JP5613345B2 - 車椅子兼用自転車 - Google Patents

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Description

本発明は、用途に応じて車椅子機能と自転車機能とに切り替えることが可能な車椅子兼用自転車に関するものである。
従来、自転車の前方部分に車椅子機能を付加した車椅子兼用自転車が提案されている(特許文献1参照)。
この技術は、車椅子機能を有する前方部位と、サドルやペダル、後輪、および、前記ペダルの回転を前記後輪へ伝達するや回転伝達機構等が設けられた後方部位とを備え、これらの前方部位と後方部位とを、枢軸を介して係脱可能に連結するとともに、前記前方部位を水平面内で回動操作することにより方向転回を行なうハンドルを、前記前方部位に装着した構成となっている。
この技術は、長距離移動時等においては、前記前方部位に障害者を乗せた状態で、前記後方部位に搭乗した健常者による走行(すなわち自転車機能)を可能にし、施設内での移動時等においては、前記後方部位を前記前方部位から切り離すことにより、この前方部位単独で車椅子としての走行(すなわち車椅子機能)を可能にしている。
(特許文献1)。
特開2012−56363号公報
前述した従来の技術によって、長距離移動時の障害者の負担を軽減しつつ、施設内等の狭い場所での通常の車椅子と同様の移動を可能にすることができたが、なお、つぎのような解決すべき問題点が残されている。
すなわち、車椅子機能を利用する際には、前記前方部位のみが必要で、その際、前記後方部位を切り離さなければならず、かつ、その保管場所を確保しなければならない。
本発明は、前述した従来の技術において残されている問題点を解決することができる車椅子兼用自転車を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載の車椅子兼用自転車は、前述した課題を解決するために、前輪とこの前輪の操舵を行なうハンドルが装着されたフロントフォークが回動自在に取り付けられたフロントフレームと、後輪が装着されたリアフレームと、前記フロントフレームと前記リアフレームとを連結するセンターフレームとを備え、このセンターフレームと前記フロントフレームおよび前記リアフレームとの連結部には、これらのフロントフレーム、センターフレーム、および、リアフレームが略同一平面内に位置する第1のポジジョンと、前記フロントフレームおよび前記リアフレームが、前記センターフレームと略直交し、かつ、相互に略平行となる第2のポジションとに選択的に固定する固定手段が設けられ、前記フロントフォークおよび前記リアフレームには、前記フロントフレーム、前記センターフレーム、および、前記リアフレームが前記第2のポジションにある際に、これらのフレーム間に取り付けられて座席を形成する座席形成部材が着脱可能に取り付けられ、前記センターフレームには、前記フロントフレーム、前記センターフレーム、および、前記リアフレームが前記第2のポジションにある際に、前記前輪および後輪の回転軸線と水平方向に間隔をおいて設置される補助輪が着脱可能に装着される補助輪装着部が設けられていることを特徴としている。
このような構成とすることにより、前記フロントフレームおよびリアフレームとを相互に略平行となるように、前記センターフレームに対して回動させて固定し、これらの間に、前記リアフレームに装着されている座席形成部材を取り外して固定し、さらに、前記センターフレームの補助輪装着部に補助輪を装着する。
この状態で、前記各フレームが略コ字状に固定されるとともに、これらの間に装着された前記座席形成部材の両側に、前記前輪および後輪がそれぞれ配置され、さらに、これらの前輪および後輪の接地面から離れた位置に前記補助輪が接地されて車椅子が組み上げられる。
そして、搭乗した利用者は、その両側部に位置させられている前記前輪および前記後輪をそれぞれ回転操作することによって、従来の車椅子と同様の移動が可能である。
このように、車椅子として組み上げる際に、構成部材の全てを用いて組み上げるものであるから、余分な部材が発生することがなく、取り外した部品等を保管する必要もない。
ここで、前記フロントフォークから取り外した前記ハンドルを、前記座席形成部材に固定することにより、介助者による操作も可能となる。
一方、前述したように車椅子上に組み上げられた状態から、前記座席形成部材および補助輪を取り外した後、前記フロントフレーム、センターフレーム、および、リアフレームを直線状となるように固定し、前述したように取り外した座席形成部材を前記リアフレームに固定し、また、前記補助輪を前記座席形成部材の外側面等に収納し、さらに、前記座席形成部材にハンドルを装着してある場合には、このハンドルを取り外して、前記フロントフレームに支持されているフロントフォークに装着する。
これによって、前記前後輪が同一面内で直線状に固定され、また、リアフレーム上に前記座席形成部材が固定されることにより自転車が組み上げられる。
この状態で、障害者を前記座席形成部材に乗せ、健常者による操作による移動が可能となる。
本発明の請求項2に記載の車椅子兼用自転車は、請求項1に記載の前記補助輪が、略水平状態に設置される足置きプレートに取り付けられているとともに、この足置きプレートを介して前記補助輪装着部に装着されるようになされていることを特徴としている。
このような構成とすることにより、利用者の足と前記補助輪との間に足置きプレートを介在させて、利用者の足を保護することができる。
本発明の請求項3に記載の車椅子兼用自転車は、請求項1に記載の前記座席形成部材には、前記フロントフォークから取り外された前記ハンドルが着脱可能に装着されるハンドル固定部材が設けられていることを特徴としている。
このような構成とすることにより、車椅子として使用する際に、前記座席形成部材に取り付けられたハンドルにより、介助者による操作が可能となる。
前述したように、本発明によれば、自転車として用いることにより障害者の長距離移動を可能にしつつ、車椅子として用いることにより、狭い場所での移動をも可能にする。
しかも、構成部材の全てを用いて自転車と車椅子とに組み上げることができるので、それぞれの形態において余剰の部品の発生がなく、これらの余剰の部品を保管する必要もない。
本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態の側面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、自転車形態の平面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、リアフレームの背面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、センターフレームの側面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、フロントフレームの正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、ハンドルの正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、座席部の背面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、補助輪の正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、リアフレームおよびフロントフレームを車椅子形態に回動させた状態を示す平面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、リアフレームおよびフロントフレームを車椅子形態に回動させた状態を示す正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子の組み立て手順を示す正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子を組み立てた状態を示す正面図である。 本発明の一実施形態を示すもので、車椅子を組み立てた状態を示す側面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は、本実施形態に係わる車椅子兼用自転車を示し、この車椅子兼用自転車1は、前輪2とこの前輪2の操舵を行なうハンドル3が装着されたフロントフォーク4が回動自在に取り付けられたフロントフレーム5と、後輪6が装着されたリアフレーム7と、前記フロントフレーム5と前記リアフレーム7とを連結するセンターフレーム8とを備え、このセンターフレーム8と前記フロントフレーム5および前記リアフレーム7との連結部には、これらのフロントフレーム5、センターフレーム8、および、リアフレーム7が略同一平面内に位置する第1のポジジョンと、前記フロントフレーム5および前記リアフレーム7が、前記センターフレーム8と略直交し、かつ、相互に略平行となる第2のポジションとに選択的に固定する固定手段9が設けられ、前記リアフレーム7には、前記フロントフレーム5、前記センターフレーム8、および、前記リアフレーム7が前記第2のポジションにある際に、これらのフレーム5・7・8間に取り付けられて座席を形成する座席形成部材10が着脱可能に取り付けられ、前記センターフレーム8には、前記フロントフレーム5、前記センターフレーム8、および、前記リアフレーム7が前記第2のポジションにある際に、前記前輪2および後輪6の回転軸線と水平方向に間隔をおいて設置される補助輪11が着脱可能に装着される補助輪装着部12が設けられている。
前記センターフレーム8の両端部には、略鉛直方向に沿った支持パイプ13・14がそれぞれ一体に設けられており、一方の支持パイプ13に前記フロントフレーム5の基部に一体に設けられている連結軸15が、回動可能にかつ軸線方向への相対移動が拘束された状態で嵌合させられている。
また、前記他方の支持パイプ14には、前記リアフレーム7の途中に長さ方向と直交する方向に沿って一体に取り付けられた連結軸16が、回動可能にかつ軸線方向への相対移動が拘束された状態で嵌合させられている。
前記一対の固定手段9は、本実施形態においては、前記各連結軸15・16と前記各支持パイプ13・14とをその嵌合部分において貫通する係止ピンによって形成されている。
前記リアフレーム7に取り付けられている連結軸16の上端部には、搭乗者が着座するサドル17が固定されている。
前記リアフレーム7の先端部には、駆動ギア18が回転自在に装着され、この駆動ギア18にはクランク19を介してペダル20が連結されている。
このペダル20は、必要に応じて、前記クランク19と平行となるように折りたためる構成とすることにより、幅方向への突出量を少なくすることが可能である。
前記駆動ギア18と、前記後輪6に装着された従動ギア21との間にはチェーン22が巻回されており、前記ペダル20の操作によって生じる回転が前記駆動ギア18、前記チェーン22、および、従動ギア21を介して前記後輪6へ伝達されるようになっている。
前記リアフレーム7の後端部両側には、図2および図3に示すように、上下方向に沿って一対の支持パイプ23・24が一体に取り付けられ、また、この後端部と前記連結軸16の前記サドル17の下部との間には、棒状材によって組み上げられたステー25が取り付けられているとともに、このステー25には、前記座席形成部材10の先端部が掛け止めされる係止部材26が固定されている。
一方、前記フロントフォーク4の下端部には、前記リアフレーム7に取り付けられている支持パイプ24と同様の支持パイプ27が、図2および図5に示すように一体に取り付けられている。
前記座席形成部材10は、本実施形態においては、線状材を網状に連結することによって形成されており、上方および前方が開放された籠状に形成されている。
また、前記座席形成部材10の下面には、前記リアフレーム7に取り付けられている前記一対の支持パイプ23・24にその上方から嵌合させられる一対の連結ロッド28が回動可能に装着されている。
そして、前記座席形成部材10は、前記一対の連結ロッド28が前記一対の支持パイプ23・24に嵌合させられるとともに、先端部が、前記係止部材26にその上方から係合させられることにより、前記リアフレーム7に固定されるようになっている。
さらに、前記座席形成部材10の下面には、前記前輪2と前記後輪6とが平行となるように位置させられた状態において、前記フロントフォーク4の下端部に取り付けられている前記支持パイプ27と前記リアフレーム7の後端部に取り付けられている支持パイプ24とに嵌合させられる一対の固定ロッド29が、図1および図7に示すように、一体に取り付けられている。
前記補助輪装着部12は、前記センターフレーム8の、前記一対の支持パイプ13・14よりも内側に、下方が開放された状態で取り付けられた一対のパイプによって形成されている。
前記補助輪11は、本実施形態においては一対のキャスターによって構成されており、図1および図8に示すように、平板状の足置きプレート30の下面に取り付けられている。
前記足置きプレート30には、前記補助輪装着部12の間隔と同間隔の係合ロッド31が一体に取り付けられており、これらの係合ロッド31が、前記一対の補助輪装着部12へその下方から嵌合させられることにより、前記補助輪11が前記センターフレーム8の下方に装着されるようになっている。
ここで、前記足置きプレート30は、前記座席形成部材10と一体に設けることも可能であるが、その場合には、前記補助輪11を、直接前記補助輪装着部12に固定する必要がある。
さらに、本実施形態においては、前記座席形成部材10の後面下部に、前記センターフレーム8に設けられている補助輪装着部12と同様の、パイプによって形成された補助輪保持部材32が、図1および図3に示すように、一体に取り付けられており、前記足置きプレート30に取り付けられている係合ロッド31が嵌合させられることにより、前記補助輪11が、前記足置きプレート30とともに、前記座席形成部材10に保持されるようになっている。
一方、前記ハンドル3は、前記フロントフォーク4に着脱可能に嵌合させられているとともに、これらを貫通して設けられる固定ピン33によって一体化されている。
そして、前記ハンドル3は、前記フロントフォーク4から取り外された際に、前記座席形成部材10の後面上部に一体に取り付けられているパイプ状のハンドル固定部材34に嵌合させられることによって、前記座席形成部材10に保持されるようになっている。
さらに、前記ハンドル3は、前記ハンドル固定部材34に嵌合させられた状態において、前記フロントフォーク4との固定に用いられている固定ピン33により、前記ハンドル保持部材34と一体化されるようになされている。
このように構成された本実施形態に係わる車椅子兼用自転車1は、自転車として使用する場合には、図1および図2に示すように、前記フロントフレーム5、センターフレーム8、および、リアフレーム7を直線状に位置させた状態で、これらを、固定手段9によって固定することにより、前記前輪2と前記後輪6とを同一平面上に位置させる。
また、前記座席形成部材10を、その下面に取り付けられている一対の連結ロッド28を前記リアフレーム7の両側部に取り付けられている支持パイプ23・24のそれぞれに嵌合するとともに、前記座席形成部材10の先端部分を、前記係止部材26に係合させることにより、前記リアフレーム7上に固定する。
さらに、前述したように固定された前記座席形成部材10の後部に、前記補助輪11を前記足置きプレート30とともに取り付けて収納し、前記ハンドルを前記フロントフォーク4の上端に固定する。
この状態において、前記座席形成部材10に障害者を乗せ、健常者が前記サドル17を利用して搭乗して走行を行なうことにより、前記障害者をたとえば施設へ搬送することができる。
したがって、障害者の負担を軽減しつつ長距離の移動が可能となる。
一方、施設等へ到着し、施設内での移動を行なう場合には、まず、障害者を降車させた後に、車椅子兼用自転車1を車椅子に組み上げる作業を行なう。
このためには、前記補助輪11を前記座席形成部材10から取り外して、図11に示すように、前記センターフレーム8の補助輪装着部12に装着し、ついで、前記座席形成部材10を取り外す。
これより、前記フロントフレーム5およびリアフレーム7を、前記センターフレーム8との固定を介助した後に、それぞれ図2における反時計回りと時計回りに90度回転させて前記センターフレーム8に再固定する。
この状態において、図9および図10に示すように、前記前輪2と後輪6とが平行に保持されるとともに、前記フロントフォーク4に取り付けられている支持パイプ27と、前記リアフレーム7に取り付けられている一方の支持パイプ24とが所定間隔で平行に対峙させられる。
次いで、図11に矢印で示すように、前記座席形成部材10を、その下面に取り付けられている一対の固定ロッド29を、前記フロントフォーク4の支持パイプ27と前記リアフレーム7の支持パイプ24にそれぞれ嵌合させつつその前方の開放部を前記センターフレーム8上に載置することにより、前記座席形成部材10を固定する。
そして、前記座席形成部材10に設けられているハンドル固定部材34に、前記フロントフォーク4から取り外したハンドル3を固定することにより、図12および図13に示すように車椅子に組み上げることができる。
このようにして組み上げられた車椅子に障害者を着座させ、障害者自らの操作によって移動する際には、両側部に前輪2および後輪6が位置しているから、これらの前輪2および後輪6を操作することにより走行が可能である。
そして、介助者による走行は、前記座席形成部材10に固定されたハンドルによって行なわれる。
このように、車椅子に組み上げた状態において余剰の部品が生じることがなく、したがって、これらを保管する必要もない。
1 車椅子兼用自転車
2 前輪
3 ハンドル
4 フロントフォーク
5 フロントフレーム
6 後輪
7 リアフレーム
8 センターフレーム
9 固定手段
10 座席形成部材
11 補助輪
12 補助輪装着部
13 支持パイプ
14 支持パイプ
15 連結軸
16 連結軸
17 サドル
18 駆動ギア
19 クランク
20 ペダル
21 従動ギア
22 チェーン
23 支持パイプ
24 支持パイプ
25 ステー
26 係止部材
27 支持パイプ
28 連結ロッド
29 固定ロッド
30 足置きプレート
31 係合ロッド
32 補助輪保持部材
33 固定ピン
34 ハンドル固定部材

Claims (3)

  1. 前輪とこの前輪の操舵を行なうハンドルが装着されたフロントフォークが回動自在に取り付けられたフロントフレームと、後輪が装着されたリアフレームと、前記フロントフレームと前記リアフレームとを連結するセンターフレームとを備え、このセンターフレームと前記フロントフレームおよび前記リアフレームとの連結部には、これらのフロントフレーム、センターフレーム、および、リアフレームが略同一平面内に位置する第1のポジジョンと、前記フロントフレームおよび前記リアフレームが、前記センターフレームと略直交し、かつ、相互に略平行となる第2のポジションとに選択的に固定する固定手段が設けられ、前記フロントフォークおよび前記リアフレームには、前記フロントフレーム、前記センターフレーム、および、前記リアフレームが前記第2のポジションにある際に、これらのフレーム間に取り付けられて座席を形成する座席形成部材が着脱可能に取り付けられ、前記センターフレームには、前記フロントフレーム、前記センターフレーム、および、前記リアフレームが前記第2のポジションにある際に、前記前輪および後輪の回転軸線と水平方向に間隔をおいて設置される補助輪が着脱可能に装着される補助輪装着部が設けられていることを特徴とする車椅子兼用自転車。
  2. 前記補助輪が、略水平状態に設置される足置きプレートに取り付けられているとともに、この足置きプレートを介して前記補助輪装着部に装着されるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の車椅子兼用自転車。
  3. 前記座席形成部材には、前記フロントフォークから取り外された前記ハンドルが着脱可能に装着されるハンドル固定部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車椅子兼用自転車。

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