JP2006160707A - ジクロフェナク含有乳剤性軟膏剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 皮膚刺激が少なく、使用感に優れ、保存安定性及び皮膚吸収性の良いジクロフェナク又はその塩を含有する外用剤を提供する。
【解決手段】 ジクロフェナク又はその塩、カルボン酸ジアルキルエステル、N−アルキルピロリドン、多価アルコール及びジブチルヒドロキシトルエンを含有する乳剤性軟膏剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、物理化学的安定性、ジクロフェナク又はその塩の化学的安定性に優れ、皮膚刺激が少なく、皮膚吸収性の良い乳剤性軟膏剤に関する。
ジクロフェナク又はその塩は、非ステロイド系の優れた消炎・鎮痛剤であり、経口剤あるいは坐剤として広く臨床の場で用いられている。しかし、経口あるいは直腸に投与した場合、副作用として胃腸、腎臓、肝臓障害が知られており、特に胃腸に関しては、しばしば重篤な副作用を呈することから、胃腸管を通らずに局所または全身に作用せしめることを目的とした種々のジクロフェナク又はその塩を含有する外用剤が提案されている。
ジクロフェナク又はその塩を有効成分とする外用剤としては、既にゲル軟膏剤、パップ剤、テープ剤が知られているが、ジクロフェナク又はその塩を外用剤に配合するには、様
々な問題が存在する。例えば、ジクロフェナク又はその塩は優れた消炎・鎮痛作用を有するにもかかわらず、インドメタシンあるいはケトプロフェンといった他の非ステロイド系消炎・鎮痛剤と比較して脂溶性が低く、経皮吸収性が悪いという問題がある。また、外用剤に配合可能な溶剤に対するジクロフェナク又はその塩の溶解度が低いため、製造時に溶解可能であっても、経時的に結晶が析出し治療効果が低下する問題がある。更に、ジクロフェナク又はその塩が基剤成分とエステル反応を起こし、経時的に含量が低下する問題もある。
これらの問題を解決するため、様々なジクロフェナク又はその塩を配合した外用剤に関する研究がなされてきた。例えば、ジクロフェナクナトリウムが水及び低級アルコールに溶解することを利用したゲル製剤(特許文献1)、ジクロフェナク又はその塩、非イオン性高分子、二塩基酸エステル及び低級アルコールを含有する製剤安定性が良好な消炎鎮痛ゲル製剤(特許文献2)、プロピレングリコール等の溶解補助剤を用いた油性軟膏(特許文献3)、尿素及びエデト酸ナトリウムを含有する安定なジクロフェナクナトリウム含有皮膚外用製剤(特許文献4)、ジクロフェナクナトリウム、液状の脂肪酸、クロタミトンを含有する安定な貼付剤(特許文献5)、ジクロフェナクナトリウム、脂肪酸ジアルキロールアミド及び水よりなる安定な透明水溶液(特許文献6)等が知られている.
このうちゲル製剤に関しては、処方中に水及び低級アルコールを含有するため、ジクロフェナク又はその塩の溶解性・安定性を確保するのは容易であり、また、経皮吸収性にも優れるが、低級アルコールを多量に配合することによる皮膚刺激や皮膚のかぶれ等が問題となっている。一方、貼付剤とした場合、膏体にジクロフェナク又はその塩を溶解させることが困難であり、特殊な溶解補助剤の添加が必要となる。溶解補助剤を使用し、膏体へのジクロフェナク又はその塩の溶解性を高くすると、ジクロフェナク又はその塩の皮膚への移行性が悪くなり、消炎鎮痛効果が減じられる。更に、貼付剤は関節部などに貼付した場合、剥がれやすく、効果を持続させるのが難しいという欠点もある。
乳剤性軟膏剤に関しても、ジクロフェナクナトリウム、脂肪酸、カルボン酸ジアルキルエステルを必須成分とする安定性に優れる乳化外用剤(特許文献7)や、ジクロフェナクナトリウム、カルボン酸ジアルキルエステル、オレイルアルコール及び多価アルコールを含有する経皮吸収性に優れ、皮膚刺激の少ない乳化外用剤(特許文献8)等が提案されているが、いずれも安定性、皮膚吸収性、皮膚刺激性すべてで満足できるものではなく、いまだに、ジクロフェナク又はその塩を有効成分として含有する乳剤性軟膏剤が市販されていないのが実情である。
特開昭59−76013号公報 国際公開第92/07561号パンフレット 特開昭59−33211号公報 特開平6−48939号公報 特開平7−89853号公報 特開平9−208542号公報 特公平7−116026号公報 特開平9−12452号公報
従って、本発明の目的は、皮膚刺激が少なく、使用感に優れ、保存安定性及び皮膚吸収性の良いジクロフェナク又はその塩を含有する外用剤を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明者等は皮膚刺激の少ない乳剤型であり、しかも経時安定性に優れたジクロフェナク又はその塩を含有する外用剤を開発すべく鋭意検討を行った。その結果、ジクロフェナク又はその塩を、カルボン酸ジアルキルエステル、N−アルキルピロリドン、多価アルコール、ジブチルヒドロキシトルエンを組み合わせた乳剤性基剤に配合すると、皮膚刺激が少なく、結晶析出、変色、ジクロフェナク又はその塩の含有量低下等の安定性劣化が認められず、しかも皮膚吸収性に優れるジクロフェナク又はその塩を含有する乳剤性軟膏剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ジクロフェナク又はその塩、カルボン酸ジアルキルエステル、N−アルキルピロリドン、多価アルコール及びジブチルヒドロキシトルエンを含有する乳剤性軟膏剤を提供するものである。
本発明の乳剤性軟膏剤は、ジクロフェナク又はその塩の化学的安定性に優れ、長期間保存しても結晶の析出、製剤の変色等の物理化学的安定性も改善されているばかりでなく、市販されているゲル軟膏剤、パップ剤あるいはテープ剤と比較して経皮吸収が良く、優れた薬理効果を有する。
本発明の乳剤性軟膏剤の有効成分であるジクロフェナクの塩としては、薬学的に許容し得る種々の無機又は有機塩が挙げられる。例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;ジメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアルキルアミン塩;モノエタノール塩、ジエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。ジクロフェナク又はその塩としては、ジクロフェナクアルカリ金属塩が好ましく、特にジクロフェナクナトリウムが好ましい。乳剤性軟膏剤中のジクロフェナク又はその塩の含有量は、0.1〜5重量%(以下、単に「%」と記載する)が好ましく、特に0.5〜3%であるのが好ましい。ジクロフェナク又はその塩の含有量が少なすぎると、必要な薬理効果が期待できず、また、ジクロフェナク又はその塩の含有量が多すぎると、乳剤性軟膏基剤にジクロフェナク又はその塩を溶解させるのが困難となり、製剤化が困難な場合がある。
本発明の乳剤性軟膏剤の基剤として配合される成分の一つであるカルボン酸ジアルキルエステルとしては、例えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等の芳香族ジカルボン酸のジアルキルエステル;アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等の脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルが挙げられる。カルボン酸ジアルキルエステルとしては、特にアジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルが好ましい。乳剤性軟膏剤中のカルボン酸ジアルキルエステルの含有量は、1〜40%が好ましく、特に5〜20%であるのが好ましい。含有量が少ないと、ジクロフェナク又はその塩の溶解性が悪くなり、結晶析出が起こる。一方、含有量が多すぎると、乳化が困難となる、あるいは皮膚刺激が増大する等の悪影響が出る場合がある。
本発明の乳剤性軟膏剤の基剤として配合される成分の一つであるN−アルキルピロリドンとしては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−プロピルピロリドン、N−イソプロピルピロリドン、N−ブチルピロリドン、N−イソブチルピロリドン等のN−低級アルキルピロリドンが挙げられる。N−アルキルピロリドンとしては
、特にN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。乳剤性軟膏剤中のN−アルキルピロリドンの含有量は、0.5〜10%が好ましく、特に1〜8%であるのが好ましい。含有量が少ないと、ジクロフェナク又はその塩の溶解性が悪くなり、結晶析出が起こる。一方、含有量が多すぎると、乳化が困難となる場合がある。
本発明の乳剤性軟膏剤の基剤として配合される成分の一つである多価アルコールとしては、例えばポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400等の平均分子量200〜20000のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の2価アルコール;グリセリン、ジグリセリン等の3価以上のアルコールが挙げられる。多価アルコールとしては、2価アルコールが好ましく、特にプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールが好ましい。乳剤性軟膏剤中の多価アルコールの含有量は、好ましくは1〜30%、特に5〜20%であるのが好ましい。
本発明の乳剤性軟膏剤の基剤として配合される成分の一つであるジブチルヒドロキシトルエンの含有量は、0.001〜1%が好ましく、特に0.01〜0.5%であるのが好ましい。含有量が少なすぎると、ジクロフェナク又はその塩の安定化効果に問題が生じる場合があり、また、含有量が多すぎると皮膚刺激あるいは変色の原因となる。
本発明の乳剤性軟膏剤には、更にキレート剤を配合することにより、製造機器から混入する微量金属に起因する変色を抑制することが可能である。キレート剤としては、例えばエデト酸又はそのアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、ジヒドロキシエチルエチレンジアミンニ酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸又はそのアルカリ金属塩等が挙げられる。キレート剤としてはエデト酸アルカリ金属塩が好ましく、特にエデト酸ナトリウムが好ましい。乳剤性軟膏剤中にキレート剤を配合する場合の含有量は、0.001〜1%が好ましく、特に0.005〜0.2%であるのが好ましい。
本発明の乳剤性軟膏剤の乳化型は、W/O型、O/W型の何れの乳化型でも良いが、O/W型が好ましい。
乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられるが、特に非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が好ましい。これらの非イオン性界面活性剤は単独で配合しても、2種以上を組み合わせて配合しても良い。乳剤性軟膏剤中の乳化剤の含有量は、0.2〜10%が好ましく、特に1〜5%であるのが好ましい。
本発明の乳剤性軟膏剤には、安定性及び使用感を更に向上させるため、ゲル化剤を配合することができる。ゲル化剤としては、例えばカルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。ゲル化剤としては、特にカルボキシビニルポリマーが好ましい。乳剤性軟膏剤中にゲル化剤を配合する場合の含有量は、0.05〜3%が好ましく、特に0.2〜1%であるのが好ましい。
本発明の乳剤性軟膏剤には、乳化安定性を更に向上させるため、例えばセタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール、更に一般に化粧品や外用剤に用いられるワセリン、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油の他、ミリスチン酸イソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油剤を配合してもよい。乳剤性軟膏剤中に油剤を配合する場合の含有量は、1〜30%が好ましく、特に3〜15%であるのが好ましい。油剤の量が少ないと、安定性、使用感の向上が望めず、多すぎると乳化が困難となる場合がある。
本発明の乳剤性軟膏剤のpHは、5.5〜8.5が好ましく、特に6〜7.5の範囲内であるのが好ましい。pH調整用の弱塩基性pH調整剤としては、例えば1〜3級のアルカノールアミン又はアルキルアミン等が挙げられる。アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられ、またアルキルアミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。また、酸性pH調整剤としては、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸が挙げられる。
本発明の乳剤性軟膏剤には、必要に応じて、安息香酸又はそのアルカリ金属塩、サリチル酸又はそのアルカリ金属塩、パラオキシ安息香酸低級アルキルエステル等の防腐剤を配合することができる。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチルエステル、パラオキシ安息香酸エチルエステル等のパラオキシ安息香酸アルキルエステルが好ましい。乳剤性軟膏剤中に防腐剤を配合する場合の含有量は、0.05〜0.5%が好ましい。
本発明の乳剤性軟膏剤は、常法により、水相成分と油相成分を混合し乳化させることにより製造することができる。このとき、平均粒子径3μm以下のエマルジョンとなるように製造することが好ましく、特に1μm以下とすることが好ましい。乳化粒子の平均粒子径の測定は、例えばレーザー回折散乱法で測定することができる。
本発明の乳剤性軟膏剤は、多量の低級アルコールを用いる必要がないため皮膚刺激がなく、使用感に優れ、かつ物理化学的安定性、ジクロフェナク又はその塩の化学的安定性、皮膚吸収性に優れる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
乳剤性軟膏剤の製造
表1中の成分(2)〜(10)、(13)を70〜80℃で溶解して油相とした。成分(11)〜(12)と成分(19)を混合し、70〜80℃に加温した後に、成分(1)、(14)、(15)及び(16)を溶解して水相とした。油相に水相を加えて乳化した後、冷却し、更に成分(19)の一部で膨潤させた成分(17)を加えて攪拌し、最後に成分(18)を加えて均一になるまで攪拌し、乳剤性軟膏剤を得た。なお、pHは、7.0(25℃)であった。得られた乳剤性軟膏剤の乳化型は、O/W型乳化系であって、平均粒径は0.45μmであった。
実施例2
実施例1で製造した本発明品1〜2及び比較品1〜3の乳剤性軟膏剤を、4℃の恒温室に保存し、結晶の析出を目視で観察した。結果を表2に示す。
本発明の乳剤性軟膏剤は、長期間冷所に保存しても結晶の析出が認められず、保存安定性に優れていることが確認された。これに対し、比較品1、3は製造時から結晶の析出が認められた。比較品2は製造時には結晶の析出が認められなかったが、経時的に結晶の析出が認められ、使用感を損なうとともに、結晶析出により経皮吸収が妨げられ、薬理効果にも影響するものであった。
実施例3
実施例1で製造した本発明品1〜2、比較品2及び比較品4の乳剤性軟膏剤を、アルミニウムラミネート製チューブに充填し、50℃及び60℃の恒温室で1ヶ月間保存した後
、ジクロフェナクナトリウムの残存率をHPLCで測定した。また、同様の条件で保存した乳剤性軟膏剤の色の変化を目視で観察した。これらの結果を表3に示す。
本発明の乳剤性軟膏剤は、50℃及び60℃で1ヶ月という過酷な条件で保存しても、ジクロフェナクナトリウムの化学的安定性は良好であり、また、乳剤性軟膏剤の変色も認められず、優れた保存安定性を有していた。これに対して、比較品2は変色が認められなかったが、ジクロフェナクナトリウムの化学的安定性は本発明品1及び2と比較して明らかに劣っていた。また、比較品4の乳剤性軟膏剤は変色し、ジクロフェナクナトリウムの化学的安定性は明らかに劣っていた。
実施例4
本発明品2の乳剤性軟膏剤からのジクロフェナクナトリウムの皮膚移行性を、市販のジクロフェナクナトリウム配合ゲル軟膏剤と比較した。試験はユカタンマイクロピッグの背部摘出皮膚に各製剤を塗布し、4時間経過後軟膏剤を拭取り、直下の角質を粘着テープで剥離し、HPLCでジクロフェナクナトリウムの濃度を測定した。結果を表4に示す。
本発明の乳剤性軟膏剤は、市販のジクロフェナクナトリウム配合ゲル軟膏剤と比較して
、高いジクロフェナクナトリウム角質移行性を有していた。

Claims (16)

  1. ジクロフェナク又はその塩、カルボン酸ジアルキルエステル、N−アルキルピロリドン
    、多価アルコール及びジブチルヒドロキシトルエンを含有する乳剤性軟膏剤。
  2. ジクロフェナク又はその塩を0.1〜5重量%、カルボン酸ジアルキルエステルを1〜40重量%、N−アルキルピロリドンを0.5〜10重量%、多価アルコールを1〜30重量%及びジブチルヒドロキシトルエンを0.001〜1重量%含有する請求項1記載の乳剤性軟膏剤。
  3. ジクロフェナク又はその塩が、ジクロフェナクナトリウムである請求項1又は2記載の乳剤性軟膏剤。
  4. カルボン酸ジアルキルエステルが、セバシン酸ジエチル又はアジピン酸ジイソプロピルである請求項1〜3のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  5. N−アルキルピロリドンが、N−メチル−2−ピロリドンである請求項1〜3のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  6. 多価アルコールが、プロピレングリコール又は1,3−ブチレングリコールである請求項1〜3のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  7. 更に、キレート剤を0.001〜1重量%含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  8. キレート剤が、エデト酸ナトリウムである請求項7記載の乳剤性軟膏剤。
  9. 更に、非イオン性界面活性剤を0.2〜10重量%含有する請求項第1〜8のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  10. 更に、ゲル化剤を0.05〜3重量%含有する請求項1〜9のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  11. ゲル化剤が、カルボキシビニルポリマーである請求項10記載の乳剤性軟膏剤。
  12. 更に、防腐剤を0.05〜0.5重量%含有する請求項1〜11のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  13. 防腐剤が、パラオキシ安息香酸エステルである請求項12項記載の乳剤性軟膏剤。
  14. pHが、5.5〜8.5である請求項1〜13のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  15. pH調整剤として、アルカノールアミン又はアルキルアミンを含有する請求項1〜14のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
  16. エマルションの平均粒子径が3μm以下である請求項1〜15のいずれか1項記載の乳剤性軟膏剤。
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