JP2006263193A - 車椅子 - Google Patents

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靖 河渕
Mamoru Ouchi
守 大内
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Abstract

【課題】 着座者が、レバーまたは把持部を把持しつつ車椅子の前進駆動と後退駆動とを容易に切り替え可能とした自走式の車椅子を提供する。
【解決手段】 フレームに支持される座部の両側に配置された主車輪26と、主車輪26に対応して設けられ、主車輪26の略中心部を中心としてX方向およびY方向に揺動させることが可能なレバー16とを備える。主車輪26とレバー16との間には、主車輪26に対してX方向とY方向とに回転力を付与可能な力伝達機構40が設けられている。レバー16の端部に取り付けられ、レバー16に対して回動させることが可能な回動操作部102、および回動操作部102の回動に伴って回動されると共に力伝達機構40によって主車輪26に対して付与される回転力の方向を切換可能な長手状の切換部材98を有する切換機構96を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自走式の車椅子に関し、とくにレバーを揺動させることによって車輪を回転駆動させる車椅子に関する。
自走式の車椅子は、一般的に、車輪と一体的に構成された環状のリムが車輪の外側に設けられており、着座者がこのリムを回転することによって車椅子を走行させる。また、介護者が着座者の背後から押すことによって走行させることが可能な車椅子もある。
更に、近年、車輪に連結されたレバーが設けられた車椅子が開示されている(特許文献1参照) 。この車椅子は、着座者が自らの手でレバーを前後方向に揺動(移動と称される場合もある)させることによって走行可能に構成されている。
特許文献1に記載の車椅子は、駆動レバー8と車輪20との間に4個の歯車列9,10,11,12が連結されている(特許文献1の図1および段落〔0010〕参照)。
これらの歯車列9,10,11,12のうち最も駆動レバー8に近い第1歯車9と駆動レバー8との間には切替機構14が組み込まれている。この切替機構14は、二本の操作杆15,16と、これらの操作杆15,16の先端に連結された揺動噛合体17とからなり、二つの操作杆15,16のいずれか一方を押入すると、揺動噛合体17が揺動する。これにより、レバーを操作した際における車椅子の前進駆動と後退駆動とが切り替えられる。また、この二本の操作杆15,16は、駆動レバー8の先端から外方に突出しており、この突出端には、それぞれ、押しボタン18が設けられている。この押しボタン18を押圧することによって、二本の操作杆15,16のいずれか一方を選択的に押入することが可能となっている(特許文献1の図5および段落〔0011〕参照)。
この構成によれば、二本の操作杆15,16のそれぞれに設けられた押しボタン18が、駆動レバー8の揺動方向に直列に並べて配置されることとなる。
特開2001−224634号公報(段落〔0010〕、〔0011〕、図1、図5)
しかしながら、押しボタンが駆動レバーの揺動方向に直列に並べて配置されている場合、着座者は、駆動レバーまたはこれに取り付けられた把持部を把持しつつ押しボタンを押入れ操作して車椅子の前進駆動と後退駆動とを切り換えることに困難を伴うという課題がある。着座者が駆動レバーまたは把持部を把持しているとき、手のひらでレバーまたは把持部を把持しつつ親指で押しボタンを押入れ操作することが一般的であるが、レバーの揺動方向と同じ方向に親指を移動するためにはレバーまたは把持部の把持を解除する必要があるからである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、着座者が、レバーまたは把持部を把持しつつ車椅子の前進駆動と後退駆動とを容易に切り替え可能とした自走式の車椅子を提供することを主たる目的とする。
本発明において、以下の特徴は単独で、若しくは、適宜組合わされて備えられている。前記課題を解決するための本発明に係る車椅子は、座部を少なくとも支持するフレームと、前記座部の両側に少なくとも一つずつ配置され、前記フレームに対して回転自在な複数の車輪と、前記複数の車輪のうち少なくとも一つの車輪に対応して設けられ、前記車輪の略中心部を中心として第1の方向と第2の方向とに揺動させることが可能なレバーと、前記レバーと前記レバーが設けられた車輪との間に設けられ、前記レバーを揺動させたとき、前記車輪に対して第1の方向または第2の方向に回転力を付与可能な力伝達機構と、前記レバーの端部に取り付けられると共に前記レバーに対して回動させることが可能な回動操作部、および前記回動操作部の回動に伴って回動されると共に前記力伝達機構によって前記車輪に対して付与される回転力の方向を切換可能な長手状の切換部材を有する切換機構と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、レバーに対して回動操作部を回動させると、これに伴って切換部材が回転し、力伝達機構によって車輪に対して付与される回転力の方向が切り換えられる。
本発明に係る車椅子において、前記力伝達機構が、第1の方向に前記レバーを揺動させるときは前記レバーと前記車輪とを連結状態とすることによって前記車輪に対して第1の方向に回転力を付与し、かつ第2の方向に前記レバーを揺動させるときは前記レバーと前記車輪とを非連結状態とすることによって前記車輪に対して前記レバーを空転させる第1の態様と、第2の方向に前記レバーを揺動させるときは前記レバーと前記車輪とを連結状態とすることによって前記車輪に対して第2の方向に回転力を付与し、かつ第1の方向に前記レバーを揺動させるときは前記レバーと前記車輪とを非連結状態とすることによって前記車輪に対してレバーを空転させる第2の態様とを有することが好ましい。
上記構成によれば、第1の態様であれば、レバーを第1の方向に揺動させることによって車輪に対して第1の方向に回転力が付与され、第2の態様であれば、レバーを第2の方向に揺動させることによって車輪に対して第2の方向に回転力が付与される。
本発明に係る車椅子において、前記力伝達機構が、前記車輪に固定されると共に中空部を有する外側回転体と、前記レバーに固定されると共に前記外側回転体の中空部に配置された内側回転体と、前記外側回転体と前記内側回転体との間に配置されたローラとを少なくとも備えていても良い。このとき、前記外側回転体と前記内側回転体との間には、前記ローラ径より小さい狭小部が少なくとも2個所形成されていると共に、前記2個所の狭小部の間には前記ローラ径より大きい広大部が形成されており、前記ローラが、前記2個所の狭小部の間に配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、ローラが2個所の狭小部のうちいずれか一の狭小部近傍にあるときは、力伝達機構が第1の態様となり、ローラが一の狭小部とは異なる他の狭小部近傍にあるときは、力伝達機構が第2の態様となる。即ち、ローラが前記一の狭小部近傍にある場合において、前記一の狭小部から前記他の狭小部に向けて内側回転体が回転したとき(即ち、内側回転体が第1の方向に向けて回転したとき)、楔効果によって内側回転体の回転に伴って外側回転体が回転し、内側回転体と外側回転とが連結状態となる(即ち、レバーと車輪とが連結状態となる。)。一方、前記他の狭小部から前記一の狭小部に向けて内側回転体が回転しても(即ち、内側回転体が第2の方向に向けて回転しても)それに伴って外側回転体が回転することがないので、外側回転体に対して内側回転体が空転し、内側回転体と外側回転体とが非連結状態となる(即ち、レバーと車輪とが非連結状態となる。)。また、ローラが前記他の狭小部近傍にある場合において、前記他の狭小部から前記一の狭小部に向けて内側回転体が回転したとき、楔効果によって内側回転体の回転に伴って外側回転体が回転し、内側回転体と外側回転体とが連結状態となる(即ち、レバーと車輪とが連結状態となる。)。一方、前記一の狭小部から前記他の狭小部に向けて内側回転体が回転してもそれに伴って外側回転体が回転することがないので、外側回転体に対して内側回転体が空転し、内側回転体と外側回転体とが非連結状態となる(即ち、レバーと車輪とが非連結状態となる。)。
本発明に係る車椅子において、前記切換部材は、当該切換部材の長手方向を横切る断面が角状に形成された角状部を有していても良い。このとき、前記回動操作部には、前記切換部材の角状部が貫通可能な嵌合部が形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、回動操作部に形成されている角状の嵌合部に切換部材の角状部を貫通させれば、レバーに対する回動操作部の回動に伴って切換部材が回転する。
本発明に係る車椅子において、前記レバーに対して固定される固定部材を更に備えていても良い。このとき、前記回動操作部および前記固定部材のうち、いずれか一方には前記力伝達機構の態様を示す表示部が設けられ、他方には前記力伝達機構の態様と前記表示部の表示とを連関させる連関部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、固定部材がレバーに固定されているので、回動操作部をレバーに対して回動させると、回動操作部が固定部材に対して回動する。回動操作部を固定部材に対して回動させたとき、連関部が、表示部の表示のうち力伝達機構の態様に対応する表示と連関する。
本発明に係る車椅子において、前記レバーとの間に間隙を有して前記レバーの外側に配置されると共に前記操作部に取り付けられたカバー部材を更に備えることが好ましい。
上記構成によれば、着座者が、レバーとカバー部材との間の間隙に手を入れつつレバーを把持することができる。車椅子に着座したとき、レバーを把持した着座者の手が、車椅子の進行方向に実質的に直交する幅方向の最も外側に位置することを防止できる。
請求項1に記載の発明によれば、レバーに対して回動操作部を回動、即ち、レバーの揺動方向と交差する方向に回動操作部を回動させることによって車輪に対して付与される回転力の方向を切り換えることが可能となる。従って、着座者が、レバーまたは把持部を把持しつつ車椅子の前進駆動と後退駆動とを容易に切り換えることが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、レバーと車輪とが連結状態となる方向と車輪に対して付与される回転力の方向とが一致するので、レバーを操作するのみで、力伝達機構がいずれの態様であるかを容易に判断することができるという更なる効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、車輪とレバーとが非連結状態となるレバーの揺動方向において、レバーを無段で揺動させることができという更なる効果を奏する。これにより、着座者の手に衝撃が加わることがない。
ここで、「車輪とレバーとが非連結状態となるレバーの揺動方向」とは、ローラが前記一の狭小部近傍にある場合においては前記他の狭小部から前記一の狭小部に向けて内側回転体が回転する方向、ローラが前記他の狭小部近傍にある場合においては前記一の狭小部から前記他の狭小部に向けて内側回転体が回転する方向を意味する。
請求項4に記載の発明によれば、回動操作部の回動に伴って切換部材を回転させることが容易に可能となり、組立工程を簡素化できるという更なる効果を奏する。
請求項5に記載の発明によれば、力伝達機構の態様がいずれの態様であるかを着座者が容易に判断可能となるので、誤ったレバー操作を防止できるという更なる効果を奏する。
請求項6に記載の発明によれば、車椅子に着座したまま狭い通路を通行する場合であっても、壁等と接触することによって生じ得る手の怪我を防止できるという更なる効果を奏する。
以下、本発明に係る車椅子の好適な実施形態の例について、各図を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、車椅子1が前進する方向をX方向(第1の方向)、車椅子1が後退する方向をY方向(第2の方向)と称する。
図1は、本発明に係る車椅子1の一例を示す外観斜視図である。図2は、図1に図示される車椅子1の主車輪26からレバー16を取り外した場合の一例を示す斜視図である。
図1において、車椅子1は、車椅子1の骨格をなすフレーム24と、フレーム24に支持される座部10とを備えている。また、座部10の両側には、フレーム24に対して回転自在な二つの主車輪26が設けられている。更に、この二つの主車輪26のそれぞれに対応する二つのレバー16が設けられている。
レバー16は、対応する主車輪26を回転させるためのものであり、レバー本体部18と、このレバー本体部18に固定して取り付けられる把持部22とを有している(図2も参照)。また、把持部22が主車輪26の径外側に突出することによって、車椅子1の着座者が、把持部22を把持しつつ主車輪26の略中心部(実質的に中心部であれば良い)O1 を中心として、レバー16をX方向とY方向とに揺動(移動と称することもできる)させることが可能となっている。
更に、この車椅子1は、従来の一般的な車椅子に見られる背もたれ部12およびキャスター14をも備えている。
また、図2に図示されるように、レバー16とこのレバー16に対応する主車輪26との間には、力伝達機構40が設けられている。この力伝達機構40は、着座者がレバー16をX方向またはY方向に揺動させたとき、主車輪26に対してX方向またはY方向に回転力を付与することが可能に構成されている。
更に、本実施形態における車椅子1は、力伝達機構40によって主車輪26に対して付与される回転力の方向を切り換えることが可能な切換機構96を備えている。
以下、力伝達機構40および切換機構96の構成について、この順で詳しく説明する。
図3は、レバー16(図1または図2参照)に取り付けられるカップ体32および力伝達機構40の一例を示す斜視図である。なお、カップ体32は、レバー16の端部に固定されている(図2参照)。
力伝達機構40は、カップ体32に固定される固定部42と、カップ体32に対して可動可能に構成されている可動部58と、固定部42と可動部58との間に配置される楔締要素76とを備えている。これらの詳細な構成について、各図を参照しつつ説明する。
図4は、固定部42の構成の一例を示す斜視図である。固定部42は、ハブ44と内側レース(内側回転体)50とを備える。
ハブ44は、中央に円形部を有する長手部材であり、一方の端部46が平面視で略T字状に形成され、他方の端部48が平面視で略I字状となっている。更に、ハブ44の円形部の略中央部には孔(図示せず)が形成されている。
内側レース50には、半径R1 の大径角部52およびこの大径角部52の半径R1 より小さい半径R2 の最小径部54が、それぞれ、外周方向に14個所ずつ交互にかつ隣接する大径角部52同士の距離が均等となるように形成されている。大径角部52は最も半径が大きい部位であり、最小径部54は最も半径が小さい部位である。大径角部52から最小径部54にかけて、内側レース50の半径が次第に小さくなっていると共になだらかな曲面が形成されている。
また、内側レース50の略中央部には、ハブ44の円形部の略中央部に形成された図示されない孔と略同じ大きさの孔56が形成されている。この孔56には、後述する中心軸66が貫通する。そして、ハブ44の中心と内側レース50の中心O2 とが同心となるように、互いに固定されて一体的に構成されている。
図5は、可動部58の構成の一例を示す斜視図である。可動部58は、長手の板状部材であるベース基板60、第1駆動ギヤ68、第2駆動ギヤ70、第3駆動ギヤ72および第4駆動ギヤ74を有する。
ベース基板60の一方の端部62には、第2駆動ギヤ70および第3駆動ギヤ72が固定されるギヤ固定部64が形成されている。ベース基板60の中心O3 には、円柱状の中心軸66が固定して取り付けられている。なお、ベース基板60および中心軸66は、いずれもフレーム24(図1参照)に固定されており、主車輪26には固定されていない。一方、第1〜第3駆動ギヤ68,70,72は、第4駆動ギヤ74を介して主車輪26に固定されており、フレーム24には固定されていない。
各駆動ギヤ68,70,72,74は、いずれも平歯車であり、第1駆動ギヤ(外側レースまたは外側回転体と称される場合もある)68および第4駆動ギヤ74は、それぞれ、中空部69,75を有する。
第1駆動ギヤ68および第2駆動ギヤ70は、第1駆動ギヤ68の歯と第2駆動ギヤ70の歯とが係合して配置されている。これにより、第1駆動ギヤ68の回転力が第2駆動ギヤ70に伝達される。
第3駆動ギヤ72は、第2駆動ギヤ70の回転中心と第3駆動ギヤ72の回転中心とを同心として、第2駆動ギヤ70の側面と第3駆動ギヤ72の側面とが重なり合ってかつ一体となって配置されている。これにより、第2駆動ギヤ70の回転力が第3駆動ギヤ72に伝達される。
また、第3駆動ギヤ72の歯と第4駆動ギヤ74の歯とが係合しているので、第3駆動ギヤ72の回転力が第4駆動ギヤ74に伝達される。なお、第4駆動ギヤ74は、図2に図示されるように、主車輪26の中心O1 と同心となるようにボス28の凹面30に固定して取り付けられている。
従って、第1駆動ギヤ68が回転すると、この回転力が第2駆動ギヤ70、第3駆動ギヤ72および第4駆動ギヤ74を介して主車輪26に伝達される。このようにして主車輪26が回転すると、車椅子1が前進駆動または後退駆動することとなる。
図6は、楔締要素76の構成の一例を示す斜視図である。楔締要素76は、ローラ78と、このローラ78を保持するローラ保持器80と、ローラ押さえバネ90とを有する。
ローラ78は、円柱状の硬質の鋼材からなり、その数は、図4に図示される内側レース50の大径角部52および最小径部54と同数の14個である。この14個のローラ78が、互いに隣接する二つの大径角部52の間に一つずつ配置されている。
ローラ保持器80は、ローラ78を保持するためのものであり、図4に図示される内側レース50に外挿できる程度の中空部83を有する環状の板状部82と、この板状部82の外周縁に沿って形成された側壁84と、側壁84の一部が山型状に切り欠かれた山型溝86と、板状部82の表面82aに固定されると共にこの表面82aからほぼ垂直に突出する支持柱88とを有する。なお、隣接する二つの支持柱88の間には、ローラ78が1個ずつ板状部82に載置して配置されている。
ローラ押さえバネ90は、1個のローラ78を挟持するようにローラ78と支持柱88との間に配置され、ローラ78を板状部82の径内側(即ち、図3に図示される内側レース50側)に向けて付勢している。なお、ローラ押さえバネ90は、バネに限られるものではなく、ローラ78を板状部82の径内側に向けて付勢することができる弾性部材であれば良い。
次に、切換機構96の構成について説明する。
図7は、レバー16、カップ体32、芯材(固定部材)92および切換機構96の構成の一例を示す分解図である。
芯材92は、軸方向の長さが把持部22の軸方向の長さよりも長く、また、一方の端部92aに表示部94が設けられている。この表示部94には、「前」、「後(図示せず)」および「中立(図示せず)」が表示されており、これらの表示は、力伝達機構40の態様を示している。即ち、「前」は、レバー16をX方向に揺動させると、主車輪26に対してX方向の回転力が付与される態様(以下、この態様を「第1の態様」と称する。)を意味し、「後」は、レバー16をY方向に揺動させると、主車輪26に対してY方向の回転力が付与される態様(以下、この態様を「第2の態様」と称する。)を意味し、「中立」は、レバー16をX方向およびY方向のいずれに揺動させても、主車輪26に対してレバー16が空転する態様(以下、この態様を「中立態様」と称する。)を意味する。
切換機構96は、長手状の切換部材98、切換ギヤ100、回動操作部102およびキャップ110を有する。
長手状の切換部材98は、切換ギヤ100を介して力伝達機構40(図3参照)の態様を切り換えるためのものであり、本実施形態においては、一例としてワイヤコードが使用されている(以下、「切換部材98」を「ワイヤコード98」と称する。)。ワイヤコード98の一方の端部98aには、切換ギヤ100が一体的に取り付けられている。
回動操作部102は、本体部104と突起部108とを有しており、本体部104には開口部106が形成されている。この開口部106は、芯材92の表示部94の表示が視認可能に構成されており、表示窓(以下、「開口部106」を「表示窓106」と称する。)として機能する。
キャップ110には、ワイヤコード98の他方の端部98bが一体的に取り付けられている。また、キャップ110は、回動操作部102に固定されている。ここで、キャップ110にワイヤコード98が取り付けられる方法について図8を参照しつつ説明する。ここで、図8は、(a)が図7に図示されるA−A線矢視図であり、(b)がワイヤコード98の形状が把握できる斜視図である。
図8(a)に図示されるように、キャップ110には、略正方形のワイヤコード嵌合孔112がほぼ中央部に形成されており、このワイヤコード嵌合孔112を形成する嵌合枠113は、放射状に伸びる放射部(即ちリブ)114によって支持されている。
一方、ワイヤコード98は、図8(b)に図示されるように長手方向を横切る断面が全長に亘って略正方形に形成されており、キャップ110のワイヤコード嵌合孔112に嵌合される。
このようにして、ワイヤコード98、切換ギヤ100、回動操作部102およびキャップ110が一体とされている。
次に、カップ体32に対する力伝達機構40の組立方法、およびレバー16とカップ体32とに対する切換機構96の組立方法について、それぞれ、図3および図7を参照しつつ、この順で説明する。
図3において、固定部42(ハブ44および内側レース50が一体化されたユニット)は、孔56(図4参照)に中心軸66が貫通された後、T字が形成されたハブ44の一方の端部46が、カップ体32のハブ固定部38に固定される。このとき、内側レース50の中心O2 (図4参照)とカップ体32の中心O4 とが同心となる。また、I字が形成されたハブ44の他方の端部48は、カップ体32のハブ保持部36に保持される。
なお、中心軸66とベース基板60とが一体的に構成されているので、ベース基板60は、カップ体32とハブ44との間に配置されることとなる。
楔締要素76は、カップ体32に固定された固定部42に対して配置される。より具体的には、内側レース50の外側に楔締要素76が配置されるように、楔締要素76を内側レース50に外挿する。このとき、内側レース50と楔締要素76とは同心となる。また、楔締要素76は、ローラ保持器80の山型溝86と切換ギヤ100とが係合するように配置される。なお、楔締要素76は内側レース50に対して回転可能となっている。
各駆動ギヤ68,70,72,74は、固定部42に配置された楔締要素76に対して配置される。より具体的には、楔締要素76を構成するローラ78、支持柱88およびローラ押さえバネ90が第1駆動ギヤ68の中空部69に配置されるように、第1駆動ギヤ68を、ローラ78、支持柱88およびローラ押さえバネ90に外挿する。そして、第1駆動ギヤ68の歯と第2駆動ギヤ70の歯とが係合するように、第2駆動ギヤ70と第3駆動ギヤ72のユニット(第2駆動ギヤ70と第3駆動ギヤ72とは一体化されている)を、ベース基板60のギヤ固定部64に取り付ける。なお、第2駆動ギヤ70と第3駆動ギヤ72のユニットのギヤ固定部64への取り付けは、予め行われていてもよい。
ここで、組み立てられた後の力伝達機構40の一例を図9(a)に示す。また、図9(a)に図示されるB部の詳細図であって、隣接する二つの大径角部52a,52bのほぼ中間にローラ78が配置されている力伝達機構40の一例を図9(b)に示す。なお、図9(a)では、カップ体32の図示が省略されている。
図9(a)において、第1駆動ギヤ68の中空部69に内側レース50が配置されており、第1駆動ギヤ68と内側レース50との間、即ち、第1駆動ギヤ68の中空部69であってかつ内側レース50の外周面に沿ってローラ78が配置されている。
図9(b)において、大径角部52が形成されている部位における内側レース50の外周面と第1駆動ギヤ68の内周面との距離σ1 は、ローラ78の直径Dよりも小さい。また、最小径部54が形成されている部位における内側レース50の外周面と第1駆動ギヤ68の内周面との距離σ2 は、ローラ78の直径Dよりも大きい。
本実施形態において、ローラ78が配置されることが不可能な領域を狭小部116、ローラ78が配置されることが可能な領域を広大部118と称する。ここで、「ローラ78が配置されることが不可能な領域」とは、大径角部52が形成されている部位における内側レース50の外周面と第1駆動ギヤ68の内周面とによって形成される領域を意味する。また、「ローラ78が配置されることが可能な領域」とは、内側レース50の外周面と第1駆動ギヤ68の内周面とによって形成される領域であって、内側レース50の外周面と第1駆動ギヤ68の内周面との距離がローラ78よりも大きい領域を意味する。
なお、力伝達機構40(第4駆動ギヤ74を除く)が組み込まれたカップ体32は、主車輪26のボス28に取り付けられる(図2参照)。このとき、第1駆動ギヤ68および第4駆動ギヤ74の中空部69,75を貫通した中心軸66は、主車輪26をも貫通してフレーム24に固定され、図示しないスナップリングによって軸方向への移動が制限される。
次に、レバー16およびカップ体32に対する切換機構96の組立方法について説明する。
図7において、芯材92が、把持部22に内挿されて固定されている。これにより、芯材92がレバー16に対しても固定されることとなる。なお、芯材92が把持部22に内挿されたとき、芯材92の表示部94が把持部22から露出する。
回動操作部102が、レバー16の端部、即ち、把持部22に対してこれと同軸に回動(回転と称することもできる)可能に構成されている。従って、ワイヤコード98、切換ギヤ100およびキャップ110のユニットが、把持部22(即ちレバー16)に対して回動可能となる。
ワイヤコード98が、レバー16に形成されたワイヤコード貫通孔20およびカップ体32に形成された孔34を貫通する。そして、ワイヤコード98の一方の端部98aに取り付けられた切換ギヤ100が、前述したように、ローラ保持器80の山型溝86と係合する(図3参照)。
なお、フレーム24、座部10、主車輪26、背もたれ部12およびキャスター14は予め組み立てられているものとする。また、レバー16とカップ体32についても予め組み立てられているものとする。
次に、楔締要素76の作用および切換機構96の作用について、それぞれ、各図を参照しつつこの順で説明する。
図9(b)において、レバー16(図1または図2参照)をX方向およびY方向のいずれかの方向に向けて揺動させると、内側レース50がレバー16の揺動方向と同じ方向に回転する。内側レース50がカップ体32に固定されているからである。このとき、ローラ78の直径Dがσ2 よりも小さくかつローラ78が内側レース50側にローラ押さえバネ90によって付勢されているので、第1駆動ギヤ68は回転しない。従って、内側レース50の回転力、即ち、カップ体32の回転力が主車輪26に伝達されず、レバー16が主車輪26に対して空転する。
このように、隣接する二つの大径角部52a,52bのほぼ中間にローラ78が配置されている場合には、力伝達機構40が中立態様となる。即ち、レバー16をX方向およびY方向のいずれに揺動させる場合であっても、レバー16と主車輪26とが非連結状態となる。
図10(a)は、図9(a)に図示されるB部の詳細図であって、隣接する二つの大径角部52a、52bのうちY方向側の大径角部52aの近傍にローラ78が配置されている力伝達機構40の一例を示す図である。
レバー16(図1または図2参照)をX方向に向けて揺動させると、内側レース50がX方向に回転する。ここで、σ1 <Dであることから、ローラ78の楔締効果により、内側レース50の回転に伴って第1駆動ギヤ68がX方向に回転する。即ち、カップ体32(図2または図3参照)の回転力がローラ78を介して第1駆動ギヤ68に伝達される。その結果、第1駆動ギヤ68の回転力が、第2駆動ギヤ70、第3駆動ギヤ72および第4駆動ギヤ74を介して主車輪26に伝達され、主車輪26がX方向に回転し、車椅子1が前進する。
一方、レバー16をY方向に向けて揺動させると、内側レース50がY方向に回転する。ここで、σ2 >Dであることから、内側レース50の回転力がローラ78を介して第1駆動ギヤ68に伝達されず、内側レース50が第1駆動ギヤ68に対して空転することとなる。即ち、レバー16が主車輪26に対して空転することとなり、レバー16をY方向に揺動させても主車輪26は回転せず、車椅子1は前進も後退もしない。
このように、ローラ78がY方向側の大径角部52a近傍に配置されている場合には、力伝達機構40が第1の態様となる。即ち、楔締要素76は、レバー16をX方向に揺動させる場合はレバー16と主車輪26とを連結状態とし、レバー16をY方向に揺動させる場合はレバー16と主車輪26とを非連結状態とする。
図10(b)は、図9(a)に図示されるB部の詳細図であって、隣接する二つの大径角部52a,52bのうちX方向側の大径角部52bの近傍にローラ78が配置されている力伝達機構40の一例を示す図である。
レバー16(図1または図2参照)をY方向に向けて揺動させると、ローラ78の楔締効果により、第1駆動ギヤ68がY方向に回転し、車椅子1が後退する。
一方、レバー16をX方向に揺動させても、σ2 >Dであることから、内側レース50の回転力がローラ78を介して第1駆動ギヤ68に伝達されず、レバー16が主車輪26に対して空転することとなり、車椅子1は前進も後退もしない。
このように、ローラ78がX方向側の大径角部52b近傍に配置されている場合には、力伝達機構40が第2の態様となる。即ち、楔締要素76は、レバー16をY方向に揺動させる場合はレバー16と主車輪26とを連結状態とし、レバー16をX方向に揺動させる場合はレバー16と主車輪26とを非連結状態とする。
ここで、レバー16が主車輪26に対して空転する方向、即ち、第1の態様であればY方向、第2の態様であればX方向、中立態様であればX方向およびY方向のそれぞれの方向に向けてレバー16を揺動させたとき、レバー16の揺動が無段で行われる。即ち、力伝達機構40に代えて一般的なラチェットタイプの機構を用いた場合に見られるようなラチェットギヤからの衝撃が、着座者の手に作用することがない。その結果、着座者が衝撃を感じることなく滑らかにレバー16を揺動させることが可能となり、着座者がレバー16を操作することによって生じ得る疲労を軽減することができる。
次に、切換機構96の作用(即ち、力伝達機構40の態様を切り換える方法)について、図3および図7を参照しつつ説明する。なお、力伝達機構40の態様の切り換えは、切換機構96(図7参照)を操作し、内側レース50の外周面に沿ってローラ78の位置を変えることによって行われる。
図7において、突起部108を親指で操作し、回動操作部102を把持部22に対して回動させると、これに伴ってワイヤコード98が回転し、これに伴って切換ギヤ100が回転する。
図3において、切換ギヤ100がローラ保持器80に形成された山型溝86と係合しているので、切換ギヤ100が回転するとローラ保持器80が内側レース50に対して回転移動する。これにより、ローラ78が、内側レース50の外周面に沿って移動し、力伝達機構40の態様が他の態様に切り換わる。
このように、把持部22に対して切換機構96を回動させたとき、内側レース50に対してローラ78が回転移動するように構成することによって、着座者が、把持部22を把持しつつ車椅子1の前進駆動と後退駆動とを容易に切り換えることが可能となる。
また、本実施形態においては、力伝達機構40の態様と表示窓106を通して視認可能な表示部94の表示とが一致している。即ち、力伝達機構40が第1の態様にあるときは表示窓106に「前」が表示され、力伝達機構40が第2の態様にあるときは表示窓106に「後」が表示される。言い換えれば、表示窓106を通して視認できる表示部94の表示が例えば第1の態様から第2の態様に切り換わるまで回動操作部102を回動させると、それに伴ってワイヤコード98(即ち切換ギヤ100)が回動操作部102の回動量と同じ量だけ回動する。これにより、ローラ保持器80が内側レース50に対して回転移動し、ローラ78が一の狭小部116(大径角部52a)の近傍から隣接する他の狭小部116(大径角部52b)の近傍に移動する。
即ち、この車椅子1は、レバー16に対して固定されると共に主車輪26に対して回転力が付与される方向に対応する表示が表示された表示部94を有する固定部材(芯材)92を備えており、回動操作部102は、レバー16と主車輪26とが連結状態または非連結状態となる方向と当該方向に対応する表示部94の表示とが連関する連関部を有している。
このようにして、力伝達機構40がいずれの態様であるかを、着座者が容易に把握できる。なお、力伝達機構40が中立態様にあるときは表示窓106に「中立」が表示される。
ここで、把持部22に対する回動操作部102の回動量と内側レース50に対するローラ78の回転移動量との相関関係は、切換ギヤ100の大きさによって決定される。即ち、切換ギヤ100の直径が大きくなるに従って、把持部22に対する回動操作部102の回動量と内側レース50に対するローラ78の回転移動量との比が大きくなる。一方、切換ギヤ100の直径が小さくなるに従って、把持部22に対する回動操作部102の回動量と内側レース50に対するローラ78の回転移動量との比が小さくなる。
以上のように、本実施の形態の車椅子1は、座部10を支持するフレーム24と、座部10の両側に一つずつ配置され、フレーム24に対して回転自在な二つの主車輪26と、この二つの主車輪26のそれぞれに対応して設けられ、主車輪26の略中心部を中心としてX方向およびY方向に揺動させることが可能なレバー16と、レバー16と主車輪26との間に設けられ、X方向にレバー16を揺動させるときはレバー16と主車輪26とを連結状態とすることによって主車輪26に対してX方向に回転力を付与し、かつY方向にレバー16を揺動させるときはレバー16と主車輪26とを非連結状態とすることによって主車輪26に対してレバー16が空転する第1の態様、Y方向にレバー16を揺動させるときはレバー16と主車輪26とを連結させることによって主車輪26に対してY方向に回転力を付与し、かつX方向にレバー16を揺動させるときはレバー16と主車輪26とを非連結状態とすることによって主車輪26に対してレバー16が空転する第2の態様、およびX方向およびY方向のいずれにレバー16を揺動させてもレバー16と主車輪26とを非転結状態とすることによってレバー16が主車輪26に対して空転する中立態様を有する力伝達機構40と、把持部22を把持しつつ把持部22に対して同軸に回動させることが可能な回動操作部102、およびこの回動操作部102の回動に伴って回動すると共に力伝達機構40が有する各態様を切換可能な長手状のワイヤコード98と、を備えている。
これによれば、着座者が、回動操作部102を、レバー16を軸として回動させることによって、力伝達機構40の態様を切り換えることが可能となる。従って、着座者が把持部22を把持しつつ車椅子1の前進駆動と後退駆動とを容易に切り換えることができる。その結果、車椅子1の駆動方向切換操作の煩わしさも軽減できる。しかも、レバー16をX方向に揺動させる場合にレバー16と主車輪26とが連結状態となるときは主車輪26に対してX方向への回転力が付与され、レバー16をY方向に揺動させる場合にレバー16と主車輪26とが連結状態となるときは主車輪26に対してY方向への回転力が付与される。これにより、着座者がレバー16を揺動させたときに、力伝達機構40がいずれの態様であるかを判断できる。
また、力伝達機構40が、主車輪26に固定されると共に中空部69を有する第1駆動ギヤ68と、レバー16に固定されると共に第1駆動ギヤ68の中空部69に配置された内側レース50と、第1駆動ギヤ68と内側レース50との間に配置されたローラ78とを備えており、第1駆動ギヤ68と内側レース50との間には、ローラ78の直径より小さい狭小部116が14個所形成されていると共に、隣接する2個所の狭小部116の間には、ローラ78の直径より大きい広大部118が形成されている。ローラ78は、互いに隣接する2個所の狭小部116の間に配置され、このローラ78がY方向側の狭小部116(即ち大径角部52a)の近傍にあるときは、力伝達機構40が第1の態様となり、このローラ78がX方向側の狭小部116(即ち大径角部52b)の近傍にあるときは、力伝達機構40が第2の態様となる。
これによれば、第1の態様であればX方向からY方向に、第2の態様であればY方向からX方向に、中立態様であれば両方向に、それぞれ、レバー16を揺動させるとき、ローラ78に対して狭小部116の近傍から広大部118に向かう方向に内側レース50の回転力が作用する。これにより、上記方向にレバー16を揺動させる場合には、このレバー16を無段で揺動させることができる。従って、把持部22を把持する着座者の手に衝撃が加わることなく、レバー16を揺動させることができるという更なる効果を奏する。
また、ワイヤコード98は、ワイヤコード98の長手方向を横切る断面が略正方形に形成されており、回動操作部102を構成するキャップ110には、ワイヤコード98が貫通可能なワイヤコード嵌合孔112が形成されている。このワイヤコード嵌合孔112は、ワイヤコード98の断面形状と同様に略正方形に形成されている。
これによれば、ワイヤコード嵌合孔112にワイヤコード98を貫通させるのみで、キャップ110(即ち、回動操作部102)の回動に伴ってワイヤコード98を回転させることが可能となる。従って、溶接等を行う必要がなく、組立工程を簡素化できるという更なる効果を奏する。これにより、本実施形態の車椅子1の製造コストを抑制することができる。
また、切換機構96は、把持部22に固定されると共に「前」、「後」および「中立」が表示された表示部94を有する芯材92を更に備えており、回動操作部102には、芯材92の表示部94に表示されている「前、「後」および「中立」のいずれかを視認できる表示窓106が形成されている。
これによれば、力伝達機構40が、第1の態様、第2の態様および中立態様のうちいずれの態様にあるかを表示窓106を通して視認できる。従って、力伝達機構40の態様がいずれの態様であるかを着座者が容易に判断可能となるので、誤ったレバー16の操作を防止できるという更なる効果を奏する。
また、図11に図示されるように、本実施形態にかかる車椅子1は、把持部22との間に間隙120を有してカバー部材122が更に取り付けられていることが好ましい。なお、図11は、カバー部材122が取り付けられた車椅子1の一例を示す外観斜視図である。
カバー部材122は、レバー16の外側、即ち、レバー16に対して主車輪26の反対側に間隙120を有して覆うようにして回動操作部102に一体的に取り付けられている。
本実施形態にかかる車椅子1の場合、把持部22が、幅方向(即ち、車椅子1が前進または後退する方向に直交する方向)の最も外側に配置されることとなる。従って、この車椅子1に着座したまま狭い通路等を走行する場合には、着座者の手が負傷を負うことがある。とくに、本実施形態にかかる車椅子1においては、レバー16をX方向およびY方向に往復揺動操作しなければならないため、それが顕著である。
従って、本実施形態のこの車椅子1によれば、着座したまま狭い通路等を走行する場合であっても、着座者が、間隙120に手を入れて把持部22を把持することによって、手がカバー部材122によって保護され、壁等と接触することにより生じ得る手の怪我を防止することが可能となる。
しかも、カバー部材122が回動操作部102に一体的に取り付けられているので、着座者が、例えば手の甲でカバー部材122を押すことにより、カバー部材122と回動操作部102とを伴にレバー16に対して回動することができる。これにより、着座者が把持部22から手を離すことなく、容易に回動操作部102をレバー16に対して回動することができ、ひいては、力伝達機構40の態様を容易に切り換えることが可能となる。
本実施形態において、「レバー16」は、直線に延びる棒状のレバーに限られるものではなく、湾曲または屈曲しているものであっても良い。また、本実施形態では「レバー」と称しているが、これに代えて「アーム」や「ハンドル」と称することもできる。
なお、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
例えば、上述の実施形態において、車椅子1は、座部10の両側に一つずつ(合計二つ)の主車輪26が配置されているが、これに限られず、例えば、座部10の両側に二つずつの車輪が配置されていても良い。
また、上述の実施形態において、一つの主車輪26に対して力伝達機構40が一つずつ配置されているが、これに限られず、いずれか一方の主車輪26についてのみ力伝達機構40が配置されていても良い。この場合、力伝達機構40が配置された主車輪が駆動輪、他方の主車輪が従動輪となる。更にこの場合において、二つの主車輪を連結しても良い。
また、上述の実施形態において、ワイヤコード98がキャップ110のワイヤコード嵌合孔112に貫通されているが、これに限られず、溶接、ビス止めなど他の物理的手段によって、ワイヤコード98とキャップ110とが固定されていても良い。ただし、組立工程簡素化の観点からいえば、ワイヤコード98がキャップ110のワイヤコード嵌合孔112に貫通されているものが好ましい。
また、上述の実施形態において、ワイヤコード嵌合孔112およびワイヤコード98は、いずれも正方形に限られず、角状に形成されていればよい。即ち、ワイヤコード98がワイヤコード嵌合孔112に貫通して固定することが可能に構成されていれば良い。
また、上述の実施形態において、ワイヤコード98は、全長に亘って長手方向を横切る断面が角状に形成されているが、これに限られず、少なくともワイヤコード嵌合孔112に圧入される部位のみが角状に形成された角状部を有していれば良い。
また、上述の実施形態において、ワイヤコード98がキャップ110に固定されているが、これに限られない。例えば、把持部22をレバー16に対して回動可能に構成すると共に、ワイヤコード98がこの把持部22に固定されるようにしても良い。この場合、把持部22が回動操作部として機能することとなる。即ち、着座者が把持部22を把持しつつワイヤコード98をレバー16に対して回動可能に構成されていれば、本発明の目的を達成することができる。
また、上述の実施形態において、レバー本体部18に把持部22が取り付けられているが、この把持部22は必須のものではない。例えば、着座者が、レバー本体部18を直接把持する構成であっても良い。
また、上述の実施形態において、力伝達機構40が、第1の態様と第2の態様と中立態様とを取り得るが、これに限られず、少なくとも第1の態様と第2の態様とを取り得れば本発明の目的を達成することができる。
また、上述の実施形態において、内側レース50は、内側レース50の大径角部52から最小径部54にかけて次第に径が小さくなっているが、これに限られず、第1駆動ギヤ68の内径が変化することによってローラ78が位置する領域の大きさが変化するようにしても良い。即ち、内側レース50の外周面と第1駆動ギヤ68の内周面との距離が、ローラ78の直径よりも小さい狭小部116と、ローラ78の直径Dよりも大きい広大部118とが形成されていれば良い。
また、上述の実施形態において、内側レース50には、大径角部52および最小径部54がそれぞれ14個形成されていると共に、互いに隣接する二つの大径角部52の間にはローラ78が一つずつ配置されているが、これに限られない。例えば、大径角部52および最小径部54が、それぞれ、少なくとも2個所ずつ形成され、隣接する大径角部52の間にローラ78が一つずつ(大径角部52が2個所であれば一つ)配置されていれば良い。ただし、この場合には、一つのローラ78に対して作用する負荷が大きくなるので、強度的な観点からいえば、大径角部52および最小径部54の数は2個より多い方が好ましい。
また、上述の実施形態において、芯材92に設けられた表示部94には、「前」、「後」および「中立」が表示されているが、これに限られず、力伝達機構40が有する第1の態様、第2の態様および中立態様に対応する表示が表示されていれば良い。例えば、第1の態様であれば、車椅子がいかにも前進していることを想起させる図柄等が表示されていても良い。
また、上述の実施形態において、回動操作部102には表示窓106が形成されており、この表示窓106を通して主車輪26に対して回転力が付与される方向(即ち、レバー16と主車輪26とが連結状態となる方向)を視認可能に構成されているが、これに限られない。例えば、主車輪26に対して回転力が付与されない方向(即ち、レバー16と主車輪26とが非連結状態となる方向)を視認可能に構成されていても良い。即ち、力伝達機構40の現在の態様を把握できる構成であれば、その態様は特定の態様に限定されるものではない。
また、上述の実施形態において、表示部94が芯材92に設けられているが、これに限られず、把持部22に設けられていても良い。このとき、回動操作部102は、表示窓106に代えて、把持部22に表示の表示と力伝達機構における態様とを連関させる連関部を備えていることが好ましい。なお、表示窓106は連関部の一態様である。
更に、上述の実施形態において、表示部94が芯材92に、表示窓(連関部)106が回動操作部102に、それぞれ、設けられまたは形成されているが、これに限られるものではない。例えば、表示部94が回動操作部102に、連関部が芯材92若しくは把持部22に、それぞれ、設けられまたは形成されていても良い。即ち、力伝達機構40の態様と、この態様に対応する表示とを連関させることによって、力伝達機構40の態様を識別可能となり、本発明の目的の一つを達成することができる。
本発明に係る車椅子の一例を示す外観斜視図である。 図1に図示される車椅子の主車輪からレバーを取り外した場合の一例を示す斜視図である。 カップ体および力伝達機構の一例を示す斜視図である。 固定部の構成の一例を示す斜視図である。 可動部の構成の一例を示す斜視図である。 楔締要素の構成の一例を示す斜視図である。 レバー、カップ体、芯材(固定部材)および切換機構の構成の一例を示す分解図である。 (a)が図7に図示されるA−A線矢視図であり、(b)がワイヤコードの形状が把握できる斜視図である。 (a)が組み立てられた後の力伝達機構の一例を示す図であり、(b)が(a)に図示されるB部の詳細図であって、隣接する二つの大径角部のほぼ中間位置にローラが配置されている力伝達機構の一例を示す図である。 図9(a)に図示されるB部の詳細図であって、(a)が隣接する二つの大径角部のうちY方向側の大径角部の近傍にローラが配置されている力伝達機構の一例を示す図であり、(b)が隣接する二つの大径角部のうちX方向側の大径角部の近傍にローラが配置されている力伝達機構の一例を示す図である。 カバー部材が取り付けられた車椅子の一例を示す外観斜視図である。
符号の説明
1 車椅子
10 座部
16 レバー
24 フレーム
26 主車輪(車輪)
40 力伝達機構
50 内側レース(内側回転体)
68 第1駆動ギヤ(外側回転体)
69 中空部
78 ローラ
92 芯材(固定部材)
96 切換機構
98 ワイヤコード(切換部材)
102 回動操作部
106 表示窓(連関部)
112 ワイヤコード嵌合孔(嵌合部)
116 狭小部
118 広大部
120 間隙
122 カバー部材

Claims (6)

  1. 座部を少なくとも支持するフレームと、
    前記座部の両側に少なくとも一つずつ配置され、前記フレームに対して回転自在な複数の車輪と、
    前記複数の車輪のうち少なくとも一つの車輪に対応して設けられ、前記車輪の略中心部を中心として第1の方向および第2の方向に揺動させることが可能なレバーと、
    前記レバーと前記レバーが設けられた車輪との間に設けられ、前記レバーを揺動させたとき、前記車輪に対して第1の方向と第2の方向とに回転力を付与可能な力伝達機構と、 前記レバーの端部に取り付けられると共に前記レバーに対して回動させることが可能な回動操作部、および前記回動操作部の回動に伴って回動されると共に前記力伝達機構によって前記車輪に対して付与される回転力の方向を切換可能な長手状の切換部材を有する切換機構と、を備えることを特徴とする車椅子。
  2. 前記力伝達機構が、第1の方向に前記レバーを揺動させるときは前記レバーと前記車輪とを連結状態とすることによって前記車輪に対して第1の方向に回転力を付与し、かつ第2の方向に前記レバーを揺動させるときは前記レバーと前記車輪とを非連結状態とすることによって前記車輪に対して前記レバーを空転させる第1の態様と、第2の方向に前記レバーを揺動させるときは前記レバーと前記車輪とを連結状態とすることによって前記車輪に対して第2の方向に回転力を付与し、かつ第1の方向に前記レバーを揺動させるときは前記レバーと前記車輪とを非連結状態とすることによって前記車輪に対してレバーを空転させる第2の態様とを有することを特徴とする請求項1に記載の車椅子。
  3. 前記力伝達機構が、前記車輪に固定されると共に中空部を有する外側回転体と、前記レバーに固定されると共に前記外側回転体の中空部に配置された内側回転体と、前記外側回転体と前記内側回転体との間に配置されたローラとを少なくとも備え、
    前記外側回転体と前記内側回転体との間には、前記ローラ径より小さい狭小部が少なくとも2個所形成されていると共に、前記2個所の狭小部の間には前記ローラ径より大きい広大部が形成されており、
    前記ローラが、前記2個所の狭小部の間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車椅子。
  4. 前記切換部材は、当該切換部材の長手方向を横切る断面が角状に形成された角状部を有し、
    前記回動操作部には、前記切換部材の角状部が貫通可能な嵌合部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車椅子。
  5. 前記レバーに対して固定される固定部材を更に備えると共に、
    前記回動操作部および前記固定部材のうち、いずれか一方には前記力伝達機構の態様を示す表示部が設けられ、他方には前記力伝達機構の態様と前記表示部の表示とを連関させる連関部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車椅子。
  6. 前記レバーとの間に間隙を有して前記レバーの外側に配置されると共に前記回動操作部に取り付けられたカバー部材を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車椅子。
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