JP2016043843A - 車椅子兼用自転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】自転車の構成部材のほぼ全てを用いて車椅子機能を実現する。
【解決手段】ヘッドパイプ5とサドルパイプ8とを連結するセンターフレーム10とを備え、ヘッドパイプが、センターフレームの長さ方向と略直交する面内において回動可能に連結され、この連結部に、ヘッドパイプをセンターフレームに対して所定の回動位置に固定する第1の固定手段11が設けられ、センターフレームが、サドルパイプの軸線と略直交する面内において回動可能に連結され、この連結部に、センターフレームをサドルパイプに対して所定の回動位置に固定する第2の固定手段12が設けられる。ヘッドパイプとセンターフレームとの回動、および、サドルパイプとセンターフレームとの回動によって、前輪2と後輪6が、同一面内に位置させられる第1のポジションと、それぞれの車軸が略同一軸線上に位置するよ第2のポジションとに選択的に位置させられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、用途に応じて車椅子機能と自転車機能とに切り替えることの可能な車椅子兼用自転車に関するものである。
従来、自転車の前方部分に車椅子機能を付加した車椅子兼用自転車が提案されている(特許文献1参照)。
この技術は、車椅子機能を有する前方部位と、サドルやペダル、後輪、および、前記ペダルの回転を前記後輪へ伝達するや回転伝達機構等が設けられた後方部位とを備え、これらの前方部位と後方部位とを、枢軸を介して係脱可能に連結するとともに、前記前方部位を水平面内で回動操作することにより方向転回を行なうハンドルを、前記前方部位に装着した構成となっている。
そして、長距離移動時等においては、前記前方部位に障害者を乗せた状態で、前記後方部位に搭乗した健常者による走行(すなわち自転車機能)を可能にし、施設内での移動時等においては、前記後方部位を前記前方部位から切り離すことにより、この前方部位単独で車椅子としての走行(すなわち車椅子機能)を可能にしている。
特開2012−56363号公報
前述した従来の技術によって、長距離移動時の障害者の負担を軽減しつつ、施設内等の狭い場所での通常の車椅子と同様の移動を可能にすることができたが、なお、つぎのような解決すべき問題点が残されている。
すなわち、前記技術においては、車椅子機能を利用する場合、前記前方部位のみを使用するものであるから、その際に、前記後方部位を切り離し、この切り離された後方部位を保管しなければならず、その保管場所を確保する必要がある。
本発明は、自転車の構成部材のほぼ全てを用いて車椅子機能を実現するようにして、前述した従来の技術において残されている問題点を解決することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明の車椅子兼用自転車は、前輪とこの前輪の操舵を行なうハンドルが装着されたフロントフォークが回動自在に取り付けられたヘッドパイプと、後輪が装着されるとともに、この後輪の前部上方にサドルを保持するサドルパイプが設けられたリアフォークと、前記ヘッドパイプと前記サドルパイプとを連結するセンターフレームとを備え、前記ヘッドパイプと前記サドルパイプとが略平行に設けられ、前記ヘッドパイプが、前記センターフレームに、このセンターフレームの長さ方向と略直交する面内において回動可能に連結され、この連結部に、前記ヘッドパイプを前記センターフレームに対して所定の回動位置に固定する第1の固定手段が設けられ、前記センターフレームが、前記サドルパイプに、このサドルパイプの軸線と略直交する面内において回動可能に連結され、この連結部に、前記センターフレームを前記サドルパイプに対して所定の回動位置に固定する第2の固定手段が設けられ、前記ヘッドパイプと前記センターフレームとの回動、および、前記サドルパイプと前記センターフレームとの回動によって、前記フロントフォークに取り付けられている前輪と、前記リアフォークに取り付けられている後輪とが、同一面内に位置させられる第1のポジションと、それぞれの車軸が略同一軸線上に位置するように対向させられる第2のポジションとに選択的に位置させられるようになされていることを特徴とする。
このように構成された本発明の車椅子兼用自転車は、前記第1の固定手段および第2の固定手段を開放した後に、前記センターフレームを、前記サドルパイプ回りに回動させて、前記リアフォークと略直交させるとともに、前記フロントフォークを、前記センターフレームの長さ方向回りに回動させて、前記フロントフォークに装着されている前記前輪を、前記リアフォークに装着されている前記後輪に対向させることができる。
この状態において、前記前輪およびフロントフォークと、センターフレームと、前記後輪およびリアフォークとが、平面視で略コ字状に位置させられる。
これより、前記フロントフォーク、前記センターフレーム、および、前記リアフォークによって形成される空間部に、座席を挿入するとともに、この座席を、前記フロントフォーク、前記センターフレーム、および、前記リアフォークに固定する。
これによって、座席の両側部に車輪が取り付けられた車椅子を構成することができる。
ここで、前記座席は、たとえば、車椅子を使用する施設等に備えてある椅子等を用いることが可能である。
この場合、前記椅子の形状や構造を考慮して、その椅子を装着するためのアタッチメントを前記フロントフォークやリアフォーク、若しくは,センターフレームに設けておく必要がある。
このように本発明では、自転車の状態から、その構成部材を切り離すことなく車椅子を構成することができる。
したがって、取り外した部品等を保管する必要もない。
そして、好ましくは、前記フロントフォーク若しくは前記リアフォークの何れか一方に、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、前記フロントフォークと前記リアフォークを連結してその間隔を保持するフォーク連結部材を揺動可能に装着し、他方に、前記フォーク連結部材の揺動端部が固定されるフォーク連結部材固定具を設けておく。
このような構成とすることにより、前記フォーク固定部材によって、前記フロントフォークとリアフォークとの間隔を保持させて、これらの間に形成される椅子装着用の空間部形状を安定させることができる。
また、前記フォーク連結部材に、前記フロントフォークから取り外された前記ハンドルが固定されるハンドル装着部材を設けておくこともできる。
このような構成とすることにより、前記ハンドルを車椅子の後方に位置させて、介助者による車椅子の操作を容易にすることができる。
そして、前記ハンドルに、背もたれとこの背もたれに回動可能に連結されて折り畳み可能な座面とからなる座席構成体を、前記背もたれを介して装着しておき、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、前記座面の回動端部を、前記センターフレーム上に重畳させるようにすることもできる。
このような構成とすることにより、前記ハンドルとともに座席構成体を装備することができ、別途、椅子を調達することなく座席を簡便に形成することができるとともに、前記座面と前記センターフレームとの重畳部分に、これらを連結する座席固定機構を設けることにより、この座席によって前記フロントフォーク、前記リアフォーク、および、前記センターフレームを相互に連結して、その構造を安定なものとすることができる。
また、前述したように構成された車椅子は、介助者によって支持されていない場合、前後方向への安定性が確保できない。
これを防止するために、前記ヘッドパイプおよび前記リアフォークに、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、地面に接触させられるキャスターを設けておくことが好ましい。
さらに、前記両キャスターに、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、これらの前後輪間に位置させられる足置き部材を装着するための足置き固定部材を設けておくことが好ましい。
この足置き部材を装着することによって、利用者の乗車姿勢を安定させることができる。
そして、前記足置き部材は、前記各フォークやフレーム、若しくは,前記座席構成体の適宜位置に着脱可能に装着しておくことができる。
このように、本発明によれば、自転車として用いることにより長距離移動を可能にしつつ、車椅子として用いることにより、障害者等の移動をも可能にする。
しかも、構成部材の全てを用いて自転車と車椅子とに組み上げることができるので、それぞれの形態において余剰の部品の発生がなく、これらの余剰の部品を保管する必要もない。
本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態の左側面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態の右側面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態の平面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態の一部を分解した平面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態の正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態のハンドルを取り外した自転車本体の正面図、および、取り外したハンドルを背面側からみた図である。 本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態を示し、フロントフォーク部分の背面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態から車椅子形態への変更手順を示す平面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、第1の固定手段を示す斜視図である。 本発明の一実施形態を示すもので、第1の固定手段の機能を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態を示すもので、第2の固定手段を示す斜視図である。 本発明の一実施形態を示すもので、ロック機構を示す側面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す平面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す平面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す平面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す背面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、組み立てられた車椅子の側面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は、本実施形態に係わる車椅子兼用自転車を示し、この車椅子兼用自転車1は、前輪2とこの前輪2の操舵を行なうハンドル3が装着されたフロントフォーク4が回動自在に取り付けられたヘッドパイプ5と、後輪6が装着されるとともに、この後輪6の前部上方にサドル7を保持するサドルパイプ8が設けられたリアフォーク9と、前記ヘッドパイプ5と前記サドルパイプ8とを連結するセンターフレーム10とを備え、前記ヘッドパイプ5と前記サドルパイプ8とが略平行に設けられ、前記ヘッドパイプ5が、前記センターフレーム10に、このセンターフレーム10の長さ方向と略直交する面内において回動可能に連結され、この連結部に、前記ヘッドパイプ5を前記センターフレーム10に対して所定の回動位置に固定する第1の固定手段11が設けられ、前記センターフレーム10が、前記サドルパイプ8に、このサドルパイプ8の軸線と略直交する面内において回動可能に連結され、この連結部に、前記センターフレーム10を前記サドルパイプ8に対して所定の回動位置に固定する第2の固定手段12が設けられ、前記ヘッドパイプ5と前記センターフレーム10との回動、および、前記サドルパイプ8と前記センターフレーム10との回動によって、前記フロントフォーク4に取り付けられている前輪2と、前記リアフォーク9に取り付けられている後輪6とが、同一面内に位置させられる第1のポジションと、それぞれの車軸2a・6aが略同一軸線上に位置するように対向させられる第2のポジションとに選択的に位置させられるようになされた構成となっている。
前記ヘッドパイプ5と前記センターフレーム10は直交して連結されており、図9に示すように、前記ヘッドパイプ5の側面に突設された連結パイプ5aが、前記センターフレーム10の一端部に回動自在に嵌合され、この嵌合部分における前記連結パイプ5aと前記センターフレーム10との間に、前記第1の固定手段11が設けられている。
前記第1の固定手段11は、図9および図10に示すように、前記センターフレーム10の外面に、このセンターフレーム10の長さ方向に沿った面内で回動可能に装着された連結ロッド13と、この連結ロッド13の回動側の端部に、軸線方向に移動可能に装着されたロック部材14と、このロック部材14に装着されて、このロック部材14を前記連結ロッド13の軸方向に移動させるロックレバー15と、前記連結パイプ5aの外面に、径方向に沿って突設され、前記連結ロッド13が径方向から係合させられる係止溝16aが形成された係止片16とによって構成されている。
前記サドルパイプ8の下部には、図11に示すように、回動パイプ17が、回動可能に嵌着されており、この回動パイプ17に、前記センターフレーム10の他端部が略直交して連結されており、前記回動パイプ17の上端部に、前記第2の固定手段12が設けられている。
前記回動パイプ17の上縁の周壁には不連続部17aが形成されているとともに、この不連続部17aを挟んだ両側のそれぞれに、締め付け片18が対向状態で突設され、さらに、これらの締め付け片18を挟み込むように、ボルト19とナット20とからなる前記第2の固定手段12が装着されている。
前記ボルト19には、このボルト19を回動させるためのロックレバー21が装着されており、このロックレバー21によって前記ボルト19を回動させることにより、前記両締め付け片18の間隔を狭めて前記回動パイプ17の上端縁内周を前記サドルパイプ8に圧接させて、前記回動パイプ17の回動を拘束し、また、前記両締め付け片18の間隔を広げて、前記回動パイプ17の回動を許容するようになっている。
また、前記サドルパイプ8の下端部には、左右一対のペダル22(図1および図2参照)がそれぞれ着脱可能に装着される駆動軸23を収納するハウジング24が一体に設けられている。
前記ハウジング24には、前記リアフォーク9の先端部が連結されて、前記サドルパイプ8と一体化されている。
さらに、前記サドルパイプ8の上端部には、前記サドル7の下面に取り付けられている連結ロッド25が嵌合させられており、前記サドルパイプ8の上端部に設けられた、前記第2の固定手段12と同様の第3の固定手段26によって、前記連結ロッド25が前記サドルパイプ8に着脱可能に固定されている。
前記駆動軸23の一端部、図示例では、前記車椅子兼用自転車1の右側の端部に駆動ギヤ27が装着され、この駆動ギヤ27と、前記後輪6の車軸6aに装着された従動ギヤ28との間に、チェーン等の動力伝達帯Cが巻回されている。
一方、前記フロントフォーク4の上端部には、図4に示すように、略U字状に形成されたハンドル装着ロッド29が、その両端部を上方へ向けて一体に設けられている。
このハンドル装着ロッド29に装着される前記ハンドル3には、その中間部に、図1、図2、および、図6に示すように、一対の嵌合リング30が固着されているとともに、これらの嵌合リング30のそれぞれに、その側壁を内外に貫通する蝶螺子31が螺着されている。
そして、前記両嵌合リング30を前記ハンドル装着ロッド29のそれぞれに嵌合させた後に、前記各蝶螺子31を締め付けて、その先端を前記ハンドル装着ロッド29に圧接させることによって、前記ハンドル3が、前記ハンドル装着ロッド29を介して前記フロントフォーク4に固定されるようになっている。
前記ハンドル3の前部には、背もたれ32aとこの背もたれ32aに回動可能に連結されて折り畳み可能な座面32bとからなる座席構成体32が、前記背もたれ32aを介して装着されている。
前記背もたれ32aと前記座面32bとは、それぞれの下端部において回動可能に連結され、前記座面32bが、前記背もたれ32aと重畳させられる収納位置と、略水平位置へ回動させられる使用位置との2位置に選択的に位置させられるようになっている。
そして、前記背もたれ32aと前記座面32bの両側部間には2つのリンク片を回動自在に連結してなるリンク部材33が装着されており、前記座面32bが使用位置に位置させられた際に,前記各リンク部材33が直線状となされて、前記座面32bの回動を拘束することにより、前記座面32bが、前記背もたれ32aに対して所定角度に保持されるようになっている。
また、前記座面32bは、前述した使用位置に位置させられた際に、後述するように、前記センターフレーム10の上部に重畳させられるようになっており(図19参照)、その重畳させられる部位に、前記センターフレーム10に嵌合させられる固定ロッド34が一体に設けられている。
そして、前記ヘッドパイプ5の連結パイプ5a、および、前記センターフレーム10には、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、前記固定ロッド34が嵌合させられる嵌合孔5b・10bが形成されている(図9ないし図11参照)。
また、前記座面32bと前記センターフレーム10との間には、これらを相互に連結するための、図12に示すようなロック機構35が設けられており、これらの固定ロッド34、嵌合孔5b・10b、および、ロック機構35によって、前記座面32bを前記センターフレーム10に固定する座席固定機構が構成されている。
前記ロック機構35は、前記センターフレーム10に一体に取り付けられた係合ロッド36と、前記座面32bに一体に取り付けられ、前記係合ロッド36が挿入される係合溝37aが形成されたハウジング37とを備えている。
前記ハウジング37には、前記係合溝37aの開口を開閉するフック38が回動自在に装着されているとともに、このフック38を閉位置に付勢する付勢部材39が設けられている。
また、前記フック38には操作片38aが連設されており、この操作片38aが前記ハウジング37の外部に突出させられて、人手による前記フック38の回動操作が可能となされている。
一方、前記リアフォーク9には、前記前後輪2・6が第2のポジションに位置させられた状態において、前記フロントフォーク4と前記リアフォーク9を連結してその間隔を保持するフォーク連結部材40が揺動可能に装着され、前記フロントフォーク4には、前記フォーク連結部材40の揺動端部が固定されるフォーク連結部材固定具41が設けられている。
前記フォーク連結部材40と前記リアフォーク9との連結部は、図2に示すように、自在継ぎ手42によって構成され、前記フォーク連結部材固定具41はパイプによって構成されている。
そして、前記フォーク連結部材40の揺動端部には、連結ロッド40aが連設されており、この連結ロッド40aが前記フォーク連結部材固定具41に嵌合させられることにより、前記フォーク連結部材40と前記フロントフォーク9とが連結されて、このフロントフォーク4と前記リアフォーク9とが所定間隔をおいて連結されるようになされている。
かつ、前記前輪2と後輪6とが相互に平行に対峙されるようになされている。
そして、前記フォーク連結部材40には、前記ハンドル3に設けられている一対の嵌合リング30の間隔と同等の間隔をおいて平行に設けられた一対のロッドからなるハンドル装着部43が設けられている。
前記ハンドル装着部43には、前記フロントフォーク4から取り外された前記ハンドル3の各嵌合リング30が嵌合固定されるようになされている。
また、前記ハンドル装着部43を構成する一対のロッド間の部位と、前記センターフレーム10との間には、これらを相互に着脱可能に連結するロック機構44が設けられている。
このロック機構44は、前述したロック機構35と同様の構造を有し、前記センターフレーム10に固着された係合ロッド45と、前記ハンドル装着部43に固着されたハウジング46とによって構成されている。
さらに、前記ヘッドパイプ5および前記リアフォーク9に設けられた前記ハウジング24には、前記前後輪2・6が第2のポジションに位置させられた状態において、地面に接触させられるキャスター47がそれぞれ設けられている。
そして、前記各キャスター47には、前記前後輪2・6が第2のポジションに位置させられた状態において、これらの前後輪2・6間に位置させられる足置き部材48が装着される足置き固定部材49が一体に設けられている。
前記足置き部材48は、図3に示すように、略長方形状に形成されており、その一対の短辺側に、その短辺に沿うようにして連結ロッド50が連設されている。
また、前記各足置き固定部材49はパイプによって形成され、前記前後輪2・6が第2のポジションに位置させられた状態において、前記各キャスター47の前方へ突出し、かつ、相互に平行に位置させられるようになっている。
そして、前記各足置き固定部材49は、前記足置き部材48の各固定ロッド50がそれぞれ嵌合させられることにより、図20および図21に示すように、前記足置き部材48を前記キャスター47の前方に保持するようになっている。
さらに、本実施形態においては、前記リアフォーク9の上部に荷台51が取り付けられているとともに、この荷台51に収納袋52が取り付けられており、この収納袋52に前記足置き部材48が収納されるようになされている。
このように構成された本実施形態の車椅子兼用自転車1は、前記フロントフォーク4、前記センターフレーム10、前記リアフォーク9が同一面状に位置するように位置させて第1のポジションとし、これらを前記第1の固定手段11、および、第2の固定手段12によって固定することにより自転車形態とする。
この状態において、前記ハンドル3は、前記フロントフォーク4の上部に固定され、前記サドル7は、前記サドルパイプ8の上端部に、前記第3の固定手段26によって固定され、また、前記一対のペダル22が、前記駆動軸23の各端部に固定され、さらに、前記足置き部材48が、前記収納袋52内に収納されている。
また、前述した自転車形態の状態において、前記各キャスター47は、地面から離間して位置させられており、この状態で、通常の自転車として使用される。
車椅子として使用する場合には、まず、一対の前記ペダル22を前記駆動軸23から取り外す。
ついで、記第1の固定手段11と前記第2の固定手段12を開放した後に、前記センターフレーム10を、図13に示すように、前記サドルパイプ8回りに90°回動させるとともに、前記フロントフォーク4を前記ヘッドパイプ5とともに、図13に矢印で示すように、前記フロントフォーク4の下端を後方へ移動させるように回動させる。
このような操作により、図14に示すように、前記リアフォーク9と前記フロントフォーク4が略平行となされ、かつ、前記前輪2と前記後輪6とが同様に平行となされる。
また、前記各キャスター47が地面に接触させられる。
ついで、前記リアフォーク9に取り付けられている前記フォーク連結部材40を揺動させて、その揺動端部の連結ロッド40aを、前記フロントフォーク4に取り付けられている前記フォーク連結部材固定具41に嵌合固定する。
これによって、前記フロントフォーク4、前記リアフォーク9、前記センターフレーム10、および、前記フォーク連結部材40が、平面視で矩形状に連結されるとともに、前記フロントフォーク4の、前記ヘッドパイプ5回りの回動が拘束される。
また、前記ヘッドパイプ5の連結ロッド5a、および、前記センターフレーム10に形成されている嵌合孔5b・10bが上へ向けて位置させられている。
ついで、前記第3の固定手段26を開放して、前記サドル7を、その連結ロッド25とともに前記サドルパイプ8の上端部から取り外し、さらに、前記蝶螺子31を緩めて、前記ハンドル3を前記ハンドル装着ロッド29から抜き取ることにより、このハンドル3を前記フロントフォーク4から取り外す(図15参照)。
これより、図16に示すように、前記ハンドル3を、折り畳まれた前記座席構成体32とともに、前記フォーク連結部材40の上方に位置させた後に下降させて、図17に示すように、前記ハンドル3に設けられている前記一対の嵌合リング30を、前記フォーク連結部材40のハンドル装着部43に嵌合させ、かつ、前記ロック機構44を構成する前記係合ロッド45を前記ハウジング46に挿入してこれらを連結した後に、前記嵌合リング30に設けられている前記蝶螺子31を締め付けて、図17および図18に示すように、前記ハンドル3および前記座席構成体32を前記フォーク連結部材40に固定する。
ついで、前記座面32bを、前記背もたれ32aから離間するように前方へ回動させ、その回動端部を前記センターフレーム10上に重畳させるとともに、前記座面32bの下面に設けられている前記一対の固定ロッド34を、前記センターフレーム10および前記連結パイプ5aに形成されている嵌合孔5b・10bに嵌合させ、かつ、前記座面5aの下面に装着されている前記ハウジング37と,前記センターフレーム10の上面に固着されている係合ロッド36とからなるロック機構35による連結を行なう。
これによって、前記座面32bが、前記フォーク連結部材40と前記センターフレーム10とに固定されるとともに、前記座面32bの回動に伴って直線状に延ばされる前記リンク部材33の作用と相俟って、前記座面32bが前記固定位置に保持される。
これより、前記収納袋52に収納されている足置き部材48を取り出して、その一対の前記連結ロッド50を、前記各キャスター47の前方に設けられている足置き固定部材49のそれぞれに嵌合させることによって、図20および図21に示すように、前記足置き部材48を装着し、さらに、図17に示すように、前記背もたれ32aの背面上部に設けられたサドル装着リング53に、前記サドル7の連結ロッド25を嵌合して固定することにより、このサドル7を、図18ないし図21に示すように、前記背もたれ32aに装着する。
以上の手順によって、本実施形態の車椅子兼用自転車1を車椅子形態に組み上げることができる。
このように車椅子形態に組み上げられた状態において、使用者は、前記背もたれ32aと前記座面32bとで形成される座席に座り、また、足を前記足置き部材48に載置することにより、安定した姿勢で利用することができる。
そして、移動を行なう介助者は、前記ハンドル3を握ることによって容易に操作を行なうことができる。
前述したように車椅子形態に構造変更を行なう場合においても、構成部材を切り離す必要はなく、切り離される構成部材を別途保管する必要も、これらの保管場所を確保する必要もない。
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、前記実施形態においては、前記ペダル22を取り外す構成として説明したが、取り外さない構成としてもよく、また、取り外した前記ペダル22を、たとえば、前記フォーク連結部材40に掛け止めするようにして収納するようにすることもでき、さらに、前記足置き部材48の収納位置も、適宜変更可能である。
1 車椅子兼用自転車
2 前輪
2a 車軸
3 ハンドル
4 フロントフォーク
5 ヘッドパイプ
5a 連結パイプ
5b 嵌合孔
6 後輪
6a 車軸
7 サドル
8 サドルパイプ
9 リアフォーク
10 センターフレーム
10b 嵌合孔
11 第1の固定手段
12 第2の固定手段
13 連結ロッド
14 ロック部材
15 ロックレバー
16 係止片
16a 係止溝
17 回動パイプ
18 締め付け片
19 ボルト
20 ナット
21 ロックレバー
22 ペダル
23 駆動軸
24 ハウジング
25 連結ロッド
26 第3の固定手段
27 駆動ギヤ
28 従動ギヤ
29 ハンドル装着ロッド
30 嵌合リング
31 蝶螺子
32 座席構成体
32a 背もたれ
32b 座面
33 リンク部材
34 固定ロッド
35 ロック機構
36 係合ロッド
37 ハウジング
37a 係合溝
38 フック
38a 操作片
39 付勢部材
40 フォーク連結部材
40a 連結ロッド
41 フォーク連結部材固定具
42 自在継ぎ手
43 ハンドル装着部
44 ロック機構
45 係合ロッド
46 ハウジング
47 キャスター
48 足置き部材
49 足置き固定部材
50 連結ロッド
51 荷台
52 収納袋
53 サドル装着リング
C 動力伝達帯

Claims (7)

  1. 前輪とこの前輪の操舵を行なうハンドルが装着されたフロントフォークが回動自在に取り付けられたヘッドパイプと、後輪が装着されるとともに、この後輪の前部上方にサドルを保持するサドルパイプが設けられたリアフォークと、前記ヘッドパイプと前記サドルパイプとを連結するセンターフレームとを備え、前記ヘッドパイプと前記サドルパイプとが略平行に設けられ、前記ヘッドパイプが、前記センターフレームに、このセンターフレームの長さ方向と略直交する面内において回動可能に連結され、この連結部に、前記ヘッドパイプを前記センターフレームに対して所定の回動位置に固定する第1の固定手段が設けられ、前記センターフレームが、前記サドルパイプに、このサドルパイプの軸線と略直交する面内において回動可能に連結され、この連結部に、前記センターフレームを前記サドルパイプに対して所定の回動位置に固定する第2の固定手段が設けられ、前記ヘッドパイプと前記センターフレームとの回動、および、前記サドルパイプと前記センターフレームとの回動によって、前記フロントフォークに取り付けられている前輪と、前記リアフォークに取り付けられている後輪とが、同一面内に位置させられる第1のポジションと、それぞれの車軸が略同一軸線上に位置するように対向させられる第2のポジションとに選択的に位置させられるようになされていることを特徴とする車椅子兼用自転車。
  2. 前記フロントフォーク若しくは前記リアフォークの何れか一方に、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、前記フロントフォークと前記リアフォークを連結してその間隔を保持するフォーク連結部材が揺動可能に装着され、他方に、前記フォーク連結部材の揺動端部が固定されるフォーク連結部材固定具が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車椅子兼用自転車。
  3. 前記フォーク連結部材には、前記フロントフォークから取り外された前記ハンドルが固定されるハンドル装着部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車椅子兼用自転車。
  4. 前記ハンドルには、背もたれとこの背もたれに回動可能に連結されて折り畳み可能な座面とからなる座席構成体が、前記背もたれを介して装着され、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、前記座面の回動端部が、前記センターフレーム上に重畳させられるようになされていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の車椅子兼用自転車。
  5. 前記座面と前記センターフレームとの重畳部分に、これらを連結する座席固定機構が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の車椅子兼用自転車。
  6. 前記ヘッドパイプおよび前記リアフォークには、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、地面に接触させられるキャスターがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の車椅子兼用自転車。
  7. 前記両キャスターには、前記前後輪が第2のポジションに位置させられた状態において、これらの前後輪間に位置させられる足置き部材の足置き固定部材が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の車椅子兼用自転車。

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