップ体32に対して可動可能に構成される可動部60と、固定部41と各駆動ギヤ65〜68との連結状態を切り換える楔締要素50とを有する。なお、固定部41及び可動部60について言い換えれば、固定部41は主車輪20に対して可動可能に構成されており、可動部60はフレーム10に固定される。ここで、各駆動ギヤ65〜68が回転すると、それに伴って主車輪20も回転する。
図5は、固定部41の構成の一例を示す斜視図である。図5において、固定部41は、ハブ42と内側レース46とを備える。ハブ42は、中央に円形部を有する長手部材であり、一方の端部43が平面視で略T字状に形成され、他方の端部44が平面視でI字状となっている。即ち、ハブ42は、中央に円形部を有する略T字状の長手部材であるといえる。さらに、ハブ42の円形部の中心Oには孔(図示せず)が形成されると共に、円形部の外周部の一部がその径外側に突出する凸部45が形成されている。
内側レース46は、径R1の大きさを有する14箇所の最大径部47と、最大径部47の径R1より小さい径R2の大きさを有する14箇所の最小径部48とが交互に配列されている。最大径部47は最も径が大きい箇所であり、最小径部48は最も径が小さい箇所である。最大径部47から最小径部48にかけては径が次第に小さくなっていると共に、滑らかな(なだらかな)曲面が形成されている。また、内側レース46の略中心部には、ハブ42の円形部の中心Oに形成された孔と略同じ大きさの孔49が形成されている。ここで、互いに隣接する最大径部47同士の距離は全て均等である。そして、内側レース46は、その中心がハブ42の円形部の中心Oと同心となるように(即ち、ハブ42の孔と内側レース46の孔49とが同心となるように)ハブ42に固定されて取り付けられている。なお、最大径部47及び最小径部48の数は14個に限定されるものでない。
図6は、可動部60の構成の一例を示す斜視図である。図6において、可動部60は、ベース基板61と、第1駆動ギヤ65〜第4駆動ギヤ68とを有する。ベース基板61は、長手の板状部材であって、一方の端部61aにはハブ42の凸部45に当接する略直方体のストッパー62が形成され、他方の端部61bには第2駆動ギヤ66及び第3駆動ギヤ67が取り付けられるギヤ固定部63が形成される。また、ベース基板61の中心部Oには、略円柱の中心軸64が取り付けられている。
各駆動ギヤ65〜68は、いずれも平歯車であり、第1駆動ギヤ(外側レースと呼ばれる場合もある)65及び第4駆動ギヤ68は、それぞれ、中空部65a・68aを有する。第1駆動ギヤ65及び第2駆動ギヤ66は、第1駆動ギヤ65の歯と第2駆動ギヤ66の歯とが係合して配置されている。これにより、第1駆動ギヤ65の回転力が第2駆動ギヤ66に伝達される。第3駆動ギヤ67は、第2駆動ギヤ66の回転中心と第3駆動ギヤ67の回転中心とを同心として、第2駆動ギヤ66の側面と第3駆動ギヤ67の側面とが重なり合って配置されている。これにより、第2駆動ギヤ66の回転力が第3駆動ギヤ67に伝達される。第4駆動ギヤ68は、主車輪20の回転中心Oと中心軸64の回転中心Oとが同心となるように、主車輪20の凹面26に取り付けられている(図3参照)。即ち、ボス22の貫通孔25と第4駆動ギヤ68の中空部68aとが同心となって貫通孔84を形成している。この貫通孔84の中心Oと主車輪20の回転中心Oとはほぼ同心である。従って、ボス22の貫通孔25及び第4駆動ギヤ68の中空部68aはいずれも主車輪20の回転中心Oとなる。また、第4駆動ギヤ68の歯は第3駆動ギヤ67の歯と係合しており、これにより、第3駆動ギヤ67の回転力が第4駆動ギヤ68に伝達される。なお、各駆動ギヤ65〜68の径の大きさの関係は、第2駆動ギヤ66の径<第3駆動ギヤ67の径<第4駆動ギヤ68の径<第1駆動ギヤ65の径である。
図7は、楔締要素50の構成の一例を示す斜視図である。図7において、楔締要素50は、ローラ51と、このローラ51を保持するローラ保持器52と、ローラ押さえバネ57とを有する。ローラ51は、円柱状の硬質の鋼材からなり、その数は内側レース46の最大径部47及び最小径部48と同数の14個となる。ローラ保持器52は、隣接する2つの最大径部47の間に1つずつ配置されたローラ51を保持するためのものであり、平面視で内側レース46に外挿できる程度の中空部を有する環状の板状部53と、この板状部53の外周縁に沿って形成される側壁54と、側壁54の一部が山型状に切り欠かれた山型溝55と、板状部53から側壁54と反対側にほぼ垂直に突出して形成された支持柱56とを有する。ローラ51は、隣接する2つの支持柱56の間に1個ずつ板状部53に載置して配置される。言い換えれば、複数のローラ51のうち互いに隣接するローラ51の間にローラ51を支持する支持柱56が配置される。ローラ押さえバネ57は、一つのローラ51を両側から挟持するようにローラ51と支持柱56との間に配置され、ローラ51を板状部53の径内側(即ち内側レース46側)に向けて付勢する。なお、このローラ押さえバネ57は、バネに限られるものではなく、ローラ51を板状部53の径内側に向けて付勢することができる弾性部材であれば良い。
次に、カバー部材70について、図8を参照しつつ説明する。図8は、カバー部材70の一例を示す概略斜視図である。図8において、カバー部材70は、カバー本体部71と、爪部76と、コイルバネ77と、肘掛部78とを有する。
カバー本体部71は、肘掛部75が載置される肘掛載置面72と、主車輪20の径外側からスポーク27にかけて覆うカバー面73とを有する。肘掛載置面72とカバー面73とはほぼ直交しており、これらの間には湾曲面74が形成されている。肘掛載置面72の端部72aから湾曲面74にいたるまでの幅は座部5の端部から主車輪20までの距離よりも僅かに大きく、カバー面73の端部73aから湾曲面74にいたるまでの幅は主車輪20の半径よりも僅かに大きい。また、カバー面73の端部73aは扇状に切り欠かれている(この部位を「切欠部75」と呼ぶ)。カバー面73に切欠部75が形成されるのは、車椅子1が組み立てられた状態において、カバー面73が主車輪20のボス22及びカップ体32と干渉しないように、これらを回避するためである。
爪部76は、カバー本体部71の端部(即ち、肘掛載置面72の端部72a)に固定される固定爪76aとカバー本体部71に対して可動可能に構成された可動爪76bとを有している。言い換えれば、可動爪76bが固定爪76aに対して可動可能、即ち、開閉可能に構成されていることとなる。また、可動爪76bに対応してコイルバネ77がさらに設けられており、このコイルバネ77は、閉方向、即ち、固定爪76aに対して近づく方向に可動爪76bを付勢している。
この爪部76は、肘掛載置面72の端部72aの互いに離れた位置に例えば2箇所配置されている。固定爪76aはガイドフレーム15に固定されるプレート18のプレート面18aに当接可能な平面を有しており、可動爪76bはガイドフレーム15の湾曲部15aに沿った湾曲面を有している。そして、可動爪76bが固定爪76aに対して近づく方向にコイルバネ77によって付勢されているので、爪部76がプレート18とガイドフレーム15とを把持することとなる。言い換えれば、固定爪76aと可動爪76bとによってプレート18が固定されたガイドフレーム15を両側から挟むように保持することとなる。
なお、爪部76が配置される箇所は2箇所に限られるものではない。また、可動爪76bに対して付勢するコイルバネ77の付勢力は、ガイドフレーム15からの脱落を回避するために、着座者が自らの力で固定爪76aに対して可動爪76bを開できる範囲で可能な限り強力であることが好ましい。
肘掛部78は、カバー本体部71の肘掛載置面72に載置されて固定されている。なお、着座者がこの肘掛部78に肘を掛けたうえで容易にこの肘に体重を傾けることが可能であるよう、座部5の外側から内側に向かう方向に下方に傾斜していることが好ましい。
このように、カバー部材70には肘掛部78に肘を掛けることによって着座者の体重による負荷が作用するので、カバー部材70は、剛性のある材質であることが好ましい。例えば、プラスティック、マグネシウム合金又はチタン合金等が考えられる。
なお、カバー部材70に肘掛部78が必ずしも設けられている必要はなく、肘掛載置面72に相当する部分の形状を、肘を掛けることができる形状としても良い。即ち、この場合、カバー部材70が肘掛部78を兼用することとなる。
次に、上記各部材の組み立て方法について説明する。
まず、カップ体32に対する力伝達機構40の組み立て方法について、図4を参照しつつ説明する。図4において、カップ体32に対して固定部41を固定する。より具体的には、ハブ42と内側レース46とのユニット(ハブ42と内側レース46とは一体化されている)の孔49に中心軸64を貫通させた後、T字が形成されたハブ42の一方の端部43をカップ体32のハブ固定部37に固定する。このとき、孔49の中心とカップ体32の中心とが略同心となる。また、I字が形成されたハブ42の他方の端部44は、カップ体32のハブ狭持部36に保持される。このとき、ハブ42の他方の端部44は、ハブ固定部37に固定された一方の端部43を支点として、カップ体32の平面部33に対して一定の範囲内で移動可能に構成されている。また、ハブ42の他方の端部44は、カップ体32の平面部33に設けられたコイルバネ39によって、平面部33に対する距離が大きくなる方向に付勢されている。即ち、カップ体32の平面部33とハブ42の他方の端部44との距離は、コイルバネ39の伸張及び圧縮により変化可能となっている。
なお、中心軸64はベース基板61と一体的に構成されているので、このとき、ベース基板61はカップ体32の平面部33とハブ42との間に配置されることとなる。
楔締要素50は、カップ体32に固定された固定部41に対して配置される。より具体的には、内側レース46の外側に楔締要素50が配置されるように、図7に図示される楔締要素50を内側レース46に外挿する。楔締要素50が内側レース46に外挿されたとき、ローラ保持器52の山型溝55と力伝達切換ギヤ82とが係合する位置に楔締要素50が配置される。この楔締要素50は内側レース46に対して回転可能となっており、力伝達切換ギヤ82が回転するとローラ保持器52が回転する。支持柱56はローラ保持器52と一体的に構成されているので、楔締要素50全体が内側レース46に対して回転することとなる。
可動部60は、固定部41に配置された楔締要素50に対して配置される。より具体的には、楔締要素50を構成するローラ51、支持柱56及びローラ押さえバネ57が第1駆動ギヤ65の中空部65aに配置されるように、第1駆動ギヤ65をローラ51、支持柱56及びローラ押さえバネ57に外挿する。ここで、第1駆動ギヤ65の中空部65aは略真円に形成されている。そして、第1駆動ギヤ65の歯と第2駆動ギヤ66の歯とが係合するように、第2駆動ギヤ66と第3駆動ギヤ67のユニット(第2駆動ギヤ66と第3駆動ギヤ67とは一体化されている)をベース基板61のギヤ固定部63に取り付ける。なお、第2駆動ギヤ66と第3駆動ギヤ67のユニットのギヤ固定部63への取り付けは、予め行われていても良い。なお、中心軸64は、主車輪20のボス22の凹面26に配置されている。
このようにして、力伝達機構40(第4駆動ギヤ68を除く)が組み込まれたカップ体32は、中心軸64を図3に図示される貫通孔25に貫通させて主車輪20のボス22に取り付けられる。このとき、中心軸64は主車輪20をも貫通し、図示しないスナップリングによって軸方向への移動が固定される。また、貫通孔25を貫通した中心軸64は、フレーム10に固定して取り付けられる。なお、カップ体32はボス22の凹面26に内挿される。
なお、フレーム10、座部5、主車輪20、背もたれ部6及びキャスタ88は予め組み立てられているものとする。また、レバー30とカップ体32についても予め組み立てられているものとする。
次いで、図1及び図2において、プレート18が取り付けられたガイドフレーム15の先端部16a・16bが側フレーム13の差込口に差し込まれると、側フレーム13に設けられたピン(図示せず)が孔17(図2参照)に嵌め込まれ、ガイドフレーム15が側フレーム13に固定される。ガイドフレーム15は一対の側フレーム13のいずれにも固定されるので、車椅子1の進行方向に対して座部5の両側にガイドフレーム15が配置されることとなる。即ち、プレート18についても車椅子1の進行方向に対して座部5の両側に配置されることとなり、このとき、プレート面18aが車椅子1の進行方向(即ち、主車輪20の回転方向)に対して略平行となる。
そして、座部5、背もたれ部6、フレーム10、主車輪20、レバー30、カップ体32及び力伝達機構40等の主要構成部品が組み立てられた後、カバー部材70がガイドフレーム15に取り付けられる。ガイドフレーム15に対するカバー部材70の取付方法の一例を示す概略図は図9に図示される。図9において、まず、カバー部材70の可動爪76bをコイルバネ77による付勢力に対抗して開方向(即ち、固定爪76aに対する距離が大きくなる方向)に負荷を作用し、開状態で保持する。そして、カバー部材70の固定爪76aをガイドフレーム15に固定されたプレート18のプレート面18aに当接させる。このとき、カバー部材70は、カバー面73の端部73aが主車輪20のボス22又はカップ体32と干渉しない位置に配置される。即ち、カバー面73に形成された切欠部75によって主車輪20のボス22及びカップ体32を回避するように配置される。そして、可動爪76bに対するコイルバネ77による付勢力に対抗する負荷を解除する。すると、コイルバネ77の付勢力によって可動爪76bがガイドフレーム15を把持することとなる。このようにして、カバー部材70がガイドフレーム15に取り付けられる。
このようにしてガイドフレーム15に取り付けられたカバー部材70は、肘掛載置面72がガイドフレーム15から主車輪20を跨りかつカバー本体部71がレバー30と主車輪20との間に位置するように配置される。即ち、カバー部材70は、主車輪20の径外側からレバー30と主車輪20との間であってかつ主車輪20の径内側に向けて主車輪20を覆うように延在している。これにより、着座者がレバー30をX方向とY方向とに繰り返し移動させた場合であっても、着用している衣服の袖部や装身具等が回転中の主車輪20に巻き込まれるという懸念を防止できる。とくに、カバー部材70が主車輪20の径内側まで延在していることによりスポーク27付近もカバーされるので、着物や浴衣等の袖部分が長い衣服を着用した場合であっても、本実施形態の車椅子1を利用することが可能となる。さらに、路面が濡れている場合には、カバー部材70が泥除けの機能をも果たすこととなる。
次に、本実施形態に係る車椅子1の各構成部品の作用について、各図を参照しつつ説明する。
まず、レバー30の作用について、図1を参照しつつ説明する。図1において、車椅子1の着座者は、座部5に座りながらレバー30を主車輪20の回転方向と同じ方向(X方向又はY方向)に所定の範囲内で繰り返し移動させることによって自ら車椅子1を前進若しくは後退させることが可能となっている。本実施形態においては、図1に図示される角度θの範囲でレバー30をX方向とY方向とに繰り返し移動可能に構成されている。なお、このとき、レバー30はカップ体32の略中心部(即ち、主車輪20の略中心部)Oを支点として移動する。
次いで、力伝達機構40の作用について、図4を参照しつつ説明する。図4において、レバー30をX方向及びY方向のうちいずれかの方向に移動させると、レバー30に固定されているカップ体32とカップ体32に固定されている固定部41(即ち、ハブ42及び内側レース46)とが、レバー30の移動に伴ってカップ体32の略中央部Oを中心として可動部60及び主車輪20に対して回転しようとする。なお、ベース基板61、中心軸64及び各駆動ギヤ65〜68等の可動部60は、カップ体32に対して固定されていない。
ここで、楔締要素50は、固定部41と各駆動ギヤ65〜68と(より具体的に言えば、楔締要素50と第1駆動ギヤ65と)が連結される連結状態と、固定部41と各駆動ギヤ65〜68とが連結されない非連結状態とを切り換える役割を果たす。即ち、連結状態であればカップ体32と各駆動ギヤ65〜68とが連結されることとなり、非連結状態であればカップ体32と各駆動ギヤ65〜68とが連結されないこととなる。これは、固定部41がカップ体32に固定されているからである。
連結状態のとき、レバー30が主車輪20の中央部Oを支点としてX方向及びY方向のいずれかに移動すると、これに伴ってカップ体32が主車輪20の中央部Oを中心として回転する。このとき、カップ体32の回転力が先ず第1駆動ギヤ65に伝達され、第1駆動ギヤ65が回転する。第1駆動ギヤ65が回転すると、この回転力が第2駆動ギヤ66に伝達され、第2駆動ギヤ66が回転する。第2駆動ギヤ66が回転すると、これに伴って第3駆動ギヤ67が回転する。第3駆動ギヤ67が回転すると、この回転力が第4駆動ギヤ68に伝達され、第4駆動ギヤ68が回転する。第4駆動ギヤ68は主車輪20に固定して取り付けられているので、第4駆動ギヤ68の回転に伴って主車輪20が回転する。即ち、レバー30がX方向及びY方向のうちいずれかの方向に向けて移動したとき、主車輪20に対して回転力が伝達(付与)されることとなる。また、このとき、楔締要素50のローラ51と第1駆動ギヤ65の内周面との接触部が力点となるので、力点から支点(楔締要素50の中心部O)までの距離に比して支点から作用点(把持部30a)までの距離が極めて大きくなる。
一方、非連結状態のとき、レバー30がX方向及びY方向のいずれかの方向に移動することに伴ってカップ体32が回転しても、この回転力が第1駆動ギヤ65に伝達されない。従って、力伝達機構40が主車輪20に対して回転力を付与せず、レバー30及びカップ体32等の固定部41が、主車輪20に対して空転する。
次に、楔締要素50の作用について、図10〜図12を参照しつつ説明する。
図10(a)は、力伝達機構40の一例を示す平面概略図である。図10(b)は、図10(a)に図示されるA部の詳細図であって、隣接する2箇所の最大径部47a・47bの間にローラ51が位置していることを示す概略図である。図10(a)及び(b)において、ローラ51は、隣接する2つの最大径部47のほぼ中間であってかつ第1駆動ギヤ65の中空部65aに配置されている。また、前述のとおり、ローラ51は、支持柱56によって支持されていると共にローラ押さえバネ57によって内側レース46側、即ち、第1駆動ギヤ65の径内側に向けて付勢されている。ここで、図10(b)に図示される最大径部47b及び内側レース46の中心O(図10(b)では図示せず)の2点を通る仮想線L1 上における最大径部47bと第1駆動ギヤ65の内周面との距離σ1 は、ローラ51の径rよりも小さい(最大径部47aと第1駆動ギヤ65の内周面との距離も同様である)。また、内側レース46の中心O及び内側レース46の最小径部48の2点を通る仮想線L2 上における最小径部48と第1駆動ギヤ65の内周面との距離σ2 は、ローラ51の径rよりも大きい。ここで、第1駆動ギヤ65の中空部65aはほぼ円形であることから、内側レース46の中心Oから第1駆動ギヤ65の内周面までの距離は、第1駆動ギヤの内周面のどの部位であっても同じ距離となっている。従って、σ1 <σ2 となるのは、最大径部47から最小径部48にかけて内側レース46の径が次第に小さくなっていることによるものである。
図10(b)において、ローラ51は、隣接する2つの最大径部47a・47bのほぼ中間、即ち、ほぼ仮想線L2 上に位置している。ここで、レバー30をX方向及びY方向のいずれかの方向に向けて移動させると(図1も参照)、カップ体32に固定される内側レース46がレバー30の移動方向と同じ方向に回転する。このとき、ローラ51の径rがσ2 よりも小さいので、第1駆動ギヤ65は回転しない。従って、内側レース46の回転力、即ち、カップ体32の回転力が主車輪20に伝達されないので、主車輪20は回転しない。この状態を言い換えれば、レバー30をX方向及びY方向のいずれの方向に向けて移動させたとしても主車輪20に対して空転する中立位置にあるということができ、固定部41と可動部60とがX方向及びY方向のいずれの方向についても非連結状態であるといえる。
図11は、隣接する2つの最大径部47a・47bのうちY方向側の最大径部47bに近い位置にローラ51が位置していることを示す概略図である。このとき、レバー30をX方向に向けて移動させると(図1も参照)、内側レース46に対して、内側レース46の中心O(図11では図示せず)を回転中心としたX方向への回転力が作用する。ここで、σ1 <rであることから、ローラ51の楔締効果により、内側レース46の回転に伴って第1駆動ギヤ65がX方向に回転する。即ち、カップ体32の回転力がローラ51を介して第1駆動ギヤ65に伝達される。これにより、第1駆動ギヤ65の回転力が第2駆動ギヤ66〜第4駆動ギヤ68に順に伝達されるので、主車輪20がレバー30の移動方向と同じ方向(X方向)に回転し、車椅子1が前進する。
一方、レバー30をY方向に移動させると、内側レース46に対して、内側レース46の中心Oを回転中心としたY方向への回転力が作用する。ここで、σ2 >rであることから、内側レース46の回転力がローラ51を介して第1駆動ギヤ65に伝達されない。従って、レバー30をY方向に移動させても、第1駆動ギヤ65が内側レース46に対して空転(遊転)することとなり、可動部60が固定部41に対して空転することとなる。その結果、レバー30をY方向に移動させても主車輪20は回転せず、車椅子1は前進も後退もしない。
なお、内側レース46は、内側レース46の最大径部47から最小径部48にかけて次第に径が小さくなっているが、これに限られず、第1駆動ギヤ65の内径が変化することによってローラ51が位置する空間の大きさが変化しても良い。即ち、内側レース46の中心Oと第1駆動ギヤ65の内周面との2点を通る仮想線上における内側レース46の外周面と第1駆動ギヤ65の内周面との距離が、ローラ51の径rよりも小さい部位と大きい部位とが形成されていれば良い。
以上より、楔締要素50が図11に図示される態様であれば、レバー30をX方向に向けて移動させると車椅子1が前進し、Y方向に向けて移動させると主車輪20に対してレバー30が空転する。即ち、楔締要素50は、X方向については連結状態となり、Y方向については非連結状態となる。
なお、レバー30は、主車輪20の中心部Oを支点としてX方向及びY方向に移動可能な棒状の部材であり、しかも、レバー30の把持部30aが主車輪20の径外側に延在しているので、力点から支点までの距離に比して支点から作用点までの距離が極めて大きい。
図12は、隣接する2つの最大径部47のうちX方向側の最大径部47に近い位置にローラ51が位置していることを示す概略図である。このとき、楔締要素50は、図11に図示される作用と逆の作用を奏する。即ち、レバー30をY方向に向けて移動させると、ローラ51の楔締効果により、第1駆動ギヤ65がY方向に回転し、車椅子1が後退する。
一方、レバー30をX方向に移動させると、σ2 >rであることから、内側レース46の回転力がローラ51を介して第1駆動ギヤ65に伝達されず、レバー30をY方向に移動させても、第1駆動ギヤ65が内側レース46に対して空転(遊転)することとなる。即ち、可動部60が固定部41に対して空転することとなる。その結果、レバー30をX方向に移動させても主車輪20は回転せず、車椅子1は前進も後退もしない。
以上より、楔締要素50が図12に図示される態様であれば、レバー30をY方向に向けて移動させると車椅子1が後退し、X方向に向けて移動させると主車輪20に対してレバー30が空転する。即ち、楔締要素50は、Y方向については連結状態となり、X方向については非連結状態となる。
このようにして、固定部41と各駆動ギヤ65〜68との間における連結状態から非連結状態への切り換えが無段で行われる。即ち、連結状態から非連結状態への方向にレバー30を移動させる際に、段階を有することなく( 即ち、着座者が衝撃を感じることなく滑らかに) 状態を切り換えることができる。
なお、車椅子1を前進又は後退させるには、左右のレバー30をほぼ同時に同じ方向に移動させる必要がある。何故なら、右側の主車輪20を左側の主車輪20に対して大きな回転速度で車椅子1を前進させた場合には車椅子1が左前方に斜向して前進し、左側の主車輪20を右側の主車輪20に対して大きな回転速度で車椅子1を前進させた場合には車椅子1が右前方に斜向して前進するからである。後退の場合も同様である。
また、2つの主車輪20のうちいずれか一方の主車輪20の回転を抑制し、他方の主車輪20を回転させるべくレバー30を移動させたとき、回転が抑制された主車輪20がその場で停止したまま他方の主車輪20が回転する。従って、車椅子1がその場において回転することができる。
次に、図10(b)、図11及び図12に図示されるいずれかの態様から他の態様へ切り換えるための方法及びその作用について説明する。なお、この切り換えは、図3に図示される駆動方向切替部31を操作し、内側レース46に対するローラ51の位置を変更させる方法にすることによって行われる。
駆動方向切替部31は、レバー30の把持部30aの長手方向の軸心を中心として回転可能となっており、摘み部31aを親指で操作することによって回転する。摘み部31aが、図3に図示される前進位置α(図11の態様)、中立位置β(図10(b)の態様)及び後退位置γ(図12の態様)のいずれかの位置に配置されることによって、楔締要素50の作用が決定される。
図4において、図3に図示される駆動方向切替部31の摘み部31aの位置を例えば前進位置αから中立位置βに回転移動させると、この回転に伴って駆動方向切換部31に連結された力伝達切換ワイヤ80が回転する。この力伝達切換ワイヤ80が回転すると、これに伴って、力伝達切換ワイヤ80の先端に取り付けられた力伝達切換ギヤ82が回転する。ここで、力伝達切換ギヤ82とローラ保持器52に形成された山型溝55とが係合しているので、ローラ保持器52が内側レース46に対して回転する。このとき、ローラ保持器52の中心部は内側レース46の中心部と同心となっている。また、ローラ51がローラ保持器52の板状部53に載置されると共に支持柱56の間に配置されているので、ローラ51は、ローラ保持器52の回転に伴って内側レース46の外周部に沿って移動し、図11の態様から図10(b)の態様に切り換わる。
なお、後退位置γから中立位置βへの移動、中立位置βから前進位置αへの移動、又は中立位置βから後退位置γへの移動など、他の切り換え態様についても、同様の動作原理で作動する。
ここで、レバー30を可動できる範囲について説明する。図4において、レバー30をX方向に向けて移動させたとき、ハブ42がそれに伴って回転し、ハブ42の凸部45とベース基板61のストッパー62とが当接する。一方、レバー30をY方向に向けて移動させたとき、ハブ42の一方の端部43側の長手部43aとベース基板61のストッパー62とが当接する。これにより、X方向及びY方向のいずれの方向についてもレバー30の可動範囲が制限される。この制限角度は、図1において、主車輪20の中心Oを回転中心(支点)として位置Aと位置Bとが成す角度θである。なお、車椅子1に着座した場合の左側の主車輪20に取り付けられるカップ体32と力伝達機構40との組み合わせについての作動については、前述した説明のX方向とY方向とが逆になる。
さらに、本実施形態における車椅子1は、カップ体32が主車輪20の凹面26に対して移動可能に構成されている。即ち、カップ体32はレバー30に取り付けられているので、レバー30とカップ体32とが伴に主車輪20の凹面26に対して移動可能であることを意味する。ここで、着座者がレバー30を自側(即ち、主車輪20に対して座部5側)に引くことにより、回転中の主車輪20に対してレバー30を近づけると、主車輪20の回転を強制的に停止させることができる。この作用について、図13を参照しつつ説明する。図13は、車椅子1の前進又は後退方向から視た主車輪20とレバー30との配置関係を示した概略図である。
図13において、通常時(着座者がレバー30を自側に引く動作を行っていないとき)、カップ体32に設けられたブレーキパッド38と主車輪20のボス22の凹面26との間には隙間92が形成されている。この隙間92の大きさは、ブレーキパッド38と凹面26との距離、即ち、ブレーキパッド38と主車輪20の側部との距離を意味する。このように隙間92が形成されるのは、カップ体32の平面部33に配置されたコイルバネ39(図4参照)によって、カップ体32及びハブ42が、互いに反対方向に、即ち、ブレーキパッド38と凹面26との間の隙間92が大きくなる方向に向けて互いに付勢されているからである。これにより、レバー30が、図13の実線で図示される位置に配置されることとなる。
図13において、着座者がレバー30を自側に引くことにより、コイルバネ39(図4参照)の付勢力に抗してレバー30を主車輪20に対して近づけると、実線で図示される位置から破線で図示される位置に移動する。即ち、カップ体32がハブ42の一方の端部43を支軸としてハブ42(即ち、主車輪20のボス22の凹面26)に対して近づく方向に移動し、カップ体32に設けられたブレーキパッド38と主車輪20のボス22の凹面26との間に形成される隙間92が小さくなる。そして、レバー30をさらに主車輪20に対して近づけると、カップ体32に設けられたブレーキパッド38が主車輪20の凹面26に当接し、主車輪20の回転を抑制及び停止、即ち制動することができる。
なお、このとき、レバー30とカバー部材70のカバー面73とが干渉することなく、ブレーキパッド38と凹面26とが回転中の主車輪20を停止させることができる程度の圧接力で当接する。即ち、ブレーキパッド38と凹面26とが回転中の主車輪20を停止させることができる程度の圧接力で当接したとき、レバー30とカバー部材70のカバー本体部71のカバー面73との間に隙間σ3 が形成されていることを意味する。言い換えれば、着座者がレバー30を自側に引くことによりブレーキパッド38と凹面26とが圧接した場合であっても、この隙間σ3 が0以下となることがないよう、カバー部材70がガイドフレーム15に取り付けられていることとなる。
以上のように、本実施形態の車椅子1は、座部5を支持するフレーム10と、座部5の両側に一つずつ配置され、フレーム10に対して回転自在な2つの主車輪20と、2つの主車輪20に対応して設けられ、X方向とY方向とに所定の制限角度θで移動可能なレバー30と、レバー30と主車輪20との間に配置され、レバー30がX方向及びY方向のうちいずれかの方向に向けて移動したとき、主車輪20に対して回転力を伝達可能な力伝達機構40と、主車輪20の径外側のうちレバー30を移動可能な制限角度θの範囲内の全部を覆うカバー部材とを備えている。従って、着座者がレバー30をX方向及びY方向のいずれかに移動させたとき、着用している衣類や装身具等が最も巻き込まれ易い主車輪20の外周部に巻き込まれることを防止できる。とくに、着座者が、レバー30をX方向とY方向とに繰り返し移動させることによって主車輪20を回転させた場合であっても、着用している衣類等が回転中の主車輪20に巻き込まれる危険性が低くなる。
また、レバー30は、主車輪20の略中心部を支点としてX方向とY方向とに移動可能に構成されているとともに主車輪20の径外側まで延在している。さらに、力伝達機構40は、レバー30がX方向及びY方向のうちいずれか一の方向に向けて移動したときは主車輪20に対して回転力を付与可能であり、レバー30が前記一の方向とは異なる方向に向けて移動したときは主車輪20に対して回転力を付与しない。従って、力点から支点までの距離に比して支点から作用点までの距離が極めて大きくなるので、着座者が、車椅子1の座部5に座りながら容易に自ら車椅子1を回転させることが可能となる。
また、レバー30が主車輪20に対して座部5の反対側に設けられており、カバー部材70が、主車輪20の径外側からレバー30と主車輪20との間であってかつ主車輪20の径内側に向けて延在している。従って、着座者が、主車輪20を跨ってレバー30をX方向とY方向とに繰り返し移動させた場合であっても、衣類や装身具が回転中の主車輪20、とくにスポーク27に巻き込まれることを防止できる。さらに、着座者が浴衣や着物等のように袖部分が長い衣類を着用してレバー30をX方向とY方向とに繰り返し移動させた場合であっても、かかる袖部分が回転中の主車輪20に巻き込まれる懸念が小さくなる。
また、カバー部材70がガイドフレーム15に対して脱着可能に構成されているので、着座者又は着座者の介護者等の判断に基づいて、カバー部材70をガイドフレーム15に対して脱着することが可能となる。例えば、車椅子1で長距離を走行するような場合には、着座者の疲労軽減を図る観点からガイドフレーム15からカバー部材70を取り外すことが好ましい。さらに、着物や浴衣等、袖部分が巻き込まれ易い衣類を身に付けている場合には、衣類の主車輪20への巻き込み防止を図る観点からカバー部材70を取り付けていることが好ましい。さらに、車椅子1を車両に積載して目的地まで運搬するような場合には、カバー部材70を取り外した上で車両に積載し、目的地に到着したのちにカバー部材を取り付けることができるという利便性がある。
また、主車輪20とレバー30との間であって、主車輪20の凹面26に対向すると共にレバー30と伴に主車輪20の凹面26に対して移動可能なブレーキパッド38をさらに備えている。そして、ブレーキパッド38と主車輪20の凹面26との距離92が小さくなる方向にレバー30を移動させたとき、レバー30とカバー部材70とが干渉することなくブレーキパッド38と主車輪20の凹面26とが圧接可能となっている。従って、レバーとカバー部材とが干渉することなく、ブレーキ部材と車輪の側部とを当接させることができるので、回転中の主車輪20への衣服類の巻き込み防止と主車輪20の回転の抑制又は停止とを両立し得る。その結果、着座者が足などを使うことなく車椅子を減速及び停止させることができるので、足を使うことができない着座者であっても、安心して車椅子1を走行させることができると共に、衣服類が回転中の主車輪20に巻き込まれることもない。言い換えれば、着座者がレバー30をX方向とY方向とに移動操作するのみで、回転中の主車輪20に衣服類が巻き込まれることなく車椅子1の走行、減速及び停止の全てを行うことができる。よって、介助者を必要としないばかりでなく、着座者が安心して本実施形態の車椅子1を利用することができる。
さらに、本実施形態の車椅子1は、カバー部材70に肘掛部78が設けられているので、着座者がこの肘掛部78に体重を傾けることによって疲労を軽減することができる。しかも、車椅子1の進行方向に対して真っ直ぐに着座することが困難な着座者にとっては、その効果が顕著である。また、肘掛部78は弾力性のある材質が好まれる一方で、着座者の体重があずけられるので、車椅子1の他の部位と比較すると短期間で損傷し易い。本実施形態の車椅子1では、肘掛部78がカバー部材70の肘掛載置面72に取り付けられており、また、ガイドフレーム15に対してカバー部材70が容易に脱着可能に構成されている。従って、肘掛部78が損傷して取替えを要する事態となっても、カバー部材70を取り替えるのみで、容易に肘掛部78の取替えを行うことができる。
なお、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。例えば、本実施形態において、車椅子1は、座部5の両側に一つずつ(計2つ)主車輪20が配置されているがこれに限られず、例えば、座部5の両側に2つの車輪が一対となって配置されていても良い。
また、本実施形態の車椅子1は、1つの主車輪20に対して力伝達機構40が1つずつ配置されているが、これに限られず、いずれか一方の主車輪20についてのみ力伝達機構40が配置されていても良い。この場合、力伝達機構40が配置された主車輪20が駆動輪、他方の主車輪20が従動輪となる。さらにこの場合において、2つの主車輪20を連結しても良い。
また、本実施形態の車椅子1は、主車輪20とレバー30との間に力伝達機構40を設けることによってX方向及びY方向とにレバー30を移動させることで主車輪20が回転する構成となっているが、これに限られず、例えば、特許文献1に記載される構成であっても良い。即ち、着座者がレバーをX方向とY方向とに繰り返し移動させることによって車椅子を容易に走行させることができ、かつそのような場合であっても衣服の袖部分や装身具等が回転中の車輪に巻き込まれることを防止できれば良い。
なお、本実施形態で説明した「レバーをX方向とY方向とに移動」について、「移動」を「揺動」又は「回動」と読み替えることもできる。また、「レバー」を「アーム」または「棒状のハンドル」に置き換えても良い。即ち、本実施形態に用いる「レバー」の意味は、てこの原理を用いるものに限られないことを意味する。例えば、レバーをX方向とY方向とに移動させることによって電気的な構成により主車輪20を回転させることができる車椅子をも含むものである。従って、「レバー30の繰り返し移動」を「レバー30の揺動」又は「レバー30の回動」と読み替えることができる。
また、本実施形態の車椅子1におけるカバー部材70のカバー本体部71は、肘掛載置面72とカバー面73と湾曲面74とを有しているが、これに限られず、例えば、肘掛載置面72のみを有していても良い、即ち、カバー部材70は、少なくとも主車輪20の径外側を覆うものであれば良い。着座者が、主車輪20に対して座部5の反対側に配置されるレバー30の把持部30aを把持したとき、衣服の袖部や装身具等は、主車輪20の径外側で最も回転中の主車輪20に巻き込まれ易いからである。ただし、着物や浴衣等、袖部が長い衣服を着用する場合もあり得ることを考えれば、カバー部材70が、主車輪20の径外側から径内側に向けて延在していることが好ましい。なお、主車輪20の径外側からスポーク27の全てを覆う態様であっても良い。
また、本実施形態の車椅子1におけるカバー部材70は、カバー本体部71の端部に設けられた爪部76によってガイドフレーム15に保持されているが、カバー部材70が保持される態様はこれに限られるものではない。例えば、爪部76によってガイドフレーム15及びプレート18を挟持する構成に代えて、クリップ状にしたもの、プレート18に吸着盤によって吸着されるもの、簡易なビス止めによって保持されるもの等であっても良い。即ち、車椅子1を走行させた場合に、路面から受ける振動等の外的な作用を受けた場合であってもカバー部材70が脱落することなく、かつカバー部材70を車椅子1に対して容易に脱着できるものであれば良い。
また、本実施形態の車椅子1において、ブレーキパッド38が主車輪20とレバー30との間に主車輪20の凹面26に対向して設けられ、ブレーキパッド38と主車輪20の凹面26とが圧接することにより主車輪20の回転を抑制又は停止しているが、これに限られない。例えば、ブレーキパッド38と車輪本体部21とが圧接する構成であっても良い。また、必ずしもブレーキパッドと主車輪20とを圧接する構成に限られず、着座者がレバー30を操作することによって回転中の主車輪20を制動することができれば、介護者を必要とせず着座者が自ら走行中の車椅子1を停止させることができる。
1 車椅子
5 座部
10 フレーム
15 ガイドフレーム
20 主車輪(車輪)
26 凹面(車輪の側部)
30 レバー
38 ブレーキパッド (ブレーキ部材)
40 力伝達機構
70 カバー部材
92 隙間(ブレーキ部材と前記車輪の側部との距離)
5 座部
10 フレーム
15 ガイドフレーム
20 主車輪(車輪)
26 凹面(車輪の側部)
30 レバー
38 ブレーキパッド (ブレーキ部材)
40 力伝達機構
70 カバー部材
92 隙間(ブレーキ部材と前記車輪の側部との距離)
Claims (5)
- 座部を少なくとも支持するフレームと、
前記座部の両側に少なくとも一つずつ配置され、前記フレームに対して回転自在な複数の車輪と、
前記複数の車輪のうち少なくとも一つの車輪に対応して設けられ、第1の方向と第2の方向とに所定の範囲内で往復移動可能なレバーと、
前記レバーと車輪との間に配置され、前記レバーが前記第1の方向及び前記第2の方向のうちいずれかの方向に向けて移動したとき、前記レバーが設けられた車輪に対して回転力を伝達可能な力伝達機構と、
前記レバーとの間に力伝達機構が設けられた車輪の径外側のうち前記レバーを移動可能な前記所定の範囲内の全部又は一部に配置されるカバー部材とを備えることを特徴とする車椅子。 - 前記レバーが、前記車輪の略中心部を支点として前記第1の方向と前記第2の方向とに移動可能であってかつ前記車輪の径外側まで延在し、
前記力伝達機構は、前記レバーが前記第1の方向及び前記第2の方向のうちいずれか一の方向に向けて移動したときは前記車輪に対して回転力を付与可能であり、前記レバーが前記一の方向とは異なる方向に向けて移動したときは前記車輪に対して回転力を付与しないことを特徴とする請求項1に記載の車椅子。 - 前記レバーが車輪に対して座部の反対側に設けられ、
前記カバー部材が、車輪の径外側から前記レバーと前記車輪との間であってかつ前記車輪の径内側に向けて延在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の車椅子。 - 前記カバー部材が、前記フレームに対して脱着可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車椅子。
- 前記車輪と前記レバーとの間であって、前記車輪の側部に対向すると共に前記レバーと伴に前記車輪の側部に対して移動可能なブレーキ部材をさらに備え、
前記ブレーキ部材と前記車輪の側部との距離が小さくなる方向に前記レバーを移動させたとき、前記レバーと前記カバー部材とが干渉することなく前記ブレーキ部材と前記車輪の側部とが圧接可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車椅子。
Priority Applications (1)
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Publications (1)
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JP2006175165A true JP2006175165A (ja) | 2006-07-06 |
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Family Applications (1)
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JP2004374185A Pending JP2006175165A (ja) | 2004-12-24 | 2004-12-24 | 車椅子 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006175165A (ja) |
Citations (7)
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-
2004
- 2004-12-24 JP JP2004374185A patent/JP2006175165A/ja active Pending
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