JP2006156959A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力端子に負電位が誘起しても、制御回路に誤動作を起こさせる寄生トランジスタがONとなることを妨げる半導体装置を提供する。
【解決手段】制御回路領域2とパワートランジスタ領域1とが形成された半導体装置において、プッシュプル回路を構成する接地側トランジスタ11と制御回路領域2との間に第1のダミー領域4を形成し、接地側トランジスタ11と半導体基板3の端5との間に第2のダミー領域6とを形成する。第1及び第2のダミー領域4,6は、半導体基板3とは異なった導電型であり、第2のダミー領域6は接地側トランジスタ11と第1のダミー領域4との間にある半導体基板部分9と電気的に接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体装置に関し、特に出力回路とその出力回路を制御する制御回路とが同一の基板上に設けられている半導体装置に関するものである。
モータ、コイルなどの誘導性負荷を駆動回路(パワートランジスタ)でスイッチング駆動する場合、誘導性負荷をスイッチングする駆動電流の方向が切替った直後、逆起電力の発生により駆動回路の出力端子の電位が接地電位よりも下がる現象が起こる。このような駆動回路を備えた半導体装置の出力端子の電位が接地電位よりも低くなると、半導体装置内の寄生トランジスタが動作することになる。寄生トランジスタとは、本来の能動回路素子として形成されたトランジスタではなく、半導体装置内で一つの半導体領域に隣接して、別の半導体領域が存在する場合に意図しないのに形成されるトランジスタのことである。例えば、P型半導体基板上にN型領域が2箇所隣接していれば寄生NPNトランジスタは形成される。この場合、片方のN型領域の電位が負になり寄生NPNトランジスタがオンになると、もう一方のN型領域が寄生NPNトランジスタのコレクタとなり寄生電流が流れることになる。
このように寄生トランジスタが作動すると、半導体基板内において本来の回路電流の経路以外の場所に異常な寄生電流が流れて、半導体装置内に集積化された駆動回路が誤動作を起こすことがある。
上記の寄生トランジスタに起因する問題を解決するための技術として、例えば特許文献1に記載されている技術がある。この特許文献1の技術について、図9、図10を用いて説明する。
図10は、特許文献1における半導体装置の概略の平面構造を示す図である。図10に示された半導体チップ201の表面には、パワートランジスタが形成された大信号部202と、このパワートランジスタを制御する制御回路が形成された小信号部203と、これら大信号部202および小信号部203の間に設けられたダミーアイランド204とが存している。ダミーアイランド204には外部電源Vccが接続されている。
図9は図10に示された半導体装置の要部断面を模式的に示した構造図である。この半導体装置はバイポーラ型半導体装置であって、p型半導体基板206の上にn型のエピタキシャル層205を形成し、このエピタキシャル層205をp+型分離領域207で分離して多数のアイランドを形成し、アイランド内に各素子を作り込むことで得られる。208はn+型の埋込層である。パワートランジスタは、アイランドをコレクタとしてその表面にp型ベース領域213とn+型エミッタ領域214を二重に拡散させてNPNトランジスタとしてある。そして、エピタキシャル層205表面からn+型埋込層208に達するn+型領域209aを形成している。このn+型領域209aは出力端子(OUT)に接続されている。
また、図9には半導体チップ201内に生じる寄生トランジスタQも示している。寄生トランジスタQは、パワートランジスタを形成したアイランド(コレクタ)をエミッタとし、半導体基板206をベースとし、ダミーアイランド204の中のn+型領域209bをコレクタとして機能する横方向のトランジスタである。
以下に特許文献1に示された半導体装置の誤動作について、図9を用いて説明する。パワートランジスタがモータ等の誘導性負荷をスイッチング駆動すると、出力端子(OUT)から誘導性負荷に供給されている電流の供給が停止する状態が生じる。このように電流供給が遮断されても、誘導性負荷の特性により、誘導性負荷において電流は流れつづけようとする。この特性のために電流供給停止後も電流は、半導体基板206→パワートランジスタのコレクタ→誘導性負荷という経路を経て流れる。このとき、出力端子(OUT)の電位は接地電位以下の負電位になり、半導体基板206とパワートランジスタのコレクタは順方向バイアスとなる。すると、寄生トランジスタQのベース−エミッタ間に順方向のダイオード電圧が与えられ、寄生トランジスタQがオン状態になる。
この寄生トランジスタQは2つのトランジスタ、すなわちパワートランジスタのアイランド(コレクタ)を共通のエミッタとし、半導体基板206を共通のベースとする2つの寄生トランジスタが組み合わされたものと考えることができ、コレクタはそれぞれダミーアイランド204中のn+型領域209bおよび制御回路側のエピタキシャル層205であるとも考えられる。
ダミーアイランド204には外部電源Vccが接続されているため、寄生トランジスタQのコレクタ電流の大部分は外部電源Vccからダミーアイランド204を通じて供給される(i1)。このように外部電源Vccから寄生コレクタ電流i1が供給されることにより、制御回路をコレクタとする寄生トランジスタQの寄生コレクタ電流i2を低減することができ、制御回路の誤動作を抑制することができる。この特許文献1の技術では、制御回路が影響を受ける寄生コレクタ電流i2を、ダミーアイランド204を設けない場合と比べて1/10〜1/20まで低減させることが可能である。
一方、上記の寄生防止方法のみでは、寄生電流を十分に小さくすることができず、パワートランジスタの配置方法を工夫することによっても、寄生電流を抑え込む方法が採用されている。それは、寄生トランジスタが動作しない電源側パワートランジスタを、制御回路と接地側パワートランジスタとの間に配置して、寄生トランジスタの電流増幅率hFEを小さくする手法である(特許文献1参照)。
特開平7−135299号公報
しかしながら、近年、電子機器の低消費電力化を図るため、小信号部203の制御回路における回路動作電流を小さく設定した回路設計が多用化されており、それに応じて制御回路が寄生電流の影響を受け易くなっている。従って、寄生電流の電流レベルをより低減する必要があり、上述の従来技術による寄生電流対策では、寄生電流の低減効果が不十分となってきている。そのため、さらなる寄生電流の低減を行う必要性に迫られている。
また、n型のダミーアイランド204は外部電源Vccに接続されているため、寄生トランジスタQの寄生コレクタ電流は半導体装置の消費電流(電源電流)として加算されて、消費電流を増大させてしまい、半導体装置の低消費電力化を図る妨げとなっている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、出力端子に負電位が誘起しても、制御回路に誤動作を起こさせる寄生トランジスタがONとなることを妨げる半導体装置を提供することにある。
本発明の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板に形成された出力回路と、前記半導体基板に形成され、前記出力回路を制御する制御回路とを備えた半導体装置であって、前記出力回路は、プッシュプル回路を構成する少なくとも一組の接地側トランジスタおよび電源側トランジスタを有し、前記半導体基板には、前記接地側トランジスタを間に挟んで、該半導体基板とは導電型が異なる第1及び第2のダミー領域が形成されており、前記第1のダミー領域は、前記接地側トランジスタと前記制御回路との間に位置しており、前記第2のダミー領域は、前記接地側トランジスタと前記第1のダミー領域との間の前記半導体基板に電気的に接続されていることを特徴とする。いわゆるトーテムポールと呼ばれる回路もプッシュプル回路に含まれる。また、第2のダミー領域を、接地側トランジスタと第1のダミー領域との間の半導体基板に電気的に接続するのは、半導体基板上に形成された配線であることが好ましい。
前記半導体基板のうち、前記第2のダミー領域と前記接地側トランジスタとの間に位置する部分は接地されている。
前記半導体基板のうち、前記第2のダミー領域と接地側トランジスタとの間に位置しており且つ接地されている部分は、該半導体基板の他の部分よりも不純物濃度が高いことが好ましい。
前記半導体基板のうち、前記接地側トランジスタと前記第1のダミー領域との間に位置する部分は、接地されていないことが好ましい。
前記出力回路は、前記制御回路と前記半導体基板の端との間に位置しており、前記半導体基板の前記端に沿って前記接地側トランジスタと前記電源側トランジスタとが一列に並べられていることが好ましい。
前記半導体基板は矩形であって、前記接地側トランジスタと前記電源側トランジスタとは複数組存しており、当該接地側トランジスタと当該電源側トランジスタとのすべてが前記半導体基板の一辺に沿って一列に配置されていることが好ましい。
前記出力回路は、前記半導体基板上に略矩形に形成され、前記制御回路は、前記出力回路の2辺に隣り合うようにL字形に形成され、前記制御回路の前記出力回路と隣り合う2辺のうち一方の辺は前記電源側トランジスタと隣り合っており、他方の辺に沿って前記接地側トランジスタと前記電源側トランジスタとが一列に配置されていることが好ましい。
ある好適な実施形態において、前記制御回路の前記出力回路と隣接する領域には、抵抗素子および容量素子の少なくとも一方のみを配置し、該領域の電位を電源または接地と同電位とする。
本発明の半導体装置によれば、接地側トランジスタが形成されている領域が誘導性負荷の影響により負電位になった場合、接地側トランジスタの近傍に配置した第2のダミー領域をコレクタとする寄生トランジスタがオンとなり、制御回路側の寄生トランジスタはオンしにくくなり、この寄生トランジスタのコレクタ電流を減少させるため、制御回路の誤動作を防ぐことができる。また、接地側トランジスタと電源側トランジスタの双方が半導体基板の端に配置されることにより、この半導体基板上のボンディングパッドとリードピンとの間を接続するワイヤ長をいずれも短くすることができ、半導体装置のパッケージを薄型にできる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、説明の簡素化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る半導体装置の要部断面構造を模式的に示す図であり、図3は寄生トランジスタを説明するための断面模式図である。そして図2は、本実施形態の半導体装置の概略の平面構造を示す図である。なお、図1、3は断面図であるが、説明をし易いようにハッチングは省略しており、後述する図4,5についても同様である。
本実施形態の半導体装置は、P型不純物がドープされた半導体基板3にパワートランジスタ(出力回路)を形成するアイランド(以下、パワ−トランジスタ領域という)1と制御回路を形成するアイランド(以下、制御回路領域という)2と第1のダミー領域4と第2のダミー領域6とが形成されている。なお、制御回路領域2にはトランジスタや抵抗、容量素子等が多数形成されていて、この領域2自体を制御回路と言ってしまっても構わない。パワートランジスタ領域1は低濃度のN型不純物が導入されたエピタキシャル層で形成されており、制御回路領域2はN型不純物を導入した半導体層で形成されている。第1のダミー領域4はN型不純物を導入した半導体層で形成されており、第2のダミー領域6もN型不純物を導入した半導体層で形成されている。また、第2のダミー領域6、パワートランジスタ領域1および第1のダミー領域4のそれぞれの底部には高濃度のN型不純物が導入された埋込層14a,14b,14cが設けられている。
本実施形態のパワートランジスタはプッシュプル回路を構成する一組の接地側トランジスタおよび電源側トランジスタを備えており、図1に示されているトランジスタ11(破線で囲まれた部分)は、一組のトランジスタのうち接地側のトランジスタである。そして、第1及び第2のダミー領域4,6は、接地側トランジスタ11が形成されたパワートランジスタ領域1を間に挟んで形成されている。
パワートランジスタは大きな駆動電流を流す必要があるため、半導体基板3表面におけるパワートランジスタ領域1の面積を大きくする必要がある。また、パワートランジスタ領域1であるエピタキシャル層はパワートランジスタ11のコレクタに該当し、その領域内に通常形成される出力用ボンディングパッド53に接続されている。なお本実施形態では、コレクタ電極に至るまでの電流経路の抵抗値を低下させるために高濃度のN型の導電路20が設けられている。
制御回路の誤動作防止用の第1のダミー領域4は、制御回路領域2と接地側トランジスタ11が形成されているパワートランジスタ領域1との間に形成され、電源用ボンディングパッド54に接続されている。また、図2において破線で表された多数の小さな四角形は、ダミー領域4,6や半導体基板3の一部などとメタル配線とのコンタクト窓を表している。
図1に示すパワートランジスタ11は、パワートランジスタ領域1内に形成されたP型のベース拡散層18、そのベース拡散層18内に形成されたN型のエミッタ拡散層19、N型のパワートランジスタ領域1をコレクタとして構成された縦構造のNPNバイポーラトランジスタであり、トランジスタ作用はエミッタ拡散層19の直下の縦方向で行われる。そして、N型の埋め込み層14bおよびN型の導電路20はコレクタ電極に至るまでの電流経路の抵抗値を低下させるために設けられている。また、エミッタ拡散層19は接地用ボンディングパッド52に接続され、N型の導電路20およびパワートランジスタ領域1はコレクタ電極を介して出力用ボンディングパッド53に接続され、ベース拡散層18は制御回路の出力(図示せず)に接続される。そして出力用ボンディングパッド53は、半導体装置外に設けられるコイル等の誘導性負荷51に接続されている。制御回路により制御されたパワートランジスタ11が誘導性負荷51をスイッチング駆動する。
第2のダミー領域6におけるN型埋め込み層14aおよびN型拡散層13aと、第1のダミー領域4におけるN型埋め込み層14cおよびN型拡散層13bは、ダミー領域4,6内の抵抗成分を小さくするために設けられている。
本実施形態では、第2のダミー領域6は、半導体基板3からなるチップの端部5とパワートランジスタ領域1との間に配置されているとともに、パワートランジスタ領域1と第1のダミー領域4との間に位置する半導体基板3の部分9とがメタル配線7で接続されている。また、第2のダミー領域6とパワートランジスタ領域1との間の半導体基板3にはP型拡散層12が形成されており、このP型拡散層12はメタル配線8によって接地用ボンディングパッド52に接続されている。なお、半導体基板3のうち第1のダミー領域4の近傍における部分は接地されていない。
次に、寄生トランジスタを表記した図3を参考にして本実施形態の半導体装置の動作を説明する。
この構成の場合、パワートランジスタ用のパワートランジスタ領域1をエミッタとする寄生トランジスタが2つ存在すると考えられる。その1つは、パワートランジスタ領域1をエミッタとし、半導体基板3をベースとし、第1のダミー領域4をコレクタとする第1の寄生トランジスタ15であり、もう1つは、パワートランジスタ領域1をエミッタとし、半導体基板3をベースとし、第2のダミー領域6をコレクタとする第2の寄生トランジスタ16である。
そして、誘導性負荷51への電流の供給が停止すると、誘導性負荷51の特性により、出力用ボンディングパッド53の電位が接地電位(基板電位)以下、即ち負電位になり、第1の寄生トランジスタ15および第2の寄生トランジスタ16のベース・エミッタ間に順方向電圧が与えられ、第1の寄生トランジスタ15および第2の寄生トランジスタ16はオンになろうとする。
第2の寄生トランジスタ16がオンすると、そのベース電流は接地用ボンディングパッド52が接続されたP型拡散層12から供給される。第2の寄生トランジスタ16のコレクタ電流は、第2のダミー領域6から流れようとするが、第2のダミー領域6自体は電流供給能力がないため、結局コレクタ電流は、第2のダミー領域6の接続先、即ち接地用ボンディングパッド52→P型拡散層12→半導体基板3(基板抵抗17)→メタル配線7→第2のダミー領域6(N型拡散層13a)の経路で供給される。半導体基板3には固有の寄生抵抗成分を持っており、ここでは基板抵抗17として説明する。一方、この時、基板抵抗17に第2の寄生トランジスタ16のコレクタ電流が流れることにより電圧降下が生じて、半導体基板3のうち第1のダミー領域4近傍における部分9の電位(基板電位)が負電位側にさがる。すると、第1の寄生トランジスタ15のベース・エミッタ間電圧は、第2の寄生トランジスタ16のベース・エミッタ間電圧より小さくなり、第1の寄生トランジスタ15はオンしにくくなる。
従来のように第2の寄生トランジスタがなければ、第1の寄生トランジスタ15がONになると、制御回路領域2と第1の寄生トランジスタ15との間でコレクタ電流30が流れ、制御回路が誤作動してしまい、大きな問題となる。一方本実施形態では、第2の寄生トランジスタ16がONになると、第1の寄生トランジスタ15のベース電位(基板電位)を低下させるため、寄生トランジスタ15はONしにくくなる。その結果、制御回路領域2およびそれの出力信号で動作するパワートランジスタ11は誤作動しにくくなり、問題とはならない。
このような動作原理で第1の寄生トランジスタ15の作用を抑制する半導体装置の効果を最大限に生かすには、本実施形態で行っているように、第2のダミー領域6と接地側トランジスタ11のパワートランジスタ領域1との間に位置する半導体基板3に高濃度の半導体基板と同じ導電型(P型)不純物による拡散層12を形成して、この箇所の基板抵抗を極力小さくすることが好ましい。このようにすると、第2のダミー領域6をコレクタとする寄生トランジスタ16のベースのインピーダンスを低減することができ、寄生トランジスタ16がオンしやすくなる。
その一方で、第1のダミー領域4と接地側トランジスタ11のパワートランジスタ領域1との間に位置する半導体基板3の部分9には拡散層を形成しないことにより、この部分9の基板抵抗の値を下げずに高めの抵抗値を示すようにすることが好ましい。更には、この近傍の半導体基板3では接地用ボンディングパッド52との接続は行わない、即ち接地しないようにすることが好ましい。なぜならば、第2の寄生トランジスタ16のコレクタ電流が半導体基板3を流れると、半導体基板3の基板抵抗17による電圧降下が生じて、半導体基板3のうち第1のダミー領域4近傍における部分9の電位(基板電位)が負電位側にさがる。そして、第1の寄生トランジスタ15のベース・エミッタ間電圧は、第2の寄生トランジスタ16のベース・エミッタ間電圧より小さくなり、第1の寄生トランジスタ15はオンしにくくなるからである。
本実施形態では、第2のダミー領域6をコレクタとする第2の寄生トランジスタ16のコレクタ電流と基板抵抗との積で求められる電圧降下が大きくなり、第1のダミー領域4の近傍における半導体基板3の部分9の基板電位をより大きく負電位にすることができ、第1のダミー領域4をコレクタとする第1の寄生トランジスタ15のコレクタ電流(寄生電流)をより一層小さくできる。本実施形態に係る半導体装置は、フォトリソプロセスや不純物導入、熱処理、熱酸化等を組み合わせた公知の半導体装置の製造方法を用いて製造することができる。
次に、本実施形態における寄生電流の低減効果を以下に定量的に検証する。
一般的な製造プロセスを用いて出力電流が1Aクラスのパワートランジスタを半導体装置内に集積化する場合、そのパワートランジスタの直下における半導体基板3の基板抵抗は10Ω前後の値になる。そこで、基板抵抗17の抵抗値R17が10Ωであるものとし、出力電流が1A時の寄生トランジスタ16のコレクタ電流Ic16が20mAであるものとする。すると、基板抵抗17での電圧降下は、R17×Ic16で求められ、パワートランジスタ領域1と第1のダミー領域4との間の基板電位(寄生トランジスタ15のベース電位)は接地用ボンディングパッド52の接地電位に対して−200mVとなる。つまり、寄生トランジスタ15のベース-エミッタ間電圧Vbeが、第1の寄生トランジスタ15のベースを接地したときに比べて、200mVだけ低くなる。
また、トランジスタのコレクタ電流は、ベース-エミッタ間電圧Vbeの大きさの指数関数に依存して電流値が異なり、下記の式(1)で表せられることが知られている。
Ic=Isexp(Vbe・q/kT) ・・・(1)
なお、Isはトランジスタの飽和電流、qは電子の電荷量、kはボルツマン定数、Tは絶対温度であり、室温時のq/kTは約26mVである。
上記式(1)を基に、ベース-エミッタ間電圧VbeがVbe1の時のコレクタ電流をIc1とし、Vbe1より低下したVbe2の時のコレクタ電流をIc2とした場合、その電流比Ic2/Ic1を求めると、下記の式(2)となる。
Ic2/Ic1=exp((Vbe2−Vbe1)q/kT)・・・(2)
上記式のq/kTは、室温時に約26mVであるため、これを式(2)に代入して考えると、第1の寄生トランジスタ15のコレクタ電流Icは、ベース-エミッタ電圧Vbeが200mV低下することによって、約1/2000に低下することになる。
第1の寄生トランジスタ15のベースを接地した場合は、パワートランジスタ領域1の電位が負電位になると、その電位が第1の寄生トランジスタ15のベース・エミッタ間電圧にそのまま与えられるため、第1の寄生トランジスタ15のコレクタ電流はIc1=20mAになる。ところが、本発明では、第2の寄生トランジスタ16の導通によって、第1の寄生トランジスタ15のベースに相当する制御回路領域2側の基板電位が低下するため、第1の寄生トランジスタ15のコレクタ電流を、Ic2=10μAと3桁も低減することができる。特許文献1に記載された従来技術に比べても、第1の寄生トランジスタ15のコレクタ電流を2桁も低減することができる。
このように、本発明では、第1の寄生トランジスタ15のコレクタ電流の絶対量を桁違いに減少することができるので、第1の寄生トランジスタ15が制御回路に影響する度合いをより小さくして、半導体装置内に集積化した駆動回路の回路動作の信頼性を高めることができる。つまり制御回路の誤動作がほとんどないようにすることができる。また、前述した従来技術のように、本実施形態では第1のダミー領域4を電源用ボンディングパッド54に接続する必要が無いため、第1のダミー領域4を接地用ボンディングパッド52に接続してもよく、この場合は、寄生防止動作する時の回路電流を外部電源から供給する必要が無くなり、半導体装置の消費電流(電源電流)を従来技術よりも低減させることができる。消費電流を低減させる効果は、スイッチング駆動する繰り返し周波数が高いほど効果的であり、100KHz以上の周波数でスイッチング駆動する場合にはその効果は顕著である。
なお、本実施形態では、第1のダミー領域4と第2のダミー領域6との両方を設けた最良の事例で説明したが、第1のダミー領域4を削除して、パワートランジスタ領域1に隣接して制御用の第2のダミー領域6のみを設けても構わない(実施形態1Bとする)。この場合、制御回路領域2が第1の寄生トランジスタ15のコレクタとなるが、コレクタ電流は非常に微小であるため、第1のダミー領域4と第2のダミー領域6との両方を設けた場合よりも寄生電流の削減効果が劣るが、上述した従来技術に比べると格段の効果がある。
さらに、制御回路のうちパワートランジスタ群との隣接する領域80には抵抗素子か容量素子、あるいはそれらの双方のみを配置し、この領域の電位を電源又は接地電位と同電位とすると、制御回路のうちパワートランジスタ群との隣接する領域にトランジスタを形成しない。また、この領域に寄生トランジスタの影響を受けない抵抗素子や容量素子のみを配置することにしているので、寄生トランジスタに流れる寄生電流のパスが等価的に形成されていることになる。従って、制御回路内のトランジスタに寄生電流が流れることなく、制御回路で誤動作が発生することがさらに抑制できる。なお、制御回路のうちパワートランジスタ群との隣接する領域に形成する抵抗素子や容量素子は、制御回路の動作に寄与しないダミー素子であることが好ましい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
第2の実施形態は、パワーMOSトランジスタをプッシュプル接続した出力回路の事例である。
図4に示すようにチップ端5と接地側DMOSトランジスタ111の間にN型の第2のダミー領域6を配置する。なお、本実施形態は第1の実施形態とはパワートランジスタの構造が異なっていて、他の部分は略同じであるので、パワートランジスタである接地側DMOSトランジスタ111の構造についてまず説明する。
このパワートランジスタ111は、パワートランジスタ領域1の表面の一部にP型のボディ拡散層21を形成し、そのボディ拡散層21の表面にN型のソース拡散層22a,22bを形成している。2つのソース拡散層22a,22bに跨ってパワートランジスタ領域1の表面にソース電極26が設けられている。そして、ボディ拡散層21から離間したパワートランジスタ領域1の表面にN型のドレインコンタクト拡散層23a、23bを形成し、ソース拡散層22a、22bからドレインコンタクト拡散層23a,23bまでに至るまでのパワートランジスタ領域1の表面上にゲート絶縁膜(図示せず)とゲート電極24a,24bを形成し、パワートランジスタ領域1の下層にはN型埋め込み層14bを形成している。
そして、パワートランジスタ111のパワートランジスタ領域1は、パワートランジスタ111のドレインとして機能し、ドレインコンタクト拡散層23a、23b上に設けられたドレイン電極25a,25bおよび出力用ボンディングパッド53を介して誘導性負荷51に接続されている。
図5は、寄生素子を示している図である。図5を用いて本実施形態に係る半導体装置の動作を説明する。なお、第1および第2の寄生トランジスタ15,16の構造は第1の実施形態と実質的に同じである。
誘導性負荷51への電流の供給が停止すると、誘導性負荷51の特性により出力用ボンディングパッド53の電位は接地電位以下になる。ボディダイオード(寄生ダイオード)61のアノードはソース電極26を介して接地用ボンディングパッド52に接続されており、カソードはドレイン電極25a,25bを介して出力用ボンディングパッド53に接続されているため、出力用ボンディングパッド53の電位が接地電位以下になると、ボディダイオード61はオンとなり、出力用ボンディングパッド53の電位は、接地−ダイオード電圧にクランプされる。
一方、第2の寄生トランジスタ16もベースが接地されているので、ベース−エミッタ間電圧が発生し、オンとなる。オンとなることにより第2の寄生トランジスタ16のコレクタ電流はメタル配線7を通り、半導体基板3の寄生抵抗17を通り、接地用ボンディングパッド52から供給される。この時、パワートランジスタ領域1の電位が負電位になり、また第2のダミー領域6をコレクタとする第2の寄生トランジスタ16が導通しているので、パワートランジスタ領域1と第1のダミー領域4との間における半導体基板3の部分9の電位は第2の寄生トランジスタ16のコレクタ電流と基板抵抗17との積に相当する電圧降下によって負電位となる。これにより、第1の寄生トランジスタ15が導通しにくくなり、第1の寄生トランジスタ15の寄生コレクタ電流を桁違いに小さくすることができ、パワートランジスタ111を制御する制御回路の誤動作をほとんど無くすことができる。実際の効果の数値例は、第1の実施形態と同一のため省略する。また、消費電流を低減する効果についても第1の実施形態と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態においてはDMOSによるパワートランジスタを例に挙げて説明したが、バイポーラトランジスタでもCMOSによるパワートランジスタでも同様の効果が得られ、同様に実施できる。また、第1の実施形態と同様に、制御回路のうちパワートランジスタ群との隣接する領域には抵抗素子か容量素子を配置することが好ましい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は半導体基板における各素子やダミー領域などの平面配置に関する実施形態である。ここで、本実施形態の説明をする前に、一般的な3相モータの駆動回路と比較の形態について説明をする。
図8は一般的な3相モータの駆動回路を示している。3つの電源側パワートランジスタ10,10,10と3つの接地側パワートランジスタ11,11,11とは、それぞれ一対ずつ電源用端子54と接地用端子52との間に直列に接続されている。そして各対の電源側パワートランジスタ10,10,10および接地側パワートランジスタ11,11,11は、3相のモータコイル(誘導性負荷)51の各相に対応して設けられている。さらに、電源側パワートランジスタ10,10,10のエミッタと接地側パワートランジスタ11,11,11のコレクタとの間には、出力端子53,53,53が接続され、各出力端子53,53,53は、モータコイル51の各相に対応して接続されている。各相のパワートランジスタ10,10,10および11,11,11は制御回路2に接続され、制御回路2からの制御信号を受けてモータコイル51を駆動する。なお、本実施形態では制御回路領域全体を制御回路2としている。
このようなモータ駆動回路は全体としてIC化されており、IC(半導体装置)内に作りこまれるパワートランジスタは、大電流を流すため大きな面積を必要とする。そのため、半導体チップ内に占めるパワートランジスタの面積の割合が大きく、パワートランジスタの配置の方法次第で、問題が生じる。
例えば、電流能力が1Aのパワートランジスタを配線する場合、その配線が有する抵抗がたとえ1Ωのように小さな値であっても、その配線に1Aの電流が流れたら、1Vという無視できない大きな電圧降下が生じる。このような電圧降下は半導体装置内に集積化している駆動回路の電気的特性を劣化させ、特に電流能力を低下させる要因となる。従って、半導体装置内に集積化する駆動回路の電流能力を確保するために、パワートランジスタ用のメタル配線は配線抵抗ができるだけ低いように配慮しなければならず、0.1Ω以下であることが好ましい。従って、メタル配線の配線幅は極力広くし、配線長を極力短くする必要がある。また、プッシュプル出力回路の接地用ボンディングパッド52および電源用ボンディングパッド54をパワートランジスタの直ぐ側に配置し、出力用ボンディングパッド53は電源側パワートランジスタ10と接地側パワートランジスタ11との間に挟まれるように配置する必要がある。このように配置すればメタル配線の抵抗値を低減できるからである。
ところで、特許文献1では、図11に示すように、パワートランジスタ202の配置を工夫することにより寄生電流を抑制する方法も開示されている。具体的には、半導体チップ201において寄生トランジスタが動作しない電源側パワートランジスタ210を制御回路203と接地側パワートランジスタ211との間に配置して、寄生トランジスタの電流増幅率を小さくする方法である。
しかしながら、このような特許文献1に記載のトランジスタの配置を採用する場合には、図7に模式的に示すような素子やパッド、配線の配置を採用することが考えられる。図7に示す形態を比較の形態と呼ぶ。比較の形態では、3対のパワートランジスタ310a,310b,310cおよび311a,311b,311cは半導体基板3の一つの辺に沿ってまとめて配置され、ここでは図7の下辺である。制御回路2は半導体基板(半導体チップ)3の主に上辺側に配置され、さらに左辺に沿って狭幅部分が延びていて全体として制御回路2は半導体基板3上にL字型に形成されている。そして、制御回路2とパワートランジスタ群との間にL字型のダミー領域304が形成されている。群となったパワートランジスタのうち、電源側パワートランジスタ310a,310b,310cは、上辺側の制御回路2と接地側パワートランジスタ311a,311b,311cとの間に配置している。このように配置することにより、接地側パワートランジスタ311a,311b,311cは電源側パワートランジスタ310a,310b,310cが存する分制御回路2との間の距離を大きくすることができ、寄生トランジスタの電流増幅率(hFE)を小さくしている。
制御回路2用のボンディングパッドは、半導体チップのチップ端の左辺、上辺および右辺に沿って設けられている。そして、接地側パワートランジスタ311a,311b,311cと電源側パワートランジスタ310a,310b,310cとの中間地点に出力用ボンディングパッド353a,353b,353cは設けられている。電源側パワートランジスタ310aおよび310b用の電源用ボンディングパッド354aは、それらのトランジスタ310a,310bの中間に配置され、半導体基板3上では短いメタル配線でそれぞれのトランジスタ310a,310bに接続され、メタル配線の抵抗が大きくならないように配慮される。残った電源側パワートランジスタ310c用の電源用ボンディングパッド354bは、電源側パワートランジスタ310cのみに接続するため、単に電源側パワートランジスタ310cの直ぐ側に配置される。また、接地側パワートランジスタ311a,311b,311cと接続される設置用ボンディングパッド352a,352bは、接地側パワートランジスタ311a,311cの近辺に形成されている。このようなパワートランジスタの配置方法を採用することにより、寄生電流対策と、駆動回路の電流能力の向上を図っている。
そして、半導体チップ3は、リードフレームのダイパッド102の上に搭載され、ダイパッド102の周囲に配列された各リードピンと半導体チップ上の各ボンディングパッドがボンディングワイヤ100,301,302で接続され、その後に樹脂封止されて半導体装置が仕上げられる。
しかし、このようなトランジスタ配置を行うと、電源側パワートランジスタ310a,310b,310cが半導体チップの中央付近に配置されることになり、電源用ボンディングパッド354a,354bに接続するボンディングワイヤ301,302の長さが他のボンディングワイヤ100に比べて長くなる。すると、長いボンディングワイヤ301,302の中央部分が下方に垂れて、半導体チップのチップ端と接触する危険性が大きくなる。そして、半導体チップのチップ端は半導体層が露出しており、ボンディングワイヤ301,302が接触すると半導体装置は不良品となることから、比較形態の半導体装置では半導体装置の組立工程(いわゆる後工程)の歩留まりが悪化してしまう虞が大きい。
この問題の対策のために、半導体チップの表面からボンディングワイヤ301,302の中央部までの距離、つまりワイヤ高さを高くする方法が考えられるが、この方法を採用すると、表面実装用の薄型パッケージの中に収納できないという弊害が起きる。
上記のような問題や弊害を解決するため、本願発明者は半導体基板における素子の平面的配置を検討し本願発明の一つに至った。以下に、この本願発明の例示として、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について、リードフレームに搭載された状態を示した図6を参照しながら説明する。
本実施形態の半導体装置では、電源側パワートランジスタ10a,10b,10cと接地側パワートランジスタ111a,111b,111cとによるパワートランジスタ群(出力回路)と、制御回路2とを分けて配置し、それらの間に第1のダミー領域4を配置する。なお、制御回路2は半導体基板3上にL字形に配置されてそのL字の内側の2辺にパワートランジスタ群が隣接して配置されている。また、制御回路2のパワートランジスタ群と隣接する2辺のうち1辺は、電源側パワートランジスタ10aと隣接しており、もう1辺にはパワートランジスタ群が一列に順に並んで配置されている。接地用ボンディングパッド52a,52bは、接地側パワートランジスタ111a,111b,111cの近傍であって半導体チップ端近傍に配置され、その近辺には第2のダミー領域6a,6b,6cが接地側パワートランジスタ111a,111b,111cと半導体チップ端との間にそれぞれ配置されている。そして、半導体基板3のうち接地側パワートランジスタ111aと第2のダミー領域6aとの間に存する部分は12aで現されているところであって、この部分12aは接地用ボンディングパッド52aと接続し、接地側パワートランジスタ111bと第2のダミー領域6bとの間の半導体基板3の部分12bは接地用ボンディングパッド52aと接続し、接地側パワートランジスタ111cと第2のダミー領域6cとの間の半導体基板3の部分12cは接地用ボンディングパッド52bと接続する。更に、第2のダミー領域6a,6b,6cは、それらが配置されている各接地側パワートランジスタ111a,111b,111cを挟んで相対する辺に沿った半導体基板3の部分9a,9b,9cに接続する。この接続は、半導体基板3に形成された配線70a,70b,70cによって行われる。
このように接地側パワートランジスタ111a,111b,111cの配置をレイアウトすると、第2の実施形態で説明したように、寄生電流を削減する効果が従来技術と比べて桁違いに大きくなるため、電源側パワートランジスタ10a,10b,10cを制御回路2側に配置して、寄生トランジスタ15の電流増幅率hFEを低下させる工夫をしなくても十分大きな寄生電流の削減ができ、制御回路2の誤動作を防止することができる。そのため、比較の形態では、電源側パワートランジスタ310a,310b,310cを制御回路2に隣り合うように配置し接地側トランジスタ311a,311b,311cを制御回路2と隣り合わないようにしなければならないというレイアウトの制約条件があったが、本発明ではその制約条件がなくなり、電源側パワートランジスタ10a,10b,10cおよび接地側パワートランジスタ111a,111b,111cの合計6個のパワートランジスタを半導体チップの一辺に沿って一列に並べて配列することができる。そのため、電源用ボンディングパッド54a,54bおよび出力用ボンディングパッド53a,53b,53cを半導体チップのチップ端に近づけて配置することができ、それらをリードフレームと接続するボンディングワイヤの長さを、比較形態の半導体装置に比べて大幅に短くすることができる。そのため、半導体装置の組立不良が発生しにくく、半導体装置の組立歩留まりが良いという二次的な効果が得られる。
このようなパワートランジスタの配置を行って、電源用ボンディングパッド54a,54bおよび出力用ボンディングパッド53a,53b,53cを、パワートランジスタの配列の中央線に沿って配列すると、以下のような別な意味の格別な効果が得られる。
上記のようなパワートランジスタの配置を行うと、各ボンディングパッドには、直ぐ側に在るパワートランジスタの素子領域内を引き回すように施された配線が接続される。これらの配線は、長さや幅などをそれぞれほぼ同じ長さや幅などに形成できるため、パワートランジスタの素子領域内を流れる電流を均一にでき、素子領域内の局部的な発熱を抑制することができる。その結果、パワートランジスタが熱破壊を起こす出力電流のレベルを高めることができ、この種の駆動回路を集積化した半導体装置の破壊が生じる電流レベルを高めることができ、結果として駆動用の半導体装置の信頼性を高めることができる。
なお、本実施形態は、駆動回路用のボンディングパッドの配列として最良のものであるが、半導体装置の使用条件が許容する範囲でパワートランジスタの配列の中央線(各パワートランジスタの中心点を結ぶ線)から多少外れた位置に、これらのボンディングパッドを配列しても構わない。ボンディングパッドの配列を中央線よりもチップ端側に寄せると、ボンディングワイヤ100の長さを短くすることができ、ボンディングワイヤ100の抵抗成分が駆動回路の出力電流能力を阻害しにくくなり、出力電流能力の大きい駆動用半導体装置を実現できる。
その他の本実施形態の特徴として、電源側パワートランジスタ10a,10b,10cと接地側パワートランジスタ111a,111b,111cとの一対の組み合わせ配置を交互に異ならせるパワートランジスタの配列を挙げることができる。この配列は、図6において右辺側から左側へ順に接地側パワートランジスタ111c、電源用パワートランジスタ10cの順で配置した場合、次は逆に電源用パワートランジスタ10b、接地側パワートランジスタ111bの順番の組み合わせで配置し、その次は更にその逆に接地側パワートランジスタ111a、電源側パワートランジスタ10aの順の組み合わせを配置したパワートランジスタの配列である。
このようなパワートランジスタの配列方法を採用すると、2つの電源側パワートランジスタ10bおよび10cがバイポーラトランジスタであればコレクタ同士を、またMOSトランジスタであればドレイン同士を対向させて近接させることができ、そのコレクタ又はドレインから電源用ボンディングパッド54bに接続するメタル配線を、最短の配線長で配線することができる。そのため、メタル配線の配線抵抗成分が殆ど無視できるほど小さくなり、電源用メタル配線の配線抵抗が駆動回路の出力電流を小さくさせる要因にならず、パワートランジスタ10bおよび10cの電流能力を十分に発揮させて、大きな出力電流を得ることができる。
また、電源側パワートランジスタ10a専用として用いる電源用ボンディングパッド54aと、電源側パワートランジスタ10aのコレクタ(又はドレイン)との間のメタル配線は十分に短くできるが、このようなパワートランジスタの配置を行うと、電源側パワートランジスタ10bのコレクタ(又はドレイン)と電源用ボンディングパッド54bとの間のメタル配線、および、電源側パワートランジスタ10cのコレクタ(又はドレイン)と電源用ボンディングパッド54bとの間のメタル配線も、それと殆ど変わらない短い配線長で配線することができる。そして、3つの出力回路から出力される出力電流の大きさは、電源用メタル配線の配線抵抗の影響を受けずにバランスをとることができそれぞれほぼ同じ大きさとできる。このように、3つの駆動回路の出力電流をバランス良く出力することができると、各相の最大供給電流をバランスさせることができる。
本発明の半導体装置は、半導体基板上のパワートランジスタに付随する寄生トランジスタの働きを無効化するのに有用であり、コイルやモータなどの誘導性負荷を駆動する出力回路用等の半導体装置への活用に好適である。
第1の実施形態に係る半導体装置の断面模式図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の平面模式図である。 図1に示す半導体装置の寄生トランジスタを説明するための断面模式図である。 第2の実施形態に係る半導体装置の断面模式図である。 第2の実施形態に係る半導体装置の寄生素子を説明するための断面模式図である。 第3の実施形態に係る半導体装置の平面模式図である。 比較の形態に係るパワートランジスタ配置とボンディングワイヤとの関係図である。 一般的な3相モータ用駆動回路の回路構成図である。 従来の半導体装置の断面図である。 従来の半導体装置の平面図である。 従来の別の半導体装置の平面図である。
符号の説明
1 パワートランジスタ領域
2 制御回路領域(制御回路)
3 P型の半導体基板
4 第1のダミー領域
5 チップ端
6 第2のダミー領域
7 メタル配線
9 接地側トランジスタと第1のダミー領域との間の半導体基板の部分
10 電源側パワートランジスタ
10a 電源側パワートランジスタ
10b 電源側パワートランジスタ
10c 電源側パワートランジスタ
11 接地側パワートランジスタ
12 P型拡散層(第2のダミー領域と接地側トランジスタとの間に位置する半導体基板の部分)
15 第1の寄生トランジスタ
16 第2の寄生トランジスタ
17 半導体基板の抵抗成分
51 誘導性負荷(コイルなど)
52 接地用ボンディングパッド
53 出力用ボンディングパッド
54 電源用ボンディングパッド
61 ボディダイオード(寄生ダイオード)
111a 接地側トランジスタ
111b 接地側トランジスタ
111c 接地側トランジスタ

Claims (8)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板に形成された出力回路と、
    前記半導体基板に形成され、前記出力回路を制御する制御回路と
    を備えた半導体装置であって、
    前記出力回路は、プッシュプル回路を構成する少なくとも一組の接地側トランジスタおよび電源側トランジスタを有し、
    前記半導体基板には、前記接地側トランジスタを間に挟んで、該半導体基板とは導電型が異なる第1及び第2のダミー領域が形成されており、
    前記第1のダミー領域は、前記接地側トランジスタと前記制御回路との間に位置しており、
    前記第2のダミー領域は、前記接地側トランジスタと前記第1のダミー領域との間の前記半導体基板に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記半導体基板のうち、前記第2のダミー領域と前記接地側トランジスタとの間に位置する部分は接地されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項2に記載の半導体装置において、
    前記半導体基板のうち、前記第2のダミー領域と接地側トランジスタとの間に位置しており且つ接地されている部分は、該半導体基板の他の部分よりも不純物濃度が高いことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の半導体装置において、
    前記半導体基板のうち、前記接地側トランジスタと前記第1のダミー領域との間に位置する部分は、接地されていないことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の半導体装置において、
    前記出力回路は、前記制御回路と前記半導体基板の端との間に位置しており、
    前記半導体基板の前記端に沿って前記接地側トランジスタと前記電源側トランジスタとが一列に並べられていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項5に記載の半導体装置において、
    前記半導体基板は矩形であって、
    前記接地側トランジスタと前記電源側トランジスタとは複数組存しており、当該接地側トランジスタと当該電源側トランジスタとのすべてが前記半導体基板の一辺に沿って一列に配置されていることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項5または6に記載の半導体装置において、
    前記出力回路は、前記半導体基板上に略矩形に形成され、
    前記制御回路は、前記出力回路の2辺に隣り合うようにL字形に形成され、
    前記制御回路の前記出力回路と隣り合う2辺のうち一方の辺は前記電源側トランジスタと隣り合っており、他方の辺に沿って前記接地側トランジスタと前記電源側トランジスタとが一列に配置されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一つに記載の半導体装置において
    前記制御回路の前記出力回路と隣接する領域には、抵抗素子および容量素子の少なくとも一方のみを配置し、該領域の電位を電源または接地と同電位とすることを特徴とする半導体装置。
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